JP5036058B2 - 抵抗溶接電源および抵抗溶接方法 - Google Patents
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Description
従来、一般に抵抗溶接においては、電流が溶接品質を左右するもっとも重要な溶接条件とされることから、抵抗溶接電源は主として電流の設定、制御、監視を行うような機能が盛り込まれている。ところが、電流だけをモニタしても電流が一定に制御されるだけで、これをモニタしても実際のナゲットの生成状態やチリの発生の有無は分からない場合が多い。そこで溶接電極間の抵抗または電圧をモニタした方がナゲットの生成状態やチリの発生の有無を知ることができる。また、被溶接材に供給される電力をモニタできればより的確な溶接の品質管理が可能である。そこで、フィードバック式で定電流制御または定電力制御が行われる抵抗溶接の経過ないし結果の良否をモニタするための有用な情報を与える抵抗溶接電源が提案されている(例えば、特許文献1)。
この抵抗溶接電源では、通電期間中(一溶接工程中と同じ意味である。)の溶接電極(図示せず)間の電圧の変化および/または通電期間中に溶接電極間に供給された電力(溶接電力)の変化を抵抗溶接の状況を表す波形として画面表示する機能が備えられている。
次に、この波形(プロファイルと同じ意味である。)表示機能について説明する。
、立下り特性を知ることができる。また、被溶接材のバラツキを知ることも可能である。
しかしながら、この従来の抵抗溶接電源においては、通電期間内の波形だけが外部メモリに記憶されたり、通信回線を介して外部の端末やホストコンピュータに送られて観測できるだけであって、複数の溶接工程の波形データを記憶するものではない。このため、この抵抗溶接電源では、溶接条件を変えて溶接したときの波形を記憶させておき、後に溶接条件と溶接品質との関係を調査し、適切な溶接条件を選択するという使い方はとはできないという欠点があった。また、記憶される情報も波形だけであるため、設定値、溶接条件や測定値等は記憶されないので、どのような設定で溶接したときの波形なのか全く分からなくなってしまい、再度記憶波形のような溶接を行おうとしても条件設定が困難であるという欠点もあった。
、および溶接抵抗を予め決められた範囲内にあるか否かそれぞれ比較判定するトレースモニタ判定部を備えることを特徴とするものである。
、前記トレースモニタ判定部で、フィードバックプロファイルデータがトレースプロファイルデータから予め決められた範囲を外れたときに溶接異常と判定し、異常を表示すると共に以降の溶接作業を停止することを特徴とするものである。
図1は本発明になる抵抗溶接電源を構成するの機能ブロックの一部で、主に溶接条件の設定関係と実際の溶接時の設定プロファイルの表示とフィードバックプロファイルの表示関係の機能ブロックである。図2は本発明になる抵抗溶接電源を構成する機能ブロックの残部全てで、設定プロファイルを基に溶接されたのフィードバックデータの取得関係と判定関係の機能ブロック図である。なお、動作説明の必要から、CPUバスやアドレスデコーダなど、一部については図1および図2に記載している。
、溶接電力、および溶接部の抵抗の各データの内、特に記憶させておいたデータを時間毎に読み出しプロファイルとして生成するトレースモニタプロファイル生成部である。ここで、プロファイルとは1溶接工程において変動する溶接電流、溶接電圧、溶接電力、または溶接部の抵抗の各データを経過時間毎に表したものである。
、トレースモニタプロファイルデータとフィードバックプロファイルデータとの差異を検出し、フィードバック制御の良否を判定するトレースプロファイルモニタ判定部である。
最初に溶接動作について説明する。操作部9を用いて、溶接条件等必要なデータを全て設定したうえで、溶接開始を指令する。ここでは、制御対象として溶接電流を選択しているものとして説明する。
この溶接開始指令を受けるとPWM制御部37から制御信号が出力されるのでIGBT43がスイッチングされるから、溶接トランス45を介して所定の低電圧、大電流の溶接電流が溶接電極49に流れ始める。このときの溶接電流と溶接電圧とは電流、電圧検出部51で検出され、前述のように直接制御対象ではない溶接電圧、溶接電力および溶接部の抵抗もフィードバックされる。フィードバックされる溶接電流はPID制御に利用されるが、他は3種のフィードバックデータはPID制御には利用されず、表示器21に表示され、この表示をオペレータが観察して溶接品質管理等に利用する。
図3は、表示器21への表示の1例を示す図である。表示器21に表示されるプロファイルデータは1溶接工程における時間対設定およびフィードバックデータの波形図として表される。
、ダウンスロープ時間(16)は操作部9の操作をCPUが入力し、CPUが溶接条件等記憶部11に格納されている溶接条件の中から選択されたもの読み出し、表示データ記憶部17に格納する。そして、表示制御部19が表示データ記憶部から読み出すことにより表示器21に表示する。
この表示データの記憶方法はマニュアルで操作部9からの指令によるもの、予め設定されている閾値を超えたときによるものがある。マニュアルによるものでは、溶接条件を少しずつ変更し、それぞれの溶接条件ごとに表示データ記憶部17に格納するのと同じようにして主記憶部23に格納する。例えば、溶接品質がよいときの溶接条件を見出すものである。閾値を基準としたものでは、フィードバックデータが所定の閾値を超えたとCPUが判断したときに、CPUが表示データ記憶部17に格納するのと同じようにして主記憶部23に格納する。例えば溶接品質が悪い場合のフィードバックデータを記憶させるものである。こうして、被溶接物に応じてよりよい溶接条件を見出したり、溶接品質が悪化したときにそれ以降の溶接を停止したるすることができる。
CPUは前述のようにして、表示器21に表示されたプロファイルデータの中から、例えば溶接状態が良かったときのものを主記憶部23に格納している。このような溶接状態が良かったときのプロファイルデータを主記憶部23から読み出し、バスコントローラ1を介してトレースモニタプロファイル生成部15に格納しておく。そして、操作部9からの指令により、溶接動作が開始されると溶接電流など4種のフィードバックデータが電力抵抗値算出部57を介してトレースプロファイルモニタ判定部63に入力されると同時に同じタイミングでトレースモニタプロファイル生成部61から溶接電流などの4種のトレースプロファイルデータが入力される。
15 トレースプロファイルモニタ記憶部、17 表示データ記憶部、
19 表示制御部、 21 表示器、 31 プロファイル生成部31、
33 PIDゲインアシスト、35 PID制御部、37 PWM信号生成部37、
39 整流部、41 平滑コンデンサ、43 IGBT、45 溶接トランス45、
49 溶接電極、51 溶接電流、電圧検出部、53 増幅部、55 実効値変換部、
57 電力/抵抗値算出部、59 差分検出部、
61 トレースモニタプロファイル生成部、63 トレースプロファイルモニタ判定部
Claims (5)
- 定電流制御、定電圧制御、または定電力制御の内いずれか1の制御モードを選択可能とし、選択した制御モードに拘らず、一溶接工程中における溶接電流および溶接電圧を検出し、この溶接電流と溶接電圧とから溶接電力および溶接抵抗を算出し、これらの一溶接工程中のプロファイルとともに設定された制御モードの設定値と検出された溶接電流、溶接電圧、算出された溶接電力、および溶接抵抗のそれぞれの平均値を表示する表示器を備える抵抗溶接電源であって、
前記表示を複数の溶接工程分画像データとして記憶する記憶部を
備えたことを特徴とする抵抗溶接電源。 - 前記記憶部はバッテリバックアップされていることを特徴とする請求項1記載の抵抗溶接電源。
- 請求項1記載の抵抗溶接電源を使用した抵抗溶接方法であって、
前記記憶部に記憶された複数の溶接工程中の表示からもっとも溶接品質がよい溶接工程を選択し、このときの溶接条件を用いて溶接を行うことを特徴とする抵抗溶接方法。 - 請求項1記載の抵抗溶接電源に
前記記憶部に記憶されている複数の溶接工程のフィードバックされた溶接電流、溶接電圧
、溶接電力、および溶接抵抗のプロファイルデータの中から予め決められた基準により選択された1溶接工程分のプロファイルデータと実際の溶接工程中のフィードバックされた溶接電流、溶接電圧、溶接電力、および溶接抵抗を予め決められた範囲内にあるか否かそれぞれ比較判定するトレースモニタ判定部を備えることを特徴とする請求項1記載の抵抗溶接電源。 - 請求項4記載の抵抗溶接電源を使用した抵抗溶接方法であって、
前記トレースモニタ判定部で、フィードバックプロファイルデータがトレースプロファイルデータから予め決められた範囲を外れたときに溶接異常と判定し、異常を表示すると共に以降の溶接作業を停止することを特徴とする抵抗溶接方法。
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