JP7258445B2 - 抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法 - Google Patents

抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7258445B2
JP7258445B2 JP2020064453A JP2020064453A JP7258445B2 JP 7258445 B2 JP7258445 B2 JP 7258445B2 JP 2020064453 A JP2020064453 A JP 2020064453A JP 2020064453 A JP2020064453 A JP 2020064453A JP 7258445 B2 JP7258445 B2 JP 7258445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
pulse width
welding
inverter circuit
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020064453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021053698A (ja
Inventor
勇樹 大島
信浩 古瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Publication of JP2021053698A publication Critical patent/JP2021053698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7258445B2 publication Critical patent/JP7258445B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/10Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

本発明は、抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法に関する。
例えば、自動車の車体の組立工程では、重ね合わせた複数の鋼板を一対の電極で挟み込んで通電することにより、鋼板同士の接触部を抵抗発熱により溶融させてナゲットを形成する抵抗溶接(スポット溶接)が行われている。ナゲットの品質を検査する手段としては、例えば、ナゲットの近傍にタガネを打ち込んで鋼板同士の剥離強度を確認する方法が知られている。しかし、このような検査方法は手間がかかると共に、物理的にタガネが入り得る構造的制約が発生する部位もある。また、超音波や磁気を用いた非破壊検査もあるが、時間がかかるため、大量生産ラインでは全数への適用は困難である。以上より、より簡易にナゲットの品質を検査する手法が求められている。
例えば特許文献1には、一対の電極間に流れる電流の値と両電極間の電圧値とを測定し、これらの電流値及び電圧値から抵抗値を演算し、通電中の抵抗値の変化に基づいて溶接品質(接合強度)の良否を判定する方法が示されている。具体的には、通電開始直後は、金属板同士の接触部の温度上昇に伴って抵抗値が上昇し、ナゲットが形成されたら、ナゲットの成長に伴う通電面積の拡大により抵抗値が下降し、ナゲットの成長鈍化に伴って抵抗値が略一定となる(特許文献1の図3等参照)。このような通電時間に対する抵抗値の変化(波形)に基づいて、ナゲットの良否を判定している。
また、多数の点に抵抗溶接を行うと、繰り返しの通電により電極がダメージを受けて先端が変形するため、溶接部の抵抗が上昇しにくくなったり、上昇するタイミングがずれたりして、溶接品質に悪影響を与えることがある。例えば、下記の特許文献2には、一対の電極でテストピースを挟んだ状態で通電したときの電流値及び電圧値を測定し、これらの測定値に基づく抵抗値に基づいて、電極の形状を監視する方法が示されている。
特開2011-240368号公報 特開平11-104848号公報
上記の何れの方法も、電極間抵抗値(溶接電流経路の総抵抗値)の変化に基づいて、ナゲットの良否判定や電極形状の監視を行うものである。しかし、電極間抵抗値を測定するためには、電極間電圧を検出するためのセンサ及び配線や、このセンサで検出した電圧値をデジタル信号に変換する変換部、さらに、検出した電圧値等から抵抗値を算出する演算部を設ける必要があるため、コスト高を招く。また、電極と変換部とを接続する配線は、溶接装置の稼働に伴う意図しない接触等により切断する恐れがあるため、管理にもコストが必要となる。
本発明は、溶接部の通電状態(溶接電流経路の総抵抗値の変化)を監視する手法を低コスト化することで、これと相関のある項目の検査(例えば、溶接部の良否判定や電極形状の監視等)を低コスト化することを目的とする。
従来の一般的なスポット溶接設備は、図8に示すように、一対の電極101、102を有する溶接ロボット110と、タイマーコンタクター120と、ロボット制御部130とを備える。ロボット制御部130は、溶接ロボット110のロボットアーム104の動作及び加圧手段105の加圧力を制御する。タイマーコンタクター120は、溶接電源140から供給された交流を直流に変換するコンバータ回路121と、直流を交流に変換するインバータ回路122と、インバータ回路122の出力電流を制御する電流制御回路123と、インバータ回路122から出力された電流値を検出するセンサ124とを備える。電流制御回路123には、予め、複数種の溶接条件(電流値及び通電時間)が記憶され、ロボット制御部130から通電開始の指令と条件番号が伝達されたら、当該条件番号に該当する溶接条件で通電を行う。
電流制御回路123は、インバータ回路122への出力信号のパルス幅(スイッチング素子をオンにする時間)を調整することで、インバータ回路122の出力電流を制御する、いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うものである。従来、パルス幅の値自体を溶接工程の検査に活用することはなかったが、本発明者らは、制御装置(電流制御回路)で設定されたパルス幅を用いることで、トランスの二次側の電流値や電圧値を測定することなく、溶接部の通電状態(溶接通電経路の総抵抗値の変化)を推定できることに着目した。
具体的には、センサ124で検出した電流値の信号が電流制御回路123にフィードバックされ、この信号に基づいてパルス幅が設定されて、そのパルス幅の波形でスイッチング素子のオン・オフを切り替えるようにインバータ回路122が駆動される。例えば、図9(A)に示すように、ある時刻t1における溶接部の通電面積A1(すなわちナゲットの大きさ)が、予定された通電面積A0よりも小さい場合、溶接部に電流が流れにくくなるため、センサ124で検出した電流値が予定された電流値よりも小さくなろうとする。この信号を受けた電流制御回路123が、その後の時刻t2、t3・・・におけるパルス幅Wを大きくして(図9(B)の点線参照)、溶接トランス103に供給される電力量を増やすことで、予定された電流値を維持する。一方、図10(A)に示すように、ある時刻t1における溶接部の通電面積A1が予定された通電面積A0よりも大きい場合、溶接部に電流が流れやすくなるため、センサ124で検出した電流値が予定された電流値よりも大きくなろうとする。この信号を受けた電流制御回路123が、その後の時刻t2、t3・・・におけるパルス幅Wを小さくして(図10(B)の点線参照)溶接トランス103に供給される電力量を減らすことで、予定された電流値を維持する。以上により、溶接トランス103に予定された電流値が供給されるように、インバータ回路122が制御される。
このように、PWM制御を行う際には、パルス幅を変化させて、溶接トランス103に供給される電力量を調整することにより、電流値が所定値となるように制御している。言い換えると、パルス幅を監視し、図9(B)の点線のようにパルス幅が大きければ、その時刻(詳しくは、その直前の時刻)において溶接電流経路に電気が流れにくいことを表し、図10(B)の点線のようにパルス幅が予定よりも小さければ、その時刻(詳しくは、その直前の時刻)において溶接電流経路に電気が流れやすいことを表している。
以上より、本発明は、直流を交流に変換して溶接トランスに供給するインバータ回路と、前記インバータ回路から前記溶接トランスに供給される電流値を測定する電流検出部と、前記電流検出部で測定した電流値に基づいて、前記インバータ回路のスイッチング素子をオンにする時間であるパルス幅を設定する電流制御回路と、前記電流制御回路で設定されたパルス幅に関するパラメータを記録する記録部とを備えた抵抗溶接機の制御装置を提供する。
このように、電流制御回路で設定されたパルス幅に関するパラメータを記録部に記録することで、このパラメータを用いて、溶接部の通電状態(溶接通電経路の総抵抗値の変化)、ひいてはこれと相関のある通電面積の変化や電極形状の変化等を推定することができる。この場合、トランスの二次側の電圧を測定するための配線や変換機等を設ける必要がないため、低コスト化を図ることができる。また、PWM制御では、パルス幅を変化させることで電流値を一定に維持しようとするため、電流値が略一定である場合でも、パルス幅が変化している場合がある。従って、上記のようにパルス幅に関するパラメータを監視することで、電流値の変化にはほとんど表れない通電状態の僅かな変化も検知することができる。
ところで、安定した溶接を実現するために、一定の電流値で通電するのではなく、通電初期に電流値を徐々に増加させたり、電流値を段階的に上昇させながら通電したりする工夫がなされることがある。このように、通電途中に電流値を変化させる場合、電流値の変化に伴ってパルス幅が変動する。従って、パルス幅が変動している場合でも、その変動が、溶接電流経路の通電面積の変化(すなわち、ナゲットの成長)に起因するのか、あるいは電流値の変化に起因するのかが判別しにくい場合がある。
ここで、電流値I、電流密度J、及び通電面積Aとの間には、以下の関係式(1)が成り立つ。
I=J・A ・・・(1)
また、電流密度Jは、単位面積、単位時間当たりに流れる電気量(電荷)であり、次式のように定義できる。尚、αは係数、Wはパルス幅である。
J=α・W ・・・(2)
上記の式(1)(2)から、以下の式(3)(4)が成り立つ。
I=α・W・A ・・・(3)
Figure 0007258445000001
上記の式(4)より、通電面積Aは、パルス幅と電流値との比(I/W)に比例する。従って、パルス幅に関するパラメータとして、インバータ回路から溶接トランスに供給される電流値Iとパルス幅Wとの比(I/W)を含むパラメータを記録すれば、電流値Iの変化に関わらず、通電面積Aの変化を監視することができる。
溶接部の通電状態が変化して電流値が変化しようとした場合は、パルス幅を所定範囲よりも大きくあるいは小さくして電流の供給量を増減させることで、電流値を一定に維持しようとする。従って、パルス幅が所定範囲外となった回数が多ければ、溶接部の通電状態が不安定になっていると推定できる。従って、パルス幅に関するパラメータとして、パルス幅が所定範囲外となった回数を記録することで、溶接部の通電状態を監視することができる。
通電中、ナゲットが成長するにつれて、通電面積が拡大して溶接電流経路の総抵抗値が低下するため、ナゲットの成長の仕方によって、溶接電流経路の総抵抗値の変化のタイミングや変化量が異なる。従って、上記のパルス幅に関するパラメータにより、溶接電流経路の総抵抗値と相関のある溶接部の通電面積の変化を監視して、溶接部(ナゲット)の良否を判定することができる。
また、多数の溶接点に溶接を施すと、通電によるダメージを受けて電極の先端が摩耗するため、新品(研磨直後)の電極を用いて溶接した場合と、摩耗した電極を用いて溶接した場合とで、溶接電流経路の総抵抗値の変化のタイミングや変化量が異なる。従って、上記のパルス幅に関するパラメータにより、溶接電流経路の総抵抗値の変化と相関のある電極の形状を監視することができる。
以上のように、パルス幅に関するパラメータを記録することで、このパラメータに基づいて、別途のセンサや配線等を設けることなく、低コストに、溶接部の通電状態(溶接電流経路の総抵抗値の変化)を監視することができる。これにより、溶接電流経路の総抵抗値の変化と相関のある項目の検査(例えば、溶接部の良否判定や電極形状の監視等)を低コスト化することが可能となる。
スポット溶接設備の模式図である。 インバータ回路から溶接トランスに供給される電流値と時間との関係を示すグラフである。 パルス幅と時間との関係を示すグラフであり、(A)は良好な溶接部を形成した場合、(B)(C)は溶接不良であった場合を示す。 (A)は、他の例に係る、インバータ回路から溶接トランスに供給される電流値と時間との関係を示すグラフである。(B)は、(A)のパターンで通電した場合の、パルス幅と時間との関係を示すグラフである。 インバータ回路から溶接トランスに供給される電流値とパルス幅との比(I/W)と時間との関係を示すグラフであり、(A)は良好な溶接部を形成した場合、(B)(C)は溶接不良であった場合を示す。 他の実施形態に係るスポット溶接設備の模式図である。 電極の先端形状を示す側面図である。 従来のスポット溶接設備の模式図である。 (A)は溶接部が予定よりも小さい状態を示す断面図であり、(B)はそのときのパルス幅を示すグラフである。 (A)は溶接部が予定よりも大きい状態を示す断面図であり、(B)はそのときのパルス幅を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す抵抗溶接設備は、抵抗溶接機としての溶接ロボット10と、制御装置20とを備える。
溶接ロボット10は、一対の電極11、12を有する溶接ガン14と、一対の電極11、12間に溶接電流を供給する溶接トランス15と、先端に溶接ガン14が取り付けられたロボットアーム16とを備える。溶接ガン14は、一対の電極11、12が同軸上に配され、一方の電極11が加圧手段13で駆動されるダイレクトスポット溶接用の溶接ガンである。加圧手段13としては、例えばサーボモータが使用できる。一対の電極11、12で、鎖線で示す複数の金属板(例えば鋼板)の重合部を加圧挟持した状態で、溶接トランス15から供給された電流を一対の電極11、12間に流すことにより、両金属板同士の接触部が抵抗発熱により溶融してナゲットが形成される。尚、溶接ガンは上記に限らず、シリーズスポット溶接用の溶接ガンや、インダイレクトスポット溶接用の溶接ガンであってもよい。また、抵抗溶接機として、定位置に固定された定置式の抵抗溶接機や、作業者が手で持って移動させる可搬型の抵抗溶接機を用いてもよい。
制御装置20は、ロボット制御部30と、タイマーコンタクター40とを有する。尚、本実施形態では、ロボット制御部30を有する制御盤(制御装置20)に、タイマーコンタクター40が内蔵されている。
ロボット制御部30は、ロボットCPU基板31と、ロボット制御回路32と、タイマー基板33とを有する。ロボットCPU基板31には、予め、ロボットアーム16の各関節のモータ、及び、溶接ガン14の加圧手段13を制御するプログラムが組み込まれている。このプログラムに基づく指令がロボット制御回路32に伝達され、ロボットアーム16の各関節のモータ及び加圧手段13が駆動される。
タイマーコンタクター40は、溶接電源50から供給された交流を直流に変換するコンバータ回路41と、直流を高周波の交流に変換するインバータ回路42と、インバータ回路42の出力電流を制御する電流制御回路43と、インバータ回路42から出力した電流値を検出する電流検出部としてのセンサ44(例えばCTコイル)とを備える。電流制御回路43は、インバータ回路42のスイッチング素子(例えばIGBT)をオンにする時間(すなわち、パルス幅)を調整することで、インバータ回路42の出力電流を制御する。電流制御回路43には、予め、数種類の溶接条件(電流値及び通電時間)が記憶され、タイマー基板33から通電開始の指令と条件番号が伝達されたら、当該条件番号に該当する溶接条件で通電を行う。本実施形態では、図2に示すように、インバータ回路42から溶接トランス15に一定の電流値を供給する場合を示す。
電流制御回路43は、パルス幅を変えることで出力電力を制御する、いわゆるPWM制御を行うものである。具体的には、センサ44で検出した電流値の信号が電流制御回路43にフィードバックされ、この電流値に基づいて、電流制御回路43がパルス幅を自動的に調整することにより、溶接トランス15に供給される電流値が一定に維持される。例えば、通電が進むにつれて、金属板同士の接触部に形成される溶接部(ナゲット)が大きくなるため、電極11、12間の通電経路の面積が拡大する。これにより、電流が流れやすくなるため、溶接部を含む溶接トランス15の二次側の電流値、ひいては、インバータ回路42から溶接トランス15の一次側に供給される電流値が増大しようとする。この電流値の増大傾向をセンサ44が検知すると、これを電流制御回路43にフィードバックしてパルス幅を小さくすることで、溶接トランス15の一次側に供給される電流値の増大を抑えて、電流値が一定に維持される。従って、溶接部のナゲットが順調に成長し続けた場合は、図3(A)に示すように、電流制御回路43で設定されるパルス幅Wが徐々に小さくなる。
従来のスポット溶接設備では、パルス幅が記録されることはなく、その結果である電流値(図2参照)を監視するだけであった。これに対し、本発明では、図1に示すように、制御装置20のタイマー基板33に、電流制御回路43で設定したパルス幅の履歴を記録する記録部34が設けられる。この記録部34に、図3に示すようなパルス幅Wの履歴(時間経過に伴う変化)が記録され、この履歴に基づいて、通電中における溶接部の通電面積の変化を推定することができる。例えば、図3(A)に示すように、パルス幅Wが時間の経過と共に徐々に低下していれば、溶接部の通電面積が徐々に増えて溶接電流経路の総抵抗値が徐々に低下していること、すなわち、ナゲットが順調に成長していると推定できる。一方、図3(B)に示すようにパルス幅Wが略一定である場合や、図3(C)に示すようにパルス幅Wが途中まで低下した後一定となる場合は、通電面積の増大、すなわち、ナゲットの成長が不十分であると推定できる。
制御装置20のタイマー基板33には、記憶部34に記憶されたパルス幅の履歴に基づいて、溶接電極経路の総抵抗値の変化と相関のある項目を監視する監視部35が設けられ、本実施形態では、溶接品質の良否を監視する監視部35が設けられる。例えば、図3(A)~(C)の各グラフにおいて、パルス幅Wの通電時間に対する変化率(傾き)が負であれば、監視部35は、その時刻においてナゲットが成長していると判断する。従って、例えば、パルス幅Wの通電時間に対する変化率が負である期間が、通電時間全体に対して所定の割合(例えば80%)以上であれば、監視部35が、ナゲットが十分に成長して良好な溶接部が形成されたと判定する。あるいは、監視部35が、図3(A)~(C)に示すパルス幅Wの履歴と、基準となるパルス幅Wの履歴(例えば、良好な溶接部が形成されたときのパルス幅Wの履歴)とを比較し、これらの差が許容範囲内である場合は、良好な溶接部が形成されたと判定する。
本発明は上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の点については重複説明を省略する。
上記の実施形態では、溶接中の電流値が一定値である場合(図2参照)を示したが、これに限らず、溶接中の電流値を変化させてもよい。例えば図4(A)に示す通電パターンは、電流値を段階的に上昇させている。具体的に、この通電パターンは、電流値を徐々に上昇させるアップスロープI0、電流値I1で通電する第1通電区間、I1より高い電流値I2で通電する第2通電区間、I2より僅かに低い電流値I3で通電する第3通電区間、I3より高い電流値I4で通電する第4通電区間、I4よりも僅かに低い電流値I5で通電する第5通電区間、I5より高い電流値I6で通電する第6通電区間、I6よりも僅かに低い電流値I7で通電する第7通電区間を有する。
上記のように電流値を変化させながら通電する場合、電流値を変化させるとき(アップスロープI0、及び、通電区間の切り替え時)に、電流制御回路43がパルス幅Wを変化させる。従って、パルス幅Wの履歴は、図4(B)に示すように、電流値の変化の影響を受けた複雑な形状となる。この場合、パルス幅Wの履歴から、溶接部の通電面積を推定することは難しい。
従って、電流値を変化させながら通電する場合は、タイマー基板33に設けられた演算部(図示省略)が、各時刻における電流値Iと、記録部34に記録された各時刻におけるパルス幅Wとの比(I/W)を含むパラメータを算出し、このパラメータに基づいて、監視部35が溶接部の通電面積Aを監視することが好ましい。このときの電流値Iは、センサ44で検出した電流値(実測値)でもよいし、指定された条件の電流値(指令値)でもよい。上記の式(4)からI/W=A・αが成り立つため、I/Wにより溶接部の通電面積Aを直接的に監視することができる。
例えば、図5(A)は、良好な溶接部が形成された場合のI/Wの履歴を示している。このグラフでは、I/W(すなわち、通電時間A)が時間の経過に伴って徐々に上昇し続けている。従って、溶接中のI/Wの履歴を記録し、I/Wが徐々に上昇し続けていれば、通電面積Aが上昇し続けており、ナゲットが成長し続けていると推定できる。
これに対し、図5(B)及び(C)は、溶接部が不良であった(ナゲット径が所定値に達しなかった)場合のI/Wの履歴を示している。これらの例では、I/Wが通電初期のみ(図5(B)参照)、あるいは、通電前半のみ(図5(C)参照)において上昇し、その後は略一定である。これらの場合、通電初期あるいは通電前半ではナゲットが成長しているが、その後はナゲットが成長していないと推定できる。
以上のように、パラメータI/Wの履歴に基づいて、監視部35が溶接部の通電面積Aを監視することで、溶接部の良否を判定することができる。例えば、タイマー基板33に設けられた演算部(図示省略)が、I/Wが漸次増加している領域において、I/Wの最大値とI/Wのグラフとで囲まれた領域(図5(A)~(C)に点線で示す領域)の面積を計算し、この面積が所定値以上であれば溶接部が良好であると判定し、所定値未満であれば溶接部が不良であると判定する。この他、I/Wの通電時間に対する変化率が正である期間の通電時間全体に対する割合や、I/Wの実際の履歴と基準の履歴との比較結果を、良否判定基準としてもよい。
また、パルス幅に関するパラメータとして、パルス幅が最大値あるいは最小値となった回数を、記録部34に記録してもよい。例えば、図4に示す通電パターンの各通電区間において、溶接部の通電面積が予定より小さい場合は、パルス幅を所定範囲よりも大きくして電流供給量を増やすことで電流値を一定に維持しようとする。また、各通電区間において溶接部の通電面積が予定より大きい場合は、パルス幅を所定範囲よりも小さくして電流供給量を減らすことで電流値を一定に維持しようとする。従って、各通電区間においてパルス幅が所定範囲外となった回数が、予め設定した上限値よりも多ければ、溶接部の通電面積が不安定になっていると推定できる。このように、各通電区間においてパルス幅が所定範囲外となった回数に基づいて、溶接部の通電状態を監視することができる。
また、図6に示すように、電極11、12の位置及び加圧力を制御するロボット制御部30と、溶接電流を制御する電流制御部とを別個に設けてもよい。この場合、電流制御部が「制御装置20」として機能する。電流制御部(制御装置20)は、タイマーコンタクター40とタイマー基板33とを有する。タイマー基板33には、電流制御回路43で設定したパルス幅に関するパラメータを記録する記録部34が設けられ、この記録部34に記録されたパラメータに基づいて、溶接部の良否を判定することができる。
ところで、電極11、12の先端形状は、通常、先細り形状となっており、例えば図7に示すように、球面の先端に微小な平坦部17を有している。このような電極11、12を用いて多数の点にスポット溶接を行うと、点線で示すように電極11、12の先端が摩耗し、平坦部17の大きさ(直径)が大きくなる(D1→D1’)。この場合、電極11、12と金属板との接触面積が増加し、この接触部の抵抗値は低下するが、電極11、12による加圧領域の面積が大きくなり、金属板同士の接触部に電流が集中せず、ナゲットが成長しにくいため、結果的に溶接電流経路の総抵抗値は高いままで維持される。このように、摩耗していない電極(図7の実線参照)で溶接を施した場合と、摩耗した電極(図7の点線参照)で溶接を施した場合とでは、溶接電流経路の総抵抗値の変化の態様が異なる。
そこで、打点ごとのパルス幅Wに関するパラメータに基づいて、打点ごとの溶接電流経路の総抵抗値を監視すれば、電極形状の監視を行うことができる。具体的には、例えば、多数の溶接点に関するパルス幅Wに関するパラメータを記録部34に記録し、この記録部34に記録されたパラメータに基づいて電極の先端形状を監視する監視部35を、タイマー基板33に設けることができる。
10 溶接ロボット(抵抗溶接機)
11、12 電極
13 加圧手段
14 溶接ガン
15 溶接トランス
16 ロボットアーム
20 制御装置
30 ロボット制御部
31 ロボットCPU基板
32 ロボット制御回路
33 タイマー基板
34 記録部
35 監視部
40 タイマーコンタクター
41 コンバータ回路
42 インバータ回路
43 電流制御回路
44 センサ(電流検出部)
50 溶接電源
パルス幅

Claims (4)

  1. 直流を交流に変換して溶接トランスに供給するインバータ回路と、前記インバータ回路から前記溶接トランスに供給される電流値を測定する電流検出部と、前記電流検出部で測定した電流値に基づいて、前記インバータ回路のスイッチング素子をオンにする時間であるパルス幅を設定する電流制御回路と、前記電流制御回路で設定されたパルス幅に関するパラメータを記録する記録部とを備え
    前記パラメータが、前記インバータ回路から前記溶接トランスに供給される電流値と前記パルス幅との比を含む抵抗溶接機の制御装置。
  2. 直流を交流に変換して溶接トランスに供給するインバータ回路と、前記インバータ回路から前記溶接トランスに供給される電流値を測定する電流検出部と、前記電流検出部で測定した電流値に基づいて、前記インバータ回路のスイッチング素子をオンにする時間であるパルス幅を設定する電流制御回路と、前記電流制御回路で設定されたパルス幅の履歴を記録する記録部とを備えた抵抗溶接機の制御装置。
  3. インバータ回路から溶接トランスに供給される電流値に基づいて、インバータ回路のスイッチング素子をオンにする時間であるパルス幅を制御しながら溶接を行うに際し、溶接部の通電状態を監視するための方法であって、
    前記パルス幅に関するパラメータに基づいて溶接部の通電状態を監視し、
    前記パラメータが、前記インバータ回路から前記溶接トランスに供給される電流値と前記パルス幅との比を含む溶接部の通電状態監視方法。
  4. 請求項3に記載の方法により取得された溶接部の通電状態に基づいて、溶接部の良否を判定する溶接部の良否判定方法。
JP2020064453A 2019-09-30 2020-03-31 抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法 Active JP7258445B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019179761 2019-09-30
JP2019179761 2019-09-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021053698A JP2021053698A (ja) 2021-04-08
JP7258445B2 true JP7258445B2 (ja) 2023-04-17

Family

ID=75269290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020064453A Active JP7258445B2 (ja) 2019-09-30 2020-03-31 抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7258445B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007097368A (ja) 2005-09-30 2007-04-12 Tdk Corp スイッチング電源装置
JP2019081178A (ja) 2017-10-27 2019-05-30 株式会社向洋技研 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3259011B2 (ja) * 1995-08-02 2002-02-18 ミヤチテクノス株式会社 インバータ式抵抗溶接制御方法及び装置
JP3259013B2 (ja) * 1995-08-10 2002-02-18 ミヤチテクノス株式会社 インバータ式抵抗溶接電源装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007097368A (ja) 2005-09-30 2007-04-12 Tdk Corp スイッチング電源装置
JP2019081178A (ja) 2017-10-27 2019-05-30 株式会社向洋技研 溶接システム及び溶接システムにおける溶接電流通流経路上の異常検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021053698A (ja) 2021-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102222977B1 (ko) 전압 및 전류 피드백으로부터 아크 길이의 추출
EP3160675B1 (en) System and method for controlling wire feed speed
EP0080514B1 (en) Method and apparatus for controlling resistance welding
US8357870B1 (en) Intelligent stepper welding system and method
CN102139405A (zh) 电阻焊接方法
CN109483033B (zh) 电阻焊接方法和电阻焊接装置
ES2650397T3 (es) Método de supervisión de la vida útil de la punta de contacto de soldadura GMAW pulsada en función de parámetros representativos
EP0739259B1 (en) Power monitor for current controlled resistance welder
EP3676040B1 (en) Systems and method for adaptive control of wire preheating
US20080237303A1 (en) Decision method for dressing of welding electrodes
EP2686128B1 (en) Method and apparatus to maintain welding current to compensate for deterioration of welding contact tip
JP7258445B2 (ja) 抵抗溶接機の制御装置、溶接部の通電状態監視方法及び良否判定方法
US20210379689A1 (en) Control device, control system, welding system, control method, method for manufacturing joined body, and storage medium
US20110233174A1 (en) Spot welding method
KR20170097514A (ko) 스폿용접기용 적응제어용접에서의 초기펄스 인가시스템
JP7245591B2 (ja) インダイレクトスポット溶接方法
CA3111754C (en) Spot welding method
JP7158144B2 (ja) 溶接装置
JP2021159953A (ja) 溶接部の通電状態監視方法及び抵抗溶接機の制御装置
JP2011240368A (ja) 溶接の品質判定方法および溶接の品質判定システム
JP4642267B2 (ja) パルスアーク溶接の溶接安定性判定装置
JP5787696B2 (ja) 溶接方法及びその装置
JP2019150833A (ja) 抵抗溶接方法
JP2009028786A (ja) 抵抗ろう付けの良否判定方法およびその装置
JP3223065B2 (ja) 抵抗溶接の予備通電制御装置および予備通電条件決定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7258445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150