以下、図面を参照して、本発明に係るカート装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の一実施形態に係るカート装置の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るカート装置のメイントレイ及び物品載置部を含む斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るカート装置が備えるメイントレイ及び物品載置部を含む斜視図であり、図2に示す状態からメイントレイ及び一方の物品載置部を下方に移動させた図である。
なお、以下の説明においては、利用者がハンドル5eを把持してカート装置1と対向する側を後側とし、ハンドル5eを押してカート装置1を進行させる側を前側とする。これら後側と前側とを結ぶ方向を前後方向又は奥行方向とする。また、前後方向と直交する水平方向を幅方向とする。また、利用者がハンドル5eを把持してカート装置1を操作する向きを基準として、右側(図1に示す紙面右手前側)を右側とし、左側(図1に示す紙面左奥側)を左側とする。
カート装置1は、オフィスや病院において、書類ファイルや薬瓶等の物品を載置して搬送する什器であり、図1に示すように、床面に設置されるカート本体3と、カート本体3に支持されたポケットトレイ(物品載置部材、オプション部材)10と、ポケットトレイ10を支持するポケットトレイ支持機構11と、カート本体3に支持されたメイントレイ2と、メイントレイ2を支持するメイントレイ支持機構4と、カート本体3に支持された天板ユニット5とを備えている。図2、図3に示すように、カート装置1では、ポケットトレイ10及びメイントレイ2は、それぞれカート本体3に対して、上下方向の位置を変更可能に装着されている。
(カート本体)
図1に示すように、カート本体3は、脚部(ベース部)3aと、支持基体(支持体)3bと、昇降操作部(不図示)と、を備えている。脚部3aは、4本の直線状の脚杆3a1と、これらの脚杆3a1の根元が接続されるベース部3a2と、各々の脚杆3a1の先端部に取り付けられるキャスタ3a3と、キャスタ3a3をロックするロック部3a4とを備えている。このような脚部3aのキャスタ3a3が床面に当接した状態で転動することにより、カート装置1が走行可能とされている。また、ロック部3a4によりキャスタ3a3をロックすることによって、カート装置1の移動が規制される。
図4は、支持基体3bと、ポケットトレイ支持機構11とを含む正面図である。図5は、図4のA−A断面図である。図4及び図5において、一方のポケットトレイ支持機構11のみを示している。
図4、図5に示すように、支持基体3bは、外側支柱ユニット3b1と、内側支柱ユニット3b2とを有している。外側支柱ユニット3b1は、脚部3a(図1参照。以下同じ。)のベース部3a2(図1参照。以下同じ。)上に立設される中空の柱状部であるアウタ3b3と、アウタ3b3に固定される棚柱3b4とを備えている。アウタ3b3には、カート装置1の前側と後側との各々に2本の溝部3b5が形成されている。これらの2本の溝部3b5は、互いが平行な状態で各々が鉛直方向に延在して形成されている。棚柱3b4は、アウタ3b3の溝部3b5の各々に嵌合されている。つまり、本実施形態においては、棚柱3b4は、カート装置1の前側と後側との各々に2本ずつで合計4本設けられている。各々の棚柱3b4には、鉛直方向に一定ピッチにて係止孔3b6が形成されている。これらの係止孔3b6は、後述するトレイ支持機構11,4がそれぞれ備える後述の係止爪11c10,4g3が挿入される箇所である。
内側支柱ユニット3b2は、外側支柱ユニット3b1のアウタ3b3の内部に挿通されると共に上端に天板ユニット5が固定された中空の柱状部3b7と、柱状部3b7の側部に軸支されると共に外側支柱ユニット3b1のアウタ3b3の内壁面に当接するローラ3b8とを有している。このような内側支柱ユニット3b2は、ローラ3b8が転動することによって外側支柱ユニット3b1のアウタ3b3の内部を鉛直方向に移動可能とされている。内側支柱ユニット3b2が外側支柱ユニット3b1から上方に大きく突出されている場合には、全体として支持基体3bが伸びた状態とされ、天板ユニット5(図1参照。以下同じ。)が高い位置に配置される。一方、内側支柱ユニット3b2の多くが外側支柱ユニット3b1に収容されている場合には、全体として支持基体3bが縮んだ状態とされ、天板ユニット5が低い位置に配置される。
図1に示すように、昇降操作部(不図示。以下同じ。)は、不図示の操作レバーと、不図示のロック機構とを備えている。操作レバーは、ハンドル5eの下方に配置されており、操作することによってロック機構による内側支柱ユニット3b2のロックを解除する。ロック機構は、内側支柱ユニット3b2を外側支柱ユニット3b1に対して固定するものであり、操作レバーが操作された場合のみ当該ロックを解除する。このような昇降操作部によって、任意の高さに天板ユニット5を配置することができる。
(ポケットトレイ)
図6は、ポケットトレイ10の斜視図である。
図6に示すように、ポケットトレイ10は、底板10aと、底板10aの縁部に立設される周壁部10bと、周壁部10bの前部に形成される下向き爪(係合部)10j及び係合片(抜け止め部)10kとを備えている。
底板10aは、上面が平坦な物品載置面とされており、載置された物品を下方から支持する板状の部位である。本実施形態では、底板10aは、略正方形状とされている。
周壁部10bは、底板10aを囲むように底板10aの縁部に立設された壁部であり、底板10aにおけるカート装置1の前側の辺から立設する前面壁10dと、底板10aにおけるカート装置1の後側の辺から立設する後面壁10eと、底板10aにおけるカート装置1の幅方向の一方側の辺から立設する第1側壁10fと、底板10aにおけるカート装置1の幅方向の他方側の辺から立設する第2側壁10gとを有している。
前面壁10d、第1側壁10f、後面壁10e及び第2側壁10gの上端部には、外側に折り返された折り返し壁部10hが連続して設けられている。
下向き爪10jは、周壁部10bの前面壁10dに、幅方向及び鉛直方向に離間して4箇所設けられている。各下向き爪10jは、前面壁10dから水平面に沿って突出した第一平面部10j1と、第一平面部10j1の端部から前方に向かうにしたがって次第に下方に向かうように湾曲形成された湾曲部10j2と、湾曲部10j2の端部から鉛直面に沿って延びる第二平面部10j3とを有している。このように、下向き爪10jは、下向き鉤状をなしている。下向き爪10jは、弾性変形可能に形成されている。例えば、介在部材11bは、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂により成形されている。
係合片10kは、周壁部10bの前面壁10dにおいて、上下に離間して配置された下向き爪10jのうち下側に配置された2個の下向き爪10jの間に配置されている。係合片10kは、前面壁10dから前方に突出し、横長に形成されている。
また、図5に示すように、ポケットトレイ10のカート装置1における前後方向の寸法は、支持基体3bの前後方向の寸法よりも長い。
(ポケットトレイ支持機構)
図1に示すように、本実施形態では、ポケットトレイ支持機構11は、カート本体3に対して2つ設けられている。これらポケットトレイ支持機構11は、支持基体3bを挟んでカート装置1の幅方向両側に配置されている。各ポケットトレイ支持機構11は、支持基体3bに対して着脱可能に装着されるとともに、ポケットトレイ10を支持している。なお、これらのポケットトレイ支持機構11は、配置される方向が異なる以外は同一の構成であることから、以下の説明ではその1つについて説明を行う。
図7は、支持基体3bと、ポケットトレイ支持機構11とを含む斜視図(ポケットトレイ10を二点鎖線で示す)である。図8は、支持基体3bと、ポケットトレイ10と、ポケットトレイ支持機構11とを含む斜視図である。
図7及び図8に示すように、ポケットトレイ支持機構11は、ブラケット部材11aと、介在部材(嵌合部材)11bとを備えている。
ブラケット部材11aは、ハンガー部11cと、カバー部11dと、ロック部11eとを有している。
図9は、ハンガー部11cの三面図であり(a)が上面図、(b)が側面図、(c)が正面図である。図10は、ブラケット部材11aの部分的な斜視図である。
図9及び図10に示すように、ハンガー部11cは、2本の直線ワイヤー部(横桟)11c1と、第一連結ワイヤー部11c2と、屈曲ワイヤー部11c3と、第二連結ワイヤー部11c4と、主板状部11c6と、端部板状部11c7と、第一屈曲板状部11c8と、第二屈曲板状部11c9と、係止爪11c10とを有している。
図8、図9及び図10に示すように、各直線ワイヤー部11c1は、後述する介在部材11bを介在させてポケットトレイ10の下向き爪10jに係合される。2本の直線ワイヤー部11c1は、下向き爪10jの鉛直方向の間隔に対応して、鉛直方向に離間して配置されている。第一連結ワイヤー部11c2は、2本の直線ワイヤー部11c1の一方(カート装置1の幅方向外側)の端部同士を連結している。屈曲ワイヤー部11c3は、各直線ワイヤー部11c1の他方(カート装置1の幅方向内側)の端部から支持基体3bの側面に沿って屈曲している。第二連結ワイヤー部11c4は、2本の屈曲ワイヤー部11c3の後端部同士を連結している。本実施形態では、これら直線ワイヤー部11c1、第一連結ワイヤー部11c2、屈曲ワイヤー部11c3及び第二連結ワイヤー部11c4は、ワイヤー鋼棒により一体的に形成されている。
主板状部11c6は、2本の屈曲ワイヤー部11c3の支持基体3b側の面に沿って設けられている。端部板状部11c7は、主板状部11c6の上下端部からそれぞれ屈曲して設けられている。各端部板状部11c7は、それぞれ2本の屈曲ワイヤー部11c3の上下面に沿って配置されている。第一屈曲板状部11c8は、主板状部11c6の後端部から屈曲して、後方に向かうにしたがって次第にカート装置1の幅方向中央側に向かうように傾斜している。第二屈曲板状部11c9は、第一屈曲板状部11c8の後端部から前方に屈曲して設けられている。第二屈曲板状部11c9は、支持基体3bの溝部3b5内に配置されている。係止爪11c10は、第二屈曲板状部11c9の端部に、上下方向に離間して2箇所設けられている。また、第二屈曲板状部11c9の端部には、係止爪11c10に向かって突出する当接壁部11c20が設けられている。当接壁部11c20は、第二屈曲板状部11c9の上下端部及び上側の係止爪11c10と下側の係止爪11c10との間の3箇所に設けられている。
図9に示すように、各係止爪11c10は、第二屈曲板状部11c9の端部に設けられた基部11c11と、基部11c11に連続して基部11c11の上下幅よりも幅広に形成された幅広部11c12と、幅広部11c12の上下端部からそれぞれ第二屈曲板状部11c9の端部側に向かって延びる係合爪部11c13とを有している。
本実施形態では、これら主板状部11c6、端部板状部11c7、第一屈曲板状部11c8、第二屈曲板状部11c9及び係止爪11c10は、板金等により一体的に形成されている。また、屈曲ワイヤー部11c3と、主板状部11c6の上下端部及び端部板状部11c7とは、溶接等により連結されている。ハンガー部11cは、上下方向の中央を境として対称形状とされている。
図5、図7及び図10に示すように、カバー部11dは、固定壁部11d1と、端部壁部11d2と、延出壁部11d3と、上下壁部11d4とを有している。
固定壁部11d1は、ハンガー部11cの第一屈曲板状部11c8に沿って配置されている。第一屈曲板状部11c8に形成された取付孔(不図示)から挿通された螺子11cxが、固定壁部11d1に螺合されることで、固定壁部11d1は第一屈曲板状部11c8に固定されている。端部壁部11d2は、固定壁部11d1におけるカート装置1の幅方向内側の端部から屈曲して、ハンガー部11cの第一屈曲板状部11c8と第二屈曲板状部11c9との角部を覆うように配置されている。延出壁部11d3は、固定壁部11d1のカート装置1における幅方向外側の端部において、上下端部からそれぞれ前方に延びるように形成されている。延出壁部11d3は、ハンガー部11cの屈曲ワイヤー部11c3のカート装置1における幅方向外側に配置されている。上下壁部11d4は、各延出壁部11d3からそれぞれハンガー部11cの上側及び下側を覆うように形成されている。カバー部11dは、上下方向の中央を境として対称形状とされている。
ロック部11eは、軸係止部11e1と、延出壁部11e2と、押さえ突出部11e3と、屈曲壁部11e4と、つまみ部11e5と、係止爪部11e6とを有している。
軸係止部11e1は、ハンガー部11cの第二連結ワイヤー部11c4の外周面に係止されるように円弧状に形成されている。軸係止部11e1は、カバー部11dの上側の延出壁部11d3と下側の延出壁部11d3との間に配置されている。延出壁部11e2は、軸係止部11e1の端部から前方に延び、ハンガー部11cの上側の屈曲ワイヤー部11c3と下側の屈曲ワイヤー部11c3との間に配置されている。押さえ突出部11e3は、延出壁部11e2のカート装置1における幅方向内側の面からハンガー部11cの主板状部11c6に向かって突出している。押さえ突出部11e3の先端部は、主板状部11c6に当接している。屈曲壁部11e4は、延出壁部11e2の端部から、カート装置1における幅方向内側に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜している。つまみ部11e5は、屈曲壁部11e4の前側の端部に前方に突出するよう形成されている。係止爪部11e6は、屈曲壁部11e4の後側の端部において前方に凹むように形成されている。係止爪部11e6は、支持基体3bのアウタ3b3における溝部3b5を挟む一方(カート装置1の幅方向外側)の突部3b9に係止されている。ロック部11eは、上下方向の中央を境として対称形状とされている。
図11は、図7のB−B断面図である。図12は、図7のC−C断面図である。図13は、介在部材11bの斜視図である。
図11、図12及び図13に示すように、介在部材11bは、ワイヤー嵌合部(嵌合部)11b1と、上下連結部(連結部)11b2、中央壁部(連結部)11b3、左右連結部(連結部)11b4と、抜け止め片(突出部)11b8と、支持壁部11b5と、レバー片(レバー部)11b6とを有している。介在部材11bは、弾性変形可能に形成されている。例えば、介在部材11bは、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂により成形されている。
ワイヤー嵌合部11b1は、カート装置1の幅方向及び上下方向に離間して4箇所に配置されている。上側に配置されたワイヤー嵌合部11b1は、後部上方に向かって開口している。下側に配置されたワイヤー嵌合部11b1は、後部下方に向かって開口している。上側のワイヤー嵌合部11b1は、ブラケット部材11aの上側の直線ワイヤー部11c1に弾性変形しつつ係合されている。下側のワイヤー嵌合部11b1は、ブラケット部材11aの下側の直線ワイヤー部11c1に弾性変形しつつ係合されている。
上下連結部11b2は、上側のワイヤー嵌合部11b1と下側とのワイヤー嵌合部11b1とを連結している。上下連結部11b2は、板状に形成され、鉛直面に沿って配置されている。上下連結部11b2は、カート装置1の幅方向一方側同士を連結するとともに幅方向他方側同士を連結するように、カート装置1の幅方向に離間して2箇所に設けられている。
中央壁部11b3は、一対の上下連結部11b2の間に配置されている。中央壁部11b3は、板状に形成され、鉛直面に沿って配置されている。
左右連結部11b4は、中央壁部11b3とカート装置1の幅方向両側の上下連結部11b2とをそれぞれ連結している。左右連結部11b4は、板状に形成され、鉛直面に沿って配置されている。左右連結部11b4は、中央壁部11b3の上下方向の中央に位置するように設けられている。つまり、左右連結部11b4と中央壁部11b3とは、上下側では連結されていない。
抜け止め片11b8は、中央壁部11b3からポケットトレイ10の前面壁10d側に向かって突出している。抜け止め片11b8は、中央壁部11b3の上部及び下部にそれぞれ設けられている。抜け止め片11b8は、水平面に沿って形成された係合面11b9を有している。
支持壁部11b5は、中央壁部11b3の上端部及び下端部にそれぞれ設けられている。上側の支持壁部11b5は、上側の直線ワイヤー部11c1の下面から前面に沿って湾曲形成されている。下側の支持壁部11b5は、下側の直線ワイヤー部11c1の上面から前面に沿って湾曲形成されている。
レバー片11b6は、各支持壁部11b5に連続して設けられている。上側のレバー片11b6は、支持壁部11b5から上方に延びるように形成されている。下側のレバー片11b6は、支持壁部11b5から下方に延びるように形成されている。この介在部材11bは、上下方向の中央を境として対称形状とされているとともに、幅方向の中央を境としても対称に形成されている。
このように、ブラケット部材11aと介在部材11bとを備えるポケットトレイ支持機構11は、上下方向の中央を境として対称形状とされている。これにより、ポケットトレイ支持機構11を上下反転することで、カート装置1の幅方向両側に設けることができる。
本実施形態では、介在部材11bと、ポケットトレイ10の下向き爪(係合部)10jとが、オプション取付構造100(図8参照)を構成している。
続いて、このように構成された本実施形態のカート装置1において、ポケットトレイ支持機構11及びポケットトレイ10を支持基体3bに装着するときの動作について、説明する。
図14は、図5のD−D断面図である。図15は、本発明の一実施形態に係るカート装置が備えるポケットトレイ10の支持ブラケットをカート装置の支持体に取り付ける動作を説明するための斜視図である。
まず、図11に示すように、ブラケット部材11aの直線ワイヤー部11c1に、介在部材11bのワイヤー嵌合部11b1を嵌め込んでおく。
この状態で、図5及び図14に示すように、カート本体3の棚柱3b4の係止孔3b6に、ハンガー部11cの係止爪11c10を係止させる。係止爪11c10は、上下方向の配列ピッチがカート本体3の棚柱3b4の係止孔3b6の配列ピッチと同一とされている。係止爪11c10の上側の係合爪部11c13の上端から下側の係合爪部11c13の下端までの長さは、係止孔3b6の上下方向の長さよりも僅かに小さい。これにより、係止爪11c10は、係止孔3b6を通過し、係止孔3b6に挿入された係止爪11c10は、下方に移動させることによって、係止爪11c10の基部11c11が、棚柱3b4の係止孔3b6の下部に配置されて棚柱3b4に係止され、下方への移動が規制される。また、係止爪11c10の係合爪部11c13が、棚柱3b4の前面に係止され、後方への移動が規制される。また、当接壁部11c20が、棚柱3b4の後面に係止され、前方への移動が規制される。この状態で、ハンガー部11cは、直線ワイヤー部11c1が支持基体3bの側方に延びるように配置される。
また、図15に示すように、ブラケット部材11aにおいて、ロック部11eの係止爪部11e6を、支持基体3bの突部3b9(図5参照。以下同じ。)に係止させる。これにより、ロック部11eは、軸係止部11e1がハンガー部11cの第二連結ワイヤー部11c4に係合されつつ、係止爪部11e6が支持基体3bの突部3b9に係止される。このように、ロック部11eは、ハンガー部11c及び支持基体3bに装着されている。この状態で、ロック部11eの押さえ突出部11e3の先端部は、ハンガー部11cの主板状部11c6に当接している。これにより、ハンガー部11cは支持基体3b側に押圧されるため、ハンガー部11cが、係止爪11c10を中心として第一連結ワイヤー部11c2側を後方に向かわせる方向への回転が規制される。
そして、図11及び図12に示すように、直線ワイヤー部11c1を嵌合する介在部材11bのワイヤー嵌合部11b1に対して、ポケットトレイ10の下向き爪10jをワイヤー嵌合部11b1に係合させるようにポケットトレイ10を下方に移動する。この際に、ポケットトレイ10の係合片10kは、介在部材11bの下側の抜け止め片11b8を乗り越える。そして、ポケットトレイ10の下向き爪10jの内部に、介在部材11bが嵌合された直線ワイヤー部11c1が配置され、下向き爪10jが介在部材11bの嵌合部11b1の外周に上方から係合する。この状態で、下向き爪10jの第二平面部10j3がワイヤー嵌合部11b1の前面に当接して、ポケットトレイ10の後方への移動が規制される。また、上側の抜け止め片11b8は、ポケットトレイ10の前面壁10dに当接して、ポケットトレイ10の前方への移動が規制される。また、ポケットトレイ10の係合片10kが、介在部材11bの係合面11b9に当接して、ポケットトレイ10の上方への移動が規制される。このように、ポケットトレイ10の支持基体3bの側方への装着が完了する。
この状態で、図5に示すように、ハンガー部11cの直線ワイヤー部11c1は、支持基体3bの前面と略同一平面上に配置されている。ポケットトレイ10は、ハンガー部11cの直線ワイヤー部11c1の後側に配置されている。また、ポケットトレイ10のカート装置1における前後方向の寸法は、支持基体3bの前後方向の寸法よりも長い。よって、ポケットトレイ10は支持基体3bよりも後方に突出している。
なお、ここで、ブラケット部材11aを、支持基体3bの後側の係止孔3b6に装着する例について説明した。しかしながら、本実施形態のカート装置1では、ブラケット部材11aを、支持基体3bの前側の係止孔3b6に装着することもできる。
続いて、支持基体3bからポケットトレイ支持機構11及びポケットトレイ10を脱離するときの動作について、説明する。
介在部材11bの下側のレバー片11b6を後方に引っ張ると、左右連結部11b4と中央壁部11b3とは、上下側では連結されていないため、抜け止め片11b8が左右連結部11b4側を基端側として先端側を後方に移動させるように弾性変形し、抜け止め片11b8と係合片10kとの係合が外れる。これにより、ポケットトレイ10を上方へ移動させることができ、ポケットトレイ10が外れる。そして、ロック部11eの係止爪部11e6を、支持基体3bの突部3b9から外す。さらに、ハンガー部11cを、わずかに上方に移動させて、後方に移動させる。これにより、ハンガー部11cの係止爪11c10の幅広部11c12が、支持基体3bの係止孔3b6を通過して、支持基体3bからポケットトレイ支持機構11及びポケットトレイ10を脱離する。
また、脱離したポケットトレイ支持機構11及びポケットトレイ10において、係止爪11c10を元の位置とは異なる高さ位置に形成された係止孔3b6に係止させることで、適宜上下方向の位置を変更させてポケットトレイ10を支持基体3b側に装着することができる。
(メイントレイ)
図16は、メイントレイ2の斜視図であり、(a)が上方から見た斜視図であり、(b)が下方から見た斜視図である。また、図17は、メイントレイ2の三面図であり、(a)が底面図、(b)が側面図、(c)が正面図である。これらの図に示すように、メイントレイ2は、底板2aと、底板2aの縁部に立設される周壁部2bと、底板2aの下面に形成される突起部2cとを備えている。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図17(c)で示されている側が正面側とし、この正面と反対側を背面側と称する。
底板2aは、上面が平坦な物品載置面とされており、載置された物品を下方から支持する板状の部位である。本実施形態では、底板2aは、図16及び図17に示すように、奥行方向が短く幅方向が長い略長方形状とされている。
周壁部2bは、底板2aを囲むように底板2aの縁部に立設された壁部であり、底板2aの正面側の長辺から立設する正面壁2dと、底板2aの背面側の長辺から立設する背面壁2eと、底板2aの左辺(幅方向の一方側の辺)から立設する第1側壁2fと、底板2aの右辺(幅方向の他方側の辺)から立設する第2側壁2gとを有している。
正面壁2dは、背面壁2eよりも鉛直方向の寸法が低く設定されている。つまり、背面壁2eは、正面壁2dよりも鉛直方向の寸法が高く設定されている。これによって、正面壁2dの上端は、背面壁2eの上端よりも低い位置とされている。また、第1側壁2fは、正面壁2dの左側端と背面壁2eの左側端とに接続されている。また、第2側壁2gは、正面壁2dの右側端と背面壁2eの右側端とに接続されている。
第1側壁2fは、正面側部2f1と、背面側部2f2と、中間部2f3とを有している。正面側部2f1は、正面壁2dに接続されると共に正面壁2dと同一高さとされた部位である。背面側部2f2は、背面壁2eに接続されると共に背面壁2eと同一高さとされた部位である。中間部2f3は、正面側部2f1と背面側部2f2との間に配置されると共に上端が正面側部2f1の上端と背面側部2f2の上端とを直線状に接続するように傾斜された部位である。
第2側壁2gは、正面側部2g1と、背面側部2g2と、中間部2g3とを有している。正面側部2g1は、正面壁2dに接続されると共に正面壁2dと同一高さとされた部位である。背面側部2g2は、背面壁2eに接続されると共に背面壁2eと同一高さとされた部位である。中間部2g3は、正面側部2g1と背面側部2g2との間に配置されると共に上端が正面側部2g1の上端と背面側部2g2の上端とを直線状に接続するように傾斜された部位である。なお、図16(a)に示すように、第1側壁2fの中間部2f3と、第2側壁2gの中間部2g3とは、奥行方向において、同一箇所に設けられている。
この周壁部2bを有するメイントレイ2では、図16(a)に示すように、正面側にて周壁部2bの高さが低く、背面側にて周壁部2bの高さが高い形状となっており、周壁部2bに囲まれた領域が物品の収容領域となっている。このため、メイントレイ2の収容領域の正面側(以下、正面側収容領域Raと称する)は、周壁部2bが低いことから、物品の出し入れがし易く、目視がし易い領域となることから、例えば小さな物品を収容するのに適した領域となっている。一方で、メイントレイ2の収容領域の背面側(以下、背面側収容領域Rbと称する)は、周壁部2bが高いことから、背丈の高い物品がカート装置1の走行振動等によって傾いても周壁部2bで支えることができ、例えば背丈の高い物品を安定して収容するのに適した領域となっている。
また、メイントレイ2のカート装置1における幅方向の寸法は、支持基体3bの幅方向の寸法よりも長い。
突起部2cは、底板2aの下面から下方に向けて突出した部位である。本実施形態では、図17(a)に示すように複数形成されている。なお、説明の便宜上、これらの突起部2cを、メイントレイ2の左側に配置される左側突起群2cAと、メイントレイ2の右側に配置される右側突起群2cBとにグループ分けする。
左側突起群2cAには、突起部2cとして、正面側突起部2c1と、背面側突起部2c2と、正面側中央突起部2c3と、背面側中央突起部2c4とが含まれている。これらの正面側突起部2c1、背面側突起部2c2、正面側中央突起部2c3及び背面側中央突起部2c4は、図17(a)に示すように、奥行方向に略直線状に配列されている。
正面側突起部2c1は、メイントレイ2の下面から下方に垂下する垂下部2c11と、この垂下部2c11の下端からメイントレイ2の右側に向けて迫り出した延出部2c12とを有する。延出部2c12は、長辺がメイントレイ2の奥行方向に沿うように水平配置される略長方形状の板部であり、右側辺が垂下部2c11の下端と接続されることによってメイントレイ2の下面と一定の隙間を空けて配置されている。この正面側突起部2c1は、図17(a)に示すように、左側突起群2cAのなかで、最もメイントレイ2の正面側に配置されている。
背面側突起部2c2は、正面側突起部2c1と同一形状とされており、メイントレイ2の下面から下方に垂下する垂下部2c21と、この垂下部2c21の下端からメイントレイ2の右側に向けて迫り出した延出部2c22とを有する。延出部2c22は、長辺がメイントレイ2の奥行方向に沿うように水平配置される略長方形状の板部であり、右側辺が垂下部2c21の下端と接続されることによってメイントレイ2の下面と一定の隙間を空けて配置されている。この延出部2c22からメイントレイ2の下面までの離間距離は、正面側突起部2c1の延出部2c12からメイントレイ2の下面までの離間距離と同一に設定されている。この背面側突起部2c2は、図17(a)に示すように、左側突起群2cAのなかで、最もメイントレイ2の背面側に配置されている。
正面側中央突起部2c3及び背面側中央突起部2c4は、正面側突起部2c1と背面側突起部2c2との間に配置されている。正面側中央突起部2c3及び背面側中央突起部2c4のうち、正面側中央突起部2c3がメイントレイ2の正面側に配置され、背面側中央突起部2c4がメイントレイ2の背面側に配置されている。これらの正面側中央突起部2c3と背面側中央突起部2c4との間には、メイントレイ支持機構4が備える後述の係合突起4fが嵌入される嵌入隙間S1が形成されている。
正面側中央突起部2c3は、正面側突起部2c1及び背面側突起部2c2に対して僅かにメイントレイ2の幅方向中央部側に変位して配置されている。この正面側中央突起部2c3は、メイントレイ2の正面側に向けて奥行方向に対して傾斜された斜面2c31を有している。この斜面2c31は、メイントレイ2の正面側から嵌入隙間S1に向かうに連れてメイントレイ2の幅方向中央側に向かう面であり、正面側をカート本体3側に向けてメイントレイ2を着脱する時に係合突起4fを案内する。背面側中央突起部2c4は、正面側中央突起部2c3と同様に、正面側突起部2c1及び背面側突起部2c2に対して僅かにメイントレイ2の幅方向中央部側に変位して配置されている。この背面側中央突起部2c4は、メイントレイ2の背面側に向けて奥行方向に対して傾斜された斜面2c41を有している。この斜面2c41は、メイントレイ2の背面側から嵌入隙間S1に向かうに連れてメイントレイ2の幅方向中央側に向かう面であり、背面側をカート本体3側に向けてメイントレイ2を着脱する時に係合突起4fを案内する。これらの正面側中央突起部2c3と背面側中央突起部2c4とは、メイントレイ2の奥行方向の中央を境として対称形状とされている。
右側突起群2cBには、突起部2cとして、正面側突起部2c5と、背面側突起部2c6と、正面側中央突起部2c7と、背面側中央突起部2c8とが含まれている。右側突起群2cBに含まれる正面側突起部2c5、背面側突起部2c6、正面側中央突起部2c7及び背面側中央突起部2c8は、左側突起群2cAと左右対称形状とされている。
すなわち、正面側突起部2c5は、左側突起群2cAの正面側突起部2c1と左右対称形状であり、垂下部2c51と延出部2c52とを有している。また、背面側突起部2c6は、左側突起群2cAの背面側突起部2c2と左右対称形状であり、垂下部2c61と延出部2c62とを有している。また、正面側中央突起部2c7は、左側突起群2cAの正面側中央突起部2c3と左右対称形状であり、斜面2c71を有している。また、背面側中央突起部2c8は、左側突起群2cAの背面側中央突起部2c4と左右対称形状であり、斜面2c81を有している。さらに、正面側中央突起部2c7と背面側中央突起部2c8との間には、メイントレイ支持機構4が備える後述の係合突起4fが嵌入される嵌入隙間S2が形成されている。
(メイントレイ支持機構)
図18は、カート本体3と、メイントレイ支持機構4とを含む斜視図(メイントレイ2を省略した斜視図)である。
図18に示すように、本実施形態では、メイントレイ支持機構4は、カート本体3に対して2つ設けられている。これらのメイントレイ支持機構4は、鉛直方向に離間して配置されており、各々がメイントレイ2を着脱可能に支持している。なお、これらのメイントレイ支持機構4は、配置される高さが異なる以外は同一の構成であることから、以下の説明ではその1つについて説明を行う。
図19は、メイントレイ2を取り外した状態においてメイントレイ支持機構4を上方から見た斜視図である。また、図20は、メイントレイ2を取り外した状態においてメイントレイ支持機構4を下方から見た斜視図である。また、図21は、メイントレイ2を取り付けた状態においてメイントレイ支持機構4を下方から見た下面図である。また、図22は、メイントレイ2を取り外した状態においてメイントレイ支持機構4のカート本体3側の一部を拡大した側面図である。これらの図に示すように、メイントレイ支持機構4は、支持ユニット4aと、ロックユニット4bとを備えている。
支持ユニット4aは、ベース部4cと、当接部4dと、トレイ脱離操作部4eと、係合突起4fと、ブラケット部4gとを備えている。ベース部4cは、当接部4d、トレイ脱離操作部4e及び係合突起4fを直接あるいは間接的に支持する板状の部位である。このベース部4cは、図21に示すように、メイントレイ2の下面よりも面積が小さな略矩形状とされており、メイントレイ2の下面の左右両端近傍が露出されるようにメイントレイ2の下面を覆っている。つまり、本実施形態においては、メイントレイ2の下面のベース部4cを挟んだ両側の領域が露出されている。この露出されたメイントレイ2の下面の領域は、メイントレイ2をメイントレイ支持機構4から脱離するときに作業者が把持する領域(以下、把持領域Haと称する)として利用される。このように、本実施形態においては、メイントレイ2をメイントレイ支持機構4に装着した場合であっても、メイントレイ2の下面の一部が把持領域Haとして露出されている。これらの把持領域Haは、トレイ脱離操作部4eに隣接して形成されており、トレイ脱離操作部4eの操作を行った作業者がトレイ脱離操作部4eの操作を行った流れで容易に把持できる位置に配置されている。
また、ベース部4cの前側の縁部4c1と、左側の縁部4c2と、右側の縁部4c3とは、図19に示すように、上方に向けて折り曲げられている。また、ベース部4cの後側の縁部4c4は、下方に向けて折り曲げられている。ベース部4cの前側の縁部4c1と、左側の縁部4c2と、右側の縁部4c3とは、一体的に接続された当接部4dを支持している。さらに、左側の縁部4c2と、右側の縁部4c3とには、トレイ脱離操作部4eの後述する操作プレート4e1が挿通される開口4c5が各々前後方向の中央に形成されている。また、ベース部4cの後側の縁部4c4は、ロックユニット4bの後述するコイルバネ4b2の当接面とされている。
当接部4dは、ベース部4cの前側の縁部4c1と、左側の縁部4c2と、右側の縁部4c3と一体的に設けられている。本実施形態では、当接部4dとして、前側中央当接部4d1と、左前側当接部4d2と、左後側当接部4d3と、右前側当接部4d4と、右後側当接部4d5とが設けられている。
前側中央当接部4d1は、ベース部4cの前側の縁部4c1の上端から後方に延設され、上面がメイントレイ2の下面と当接する当接面とされている。左前側当接部4d2は、ベース部4cの左側の縁部4c2の前側端部に設けられており、縁部4c2の上端から右側に向けて延設されている。この左前側当接部4d2は、上面がメイントレイ2の下面と当接する当接面とされており、当該上面が前側中央当接部4d1の上面と同一高さとなるように配置されている。左後側当接部4d3は、ベース部4cの左側の縁部4c2の後側端部に設けられており、縁部4c2の上端から右側に向けて延設されている。この左後側当接部4d3も、上面がメイントレイ2の下面と当接する当接面とされており、当該上面が前側中央当接部4d1の上面と同一高さとなるように配置されている。右前側当接部4d4は、ベース部4cの右側の縁部4c3の前側端部に設けられており、縁部4c3の上端から左側に向けて延設されている。この右前側当接部4d4も、上面がメイントレイ2の下面と当接する当接面とされており、当該上面が前側中央当接部4d1の上面と同一高さとなるように配置されている。右後側当接部4d5は、ベース部4cの右側の縁部4c3の後側端部に設けられており、縁部4c3の上端から左側に向けて延設されている。この右後側当接部4d5も、上面がメイントレイ2の下面と当接する当接面とされており、当該上面が前側中央当接部4d1の上面と同一高さとなるように配置されている。
これらの当接部4dは、全てメイントレイ2の下面に当接する同一高さの当接面を有している。メイントレイ2は、これらの当接面に当接されることによって支持される。すなわち、メイントレイ2は、前側中央当接部4d1の上面と、左前側当接部4d2の上面と、左後側当接部4d3の上面と、右前側当接部4d4の上面と、右後側当接部4d5の上面とによって下方から支持されている。これによって、メイントレイ2の下方への移動が規制される。
また、これらの当接部4dは、上述のように上方に向けて折り曲げられた前側の縁部4c1と、左側の縁部4c2と、右側の縁部4c3とのいずれかの上端からベース部4cの内側に延出するように形成されている。このため、これらの当接部4dは、ベース部4cの上面から一定距離離間されて配置されている。つまり、当接部4dは、ベース部4cの上面との間に上下方向に一定の隙間を空けて配置されている。
メイントレイ2が支持ユニット4aに対して装着された状態では、例えば、正面側突起部2c1の延出部2c12が左前側当接部4d2の下方に差し込まれ、背面側突起部2c2の延出部2c22が左後側当接部4d3の下方に差し込まれる。また、正面側突起部2c5の延出部2c52が右前側当接部4d4の下方に差し込まれ、背面側突起部2c6の延出部2c62が右後側当接部4d5の下方に差し込まれる。このため、支持ユニット4aに対して装着されたメイントレイ2を上方に移動しようとすると、正面側突起部2c1の延出部2c12が左前側当接部4d2に干渉し、背面側突起部2c2の延出部2c22が左後側当接部4d3に干渉し、正面側突起部2c5の延出部2c52が右前側当接部4d4に干渉し、背面側突起部2c6の延出部2c62が右後側当接部4d5に干渉する。これによって、メイントレイ2の上方への移動が規制される。
さらに、支持ユニット4aに対して装着されたメイントレイ2をカート装置1の左右方向に移動しようとすると、例えば、正面側突起部2c1の延出部2c12と背面側突起部2c2の延出部2c22とが、ベース部4cの左側の縁部4c2に干渉する。また、正面側突起部2c5の延出部2c52と背面側突起部2c6の延出部2c62とがベース部4cの右側の縁部4c3に干渉する。これによって、メイントレイ2のカート装置1の左右方向への移動が規制される。
トレイ脱離操作部4eは、ベース部4cの左側と右側との各々に設けられており、ベース部4cの前後方向の中央部に配置されている。このトレイ脱離操作部4eは、操作プレート4e1と、付勢ユニット4e2とを備えている。操作プレート4e1は、ベース部4cに形成された開口4c5に表裏面を上下方向に向けて挿通状態で配置される板状の部材であり、ベース部4cの外側に向けられた端部に把持部4e3が設けられている。つまり、ベース部4cの左側に配置されたトレイ脱離操作部4eの操作プレート4e1は、開口4c5から左側に突出された端部に把持部4e3が設けられている。また、ベース部4cの右側に配置されたトレイ脱離操作部4eの操作プレート4e1は、開口4c5から右側に突出された端部に把持部4e3が設けられている。
付勢ユニット4e2は、ベース部4cの下面に対して固定されており、操作プレート4e1の下部の一部を収容している。この付勢ユニット4e2は、カバー内部に不図示のバネが設置されており、操作プレート4e1をベース部4cの外側に向けて付勢している。また、付勢ユニット4e2は、不図示のストッパを備えており、操作プレート4e1のベース部4cの外側へ向けての移動限界位置を規定している。
このようなトレイ脱離操作部4eでは、付勢ユニット4e2からの付勢力以外の外力が作用していない状態では、付勢ユニット4e2によって、操作プレート4e1が不図示のストッパで規制される移動限界位置に付勢されている。以下、操作プレート4e1の上記移動限界位置を基準位置と称する。また、操作プレート4e1の基準位置は、メイントレイ2が支持ユニット4aに装着された状態で、操作プレート4e1上に設置される係合突起4fがメイントレイ2の嵌入隙間S1(あるいは嵌入隙間S2)に嵌入される位置に設定されている。
係合突起4fは、操作プレート4e1上に形成されている。この操作プレート4e1は、前後方向に長い棒状の突起であり、前後方向の長さがメイントレイ2の嵌入隙間S1及び嵌入隙間S2の奥行方向の長さより僅かに短く設定されている。この係合突起4fは、操作プレート4e1が基準位置であり、かつ、メイントレイ2が支持ユニット4aに装着された状態では、図21に示すように、メイントレイ2の嵌入隙間S1(あるいは嵌入隙間S2)に嵌入される。
例えば、係合突起4fがメイントレイ2の嵌入隙間S1に嵌入されると、図21に示すように、係合突起4fの前後にメイントレイ2の正面側中央突起部2c3と背面側中央突起部2c4とが配置されることになる。この結果、メイントレイ2がカート装置1の前後方向に移動しようとしたときに、係合突起4fと正面側中央突起部2c3あるいは背面側中央突起部2c4とが干渉し、メイントレイ2の前後方向の移動が規制される。また、係合突起4fが嵌入隙間S2に嵌入されると、図21に示すように、係合突起4fの前後にメイントレイ2の正面側中央突起部2c7と背面側中央突起部2c8とが配置されることになる。この結果、メイントレイ2がカート装置1の前後方向に移動しようとしたときに、係合突起4fと正面側中央突起部2c7あるいは背面側中央突起部2c8とが干渉し、メイントレイ2の前後方向の移動が規制される。このため、支持ユニット4aに装着されたメイントレイ2は、カート装置1の前後方向に移動することができなくなる。
ブラケット部4gは、図20あるいは図22に示すように、ブラケット部4gは、カート本体3の支持基体3bに固定されるベース部4g1と、ベース部4g1から前側に延出する2本のアーム4g2とを有している。ベース部4g1は、鉛直方向から見た形状が略コの字形状とされた部位であり、図22に示すように、略コの字形状の端部に係止爪4g3を有している。本実施形態では、略コの字形状の2つの端部の各々に、係止爪4g3が、鉛直方向に配列されて3つ形成されている。これらの係止爪4g3は、上下方向の配列ピッチがカート本体3(図4参照。以下同じ。)の棚柱3b4(図4参照。以下同じ。)の係止孔3b6(図4参照。以下同じ。)の配列ピッチと同一とされており、係止孔3b6に挿入可能とされている。また、係止孔3b6に挿入された係止爪4g3は、下方に移動させることによって棚柱3b4に係止される。これによってブラケット部4g(すなわちメイントレイ支持機構4)がカート本体3に対して固定される。また、カート本体3に対して固定されたブラケット部4g(すなわちメイントレイ支持機構4)は、カート本体3に対して持ち上げることによって係止爪4g3が棚柱3b4から離間し、カート本体3から取り外すことができる。
なお、上述のように、棚柱3b4には、上下方向に複数の係止孔3b6が形成されている。このため、ブラケット部4g(すなわちメイントレイ支持機構4)は、ベース部4g1を支持基体3bの高さ方向の任意位置に固定可能とされている。すなわち、本実施形態では、カート本体3の一部である支持基体3bの一定範囲に設けられた棚柱3b4(被取付部)の任意位置にメイントレイ支持機構4を取り付け可能とされている。
また、ベース部4g1は、上下方向に3つ配列される係止爪4g3のうち、最も上側に配置される係止爪4g3と、最も下側に配置される係止爪4g3との間にスリット4g5が形成されている。このスリット4g5は、ロックユニット4bの後述するロック部材4b1の楔部4b7がカート装置1の前後方向に移動可能に差し込まれる領域である。
アーム4g2は、図20に示すように、カート装置1の左右方向に離間して配置されており、根元部がベース部4g1に固定されている。これらのアーム4g2は、カート装置1の左右方向の厚みが薄くされた板状とされており、上端がベース部4cの下面に固着されている。このようなアーム4g2は、ベース部4g1を下方から支持している。また、図20に示すように、アーム4g2の根元近傍には、前後方向に延在するスリット4g4が形成されている。このスリット4g4は、ロックユニット4bの後述するロック部材4b1の爪部4b6が挿入される。また、スリット4g4は、爪部4b6のカート装置1の前後方向の幅よりも長く設定されている。これによって爪部4b6がスリット4g4に差し込まれた状態でカート装置1の前後方向に移動可能とされている。
ロックユニット4bは、図22に示すように、ロック部材4b1と、コイルバネ4b2とを備えている。図23は、ロック部材4b1の斜視図であり、(a)がカート装置1の前側から見た斜視図であり、(b)がカート装置1の後側から見た斜視図である。
これらの図に示すように、ロック部材4b1は、作業者が指を掛けるための溝部4b31が形成されたベース部4b3と、ベース部4b3からカート装置1の前側に延設される延設プレート4b4と、ベース部4b3から下方に垂下する垂下部4b5と、垂下部4b5の下端から外側に突出する爪部4b6と、ベース部4b3から後方に突出して設けられる楔部4b7とを有している。
ベース部4b3は、左右方向に長く形成されており、ブラケット部4gのアーム4g2同士の間に配置されている(図20参照)。また、ベース部4b3は、支持ユニット4aのベース部4cとブラケット部4gのベース部4g1との間に前後方向に移動可能に配置されている。このベース部4b3の延在方向に沿って上述の溝部4b31が形成されている。延設プレート4b4は、支持ユニット4aのベース部4cの上面の上方に当該上面と平行に配置されている。この延設プレート4b4は、作業者が上述の溝部4b31に指を掛けてロック部材4b1を引くことによって支持ユニット4aのベース部4cの上面に沿って移動される。
垂下部4b5は、ベース部4b3の左右方向の両端部に各々設置されている。爪部4b6は、ブラケット部4gのアーム4g2に形成されたスリット4g4に挿入されている。2つの垂下部4b5に形成された爪部4b6がスリット4g4に挿入されることによって、ロック部材4b1がブラケット部4gに対する左右方向及び上下方向への移動が規制される。つまり、ロック部材4b1は、爪部4b6がスリット4g4に挿入されることによって、スリット4g4の前後方向の長さの範囲で前後方向にのみ移動可能とされる。
楔部4b7は、ベース部4b3の左右方向の両端部に各々設置されている。これらの楔部4b7は、図22に示すように、ブラケット部4gのベース部4g1に形成されたスリット4g5に配置されている。このような楔部4b7は、ロック部材4b1が前後方向に移動されることによって、スリット4g5に沿って前後方向に移動される。また、楔部4b7の前後方向の長さは、ロック部材4b1を最も後側に移動させたときに、先端部が上下方向から見てブラケット部4gの係止爪4g3同士の間に配置され、ロック部材4b1が最も前側に移動されたときに、先端部が上下方向から見てブラケット部4gの係止爪4g3同士の間から引き出されるように設定されている。さらに、楔部4b7の上下方向における厚みは、ブラケット部4gの係止爪4g3が棚柱3b4に係止されている状態で、係止爪4g3の上方に形成される隙間に挿入可能され、係止爪4g3と共に係止孔3b6を埋められるように設定されている。このような楔部4b7が、係止爪4g3の上方に形成される隙間に挿入可能され、係止爪4g3と共に係止孔3b6を埋めると、係止爪4g3を上方に移動させることができなくなり、支持ユニット4a(すなわちメイントレイ支持機構4)がカート本体3から脱離できなくなる(図26(a)参照)。すなわち、メイントレイ支持機構4が、支持基体3bから前方に延びた状態で、カート本体3に対してロックされる。
コイルバネ4b2は、延設プレート4b4の下面に形成された突起に巻回されており、先端部が支持ユニット4aのベース部4cの後側の縁部4c4に当接されている。このコイルバネ4b2は、図21に示すように、左右方向に配列されて3つ設けられている。このようなコイルバネ4b2は、ロック部材4b1を後側(すなわちカート本体3の支持基体3b側)に付勢している。このため、ロック部材4b1に対してコイルバネ4b2の付勢力以外の外力が作用していない状態では、ロック部材4b1は、後側(すなわちカート本体3お支持基体3b側)に付勢されている。したがって、作業者がロック部材4b1を前側に移動させていない場合には、上述の楔部4b7が係止爪4g3の上方に形成される隙間に挿入可能され、メイントレイ支持機構4がカート本体3に対してロックされる。
続いて、このように構成された本実施形態のカート装置1において、メイントレイ支持機構4にメイントレイ2を装着するときの動作について、図24及び図25を参照して説明する。
まず、図24(a)に示すように、メイントレイ2をメイントレイ支持機構4の装着位置(固定位置)よりも手前側に配置する。このとき、メイントレイ2の正面側突起部2c1、背面側突起部2c2、正面側中央突起部2c3、背面側中央突起部2c4、正面側突起部2c5、背面側突起部2c6、正面側中央突起部2c7及び背面側中央突起部2c8が、支持ユニット4aのベース部4cに設けられた前側中央当接部4d1、左前側当接部4d2、左後側当接部4d3、右前側当接部4d4及び右後側当接部4d5に干渉しないように、メイントレイ2を配置する。
続いて、図24(b)に示すように、メイントレイ2を後側にスライドさせる。そして、図25(a)及び図25(b)に示すように、操作プレート4e1に設置された係合突起4fが左側突起群2cA(図17(a)参照)に属する背面側中央突起部2c4あるいは右側突起群2cB(図17(a)参照)に属する背面側中央突起部2c8に接触すると、係合突起4fが背面側中央突起部2c4の斜面2c41(図17(a)参照)あるいは背面側中央突起部2c8の斜面2c81(図17(a)参照)に案内されてメイントレイ支持機構4の中央側に徐々に移動される。
そして、係合突起4fは、嵌入隙間S1あるいは嵌入隙間S2まで到達すると、トレイ脱離操作部4eの付勢ユニット4e2の付勢力によって、嵌入隙間S1あるいは嵌入隙間S2に嵌入される(図21参照)。このように係合突起4fが嵌入隙間S1あるいは嵌入隙間S2されると、メイントレイ2の正面側突起部2c1と支持ユニット4aの左前側当接部4d2とが、メイントレイ2の背面側突起部2c2と支持ユニット4aの左後側当接部4d3とが、メイントレイ2の正面側突起部2c5と支持ユニット4aの右前側当接部4d4とが、メイントレイ2の背面側突起部2c6と支持ユニット4aの右後側当接部4d5とが鉛直方向に重なるように配置される。以上によって、メイントレイ2がメイントレイ支持機構4に対して前後左右上下に固定され、メイントレイ2の支持基体3bの前方への装着が完了する。
また、メイントレイ2の幅方向の寸法は、支持基体3bの幅方向の寸法よりも長い。また、メイントレイ2の幅方向の中央と支持基体3bの幅方向の中央とが一致するように、メイントレイ2は支持基体3bに装着されている。よって、メイントレイ2が支持基体3bに装着された状態で、メイントレイ2は支持基体3bよりも側方に突出している。
また、このようにして装着されたメイントレイ2をメイントレイ支持機構4から脱離する場合には、トレイ脱離操作部4eの操作プレート4e1を、把持部4e3を押し込むことによって移動させる。これによって、係合突起4fが嵌入隙間S1あるいは嵌入隙間S2から退避され、メイントレイ2が前後方向に移動可能となる。この状態で、作業者がメイントレイ2を図24(a)で示される位置まで移動させ、その後、図21に示す把持領域Haを利用してメイントレイ2を把持して持ち上げることにより、メイントレイ2をメイントレイ支持機構4から脱離する。このように、本実施形態においては、メイントレイ2をメイントレイ支持機構4から脱離するときに、把持領域Haが露出されているため、メイントレイ2を容易に持ち上げることができる。
なお、ここでは、メイントレイ2の背面側をカート本体3の支持基体3b側に向けてメイントレイ支持機構4に装着する例について説明した。つまり、図1の下側に配置されたメイントレイ2を装着する例について説明した。しかしながら、本実施形態のカート装置1では、図1の上側に配置されたメイントレイ2のように、メイントレイ2の正面側をカート本体3の支持基体3b側に向けてメイントレイ支持機構4に装着することもできる。
このような場合には、メイントレイ2を装着するときに、操作プレート4e1に設置された係合突起4fが左側突起群2cA(図17(a)参照)に属する正面側中央突起部2c3あるいは右側突起群2cB(図17(a)参照)に属する正面側中央突起部2c7に接触し、係合突起4fが正面側中央突起部2c3の斜面2c31(図17(a)参照)あるいは正面側中央突起部2c7の斜面2c71(図17(a)参照)に案内されてメイントレイ支持機構4の中央側に徐々に移動されることになる。
また、ここでは、メイントレイ2を支持基体3bの前側に装着する例について説明した。しかしながら、本実施形態のカート装置1では、係止爪4g3を、支持基体3bの後側の係止孔3b6に装着することで、メイントレイ2を支持基体3bの後側に装着することもできる。支持基体3bの後側に装着する場合には、メイントレイ2をポケットトレイ10の後部と干渉しない高さに配置するとともに、ポケットトレイ10を支持するハンガー部11cの係止爪11c10が係止されていない係止孔3b6に、係止爪4g3を係止させればよい。
続いて、本実施形態のカート装置1において、カート本体3からメイントレイ支持機構4を脱離するときの動作について、図26及び図27を参照して説明する。
図26(a)に示すように、ロック部材4b1に対してコイルバネ4b2の付勢力以外の外力が作用していない状態では、ロック部材4b1が後側(すなわちカート本体3の支持基体3b側)に付勢されており、楔部4b7が係止爪4g3の上方に形成される隙間に挿入可能されている。このため、メイントレイ支持機構4がカート本体3に対してロックされており、メイントレイ支持機構4を持ち上げることができない。
そこで、まず図26(b)に示すように、ロック部材4b1を手前側に引く。この作業は、作業者が溝部4b31に指を掛けた状態で行う。これによって、楔部4b7が、係止孔3b6から抜け、メイントレイ支持機構4を持ち上げることが可能となる。その後、図27(a)に示すようにメイントレイ支持機構4を持ち上げ、さらに図27(b)に示すように係止爪4g3が係止孔3b6から抜けるようにメイントレイ支持機構4を引き抜くことによって、メイントレイ支持機構4をカート本体3から脱離することができる。
なお、メイントレイ支持機構4をカート本体3に装着するときには、ロック部材4b1にコイルバネ4b2の付勢力以外の外力が作用していないため、ロック部材4b1は最も後側に付勢された状態となっている。このため、係止爪4g3を係止孔3b6に差し込むときに楔部4b7が棚柱3b4に干渉する。ただし、さらにメイントレイ支持機構4を押し込むことによって、棚柱3b4からロック部材4b1が受ける反力がコイルバネ4b2の付勢力を超えるため、特にロック部材4b1を操作しなくてもメイントレイ支持機構4をカート本体3に対して装着することができる。
また、脱離したメイントレイ支持機構4及びメイントレイ2において、係止爪4g3を元の位置とは異なる高さ位置に形成された係止孔3b6に係止させることで、適宜上下方向の位置を変更させてメイントレイ2を支持基体3b側に装着することができる。
(天板ユニット)
図1に示すように、天板ユニット5は、天板5aと、側部固定体5bと、前部固定体5cと、落下防止バー5dと、ハンドル5eとを備えている。
天板5aは、上面5Tが電子機器等の物品が載置可能な物品載置面とされた略矩形状の板部材であり、内側支柱ユニット3b2の上端に固定されている。
側部固定体5bは、天板5aの上面5Tに設けられており、落下防止バー5dを支持している。側部固定体5bは、天板5aの幅方向両側にそれぞれ沿って設けられている。また、側部固定体5bは、前後方向の中央よりもわずかに前側に設けられている。側部固定体5bは、例えば樹脂等の弾性変形可能な材料で構成されていてもよい。
側部固定体5bには、天板5aの幅方向に貫通する貫通部5baが形成されている。また、側部固定体5bには、貫通部5baの前側で上方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように立ち上がる抜け止め壁部5b3が設けられている。この貫通部5baと、抜け止め壁部5b3とにより、天板5a上に載置された電子機器(不図示。以下同じ。)の配線ケーブル(不図示。以下同じ。)を係合可能とされている。
前部固定体5cは、天板5aの幅方向の略中央且つ前端部に設けられており、落下防止バー5dを支持している。
落下防止バー5dは、天板5aの前側の上方において、天板5aの縁に沿って配置されている。落下防止バー5dは、各側部固定体5bと前部固定体5cとの間に配置された一対の落下防止バー本体5d1を有している。落下防止バー本体5d1の中間部5d2は、天板5aの角部に沿って屈曲している。
この落下防止バー5dは、例えばカート装置1が走行状態から停止したときに天板5a上に載置された電子機器等の物品が天板5a上を滑って天板5aの前側から落下することを防止する。
また、天板5a、落下防止バー5d、側部固定体5b及び前部固定体5cにより囲まれた空間は、配線ケーブルが挿通可能な配線挿通空間K1とされている。配線ケーブルは、天板5aの幅方向端部側では、配線挿通空間K1を天板5aの幅方向に挿通される。
ハンドル5eは、天板5aの後側の縁部からさらに後方に向けて突出して設けられている。このハンドル5eは、カート装置1を走行させるときに、作業者が把持する部位である。
また、天板5aの下面には、不図示のアダプター等の物品を収容可能な物品収容部5fが設けられている。物品収容部5fの側面には、配線ケーブルを係合可能なフック5f4が設けられている。
このように構成されたカート装置1では、直線ワイヤー部11c1の外周に樹脂で形成されたワイヤー嵌合部11b1が嵌合し、ワイヤー嵌合部11b1の外周に下向き鉤状をなすポケットトレイ10の下向き爪10jが係合している。つまり、直線ワイヤー部11c1とポケットトレイ10との間には、樹脂で形成された介在部材11bのワイヤー嵌合部11b1が介在している。ワイヤー嵌合部11b1が下向き爪10jと直線ワイヤー部11c1との間の隙間(クリアランス)の形状に対応して弾性変形するため、がたつきを抑えてポケットトレイ10を直線ワイヤー部11c1に取り付けることができる。
また、上下方向に離間して配置された複数の直線ワイヤー部11c1それぞれに介在部材11bのワイヤー嵌合部11b1が嵌合し、下向き鉤状をなすポケットトレイ10の下向き爪10jが各ワイヤー嵌合部11b1の外周に上方から係合されている。つまり、ポケットトレイ10の下向き鉤状をなす下向き爪10jを、直線ワイヤー部11c1に上下の2箇所で上方から係合することができるため、ポケットトレイ10を安定的に取り付けることができる。
特に、カート装置1を移動させると振動等が生じる場合があるため、ポケットトレイ10のがたつき防止及び安定的な取り付けは、カート装置1の操作、使い勝手上好ましい。
また、介在部材11bの中央壁部11b3からポケットトレイ10側に突出する抜け止め片11b8は、中央壁部11b3側に突出するポケットトレイ10の係合片10kの上方に当接している。よって、ワイヤー嵌合部11b1に上方から係合する下向き爪10jを有するポケットトレイ10の上方への移動が抑制される。
また、ワイヤー嵌合部11b1の外周に樹脂で形成された下向き爪10jが係合する。よって、下向き爪10jがワイヤー嵌合部11b1の外周形状に対応して弾性変形するため、下向き爪10jを有するポケットトレイ10のがたつきを一層抑制することができる。
また、ポケットトレイ10の係合片10kと介在部材11bの抜け止め片11b8との係合を解除する向きに、レバー片11b6を操作すると、レバー片11b6が解除する向きに弾性変形する。これにともない、レバー片11b6の上部に位置する抜け止め片11b8がポケットトレイ10の係合片10kと当接しない位置に移動し、ポケットトレイ10の係合片10kと介在部材11bの抜け止め片11b8との係合が解除される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。