発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、図面は、実施形態の説明のため、実際の寸法、形状と適宜変更して示している。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る回転機構を示す断面図である。図2は、実施形態1に係る回転機構の第1構造体の上面図である。図1は、回転機構1の回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1を切った断面を示している。図1の矢印Gで示す方向は、重力の作用する方向である。回転機構1は、回転を伝達する機械要素であり、例えば、工作機械、真空チャンバ等の特殊環境下で使用される搬送装置、半導体製造装置又はフラットパネルディスプレイ製造装置等に適用される。ここでは、一例として、回転機構1が、スピンドルを回転軸として備えるスピンドルユニットである場合を説明するが、回転機構1の適用対象はこれに限定されるものではない。
回転機構1は、ハウジング2と、シャフト4と、軸受7A、7B、7Cと、回転体としての第1回転部材5Aと、回転体としての第2回転部材5Bと、第1開口11Aと、第2開口11Bとを含む。ハウジング2は、軸受7A、7B、7C及び電動機3等を収容する部材である。本実施形態において、ハウジング2は、筒状の部材である本体部2Sと、本体部2Sの一端部に設けられた第1構造体2FAと、本体部2Sの他端部に設けられた第2構造体2FBとを有する。本体部2S、第1構造体2FA及び第2構造体2FBは、ハウジング2の一部である。本実施形態において、本体部2Sは円筒形状の部材であり、一端部から他端部、すなわち第1構造体2FAから第2構造体2FBに向かう貫通孔2SIを有している。
第1構造体2FAは、第1部材2FASと、第2部材2FARとを有し、これらが組み合わせられた構造体である。第2構造体2FBは、第1部材2FBSと、第2部材2FBRとを有し、これらが組み合わせられた構造体である。第1構造体2FA及び第2構造体2FBは、いずれも板状の部材である。本実施形態において、第1構造体2FA及び第2構造体2FBの形状は、平面視が円形であるが、これらの形状は円形に限定されない。
第1構造体2FAが有する第1部材2FAS及び第2部材2FARは、いずれも環状の部材である(図2参照)。第2部材2FARは、第1部材2FASの一端部からこれに取り付けられ、第1部材2FASの径方向外側に設けられる。第2構造体2FBが有する第1部材2FBS及び第2部材2FBRは、いずれも環状の部材である。第2部材2FBRは、第1部材2FBSの径方向内側に取り付けられる。
第1構造体2FAは、シャフト4の回転中心軸Zrを含み、かつ厚さ方向に貫通する第1孔2HAを有している。第1孔2HAの径方向において、第1構造体2FAの第1部材2FASと第2部材2FARとの間には、所定の隙間12Aが設けられている。この隙間12Aは、第1構造体2FAの、第1回転部材5A側と対向する面2FAPに開口している。この開口が第1開口11Aである。第1開口11Aは、第1回転部材5Aと対向している。第2部材2FARの内周面には、周方向に沿って溝9Aが設けられている。溝9Aは、隙間12Aと接続している。溝9Aは、第1気体通路10Aと接続している。
第2構造体2FBは、シャフト4の回転中心軸Zrを含み、かつ厚さ方向に貫通する第2孔2HBを有している。第2孔2HBの径方向において、第2構造体2FBの第1部材2FBSと第2部材2FBRとの間には、所定の隙間12Bが設けられている。この隙間12Bは、第2構造体2FBの、第2回転部材5B側と対向する面2FBPに開口している。この開口が第2開口11Bである。第2開口11Bは、第2回転部材5Bと対向している(図1参照)。第1部材2FBSの内周面には、周方向に沿って溝9Bが設けられている。溝9Bは、隙間12Bと接続している。溝9Bは、第2気体通路10Bと接続している。
シャフト4は、回転機構1の出力軸であり、ハウジング2、より具体的にはハウジング2の第1構造体2FAが有する第1孔2HA及び第2構造体2FBが有する第2孔2HBの両方に挿入される。
軸受7Aは、ハウジング2、本実施形態では第1構造体2FAの第1部材2FASの内周部に、環状の予圧部材8を介して設置されてシャフト4を回転可能に支持する。軸受7B、7Cは、ハウジング2、本実施形態では本体部2Sの第2回転部材5B側の内周部に設置されて、シャフト4を回転可能に支持する。軸受7B、7Cはシャフト4の第2端部4TB側に取り付けられる。本実施形態において、シャフト4は、3個の軸受7A、7B、7Cによってハウジング2に支持されるが、軸受の数は3個に限定されない。
軸受7A、7B、7Cは、外輪7aと、転動体7bと、内輪7cとを含む。内輪7cは、外輪7aの径方向内側に配置される。このように、本実施形態において、軸受7A、7B、7Cは、いずれも転がり軸受である。転動体7bは、外輪7aと内輪7cとの間に配置される。軸受7Aは、ハウジング2が有する第1構造体2FAの第1部材2FASの内壁に外輪7aが接している。軸受7B、7Cは、ハウジング2の本体部2Sが有する貫通孔2SIの内壁に外輪7aが接している。このような構造により、軸受7A、7B、7Cは、ハウジング2に取り付けられる。本実施形態において、軸受7A、7B、7Cは、いずれも玉軸受であるが、転がり軸受としての軸受7A、7B、7Cの種類は玉軸受に限定されない。また、本実施形態において、軸受7A、7B、7Cは、いずれも転がり軸受であるが、滑り軸受、静圧軸受又は磁気軸受であってもよい。静圧軸受は、例えば、第1構造体2FAの第1部材2FASが有する第1孔2HAの内周面に、第1孔2HAの周方向に沿った排気溝を設け、第2構造体2FBの第2部材2FBRが有する第2孔2HBの内周面に、第2孔2HBの周方向に沿った排気溝を設けることにより実現できる。
第1回転部材5Aは、シャフト4の第1端部4TAに設けられてシャフト4とともに回転する。本実施形態において、第1回転部材5Aは、第1支持部材6Aを介してシャフト4に取り付けられている。第2回転部材5Bは、第2支持部材6Bを介してシャフト4に取り付けられている。第2回転部材5Bは、シャフト4の第2端部4TBに設けられてシャフト4とともに回転する。このように、第1回転部材5A及び第2回転部材5Bは、シャフト4とともに回転する。
第1回転部材5Aは、第1構造体2FAの側部と所定の大きさの第1隙間13Aを有して対向する。本実施形態において、第1回転部材5Aは、第1構造体2FA側の外周部が、第1構造体2FAの第2部材2FAR側まで延在した張出部5FAを有している。この張出部5FAと第2部材2FARとが、第1回転部材5Aの回転中心軸Zr方向において重なっている。第1隙間13Aは、張出部5FAと第2部材2FARとが重なった部分において、第1構造体2FAの第2部材2FARの側部2FRASと第1回転部材5Aの張出部5FAの内周部5WIとが対向した部分である。
第2回転部材5Bは、ハウジング2と所定の大きさの第2隙間13Bを有して対向する。本実施形態において、ハウジング2が有する第2構造体2FBの第1部材2FBSは、第2回転部材5B側の側部が、第2回転部材5B側まで延在した張出部2FBEを有している。この第1部材2FBSの張出部2FBEと第2回転部材5Bとが、第2回転部材5Bの回転中心軸Zrに垂直な方向において重なっている。第2隙間13Bは、第2回転部材5Bと第1部材2FBSの張出部2FBEとが重なった部分において、第2回転部材5Bの側部5BEと、第2構造体2FBが有する第1部材2FBSの張出部2FBEの内周面2FBIとが対向した部分である。
第1回転部材5Aは、シャフト4の第1端部4TAとは反対側の面5APSに物体が載置される。本実施形態において、第1回転部材5Aは、板状の部材であって平面視が円形である。第1回転部材5Aは、ハウジング2の第1構造体2FAに設けられた第1孔2HAの径方向外側まで張り出している。第1孔2HAの径方向外側まで張り出した部分は、図1に示すように、ハウジング2と所定の隙間14Aを有して対向している。隙間14Aは、ハウジング2の第1部材2FAS及び第2部材2FARの第1回転部材5Aと対向する面2FAPと、第1回転部材5Aの第1構造体2FAと対向する面5APRとの間に形成される。
第2回転部材5Bは、シャフト4の第2端部4TBとは反対側の面5BPSに物体が載置される。本実施形態において、第2回転部材5Bは、板状の部材であって平面視が円形である。第2回転部材5Bは、ハウジング2の第2構造体2FBに設けられた第2孔2HBの径方向外側まで張り出している。第2孔2HBの径方向外側まで張り出した部分は、図1に示すように、ハウジング2と所定の隙間14Bを有して対向している。隙間14Bは、ハウジング2の第1部材2FBS及び第2部材2FBRの第2回転部材5Bと対向する面2FBPと、第2回転部材5Bの第2構造体2FBと対向する面5BPRとの間に形成される。
第1気体通路10Aは、ハウジング2の第1回転部材5Aと対向する部分、より具体的にはハウジング2の第1構造体2FAの第2部材2FARに設けられる。第1気体通路10Aは、第1構造体2FAの第2部材2FARの側部2FYAに開口している。第2気体通路10Bは、ハウジング2の第2回転部材5Bと対向する部分、より具体的にはハウジング2の第2構造体2FBの第1部材2FBSに設けられる。第2気体通路10Bは、第2構造体2FBの第1部材2FBSの側部2FYBに開口している。
第1気体通路10A及び第2気体通路10Bは、給気装置50と接続されている。給気装置50は、第1気体通路10A及び第2気体通路10Bを介して、溝9A及び溝9Bに気体(本実施形態では空気)を供給する。給気装置50は、例えば、ポンプである。第1気体通路10Aからの気体は、第1開口11Aから隙間14Aに流出し、第1隙間13Aに供給される。第2気体通路10Bからの気体は、第2開口11Bから隙間14Bに流出し、第2隙間13Bに供給される。第1隙間13A及び第2隙間13Bに気体が供給され、この気体がハウジング2の外部に流出することにより、ハウジング2の内部と外部とを封止(シール)する。
本実施形態において、回転機構1が有する第1気体通路10A及び第2気体通路10Bはそれぞれ1個であるが、これらの数は限定されない。回転機構1がそれぞれ複数の第1気体通路10A及び第2気体通路10Bを有する場合、これらは、回転中心軸Zrの周りに等間隔で設けられることが好ましい。
ハウジング2の内部には、電動機3が設けられている。電動機3は、ローター3Rと、ローター3Rの径方向外側に設けられたステーター3Sとを含む。ステーター3Sは、本体部2Sが有する貫通孔2SIの内壁に取り付けられる。ローター3Rは、シャフト4の第1端部4TAと第2端部4TBとの間に設けられる。このような構造により、ローター3Rとシャフト4と第1回転部材5Aと第2回転部材5Bとは、一体となって回転中心軸Zrの周りを回転する。本実施形態において、電動機3の形式は問わない。
本実施形態では、第1孔2HA及び第2孔2HBを通過する気体により、軸受7A、7B、7Cの発塵を回収する。貫通孔2SI内が密封されると、第1孔2HA及び第2孔2HBを気体が通過しにくくなるので、貫通孔2SI内が密閉されないようにする。ハウジング2の本体部2Sは、外部と貫通孔2SIとを接続して、貫通孔2SI内の気体をハウジング2の外部に排出する排気通路19を有している。排気通路19は、ハウジング2の本体部2Sにおいて、電動機3のステーター3Sよりも上方に設けられており、貫通孔2SIの径方向に延びて、本体部2Sの内面及び外面に開口する。排気通路19は、排気装置51と接続されている。排気装置51は、例えば、真空ポンプである。
排気通路19は、第1気体通路10Aからの気体が、第1開口11Aから第1隙間13Aに供給される部分と、第2気体通路10Bからの気体が、第2開口11Bから第2隙間13Bに供給される部分との間に設けられている。すなわち、排気通路19は、第1回転部材5Aとハウジング2とが封止された部分と、第2回転部材5Bとハウジング2とが封止された部分との間に配置される。ハウジング2内部の気体、具体的には、本体部2Sの内周面と、シャフト4の外周面と、電動機3のローター3Rと、軸受7Aと、軸受7B、7Cとで囲まれた空間の気体が、排気通路19から排気される。これにより、軸受7A、7B、7C及び電動機3の発塵は、ハウジング2内部の気体とともに排気通路19から排気装置51に排気される。これにより、ハウジング2内部の発塵が外部に流出することが抑制される。
本実施形態においては、前述したように、第1開口11A及び第2開口11Bから流出した気体が、第1隙間13A及び第2隙間13Bに供給された後、ハウジング2の外部に流出する。さらに、ハウジング2内部の気体は、排気通路19から排気装置51に排気される。このため、回転機構1の外部からシャフト4とハウジング2との間への異物の侵入、軸受7A、7B、7Cへの異物の侵入及びハウジング2の内部からの発塵が、その外側に流出することが抑制される。ハウジング2の内部からの発塵は、例えば、軸受7A、7B、7Cからの発塵及び電動機3からの発塵がある。
また、回転機構1の起動時において、シャフト4が停止した状態で、排気通路19からハウジング2内部の気体の排気が開始される。これにより、ハウジング2内部の発塵が排気された状態で、シャフト4等の回転が開始されるため、回転機構1の起動時における、ハウジング2内部の発塵の流出が抑制される。
なお、回転機構1の稼働中、すなわちローター3Rとシャフト4と第1回転部材5Aと第2回転部材5Bとが回転している間、ハウジング2内部の気体が排気される。
回転機構1の停止時には、排気通路19からハウジング2内部の気体が排気された状態で、シャフト4等の回転を停止させる。シャフト4等の回転が停止した後に、ハウジング2内部の気体の排気を停止する。これにより、シャフト4等が回転している間は確実にハウジング2内部の気体が排気されるため、回転機構1の停止時における、ハウジング2内部の発塵の流出が抑制される。
なお、排気通路19には絞り弁が設けられると好ましい。この絞り弁は、排気通路19を通過する気体の流量を制御するので、ハウジング2内部の発塵の流出を抑制しつつ、第1気体通路10A及び第2気体通路10Bから供給される気体の供給量の増加が抑制される。
回転機構1は、軸受7A、7B、7Cに、転がり軸受又は滑り軸受等のように、気体供給を必要としない機械式の軸受を用いることができる。軸受7A、7B、7Cに転がり軸受を用いると、第1回転部材5A及び第2回転部材5Bに搭載される物体からの荷重以外に起因する理由による、隙間14A、14B方向におけるシャフト4の変位が抑制される。
本実施形態において、第1隙間13Aの大きさtsaは、第1開口11Aの幅ta、すなわち第1孔2HAの径方向における第1開口11Aの寸法よりも大きい。第1開口11Aの幅taは、隙間12Aの幅に等しい。第2隙間13Bの大きさtsbは、第2開口11Bの幅tb、すなわち第2孔2HBの径方向における第2開口11Bの寸法よりも大きい。第2開口11Bの幅tbは、隙間12Bの幅に等しい。このように、第1隙間13Aの大きさtsaを第1開口11Aの幅taよりも大きく、第2隙間13Bの大きさtsbを第2開口11Bの幅tbよりも大きくすることで、第1開口11Aから流出した気体を効率よく第1隙間13Aに、第2開口11Bから流出した気体を効率よく第2隙間13Bに導いて、封止効果を確実に発揮させることができる。
第1開口11A及び第2開口11Bには、例えば、気体軸受のスロット絞りが利用できる。第1開口11Aの幅ta及び第2開口11Bの幅tbは、例えば、数μm〜数十μm程度である。第1隙間13Aの大きさtsa及び第2隙間13Bの大きさtsbは、第1開口11Aの幅ta及び第2開口11Bの幅tbの大きさによって異なる。第1開口11A及び第2開口11Bには、例えば、多孔質絞り又は自成絞り等、静圧軸受用の様々な絞り形式を用いることができる。
第1開口11A及び第2開口11Bは、第1孔2HA及び第2孔2HBの周方向に沿って形成されている。このため、第1開口11Aは、第1回転部材5Aと第1構造体2FAとの間に、これらの周方向に向かって均一に気体を噴射することができ、第2開口11Bは、第2回転部材5Bと第2構造体2FBとの間に、これらの周方向に向かって均一に気体を噴射することができる。気体を均一に噴射させることを目的として、第1開口11Aの幅ta及び第2開口11Bの幅tbを大きくしたい場合には、隙間12A及び隙間12Bに流入する気体の流量を抑制するための調整機器を、第1気体通路10A及び第2気体通路10B又はこれらに接続された通路に設けることができる。
第1開口11A及び隙間12Aは、第1構造体2FAの第1部材2FASと第2部材2FARとの間に形成される。すなわち、第1開口11A及び隙間12Aは、2つの部材の間に形成される。第2開口11B及び隙間12Bは、第2構造体2FBの第1部材2FBSと第2部材2FBRとの間に形成される。すなわち、第1開口11A及び隙間12A並びに第2開口11B及び隙間12Bは、2つの部材の間に形成される。このように、第1開口11A及び第2開口11Bは、回転体と筐体との間の隙間から気体を流出させるものではない。このため、第1構造体2FAの第1部材2FAS及び第2部材2FAR並びに第2構造体2FBの第1部材2FBSと第2部材2FBRについて、これらの寸法精度の管理及び円筒度等の幾何公差を緩和できる。その結果、第1構造体2FA及び第2構造体2FBの製造コストを低減できる。また、2つの部材を嵌め合いにより結合する等によって、第1開口11A及び隙間12A並びに第2開口11B及び隙間12Bを形成することで、これらの寸法の管理も比較的容易になる。さらに、第1構造体2FA及び第2構造体2FBを2つの部材から形成することにより、部品の交換も容易になる。
また、封止すべきハウジング2の外部の雰囲気に対して、耐食性の観点で優れた材料であるが、加工性の観点から採用できない材料を採用することができる。例えば、第1構造体2FAにおいて、これまで採用できなかった耐食性に優れた材料を、ハウジング2の外側に設けられる第2部材2FARに適用したり、第2構造体2FBの第1部材2FBSに適用したりすることができる。
封止機能を発揮する第1隙間13Aは、第1回転部材5Aの張出部5FAと第1構造体2FAの第2部材2FARとが重なった部分である。封止機能を発揮する第2隙間13Bは、第2回転部材5Bの側部5BEと第2構造体2FBが有する第1部材2FBSの張出部2FBEの内周面2FBIとが重なった部分である。隙間12Aは第1開口11Aからの気体の供給量を、隙間12Bは第2開口11Bからの気体の供給量を低減する。
回転機構1は、第1隙間13A及び第2隙間13Bによって、給気装置50からの気体の供給が停止した場合でも、液体等の浸入を抑制できる。ハウジング2の外部から第1回転部材5A及び第2回転部材5Bに液体等が吹き付けられた場合も同様である。また、回転機構1は、第1隙間13A及び第2隙間13Bによって、排気装置51の排気が停止した場合でも、ハウジング2内部の発塵の流出を抑制できる。
本実施形態において、第1隙間13Aが設けられている第1回転部材5Aは、第2隙間13Bが設けられている第2回転部材5Bよりも上に配置される。すなわち、第1回転部材5Aは、重力の作用方向とは反対側に、第2回転部材5Bは重力の作用方向側に配置される。このように配置すると、第1回転部材5A側の第1隙間13Aに液体等が流入した場合、重力の作用により第1隙間13Aの下方(重力が作用する方向側)から液体が排出されやすくなる。また、第2回転部材5B側の第2隙間13Bは、第2回転部材5Bの、シャフト4の第2端部4TBとは反対側の面5BPSが下方を向いている。このため、第2隙間13Bに液体等が流入した場合、重力の作用により第2隙間13Bから液体が排出されやすくなる。さらに、給気装置50からの気体の供給が停止した場合でも、液体等の浸入を抑制できる。
(回転機構の作動方法)
次に、本実施形態の回転機構の作動方法について、図3から図5を参照して説明する。図3は、実施形態1に係る回転機構の作動方法を説明するためのブロック図である。図4は、実施形態1に係る回転機構の起動時における作動方法を説明するためのフローチャートである。図5は、実施形態1に係る回転機構の停止時における作動方法を説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、回転機構1、給気装置50及び排気装置51に駆動信号を出力し、回転機構1の電動機3の回転、給気装置50の給気、排気装置51の排気等の各種制御を行う制御装置55が設けられている。制御装置55は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)に限らず、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)、ノートブックPC、タブレットPC、スマートフォン等であってもよく、有線又は無線で回転機構1等と接続可能となっている。
制御装置55は、回転機構1の回転検出部33からシャフト4の回転に関する情報を受け取る。回転検出部33は、図1に示すように、ハウジング2の本体部3Sの内周面に取り付けられて、シャフト4と対向する。制御装置55は、シャフト4の回転に関する情報に基づいて、駆動回路54に駆動信号を出力して、電動機3の駆動を制御する。また、制御装置55は、給気装置50の給気の制御および排気装置51の排気の制御を行う。なお制御装置55は、回転機構1のハウジング2内部の雰囲気に関する情報を雰囲気検出部34から受け取って、上記の各種制御を行ってもよい。雰囲気検出部34は、ハウジング2内部の発塵量を検出するパーティクルカウンタや、真空度を検出する真空計を用いることができる。また、ハウジング2内部の発塵量や真空度と、排気装置51の排気時間との相関についての情報に基づいて、タイマーを用いて所定の排気時間で給気装置50及び排気装置51の制御を行ってもよい。
回転機構1の起動時において、制御装置55は、回転検出部33から情報を受け取って、シャフト4の回転が停止しているかどうか、すなわち電動機3が停止しているかどうかを確認する(図4、ステップS11)。シャフト4の回転が停止していない場合(ステップS11、No)、駆動回路54への駆動信号を停止信号により停止し、電動機3を停止させ(ステップS17)、電動機3の停止を確認する。電動機3が停止し、シャフト4の回転が停止している場合(ステップS11、Yes)、制御装置55は、排気装置51に駆動信号を出力し、ハウジング2内部の気体の排気を開始する(ステップS12)。排気装置51により、ハウジング2内部の気体とともに発塵が排出される。
制御装置55は、雰囲気検出部34からハウジング2内部の雰囲気の情報を受け取り、発塵量又は真空度が所定の条件を満たすか判断する(ステップS13)。ハウジング2内部の発塵量又は真空度が所定の条件を満たしていない場合(ステップS13、No)、排気装置51は排気を継続する。発塵量又は真空度が所定の条件を満たした場合(ステップS13、Yes)、制御装置55は、給気装置50に駆動信号を出力し、給気装置50は、第1気体通路10A及び第2気体通路10B(図1参照)に給気を開始する(ステップS14)。第1気体通路10Aからの気体は、第1開口11Aから隙間14Aに流出し、第1隙間13Aに供給される。第2気体通路10Bからの気体は、第2開口11Bから隙間14Bに流出し、第2隙間13Bに供給される。第1隙間13A及び第2隙間13Bに気体が供給され、この気体がハウジング2の外部に流出することにより、ハウジング2の内部と外部とが封止(シール)される。
なお、図3に示すように、給気装置50と回転機構1の間に給気量を調整するためのバルブ50aが設けられている。給気装置50の給気開始の際に、バルブ50aの制御が行われ、給気圧力が緩やかに上昇することが好ましい。また、バルブ50aと給気通路10A(図1参照)及びバルブ50aと給気通路10B(図1参照)との間に、気体を貯留するエアタンク50b等の空間を設けてもよい。これにより、制御装置55からの制御信号に対して、ハウジング2内部に供給される気体の圧力が緩やかに上昇する1次遅れ系で気体が供給されるため、ハウジング2内部の圧力の急激な変動が抑制される。同様に、排気装置51と回転機構1との間に排気量を調整するためのバルブ51aが設けられている。排気装置51の排気開始の際に、バルブ51aの制御が行われ、緩やかに排気が行われることが好ましい。
排気装置51の排気と、給気装置50の給気とを継続しつつ、制御装置55は、雰囲気検出部34からの情報に基づいて、ハウジング2内部の気体の流れが安定するかどうかを判断する(ステップS15)。発塵量又は真空度が所定の範囲内でない場合(ステップS15、No)、排気装置51の排気と、給気装置50の給気とを継続し、発塵量又は真空度が所定の範囲内に収まっている場合(ステップS15、Yes)、制御装置55は、駆動回路54に駆動信号を出力し、電動機3の駆動を開始させる(ステップS16)。これにより、シャフト4とともに第1回転部材5A及び第2回転部材5B(図1参照)が回転する。なお、本実施形態の回転機構1の作動方法において、電動機3の停止を確認するステップS11や、ハウジング2内部の雰囲気を判断するステップS13及びステップS15は、適宜省略してもよい。
以上のように、本実施形態の回転機構1は、起動時において、シャフト4が停止した状態で、排気通路19からハウジング2内部の気体の排気が開始される。これにより、シャフト4の回転前に、ハウジング2内部の発塵が排気装置51に排出され、ハウジング2内部の雰囲気が安定した状態からシャフト4の回転が開始される。したがって、回転機構1の起動時における、ハウジング2内部の発塵の流出が抑制される。
次に、回転機構1の停止時において、制御装置55は、駆動回路54への駆動信号を停止し、電動機3を停止させる(図5、ステップS21)。制御装置55は、回転検出部33の情報からシャフト4の停止を確認した後(図5には省略して示す)、給気装置50の給気を停止させる(ステップS22)。排気装置51の排気は、シャフト4の回転時から継続している。制御装置55は、雰囲気検出部34からの情報を受け取ってハウジング2内部の雰囲気が所定の条件を満たすかどうか判断する(ステップS23)。ハウジング2内部の雰囲気が所定の条件を満たさない場合(ステップS23、No)、排気装置51の排気を継続し、ハウジング2内部の雰囲気が所定の条件を満たした場合(ステップS23、Yes)、制御装置55は、排気装置51の排気を停止する(ステップS24)。
以上のように、本実施形態の回転機構1は、停止時において、排気通路19からハウジング2内部の気体が排気された状態で、シャフト4の回転が停止する。その後、ハウジング2内部の雰囲気が安定してから排気装置51による排気を停止する。このため、電動機3や軸受7A、7B、7Cの発塵が抑制された状態で、排気が停止されるため、回転機構1の停止時における、ハウジング2内部の発塵の流出が抑制される。
なお、回転機構1を工作機械、真空チャンバ等の特殊環境下で使用される搬送装置、半導体製造装置等に適用した場合、第1回転部材5A及び第2回転部材5Bを回転させて対象物の搬送、製造等を行う各工程ごとに上記の起動方法及び停止方法を実行してもよい。
(実施形態1の変形例)
図6は、実施形態1の変形例に係る回転機構を示す断面図である。図6は、回転機構1aの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1aを切った断面を示している。実施形態1の回転機構1は、図1に示すように、第2構造体2FBの第2部材2FBRがハウジング2aの本体部2Sの端部と接しているが、本変形例の回転機構1aは、第2構造体2FBaの第2部材2FBRaが、張出部2FBFを介してハウジング2aの本体部2Sと接している点が異なる。張出部2FBFは、第2構造体2FBaの第1部材2FBSaの本体部2S側と接する部分において、径方向内側に張り出している部分である。このような構造であっても回転機構1aは、回転機構1と同様の作用及び効果が得られる。また、回転機構1aは、張出部2FBFが、回転中心軸Zr方向における第2構造体2FBaの第2部材2FBRaの位置決めをすることもできる。
以上説明したように、実施形態1及びその変形例の回転機構1、1aは、回転部分を気体によって封止するにあたって、ハウジング2a内部の発塵の流出を抑制することが可能である。また、回転機構1、1aは、シャフト4の両側に回転体を取り付けて回転させるものに適している。実施形態1及びその変形例の構成は、以下の実施形態においても適宜適用することができる。この場合、実施形態1及びその変形例の一部の構成のみを適用してもよいし、すべての構成を適用してもよい。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る回転機構を示す断面図である。図7は、回転機構1bの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1bを切った断面を示している。回転機構1bは、第1孔2HAと第1開口11Aとの間における第1回転部材5Abとハウジング2bとの間は、第1孔2HAの径方向における第1開口11Aの寸法、すなわち幅taよりも小さい部分18A(以下、適宜小隙間部分18Aという)を含む。また、第2孔2HBと第2開口11Bとの間における第2回転部材5Bbとハウジング2bとの間は、第2孔2HBの径方向における第2開口11Bの寸法、すなわち幅tbよりも小さい部分18B(以下、適宜小隙間部分18Bという)を含む。
第1構造体2FAb側の小隙間部分18Aは、第1構造体2FAbの第1部材2FASbと第1回転部材5Abとの間の隙間である。小隙間部分18Aの大きさ、すなわち、第1部材2FASbの面2FAPと第1回転部材5Abの面5APRとの間隔は、tcである。第2構造体2FBb側の小隙間部分18Bは、第2構造体2FBbの第2部材2FBRbと第2回転部材5Bbとの間の隙間である。小隙間部分18Bの大きさ、すなわち、第2部材2FBRbの面2FBPと第2回転部材5Bbの面5BPRとの間隔は、tdである。
回転機構1bは、第1構造体2FAb側の小隙間部分18Aと第1開口11Aとの間に、小隙間部分18Aよりも大きい隙間を有する大隙間部分15Aを有する。大隙間部分15Aの大きさはteである。大隙間部分15Aは、第1隙間13Aと接続している。また、回転機構1bは、第2構造体2FBb側の小隙間部分18Bと第2開口11Bとの間に、小隙間部分18Bよりも大きい隙間を有する大隙間部分15Bを有する。大隙間部分15Bの大きさはtfである。大隙間部分15Bは、第2隙間13Bと接続している。
第1回転部材5Ab側において、大隙間部分15Aの大きさteと、第1開口11Aの幅taと、小隙間部分18Aの大きさtcとの関係は、te>ta>tcとなる。第2回転部材5Bb側において、大隙間部分15Bの大きさtfと、第2開口11Bの幅tbと、小隙間部分18Bの大きさtdとの関係は、tf>tb>tdとなる。
前述したように、第1開口11Aの幅ta及び第2開口11Bの幅tbは数μm〜数十μmである。小隙間部分18Aの大きさtc及び小隙間部分18Bの大きさtfは数μm〜20μm程度であり、大隙間部分15Aの大きさte及び大隙間部分15Bの大きさtfは、数十μmよりも大きい。
第1開口11Aから大隙間部分15Aに流出した気体は、第1隙間13Aに供給されて、この部分を封止する。第2開口11Bから大隙間部分15Bに流出した気体は、第2隙間13Bに供給されて、この部分を封止する。回転機構1bは、ハウジング2bの外部環境の異常等によって第1回転部材5Abと第1構造体2FAbとの間又は第2回転部材5Bbと第2構造体2FBbとの間に液体が蓄積される可能性がある。
回転機構1bは、小隙間部分18A及び小隙間部分18Bが封止機能を発揮するので、第1隙間13A及び第2隙間13Bから大隙間部分15A及び大隙間部分15Bに液体が浸入した場合でも、この液体がシャフト4の部分まで到達することを抑制できる。特に、第1開口11A及び第2開口11Bに対する気体の供給が停止した場合にもシャフト4の部分への液体の浸入を効果的に抑制できるので好ましい。
回転機構1bは、第1回転部材5Abとハウジング2bとの間に小隙間部分18Aを含み、第2回転部材5Bbとハウジング2bとの間に小隙間部分18Bを含む。このため、第1回転部材5Abとハウジング2bとの隙間及び第2回転部材5Bbとハウジング2bとの隙間からハウジング2b内部の発塵が流出することを抑制しつつ、排気装置51によりハウジング2b内部の気体を排気通路19から排出して、ハウジング2b内部の発塵の流出を抑制することができる。
以上説明したように、実施形態2の回転機構1bは、回転部分を気体によって封止するにあたって、ハウジング2b内部の発塵の流出を抑制することが可能である。また、回転機構1bは、シャフト4の両側に回転体を取り付けて回転させるものに適している。実施形態2の構成は、以下の実施形態においても適宜適用することができる。この場合、実施形態2の一部の構成のみを適用してもよいし、すべての構成を適用してもよい。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る回転機構を示す断面図である。図8は、回転機構1cの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1cを切った断面を示している。前述した回転機構1及び回転機構1b等は、回転中心軸Zrと平行な方向に延在する第2隙間13Bを有していた。実施形態3の回転機構1cは、第2回転部材5Bcの面5BPRと、ハウジング2cの第2構造体2FBcの面2FBPとの間に、第2隙間13Bcを有している。すなわち、回転機構1cは、回転中心軸Zrと交差(この例では直交)する方向に延在する第2隙間13Bcを有している点が異なる。
例えば、第1部材2FBScは高強度が必要である。第2部材2FBRcは液体に接触する可能性が高いことから耐食性等が必要である。第2隙間13Bcを、回転中心軸Zrと交差(この例では直交)する方向に延在させることにより、第2構造体2FBcの第1部材2FBScと第2部材2FBRcとに、それぞれが必要とする特性を有する材料を用いることができる。この例では、第1部材2FBScに高強度材料を、第2部材2FBRcに耐食性の高い材料を用いることができる。その結果、第2構造体2FBcの性能が向上する。
本実施形態において、第2回転部材5Bcは、部材5BIと、部材5BJとを有する。部材5BIはシャフト4に取り付けられ、部材5BJは部材5BIの外側に取り付けられる。第2開口11Bは、部材5BJと対向する位置に設けられる。シャフト4に取り付けられる部材5BIは、外側に部材5BJが取り付けられるため、回転機構1cの外部の環境には直接接触しない。部材5BJは、回転機構1cの外部の環境に直接接触するので、耐食性が要求される。部材5BIは、シャフト4からの回転力が伝達されるため強度が要求される。
第2回転部材5Bcが、2つの部材5BI及び5BJで形成されることにより、それぞれの部材5BI及び5BIに適した性質を有する材料を用いることができる。この例では、部材5BIに高強度材料を、部材5BJに耐食性の高い材料を用いることができる。その結果、第2回転部材5Bcの性能が向上する。第2回転部材5Bcの直径DRは、第2構造体2FBcの直径DSよりも大きいが、両者の大きさは、これに限定されない。また、本実施形態では、第2隙間13Bcを、回転中心軸Zrと交差する方向に延在させたが、図1に示す第1隙間13Aを回転中心軸Zrと交差(例えば直交)する方向に延在させてもよい。
(変形例)
図9は、実施形態3の変形例に係る回転機構を示す断面図である。図9は、回転機構1dの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1dを切った断面を示している。回転機構1dは、第1回転部材5Adの張出部5FAdを、ハウジング2dの本体部2Sdまで延在させている。このような構造により、第1隙間13Aは、張出部5FAdの内周部5WIと、第1構造体2FAdの第1部材2FASdの側部2FSAS及び第2部材2FARdの側部2FRASとの間に形成される。
ハウジング2dの本体部2Sdの第2回転部材5Bd側における端部は、第2回転部材5Bdの位置まで張り出す張出部2SHdを有している。張出部2SHdの内周部2SIには、第2構造体2FBdの第1部材2FBSd及び第2部材2FBRdが取り付けられる。第2回転部材5Bdの直径DRは、張出部2SHdの内径DIよりも小さい。このため、第2回転部材5Bdの側部5BEdは、張出部2SHdの内周部2SIと対向する。第2回転部材5Bdと第2構造体2FBdの第2部材2FBRdとの間に、第2隙間13Bdが形成される。
このような構造により、第1開口11A及びこれに接続される隙間12A並びに第2開口11B及びこれに接続される隙間12Bを形成するための部品の材料を選定する際の自由度を向上させることができる。前述した部品は、第1構造体2FAdの第1部材2FASd及び第2部材2FARd並びに第2構造体2FBdの第1部材2FBSd及び第2部材2FBRdである。
第1気体通路10Adは、第1開口11A及び隙間12Aと接続され、ハウジング2dの本体部2Sdの外周に開口する。第2気体通路10Bdは、第2開口11B及び隙間12Bと接続され、張出部2SHdの外周に開口する。第1気体通路10Ad及び第2気体通路10Bdに給気装置50が接続される。排気通路19は、ハウジング2dの本体部2Sdの第1気体通路10Aと異なる位置に設けられ、排気装置51が接続される。例えば、排気通路19は、ハウジング2dの本体部2Sdの、第1気体通路10Adの開口位置と反対側の外周に開口してもよい。
以上説明したように、実施形態3及びその変形例の回転機構1c、1dは、回転部分を気体によって封止するにあたって、ハウジング2d内部の発塵の流出を抑制することが可能である。また、回転機構1c、1dは、シャフト4の両側に回転体を取り付けて回転させるものに適している。実施形態3及びその変形例について説明したが、実施形態3及びその変形例の構成は、以下の実施形態においても適宜適用することができる。この場合、実施形態3及びその変形例の一部の構成のみを適用してもよいし、すべての構成を適用してもよい。
(実施形態4)
図10は、実施形態4に係る回転機構を示す断面図である。図10は、回転機構1eの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1eを切った断面を示している。実施形態4の回転機構1eは、ハウジング2eの第1隙間13Aと隣接する部分に、第1孔2HAの周方向に沿った溝16を有し、第2回転部材5Beの第2隙間13Bと隣接する部分に、第2孔2HBの周方向に沿った溝17を有する点が、前述した実施形態1の回転機構1と異なる。溝16は、回転中心軸Zrの方向において、第1回転部材5Aeの張出部5FAeの位置まで延在している。本実施形態において、第2回転部材5Beは、部材5BIe及び部材5BJeの2つから形成されるが、第2回転部材5Beは1つの部材であってもよい。
実施形態1から実施形態3において、回転機構1、1b、1c、1dは、いずれも回転中心軸Zrが重力の作用する方向と平行になるように設置される。本実施形態において、回転機構1eは、回転中心軸Zrが重力の作用する方向と交差(本実施形態では直交)するように設置される。ハウジング2eの外部雰囲気中に液体が含まれていると、第1隙間13A及び第2隙間13Bに液体が溜まる可能性がある。このため、回転機構1eは、ハウジング2eの第1隙間13Aと隣接する部分、本実施形態では第1構造体2FAeが有する第2部材2FAReに、溝16を有する。また、回転機構1eは、第2回転部材5Beの第2隙間13Bと隣接する部分、本実施形態では第2構造体2FBeが有する第1部材2FBSeと対向する部分に、溝17を有する。
溝16は、第1隙間13Aに溜まった液体をハウジング2eの外部に排出する。溝17は、第2隙間13Bに溜まった液体をハウジング2eの外部に排出する。その結果、第1隙間13A及び第2隙間13Bに液体が溜まることを抑制できる。
第1気体通路10Ae及び第2気体通路10Beは、ハウジング2eの重力の作用方向とは反対側に開口して給気装置50に接続され、排気通路19はハウジング2eの重力の作用方向とは反対側に開口して排気装置51に接続される。第1気体通路10Ae、第2気体通路10Be及び排気通路19が、重力の作用方向とは反対側に開口するため、液体や発塵が通路内に溜まることを抑制できる。なお、第1気体通路10Ae、第2気体通路10Be及び排気通路19の開口位置は、適宜変更してもよい。
実施形態4の回転機構1eは、回転部分を気体によって封止するにあたって、ハウジング2e内部の発塵の流出を抑制することが可能である。また、回転機構1eは、シャフト4の両側に回転体を取り付けて回転させるものに適し、特に、回転中心軸Zrが重力の作用方向と交差する場合に好適である。実施形態4について説明したが、実施形態4の構成は、以下の実施形態においても適宜適用することができる。この場合、実施形態4の一部の構成のみを適用してもよいし、すべての構成を適用してもよい。
(実施形態5)
図11は、実施形態5に係る回転機構を示す断面図である。図11は、回転機構1fの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1fを切った断面を示している。実施形態5の回転機構1fは、第1構造体2FAfが有する第1部材2FARfと第2部材2FASfとが、それぞれの外周部で接している。第2部材2FASfは、径方向外側に、周方向に沿って延在する環状の溝9Afを有している。第1部材2FARfと第2部材2FASfとは、第1部材2FARfの面2FARPと第2部材2FASf面の2FASPとが溝9Afの径方向外側で接している。
第1部材2FARfと第2部材2FASfとの間には、第1絞り部30Aが形成される。第1絞り部30Aは、2つの部品、すなわち第1部材2FARfと第2部材2FASfとの間に形成されて、回転機構1fの回転中心軸Zrと直交する方向に延在している。第1部材2FARfは、第1絞り部30Aを形成するために、面2FARPの部分と面2FARPよりも径方向内側の部分とに段差を有している。第1絞り部30Aは、第1構造体2FAfの径方向内側で隙間12Aと接続し、第1構造体2FAfの径方向外側で溝9Afと接続している。溝9Afは、第1気体通路10Aと接続している。このような構造により、給気装置50から供給された気体は、第1気体通路10A及び溝9Afを通って第1絞り部30Aに流入する。第1絞り部30Aに流入した気体は、隙間12Aを通って、第1開口11Aから流出する。第1絞り部30Aの間隔は、数μm〜数十μm程度であり、隙間12Aの間隔よりも小さい。
回転機構1fは、本体部2Sfの第2構造体2FBfが取り付けられている側の端部に、一部が回転中心軸Zr方向に向かって突出した突起部2STが設けられる。この突起部2STの外側に、第2構造体2FBfが取り付けられる。第2構造体2FBfの面2FBPfの一部と、本体部2Sfの第2構造体2FBfが取り付けられている側の端面2SPの一部とは、それぞれの径方向外側で接している。端面2SPと第2構造体2FBfとの間には、第2絞り部30Bが形成される。第2絞り部30Bは、本体部2Sfと第2構造体2FBfとの間に形成されて、回転機構1fの回転中心軸Zrと直交する方向に延在している。第2構造体2FBfは、第2絞り部30Bを形成するために、面2FBPfの部分と面2FBPfよりも径方向内側の部分とに段差を有している。第2絞り部30Bの間隔は、数μm〜数十μm程度であり、隙間12Bの間隔よりも小さい。
第2構造体2FBfは、径方向外側に、周方向に沿って延在する環状の溝9Bfを有している。第2絞り部30Bは、第2構造体2FBfの径方向内側で隙間12Bと接続し、第2構造体2FBfの径方向外側で溝9Bfと接続している。溝9Bfは、第2気体通路10Bと接続している。このような構造により、給気装置50から供給された気体は、第2気体通路10B及び溝9Bfを通って第2絞り部30Bに流入する。第2絞り部30Bに流入した気体は、隙間12Bを通って、第2開口11Bから流出する。又、ハウジング2f内部の気体は、排気通路19を通って排気装置51から排気される。
回転機構1fは、第1絞り部30Aを形成するために、第1部材2FARfには面2FARPの平面度及び段差のみが要求され、第2部材2FASfには面2FASPの平面度のみが要求される。第2構造体2FBfは、第2絞り部30Bを形成するために、面2FBPfの平面度及び段差のみが要求される。このため、回転機構1fは、第1部材2FARf、第2部材2FASf及び第2構造体2FBfの直径公差の管理が不要になるので、部品精度の管理項目が少なくて済むという利点がある。その結果、歩留まりが向上する。
(変形例)
図12は、実施形態5の変形例に係る回転機構を示す断面図である。図12は、回転機構1gの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1gを切った断面を示している。この変形例の回転機構1gは、第1部材2FARgと第2部材2FASgとの間に第1スペーサ31Aを備え、本体部2Sと第2構造体2FBgとの間に第2スペーサ31Bを備える点が、実施形態5の回転機構1fと異なる。回転機構1gは、第1スペーサ31A及び第2スペーサ31Bの厚みによって第1絞り部30A及び第2絞り部30Bが形成される。回転機構1gは、例えば、使用用途に応じて第1スペーサ31A及び第2スペーサ31Bの厚みを変更することにより、第1絞り部30A及び第2絞り部30Bの大きさを変更することができる。
回転機構1gは、第1スペーサ31A及び第2スペーサ31Bによって第1絞り部30A及び第2絞り部30Bを形成するため、第1部材2FARgには面2FARPの平面度のみが要求され、第2部材2FASgには面2FASPの平面度のみが要求される。第2構造体2FBgは、第2絞り部30Bを形成するために、面2FBPgの平面度のみが要求される。このため、回転機構1gは、第1部材2FARg、第2部材2FASg及び第2構造体2FBgの直径公差の管理が不要になるので、部品精度の管理項目がさらに少なくて済むという利点がある。その結果、歩留まりがさらに向上する。
(実施形態6)
図13は、実施形態6に係る回転機構を示す断面図である。図13は、回転機構1hの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1hを切った断面を示している。実施形態6において、ハウジング2hの本体部2Sは、シャフト4の第2端部4TB側に第3部材2Tが設けられている。すなわち、シャフト4の第1端部4TAには、シャフト4とともに回転する第1回転部材5Ahが設けられているが、シャフト4の第2端部4TBには回転部材が設けられていない点で実施形態1から実施形態5と異なる。ハウジング2hの第1構造体2FAと第1回転部材5Ahとの間を封止する構造は、実施形態1と同様である。
第1気体通路10Aは、給気装置50と接続されている。給気装置50は、第1気体通路10Aを介して、溝9Aに気体(本実施形態では空気)を供給する。第1気体通路10Aからの気体は、第1開口11Aから隙間14Aに流出し、第1隙間13Aに供給される。第1隙間13Aに気体が供給され、この気体がハウジング2hの外部に流出することにより、ハウジング2hの内部と外部とを封止(シール)する。
本体部2Sに設けられた排気通路19は、排気装置51と接続されている。排気通路19は、第1構造体2FAと第1回転部材5Ahとの間が封止された部分と、ハウジング2hの第3部材2Tとの間に設けられている。軸受7A、7B、7Cの発塵は、ハウジング2h内部の気体とともに排気通路19から排気装置51に排気される。これにより、ハウジング2h内部の発塵が外部に流出することが抑制される。
したがって、シャフト4の片側に回転体を取り付けて回転させる回転機構1hにおいても、回転部分を気体によって封止するにあたって、ハウジング2h内部の発塵の流出を抑制することが可能である。なお、ハウジング2hの第1構造体2FAと第1回転部材5Ahとの間を封止する構造は、実施形態1と同様であるが、実施形態2から実施形態5を適用してもよい。
(実施形態7)
図14は、実施形態7に係る回転機構を示す断面図である。図14は、回転機構1iの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1iを切った断面を示している。実施形態7の回転機構1iは、第1回転部材5Aiが板状の部材であって平面視が円形である。ハウジング2iが有する第1構造体2FAの第1部材2FASは、第1回転部材5Ai側まで延在した張出部2FAEを有している。
第1部材2FASの張出部2FAEと、第1孔2HAの径方向外側まで張り出した部分の第1回転部材5Aiとの間に第1隙間13Aが形成される。第1隙間13Aは、第1回転部材5Aiと第1部材2FASの張出部2FAEとが重なった部分において、第1回転部材5Aiの側部と、第1構造体2FAが有する第1部材2FASの張出部2FAEの内周面とが対向した部分である。すなわち、ハウジング2iの第1構造体2FAと第1回転部材5Aiとの間を封止する構造は、図1に示す、実施形態1のハウジング2の第2構造体2FB及び第2回転部材5Bと同様である。また、ハウジング2iの本体部2Sは、シャフト4の第2端部4TB側に第3部材2Tが設けられている。
したがって、シャフト4の片側に回転体を取り付けて回転させる回転機構1iにおいても、回転部分を気体によって封止するにあたって、ハウジング2i内部の発塵の流出を抑制することが可能である。なお、ハウジング2iの第1構造体2FAと第1回転部材5Aiとの間を封止する構造は、実施形態1と同様であるが、実施形態2から実施形態5を適用してもよい。
(実施形態8)
図15は、実施形態8に係る回転機構を示す断面図である。図15は、回転機構1jの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1iを切った断面を示している。実施形態8の回転機構1jにおいて、シャフト4の第1端部4TAに設けられた第1回転部材5Jは、板状の部材であって平面視が円形である。第1回転部材5Jは、ハウジング2jの第1部材2Bに設けられた第1孔2BHの径方向外側まで張り出している。第1孔2BHの径方向外側まで張り出した部分5Fは、ハウジング2jの第1部材2Bと所定の隙間を有して対向している。
第1部材2Bの第1回転部材5Jと対向する面2BSと、第1回転部材5Jの第1部材2Bと対向する面5SAとの間に隙間が形成される。この隙間が、ハウジング2jの内部と外部との間を封止するシール部となる。隙間の大きさは、例えば、数μmから数十μmの大きさである。
第1部材2Bに、気体通路25が設けられており、気体通路25は、第1部材2Bの第1回転部材5Jと対向する面2BSに設けられた溝22に開口し、第1部材2Bの側部に接続される。気体通路25には排気装置52が接続されている。排気装置52は、気体通路25内の気体を吸引して排出する。これにより、第1回転部材5Jとハウジング2jの第1部材2Bとの間の隙間が封止される。排気装置52は、例えば、ポンプである。
本実施形態において、軸受7Dの内輪7cがシャフト4の第1端部4TA側に設けられた環状のスペーサ29と接している。軸受7Dは、外輪7aがハウジング2jの第1部材2Bに接する。また、軸受7Dの内輪7cと軸受7Eの内輪7cとが接する。軸受7Eの内輪7cに環状のスペーサ4Sが接触した状態で、スペーサ4S側からシャフト4にロックナット4Nがねじ込まれる。
ハウジング2jが有する第2部材2Cは、本体部2Aの第1回転部材5Jと反対側の端部に取り付けられる。第2部材2Cは、厚み方向に貫通する給気口2CSを有している。給気口2CSには、送風装置53が接続されており、給気口2CSから、ハウジング2j内部に気体(本実施形態では空気)が供給される。この気体により、電動機3、軸受7D、7Eが冷却される。このため、回転機構1jは、シャフト4の熱変形を抑制することができる。シャフト4の熱変形が抑制されることにより、回転機構1jは、シャフト4を高速で回転させることができる。
本実施形態において、排気通路19は、第1回転部材5Jとハウジング2jの第1部材2Bとの間の隙間が封止された部分と、ハウジング2jが有する第2部材2Cとの間に設けられている。本体部2Aの内周面、シャフト4の外周面、電動機3のローター3R、軸受7D、7E、及び第2部材2Cで囲まれた空間の気体が、排気通路19から排気される。電動機3等を冷却するための気体が供給される場合であっても、ハウジング2jの本体部2Aに設けられた排気通路19から、ハウジング2j内部の気体が排気装置51に排気される。これにより、電動機3、軸受7D、7Eの発塵も排気通路19から排出されることとなり、ハウジング2j内部の発塵が外部に流出することを抑制することができる。
なお、本実施形態の回転機構1jの起動時において、排気装置51がハウジング2j内部の気体の排気を開始した後、排気装置52が気体通路25内の気体を排気して、回転機構1j内部の気体が、第1回転部材5Jとハウジング2jの第1部材2Bとの間より外部へ流出しないようにする。この状態にて、送風装置53からハウジング2j内部に気体が供給される。このように起動することにより、ハウジング2j内部の発塵の流出を抑制することができる。
(実施形態9)
図16は、実施形態9に係る回転機構を示す断面図である。図16は、回転機構1kの回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面で回転機構1kを切った断面を示している。実施形態9の回転機構1kは、気体通路25と、給気通路26を備える。気体通路25は、隙間20とハウジング2kの外側とを接続して、隙間20の部分の気体をハウジング2kの外部に通過させる。給気通路26は、隙間20とハウジング2kの外側とを接続し、気体通路25よりも第1孔2BHkの径方向外側から、隙間20の部分に気体を供給する。
気体通路25及び給気通路26は、第1部材2Bkの第1回転部材5Kと対向する面2BSと、面2BSとつながる側部2BEとを接続し、第1部材2Bkを貫通している。気体通路25には排気装置52が接続されており、第1回転部材5Kと第1部材2Bkとの隙間20の部分の気体を排気する。給気通路26には給気装置50が接続されており、給気通路26は、第1回転部材5Kと第1部材2Bkとの隙間20の部分に気体を供給する。
本実施形態において、第1回転部材5Kの、ハウジング2kの第1部材2Bkと対向する面5Akには、第1溝28と第2溝27とが設けられる。第1溝28及び第2溝27は、いずれも第1孔2BHkの周方向に沿って延在する。第2溝27は、第1溝28よりも第1孔2BHkの径方向外側に設けられている。本実施形態において、第1溝28と第2溝27とは、いずれも回転中心軸Zrを中心とする同心円となっている。
気体通路25の開口7Hは第1溝28と対向し、給気通路26の開口26Hは第2溝27と対向する。本実施形態において、第1溝28及び第2溝27は、いずれも回転部材5Kに設けられているが、ハウジング2kが備える第1部材2Bkに設けられていてもよい。
給気通路26の第1部材2Bkの開口26Hは、気体通路25の第1部材2Bkの開口7Hよりも第1孔2BHkの径方向外側に開口している。このような構造により、回転機構1kは、給気装置50によって、給気通路26から第2溝27を介して隙間20に供給される気体によって、隙間20及び第2溝27の径方向内側へ、ハウジング2kの外部から液体等の異物が侵入することを抑制できる。排気装置52は、気体通路25及び第1溝28を介して給気通路26から隙間20に供給される高圧の気体を吸引して、ハウジング2kの外部に排出する。このため、回転機構1kは、ハウジング2kの内部の軸受7D、7Eに、給気通路26からの高圧の気体が流入することを抑制することができる。さらに、ハウジング2kの本体部2Aに設けられた排気通路19からハウジング2k内部の気体が排気装置51に排気されるため、軸受7D、7E等の発塵が外部に流出することを抑制することができる。
回転機構1kは、第1溝28及び第2溝27を有していなくてもよい。しかし、回転機構1kは、第1溝28及び第2溝27を有することにより、第1回転部材5k及びハウジング2kの第1部材2Bkの周方向全域にわたって、効率よく隙間20に高圧の気体を行き渡らせ、かつ隙間20から効率よく気体を排出できるので好ましい。
本実施形態において、第1溝28の幅Wiは、第2溝27の幅Woよりも大きい。このようにすることで、気体通路25は、第1溝28の径方向において、広い領域から隙間20の気体を吸引できるので、第1溝28を越えて、液体又は気体等が軸受7D、7E側に向かうことを効果的に抑制することができる。
第2溝27の径方向外側の隙間20は、第2溝27の径方向内側の隙間よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、回転機構1kは、第2溝27に供給された気体を、ハウジング2kの外部に効率よく放出させることができる。
回転機構1kは、ハウジング2kの内部を封止する性能が高いので、シャフト4に液体が吹き付けられるような環境で使用される場合に好ましい。また、回転機構1kは、ハウジング2kの周囲から吸引される気体又は液体が、ハウジング2kの第1部材2Bk又は第1回転部材5Kの表面に堆積することにより隙間20が小さくなるような環境で使用される場合にも好適である。
以上、実施形態1から実施形態9を説明したが、前述した内容により実施形態1から実施形態9が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施形態1から実施形態9の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。