以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システム100の全体構成を概略的に示す図である。本実施の形態に係る画像形成システム100では、図1において太線で示す長尺のラベルロール紙(記録用紙)L1または短尺のラベル用紙(記録用紙)L2を記録媒体として使用して、当該ラベルロール紙L1上またはラベル用紙L2上に画像を形成する。ここで、ラベルロール紙L1および短尺のラベル用紙L2は、台紙、糊およびラベル用紙からなる多層構造を持つ用紙である。ラベルロール紙L1は、長さが600m〜1200mの長尺帯状を成し、ラベル用紙L2は、例えばA4サイズの用紙のように短尺帯状を成す。なお、本明細書では、ラベルロール紙L1とラベル用紙L2を区別する場合はそれぞれの名称を使用し、ラベルロール紙L1とラベル用紙L2を一括して言う場合はラベル用紙L1,L2と言う。
図1に示すように、画像形成システム100は、ラベルロール紙L1の搬送方向(以下、「用紙搬送方向」とも言う)に沿って上流側から、給紙装置1、画像形成装置2および巻き取り装置3が接続されて構成される。給紙装置1および巻き取り装置3は、ラベルロール紙L1上に画像を形成する場合に使用される。
給紙装置1は、ラベルロール紙L1を画像形成装置2へ給紙する装置である。給紙装置1の筐体内では、図1に示すように、ラベルロール紙L1が支持軸に巻回されて回転可能に保持されている。給紙装置1は、支持軸に巻回されたラベルロール紙L1を、複数の搬送ローラー対(例えば、繰り出しローラー、給紙ローラー等)を経由して、一定の速度で画像形成装置2へ搬送する。給紙装置1の給紙動作は、画像形成装置2によって制御される。
画像形成装置2は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置であり、画像形成部20、定着部23および用紙搬送部50を備える。画像形成部20は、感光体ドラム213上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト(第1転写部材)221に転写(一次転写)し、中間転写ベルト221上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙装置1から給紙されたラベルロール紙L1または用紙搬送部50の給紙部501から送出されたラベル用紙L2に転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
画像形成部20には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム213を中間転写ベルト221の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト221に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
画像形成部20は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット21Y、21M、21C、21K、中間転写ユニット22等を備える。Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット21Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット21M、21C、21Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット21は、露光装置211、現像装置212、感光体ドラム213、帯電装置214およびドラムクリーニング装置215等を備える。帯電装置214は、感光体ドラム213の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置211は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム213に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム213の表面には、各色成分の静電潜像が形成される。現像装置212は、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム213の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置215は、感光体ドラム213の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム213の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット(二次転写部)22は、中間転写ベルト221、一次転写ローラー222、複数の支持ローラー223、二次転写ローラー(第2転写部材)224およびベルトクリーニング装置226等を備える。中間転写ベルト221は、導電性および弾性を有する無端状ベルトであり、表面に体積抵抗率が8〜11[logΩ・cm]である高抵抗層を有する。なお、中間転写ベルト221については、導電性および弾性を有するものであれば、材質、厚さおよび硬度を限定しない。中間転写ベルト221は、複数の支持ローラー223にループ状に張架される。複数の支持ローラー223のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。駆動ローラー223Aが回転することにより、中間転写ベルト221は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー222は、各色成分の感光体ドラム213に対向して、中間転写ベルト221の内周面側に配置される。中間転写ベルト221を挟んで、一次転写ローラー222が感光体ドラム213に圧接されることにより、感光体ドラム213から中間転写ベルト221へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。二次転写ローラー224は、駆動ローラー223Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー223Bに対向して、中間転写ベルト221の外周面側に配置される。中間転写ベルト221を挟んで、二次転写ローラー224がバックアップローラー223Bに圧接されることにより、中間転写ベルト221からラベル紙L1,L2へトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される二次転写ローラー224は、弾性を有する部材で構成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト221が通過する際、感光体ドラム213上のトナー像が中間転写ベルト221に順次重ねて一次転写される。その後、ラベル用紙L1,L2が二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト221上のトナー像がラベル用紙L1,L2に二次転写される。
二次転写ローラー224は、バックアップローラー223Bに所定の圧力(例えば、50[N])で圧接される。二次転写ニップをラベル用紙L1,L2が通過する際に、中間転写ベルト221上のトナー像がラベル用紙L1,L2に転写される。トナー像が転写されたラベル用紙L1,L2は、定着部23に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置226は、二次転写後に中間転写ベルト221の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー224に代えて、二次転写ローラー224を含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
定着部23は、トナー像が転写され、搬送されてきたラベル用紙L1,L2を定着ニップで加熱、加圧することにより、ラベル用紙L1,L2にトナー像を定着させる。定着部23では、ラベル用紙L1,L2のトナー像が形成されている面側に定着ローラー231が配置され、ラベル用紙L1,L2の裏面(定着面と反対の面)側に加圧ローラー232が配置される。加圧ローラー232は、定着ローラー231に所定の定着荷重(例えば、1000[N])で圧接される。
加圧ローラー232が定着ローラー231に圧接することで、定着ローラー231と加圧ローラー232との間には、ラベル用紙L1,L2を狭持して搬送する定着ニップが形成される。定着ローラー231には、加熱源(ハロゲンヒーター)が内蔵されており、この加熱源によって定着ローラー231が加熱される。定着ローラー231は、トナー像が形成されたラベル用紙L1,L2に接触して、当該トナー像をラベル用紙L1,L2に定着温度(例えば、160〜200[℃])で加熱定着する。
用紙搬送部50は、給紙部501、排紙部502および搬送経路部503等を備える。給紙部501にはラベル用紙L2が収容されている。搬送経路部503は、レジストローラー対503aを含む複数の搬送ローラー対を有する。給紙部501に収容されているラベル用紙L2は、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部503により画像形成部20に搬送される。画像形成部20にラベル用紙L2が搬送されてくると、トナー像がラベル用紙L2の一方の面に一括して転写され、その後、定着部23において定着処理が施される。
画像形成されたラベル用紙L1,L2は、搬送ローラー対(排紙ローラー対)502aを備えた排紙部502により巻き取り装置3に搬送される。
巻き取り装置3は、画像形成装置2から搬送されてきたラベルロール紙L1を巻き取る装置である。巻き取り装置3の筐体内では、ラベルロール紙L1が支持軸に巻回されてロール状に保持される。そのために、巻き取り装置3は、画像形成装置2から搬送されてきたラベルロール紙L1を、複数の搬送ローラー対(例えば、繰り出しローラー、排紙ローラー)を経由して、一定の速度で支持軸に巻き取る。
このように、給紙装置1から画像形成装置2へ給紙されたラベルロール紙L1は、搬送経路部503により画像形成部20に搬送される。そして、画像形成部20にて、トナー像がラベルロール紙L1の一方の面に一括して写され、その後、定着部23において定着処理が施される。また、給紙部501に収容されているラベルロール紙L1は、搬送経路部503により画像形成部20に搬送される。そして、画像形成部20にて、トナー像がラベルロール紙L1の一方の面に一括して転写され、その後、定着部23において定着処理が施される。
ところで、ラベル用紙L1,L2は、画像形成装置2でトナー像が転写される際、二次転写ニップにより圧力を受けるが、この圧力によってラベル用紙L1,L2の端部より糊(接着剤)がはみ出てしまうことがある。用紙端部よりはみ出た糊が中間転写ベルト221に付着すると、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニングやドラムクリーニングが行われるときに異常摩擦が発生したり、画像不良が発生したりする。本実施の形態の画像形成システム100は、トナー像の転写の際に中間転写ベルト221と二次転写ローラー224との間の用紙にかかる二次転写ニップ圧のうち、用紙端部にかかる二次転写ニップ圧のみを低減する転写ニップ圧低減部を有しており、この転写ニップ圧低減部によって、上記問題の解決を図っている。以下、この転写ニップ圧低減部の構成部材(転写ニップ圧低減部材)について、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら説明する。
図2は、二次転写時にラベル用紙L1,L2から糊がはみ出ないように抑止する転写ニップ圧低減部材であるスペーサー10とその配置を用紙上方より見た図である。また、図3は、図2のB−B線矢視断面図である。また、図4は、スペーサー10とその配置を示す斜視図である。図2〜図4において、スペーサー10は、用紙搬送方向上流側にある支持部11によって支持される。図2中の矢印Cは用紙搬送方向を示す。スペーサー10は、ラベル用紙L1,L2よりも厚みのある板状に形成されており、ラベル用紙L1,L2の端面300aよりも僅かに外側で、かつ中間転写ベルト221の外周面(トナー像が形成される面)と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間に配置される。スペーサー10は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに設けられる。
スペーサー10には、強度の高い材質が使用され、表層に離型性の高い部材が使用される。強度を高く保つための材質には例えばPI(ポリイミド、厚み0.5mm)が使用される。表層には例えばPFA(フッ素樹脂)が使用される。
一方、ラベル用紙L1,L2は、図3に示すように、台紙301、糊302およびラベル紙303の多層構造になっている。
用紙サイズに応じた大きさのスペーサー10が複数用意されており、用紙サイズ変更時に交換可能となっている。なお、スペーサー10を交換する代わりに、スペーサー10を支持する支持部11を二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動できるようにしてもよい。
スペーサー10を、中間転写ベルト221の外周面側と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間に介在させると、スペーサー10の厚みによって、弾性部材で構成された二次転写ローラー224が凹んだ状態となる(図3参照)。二次転写ローラー224が凹むことで発生する復元力によって、スペーサー10が中間転写ベルト221の外周面と二次転写ローラー224の面に隙間無く接する。図3に示す矢印Dは、二次転写ローラー224における力の発生方向を示している。一方、ラベル用紙L1,L2の端部300の周囲にはスペーサー10によって隙間ができるので、端部300におけるニップ圧が減少し、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出難くなる。仮に、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出ても、はみ出た糊が中間転写ベルト221に向かう経路が、ラベル用紙L1,L2の端面300aとスペーサー10の端面との間の僅かな隙間だけなので、中間転写ベルト221まで伝わる量を最小限に抑えることができる。
また、スペーサー10の表層に離型性の高い部材を使用していることから、スペーサー10の一方の面と中間転写ベルト221の外周面との間、およびスペーサー10の他方の面と二次転写ローラー224の面との間のそれぞれにおける摩擦が小さくなる。中間転写ベルト221と二次転写ローラー224はスペーサー10に対して摺接することから、これらの摩擦は小さければ小さいほどよいので、スペーサー10の表層に離型性の高い部材を使用したことで、スペーサー10が中間転写ベルト221の動きを阻害することがなく、通常通りにラベル用紙L1,L2を搬送することができる。また、中間転写ベルト221や二次転写ローラー224に傷を付けたりすることもない。
このように構成した実施の形態1によれば、ラベル用紙L1,L2の端部300よりも外側で、かつ中間転写ベルト221の外周面と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間にラベル用紙L1,L2よりも厚みのある板状のスペーサー10を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態において前述の実施の形態と同様の構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、転写ニップ圧低減部の構成が前述の実施の形態と相違するので、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら、本実施の形態の転写ニップ圧低減部を中心に説明する。
図5は、本実施の形態の転写ニップ圧低減部材であるスペーサー12とその配置を用紙上方より見た図である。また、図6は、図5のE−E線矢視断面図である。なお、スペーサー12を設ける位置は、前述したスペーサー10が設けられる位置と略同じであるので、図4に示したような斜視図は省略する。図5および図6において、スペーサー12は、ラベル用紙L1,L2よりも厚みのある円盤状に形成されており、ラベル用紙L1,L2の端面300aよりも僅かに外側で、かつ中間転写ベルト221の外周面と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間に配置される。この場合、スペーサー12は、その回転軸12Aが二次転写ローラー224の中心線上に位置する。スペーサー12は、回転軸12Aによって回転自在になっている。スペーサー12は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに設けられる。図5中の矢印Cは用紙搬送方向を示す。
用紙サイズに応じた大きさのスペーサー10が複数用意されており、用紙サイズ変更時に交換可能となっている。なお、スペーサー10を交換する代わりにスペーサー10を二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動できるようにしてもよい。
スペーサー12には、強度の高い材質が使用され、表層に離型性の高い部材が使用される。強度を高く保つための材質には例えばPI(ポリイミド、厚み0.5mm)が使用される。表層には例えばPFA(フッ素樹脂)が使用される。
スペーサー12を、中間転写ベルト221の外周面側と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間に介在させると、スペーサー12の厚みによって、弾性部材で構成された二次転写ローラー224が凹んだ状態となる(図6参照)。二次転写ローラー224が凹むことで発生する復元力によって、スペーサー12が中間転写ベルト221の外周面と二次転写ローラー224の面に隙間無く接する。図6に示す矢印Dは、二次転写ローラー224における力の発生方向を示している。一方、ラベル用紙L1,L2の端部300の周囲にはスペーサー12によって隙間ができるので、端部300におけるニップ圧が減少し、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出難くなる。仮に、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出ても、はみ出た糊が中間転写ベルト221に向かう経路が、ラベル用紙L1,L2の端面300aとスペーサー12の端面との間の僅かな隙間だけなので、中間転写ベルト221まで伝わる量を最小限に抑えることができる。
また、スペーサー12の表層に離型性の高い部材を使用していることから、スペーサー12の一方の面と中間転写ベルト221の外周面との間、およびスペーサー12の他方の面と二次転写ローラー224の面との間のそれぞれにおける摩擦が小さくなる。スペーサー12は、二次転写ローラー224、バックアップローラー223Bおよび中間転写ベルト221の動きによるラベル用紙L1,L2の搬送に従動して回転するが、中間転写ベルト221と二次転写ローラー224との間の摩擦は小さければ小さいほどよいので、スペーサー10の表層に離型性の高い部材を使用したことで、スペーサー12が中間転写ベルト221の動きを阻害することがなく、通常通りにラベル用紙L1,L2を搬送することができる。また、中間転写ベルト221や二次転写ローラー224に傷を付けたりすることもない。なお、スペーサー12の配置スペースをより小さくするために、従動部と反対側(用紙幅方向外側)を、ガイドに沿って湾曲されるようにしてもよい。
このように構成した実施の形態2によれば、ラベル用紙L1,L2の端部300よりも外側で、かつ中間転写ベルト221の外周面と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間にラベル用紙L1,L2よりも厚みのある円盤状を成すスペーサー12を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態において前述の実施の形態と同様の構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、転写ニップ圧低減部の構成が前述の実施の形態と相違するので、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら、本実施の形態の転写ニップ圧低減部を中心に説明する。
図7は、本実施の形態転写ニップ圧低減部材であるスペーサーベルト13とその配置を用紙上方より見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221は省略している。図8は、スペーサーベルト13及びその周囲にある部材を側方から見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221を示している。図9は、図7のF−F線矢視断面図である。また、図10は、スペーサーベルト13とその配置を示す斜視図である。
図7〜図10において、スペーサーベルト13は、ラベル用紙L1,L2よりも厚みのあるベルト状に形成され、ラベル用紙L1,L2の端部300よりも僅かに外側で、かつ中間転写ベルト221の外周面と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間に配置される。スペーサーベルト13は、二次転写ローラー224と該二次転写ローラー224より小径のガイドローラー14との間にループ状に張架される。スペーサーベルト13およびガイドローラー14は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに設けられる。
スペーサーベルト13には、強度の高い材質が使用され、表層には離型性の高い部材が使用される。強度を高く保つための材質には、例えばPI(ポリイミド、厚み0.5mm)が使用され、表層に例えばPFA(フッ素樹脂)が使用される。また、ガイドローラー14には、POM(ポリアセタール樹脂、φ7)材のものが使用される。
スペーサーベルト13とガイドローラー14は、用紙のサイズに合わせた位置調整を可能とするため、二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動させることができるようになっている。
スペーサーベルト13を、ラベル用紙L1,L2の端部300に近接する二次転写ローラー224の部分に掛けることで、スペーサーベルト13の厚みによって、弾性部材で構成された二次転写ローラー224が凹んだ状態となる(図9参照)。二次転写ローラー224が凹むことで発生する復元力によって、スペーサーベルト13が中間転写ベルト221の外周面と二次転写ローラー224の面に隙間無く接する。図9に示す矢印Dは、二次転写ローラー224における力の発生方向を示している。一方、ラベル用紙L1,L2の端部300の周囲にはスペーサーベルト13によって隙間ができるので、端部300におけるニップ圧が減少し、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出難くなる。仮に、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出ても、はみ出た糊が中間転写ベルト221に向かう経路が、ラベル用紙L1,L2の端面300aとスペーサーベルト13の端面との間の僅かな隙間だけなので、中間転写ベルト221まで伝わる量を最小限に抑えることができる。
また、スペーサーベルト13の表層に離型性の高い部材を使用していることから、スペーサーベルト13の一方の面と中間転写ベルト221の外周面との間、およびスペーサーベルト13の他方の面と二次転写ローラー224の面との間のそれぞれにおける摩擦が小さくなる。スペーサーベルト13は、中間転写ベルト221と二次転写ローラー224との間を摺動することから、それらのとの間の摩擦は小さければ小さいほどよいので、スペーサーベルト13の表層に離型性の高い部材を使用したことで、スペーサー10が中間転写ベルト221の動きを阻害することがなく、通常通りにラベル用紙L1,L2を搬送することができる。また、中間転写ベルト221や二次転写ローラー224に傷を付けたりすることもない。
このように構成した実施の形態3によれば、ラベル用紙L1,L2の端部300よりも外側で、かつ中間転写ベルト221の外周面と該外周面と対向する二次転写ローラー224との間にラベル用紙L1,L2よりも厚みのあるベルト状のスペーサーベルト13を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態において前述の実施の形態と同様の構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、転写ニップ圧低減部の構成が前述の実施の形態と相違するので、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら、本実施の形態の転写ニップ圧低減部を中心に説明する。
図11は、本実施の形態の転写ニップ圧低減部材である圧接ベルト15とその配置を用紙上方より見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221は省略している。図12は、圧接ベルト15及びその周囲にある部材を側方から見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221を示している。図13は、図11のG−G線矢視断面図である。
図11〜図13において、圧接ベルト15は、二次転写ローラー224のラベル用紙L1,L2の端部300近傍に配置され、二次転写ローラー224に圧接するようにガイドローラー16との間で張架される。圧接ベルト15およびガイドローラー16は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに対して設けられる。
圧接ベルト15には、強度の高い材質が使用され、表層には離型性の高い部材が使用される。強度を高く保つための材質には、例えばPI(ポリイミド、厚み0.5mm)が使用され、表層に例えばPFA(フッ素樹脂)が使用される。また、ガイドローラー16には、POM(ポリアセタール樹脂、φ7)材のものが使用される。
圧接ベルト15とガイドローラー16は、用紙のサイズに合わせた位置調整を可能とするため、二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動させることができるようになっている。
圧接ベルト15は、二次転写ローラー224の動きに従動しながら二次転写ローラー224の端部の外径を絞り、当該部分の外径を小さくする。図13に示す矢印D,Eは、二次転写ローラー224と圧接ベルト15における力の発生方向を示す。二次転写ローラー224の圧接ベルト15が掛けられた部分の外径が絞られるので、ラベル用紙L1,L2の端部300の周囲に隙間ができる。これにより、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧が減少するので、ラベル用紙L1,L2の端部300から糊がはみ出難くなる。
また、圧接ベルト15は、ガイドローラー16とともに二次転写ローラー224の動きに従動するので、ラベル用紙L1,L2の搬送に支障を与えることなく通常通りの搬送ができる。また、圧接ベルト15の表層に離型性の高い部材を使用していることから、二次転写ローラー224に傷を付けることがない。
このように構成した実施の形態4によれば、二次転写ローラー224のラベル用紙L1,L2の端部300近傍における部分の外径を絞る圧接ベルト15を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態において前述の実施の形態と同様の構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、転写ニップ圧低減部の構成が前述の実施の形態と相違するので、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら、本実施の形態の転写ニップ圧低減部を中心に説明する。
図14は、本実施の形態の転写ニップ圧低減部材である圧接パッド17とその配置を用紙上方より見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221は省略している。図15は、圧接パッド17及びその周囲にある部材を側方から見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221を示している。図16は、図14のH−H線矢視断面図である。
図14〜図16において、圧接パッド17は、先端部分が二次転写ローラー224の曲面に沿えるように湾曲して形成され、二次転写ローラー224と中間転写ベルト221とで形成される二次転写ニップより用紙搬送方向上流で、二次転写ローラー224に圧接する位置に配置される。圧接パッド17は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに対して設けられる。
圧接パッド17の材質には、例えばシリコンゴムが使用され、表層に例えばPFA(フッ素樹脂)が使用される。二次転写ローラー224には、例えば発泡ウレタンローラー(ヤング率3MPa、25φ)され、表層に例えばPFAが使用される。
圧接パッド17は、用紙のサイズに合わせた位置調整を可能とするため、二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動させることができるようになっている。
圧接パッド17を二次転写ローラー224に圧接させることで、二次転写ローラー224の圧接パッド17が当たっている部分が凹んだ状態になる。図16に示す矢印D,Eは、二次転写ローラー224と圧接ベルト15における力の発生方向を示す。二次転写ローラー224の圧接パッド17が当たっている部分は、ラベル用紙L1,L2の端部近傍であるので、その周囲に隙間ができる。これにより、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧が低減し、ラベル用紙L1,L2の端面300aから糊がはみ出難くなる。また、圧接パッド17の表層に離型性の高い部材を使用していることから、二次転写ローラー224に対して摺動するものの、二次転写ローラー224に傷を付けることが殆どない。
このように構成した実施の形態5によれば、二次転写ローラー224と中間転写ベルト221とで形成される二次転写ニップより用紙搬送方向上流に、二次転写ローラー224に圧接して二次転写ローラー224を変形させる圧接パッド17を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態において前述の実施の形態と同様の構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、転写ニップ圧低減部の構成が前述の実施の形態と相違するので、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら、本実施の形態の転写ニップ圧低減部を中心に説明する。
図17は、本実施の形態の転写ニップ圧低減部材である圧接ローラー18とその配置を用紙上方より見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221は省略している。図18は、圧接ローラー18及びその周囲にある部材を側方から見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221を示している。図19は、図17のJ−J線矢視断面図である。
図17〜図19において、圧接ローラー18は、円柱状に形成され、二次転写ローラー224と中間転写ベルト221とで形成される二次転写ニップより用紙搬送方向上流で二次転写ローラー224に圧接する位置に配置され、二次転写ローラー224に従動して回転する。圧接ローラー18は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに対して設けられる。
圧接ローラー18には、例えばPOM材(ポリアセタール樹脂、φ7)のものが使用される。また、二次転写ローラー224には、例えば発泡ウレタンローラー材(ヤング率3MPa、φ25)のものが使用され、表層に例えばPFAが使用される。
圧接ローラー18は、用紙のサイズに合わせた位置調整を可能とするため、二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動させることができるようになっている。
圧接ローラー18を二次転写ローラー224に圧接させることで、二次転写ローラー224の圧接ローラー18が当たっている部分が凹んだ状態になる。図19に示す矢印D,Eは、二次転写ローラー224と圧接ローラー18における力の発生方向を示す。二次転写ローラー224の圧接ローラー18が当たっている部分は、ラベル用紙L1,L2の端部近傍であるので、その周囲に隙間ができる。これにより、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧が低減し、ラベル用紙L1,L2の端面300aから糊がはみ出難くなる。また、圧接ローラー18の表層に離型性の高い部材を使用していることから、二次転写ローラー224に傷を付けることが殆どない。
このように構成した実施の形態6によれば、二次転写ローラー224と中間転写ベルト221とで形成される二次転写ニップより用紙搬送方向上流に、二次転写ローラー224に圧接して二次転写ローラー224を変形させる圧接ローラー18を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7について説明する。本実施の形態において前述の実施の形態と同様の構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、転写ニップ圧低減部の構成が前述の実施の形態と相違するので、その配置や構成などを模式的に示す図面を参照しながら、本実施の形態の転写ニップ圧低減部を中心に説明する。
図20は、本実施の形態の転写ニップ圧低減部材である圧接爪19とその配置を用紙上方より見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221は省略している。図21は、圧接爪19及びその周囲にある部材を側方から見た図である。なお、同図では中間転写ベルト221を示している。図22は、図20のK−K線矢視断面図である。
図20〜図22において、圧接爪19は、略への字状に形成され、二次転写ローラー24と中間転写ベルト221とで形成される二次転写ニップより用紙搬送方向上流で二次転写ローラー224に圧接する位置に配置される。圧接爪19は、二次転写ローラー224の左端側部分と右端側部分のそれぞれに対して設けられる。
圧接爪19の材質には、例えばPOM(ポリアセタール樹脂)が使用され、表層に例えばPFA(フッ素樹脂)が使用される。二次転写ローラー224には、例えば発泡ウレタンローラー(ヤング率3MPa、25φ)され、表層に例えばPFAが使用される。
圧接爪19は、用紙のサイズに合わせた位置調整を可能とするため、二次転写ローラー224の長手方向(用紙の幅方向)に移動させることができるようになっている。
圧接爪19を二次転写ローラー224に圧接させることで、二次転写ローラー224の圧接爪19が当たっている部分が凹んだ状態になる。図22に示す矢印D,Eは、二次転写ローラー224と圧接爪19における力の発生方向を示す。二次転写ローラー224の圧接爪19が当たっている部分は、ラベル用紙L1,L2の端部近傍であるので、その周囲に隙間ができる。これにより、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧が低減し、ラベル用紙L1,L2の端面300aから糊がはみ出難くなる。また、圧接爪19の表層に離型性の高い部材を使用していることから、二次転写ローラー224に対して摺動するものの、二次転写ローラー224に傷を付けることが殆どない。
このように構成した実施の形態7によれば、二次転写ローラー224と中間転写ベルト221とで形成される二次転写ニップより用紙搬送方向上流に、二次転写ローラー224に圧接して二次転写ローラー224を変形させる圧接爪19を設けたので、ラベル用紙L1,L2の端部300におけるニップ圧を低減でき、端面300aからの糊のはみ出しを抑止できる。これにより、感光体ドラム213上のトナー画像が中間転写ベルト221に一次転写されるときや、中間転写ベルト221上のトナー画像がラベル用紙L1,L2に二次転写されるとき、さらにはベルトクリーニング装置226によるベルトクリーニングやドラムクリーニング装置215によるドラムクリーニングの各プロセスにおいて、糊の付着が原因となる異常摩擦や画像不良が発生することがない。
また、上記実施の形態1〜7は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
最後に、本発明者が行った、本発明の有効性を確認する実験の結果について説明する。
実験では、以下に示す共通条件による電子写真プロセスを用いてラベルロール紙L1を通紙した場合の糊転移量と画像不良を比較した。
共通条件 現像装置:2成分逆転方式現像装置
トナー:粒径6μm
感光体径:φ60mm
プロセス速度:315mm/sec
中間転写材:PI材ベルト
CL転写クリーニングブレード:ウレタンゴムブレード
ウレタンゴムブレード t=2 当接力20[N]、当接角15°
二次転写部材:発泡ウレタンローラー φ25
(二次転写部材ヤング率:30MPa)
二次転写対向ローラー:AL材 φ25
通紙用紙:ラベルプリント用ロール紙
定着装置:2軸ベルト方式定着装置
図23は、比較例である画像形成システムの中間転写ベルト221とラベルロール紙L1を用紙上方より見た図である。また、図24は、図23の中間転写ベルト221とラベルロール紙L1の断面図である。また、図25は、ラベルロール紙L1の用紙端部から糊がはみ出た状態を示す図である。図23および図24において、矢印Cは用紙搬送方向を示している。また、図24において、矢印Lは中間転写ベルトの回転方向を示している。また、図25において、符号Peはラベルロール紙L1の用紙端面位置を示している。図23〜図25において、ラベルロール紙L1に一定の圧がかかった場合、ラベルロール紙L1の台紙301とラベル紙303の間に介在する糊302が用紙端部300からはみ出る。用紙端部300からはみ出た糊302aはラベル紙303を伝って中間転写ベルト221に付着する。中間転写ベルト221に付着した糊302aは中間転写ベルト221の回転によって運ばれて、ベルトやドラムの各クリーニング装置、各感光体ドラムに次々に転移する。糊302aの転移が原因で画像欠損が発生する。
[評価内容]
比較例及び実施の形態1〜7において、SRA3サイズのラベルロール紙L1、1ロール当たり600mを繰り返し通紙したときの糊の転移量と画像不良を比較した。
[評価1]
中間転写ベルト221への糊転移の有無と転移の程度
図26は、評価「1」の結果を示す図である。
○:転移無し
△:ベルト周長に対して1%転移(実用上問題なし)
×:ベルト周長に対して50%転移
××:ベルト周長に対して100%転移
比較例は、転写ニップ圧低減部材を持たないため、8ロールで重度の転移が発生した。実施の形態1〜7は、50ロールまで転移は見られなかった。
[評価2]
画像不良(ベルトやドラムの各クリーニング装置の不良によるFDスジ)
図27は、評価「2」の結果を示す図である。
○:FDスジ無し
△:軽微なFDスジ有り(幅0.5mm未満)(実用上問題なし)
×:FDスジ有り(幅0.5〜1.0mm)
××:重度のFDスジ有り(幅1.0mm以上)
比較例は、8ロールで糊移転の影響によるクリーニング不良が発生した(ラベルロール紙L1の両端部領域にFDスジが発生した)。
実施の形態1〜3は、中間転写ベルト221にスペーサー10,12及びスペーサーベルト13の跡が着いてしまうため、途中からFDスジが発生した。実施の形態5,7は、中間転写ベルト221に圧接パッド17および圧接爪19の跡がついてしまうため、途中からFDスジが発生した。実施の形態4,6は、50ロールまでFDスジは発生しなかった。
上記の結果より、実施の形態1〜7の転写ニップ圧低減部材を備えた構成では、少なくとも、比較例の構成では顕著な糊転移や画像不良が認められる8ロールまで、顕著な糊転移や画像不良が見られないことが確認された。