JPH05165350A - 定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融したトナー像を加熱ベルトに密着したま
まの状態で冷却固化してオフセット現象を防止し、光沢
画像として定着することを目的とする。 【構成】 加熱ベルト３の内周部に背面部材10を設けて
これをベルト３の内周面に摺接させることによってベル
ト面の「たるみ」や「しわ」を防止し、一方加熱ベルト
３の外周部には張設状態としたフイルム状部材20を設け
てこれをベルト３の外周面に摺接させておく。加熱ロー
ラ２と加熱ベルト３の挟着搬送によってトナーを溶融状
態とした転写材が、フイルム状部材20の付勢により、加
熱ベルト３の外周面と密着した状態を保ちつつファンＦ
１およびＦ２による冷却作用を受けるように構成したこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加熱したベルト状部材
とローラ部材との挟着により転写材を搬送してトナー像
の溶着を行う定着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ベルト状部材の加熱によって画像の定着
を行う定着装置では、転写材はベルト状部材とこれに圧
接する加圧ローラとが形成するニップ部に送り込まれ、
ベルト周面によりトナー像が圧着・加熱を受けてトナー
が溶融状態とされる。

【０００３】トナー像を溶融状態とした転写材はベルト
状部材の搬送に伴って移動しつつ、上下からの強制冷却
により徐々に冷却されてトナーを固着状態とし定着され
る。

【０００４】定着を終えた画像の光沢は、前記のニップ
部における圧着の強さ、時間ならびにそのあとの冷却速
度等によって左右され、それ等の条件を適宜設定するこ
とにより、普通紙の他さらにＯＨＰ等に使用されるトラ
ンスペアレンシのシートにも光沢画像を定着することが
可能となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】光沢画像を得るには、
溶融状態にあるトナー像がベルト面に密着した状態で冷
却されることが必要とされるが、通常、画像面が上向き
の状態で処理されるため転写材はニップ部を通過後ベル
ト面より分離し易い傾向がある。

【０００６】またトナー像を密着状態に保つにはベルト
面が「たるみ」や「しわ」を生じないよう緊張状態に保
たれていることが必要である。

【０００７】さらに冷却作用そのものも転写材に平均し
て作用して画像の領域をバランス良く冷却することも肝
要である。

【０００８】本発明はこれらの問題を解決して改良した
結果、カラー画像等に要求される光沢性の画像を安定し
て定着することの出来る定着装置の提供を目的としたも
のである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的は、対向する一
対の加熱ローラの一方の加熱ローラに張架したベルト状
部材と、該ベルト状部材に圧接する他方の加熱ローラと
によって転写材上にトナー像を固着する定着装置におい
て、前記ベルト状部材の外周面に、張設固定したフイル
ム状部材を摺接させたことを特徴とする定着装置、およ
び、対向する一対の加熱ローラの一方の加熱ローラに張
架したベルト状部材と、該ベルト状部材に圧接する他方
の加熱ローラとによって転写材上にトナー像を固着する
定着装置において、前記ベルト状部材の内周面に、該ベ
ルト状部材を距てて前記他方の加熱ローラを押圧する背
面部材を設けたことを特徴とする定着装置、によって達
成される。

【００１０】

【実施例】本発明の一実施例を図１ないし図４に示す。

【００１１】図１は本発明による定着装置の断面構成を
示したもので、該定着装置は独立した容器に収めてユニ
ット化した状態で画像形成装置の本体内に組込まれ、装
置本体側の駆動部および電源部に接続して作動される。

【００１２】図において１および２は対向する一対の加
熱ローラ、３は一方の加熱ローラ１と分離ローラ４との
間にテンションローラ５の付勢により張架状態とされた
定着用のベルト状部材すなわち加熱ベルトであって、一
方の加熱ローラ１の駆動回転により反時計方向へと循環
して搬送され、また他方の加熱ローラ２は前記加熱ベル
ト３に圧接した状態で従動もしくは加熱ローラ１と等速
で駆動される。

【００１３】前記の加熱ローラ２は加熱ローラ１より高
い硬度を備えていて、加熱ベルト３を加熱ローラ１側に
押圧して第１のニップ領域Ｎ１を形成し、さらに加熱ベ
ルト３を上方に押し上げて第２のニップ領域Ｎ２を形成
している。

【００１４】前記の加熱ローラ１および２は、等しい外
径寸法を有し、それぞれ同じ発熱量のヒータＨ１および
Ｈ２を内蔵していて、温度センサＳ１およびＳ２の温度
検出によりそれぞれの外周面の温度が制御し管理され
る。

【００１５】10は加熱ベルト３の内周面に摺接し、その
一部分が加熱ベルト１を距てて加熱ローラ２の周面を押
圧する位置に設置された加熱ベルト３の背面部材であ
る。

【００１６】前記背面部材10は、図３に示す如く、セラ
ミック製の支持体11と、断熱効果を備えるスポンジ状の
弾性体12とさらにその表面にコートした低摩擦フイル
ム、例えばテフロンの或はテフロンコートされたフイル
ム層13の以上３層を一体化したものから構成されてい
る。

【００１７】前記背面部材10は、加熱ベルト３が加熱ロ
ーラ２の周面より分離する位置Ｐより、加熱ローラ２の
中心角にしてθだけ加熱ベルト３の搬送上流側の位置Ｑ
においてその端部が接するよう位置され、さらに加熱ベ
ルト３の周面が加熱ローラ２の曲率半径の５ないし20倍
の曲率半径の円弧状を呈するよう付勢した状態で固定さ
れる。

【００１８】背面部材10を構成する各層の厚さは支持体
11および弾性体12はそれぞれ１ないし10mm、フイルム層
13は30ないし200μmとし、一方前記の中心角θとしては
０ないし20度の範囲内で選択される。

【００１９】一方、20は前記加熱ベルト３の円弧状とさ
れた外周面に沿って接するよう張架された可撓性のフイ
ルム状部材である。

【００２０】前記フイルム状部材20は、図２に示す如
く、回動自在の一対のローラ軸21の間に掛け渡されてい
て、容器に固定した支持台22に対し、その一端は直接取
付部材23Ａを介し、他端は取付部材23Ｂと一対の引張ば
ね24を介して接続されている。

【００２１】従って前記フイルム状部材20は、常に適度
の張力を備えていて、加熱ベルト３の外周面に対し広範
囲にわたって軽く圧接する状態とされている。

【００２２】前記フイルム状部材20は、厚さが10ないし
50μmマイラの如き熱伝導性の良好でかつ摩擦抵抗の小
さい素材によって形成され、必要に応じて図示の如き多
数の通気孔20Ａを全面に設けたものが使用される。

【００２３】前記定着装置による転写材上のトナー像の
定着作用について説明する。

【００２４】上面にトナー像を転写した転写材が矢示Ａ
方向から装置内に搬入されると、前記の加熱ベルト３と
加熱ローラ２に挟着して搬送される。

【００２５】その際転写材は加熱ベルト３と加熱ローラ
２とにより上面と下面から同時に加熱されてトナーが溶
融状態とされる。

【００２６】すなわち、転写材上のトナーは前述した第
１のニップ領域Ｎ１において加熱ベルト３による均一な
押圧と加熱を受けて溶融状態とされるが、加熱が比較的
短時間であるためトナー像の乱れがなく画質の低下が抑
止される。

【００２７】第１のニップ領域Ｎ１の通過後、転写材は
第２のニップ領域Ｎ２において、下面から加熱ローラ２
による加熱を受けるので溶融状態となったトナーが転写
材に充分にしみ込み、強固に接着する結果、後述する冷
却作用の効果と併せてオフセットのない従って光沢に富
むトナー画像の定着が得られる。

【００２８】第２のニップ領域Ｎ２を通過してトナー像
が固着された転写材は、搬送作用によって加熱ベルト３
とフイルム状部材20との圧接面に導入されてファンＦ１
およびＦ２によって冷却される。

【００２９】その際加熱ベルト３は前記背面部材10の押
圧により「たるみ」や「しわ」の発生が防止されている
ので、転写材の密着性が維持され、さらに転写材自体も
前記フイルム状部材20の圧接によって密着性を補助され
る結果、半溶融状態にあるトナー像が加熱ベルト３と接
着状態を保ちつつ前記のファンＦ１およびＦ２による冷
却作用を受けるのでそれによってトナー像は光沢の豊か
な画像として定着される。

【００３０】図４は本発明の定着装置を備えるカラー画
像形成装置の一例を示す断面図である。この画像形成装
置は画像読取り系Ａ、レーザ書込み系Ｂ、画像形成部Ｃ
等よりなっている。

【００３１】画像形成装置上部には、透明なガラス板な
どからなる原稿台と、さらに原稿台上に載置した原稿Ｄ
を覆う原稿カバー等からなる原稿載置部111があり、原
稿台の下方であって、装置本体内には第１ミラーユニッ
ト112、第２ミラーユニット113、主レンズ120、カラー
ＣＣＤ123等からなる画像読取り系Ａが設けられてい
る。第１ミラーユニット112は露光ランプ114、第１ミラ
ー115を備え、前記原稿台と平行に、かつ図面左右方向
へ直線移動可能に取り付けられていて、原稿Ｄの全面を
光学操作する。第２ミラーユニット113は第２ミラー116
及び第３ミラー117を一体化して備え、常に所定の光路
長を保つように第１ミラーユニット112の１／２の速度
で左右同方向に直線移動する。勿論この第２ミラーユニ
ット113の移動は前記第１ミラーユニット112と同様に原
稿台に対して平行である。

【００３２】前記露光ランプ114によって照明される原
稿台上の原稿Ｄの像は、主レンズ120により第１ミラー1
15、第２ミラー116、第３ミラー117を経てカラーＣＣＤ
123の上へ結像されるようになっている。走査が終わる
と第１ミラーユニット112及び第２ミラーユニット113は
元の位置に戻り、次のコピーまで待機する。

【００３３】前記カラーＣＣＤ123によって得られた各
色の画像データは画像処理され、画像信号としてレーザ
書込み系Ｂから出力される。

【００３４】画像形成部Ｃは、像形成体である感光体ド
ラム130の周縁に配設された帯電器135 、像露光部155、
現像器136Ｙ，136Ｍ，136Ｃ，136ＢＫ、転写器137、分
離器138、クリーニング装置139及び感光体ドラム130の
近傍に配設された給紙カセット140、搬送ベルト144と本
発明による定着装置145からなっている。

【００３５】上記現像器136Ｙ，136Ｍ，136Ｃ，136ＢＫ
は感光体ドラム130周縁の最上流部に現像器136Ｙが最下
流部には黒色トナーＢＫを収容した現像器136ＢＫが配
設されている。現像器136Ｙ，136Ｍ，136Ｃ，136ＢＫに
収容されるカラートナー及び黒色トナーＢＫについては
周知のものが使用されるので説明は省略する。

【００３６】コピー釦の押圧により前述した画像読取り
系Ａ、レーザ書込み系Ｂ及び画像形成部Ｃの各プロセス
が作動してカラーのコピー画像を形成する。即ち、制御
部のＣＰＵの制御によって画像読取り系Ａからの画像信
号が、駆動モータ131、ポリゴンミラー132、及び図示し
ない半導体レーザ、ｆθレンズ、補正レンズ等からなる
書込み系Ｂに入力されるとコピー動作を開始する。即
ち、感光体ドラム130は矢示のように時計方向に回転
し、帯電器135により一様に電荷を与えられ、像露光部1
55において原稿Ｄの画像に対応したイエロー（Ｙ）像の
書込みがレーザ書込み系Ｂによるレーザビームによって
行われ、Ｙ像の静電潜像が形成される。この感光体ドラ
ム130上の上記静電的な潜像は、現像器136ＹによってＹ
トナーによる反転現像が行われ可視のＹトナー像とな
る。即ち現像器136Ｙのマグネットロールを内蔵した現
像スリーブには、直流域はさらに交流のバイアス電圧が
印加され、顕像手段である２成分現像剤による非接触現
像が行われＹトナー像が形成される。このＹトナー像を
形成した感光体ドラム130は退避しているクリーニング
装置139の下を通過し、続いて帯電器135による帯電とレ
ーザ書込み系Ｂによるマゼンタ（Ｍ）像のレーザビーム
書込みが行われ、前記Ｙトナー像の上にマゼンタ（Ｍ）
像の静電潜像が形成される。この潜像はマゼンタのトナ
ーを収容した現像器136Ｍによって反転現像されＭトナ
ー像となる。続いて同様にシアン（Ｃ）トナー像、黒色
（ＢＫ）トナー像が重ね合せて形成される。

【００３７】原稿Ｄがモノクロ画像の場合は、現像器13
6ＢＫのみが作動して黒色トナーＢＫのみのトナー像が
形成される。

【００３８】次に転写材である転写紙ＰＡの収容された
給紙カセット140より１枚ずつ給紙ローラ141によって繰
り返された転写紙ＰＡは、感光体ドラム130上の前記ト
ナー像と同期して作動するタイミングローラ142によっ
て感光体ドラム130上に送出される。この転写紙ＰＡに
は、転写器137の作用により、感光体ドラム130上のトナ
ー像が転写され、分離器138によって感光体ドラム130上
から分離されたのち、トナー像を上向きにした状態で搬
送ベルト144を経て定着装置145へ送られる。

【００３９】前記定着装置145において定着作用を受け
た転写紙ＰＡは排紙ローラ146を介して装置外部に排出
され、一方前記感光体ドラム130は回転を続け、その表
面に転写されずに残留したトナーは、退避を解除された
クリーニングブレード139Ａ等を有するクリーニング装
置139により回収清掃されて、次回のコピーに待機す
る。

【００４０】なお、参考迄に記すと本発明の定着装置は
一例として次に記すような各部材によって構成される。

【００４１】加熱ベルトは２層から成り、その内層には
耐熱性ベースとして厚さ50ないし75μｍのポリイミド樹
脂が使用され、外層には厚さ50ないし100μｍの弾性に
富みかつ離型性の良い特性をもつシリコンゴムが用いら
れる。

【００４２】加熱ローラは共に外周部に耐熱性合成ゴム
層として例えば厚さ２mmのシリコンゴム層を形成したパ
イプ状の芯金の中心にそれぞれ400Ｗのヒータを内蔵し
たものが使用され、特に圧接側の加熱ローラに関しては
ゴム層の上をさらに厚さ50μｍのフッ素チューブをもっ
て被ったものが使用される。

【００４３】さらに定着装置における転写材の搬送距離
すなわち圧接側の加熱ローラから分離ローラまでの間の
距離としては12ないし15cmの範囲に設定される。

【００４４】

【発明の効果】本発明により、定着用の加熱ベルトの平
坦性と、加熱後における転写材のベルト面に対する密着
性を高いレベルに保つことが可能となり、その結果トナ
ー像の冷却、固化によって光沢の豊かで品位の高い画像
を容易に定着することの出来る定着装置が提供されるこ
ととなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の定着装置の断面構成図である。

【図２】前記装置のフイルム状部材の外観斜視図であ
る。

【図３】前記装置の背面部材の要部断面図である。

【図４】本発明の定着装置を備えるカラー画像形成装置
の断面構成図である。

【符号の説明】

1,2 加熱ローラ ３ 加熱ベルト ４ 分離ローラ ５ テンションローラ 10 背面部材 11 支持体 12 弾性体 13 フイルム層 20 フイルム状部材 20Ａ 通気孔 21 ローラ軸 22 支持台 23Ａ,23Ｂ 取付部材 24 引張ばね Ｈ１,Ｈ２ ヒータ Ｓ１,Ｓ２ 温度センサ Ｆ１,Ｆ２ ファン

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する一対の加熱ローラの一方の加熱
   ローラに張架したベルト状部材と、該ベルト状部材に圧
   接する他方の加熱ローラとによって転写材上にトナー像
   を固着する定着装置において、前記ベルト状部材の外周
   面に、張設固定したフイルム状部材を摺接させたことを
   特徴とする定着装置。
2. 【請求項２】 対向する一対の加熱ローラの一方の加熱
   ローラに張架したベルト状部材と、該ベルト状部材に圧
   接する他方の加熱ローラとによって転写材上にトナー像
   を固着する定着装置において、前記ベルト状部材の内周
   面に、該ベルト状部材を距てて前記他方の加熱ローラを
   押圧する背面部材を設けたことを特徴とする定着装置。
3. 【請求項３】 前記背面部材は弾性体によって形成され
   ていることを特徴とする請求項２の定着装置。
4. 【請求項４】 前記背面部材は前記他方の加熱ローラの
   曲率の５ないし20倍の大きさの曲率を備えていることを
   特徴とする請求項２の定着装置。