JP6540973B2 - 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法 - Google Patents

溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6540973B2
JP6540973B2 JP2017208521A JP2017208521A JP6540973B2 JP 6540973 B2 JP6540973 B2 JP 6540973B2 JP 2017208521 A JP2017208521 A JP 2017208521A JP 2017208521 A JP2017208521 A JP 2017208521A JP 6540973 B2 JP6540973 B2 JP 6540973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
values
resistance
current
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017208521A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019081178A (ja
Inventor
芳克 遠藤
芳克 遠藤
和生 寳山
和生 寳山
旭 多田
旭 多田
泰平 鈴木
泰平 鈴木
甲斐 孝治
孝治 甲斐
甲斐 美利
美利 甲斐
幸徳 小野田
幸徳 小野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Giken Co Ltd
Original Assignee
Koyo Giken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Giken Co Ltd filed Critical Koyo Giken Co Ltd
Priority to JP2017208521A priority Critical patent/JP6540973B2/ja
Publication of JP2019081178A publication Critical patent/JP2019081178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6540973B2 publication Critical patent/JP6540973B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

本発明は、溶接トランスと溶接ガンを二次ケーブルで接続するようにした抵抗溶接機を備えた溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法に関する。
従来、抵抗溶接機には、対向配置された上部と下部の2つの電極にて、少なくとも2枚の鋼板を重ね合わせてなる板組(以下、“ワーク(被溶接物)”と呼ぶ)を挟持し、加圧しつつ通電を行って溶接する定置式のものや、下部をテーブル形状の電極(以下、“テーブル電極”と呼ぶ)とし、上部を上下左右に移動可能なガン型の電極として、テーブル電極上にワークを載置し、ガン型電極の先端部分をワークの溶接点に当て、加圧しつつ通電を行って溶接するテーブル式のものがある。また、近年、上下両方向から電極をワークに押し付けて溶接するのではなく、一方向(主に上方向)から電極をワークに押し付けて溶接を行う所謂片側溶接の発明が多く見られるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の抵抗溶接機のなかには、溶接トランスと溶接ガンを接続する二次ケーブルの劣化具合を検出できるものがある。例えば特許文献2に記載された二次ケーブル劣化検出方法や、特許文献3に記載された抵抗溶接機の二次ケーブル劣化判定装置がある。前者の二次ケーブル劣化検出方法は、抵抗溶接機の一次回路又は二次回路に印加される交流電圧の極性が変化する時点を検出する第1のステップと、抵抗溶接機の一次回路又は二次回路に流れる交流電流の導通終了時点を検出する第2ステップと、第1ステップで得られたゼロ電圧検出信号と第2ステップで得られたゼロ電流検出信号とに基づいて力率角を求める第3のステップと、第3のステップで得られた力率角に基づいて二次ケーブルの劣化具合を検出する第4のステップと、を含む。なお、説明するまでもないが、二次ケーブルは、溶接トランスの二次側と溶接ガンとを接続するものである。
後者の二次ケーブル劣化判定装置は、抵抗溶接機の一対の二次ケーブルのそれぞれの電圧降下を検出する電圧検出部と、それらの測定電圧と設定限界値とを比較して劣化を検出する劣化検出部と、測定電圧を用いて正常動作の確認を行う動作確認部とを備え、電圧検出部は、一対の二次ケーブルのそれぞれの両端間に接続した入力回路、及び該入力回路の増幅出力を整流する整流回路とからなり、劣化検出回路は、最大溶接電流を設定する共通の溶接電流設定器と、各二次ケーブルの初期抵抗値をそれぞれ設定する初期抵抗設定器と、各二次ケーブルの許容限界値を割増率でそれぞれ設定する限界値設定器と、それらによって設定した各限界電圧と前記の各測定電圧とをそれぞれ入力とする比較器と、測定電圧が限界電圧を超えたときの比較器からの比較結果をそれぞれ計数するアラームカウンタと、を具備し、動作確認部は、最小溶接電流値以下の電流によって二次ケーブルに発生する電圧をトリガレベルとするトリガレベル設定器と、そのトリガレベルと前記の両測定電圧をそれぞれ入力とする2個の比較器と、両比較器出力の論理積をとるアンドゲートと、該アンドゲートの出力に応答して通電中表示を行う通電中表示灯と、を具備する。
一方、従来、抵抗溶接機の制御や監視を離れた場所から行うために、ネットワークを用いて抵抗溶接機と接続できるようにした装置又はシステムが案出されている。例えば、特許文献4に記載された遠隔溶接管理装置は、溶接機を制御、監視等する溶接機側装置と、溶接条件、監視条件等を設定/調節を行う中央側装置と、を備え、中央側装置に、溶接機側装置の制御パネルと略同様の構成の画面を表示し、該表示画面で監視員が溶接条件、監視条件等を設定/調節し、設定/調節された設定値を通信回線経由で溶接機側装置に送信し、溶接機側装置で溶接の制御・監視を行う。
また、例えば特許文献5に記載された生産設備管理システムは、物を生産する生産設備に対し、生産拠点でその稼働状態を監視して定期的及び異常・故障状態の発生時にその内容を日時とともに生産設備管理情報としてネットワーク経由で総合監視拠点のサーバ・コンピュータに送信し、サーバ・コンピュータでは、送られてきた生産設備管理情報を受信して記録装置に記録するとともに、定期的又は異常・故障発生時又は要求受付時にネットワーク経由でサービス拠点のコンピュータに自動送信し、サービス拠点のコンピュータでは、サーバ・コンピュータから送られてきた生産設備管理情報を受信して、表示装置の画面に表示することにより生産設備の修理、改善、点検の内容を生産設備管理情報の一部としてネットワーク経由でサーバ・コンピュータに送信する。
ところで、近年、IoT(Internet of Things)を活用して、工場に設置された工作機械やロボット等の生産設備の稼働状態を示す情報を収集し、得られた情報を解析することで省力化や生産性向上を図る試みがなされている。このIoTを溶接機にも活用することで、溶接機の稼働状態を示す情報を数多く収集できるようになり、故障の早期発見が可能となる等メンテナンス性の向上が期待できる。
特開2011−031269号公報 特開平5−119085号公報 特開平7−328775号公報 特開平11−047950号公報 特開2005−128818号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載の二次ケーブル劣化検出方法においては、電圧ゼロクロス点と電流導通終了時点とから力率角を求め、求めた力率角に基づいて二次ケーブルの劣化を自動的に検出するようにしているものの、ワークごとの抵抗値の差が考慮されておらず、また力率角が最小値となるワークでの値を閾値とすることになるため、力率角が最小となるワークでない場合には二次ケーブルの劣化を検出する監視が緩くなり、早期に異常を検出することができないという課題がある。
また、上述した特許文献3に記載の抵抗溶接機の二次ケーブル劣化判定装置においては、2本の二次ケーブルを個別監視するため、それぞれに対して閾値を設定しているが、各閾値は最大電流が流れるときの電圧降下としているため、流れる電流が最大電流よりも小さい場合は監視していないことになる。即ち、ケーブル劣化が進み、最大電流が流れたときと同じ電圧降下となるまでは異常を検出することができない(早期に異常を検出することができない)という課題がある。
抵抗溶接機で使用される二次ケーブルの断線周期は、使用条件や使用頻度によるが、短い場合には数ヶ月、通常数年(3,4年)であって、通常そう簡単には断線しないが、断線に至ると交換するまで作業ができなくなり、その間の生産性の低下が避けられない。このようなことから、抵抗溶接機に二次ケーブルの劣化を検出できる手段を設けてもコスト的に見合ったものと言える。しかし、それでも二次ケーブル劣化を検出できる手段にかかるコストを更に低く抑えることができればコスト面で競争力強化が図れ、また早期に検出できれば設備保存性の強化も図れる。したがって、コスト面や早期検出を可能とする面での強化が図れる装置を開発することは意義があると言える。
なお、二次ケーブルは溶接電流が流れる経路上の部品の1つであるが、溶接電流通流経路上の異常の原因が二次ケーブルにあったとしても、溶接電流通流経路上に異常があることさえ検出できれば、溶接電流通流経路上に何らかの異常が生じたことを認識することができるので、その後の対処にかかる時間の短縮化が図れる。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、抵抗溶接機における溶接トランスと溶接ガンを接続する二次ケーブルの劣化を含む溶接電流通流経路上の異常を早期に且つ低コストで検出することができる溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法を提供することを目的とする。
本発明の溶接システムは、対向する2つの電極でワークを挟圧しながら溶接を行う抵抗溶接機と、クラウドコンピューティングへの接続が可能であり、電流値、通電時間、加圧力、ワークの材質、ワークの板厚、ワーク名及びワーク上の打点位置を含む各種設定値に基づいて前記抵抗溶接機を動作させる指令信号を生成し、またPWMデューティ信号を基にPWMデューティ値を計測する溶接制御装置と、一次側に高周波交流が供給され、二次側からは前記高周波交流を整流した直流を出力する溶接トランスと、前記溶接制御装置で生成された前記指令信号及び前記溶接トランスの一次側を流れる一次電流に基づいてPWM制御した高周波交流を発生して前記溶接トランスの一次側に供給し、また前記PWMデューティ信号を出力するインバータ制御回路と、前記クラウドコンピューティング上に構築されたデータベースサーバと、前記クラウドコンピューティング上に構築され、前記データベースサーバにアクセス可能な監視装置と、を備えた溶接システムであって、前記溶接制御装置は、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときに電流値、通電時間、加圧力及びPWMデューティ値を含む各種モニタ値を計測するとともに、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときの前記各種設定値を取得し、取得した前記各種設定値及び計測した前記各種モニタ値を関連付けて前記データベースサーバに送信し、前記監視装置は、前記データベースサーバから、関連付けられた前記各種設定値及び前記各種モニタ値を複数取得し、取得した前記複数の各種モニタ値それぞれに含まれる前記PWMデューティ値について、前記各種設定値及び前記各種モニタ値のうちの少なくともいずれか1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けし、グループごとに溶接電流通流経路上の異常を検出する。
上記構成によれば、複数の各種モニタ値それぞれに含まれるPWMデューティ値を少なくとも2つにグループ分けするので、それぞれのグループでのPWMデューティ値の変動幅が狭くなることから、溶接電流通流経路上の異常を早期に検出することができる。
また、上記構成によれば、例えば二次ケーブルの劣化を検出するための専用の検出器を必要としないので、低コスト化が実現できる。
上記構成において、前記監視装置は、前記グループごとに閾値を設定し、設定した前記閾値を超えるグループがあると、前記抵抗溶接機のユーザに前記溶接電流通流経路上の異常を通知する。
上記構成によれば、抵抗溶接機のユーザは、溶接電流通流経路上の1つの部品である二次ケーブルを使用不能前に交換できるので、生産性低下を未然に防止できる。
本発明の溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法は、対向する2つの電極でワークを挟圧しながら溶接を行う抵抗溶接機と、クラウドコンピューティングへの接続が可能であり、電流値、通電時間、加圧力、ワークの材質、ワークの板厚、ワーク名及びワーク上の打点位置を含む各種設定値に基づいて前記抵抗溶接機を動作させる指令信号を生成し、またPWMデューティ信号を基にPWMデューティ値を計測する溶接制御装置と、一次側に高周波交流が供給され、二次側からは前記高周波交流を整流した直流を出力する溶接トランスと、前記溶接制御装置で生成された前記指令信号及び前記溶接トランスの一次側を流れる一次電流に基づいてPWM制御した高周波交流を発生して前記溶接トランスの一次側に供給し、また前記PWMデューティ信号を出力するインバータ制御回路と、前記クラウドコンピューティング上に構築されたデータベースサーバと、前記クラウドコンピューティング上に構築され、前記データベースサーバにアクセス可能な監視装置と、を備えた溶接システムにおいて実行される溶接電流通流経路上部品の劣化検出方法であって、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときに電流値、通電時間、加圧力及びPWMデューティ値の各種モニタ値を計測するとともに、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときの前記各種設定値を取得するステップと、計測された前記各種モニタ値及び取得された前記各種設定値を関連付けて前記データベースサーバに送信するステップと、前記データベースサーバから、関連付けられた前記各種設定値及び前記各種モニタ値を複数取得し、取得した前記複数の各種モニタ値それぞれに含まれる前記PWMデューティ値について、前記各種設定値及び前記各種モニタ値の中の少なくともいずれか1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けし、グループごとに溶接電流通流経路上の異常を検出するステップと、を含む。
上記方法によれば、複数の各種モニタ値それぞれに含まれるPWMデューティ値を少なくとも2つにグループ分けするので、それぞれのグループでのPWMデューティ値の変動幅が狭くなることから、溶接電流通流経路上の異常を早期に検出することができる。
また、上記方法によれば、例えば二次ケーブルの劣化を検出するための専用の検出器を必要としないので、低コスト化が実現できる。
本発明によれば、抵抗溶接機における溶接トランスと溶接ガンを接続する二次ケーブルの劣化を含む溶接電流通流経路上の異常を早期に且つ低コストで検出することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接システムの概略構成を示すブロック図 図1の溶接システムを構成する抵抗溶接機の外観を示す側面図 図2の抵抗溶接機の電源ユニット及び溶接トランスそれぞれの概略構成を示すと共に、電源ユニット及び操作パネルと溶接制御装置との接続状態を示す図 図2の抵抗溶接機の溶接トランスの一次側に供給される電流を制御するための制御パルス、一次電流及び整流後の溶接電流を示す図 図1の溶接システムを構成する溶接制御装置の概略構成を示すブロック図 図1の溶接システムを構成する監視装置の概略構成を示すブロック図 図1の溶接システムを構成する監視装置の使用率のグループ分け処理を説明するための図であって、電流値10KA、12KA及び17KAでグループ分けしたときの使用率の変化の一例を示す図 電流値10KA、12KA、17KAの順で溶接を行ったときの使用率を打点の経過時間に沿って描いた一例を示す図 使用率をグループ分けしなかった場合の使用率の変化の一例を示す図 使用率と50打点移動平均の一例を示す図 使用率の長期変動幅と該長期変動幅に対応させた閾値Th’の一例を示す図 二次ケーブルの劣化検出の一例を示す図 図5の溶接制御装置の動作を説明するためのフローチャート 図6の監視装置の動作を説明するためのフローチャート 二次ケーブルが断線しかかったときの使用率の変化の一例を示す図
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶接システム1の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態に係る溶接システム1は、抵抗溶接機2と、溶接制御装置3と、Webサーバ4と、データベースサーバ5と、監視装置6と、PC(パーソナルコンピュータ)7と、を備える。抵抗溶接機2及び溶接制御装置3は、主に板金加工メーカーで使用される。例えば同図に示すように、抵抗溶接機2−1及び溶接制御装置3−1は板金加工メーカーYY1社で使用され、抵抗溶接機2−2及び溶接制御装置3−2は板金加工メーカーYY2社で使用され、…、抵抗溶接機2−n及び溶接制御装置3−nは板金加工メーカーYYn社で使用される。なお、本明細書では、抵抗溶接機と溶接制御装置を単数で扱うときは、「抵抗溶接機2」、「溶接制御装置3」と表記し、複数で扱うときは、「抵抗溶接機2−1,2−2〜2−n」、「溶接制御装置3−1,3−2〜3−n」と表記する。
抵抗溶接機2は、溶接制御装置3の制御に従い、対向する2つの電極の間に配置されたワーク500(図2参照)に対し、挟圧しながら溶接を行う。溶接制御装置3は、クラウドコンピューティング(以下、“クラウドと呼ぶ)8への接続を可能とする通信機能を有する。溶接制御装置3は、抵抗溶接機2を制御するものであり、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」を含む各種設定値に基づいて抵抗溶接機2を制御する。以下、抵抗溶接機2、溶接制御装置3、Webサーバ4、データベースサーバ5、監視装置6、PC7の順で、それぞれについて詳細に説明する。
図2は、図1の溶接システム1を構成する抵抗溶接機2の外観を示す側面図である。同図において、抵抗溶接機2は、冷却ユニット10と、電源ユニット11と、支持ポスト12と、支持アーム13と、溶接ガン14と、二次ケーブル15A,15Bと、テーブル電極16と、テーブル駆動部17と、操作パネル18と、溶接トランス19とを備える。冷却ユニット10は、溶接ガン14、二次ケーブル15A,15B、支持アーム13、テーブル電極16及び溶接トランス19等の電流が流れる部分を冷却する冷却水の供給を行う。冷却ユニット10は、抵抗溶接機2に電源が投入されている間は常時動作して溶接ガン14との間で冷却水を循環させる。電源ユニット11は、受電設備(図示略)より供給される三相の交流電力を整流して直流に変換し、これにより得られた直流から高周波交流を生成する。
支持ポスト12は、冷却ユニット10と電源ユニット11の近傍にて垂直方向に立設され、支持アーム13を水平方向に回動自在に支持する。支持アーム13は、略L字状に形成されており、溶接ガン14を保持する。支持アーム13は、支持ポスト12に対して水平方向に延びる水平アーム部13Aと、水平アーム部13Aの先端部分から垂直方向下向きに延びる垂直アーム部13Bとから構成される。
溶接ガン14は、支持アーム13の垂直アーム部13Bの先端部分に、垂直方向に弧を描くように揺動自在に保持される。溶接ガン14の基端部と垂直アーム部13Bの先端部分との間にはスプリングコイル13Cが張設されており、このスプリングコイル13Cの収縮力により、溶接ガン14の基端部側が垂直方向上側に持ち上げられる。また、溶接ガン14は、先端部分が水平アーム部13Aの先端部分に設けられたシリンダ26によって、テーブル電極16に向かう方向に加圧される。垂直アーム部13B内にはチェーン(鎖、図示略)が内蔵されており、該チェーンの一端がシリンダ26に繋がり、他端が溶接ガン14の力点部分(図示略)に繋がる。該チェーンがシリンダ26によって引き上げられることで、溶接ガン14が支点部分(図示略)を中心に回動し、先端部分がテーブル電極16に圧接する。テーブル電極16上にはワーク500が載置されるので、溶接ガン14の先端部分がワーク500に圧接することになる。溶接ガン14に対する加圧は、溶接開始直前(即ち、電流が供給される直前)に行われ、溶接が終了した後に解放される。溶接ガン14に与えられる加圧力は、圧力センサ61(図3参照)にて検出される。なお、シリンダ26内に空気を入れる機構については説明を省略する。
溶接ガン14の基端部分には溶接ガン14を操作するためのハンドル14Aが設けられている。ハンドル14Aには押しボタン式の起動スイッチ(図示略)が設けられており、起動スイッチを押すことでオンし、起動信号Sw(図3参照)を出力する。起動スイッチから出力された起動信号Swは溶接制御装置3に取り込まれる。
溶接ガン14の先端部分には電極チップ25が装着される。電極チップ25には様々な形状のものがあり、それぞれが溶接ガン14の先端部分に着脱自在に装着される。二次ケーブル15Aは、冷却水を通流させる構造を有する所謂冷却ケーブルと呼ばれるものであり、内部には細い銅線を束ねた複数の導体が設けられている。二次ケーブル15Aは、一端が溶接トランス19の二次側出力端のプラス電極に接続され、他端が溶接ガン14に接続される。
二次ケーブル15Bは、所謂オンス銅板と呼ばれる薄い銅板が複数重ね合わされた構造を有し、一端が溶接トランス19の二次側出力端のマイナス電極に接続され、他端がテーブル電極16に接続される。なお、抵抗溶接機2では、溶接トランス19をテーブル電極16の直下に配置している関係上、二次ケーブル15Bにオンス銅板を使用しているが、溶接トランス19とテーブル電極16が離れていれば、二次ケーブル15Aと同様の冷却ケーブルが使用されることもある。二次ケーブル15A,15Bの材料として銅材が好適であるが、導電性及び熱伝導性に優れた材料であれば銅材に限定されない。
テーブル電極16は、略正方形の平坦な板状に形成された銅材である。テーブル電極16に載置されるワーク500は、2枚の冷間圧延鋼板、亜鉛メッキ鋼板又はステンレス鋼板等の金属板からなる板組である。テーブル駆動部17は、テーブル電極16を垂直方向に上下動させる機構を有し、操作ボタン(図示略)の操作に従って動作する。操作パネル18は、液晶パネル等の表示器(図示略)及び該表示器の表示面上に取り付けられる抵抗膜方式等のタッチパネル(図示略)を有する。操作パネル18にて、溶接条件である「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「材質」、「板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」を含む各種設定値が設定される。操作パネル18の表示器には、前述した各種設定値が表示されるとともに、ワーク500に対する溶接が行われたときに溶接制御装置3にて計測された「電流値」、「通電時間」、「加圧力」及び「使用率(PWMデューティ値)」を含む各種モニタ値が表示される。なお、前記溶接条件には、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「材質」、「板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」の他に「冷却時間」や「保持時間」等もある。また、前記モニタ値には、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」及び「使用率」の他に「塵検出量」や「チップ間抵抗」等もある。
溶接トランス19は、例えば本願発明者等が先に特開2012−210654号、特開2013−179205号で提案した抵抗溶接用の溶接トランスであり、短時間に大電流を供給することができる。
図3は、図2の抵抗溶接機2の電源ユニット11及び溶接トランス19それぞれの概略構成を示すと共に、電源ユニット11及び操作パネル18と溶接制御装置3との接続状態を示す図である。同図において、電源ユニット11は、整流器31と、平滑用コンデンサ32と、インバータ回路34とを備える。整流器31は、6個の整流素子で構成された三相全波整流式を採用したものであり、受電設備(図示略)からの三相交流を整流して直流に変換する。平滑用コンデンサ32は、整流器31より得られた直流電圧を平滑化する。
インバータ回路34は、インバータ制御回路341と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用した4個のスイッチ342と、CT(Current Transformer)を使用した電流センサ343とを備える。インバータ制御回路341は、溶接制御装置3から供給される指令信号Stiと電流センサ343で検出される一次電流とに基づいて4個のスイッチ342のそれぞれをオン・オフし、高周波交流を発生する。即ち、インバータ制御回路341は、PWM(Pulse Width Modulation)制御した高周波交流を発生する。インバータ制御回路341が発生する高周波交流の大きさは、4個のスイッチ342それぞれのオン・オフのデューティによって変化する。4個のスイッチ342それぞれのオン・オフのデューティを変化させることで、スイッチング波形の幅W(図4参照)が変化する。
溶接トランス19の一次コイル191は、電源ユニット11のインバータ回路34の出力端に接続される。インバータ回路34から高周波交流が出力されることで、溶接トランス19の一次コイル191に一次電流が流れる。溶接トランス19の二次コイルは、それ自体に極性を考慮する必要はないが、便宜上、溶接トランス19の二次コイルを、正側コイル192と負側コイル193とを直列接続したものと呼ぶことにする。正側コイル192の一端には第1整流素子194のアノード(正極)が接続され、負側コイル193の一端には第2整流素子195のアノード(正極)が接続される。第1整流素子194のカソード(負極)と第2整流素子195のカソード(負極)がプラス電極196に共通接続される。正側コイル192の他端と負側コイル193の他端がマイナス電極197に共通接続される。プラス電極196には溶接ガン14が接続され、マイナス電極197にはテーブル電極16が接続される。なお、述べるまでもないが、プラス電極196と溶接ガン14は二次ケーブル15Aにより接続され、マイナス電極197とテーブル電極16は二次ケーブル15Bにより接続される。
図4は、抵抗溶接機2を構成する溶接トランス19の一次側に供給される電流を制御するためのスイッチングパルス(“制御パルス”)、一次電流及び整流後の溶接電流を示す図である。同図において、インバータ回路34により制御された幅Wのスイッチングパルスが一定時間H内に一定回数、ここでは正方向のパルスと負方向のパルスとで合計10回、溶接トランス19の一次コイル191に供給される。これにより、溶接トランス19の一次コイル191には、図4の(b)に示すような一次電流が流れる。溶接トランス19の一次コイル191に一次電流が流れることで溶接トランス19の二次側に発生した二次電流が整流素子194,195によって全波整流されて、図4の(c)に示すような溶接電流となって溶接ガン14を流れる。
図4の(a)に示すスイッチングパルスの幅Wを増減することで溶接電流の大きさを調整することができる。また、スイッチングパルスの供給回数を増減すれば溶接時間を調整することができる。また、スイッチングパルスの繰り返し周波数を高くすることで、溶接時間をより細かく調整することができる。また、溶接トランス19の一次コイル191に供給する電流を増やすことで、二次コイルの正側コイル192、負側コイル193からより大きな溶接電流を取り出すことができる。
図3に戻り、抵抗溶接機2は、溶接トランス19の二次側に発生する二次電流を検出する電流センサ60と、ワーク500を加圧する加圧力を検出する圧力センサ(歪ゲージ等)61と、冷却水の温度を検出する温度センサ(熱電対、サーミスタ等)62とを有している。電流センサ60から出力されるセンサ信号Siと、圧力センサ61から出力されるセンサ信号Spと、温度センサ62から出力されるセンサ信号Stは、溶接制御装置3に取り込まれる。
溶接制御装置3には、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」を含む各種設定値の設定を行うための操作パネル18が接続される。操作パネル18にて上記各種設定値が設定されることで、溶接制御装置3は、設定された各種設定値に基づいて抵抗溶接機2を動作させる指令信号Stiを生成し、電源ユニット11のインバータ回路34に出力する。なお、ワーク500には、予めワーク仕様を表す「ワーク名」、「ワーク上の打点位置」等が与えられており、この仕様が操作パネル18にて設定される。
また、溶接制御装置3は、抵抗溶接機2で溶接が行われたときに、電流センサ60のセンサ信号Si、圧力センサ61のセンサ信号Sp及びインバータ回路34のインバータ制御回路341で得られるPWMデューティ信号Spwmをそれぞれ取り込み、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」及び「PWMデューティ値」を計測する。溶接制御装置3は、計測した「電流値」、「通電時間」、「加圧力」及び「PWMデューティ値」のそれぞれをモニタ値として扱う。なお、以下、PWMデューティ値を“使用率”又は“使用率(PWMデューティ値)”と呼ぶこととする。
図5は、図1の溶接システム1を構成する溶接制御装置3の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、溶接制御装置3は、制御部301と、時計部302と、カウンタ部303と、インタフェース部304と、記憶部305と、通信部306と、共通バス307とを有する。制御部301は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)と、CPUを制御するためのプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)と、CPUの動作に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)とを有する。制御部301、時計部302、カウンタ部303、インタフェース部304、記憶部305及び通信部306は共通バス307に接続されている。
制御部301では、CPUがROMに記憶されたプログラムと協働して、指令信号Stiを生成する指令信号生成処理、溶接時に電流センサ60のセンサ信号Siを基に電流値を計測する電流値計測処理、溶接時に通電時間を計測する通電時間計測処理、溶接時に圧力センサ61のセンサ信号Spを基にワーク500に加圧された加圧力を計測する加圧力計測処理、溶接時にインバータ制御回路341のPWMデューティ信号Spwmを基に使用率を計測する使用率計測処理、温度センサ62のセンサ信号Stを基に冷却水の温度を計測する水温計測処理等の各種処理を実行する。なお、制御部301において、CPUを制御するためのプログラムを記憶する媒体として上記したROMの他にフラッシュメモリ(“EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)”とも呼ばれる)等の再書き込みを可能とした半導体メモリの使用も可能である。再書き込みを可能とした半導体メモリを用いることでプログラムの更新を容易に行うことができる。
時計部302は、装置各部の動作に必要なクロック信号を生成するとともに、制御部301の制御の下で通電時間を計測する。カウンタ部303は、制御部301の制御の下で溶接回数(“打点回数”)の計数や、製品の生産個数の計数を行う。インタフェース部304は、電源ユニット11及び操作パネル18を接続するとともに、各種センサ(電流センサ60、圧力センサ61及び温度センサ62)及び溶接ガン14の起動スイッチを接続する。
記憶部305は、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)等の大容量の記憶装置で構成され、前述した各種設定値や各種モニタ値を記憶する。通信部306はクラウド8への接続を行う。制御部301は、通信部306を制御してデータベースサーバ5にデータを送信する。データベースサーバ5に送信するデータは、溶接時に計測された「電流値」、「加圧力」、「使用率」及び「通電時間」を含む各種モニタ値と、溶接直前に設定された「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」を含む各種設定値であり、これらが関連付けられて1つのデータ(当然ながらヘッダが付加されている)としてデータベースサーバ5に送信される。
溶接制御装置3では、抵抗溶接機2で溶接が行われるごとに各種設定値及び各種モニタ値をデータベースサーバ5に送信するため、データベースサーバ5と常時接続された状態になる。溶接制御装置3とデータベースサーバ5との間の通信に用いるプロトコルとしては、HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)又はMQTT(MQ Telemetry Transport)が好適であるが、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)でも構わない。
制御部301は、インタフェース部304を介して溶接ガン14から出力される起動信号Swを取り込むことで、操作パネル18にて設定された各種設定値(「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「材質」、「板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」等)を読み込み、読み込んだ各種設定値及び各種モニタ値に基づいて指令信号Stiを生成して電源ユニット11に出力する。
溶接制御装置3は、抵抗溶接機2に近接配置されることから、抵抗溶接機2と有線で接続されるが、無線で接続することも勿論可能である。無線接続する手段としては、例えば無線LANやブルートゥース(登録商標)が好適である。また、溶接制御装置3と操作パネル18も互いに近接して配置されるので、これらの間の接続も有線で行われるが、無線での接続も勿論可能である。
図1において、Webサーバ4、データベースサーバ5及び監視装置6は、それぞれクラウド8上に構築され、互いに双方向にデータの授受が可能となっている。Webサーバ4は、HTML(Hyper Text Markup Language)で書かれたHTMLファイルの他、画像ファイルを蓄積し、PC7のWebブラウザからのリクエストがあれば、そのリクエストに応じたHTMLファイルや画像ファイル等をPC7に送信する。Webサーバ4は、例えばPC7のWebブラウザからのリクエストが監視装置6の処理結果を求めるものであれば、その処理結果を示すHTMLファイルや画像ファイル等をPC7に送信する。Webサーバ4とPC7のWebブラウザの間で通信を行うためのプロトコルとして、例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)が用いられる。PC7のWebブラウザは、Webサーバ4へのアクセス時にWebサーバ4との間でTCP(Transmission Control Protocol)のコネクションを確立した後、Webサーバ4からHTMLファイル、画像ファイル等を取得する。Webブラウザが取得したHTMLファイル、画像ファイル等はPC7によって、PC7のモニタ画面上に表示される。データベースサーバ5は、各抵抗溶接機2にて1打点溶接が行われるごとに溶接制御装置3から送信されてくる各種設定値及び各種モニタ値を受信し蓄積する。
監視装置6は、抵抗溶接機2−1〜2−nそれぞれの溶接電流通流経路上の異常を監視するものであり、主に抵抗溶接機2−1〜2−n及び溶接制御装置3−1〜3−nを製造したメーカーで使用される。各抵抗溶接機2−1〜2−nにおける溶接電流通流経路上で生じる異常の殆どは、溶接ガン14と溶接トランス19を接続する二次ケーブル15A、15Bの劣化であるので、本実施形態では、二次ケーブル15A、15Bの劣化を溶接電流通流経路上の異常として扱うこととする。なお、溶接電流通流経路上で生じる異常には、電磁開閉器(コンタクタ)やケーブルジョイント等の接触不良もある。
図6は、図1の溶接システム1を構成する監視装置6の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、監視装置6は、制御部601と、記憶部602と、操作部603と、表示部604と、通信部605と、共通バス606とを有する。制御部601、記憶部602、表示部603、操作部604及び通信部605は共通バス606に接続されている。制御部601は、図示せぬCPUと、CPUを制御するためのプログラムを記憶したROMと、CPUの動作に用いられるワークメモリとしてのRAMとを有する。CPUは、ROMに記憶されているプログラムと協働して、データベースサーバ5に蓄積されている各種設定値及び各種モニタ値を取得するデータ取得処理、使用率をグループ分けするグループ分け処理、使用率のグループごとに閾値を設定する閾値設定処理、閾値を補正する閾値補正処理及び閾値を超えるグループがあれば二次ケーブル15A,15Bの劣化を抵抗溶接機2のユーザに通知するケーブル劣化通知処理等の各種処理を実行する。
なお、制御部601において、CPUを制御するためのプログラムを記憶する媒体としてROMの他にフラッシュメモリ等の再書き込みを可能とした半導体メモリの使用も可能である。再書き込みを可能とした半導体メモリを用いることでプログラムの更新を容易に行うことができる。また、該プログラムを光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体に記憶させておいて、上記処理実行時に当該記憶媒体から読み出すようにすることも可能である。
記憶部602は、データベースサーバ5から取得された抵抗溶接機2からの複数の各種設定値及び各種モニタ値を記憶する。記憶部602には、例えばハードディスク装置やSSD等の記憶装置、あるいはフラッシュメモリ等の再書き込み可能な記憶媒体が用いられる。
操作部603は、監視装置6の操作に用いられる。制御部601は、操作部603にて操作が有った場合、当該操作に従った処理を行う。例えば、閾値を手動設定する操作があった場合、当該操作に従って閾値の設定を行う。また、制御部601は、処理結果等を視覚表示する操作があった場合、処理結果を表示部604に表示する。
監視装置6は、データベースサーバ5に蓄積されている抵抗溶接機2からの複数の各種設定値及び各種モニタ値を取得し、取得した複数の各種設定値及び各種モニタ値を基に二次ケーブル15A,15Bの劣化を検出する。この場合、抵抗溶接機2が複数台あれば、各抵抗溶接機2の二次ケーブル15A,15Bの劣化を検出する。監視装置6が抵抗溶接機2から各種設定値及び各種モニタ値を取得する期間は、基本的には抵抗溶接機2の使用開始時(抵抗溶接機2を購入して最初に使用したとき)から現在までであるが、使用開始後の2年目から現在まで等、期間を指定することも勿論可能である。
ここで、本実施形態に係る溶接システム1における抵抗溶接機2の二次ケーブル15A,15Bの劣化は、殆どの場合、長尺の方の二次ケーブル15Aで生じるので、以後、二次ケーブルの劣化と言えば二次ケーブル15Aのことを指すものとする。また、二次ケーブル15Aの劣化の原因は、殆どの場合、溶接ガン14の操作に伴う二次ケーブル15Aの曲がりである。抵抗溶接機2を長期に亘って使用していると、二次ケーブル15Aのケーブル内配線が断線し易くなる。二次ケーブル15Aが曲がったときにケーブル内配線の一部が断線状態になると、ケーブル自体の抵抗値が増加し、その後、二次ケーブル15Aが真っ直ぐ又はそれに近い状態になると、断線していた一部分が接続状態となってケーブル自体の抵抗値が略元の値(即ち、正常時の値)になる。このように、二次ケーブル15Aのケーブル内配線の一部が断線状態になると、二次ケーブル15Aが曲がったり、真っ直ぐ又はそれに近い状態になったりすることでケーブル自体の抵抗値が変化する。
抵抗溶接機2では、設定した電流値が常に一定になるように制御するので、二次ケーブル15Aの劣化により、ケーブル自体の抵抗値が増加すると、電流値の減少を補うために使用率が大きくなる。この使用率に対して閾値を設定することで二次ケーブル15Aの劣化を検出できる。但し、以下で詳細に説明するが、単に使用率に対して閾値を設定しても使用率の変動幅が広くなるため、設定した閾値を使用率が超えない場合がある。そうなると、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出することはできない。本発明は、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出できるように、所定の条件に基づいて使用率をグループ分けして、使用率の変動幅が狭くなるようにしている。
監視装置6は、1台分の抵抗溶接機2で得られる複数の各種設定値及び各種モニタ値のなかの複数の使用率のそれぞれについて、各種設定値及び各種モニタ値のうちの少なくともいずれか1つを用いて、値(使用率の値)が近似するもの同士にグループ分けする。その後、グループごとに閾値を設定して、抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化を検出する。使用率は、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「材質」、「板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」等の各種設定値に応じた値となるため、これらの設定値に応じてグループ分けを行うことができる。
監視装置6は、複数台の抵抗溶接機2のそれぞれについて二次ケーブル15Aの劣化検出を行うことから、1台目の抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を行った後、2台目の抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を行う。残りの全ての抵抗溶接機2についても同様の処理を行う。また、使用率の経時的変化を監視することになるので、1台分の抵抗溶接機2で得られる複数の各種設定値及び各種モニタ値は、上述したように抵抗溶接機2の使用開始時から現在までの数になる。
監視装置6は、二次ケーブル15Aの劣化を検出するための処理を、データベースサーバ5が溶接制御装置3からのデータを受信するたびに行うが、所定時間ごとに行うことも可能である。
次に、使用率のグループ分けと閾値の設定の仕方について詳細に説明する。
(使用率のグループ分けの詳細)
例えば、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」の各種設定値のうちの1つである「電流値」を基に使用率をグループ分けする場合で、電流値10KA、12KA及び17KAでグループ分けするものとする。なお、「KA」はキロアンペアのことである。図7は、電流値10KA、12KA及び17KAでグループ分けしたときの打点ごとの使用率の変化の一例を示す図であり、横軸は打点(又は時間)、縦軸は使用率である。同図において、グループG1は、電流値10KAのときの使用率、グループG2は、電流値12KAのときの使用率、グループG3は、電流値17KAのときの使用率である。但し、図7ではグループG1〜G3を縦軸方向に並べて描いているが、実際は打点ごとの使用率なので、グループG1〜G3それぞれが横軸方向に対して異なることになる。図8は、電流値10KA、12KA、17KAの順で溶接を行ったときの使用率の一例を示す図であり、横軸は打点、縦軸は使用率である。同図に示す一例は、1打点目〜100打点目が電流値10KAで、101打点目〜200打点目が電流値12KAで、201打点目〜300打点目が電流値17KAでそれぞれ溶接が行われたときの使用率を示している。1つのグラフで表すためにはグループG1〜G3それぞれに対して横軸を設定する必要があるが、図6では省略している。
使用率を電流値でグループ分けした後、グループごとに閾値Th1〜Th3を設定し、各グループにおける使用率の変化を監視する。因みに、使用率をグループ分けしない場合、閾値は電流値の最も大きな17KAに対して設定されることになるが、この電流値17KAに対して設定された状態で、10KAや12KAの電流値で溶接する機会が多ければ、二次ケーブル15Aに劣化が生じても使用率が閾値を超えなければ、二次ケーブル15Aの劣化を検出することはできない。その後、17KAの電流値で溶接する機会があったときに初めて二次ケーブル15Aの劣化を検出できることになる。このように、使用率をグループ分けしない場合、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出することは難しい。
図9は、使用率をグループ分けしなかった場合の使用率の変化の一例を示す図であり、横軸は打点(又は時間)、縦軸は使用率である。同図に示すように、使用率をグループ分けしなかった場合、グループ分けした場合と比べて変動幅が広くなり、この変動幅の上限の直上に閾値Thを設定した場合、変動幅の下方となる電流値10KAで使用される機会が多ければ、二次ケーブル15Aが劣化しても使用率は閾値Thを超えることがない。このため、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出することができない。これに対し、図7に示すように、使用率を10KA、12KA、17KAの3つの電流値でグループ分けし、グループごとに閾値を設定することで、電流値10KAで使用される機会が多ければ、電流値10KAのグループで二次ケーブル15Aの劣化を検出することができ、電流値12KAで使用される機会が多ければ、電流値12KAのグループで二次ケーブル15Aの劣化を検出することができる。また、電流値17KAで使用される機会が多ければ、電流値17KAのグループで二次ケーブル15Aの劣化を検出することができる。このように、使用率をグループ分けすることで、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出することが可能になる。
ところで、同じグループに振り分けられた使用率でも通電時間が違ったり、加圧力が違ったり、ワークの材質や板厚が違ったり、ワーク名が違っていたり、ワーク上の打点位置が違っていたりすると、使用率の値が大きく異なる場合がある(即ち、グループの変動幅が大きくなる場合がある)。例えば17KAの電流値でも、通電時間が50msecのときと、200msecのときとでは使用率が異なり、17KAの電流値のときの使用率のグループG3の変動幅が広くなる。使用率の変動幅が広くなると、図9で説明したように、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出することが困難になる。このような場合には、新たなグループ分け条件を追加することで、同じ17KAの電流値でも異なるグループに分けることができる。新たなグループ分け条件として例えば通電時間を用いると、電流値17KA+通電時間50msecのグループと、電流値17KA+通電時間200msecのグループに分けることができる。それぞれの変動幅は電流値17KAのみの場合と比べて狭くなるので、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出できるようになる。このように、グループ分け条件を増やして行くことで、より細かなグループ分けが可能となり、それぞれの変動幅が狭くなって、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出できるようになる。
グループ分け条件には、上述した「電流値」や「通電時間」の他に、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」、「ワーク上の打点位置」等があり、条件を増やして行くことで変動幅が狭くなって行く。なかでもワーク上の打点位置を用いた場合は、打点ごとにグループ分けができることから、使用率の変動幅がその他の条件に比べて狭くなる。同じ電流値を流す場合で、1打点目とこの1打点目に近接する2打点目では、溶接時に流れる電流が1打点目の溶接により分流するため、2打点目の使用率は1打点目の使用率より小さくなるが、ワーク上の打点位置を用いることでこの違いを区別することができる。これにより二次ケーブル15Aの劣化をより確実に検出することができる。
使用率をグループ分けする条件は少ない方が管理しやすいので、以下に示す順でグループ化するとよい。また、使用率のグループ分けに用いる条件には優劣があるため、その点についても記載する。
(1)電流値(設定値又はモニタ値)のみでグループ化する。異なるワークが含まれる点が劣る。
(2)電流値(設定値又はモニタ値)と通電時間でグループ化する。二次ケーブル15Aの劣化検出が(1)の条件の場合よりも確実である。
(3)電流値、通電時間、使用率(モニタ値)でグループ化する。二次ケーブル15Aの劣化検出が(2)の条件の場合よりも確実である。
(4)ワーク名のみでグループ化する。ワーク名のみでは異なる溶接条件が含まれるので、二次ケーブル15Aの劣化検出の確実性が劣る。
(5)ワーク名とワーク上の打点位置でグループ化する。二次ケーブル15Aの劣化検出が確実である。
(6)ワーク名、電流値、通電時間でグループ化する。二次ケーブル15Aの劣化検出が確実であるが、(5)の条件の場合よりも確実である。
なお、グループ分けは、使用率をその値に応じて分けることから「層別」という意味でもある。
また、使用率のグループ分けを抵抗溶接機ごとに行うのは、二次ケーブル15Aの劣化具合が抵抗溶接機個々において異なるため、他の抵抗溶接機で得られる使用率をグループ分けしても意味がないからである。
(閾値の設定の詳細)
以上のようにして使用率のグループ分けを行った後、グループごとに閾値を設定することになるが、使用率はノイズ等により変動し、また電源電圧の変動や電極チップの変動等によって緩やかに変動するため、変動する使用率に対して一定の値の閾値を設定すると、誤検出する機会が多くなる。そこで、使用率の変動に追従する閾値の設定が必要となる。
閾値の設定において、まず使用率に対してノイズ等の変動を均すため、移動平均を求める。次いで、求めた移動平均に対して、二次ケーブル15Aが異常であると誤検出する値に設定する処理と、誤検出しない値に設定する処理を繰り返して適正な閾値を設定する。この場合、閾値の設定当初は、余裕を見た(即ち、検出が遅くなる)範囲で決定すればよい。例えば、誤検出や二次ケーブル15Aの断線に対して余裕があるところに設定する。そして、使用率の変動範囲を見て、誤検出に対する範囲を狭くして余裕を減らして行く。
ところで、使用率は変化することから、その変化に対して閾値を追従させる必要があるが、閾値の追従速度を二次ケーブル15Aの劣化に伴う使用率の変化よりも緩やかにしなければ、当該劣化に伴う使用率の変化(即ち、二次ケーブル15Aの断線状況)を正確に把握することができない。閾値の設定においてはその点を考慮する必要がある。
また、使用率は、電源電圧の変動や電極チップの変動等により緩やかに変動(長期変動)するため、この長期変動に対して閾値を補正する必要がある。長期変動に対する閾値の補正は、移動平均で安定化させた使用率を用いてその変化量を計算し、この計算により得られた変化量を基に補正する。なお、使用率の移動平均は50打点〜100打点ごとに計算し、外乱などにより変動が大きい場合は打点数を調整する。また、使用率の変化量は数百打点ごとに計算し、外乱などにより変動が大きい場合は打点数を調整する。図10は、使用率と移動平均の一例を示す図であり、横軸は打点(又は時間)、縦軸は使用率である。同図では、使用率と、50打点ごとに計算した使用率の移動平均を示している。また、同図は、使用率を拡大したものであり、使用率はノイズを含む連続した波形となる。なお、同図では、300打点ごとに計算した変化量も示している。図11は、使用率の長期変動幅と、長期変動幅に対応させた閾値Th’の一例を示す図であり、横軸は打点(又は時間)、縦軸は使用率である。
また、誤検出に対して余裕のない閾値を使用すれば、二次ケーブル15Aの劣化を誤検出してしまう機会が多くなり、余裕のある閾値を使用すれば二次ケーブル15Aの劣化を検出できない機会が多くなる。二次ケーブル15Aの劣化を正確に検出できるようにするために、閾値の設定を繰り返し行って適正な閾値を設定することになるが、その設定は、通常は自動で行えばよい。但し、溶接システム1の導入当初など閾値が安定するまでは、劣化の検出時には手動での誤検出か否かを検証して閾値の手動補正を行うようにすればよい。また、使用率の短期的な変動及び長期的な変動に応じて閾値を常に補正することになるので、その補正処理にAI(Artificial Intelligence)を活用することも勿論可能である。
このように、グループごとに使用率の移動平均を計算し、これにより得られた移動平均に対して二次ケーブル15Aの異常を検出するための閾値を設定し、さらに、移動平均から使用率の長期に亘る緩やかな変化量を算出し、得られた変化量を基に閾値を補正するので、使用率に電源電圧の変動や電極チップ(溶接ガンの先端に取り付けるもの)の先端の変動等の緩やかな変動が含まれていても誤検出することなく溶接電流通流経路上の異常を検出することができる。
なお、上述した「閾値の設定に余裕がある」とは、次の通りである。
使用率は、使用する電流値、ワーク抵抗及びワーク以外の抵抗(抵抗溶接機2の抵抗であって、二次ケーブル15Aの抵抗と、溶接トランス19の内部の抵抗と、その他の抵抗を合計したもの)により異なる。即ち、使用率は、例えば電流値が大きいときやワーク抵抗値が大きいときに大となる。ここで、ワーク以外の抵抗を500μΩとし、溶接トランス19の二次側電圧を10Vとすると、短絡電流(使用率100%)は10V/500μΩで20KAとなる。
図7に示すグループG1の場合、電流10KA、ワーク抵抗200μΩとすると、このときの使用率の概算値は、10V/(500μΩ+200μΩ)=14.3KA、10KA/14.3KA=約70%の使用率となる。この場合は30%の余裕があり、二次ケーブル15Aの劣化により抵抗値が大きくなっても使用率の補正により設定電流は流れる。そのため、監視は70%以上の値(閾値)が使用でき、余裕を見る値として90%の値を使用できる。
一方、図7に示すグループG2の場合、電流12KA、ワーク抵抗250μΩとすると、このときの使用率の概算値は、10V/(500μΩ+250μΩ)=13.3KA、12KA/13.3KA=約90%の使用率となる。この場合は10%の余裕しかなく、監視は90%以上の値とする必要があり、グループG1のように余裕を見る値は設定できない。
また、閾値は、二次ケーブル15Aの劣化を検出するための処理を行うごとに設定するが、そのパターンは1つのパターンである必要はなく、複数のパターンを設定して、各パターンで監視することも可能である。例えば1回目に設定した閾値のパターンが「Aパターン」で、2回目に設定した閾値のパターンが「Bパターン」であるとすると、「Aパターン」と「Bパターン」の両方で監視する。この場合、どちらのパターンが最適かは二次ケーブル15Aが完全に劣化するまで行かないと分からないが、それが分かれば最適な方を選択することができる。このように、閾値のパターンを複数用意することで、二次ケーブル15Aの劣化を高い精度で検出することができる。因みに、いずれのパターンにおいても随時補正を行うことは言うまでもない。また、複数のパターンを設定して、最適なパターンを選択する処理に、上述したAIを活用することも勿論可能である。
また、閾値の設定はグループごとに行うが、誤検出の多いグループは監視対象から外すようにしてもよい。即ち、グループ分けした中で、安定して変化しているグループに対してのみ閾値を設定するようにしてもよい。
また、閾値は、実際の異常発生時の使用率に基づいて補正することも可能である。
監視装置6は、各グループに対する閾値の設定後、閾値を超えるグループがあるか否かを判定する。前述したように二次ケーブル15Aが劣化すると、使用率が大きくなるので、各グループにおいて使用率が閾値を超えれば、二次ケーブル15Aが劣化したと判定できる。図12は、二次ケーブル15Aの劣化検出の一例を示す図であり、横軸は打点(又は時間)、縦軸は使用率(PWMデューティ値)である。同図に示すように、各グループG1〜G3において使用率が閾値Th1’〜Th3’を超えると、監視装置6は、二次ケーブル15Aの劣化を検出する。但し、閾値を一度超えただけで二次ケーブル15Aの劣化を検出すると、二次ケーブル15Aの劣化が原因でない場合でも二次ケーブル15Aの劣化を検出してしまうので、閾値を所定回数超えた場合に二次ケーブル15Aの劣化を検出するようにすると誤検出を排除できる。
監視装置6は、二次ケーブル15Aの劣化を検出した場合、抵抗溶接機2のユーザにその旨を通知する。抵抗溶接機2のユーザへの通知方法としては、該ユーザの溶接制御装置3にメンテナンス情報を送信する方法、抵抗溶接機2のユーザのパソコンや携帯端末等の情報機器にメールでメンテナンス情報を送信する方法、抵抗溶接機2のユーザに直接電話する方法等が挙げられる。該ユーザの溶接制御装置3にメンテナンス情報を送信する場合、操作パネル18にケーブル交換を知らせる表示を設けたり、ケーブル交換を知らせるブザー又は音声合成を設けたりして、該ユーザの視覚や知覚に働きかけるようにするとよい。
二次ケーブル15Aの劣化を通知する方法として、さらに、Webサーバ4からPC7のWebブラウザに、メンテナンス情報を示すHTMLファイルや画像ファイルを送信する方法もある。即ち、予めWebサーバ4に二次ケーブル15Aの劣化を通知するためのHTMLファイルや画像ファイルを保存しておき、PC7からメンテナンス情報を求めるリクエストがあった場合に、Webサーバ4が当該メンテナンス情報を示すHTMLファイルや画像ファイルをPC7に送信する。このようにすることで、抵抗溶接機2のユーザは、何時でも自身のPC(パーソナルコンピュータ、図示略)にて自身の抵抗溶接機2のメンテナス情報を見ることができ、早期に二次ケーブル15Aの交換を行うことができる。なお、この場合、他のユーザのメンテナス情報を見ることができないようにすることは言うまでもない。
このように、監視装置6は、抵抗溶接機2から得られた複数の各種設定値及び各種モニタ値に基づいて抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化を検出すると、抵抗溶接機2のユーザに二次ケーブル15Aの劣化を通知する。
次に、溶接制御装置3及び監視装置6の動作について説明する。
(溶接制御装置3の動作)
図13は、溶接制御装置3の動作を説明するためのフローチャートである。なお、溶接制御装置3における動作は制御部301にて行われることから、主語は制御部301になるが、溶接制御装置3そのものの動作として説明することにするので、主語を溶接制御装置3とする。
溶接制御装置3は、まずクラウド8に接続する(ステップS10)。溶接制御装置3は、クラウド8との接続が確立すると、操作パネル18にて、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」の各種設定値が設定されたかどうか判定し(ステップS11)、各種設定値が設定されていないと判定すると(即ち、ステップS11で「NO」と判定すると)、当該各種設定値が設定されるまで本処理を継続する。溶接制御装置3は、ステップS11において各種設定値が設定されたと判定すると(即ち、ステップS11で「YES」と判定すると)、設定された各種設定値を一時的に記憶する(ステップS12)。
溶接制御装置3は、設定された各種設定値を一時的に記憶した後、起動信号Swが出力されたかどうか判定し(ステップS13)、起動信号Swが出力されたと判定すると(即ち、ステップS13で「YES」と判定すると)、一時的に記憶している各種設定値を基に指令信号Stiを生成する(ステップS14)。溶接制御装置3は、ステップS13において起動信号Swが出力されていないと判定すると(即ち、ステップS13で「NO」と判定すると)、ステップS11に戻る。ステップS11に戻ると、各種設定値が設定されたかどうか判定するが、ここで各種設定値の1つでも変更されれば、一時的に記憶している各種設定値を更新する。
溶接制御装置3は、指令信号Stiを生成した後、その指令信号Stiを抵抗溶接機2の電源ユニット11に出力する(ステップS15)。これにより、1打点分の溶接が行われる。溶接制御装置3は、指令信号Stiを出力し、溶接が行われたときに各種モニタ値を計測する(ステップS16)。即ち、溶接制御装置3は、電流センサ60のセンサ信号Siを取り込んで「電流値」を計測し、また圧力センサ61のセンサ信号Spを取り込んで「加圧力」を計測し、またインバータ回路34で得られるPWMデューティ信号Spwmを取り込んで「PWMデューティ値」を計測し、また時計部302からのクロック信号を基に通電時間を計測する。なお、温度センサ62のセンサ信号Stを取り込んで冷却水の「水温」も計測するが、ここでは省略する。
溶接制御装置3は、溶接時に計測した「電流値」、「通電時間」、「加圧力」及び「使用率」のそれぞれをモニタ値として扱い、一時的に記憶している各種設定値と共に記憶部305に記憶し(ステップS17)、さらに1打点分のデータとして、各種モニタ値と各種設定値を関連付けてデータベースサーバ5に送信する(ステップS18)。溶接制御装置3は、1打点分の各種モニタ値と各種設定値をデータベースサーバ5に送信した後、ステップS11に戻る。上記ステップS11〜ステップS18までの処理は、繰り返し行われる。
以上のように、操作パネル18にて、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」の各種設定値が設定されて、抵抗溶接機2にて1打点溶接が行われるごとに「電流値」、「通電時間」、「加圧力」及び「使用率」が計測されて、これらの各種モニタ値と各種設定値とが関連付けられてデータベースサーバ5に送信される。
(監視装置6の動作)
図14は、監視装置6の動作を説明するためのフローチャートである。なお、監視装置6における動作は制御部601にて行われることから、主語は制御部601になるが、監視装置6そのものの動作として説明することにするので、主語を監視装置6とする。
監視装置6は、まずクラウド8に接続する(ステップS30)。監視装置6は、クラウド8との接続が確立すると、グループ分け条件が指定されたかどうか判定する(ステップS31)。即ち、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」の各種設定値と、「電流値」、「通電時間」及び「加圧力」の各種モニタ値のうちの少なくともいずれか1つ指定されたかどうか判定する。
監視装置6は、グループ分け条件が指定されていないと判定すると(即ち、ステップS31で「No」と判定すると)、グループ分け条件が指定されるまで本判定を繰り返す。これに対し、監視装置6は、グループ分け条件が指定されたと判定すると(即ち、ステップS31で「YES」と判定すると)、指定されたグループ分け条件を一時的に記憶する(ステップS32)。グループ分け条件として、例えば設定値の「電流値」が指定された場合、その「電流値」が一時的に記憶される。
監視装置6は、指定されたグループ分け条件を一時的に記憶した後、データベースサーバ5に蓄積されている抵抗溶接機2の所定期間分(例えば、使用開始時から現在まで)のデータ(即ち、各種設定値及び各種モニタ値)を取得する(ステップS33)。なお、データを取得する期間は、抵抗溶接機2の使用開始時から現在までに限定されず、監視員が任意に決定することも勿論可能である。例えば、抵抗溶接機2の使用開始時後の2年目から現在までとしてもよい。監視装置6は、抵抗溶接機2の所定期間分の各種設定値及び各種モニタ値を取得した後、取得した各種設定値及び各種モニタ値を記憶する(ステップS34)。
監視装置6は、各種設定値及び各種モニタ値を記憶した後、指定されたグループ分け条件を用いて使用率をグループ分けする(ステップS35)。即ち、監視装置6は、指定されたグループ分け条件を用いて、値が近似する使用率同士にグループ分けをする。ここで、グループ分け条件として設定値の「電流値」が指定された場合、監視装置6は、該「電流値」を用いて使用率のグループ分けを行う。また、グループ分け条件が複数ある場合は、複数の条件を用いて使用率のグループ分けを行う。例えば、グループ分け条件が設定値の「電流値」と「通電時間」であれば、該「電流値」及び「通電時間」を用いて使用率のグループ分けを行う。なお、設定値以外にモニタ値もグループ分け条件となる。例えばモニタ値の「電流値」及び「通電時間」が指定された場合、監視装置6は、モニタ値の「電流値」及び「通電時間」を用いて使用率のグループ分けを行う。このように、監視装置6は、各種設定値及び各種モニタ値の中の少なくともいずれか1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けを行う。
監視装置6は、使用率をグループ分けした後、各グループに対して閾値を設定する(ステップS36)。各グループに対する閾値の設定は、異常であると誤検出する値に設定する処理と、誤検出しない値に設定する処理を繰り返して、適正な閾値を設定する。また、適正な閾値を設定した後、電源電圧の変動や電極チップの変動等による緩やかな変動に追従するように、移動平均処理で安定化させた使用率の値を使用して算出した変化量を基に閾値を補正する
監視装置6は、各グループに対して閾値を設定した後、閾値を超えるグループがあるかどうか判定する(ステップS37)。監視装置6は、いずれか1つのグループでも閾値を超えると判定すると(即ち、ステップS37で「YES」と判定すると)、閾値を超えた回数が所定回数以上かどうか判定する(ステップS38)。監視装置6は、閾値を超える回数が所定回数以上であると判定すると(即ち、ステップS38で「YES」と判定すると)、抵抗溶接機2のユーザに対し、二次ケーブル15Aの劣化を通知する(ステップS39)。監視装置6は、閾値を超える回数が所定回数以上であると判定して、抵抗溶接機2のユーザに二次ケーブ15Aの劣化を通知した後、ステップS31の処理に戻る。
これに対し、監視装置6は、閾値を超える回数が所定回数以上でないと判定すると(即ち、ステップS38で「NO」と判定すると)、抵抗溶接機2のユーザへの通知を行わず、ステップS31の処理に戻る。また、監視装置6は、ステップS37の判定において、閾値を超えるグループが無いと判定すると(即ち、「NO」と判定すると)、そのままステップS31の処理に戻る。ステップS31〜ステップS39の処理は、監視装置6が監視する全ての抵抗溶接機2に対して繰り返し行われる。
このように、本実施形態に係る溶接システム1によれば、監視装置6は、データベースサーバ5から、各種設定値及び各種モニタ値を複数取得し、取得した複数の各種モニタ値それぞれに含まれる使用率について、各種設定値及び各種モニタ値のうちの少なくとも1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けするので、使用率の変動幅を狭くでき、二次ケーブル15Aの劣化を早期に検出することができる。
また、二次ケーブル15Aの劣化検出に特化した検出器等を必要としないので、二次ケーブル15Aの劣化検出を低コストで実現できる。
また、監視装置6は、グループごとに閾値を設定し、各グループにおいて閾値を超える場合に二次ケーブル15Aの劣化を抵抗溶接機2のユーザに通知するので、抵抗溶接機2のユーザは、抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aを使用不能前に交換することができ、生産性低下を未然に防止できる。
また、監視装置6は、グループごとに使用率の移動平均を計算し、これにより得られた移動平均に対して二次ケーブル15Aの劣化を検出するための閾値を設定し、さらに、移動平均から使用率の長期に亘る緩やかな変化量を算出し、得られた変化量を基に閾値を補正するので、使用率に電源電圧の変動や電極チップ(溶接ガンの先端に取り付けるもの)の先端の変動等の緩やかな変動が含まれていても誤検出することなく二次ケーブル15Aの劣化を検出することができる。
本発明を特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
例えば、使用率のレベルの変化から二次ケーブル15Aの劣化を検出するのではなく、使用率の傾きの変化から二次ケーブル15Aの劣化を検出するようにしてもよい。即ち、使用率の移動平均の傾きに対する閾値を設定し、使用率の移動平均の傾きが当該閾値を超えた場合に二次ケーブル15Aが劣化したと判定する。
また、グループごとに設定する閾値を、多数の他の抵抗溶接機2−2,2−3,…2−nそれぞれにおいて設定された閾値を参照して修正するようにしてもよい。このようにすることで、閾値の設定精度を高めることができ、二次ケーブル15Aの劣化をより確実に検出することができる。特に、他の抵抗溶接機2−2,2−3,…2−nのうち、使用状況の近いもので設定された閾値を参照することで、精度を更に高めることができる。
また、二次ケーブル15Aの劣化を使用率そのもので把握するのではなく、使用率を抵抗相当に置き換えた値で二次ケーブル15Aの劣化を把握するようにしてもよい。使用率を抵抗相当に置き換えることで、二次ケーブル15Aの劣化状況を直感的に把握できるようになる。以下、使用率を抵抗相当に置き換える方法について説明する。
二次ケーブル15Aの抵抗、ワーク500の抵抗及び溶接ガン14の全抵抗を二次抵抗として測定する。また、溶接トランス19の二次電圧及び二次電流を測定し、二次回路の抵抗値を測定する。
使用率(PWMデューティ値)の二次抵抗相当は、二次電圧×(PWMデューティ値)/電流で表すことができる。以下に一例を挙げる。
二次電圧=電源電圧×√2/溶接トランス19の巻数比−0.7V
ここで、電源電圧:AC400V、溶接トランス19の巻数比:50とすると、
二次電圧=400×√2/50−0.7V=10.6V(約11V)
電流:10KA、PWMデューティ値:60%とすると、
二次抵抗相当=11V×60%/10KA=約660μΩとなる。
また、グループ分け対象として使用率を用いるのではなく、チップ間抵抗を用いることも可能である。周知の如くチップ間抵抗は、チップ間電圧を溶接電流で割ることで求めることができる。チップ間抵抗を、各種設定値及び各種モニタ値のうちの少なくともいずれか1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けする。グループ分け後の処理は、使用率を用いた場合と同様である。
また、グループ分けの条件として、「電流値」、「通電時間」、「加圧力」、「ワークの材質」、「ワークの板厚」、「ワーク名」及び「ワーク上の打点位置」の各種設定値及び「電流値」、「通電時間」及び「加圧力」の各種モニタ値の全てを使用可能にするのではなく、抵抗溶接機2のユーザが表に出したくない条件(例えば「電流値」)は使用不可にするようにしてもよい。即ち、抵抗溶接機2のユーザが表に出しても良いと思っているデータのみで使用率のグループ分けを行うようにしても良い。
また、抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を監視装置6が行うのではなく、監視装置6の機能をPC7に持たせて、PC7が抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を行うようにしてもよい。即ち、PC7に、監視装置6の機能をプログラム化したアプリをインストールする。PC7は、該アプリに従って動作し、データベースサーバ5から各種設定値及び各種モニタ値を取得して、抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を行う。
また、PC7にて抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を行う以外に、クラウド8上に機能ツール&データ処理ツール(図示略)を構築し、この機能ツール&データ処理ツールが抵抗溶接機2の二次ケーブル15Aの劣化検出を行うようにしてもよい。この場合、機能ツール&データ処理ツールがデータベースサーバ5から各種設定値及び各種モニタ値を取得することになる。監視装置6は、機能ツール&データ処理ツールにて二次ケーブル15Aの劣化が検出された場合、抵抗溶接機2のユーザに二次ケーブル15Aの劣化を通知する。
また、二次ケーブル15Aが略断線状態となったときに発生する使用率の突発的な変化を検出して二次ケーブル15Aの劣化を検出するようにしてもよい。使用率の突発的な変化とは、移動平均した場合にノイズに埋もれる変化量で、該ノイズより大きな波高値を呈する急激な変化である。使用率の突発的な変化の検出は、使用率を移動平均する前の値を用いて検出する。その理由は、使用率を移動平均すると値を均してしまうため、使用率の突発的な変化の波高値が小さくなってノイズに埋もれてしまうからである。
図15は、二次ケーブル15Aが断線しかかったときに発生する使用率の突発的な変化の一例を示す図であり、横軸は打点(又は時間)、縦軸は使用率(PWMデューティ値)である。二次ケーブル15Aが断線しかかると、同図に示すように、グループごとに使用率の突発的な変化が生ずる。使用率の突発的な変化が生じたときに、二次ケーブル15Aが劣化したと判定することになるが、使用率の移動平均をとっていないので、突発的な変化が現れたとしても、二次ケーブル15Aの断線のしかかり以外を要因する場合もあり得る。そこで、ある程度の頻度で発生した場合に二次ケーブル15Aが劣化したと判定すればよい。なお、使用率の突発的な変化の検出と、実施形態で説明した使用率の緩やか(突発的な変化に対して緩やか)な変化の検出を連続して行うようにしてもよいし、いずれか一方を選択して、それを検出するようにしてもよい。
このように、使用率の急激な変化に対して二次ケーブル15Aの劣化を検出するための閾値を設定するので、二次ケーブル15Aが略断線状態となったときに発生する使用率の突発的な変化を捉えることができる。
本発明は、抵抗溶接機における溶接トランスと溶接ガンを接続する二次ケーブルの劣化を含む溶接電流通流経路上の異常を早期に且つ低コストで検出することができるといった効果を有し、抵抗溶接機に好適である。
1 溶接システム
2,2−1,2−2,2−n 抵抗溶接機
3,3−1,3−2,3−n 溶接制御装置
4 Webサーバ
5 データベースサーバ
6 監視装置
7 PC
8 クラウド
10 冷却ユニット
11 電源ユニット
12 支持ポスト
13 支持アーム
14 溶接ガン
15A,15B 二次ケーブル
16 テーブル電極
17 テーブル駆動部
18 操作パネル
19 溶接トランス
25 電極チップ
26 シリンダ
31 整流器
32 平滑用コンデンサ
34 インバータ回路
301,601 制御部
302 時計部
303 カウンタ部
304 インタフェース部
305,602 記憶部
306,605 通信部
307,606 共通バス
60 電流センサ
61 圧力センサ
62 温度センサ
194 第1整流素子
195 第2整流素子
341 インバータ制御回路
342 IGBTを用いたスイッチ
343 電流センサ
500 ワーク
603 操作部
604 表示部

Claims (3)

  1. 対向する2つの電極でワークを挟圧しながら溶接を行う抵抗溶接機と、
    クラウドコンピューティングへの接続が可能であり、電流値、通電時間、加圧力、ワークの材質、ワークの板厚、ワーク名及びワーク上の打点位置を含む各種設定値に基づいて前記抵抗溶接機を動作させる指令信号を生成し、またPWMデューティ信号を基にPWMデューティ値を計測する溶接制御装置と、
    一次側に高周波交流が供給され、二次側からは前記高周波交流を整流した直流を出力する溶接トランスと、
    前記溶接制御装置で生成された前記指令信号及び前記溶接トランスの一次側を流れる一次電流に基づいてPWM制御した高周波交流を発生して前記溶接トランスの一次側に供給し、また前記PWMデューティ信号を出力するインバータ制御回路と、
    前記クラウドコンピューティング上に構築されたデータベースサーバと、
    前記クラウドコンピューティング上に構築され、前記データベースサーバにアクセス可能な監視装置と、
    を備えた溶接システムであって、
    前記溶接制御装置は、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときに電流値、通電時間、加圧力及びPWMデューティ値を含む各種モニタ値を計測するとともに、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときの前記各種設定値を取得し、取得した前記各種設定値及び計測した前記各種モニタ値を関連付けて前記データベースサーバに送信し、
    前記監視装置は、前記データベースサーバから、関連付けられた前記各種設定値及び前記各種モニタ値を複数取得し、取得した前記複数の各種モニタ値それぞれに含まれる前記PWMデューティ値について、前記各種設定値及び前記各種モニタ値のうちの少なくともいずれか1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けし、グループごとに溶接電流通流経路上の異常を検出する、
    溶接システム。
  2. 前記監視装置は、前記グループごとに閾値を設定し、設定した前記閾値を超えるグループがあると、前記抵抗溶接機のユーザに前記溶接電流通流経路上の異常を通知する、請求項1に記載の溶接システム。
  3. 対向する2つの電極でワークを挟圧しながら溶接を行う抵抗溶接機と、
    クラウドコンピューティングへの接続が可能であり、電流値、通電時間、加圧力、ワークの材質、ワークの板厚、ワーク名及びワーク上の打点位置を含む各種設定値に基づいて前記抵抗溶接機を動作させる指令信号を生成し、またPWMデューティ信号を基にPWMデューティ値を計測する溶接制御装置と、
    一次側に高周波交流が供給され、二次側からは前記高周波交流を整流した直流を出力する溶接トランスと、
    前記溶接制御装置で生成された前記指令信号及び前記溶接トランスの一次側を流れる一次電流に基づいてPWM制御した高周波交流を発生して前記溶接トランスの一次側に供給し、また前記PWMデューティ信号を出力するインバータ制御回路と、
    前記クラウドコンピューティング上に構築されたデータベースサーバと、
    前記クラウドコンピューティング上に構築され、前記データベースサーバにアクセス可能な監視装置と、
    を備えた溶接システムにおいて実行される溶接電流通流経路上部品の劣化検出方法であって、
    前記抵抗溶接機で溶接が行われたときに電流値、通電時間、加圧力及びPWMデューティ値の各種モニタ値を計測するとともに、前記抵抗溶接機で溶接が行われたときの前記各種設定値を取得するステップと、
    計測された前記各種モニタ値及び取得された前記各種設定値を関連付けて前記データベースサーバに送信するステップと、
    前記データベースサーバから、関連付けられた前記各種設定値及び前記各種モニタ値を複数取得し、取得した前記複数の各種モニタ値それぞれに含まれる前記PWMデューティ値について、前記各種設定値及び前記各種モニタ値の中の少なくともいずれか1つを用いて、値が近似するもの同士にグループ分けし、グループごとに溶接電流通流経路上の異常を検出するステップと、
    を含む、溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法。
JP2017208521A 2017-10-27 2017-10-27 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法 Expired - Fee Related JP6540973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017208521A JP6540973B2 (ja) 2017-10-27 2017-10-27 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017208521A JP6540973B2 (ja) 2017-10-27 2017-10-27 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019081178A JP2019081178A (ja) 2019-05-30
JP6540973B2 true JP6540973B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=66670973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017208521A Expired - Fee Related JP6540973B2 (ja) 2017-10-27 2017-10-27 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6540973B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7258445B2 (ja) * 2019-09-30 2023-04-17 ダイハツ工業株式会社 抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法
CN111112815A (zh) * 2020-01-03 2020-05-08 东风柳州汽车有限公司 用点焊机编程器接口采集焊接参数及在线监控的系统
CN111896821B (zh) * 2020-06-22 2023-09-05 北京奔驰汽车有限公司 一种aro焊钳故障检测方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0639559A (ja) * 1992-07-27 1994-02-15 Honda Motor Co Ltd 溶接トランスの2次側状態判定方法および装置
JPH06126466A (ja) * 1992-10-21 1994-05-10 Honda Motor Co Ltd 直流抵抗溶接システムの断線検出装置
JP4585929B2 (ja) * 2005-06-28 2010-11-24 日産自動車株式会社 ケーブル異常監視装置およびその方法
JP6217951B1 (ja) * 2016-12-12 2017-10-25 株式会社向洋技研 溶接機及び溶接システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019081178A (ja) 2019-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6540973B2 (ja) 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法
CN104551372B (zh) 用于对焊接点的质量进行监控和调节的方法
US20110210098A1 (en) Control of a welding device
US20200139470A1 (en) Method for determining arc consistency in pulsed gas metal arc welding systems
JP6707567B2 (ja) 電力供給装置および電力供給装置の装置冷却機構の動作状態を監視する方法
DE3320237A1 (de) Widerstandspunktschweissprozessregelverfahren und -regler
JP6709422B2 (ja) 溶接条件作成装置及び溶接条件作成方法
JP2016516240A (ja) 溶接リソースのパフォーマンス目標システム及び方法
JP6217951B1 (ja) 溶接機及び溶接システム
EP0756915A2 (en) Apparatus for controlling inverter resistance welding
EP3542943A1 (en) Methods of determining weld quality by realising a weld signature analysis
JP2019084581A (ja) 溶接システム及び抵抗溶接機の冷却水循環経路の詰まり前兆検出方法
US5575934A (en) Welder monitor
CN112828422A (zh) 监测焊接质量的系统和方法
JP4971398B2 (ja) 抵抗溶接の監視装置及び監視方法
JP5036058B2 (ja) 抵抗溶接電源および抵抗溶接方法
JPS61147981A (ja) 電気抵抗溶接制御装置、特に、自動車本体部品溶接制御装置
CN108262581B (zh) 用于可视地显示热工作循环的方法和系统
CN111465465B (zh) 电阻焊机控制装置
JP2013010105A (ja) 抵抗溶接方法および抵抗溶接装置
JP7306898B2 (ja) 制御装置、プログラム、及びロボット制御システム
KR20150068512A (ko) 디지털 용접기 통합관리 시스템 및 통합관리 방법
EP2883419B1 (en) Electrode consumption monitoring system
JP7296791B2 (ja) 制御装置、プログラム、及びロボット制御システム
US20130186868A1 (en) System and method for performing resistance spot welding

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181224

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20181224

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6540973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees