JP3491954B2 - 抵抗溶接電源 - Google Patents

抵抗溶接電源

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JP3491954B2 JP08569194A JP8569194A JP3491954B2 JP 3491954 B2 JP3491954 B2 JP 3491954B2 JP 08569194 A JP08569194 A JP 08569194A JP 8569194 A JP8569194 A JP 8569194A JP 3491954 B2 JP3491954 B2 JP 3491954B2
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  • Generation Of Surge Voltage And Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は,プリント基板の補
修,各種センサと極細線あるいはリボン材の接合等の溶
接をする際,これら被溶接物の材質に合わせて最適な制
御モ−ドを選択することの出来る抵抗溶接電源に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】一般に,プリント基板の補修や各種セン
サと極細線あるいはリボン材を接合する場合の一つの方
法として抵抗溶接がある。この抵抗溶接は,被溶接物に
溶接電流を流し,その時発生するジュ−ル熱により,被
溶接物を溶融し接合する方法である。 【0003】そして,抵抗溶接用の電源としては,各種
の方式があり,その内の一つに整流器の出力側に接続さ
れているコンデンサに蓄えられたエネルギ−を,トラン
ジスタで電流を制御して溶接するトランジスタ方式があ
る。 【0004】これは,図6に示すように,商用交流電源
のAC100Vは,トランス1によりAC24Vに降圧
された後,整流器2でDC24Vに変換され,コンデン
サ3に充電される。このコンデンサ3に蓄えられたエネ
ルギ−は,パワ−トランジスタ4で電流が制御されて溶
接電極5に給電される。そこで,図7に示すように,こ
の溶接電極5が被溶接物に接触すると,被溶接物として
のプリント基板10と補修用リボン11に溶接電流が流
れ,ここにジュ−ル熱が発生して抵抗溶接される。 【0005】一方,溶接電極5には,ピックアップ用の
ワイヤ(図示せず)が接続されており,これにより溶接
電極5の電圧Vが検出されて,この電圧Vは帰還増幅器
6で増幅された後,電圧制御部7に入力される。この電
圧制御部7では,電圧Vと溶接条件設定部8から入力さ
れた設定条件とが比較され,設定時間だけパワ−トラン
ジスタ4に電流が流れるように電圧帰還制御される。こ
のように,従来方法では,パワ−トランジスタ4からの
溶接電流とこの電流の流れる時間とが制御される電圧制
御方式が採用されている。又,溶接電極5に流す溶接電
流をパワ−トランジスタ4に帰還してこれを制御する電
流制御方式もある。 【0006】 【発明が解決しようとする問題点】しかしながら,被溶
接物の材質によって,電圧制御方式が適当であったり,
あるいは電流制御方式が適当であったりするため,いろ
いろな種類の被溶接物を溶接する場合には,抵抗溶接電
源は,2種類準備する必要があった。 【0007】 【問題を解決するための手段】この発明は,パワートラ
ンジスタで電流を制御して被溶接物を溶接するトランジ
スタ式の抵抗溶接電源において,被溶接物の最適な溶接
条件としての電圧と電流と電力とを,それぞれ帰還制御
用の設定値として入力するとともに,電圧制御,電流制
御,電力制御の3つの制御モードを選択可能とするため
の溶接条件設定部と,この溶接条件設定部からの帰還制
御用の各設定値を記憶するとともに,演算制御するCP
U部と,パワートランジスタの出力側に接続されて,こ
のパワートランジスタからの電流を検出する電流検出器
と,この電流検出器を介してパワートランジスタの出力
側に接続されている溶接電極と,この溶接電極に印加さ
れる電圧を検出する電圧検出部と,この電圧検出部で検
出された電圧と電流検出器で検出された電流とをそれぞ
れ増幅するとともに,この検出された電圧と電流とから
電力を算出する増幅乗算部と,この増幅乗算部からの電
力と電圧と電流との各帰還値と,CPU部に記憶されて
いる帰還制御用の各設定値とをそれぞれ比較制御して,
パワートランジスタを3つの制御モードのいずれかで制
御する電圧・電流・電力制御部とを備え,被溶接物に応
じて3つの制御モードの中から最適な制御モードを選択
可能とし,この選択された制御モードでパワートランジ
スタを介して帰還制御するようにしたものである。 【0008】 【作用】パワ−トランジスタ4で電流が制御されて溶接
電極5に溶接電流が印加され,被溶接物は抵抗溶接され
る。溶接電流の一部は,電流検出器20により検出され
る。同様に,溶接電極5では,溶接電圧の一部が検出さ
れる。この検出された帰還用の電圧と電流とから電力が
算出される。 【0009】 これらの値は,溶接条件設定部23で選
択される制御モードに応じていずれか1つの値が差動増
幅器22Aの一方の入力端に入力される。又,溶接条件
設定部23で設定され,CPU部22Dに記憶されてい
る帰還性制御用の電流,電圧,電力の各設定値は,同様
に選択される制御モードに応じてCPU部22Dでいず
れか1つの設定値が選択されて出力され,D/A変換器
22Bでアナログ信号に変換されて差動増幅器22Aの
他方の入力端に入力され。そして,差動増幅器22Aで
は,この2つの入力値(設定値と帰還値)が比較され,
その差分が増幅されて,その結果でパワートランジスタ
4を制御して,被溶接物を最適な条件で溶接する。 【0010】 【発明の実施例】この発明の実施例を,図1〜図5に基
づいて詳細に説明する。図1はこの発明の実施例を示す
要部構成図,図2は図1の詳細な構成図,図3はパタ−
ン幅の変化による設定値の変動率を示すグラフ,図4は
ステンレスワイヤの溶接強度と引っ張り強度との関係を
示すグラフ,図5はヒ−タチップの温度変化を測定した
結果を示すグラフである。なお,従来例と同一のもの
は,同一名称を使用するとともに,同一符号を付しその
説明を省略する。 【0011】図1〜図2において,1はトランス,2は
整流器で,3はコンデンサ,4はパワ−トランジスタ
で,この実施例の場合には,パワ−MOSFETが使用
されており,このパワ−MOSFETを10個並列に接
続して使用されており,1800A迄出力可能となって
いる。5は溶接電極である。9は充電制御部で,整流器
2の出力をDC24Vに維持するために,整流器2のサ
イリスタの位相制御している。 【0012】20は電流検出器で,この実施例の場合に
は,ホ−ル電流検出器が用いられており,パワ−トラン
ジスタ4の出力側に接続されている。この電流検出器2
0は,溶接電極5に供給される溶接電流の一部を検出す
るためのもので,この検出された電流は,増幅乗算部2
1の互いに並列に接続されている3個の電流帰還用増幅
器21IA ,21IB ,21IC に帰還用信号を得るた
めに印加される。その内,電流帰還用増幅器21Icに
帰還された電流は,そのままアナログ出力端19に出力
され,電流の溶接波形が観察される。 【0013】なお,アナログ出力端19では,後述する
ように,その他の溶接波形の電圧,電力をもストレ−ジ
スコ−プ(図示せず)等で波形観測することが出来るよ
うに構成されている。 【0014】ここで,ホ−ル電流検出器は,電流に比例
して発生する磁束を磁気鉄心と磁気センサ(ホ−ル素
子)の組み合わせにより非接触で電流測定することので
きる装置である。なお,上記実施例に限定されることな
く,その他の方法で帰還用の電流を検出してもよい。 【0015】増幅乗算部21は,この実施例の場合に
は,電流帰還用増幅器21IA 〜21IC ,電圧帰還用
増幅器21VA 〜21VC ,電力帰還用増幅器21WA
〜21WC および乗算器21Mとにより構成されてお
り,電流検出器20から帰還される電流Iと溶接電極5
に接続されている検出用のワイヤにより溶接電圧の一部
を検出する電圧検出部(図示せず)で検出されて,入力
側に帰還される電圧Vとが入力され,この帰還用の電圧
Vと電流Iとの積である電力Wが乗算器21Mで算出さ
れる。 【0016】 22は電流・電圧・電力制御部で,差動
増幅器22AとD/A変換器22B,A/D変換器22
CおよびCPU部22Dとにより構成されており,増幅
乗算部21からの電圧V,電流I,電力Wの帰還値は,
A/D変換器22Cでデジタル信号に変換された後,C
PU部22Dに入力され,記憶され,モニタ判定に利用
される。又,増幅乗算部21からの電圧V,電流I,電
力Wの帰還値は,溶接条件設定部23で選択された制御
モードに応じて,いずれか1つの値が帰還値として差動
増幅器22Aの一方の入力端に入力される。又,溶接条
件設定部23で設定され,CPU部22Dに記憶されて
いる帰還制御用の電流,電圧,電力の各設定値は,同様
に制御モードに応じて,CPU部22Dでいずれか1つ
の設定値が選択出力され,D/A変換器22Bでアナロ
グ信号に変換されて,差動増幅器22Aの他方の入力端
に入力される。そして,差動増幅器22Aにおいて,帰
還制御用の設定値と帰還値とは比較され,その差分が増
幅されて,その結果はパワ−トランジスタ4へゲ−ト信
号として送出される。このように構成された帰還系によ
り,設定値と帰還値とが同一の値となるようにパワート
ランジスタ4を介して帰還制御される。 【0017】なお,溶接条件設定部23は,最適な溶接
条件を示す帰還制御用の電圧,電流,電力の設定値を初
期設定するもので,キ−スイッチ23Aにより入力され
る。さらに,それぞれ帰還制御用の設定値に対応する電
圧制御,電流制御,電力制御のいずれかの制御モ−ドが
設定される。 【0018】なお,この実施例の場合には,溶接電極5
の汚れ状態および被溶接物の溶接状態および被溶接物の
溶接状態を判定するための判定部24,判定の基準値を
設定するしきい値設定部25が具備されている。 【0019】即ち,判定部24では,増幅乗算部21か
ら入力した第1回目の電圧V,電流I,電力Wは,それ
ぞれA/D変換器22Cでデジタル信号に変換され,C
PU部22Dに入力され,検出された電流Iと電圧Vか
ら第1の抵抗値R1 が算出される。この抵抗値R1 は,
判定の基準として設定されている設定値(抵抗値)と比
較されて溶接電極5の汚れ状態が判定されて溶接続行,
中止が判定される。 【0020】同様に,溶接終了後に,被溶接物の溶接品
質の良否を判定するために,再度電圧Vと電流Iとが検
出され,増幅乗算部21から入力したこの第2回目の電
圧V,電流Iは,それぞれA/D変換器22Cでデジタ
ル信号に変換され,CPU部22Dに入力され,これら
電流Iと電圧Vから第2の抵抗値R2 が算出される。こ
の抵抗値R2 は,溶接品質の判定の基準として設定され
ている設定値(抵抗値)と比較されて良否が判定され
る。 【0021】判定の基準となる抵抗値R1 ,R2 で表さ
れている設定値は,しきい値設定部25に入力される。
実際には,これらの値はキ−スイッチ23Aから上限下
限が設定されて判定用の設定値としてCPU部22Dに
入力される。 【0022】26は表示部で,LCD26AとLEDブ
ザ−26Bとにより構成されており,判定部24の判定
結果が表示されるとともに,装置本体の非常事態,例え
ばトランス1の異常加熱,パワ−トランジスタ4の短絡
破壊,又,溶接動作自体の異常,例えば,過電流等の場
合にエラ−メッセ−ジが表示される。 【0023】27はI/O入出力端で,I/Oインタフ
ェ−スコネクタより溶接条件を外部から切り換えたり,
各種のタイミング信号が出力される。28はRS−23
2C回線端で,外部機器(パソコン等)から溶接条件の
入力,外部機器への出力値の表示,判定部24からの判
定結果が出力できるように構成されている。 【0024】次に,作用動作について説明する。商用交
流電源(図示せず)からのAC100Vの電圧は,トラ
ンス1でAC24Vに降圧された後,整流器2でDC2
4Vに変換され,コンデンサ3に充電される。この充電
電圧を24Vに一定に維持するために,整流器2のサイ
リスタの位相制御が行われている。 【0025】コンデンサ3に蓄えられたエネルギ−は,
パワ−トランジスタ4で電流が制御されて溶接電極5に
溶接電流が給電される。この溶接電極5が被溶接物に接
触すると,被溶接材料としてのプリント基板10と補修
用リボン11に溶接電流が流れ,ここにジュ−ル熱が発
生して抵抗溶接される。 【0026】この溶接電流の一部は,電流検出器20に
より検出され,この電流は帰還電流として電流帰還用増
幅器21IA 〜21IC へ帰還され,電流帰還用増幅器
21IC からは,アナログ出力端19に出力され,溶接
電流波形が観察される。その他の電流帰還用増幅器21
A の出力は,ホ−ルド端18を介して差動増幅器22
Aへ,電流帰還用増幅器21IB の出力は,ホ−ルド端
18を介してA/D変換器22Cへ入力され,デジタル
信号に変換されてCPU部22Dに入力される。 【0027】一方,溶接電極5では,ピックアップ用の
ワイヤ(図示せず)により,この溶接電極5に印加され
ている溶接電圧の一部が検出されて,この電圧は帰還電
圧として電圧帰還用増幅器21VA 〜21VC に帰還さ
れる。電圧帰還用増幅器21VC からは,アナログ出力
端19に出力され,溶接電圧波形が観察される。その他
の電圧帰還用増幅器21VA の出力はホ−ルド端18を
介して電圧・電流・電力制御部22の差動増幅器22A
へ,電圧帰還用増幅器21VB の出力は,ホ−ルド端1
8を介して同様に電圧・電流・電力制御部22のA/D
変換器22Cへ入力され,デジタル信号に変換されてC
PU部22Dに入力される。 【0028】 又,電流検出器20で検出された電流I
と溶接電極5に印加されている溶接電圧の一部として検
出された電圧Vは,乗算器21Mに入力され,この帰還
用の電圧Vと電流Iとの積である電力Wが算出される。
この帰還用の電力Wは電力帰還用増幅器21WA 〜21
WC に入力され,電力帰還用増幅器21WC からは,ア
ナログ出力端19に出力され,溶接電力波形が観察され
る。その他の電力帰還用増幅器21WA の出力は,ホ−
ルド端18を介して電圧・電流・電力制御部22の差動
増幅器22Aへ,電力帰還用増幅器21WB の出力は,
ホ−ルド端18を介して同様に電圧・電流・電力制御部
22のA/D変換器22Cへ入力され,デジタル信号に
変換されてCPU部22Dに入力され,記憶される。 【0029】 ここで,CPU部22Dには,溶接条件
設定部23からキ−スイッチ23Aにより最適な溶接条
件を示す電圧,電流,電力の値が初期設定されて,帰還
制御用の設定値として入力され,記憶されており,この
CPU部22Dに記憶されている帰還制御用の電流,電
圧,電力の各設定値は,同様に制御モードに応じて,C
PU部22Dでいずれか1つの設定値が選択出力され,
D/A変換器22Bでアナログ信号に変換されて,差動
増幅器22Aの他方の入力端に入力される。一方,増幅
乗算部21からの電圧V,電流I,電力Wの帰還値は,
溶接条件設定部23で選択された制御モードに応じて,
いずれか1つの値が帰還値として作動増幅器22Aの一
方の入力端に入力される。そして,差動増幅器22Aに
おいて,帰還制御用の設定値と帰還値とは比較され,そ
の差分が増幅されて,その結果はパワ−トランジスタ4
へゲ−ト信号として送出される。このように構成された
帰還系により,設定値と帰還値とが同一の値となるよう
パワートランジスタ4を介して帰還制御され,溶接状
態が制御される。 【0030】このように,この装置は,電圧制御,電流
制御,電力制御の3つの制御モードを備えており,必要
に応じていずれかの制御モ−ドを選択できるように構成
されている。従って,被溶接物の材質や用途により制御
モードが選択される。そこで,発明者等は,溶接性と制
御モ−ドとの比較実験を行った。以下,それについて表
1および図3〜図5に基づいて説明する。 【0031】 【表1】 【0032】上記,表1は銅リボンと銅パタ−ンとの溶
接性について測定した結果を示すもので,MIN.MA
X間が溶接可能な設定値(しきい値)の範囲を示してい
る。MIN以下では溶接できない状態となり,MAX以
上の値では溶断される。なお,溶接時間はアップスロ−
ブ5ms,溶接時間5msと設定されている。 【0033】図3はパタ−ン幅の変化による設定値の変
動率を示すグラフで,直線Eは電圧制御,直線Fは電流
制御,直線Gは電力制御の場合をそれぞれ示している。
この図に示すように,電流制御,電圧制御,電力制御の
各制御モ−ドにおける溶接性を比較すると,電流制御で
は,パタ−ン幅の変化に伴い溶接出来る電流値も大きく
変化している。これに対して,電圧制御では,パタ−ン
幅の変化に対して電圧値はほとんど変化していない。 【0034】以上の結果,プリント基板10(図7)の
パタ−ンを修復する場合には,パタ−ン幅の変換毎に設
定値を変える必要がなく,一定した溶接品質が得られる
のは電圧制御である。この電圧制御は,その他センサの
リ−ド(プラチナリ−ド)の溶接にも使用される。 【0035】図4はステンレスワイヤの溶接強度と引っ
張り強度との関係を示すグラフで,酸化の有無による溶
接性の相違を示しており,同一のエネルギ−条件で,試
料として,0.06Φのステンレスワイヤとワイヤとを
交差させ,1点で溶接する際,酸化しているものと酸化
していないものとで溶接強度の変化を測定した結果を示
している。直線Eは設定値1.25Vの時の電圧制御,
直線Fは設定値360Aの時の電流制御,直線Gは設定
値450Wの時の電力制御の場合をそれぞれ示してい
る。なお,アップスロ−ブ5ms,溶接時間5ms,ダ
ウンスロ−ブ5msで測定した。 【0036】この図から明らかであるように,電流制御
による溶接が最も強度が強く,ばらつきも少ない。電圧
制御の場合は,ステンレスの酸化したものに対して全く
溶接ができなかった。このような結果から電流制御は,
酸化膜や油膜等,接触抵抗にばらつきがあるものに適し
ている。 【0037】図5はヒ−タチップTに電流を流して発熱
させ,温度の変化を測定した結果を示すグラフで,直線
Eは設定値0.55Vの時の電圧制御,直線Fは設定値
309Aの時の電流制御,直線Gは設定値170Wの時
の電力制御の場合をそれぞれ示している。到達温度は約
200度,約2mΩのヒ−タチップTに50msの間,
300Aの大電流を流し,3秒おいて三度この大電流を
流すという連続実験を行った。なお,ヒ−タチップTの
材質はモリブデン製であり,このヒ−タチップTで,E
熱電対線により検出した温度を測定した。なお,アップ
スロ−ブ20ms溶接時間50msで測定した。 【0038】その結果,図5から明らかであるように,
電圧制御では到達温度は除々に下降し,電流制御の場合
には,到達温度が除々に上昇し,電力制御の場合には,
一番温度変化が少なく安定した結果が得られた。なお,
この電力制御の他の使用例としては,電子銃,ランプ,
ソ−ラバッテリの組み立て等に適している。 【0039】 【発明の効果】この発明は,パワートランジスタで電流
を制御して被溶接物を溶接するトランジスタ式の抵抗溶
接電源において,被溶接物の最適な溶接条件としての電
圧と電流と電力とを,それぞれ帰還制御用の設定値とし
て入力するとともに,電圧制御,電流制御,電力制御の
3つの制御モードを選択可能とするための溶接条件設定
部と,この溶接条件設定部からの帰還制御用の各設定値
を記憶するとともに,演算制御するCPU部と,パワー
トランジスタの出力側に接続されて,このパワートラン
ジスタからの電流を検出する電流検出器と,この電流検
出器を介してパワートランジスタの出力側に接続されて
いる溶接電極と,この溶接電極に印加される電圧を検出
する電圧検出部と,この電圧検出部で検出された電圧と
電流検出器で検出された電流とをそれぞれ増幅するとと
もに,この検出された電圧と電流とから電力を算出する
増幅乗算部と,3つの制御モードのいづれか1つの設定
により,この増幅乗算部からの電力,電圧と電流のうち
選択される1つの帰還値と,CPU部に記憶されている
帰還制御用の各設定値のうち選択される1つの設定値と
をそれぞれ比較制御して,この制御モード設定により
ワートランジスタを3つの制御モードのいずれかで制御
する電圧・電流・電力制御部とを備え,被溶接物に応じ
3つの制御モードの中から最適な制御モードを選択可
能とし,この選択された制御モードでパワートランジス
タを介して帰還制御するようにしたので,被溶接物に合
わせて最適な制御モードを選択することが出来,高品質
の溶接が可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施例を示す構成図である。 【図2】この発明の実施例を示すもので,図1の詳細構
成図である。 【図3】パタ−ン幅の変化による設定値の変動率を示す
グラフである。 【図4】ステンレスワイヤの溶接強度と引っ張り強度と
の関係を示すグラフである。 【図5】ヒ−タチップの温度変化を測定した結果を示す
グラフである。 【図6】従来例を示す構成図である。 【図7】従来例を示す説明図である。 【符号の説明】 4 パワ−トランジスタ 5 溶接電極 20 電流検出器 21 増幅乗算部 22 電圧・電流・電力制御部 22D CPU部 23 溶接条件設定部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 パワートランジスタで電流を制御して
    溶接物を溶接するトランジスタ式の抵抗溶接電源におい
    て,前記被溶接物の最適な溶接条件としての電圧と電流と電
    力とを,それぞれ帰還制御用の設定値として入力すると
    ともに,電圧制御,電流制御,電力制御の3つの制御モ
    ードを選択可能とするための 溶接条件設定部と,この溶接条件設定部からの 前記帰還制御用の設定値を記
    憶するとともに,演算制御するCPU部と, 前記パワートランジスタの出力側に接続されて,このパ
    ワートランジスタからの電流を検出する電流検出器と, この電流検出器を介して前記パワートランジスタの出力
    側に接続されている溶接電極と, この溶接電極に印加される電圧を検出する電圧検出部
    と, この電圧検出部で検出された電圧と前記電流検出器で検
    出された電流とをそれぞれ増幅するとともに,この検出
    された電圧と電流とから電力を算出する増幅乗算部と,前記3つの制御モードのいずれか1つの設定により,
    記増幅乗算部からの電力,電圧及び電流のうち選択され
    る1つの帰還値と,前記CPU部に記憶されている帰還
    制御用の各設定値のうち選択される1つの設定値とをそ
    れぞれ比較制御して,この制御モード設定により前記パ
    ワートランジスタを前記3つの制御モードのいずれかで
    制御する電圧・電流・電力制御部とを備え,前記被溶接物に応じて 前記3つの制御モードの中から最
    適な制御モードを選択可能とし,この選択された制御モ
    ードで前記パワートランジスタを介して帰還制御するこ
    とを特徴とする抵抗溶接電源。
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