JP4228937B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
デジカメで撮った画像を写真(以下「デジカメ写真」と記す)としてプリントアウトする場合であっても、銀塩写真と同じように、表面が高光沢のものが好まれている。しかし、一般的な画像形成装置の用途としては文字主体のモノクロ文書を取り扱う場合が圧倒的に多いから、人間の目で文字を読みやすいように低光沢の画像を出力するようになっている。そこで、このような画像形成装置であっても高光沢の画像を出力させることができるように、低光沢用と高光沢用の2つの定着装置を必要に応じて使い分けて画像を形成する技術が考案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
しかし、トナーは比較的硬質な素材であるため、トナー像が形成されている部分で用紙を裁断するとその部分にひび割れ(クラック)が発生し、画像品質を著しく低下させてしまう。特に、高光沢の画像を出力する場合に用いられる用紙は、例えば特許文献2に記載されているように、記録面(画像が形成される面)に熱可塑性の透明樹脂層が形成されていることが多いが、この種の用紙ではトナーだけではなく透明樹脂層にもひび割れが生じることとなる。
或いは、本発明の画像形成装置は、記録材の記録面にトナーを用いたトナー像を形成する画像形成手段と、前記記録材が搬送される搬送路に沿って配置され、前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を前記トナーが溶融状態になる温度にて加熱しながら該記録材に圧力を加える処理を行う複数の定着手段と、少なくとも一つの前記定着手段によって前記処理が施された記録材を裁断する裁断手段とを備え、前記裁断手段が、該記録材の搬送方向に対して最下流側に配置された前記定着手段の直前に設けられている。
このような画像形成装置によれば、裁断手段により裁断を行った後にトナーを加熱して溶融するので、たとえ裁断時にひび割れが発生してもこれを修復することができるので、画像品質を低下させることなく高光沢の画像を形成することが可能となる。
このようにすれば、樹脂層により記録面が高光沢に仕上げられるような記録材を用いた場合においても、上述のように画像品質を低下させることを防ぎつつ、さらに高光沢の画像を形成することが可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示した図である。同図に示されているように、画像形成装置100は、画像形成部1と、給紙部2と、第1定着部3と、搬送切替部4と、裁断部5と、第2定着部6と、操作部7とを備える。
画像形成部1は、図中の矢印a方向に回転しながらイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色のトナー像が作像される感光体101Y,101M,101C,101Kと、その感光体101Y,101M,101C,101Kを一様に帯電させる帯電器102Y,102M,102C,102Kと、YMCK各色の画像データに基いて変調された露光光を、帯電した感光体101Y,101M,101C,101Kに照射することによりYMCK各色の静電潜像を形成する露光器103Y,103M,103C,103Kと、感光体101Y,101M,101C,101Kに形成された静電潜像をトナーによって現像することで感光体101Y,101M,101C,101Kにトナー像を作像する現像器104Y,104M,104C,104Kと、現像器104Y,104M,104C,104Kに各色のトナーを供給するトナーボックス105Y,105M,105C,105Kと、転写後の感光体101Y,101M,101C,101K表面に残留しているトナーを回収する感光体クリーニング部112Y,112M,112C,112Kと、転写後の感光体101Y,101M,101C,101Kを除電する除電装置113Y,113M,113C,113Kとを備えている。
なお、本実施形態においては、スチレンアクリルを主成分とした溶融温度が約130℃のトナーを用いているが、もちろん他のトナーを用いることも可能である。
なお、本実施形態においては、給紙部2には普通紙を収容する用紙トレイ201とコート紙を収容する用紙トレイ202とがある。また、図1には用紙トレイ201と用紙トレイ202とがそれぞれ1つのみ示されているが、異なるサイズの用紙を収容するために用紙トレイ201と用紙トレイ202とがそれぞれ複数備わっていてもよい。
図2はコート紙の構成を示した図である。同図に示されているように、コート紙とは基材層L1の記録面に受像層L2が設けられている用紙である。受像層L2は例えば溶融温度が約130℃のポリエステル等の熱可塑性樹脂を主成分としており、5〜20μm程度、望ましくは約10μmの層厚にて形成されている。基材層L1はセルロースを主成分とした組成となっており、この組成は普通紙と同様であるが、もちろん組成の異なるコート紙専用の基材層とすることも可能である。
なお、以下においては、用紙の搬送方向に沿った方向のことを用紙の「長さ方向」と表現し、用紙の搬送方向に直交する方向のことを用紙の「幅方向」と表現する。
定着ロール300は、例えばアルミニウムからなる厚さ1.5mm,外径25mm,長さ380mmのコア301表面に、ゴム硬度(JIS−A)が33°程度のシリコーンゴムからなる弾性体層302を厚さ0.5mm,長さ320mmに被覆し、さらに弾性体層302の表面に厚さ30μmのPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)チューブからなる離型層303を被覆して形成されている。定着ロール300の内部には、熱源として例えば650Wのハロゲンランプ等の熱源304が設けられており、定着ロール300の表面温度が所定の温度(トナーの溶融温度に依存し、本実施形態においては140〜190℃)となるように内部から加熱する。加圧ベルト310は厚さ75μm、外径30mm、長さ330mmのポリイミドベルトの表面に、厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層311が形成されている。加圧ベルト310内部には、加圧ベルト310を定着ロール300に押圧しニップを形成する加圧パッド320が配置されている。加圧パッド320の押圧荷重は例えば336Nで、ニップ幅は6.5mmである。
搬送切替部4は、切替部材400と、搬送ロール401,402とを備える。切替部材400は第1定着部3の上部に回動可能に設けられており、第1定着部3から排出された用紙の搬送方向を図中の経路A或いはBのいずれかに切り替える。経路Aに搬送された用紙は搬送ロール401によって排紙トレイT1へと排出され、経路Bに搬送された用紙は搬送ロール402によって裁断部5へと搬送される。
図4は、スリッター500を図1の矢印c方向から見たときの構成を示す図である。スリッター500のシャフト505には、2個の円盤状の外刃501がそれぞれ固定部材501aによって取り付けられており、2個の搬送ロール504aが外刃501のさらに内側に設けられている。このシャフト505は図示せぬ駆動装置により図中の矢印R2方向に回転させられるようになっている。
一方、シャフト506には、2個の円盤状の内刃502がシャフト506を軸として回転可能に設けられている。これらの内刃502は、加圧バネ503によって外側に付勢されているが、外刃501と内刃502は幅1mm程度のラップ代(図5参照)で互いに重なり合うようにシャフト505,506間の距離が調整されているから、図4に示すように、内刃502は外刃501の内側に接する位置で停止している。また、シャフト506には2個の搬送ロール504bが設けられている。シャフト505が回転することにより搬送ロール504aも回転し、これに伴って搬送ロール504bが図中の矢印R1方向に従動回転する。用紙はこれらの搬送ロール504a,504bによって挟まれた状態で搬送されつつ、外刃501と内刃502で幅方向に対する両端が裁断される。図6は、用紙が裁断される様子を図4の矢印z方向から見たときの図である。
なお、レシプロカッター520はレシプロカッター510と同様の構成のため、その説明を省略する。
これらのスリッター500,レシプロカッター510,及びレシプロカッター520によって、裁断部5において用紙の4辺は裁断される。
図8は第2定着部6の構成を詳細に示した図である。同図に示されているように、第2定着部6は、定着ロール600と、加圧ロール610と、定着ベルト620と、冷却器630と、剥離ロール640と、ステアリングロール650と、搬送ロール660とを備える。
以上の構成のもとで画像形成装置100は用紙に画像を形成する。上述したように、本実施形態の画像形成装置100には「普通紙モード」と「コート紙モード」の2つの画像形成モードが備わっており、ユーザによって選択された画像形成モードにしたがって画像形成が行われる。そこで、以下では2つの画像形成モードにおける動作についてそれぞれ説明する。
まず、図示せぬスキャナやパーソナルコンピュータ等から画像データが入力され、ユーザによって「普通紙モード」による画像形成を行う旨の指示が操作部7に入力されると、入力された画像データに基づいて画像形成部1ではトナー像が作像される。トナー像が作像され、中間転写ベルト106で搬送されるのと同時に、用紙トレイ201から普通紙が用紙として供給され、搬送ロール210によって搬送される。
続いて、二次転写ロール108とバックアップロール109とによって形成されるニップ領域において、用紙はトナー像を転写される。このとき、レジストロール220は用紙上に形成されるトナー像の位置合わせをするために用紙搬送速度を調整する。
トナー像を転写された用紙は、その後第1定着部3においてトナー像の定着が行われる。第1定着部3から排出された時点では、用紙の記録面のトナー像には若干の凹凸があり、そのため画像は低光沢となっている。
そして、搬送切替部4においては、画像形成モードが「普通紙モード」に設定されているために、用紙は切替部材400によって経路Aへと進み、搬送ロール401によって排紙トレイT1に排出される。
まず、図示せぬスキャナやパーソナルコンピュータ等から画像データが入力され、ユーザによって「コート紙モード」による画像形成を行う旨の指示が操作部7に入力されると、入力された画像データに基づいて画像形成部1ではトナー像が作像される。なお、ここから用紙が第1定着部3を通過するまでの動作については、給紙部2から供給される用紙がコート紙である点を除けば「普通紙モード」と同様であるため、この部分の説明は省略する。
第1定着部3から排出された用紙は、搬送切替部4によって経路Bへと進み、裁断部5へと到達する。裁断部5においては、用紙はスリッター500及びレシプロカッター510,520によって4辺の余白部を裁断され、縁なしの状態となる。このとき、用紙の裁断された部分の周辺にはひび割れが生じることとなる。
続いて用紙は第2定着装置6へと到達する。第2定着装置6においては、まず定着ロール600及び加圧ロール610が形成するニップ領域において、用紙は加熱及び加圧される。このとき図9に示されているように、用紙上に定着していたトナー像は溶融して受像層L2に埋め込まれたような状態となり、用紙の記録面は凹凸が減少する。
またこのとき、裁断時に生じた用紙上のトナー像及び受像層L2は溶融され、定着ベルト620に密着した状態となり、これによって裁断時に生じたひび割れに溶解したトナーや受像層の樹脂が入り込み、これらによってひび割れが埋められる。
その後用紙は定着ベルト620上を搬送されながら冷却器630の位置に到達し、ここで徐々に冷却されることによって用紙上のトナー像及び受像層L2が平滑な状態のまま固化する。最後に、剥離ロール640の位置において、用紙は用紙自体の剛性によって自然に剥離され、搬送ロール660によって搬送されて排紙トレイT2に排出される。
なお、本発明の実施は上述した画像形成装置100の態様に限定されるものではなく、以下に示されるような種々の変形が可能である。
上述の実施形態においては、画像形成装置100はCMYK各色で独立の画像形成ユニットを備えたいわゆるタンデム方式で説明されたが、本発明はこの方式の画像形成装置に限定されるものではなく、いわゆるサイクル方式(またはロータリー現像方式)の画像形成装置においても、本発明はもちろん適用可能である。
また、その他の各部の配置や形状も、図1に示されたものに限定されるものではない。ここで一例として図10を示し、この画像形成装置800について説明する。なお、図10の画像形成装置800には、画像形成装置100と同等の機能を有する部分には同一の符号を付してある。
画像形成装置800は、上述したサイクル方式の画像形成装置である。また、裁断部5と第2定着部6とが一つのユニット802を形成しており、このユニット802が本体801に対して着脱可能な構成となっている。このような画像形成装置800によれば、ユーザは必要に応じて装置構成を選択して購入することができる。例えば、普通紙による画像形成しか行わないようなユーザであれば、画像形成装置800のうち本体801のみを購入するだけで必要な機能は充足されていることになるし、ユニット802を追加購入することで、コート紙を用いて4辺縁なしの高光沢画像を得ることが可能となる。このような構成は、上述のようにユーザに対してメリットがあるだけではなく、製造者にとっても、装置部品の共通化によるコストダウンが図れるなど、さまざまなメリットが得られる。
画像形成装置900は、画像形成ユニット900Y,900M,900C,900Kがそれぞれ単色の画像形成装置の機能を独立に有しており、それぞれが内部に図示せぬ定着装置を備えている。このような画像形成装置900においては、画像形成ユニット900Kよりも用紙の搬送方向に対して上流側で裁断を行うことにより、上述の実施形態と同様にトナーのひび割れを防ぐことが可能である。しかし、例えば画像形成ユニット900Yと画像形成ユニット900Mの間に裁断装置を設けると、画像形成ユニット900M,900C,900Kにおいて用紙からはみ出たトナーが定着装置に付着してしまうことになる。そのため画像形成装置900においては、図11の裁断部901(構成は裁断部5と同様である)に示されるように、裁断装置は用紙の搬送方向に対して最下流側にある定着装置の直前に設けるのが望ましい。このようにすると、少なくとも画像形成ユニット900M及び900Cにおける定着装置の汚れを防止することができ、かつひび割れのない画像を形成することができるようになる。
なお、画像形成装置900’は、給紙部902’の構成が画像形成装置900の給紙部902と異なるのみであり、機能や動作についてはほぼ同様であるから、その説明は省略する。
図13はレシプロカッター510の代替物として用いられるサーキュラーカッター510’の構成を示した図である。サーキュラーカッター510’は固定刃511’と可動刃512’とを備えている。可動刃512’は円盤状のカッターであり、その中心を軸として自在に回転し、かつ図示せぬ駆動装置により矢印d方向に往復運動する。このようなサーキュラーカッター510’により、固定刃511’上にある用紙は可動刃512’の移動により裁断される。
また、裁断部5は、用紙の余白部を裁断するという機能に限定されるものではない。例えば、画像形成装置100のスリッター500には外刃501と内刃502の対がそれぞれ2つずつ設けられているが、この中央にさらにもう1つの外刃501と内刃502を設け、レシプロカッター510が同一の用紙を複数回裁断することにより、用紙を4つ切り、6つ切り、8つ切りなど、さまざまなサイズに裁断することも可能となる。
Claims (4)
- 記録材の記録面にトナーを用いたトナー像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材の記録面を前記トナーが溶融状態になる温度に加熱しながら該記録材の記録面に対して圧力を加える処理を行う第1の定着手段と、
前記第1の定着手段により前記処理が施された記録材を裁断する裁断手段と、
前記裁断手段により裁断された記録材を表面が平滑なベルト部材によって搬送しつつ、該記録材の記録面を前記トナーが溶融状態になる温度に加熱しながら該記録材の記録面に対して圧力を加え、その後該記録材を前記定着ベルトに密着した状態のまま冷却する第2の定着手段と
を備える画像形成装置。 - 前記記録材の記録面に熱可塑性の樹脂層が設けられている場合には、前記第2の定着手段が、前記トナー及び前記樹脂層が溶融状態になる温度にて該記録材を加熱する
請求項1記載の画像形成装置。 - 記録材の記録面にトナーを用いたトナー像を形成する画像形成手段と、
前記記録材が搬送される搬送路に沿って配置され、前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材の記録面を前記トナーが溶融状態になる温度に加熱しながら該記録材の記録面に対して圧力を加える処理を行う複数の定着手段と、
少なくとも一つの前記定着手段によって前記処理が施された記録材を裁断する裁断手段とを備え、
前記裁断手段が、該記録材の搬送方向に対して最下流側に配置された前記定着手段の直前に設けられている画像形成装置。 - 前記記録材の記録面に熱可塑性の樹脂層が設けられている場合には、該記録材の搬送方向に対して最下流側にある前記定着手段が、前記トナー及び前記樹脂層が溶融状態になる温度で該記録材を加熱する
請求項3記載の画像形成装置。
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