JP2009025405A - 定着方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な光沢を有するトナー像に適切に定着可能な定着方法及び良好な光沢を有するトナー像を定着させることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】直線1と直線2との間に挟まれた領域Aの関係を満たす場合には、良好なトナー画像が形成される。なお、直線1は、η=2430.8ρP+46997に近似し、また、直線2は、η=409.2ρP−23092に近似している。従って、良好なトナー画像を形成するトナー粘度の領域Aは、(409.2ρP−23092)≧η≧(2430.8ρP+46997)となり、予め測定された硬度ρと圧力Pを有する定着装置で光沢、風合いとも良好なトナー画像を形成する場合には、上式を満たすトナー粘度を有するトナーを使用すれば良いことが明らかである。
【選択図】図5

Description

本発明は、未定着トナー像の記録材への定着処理を行う際に、定着像に光沢を付与する
定着方法及びこの定着方法を使用した定着装置を搭載した画像形成装置に関する。
近年、デジタルカメラの普及に伴い、これらデジタル化された画像をハードコピーとしてプリントアウトし、従来の銀塩写真と同様な使い方をしたいという要求が高まっている。このデジタル化された画像をハードコピーとしてプリントアウトする方法として、電子写真方式の画像形成プロセスにより、加熱溶融性の樹脂などからなるトナーを用いてトナー画像を作成し、記録材に転写された未定着トナー像を加熱、加圧を行って記録材に未定着トナーを定着させることが行われている。
図6は、従来の一般的な2ローラ方式による定着装置の概略構成図であって、101は内部に熱源102が配された加熱ローラ、103は加熱ローラ101に圧接してニップ部Nを形成する加圧ローラである。
加熱ローラ101は、図6において反時計方向に回転駆動され、加圧ローラ103は、加熱ローラ101に連れて回転する。加熱ローラ101の表面は、熱源102の熱により加熱されて、トナーが軟化する温度以上に保持されている。
未定着トナー像Toが表面に転写された記録材Sは、加熱ローラ101と加圧ローラ103間のニップ部Nに送られ、該ニップNにて加熱ローラ101と加圧ローラ103とから熱と圧力が加えられ、未定着トナー像Toのトナーが軟化ないし溶融した状態となり、ニップNから出た後、冷却されることにより、記録材S表面に固着して定着することになる。
しかし、前記のような構成の定着装置により得られるトナー画像Taでは、画像の光沢度が十分でないという課題があった。これは、自然冷却によってトナーが冷却固化されることになり、加熱ローラ101との接触によりトナー画像Taの表面に小さなうねりができてしまい、十分な光沢度が得られないことによる。
この課題を克服し、光沢度を向上させる発明として、ベルト構造の定着装置の発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発明では、ベルトにて未定着のトナー像を有する記録材が挟持搬送される間に定着処理が行われ、ベルトから分離される前に記録材におけるトナー画像が冷却されるため、ベルトの表面状態がトナー画像表面に接した状態のままでトナーが固化することになる。従って、トナー画像に従来のようなうねりの発生が抑制されて光沢度の良い画像が形成される。
特開平2−162383号公報
しかしながら、特許文献1記載のものでは、定着時の溶融粘度が高いトナーや溶融粘度の低いトナーを使用した場合には、狙い通りの光沢が得られなかったり、また、低粘度トナーについては、画像の忠実度が損なわれる等という問題が生じる。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、良好な光沢を有するトナー像に適切に定着可能な定着方法及び良好な光沢を有するトナー像を定着させることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、記録材の表面に形成された未定着トナー像を加熱、加圧して前記未定着トナー像のトナーを軟化ないし溶融させて、外力により変形し得る状態とする第1の定着工程と、当該第1工程に続いて、前記第1の定着工程で外力により変形し得る状態となった前記トナーの当該状態が維持されている間に当該トナーに圧接して光沢を付与する第2の定着工程とを行う未定着トナーの定着方法において、前記第1の定着工程において、加熱ニップ時の加圧面圧P(kg/cm)、加熱ニップ時における前記記録材上のトナー溶融粘度η(Pa)、前記加熱加圧部の定着面のアスカーC硬度ρとしたときに、(409.2ρP−23092)≧η≧(2430.8ρP+46997)を満足するようなトナーを使用し、前記第2の定着工程において、前記加熱ニップ時の加熱温度より100℃以下に冷却して未定着トナーの定着を行うことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の定着方法において、前記第1の定着工程における未定着トナー像の加熱、加圧を行う部材及び前記第2の工程におけるトナーに圧接して光沢を付与する部材として、前記第1の定着工程における加熱、加圧を行う前記記録材を介して対向して配設される加熱ローラと加圧ローラと、前記第2の工程における光沢付与部材としての前記記録材を介して対向して配設される冷却ローラと加圧ローラと、前記加熱ローラと前記冷却ローラとに張架された無端状のベルトを使用して、当該ベルトの表面を前記未定着トナーに圧接させて光沢を付与することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2記載の定着方法において、前記ベルトは、支持体層と当該支持体層上に形成され、前記未定着トナーと圧接する定着層とを有し、前記支持体層は、樹脂または金属で形成されていることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3記載の定着方法において、前記ベルトは、支持体層と当該支持体層上に形成され、前記未定着トナーと圧接する定着層とを有し、当該定着層は、シリコンゴム、フッ素ゴム及びこれらの複合体から選択される少なくとも1種の材料で形成されていることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項2乃至4の何れか1項記載の定着方法において、前記未定着トナーに圧接する前記ベルトの表面は、フッ素樹脂被膜で被覆されていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して当該静電潜像をトナー像化し、当該トナー像を記録材の表面に転写して記録材表面にトナー像を形成する画像形成部と、当該画像形成部で形成されたトナー像を加熱、加圧して記録材上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、前記定着装置は、請求項1乃至5の何れか1項記載の定着方法を使用する定着装置であることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記静電潜像は、デジタルカメラで撮像された画像に基づいて形成されることを特徴とする。
本発明によれば、加熱ニップ時の加圧面圧P(kg/cm)、加熱ニップ時における前記記録材上のトナー溶融粘度η(Pa)、前記加熱加圧部の定着面のアスカーC硬度ρとしたときに、(409.2ρP−23092)≧η≧(2430.8ρP+46997)を満足するようなトナーを使用し、前記第2の定着工程において、前記加熱ニップ時の加熱温度より100℃以下に冷却して未定着トナーの定着を行うことによって、良好な光沢を有するトナー像に適切に定着可能な定着方法及び良好な光沢を有するトナー像を定着させることが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明者は、電子写真方式の画像形成装置によって銀塩写真と同様の光沢と風合いを有する画像を形成するために種々検討を行った。
銀塩写真の光沢度は80〜90%であるが、通常の電子写真方式による画像形成の場合、銀塩写真のような光沢はなかなか得られず、光沢画像といってもせいぜい60%程度の反射率である。これは溶融したトナー面から定着面を分離する際、定着面とトナー面の接着力でトナー面が引張されてトナー面が荒れるためである。これを抑制する方法として未定着トナーを加熱することでトナーが溶融し、鏡面を有する定着面が転写された状態で溶融トナーを冷却し、定着面の鏡面状態を写し取ることによって光沢度を上昇させる加熱後冷却する方法がある。
しかし、この方法をもってしても銀塩写真に対して光沢や風合いはまだ異なり問題となっている。この方法によれば確かに定着面の鏡面を写し取ることが可能となるので光沢度としては80%程度となるが、やはり微妙な光沢や風合いが異なって観ぜられる。カラー電子写真の場合は、特に、均一にトナー層を圧縮してトナー表面に定着面が密着できるように、定着面を形成する部分に弾性層が設けてあり、逆に、この弾性層が柔らかいためにトナー層を均一に圧縮しきれず、ある程度トナー層やトナー粒子形状に沿って定着面が弾性変形してしまう。その結果、トナー表面に光沢があるにも係わらず全体的に表面がうねった形態になってしまい、これが銀塩写真との大きな風合いの差となり問題となっている。
このような問題は、特に、定着時の溶融粘度が高いトナーや溶融粘度の低いトナーを使用した場合には、狙いの光沢が得られなかったり、また、低粘度トナーについては画像の忠実度が損なわれたりする等の不具合が発生し易く、問題となっていた。
本発明者は、これらの不具合が発生する原因の究明を行った結果、トナーの溶融粘度、定着面の見かけ硬度、加圧する時の面圧が複合的に効いていることを見出した。即ち、記録材の表面に形成された未定着トナー像のトナーを軟化ないし溶融させて、外力により変形し得る状態を形成し(第1の定着工程)、しかる後、この外力により変形し得る状態となった前記トナーの当該状態が維持されている間に当該トナーに圧接して光沢を付与する工程(第2の定着工程)を行う定着方法において、前記第1工程の未定着トナー像のトナーを軟化ないし溶融させて、外力により変形し得る状態を形成する加熱ニップ時における前記記録材上のトナーの溶融粘度η(Pa)、前記加熱加圧部の定着面のアスカーC硬度ρ、前記加熱加圧部の加熱ニップ時の加圧面圧P(kg/cm)としたときに、(409.2ρP−23092)≧η≧(2430.8ρP+46997)を満足するようなトナーを使用し、前記第2の定着工程において、前記加熱ニップ時の加熱温度より100℃以下に冷却して未定着トナーの定着を行うことによって、銀塩写真に近い風合いの光沢が得られることを究明して、本発明を完成させるに至った。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための画像形成装置の一例であるデジタルカメラで撮影された画像を印刷するのに好適なカラープリンタの概略構成図であって、本画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する画像形成部1と、トナー像を記録材に定着する定着部2を具備している。
図1において、画像形成部1は、ドラム状の感光体として構成された第1〜第4のトナー像担持体3Y、3M、3C、3BKを有し、各トナー像担持体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像およびブラックトナー像の各色のトナー像がそれぞれ形成される。第1〜第4のトナー像担持体3Y〜3BKに対向して転写ベルト4が配置され、この転写ベルト4は、駆動ローラ5と従動ローラ6間に架設されて、矢印A方向に移動駆動される。
第1〜第4のトナー像担持体3Y〜3BK上にトナー像を形成する構成、および動作はそれぞれ実質的に同一であるため、第1のトナー像担持体3Yにトナー像を形成する構成のみ説明する。
トナー像担持体3Yは、図1において時計方向に回転駆動され、帯電ローラ7によって表面が所定の極性に均一に帯電される。次いで、その帯電面に、レーザ書き込みユニット8から出射する画像データに基づき光変調されたレーザビームLが照射され、この照射による露光によりトナー像担持体3Y上に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。
一方、図示しない給紙部から、例えば普通紙または樹脂シートあるいは樹脂フィルム等から成る記録材Sが給送され、記録材Sが、矢印Bで示すように、トナー像担持体3Yと転写ベルト4の間に送り込まれ、転写ベルト4に担持されて搬送される。転写ベルト4を挟んで、像担持体3Yに略対向する位置に転写ローラ10が配置されており、転写ローラ10に対し、トナー像担持体3Y上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、トナー像担持体3Y上のイエロートナー像が記録材S上に転写される。記録材Sに転写されず、トナー像担持体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去回収される。
同様にして、第2〜第4のトナー像担持体3M、3C、3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像およびブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、前記イエロートナー像の転写された記録材S上に順次重ねて転写される。
このようにして4色の未定着トナー像を担持した記録材Sは、矢印Cで示すように定着部2に送り込まれ、該定着部2を通過する。このとき、その未定着トナー像が記録材S上に定着され、該定着部2を通過した記録材Sは、矢印D方向に搬送されて排紙トレイ(図示せず)に排出される。
本実施形態における定着部2は、光沢付与機構付き定着装置であって、定着部2は、主として、加熱仮定着工程を担う加熱仮定着装置(第1の定着手段)21と、画像光沢付与工程を担う画像光沢付与装置(第2の定着手段)22とからなる。
図2に示す本発明の一実施形態における定着部2の構成図のように、加熱仮定着装置21は、未定着トナーToを表面に有する記録材Sを介して対向して配設された加熱ローラ23と加圧ローラ24とを有し、後述する画像光沢装置22の冷却ローラ25と加圧ローラ26とにそれぞれ張架された無端状の定着ベルト27と加圧ベルト28とが前記記録材Sを介して対向状に配設されて備えられている。
加熱ローラ23は中心軸23cを中心として矢印E方向に回転し、この加熱ローラ23に定着ベルト27、記録材S及び加圧ベルト28を介して加圧ローラ24が圧接して定着ベルト27と搬送ベルト28間に加熱ニップ部N1を形成しつつ、加圧ローラ24は中心軸24cを中心として矢印F方向に駆動回転する。加熱ローラ23は、例えば中空筒体形状の芯金23a外周にシリコンゴムなどの耐熱性の弾性体層23bが形成されてなり、芯金23aの中空部分にはハロゲンヒータ29が内蔵され、定着(仮定着)に必要な熱供給がなされる。
加圧ローラ24も加熱ローラ23と同様に、中空筒体形状の芯金24aの外周にシリコンゴム等からなる弾性体層24bが形成されており、その中心軸24cを両端から加熱ローラ23に向かって矢印P方向に押圧する図示しない押圧手段が設けられており、この押圧手段によって加熱ニップ部N1における加圧力を調整可能となっている。
加熱ローラ23表面の温度制御は、定着ベルト27に温度検知素子としてのサーミスタ30を接触配置して、サーミスタ30により定着ベルト27の表面温度を検知し、定着ベルト27の表面温度が所定値となるように、図示しない制御装置によってハロゲンヒータ30に対するオン・オフ制御が行われる。
このようにして加熱された加熱ローラ23は、加熱ローラ23と冷却ローラ25とに張架された定着ベルト27を加熱し、加熱された定着ベルト27と加圧ローラ24及び26に張架された加圧ベルト28と共に、未定着トナー画像Toを有する記録材Sを加熱ニップ部N1で挟持し、未定着トナー画像Toを加熱、加圧する。このようにして定着ベルト27によって加熱された未定着トナー画像Toは、トナーが加熱されて軟化ないし溶融されて定着ベルト27と加圧ベルト28との挟持によって、圧接する定着ベルト27の表面(定着面)27aに倣って変形(T1)すると共に、記録材Sの表面に仮定着される。
画像光沢付与装置22は、中心軸25aを中心として定着ベルト27の移動と共に回転する冷却ローラ25と、中心軸26aを中心として加圧ベルト28の移動と共に回転する加圧ローラ26を備えている。冷却ローラ25は、加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト27を冷却して、定着ベルト27の定着面27aに倣って変形された状態で記録材Sの表面に仮定着されたトナーを固化する。この場合、画像光沢付与装置22は、サーミスタ31等の温度検知センサが取り付けられており、定着ベルト27の温度が前述の加熱仮定着装置21で検知された加熱ニップ部N1の温度よりも100℃以下になるように、冷却ローラ25で定着ベルト27を冷却するように温度調整が行われている。
また、加圧ローラ26は、定着ベルト27、加圧ベルト28及び定着ベルト27と加圧ベルト28とに挟持されたトナー画像を有する記録材Sとを冷却ローラ25に対して冷却ニップ部N2の領域で押圧し、固化されたトナー画像を記録材Sの表面に固着して定着する。
この場合、画像光沢付与装置22は、前述のように、加熱仮定着装置21により軟化ないし溶融状態となった未定着トナー画像Toのトナーが、外力により変形し得る状態が維持されている範囲内に設置される。トナーが溶融状態から軟化状態となり、さらに冷却されて軟化点以下の温度となり、最終的に固化する過程において、画像光沢付与手段22で加圧面により加圧された場合に、トナーが流動して平滑な面が形成され、高光沢な画像が得られる。
即ち、前記半定着トナー画像T1のトナーが、外力により変形し得る状態が維持されているうちに、画像光沢付与装置22に導入され、画像光沢付与装置22による処理が施される(画像光沢付与工程)。このとき、半定着トナー画像T1のトナーは、その凝集力によってうねりを生じたフリーな状態となっているが、画像光沢付与装置22により、半定着トナー画像T1のトナーを流動させ、望ましい画像光沢へと形状が整えられる。
また、そのとき同時に、半定着トナー画像T1のトナーから熱エネルギを奪うことによりトナーを冷却し固化する。これにより再凝集することなく、高光沢状態を維持したトナー画像T2の形成された記録材Sが、図2に示すように、矢印D方向に移送されて図示しない排紙トレイに排出されることになる。
定着ベルト27は、図3に示すように、支持体層27bを有し、この支持体層27b上に、記録材Sの未定着トナーToと圧接する定着層27cが形成されている。支持体層27bは、金属(ニッケル、ステンレス等)あるいは耐熱性樹脂(ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等)からなる帯状体が用いられ、屈曲に強く、張力で変形しにくいベルトを形成する。
定着層27cとしては、シリコン樹脂、シリコン共重合体等のシリコン系ゴム或いはフッ素樹脂、フッ素共重合体等のフッ素系ゴム、これらの複合体から選択される少なくとも1種の弾性を有する材料で構成され、これらの材料で形成された定着ベルト27は、トナー層やトナー粒子に密着して良好な平坦面を有するトナー画像を形成して高光沢性を付与する。
また、定着層27cの表面には、PFAやPTFE等のフッ素樹脂被膜27dで被覆していることでトナー層との離型が安定し、画像光沢付与装置22から記録材Sが分離、移送される際に、定着ベルト27からトナー層が良好に離型し、高光沢を維持したトナー画像T2が定着されることになる。
加圧ベルト28も定着ベルト27と同一のものが使用できるが、加圧ベルト28は必ずしも必要ではなく、加圧ローラ24及び26のみを使用して、これらのローラで直接記録材S及び定着ベルト27を押圧するようにしても良い。しかしながら、加圧ベルト27を使用して、加圧ベルト28と定着ベルト27とで、記録材Sを挟持しながら加熱仮定着装置21から画像光沢付与装置22まで記録材Sを移送する場合には、未定着トナー画像Toのトナーが、外力により変形し得る状態が維持されている時間を長く取ることが可能となるので好適である。
以上のような定着装置を使用して光沢、風合いとも銀塩写真に近似させるために種々検討した結果、使用されるトナーの加熱ニップ時の溶融粘度η(Pa)と、定着ベルト27の定着面27aの見かけ硬度(アスカーC硬度)ρと加熱ニップ部N1における加圧面圧P(kg/cm)を適切に選定し、加熱ニップN1時の温度と冷却ニップN2時の温度差が100℃以上とすれば、銀塩写真に近似したトナー画像が得られることを究明した。
次に、使用されるトナーの加熱ニップ時の溶融粘度η(Pa)と、定着ベルト27の定着面27aの見かけ硬度(アスカーC硬度)ρと加熱ニップ部N1における加圧面圧P(kg/cm)との関係について検討した結果について説明する。図4は、この検討の際における加熱ニップ時の温度170℃、冷却ニップ時の温度50℃とした時の面圧Pと硬度ρと使用した基準トナー粘度η1(低粘度トナー)及びη2(高粘度トナー)の条件を示している。
この場合、トナーは、ポリエステル系樹脂(三洋化成社製)とカルナウバワックスを使用したものであり、トナー粘度を基準トナー粘度η1及びη2を中心に変化させた。変化の範囲は、η1においては、約+20%、及び−20%、−40%になるように、また、η2においては、約−20%、及び+20%、+40%になるように、ワックス量の増減と高粘度樹脂と低粘度樹脂の混合比率を変化させることによって種々の粘度を有するトナーを調製した。このような種々の粘度を有するトナーを使用し、各条件における硬度ρと加圧面圧Pにおける定着トナー画像の評価を行った。
この実験結果、図4で示す基準トナー粘度η1、η2を有するトナーを使用した場合には、光沢、風合いとも良好なトナー画像を示したが、η1より低い粘度を有するトナーを使用した場合には、トナーが潰れすぎなので不良画像が形成され、反対に、η2より高い粘度の物は、トナーの潰れ方が不足で表面にうねりが発生してしまうことが判明した。
この実験結果に基づいてさらに、溶融粘度η(Pa)と、定着ベルト27の定着面27aの見かけ硬度(アスカーC硬度)ρと加熱ニップ部N1における加圧面圧P(kg/cm)との関係について検討した結果、これら三者ηとρとPとが適切に選定されたときに、良好なトナー画像がえられることを究明した。図5は、その結果を示し、図中、直線1は、図4における基準トナー粘度η1としたときのηとρPとの関係を示す直線で、直線2は、基準トナー粘度η2としたときのηとρPとの関係を示す直線である。
この結果から、直線1と直線2との間に挟まれた領域Aの関係を満たす場合には、良好なトナー画像が形成されるのに対し、領域Bの場合には、トナー粒子を潰す力が足りず、トナー粒子やトナー層のうねりに定着表面が追随して、風合いや光沢が不良となる領域である。また、領域Cの場合には、トナーが潰れ過ぎて画像のドットが太りすぎてトナー画像不良が発生する領域である。なお、直線1は、η=2430.8ρP+46997に近似し、また、直線2は、η=409.2ρP−23092に近似している。従って、良好なトナー画像を形成するトナー粘度の領域Aは、(409.2ρP−23092)≧η≧(2430.8ρP+46997)となり、予め測定された硬度ρと圧力Pを有する定着装置で光沢、風合いとも良好なトナー画像を形成する場合には、上式を満たすトナー粘度を有するトナーを使用すれば良いことが明らかである。
次に、所定の定着ベルトの硬度、面圧を有する定着装置を使用した場合における使用されるトナーとトナーの溶融粘度の関係に付いて、実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
次の条件の定着ベルト、加熱温度、冷却温度として前記定着装置を使用し、170℃における溶融粘度が50000Paを有するトナーを使用してトナー画像を記録用紙に印刷し、画像の光沢度、風合い等の画像特性を評価した。
定着ベルト支持体:100μm厚ポリイミド樹脂
加熱温度:170℃
冷却温度:50℃
定着ベルト定着層:150μm厚シリコンゴム 40deg、ゴム硬度(アスカーC硬度)70
トナー溶融粘度(170℃):50000Pa
この結果、光沢度が80〜85%あり、風合いも銀塩写真とほぼ同等であった。しかし、試料No1〜4のものでも500000枚で定着面にトナー汚れが発生した。
[実施例2]
定着ベルトとして次の構成、面圧、硬度、を有する定着ベルトを使用し、次の加熱温度、冷却温度面圧として、170℃における溶融粘度200000Paのトナーを使用してトナー画像を記録用紙に印刷し、画像の光沢度、風合い等の画像特性を測定した。
定着ベルト支持体:80μm厚SUS(ステンレス鋼)製ベルト
加熱温度:170℃
冷却温度:50℃
定着ベルト定着層:150μm厚シリコンゴム 40deg、ゴム硬度(アスカーC硬度)70
定着ベルトに30μm厚のPFAチューブを被着した定着ベルトを使用。
面圧:2.5kg/cm
(面圧P×硬度ρ):170
結果、光沢度が80〜85%で、風合い光沢とも銀塩写真と同等の特性を示した。また、3000000枚の通紙にも係わらず定着ベルトからトナー画像を有する記録材Sの分離が良好で、定着ベルトにトナー画像が付着せず画像性能に影響はなかった。
[比較例1]
実施例2において、支持体層を使用せず、シリコンゴムからなる弾性層のみで作成されたベルトを使用したが、ベルトが伸びてしまい使い物にならなかった。
[比較例2]
次の条件の加圧面圧、ゴム硬度を有する定着ベルトを使用し、次の加熱温度、冷却温度として、170℃における溶融粘度40000Paを有するトナーを使用して記録用紙に印刷し、画像の光沢度、風合い等の画像特性を評価した結果、トナーが潰れ過ぎて画像が乱れた。
定着ベルト支持体:100μm厚ポリイミド樹脂
加熱温度:170℃
冷却温度:50℃
加圧面圧:2.5kg/cm
(面圧P×硬度ρ):170
[比較例3]
比較例2において、170℃における溶融粘度600000Paを有するトナーを使用して記録用紙に印刷し、画像の光沢度、風合い等の画像特性を評価した結果、トナーが潰れず、画像表面が凹凸となって風合いが悪く、しかも光沢度は15%であった。
[比較例4]
次の条件の加圧面圧、ゴム硬度を有する定着ベルトを使用し、次の加熱温度、冷却温度として、170℃における溶融粘度50000Paを有するトナーを使用して記録用紙に印刷し、画像の光沢度、風合い等の画像特性を評価した結果、トナーが潰れ過ぎて画像が乱れた。
定着ベルト支持体:100μm厚ポリイミド樹脂
加熱温度:170℃
冷却温度:50℃
加圧面圧:6kg/cm
(面圧P×硬度ρ):270
[比較例5]
比較例4において、170℃における溶融粘度1000000Paを有するトナーを使用して記録用紙に印刷し、画像の光沢度、風合い等の画像特性を評価した結果、トナーが潰れず、画像表面が凹凸となって風合いが悪く、しかも光沢度は1%であった。
本発明による一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本発明による一実施形態に係る定着装置の概略構成を示す断面図である。 本発明による一実施形態に係る定着ベルトの概略構成を示す断面図である。 本発明による一実施形態に係る定着ベルトを使用して加熱ニップ時の加圧面圧P(kg/cm)、定着面のアスカーC硬度ρ、加熱ニップ時における前記記録材上のトナー溶融粘度η(Pa)の関係を試験するための条件を表で示す図である。 図4による試験条件の結果から加熱ニップ時の加圧面圧P(kg/cm)、定着面のアスカーC硬度ρ、加熱ニップ時における前記記録材上のトナー溶融粘度η(Pa)の関係を示すグラフ図である。 従来の定着装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成部、2 定着装置、3Y、3M、3C、3BK トナー像担持体、4 転写ベルト、7 帯電ローラ、8 書込みユニット、9 現像装置、10 転写ローラ、11 クリーニング装置、21 加熱仮定着装置(第1の定着手段)、22 画像光沢付与装置(第2の定着手段)、23 加熱ローラ、24 加圧ローラ、25 冷却ローラ、26 加圧ローラ、27 定着ベルト、28 加圧ベルト、29 ハロゲンヒータ

Claims (7)

  1. 記録材の表面に形成された未定着トナー像を加熱、加圧して前記未定着トナー像のトナーを軟化ないし溶融させて、外力により変形し得る状態とする第1の定着工程と、当該第1工程に続いて、前記第1の定着工程で外力により変形し得る状態となった前記トナーの当該状態が維持されている間に当該トナーに圧接して光沢を付与する第2の定着工程とを行う未定着トナーの定着方法において、
    前記第1の定着工程において、加熱ニップ時の加圧面圧P(kg/cm)、加熱ニップ時における前記記録材上のトナー溶融粘度η(Pa)、前記加熱加圧部の定着面のアスカーC硬度ρとしたときに、(409.2ρP−23092)≧η≧(2430.8ρP+46997)を満足するようなトナーを使用し、前記第2の定着工程において、前記加熱ニップ時の加熱温度より100℃以下に冷却して未定着トナーの定着を行うことを特徴とする定着方法。
  2. 請求項1記載の定着方法において、
    前記第1の定着工程における未定着トナー像の加熱、加圧を行う部材及び前記第2の工程におけるトナーに圧接して光沢を付与する部材として、前記第1の定着工程における加熱、加圧を行う前記記録材を介して対向して配設される加熱ローラと加圧ローラと、前記第2の工程における光沢付与部材としての前記記録材を介して対向して配設される冷却ローラと加圧ローラと、前記加熱ローラと前記冷却ローラとに張架された無端状のベルトを使用して、当該ベルトの表面を前記未定着トナーに圧接させて光沢を付与することを特徴とする定着方法。
  3. 請求項2記載の定着方法において、
    前記ベルトは、支持体層と当該支持体層上に形成され、前記未定着トナーと圧接する定着層とを有し、前記支持体層は、樹脂または金属で形成されていることを特徴とする定着方法。
  4. 請求項2又は3記載の定着方法において、
    前記ベルトは、支持体層と当該支持体層上に形成され、前記未定着トナーと圧接する定着層とを有し、当該定着層は、シリコンゴム、フッ素ゴム及びこれらの複合体から選択される少なくとも1種の材料で形成されていることを特徴とする定着方法。
  5. 請求項2乃至4の何れか1項記載の定着方法において、
    前記未定着トナーに圧接する前記ベルトの表面は、フッ素樹脂被膜で被覆されていることを特徴とする定着方法。
  6. 像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して当該静電潜像をトナー像化し、当該トナー像を記録材の表面に転写して記録材表面にトナー像を形成する画像形成部と、当該画像形成部で形成されたトナー像を加熱、加圧して記録材上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、
    前記定着装置は、請求項1乃至5の何れか1項記載の定着方法を使用する定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6記載の画像形成装置において、
    前記静電潜像は、デジタルカメラで撮像された画像に基づいて形成されることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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