JP2010045905A - モータ一体型の磁気軸受装置 - Google Patents

モータ一体型の磁気軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010045905A
JP2010045905A JP2008207631A JP2008207631A JP2010045905A JP 2010045905 A JP2010045905 A JP 2010045905A JP 2008207631 A JP2008207631 A JP 2008207631A JP 2008207631 A JP2008207631 A JP 2008207631A JP 2010045905 A JP2010045905 A JP 2010045905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
flow path
cooling flow
magnetic bearing
spindle housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008207631A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Suzuki
健一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2008207631A priority Critical patent/JP2010045905A/ja
Publication of JP2010045905A publication Critical patent/JP2010045905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

【課題】 組立時の作業性向上とコンパクト化が可能なモータ一体型の磁気軸受装置を提供する。
【解決手段】 転がり軸受15,16と磁気軸受で支持される主軸13にモータ28のロータ28aを、ハウジング14にステータ28bをそれぞれ設ける。ハウジング14のステータ固定面に開口する冷却液の流入ポート31cと流出ポート31dを有するモータコイル冷却流路31をステータ28b内に設ける。流入ポート31cでモータコイル冷却流路31に連通する入力側冷却流路32と、流出ポート31dでモータコイル冷却流路31に連通する出力側冷却流路33とを、ハウジング14に設ける。外部から冷却液を入力側冷却流路32に流入させる入力ポート36と、出力側冷却流路33から冷却液を流出させる出力ポート37をハウジング14の軸方向に向く表面に設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、空気サイクル冷凍冷却用タービンユニット等に用いられる磁気軸受装置に関し、特に、転がり軸受と磁気軸受を併用し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するようにしたモータ一体型の磁気軸受装置に関する。
空気サイクル冷凍冷却システムは、冷媒として空気を用いるため、フロンやアンモニアガス等を用いる場合に比べてエネルギー効率が不足するが、環境保護の面では好ましい。また、冷凍倉庫等のように、冷媒空気を直接に吹き込むことができる施設では、庫内ファンやデフロストの省略等によってトータルコストを引下げられる可能性があり、このような用途で空気サイクル冷凍冷却システムが提案されている(例えば特許文献1)。
また、−30℃〜−60℃のディープ・コール領域では、空気冷却の理論効率は、フロンやアンモニアガスと同等以上になることが知られている。ただし、上記空気冷却の理論効率を得ることは、最適に設計された周辺装置があって、始めて成り立つとも述べられている。周辺装置は、圧縮機や膨張タービン等である。
圧縮機,膨張タービンとしては、コンプレッサ翼車および膨張タービン翼車を共通の主軸に取付けたタービンユニットが用いられている(特許文献1)。
なお、プロセスガスを処理するタービン・コンプレッサとしては、主軸の一端にタービン翼車、他端にコンプレッサ翼車を取付け、前記主軸を電磁石の電流で制御するジャーナルおよびスラスト軸受で支承した磁気軸受式タービン・コンプレッサが提案されている(特許文献2)。
また、ガスタービンエンジンにおける提案ではあるが、主軸支持用の転がり軸受に作用するスラスト荷重が軸受寿命の短縮を招くことを回避するため、転がり軸受に作用するスラスト荷重をスラスト磁気軸受により低減することが提案されている(特許文献3)。
特許第2623202号公報 特開平7−91760号公報 特開平8−261237号公報 特開2008−72809号公報
上記のように、空気サイクル冷凍冷却システムとして、ディープ・コール領域で高効率となる空気冷却の理論効率を得るためには、最適に設計された圧縮機や膨張タービンが必要となる。
圧縮機,膨張タービンとしては、上記のようにコンプレッサ翼車および膨張タービン翼車を共通の主軸に取付けたコンプレッサ・タービンユニットが用いられている。このコンプレッサ・タービンユニットは、膨張タービンの生じる動力によりコンプレッサ翼車を駆動できることで空気サイクル冷凍機の効率を向上させている。
しかし、実用的な効率を得るためには、各翼車とハウジングとの隙間を微小に保つ必要がある。この隙間の変動は、安定した高速回転の妨げとなり効率の低下を招く。
また、コンプレッサ翼車やタービン翼車に作用する空気により、主軸にスラスト力が作用し、主軸を支持する軸受にスラスト荷重が荷される。空気サイクル冷凍冷却システムにおけるコンプレッサ・タービンユニットの主軸の回転速度は、1分間に8万〜10万回転であり、一般的な用途の軸受に比べて非常に高速となる。そのため、上記のようなスラスト荷重は、主軸を支持する軸受の長期耐久性の低下、寿命低下を招き、空気サイクル冷凍冷却用コンプレッサ・タービンユニットの信頼性を低下させる。このような軸受の長期耐久性の課題を解消しなくては、空気サイクル冷凍冷却用コンプレッサ・タービンユニットの実用化が難しい。しかし、上記特許文献1に開示の技術は、この高速回転下におけるスラスト荷重の負荷に対する軸受の長期耐久性の低下については解決されるに至っていない。
特許文献2の磁気軸受式タービン・コンプレッサのように、主軸を磁気軸受からなるジャーナル軸受およびスラスト軸受で支承したものでは、ジャーナル軸受にアキシアル方向の規制機能がない。そのため、スラスト軸受の制御の不安定要因等があると、上記翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことが難しい。磁気軸受の場合は、電源停止時における接触の問題もある。
そこで、本発明者等は、上記課題を解決するものとして、図5に示すようなモータ一体型の磁気軸受装置を開発した。このモータ一体型の磁気軸受装置は、主軸53の両端にコンプレッサ46のコンプレッサ翼車46aおよび膨張タービン47のタービン翼車47aを取付けた空気サイクル冷凍冷却用コンプレッサ・タービンユニットにおいて、主軸53のラジアル負荷を転がり軸受55,56で、アキシアル負荷を電磁石57と永久磁石57Aとでそれぞれ支持すると共に、主軸53に同軸に設けたモータ68による駆動力とタービン翼車47aの駆動力とでコンプレッサ翼車46aを回転駆動するようにしたものである。アキシアル負荷を支持する電磁石57および永久磁石57Aは、主軸53に垂直かつ同軸に設けられたスラスト板53a,53bに非接触で対向するように配置され、電磁石57はアキシアル方向の力を検出するセンサ58の出力に応じて磁気軸受用コントローラ59で制御される。モータ68はアキシアルギャップ型のものであって、前記スラスト板53a,53bにモータロータ68aを形成すると共に、このモータロータ68aと軸方向に対向するようにモータステータ68bを配置して構成される。
上記構成のモータ一体型の磁気軸受装置によると、主軸53にかかるスラスト力を電磁石57と永久磁石57Aとで支持するため、非接触でトルクの増大を抑えながら、転がり軸受55,56に作用するスラスト力を軽減することができる。その結果、各翼車46a,47aとハウジング46b,47bとの微小隙間を一定に保つことができ、スラスト荷重の負荷に対する転がり軸受55,56の長期耐久性を向上させることができる。
また、上記構成のモータ一体型の磁気軸受装置では、モータステータ68bでの発熱を抑えるために、図5のVI−VI矢視断面図を示す図6のように、モータステータ68bのケース68bb内に冷却流路70を設け、この冷却流路70に冷却液を循環させることでモータステータ68bのモータコイル68baを冷却するようにしている。モータステータ68bは2つのモジュール68b1,68b2に分割して、スピンドルハウジング54への組み込みが可能な構成としている。冷却流路70は、冷却液が矢印で示すようにモータコイル68baの外周側から内周側へ流入してから外周側へと流出するように形成され、モータステータ68bの各モジュール68b1,68b2には、それぞれ1つの入力ポート81aと2つの出力ポート81bが形成され、これら入力ポート81aおよび出力ポート81bはスピンドルハウジング54に形成された貫通孔54aを通して外部に突出させている。
しかし、図6のように、スピンドルハウジング54に設けた通気孔71、72から冷媒空気を流してモータ68の配置部を冷却するようにした構成であると、スピンドルハウジング54を密封構造とする必要がある。このため、前記貫通孔54aを通してモータステータ68bに入力ポート81aと出力ポート81bを固定する場合に、その作業性が悪くなる。
また、入力ポート81aおよび出力ポート81bと前記貫通孔54aとの間を密閉構造とする処理では、モータステータ68bの全体で2つ入力ポート81aと4つの出力ポート81bを有するので、計6箇所での密封処理を行なわなければならず、作業回数も多くなる。
さらに、スピンドルハウジング54の外部で、入力ポート81aを2つから1つに、出力ポート81bを4つから1つにまとめる必要があり、この点でも作業性が悪いという問題がある。また、入力ポート81aおよび出力ポート81bは、スピンドルハウジング54に対して径方向に突出するように設けられるため、スピンドルハウジング54が大きくなるという問題もある。
この発明の目的は、組立時の作業性が向上し、コンパクトに構成できるモータ一体型の磁気軸受装置を提供することである。
この発明のモータ一体型の磁気軸受装置は、主軸を支持する転がり軸受および磁気軸受と、前記主軸を回転駆動するモータとを備え、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石は前記主軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するようにスピンドルハウジングに取付けられ、前記モータのモータロータが前記主軸に設けられ、このモータロータと対向してモータコイルを有するモータステータが前記スピンドルハウジングに設置されたモータ一体型の磁気軸受装置であって、
前記スピンドルハウジングにおける前記モータステータの固定面に開口する1つ以上の冷却液流入ポートおよび冷却液流出ポートを有し、前記モータコイルに接するように冷却液を流すモータコイル冷却流路を前記モータステータ内に設け、前記冷却液流入ポートを介して前記モータコイル冷却流路に連通する入力側冷却流路と前記冷却液流出ポートを介して前記モータコイル冷却流路に連通する出力側冷却流路とを前記スピンドルハウジングに設け、外部から冷却液を前記入力側冷却流路に流入させる入力ポート、および前記出力側冷却流路から外部に冷却液を流出させる出力ポートを前記スピンドルハウジングの軸方向に向く表面に設けたことを特徴とする。
この構成によると、モータステータからスピンドルハウジングの外側へ入力ポートおよび出力ポートを突出させる配管構造に比べてスピンドルハウジング組立時の作業性が向上する。また、入力ポートおよび出力ポートをスピンドルハウジングの軸方向に向く表面に設けたことで、スピンドルハウジングをコンパクトに構成できる。
この発明において、前記スピンドルハウジングに設けられた入力側冷却流路および出力側冷却流路は、スピンドルハウジングに形成された溝と、この溝を覆う蓋とで構成されるものであっても良い。
この発明において、前記スピンドルハウジングと前記蓋との間にシール材を介在させるのが、入力側冷却流路および出力側冷却流路を密封構造とするうえで望ましい。
この発明において、前記シール材は金属製薄板の両面に合成ゴム層を形成してなるものとしても良い。
シール材として、シリコーン系に代表される液状のものを用いても良いが、それではスピンドルハウジングに蓋を取り付けた際に、余分なシール材が溝を塞ぐおそれがある。シール材として、金属製薄板の両面に合成ゴム層を形成したものを用いれば、シール材で溝が塞がれるのを回避できる。
この発明において、前記入力ポートおよび出力ポートを前記蓋に設けても良い。
この発明において、前記冷却液流入ポートのすべてを介して前記モータコイル冷却流路に連通する前記入力側冷却流路、および前記冷却液流出ポートのすべてを介して前記モータコイル冷却流路に連通する前記出力側冷却流路をそれぞれ1つ設け、これらの入力側冷却流路および出力側冷却流路に対応させて前記入力ポートおよび出力ポートをそれぞれ1箇所に設けても良い。
このように、入力ポートおよび出力ポートをそれぞれ1つにまとめることにより、スピンドルハウジング組立時の配管時間を短縮できる。
この発明において、前記主軸は、その両端にコンプレッサ翼車およびタービン翼車が取付けられたコンプレッサ・ターンビンユニットの主軸であっても良い。
この発明のモータ一体型の磁気軸受装置は、主軸を支持する転がり軸受および磁気軸受と、前記主軸を回転駆動するモータとを備え、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石は前記主軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するようにスピンドルハウジングに取付けられ、前記モータのモータロータが前記主軸に設けられ、このモータロータと対向してモータコイルを有するモータステータが前記スピンドルハウジングに設置されたモータ一体型の磁気軸受装置であって、前記スピンドルハウジングにおける前記モータステータの固定面に開口する1つ以上の冷却液流入ポートおよび冷却液流出ポートを有し、前記モータコイルに接するように冷却液を流すモータコイル冷却流路を前記モータステータ内に設け、前記冷却液流入ポートを介して前記モータコイル冷却流路に連通する入力側冷却流路と前記冷却液流出ポートを介して前記モータコイル冷却流路に連通する出力側冷却流路とを前記スピンドルハウジングに設け、外部から冷却液を前記入力側冷却流路に流入させる入力ポート、および前記出力側冷却流路から外部に冷却液を流出させる出力ポートを前記スピンドルハウジングの軸方向に向く表面に設けたため、組立時の作業性が向上し、コンパクトに構成できる。
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この実施形態のモータ一体型の磁気軸受装置を組み込んだコンプレッサ・タービンユニット5の断面図を示す。このコンプレッサ・タービンユニット5は圧縮膨張タービンシステムを構成するものであり、コンプレッサ6および膨張タービン7を有し、コンプレッサ6のコンプレッサ翼車6aおよび膨張タービン7のタービン翼車7aが共通の主軸13の両端にそれぞれ嵌合して取り付けられ、その主軸13がモータ一体型の磁気軸受装置で支持されている。主軸13の材料には、磁気特性の良好な低炭素鋼が使用される。
図1において、コンプレッサ6は、コンプレッサ翼車6aと隙間d1を介して対向するコンプレッサハウジング6bを有し、中心部の吸込口6cから軸方向に吸入した空気を、コンプレッサ翼車6aで圧縮し、外周部の出口(図示せず)から矢印6dで示すように排出する。
膨張タービン7は、タービン翼車7aと微小の隙間d2を介して対向するタービンハウジング7bを有し、外周部から矢印7cで示すように吸い込んだ空気を、タービン翼車7aで断熱膨張させ、中心部の排出口7dから軸方向に排出する。
このコンプレッサ・タービンユニット5におけるモータ一体型の磁気軸受装置は、主軸13をラジアル方向に対し複数の軸受15,16で支持し、主軸13にかかるアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を磁気軸受である電磁石17と永久磁石17Aとにより支持すると共に、主軸13を回転駆動するアキシアルギャップ型のモータ28を設けたものである。このコンプレッサ・タービンユニット5は、主軸13に作用するスラスト力を検出するセンサ18と、このセンサ18の出力に応じて前記電磁石17による支持力を制御する磁気軸受用コントローラ19と、電磁石17とは独立に前記モータ28を制御するモータ用コントローラ29とを有している。
磁気軸受の一部構成部品である電磁石17は、主軸13の軸方向中間部において軸方向に並ぶように主軸13に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状の2つのスラスト板13a,13bのうち、コンプレッサ6寄りに位置するスラスト板13aのコンプレッサ6側に向く片面を磁石ターゲットとして、この片面に非接触で対向するようにスピンドルハウジング14に設置されている。また、磁気軸受の他の構成部品である永久磁石17Aは、膨張タービン7寄りに位置するスラスト板13bの膨張タービン7側に向く片面を磁石ターゲットとして、この片面に非接触で対向するようにスピンドルハウジング14に設置されている。なお、ここでは電磁石17と永久磁石17Aとで磁気軸受を構成しているが、永久磁石17Aを電磁石17に置き換えて、一対の電磁石17,17で磁気軸受を構成しても良い。
モータ28は、前記電磁石17および永久磁石17Aと並んで主軸13に設けられたモータロータ28aと、このモータロータ28aに対し軸方向に対向するモータステータ28bとでなるモータユニットである。具体的には、モータユニットの一部品を構成するモータロータ28aは、主軸13における前記各スラスト板13a,13bの電磁石17および永久磁石17Aが対向する側とは反対側の各片面に、円周方向に等ピッチで並ぶ永久磁石28aaを配置することで左右一対のものが構成される。このように軸方向に対向配置される永久磁石28aaの間では、その磁極が互いに異極となるように設定される。主軸13には磁気特性の良好な低炭素鋼を使用しているので、主軸13と一体構造となるように設けられる前記各スラスト板13a,13bを、永久磁石28aaのバックヨークおよび磁石ターゲットに兼用できる。
モータユニットの他の部品であるモータステータ28bは、前記左右一対のモータロータ28aに挟まれる軸方向中央の位置において、これら両モータロータ28aの各面に非接触で対向するようにコアの無い状態で配置した集中巻き方式の複数個のモータコイル28baと、これらモータコイル28baを内部に収容した絶縁材であるケース28bbとでなる。このケース28bbがスピンドルハウジング14に固定される。このモータ28は、前記モータロータ28aとモータステータ28b間に作用するローレンツ力により、主軸13を回転させる。このように、このアキシアルギャップ型のモータ28はコアレスモータとされていることから、モータロータロータ28aとモータステータ28b間の磁気カップリングによる負の剛性はゼロとなっている。
主軸13を支持する軸受15,16は転がり軸受であって、アキシアル方向位置の規制機能を有するものであり、例えば深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受が用いられる。深溝玉軸受の場合、両方向のスラスト支持機能を有し、内外輪のアキシアル方向位置を中立位置に戻す作用を持つ。これら2個の転がり軸受15,16は、それぞれスピンドルハウジング14におけるコンプレッサ翼車6aおよびタービン翼車7aの近傍に配置されている。
主軸13は、中間部の大径部13cと、両端部の小径部13dとを有する段付き軸とされている。両側の軸受15,16は、その内輪15a,16aが小径部13dに圧入状態に嵌合し、片方の幅面が大径部13cと小径部13d間の段差面に係合する。スピンドルハウジング14における両側の軸受15,16よりも各翼車6a,7a側の部分には、主軸13との間の隙間を密封するシール21,22が設けられている。
前記センサ18は、タービン翼車7a側の軸受16の近傍における静止側、つまりスピンドルハウジング14側に設けられ、軸受16の外輪16bを支持する軸受ハウジングを兼ねる。このセンサ18は、アキシアル方向に移動自在にスピンドルハウジング14に嵌合している。また、センサ18には、センサ予圧ばね25によりアキシアル方向の予圧が印加されている。
センサ予圧ばね25による予圧は、押し付け力によってスラスト力を検出するセンサ18が、主軸13のアキシアル方向のいずれの向きの移動に対しても検出できるようにするためであり、コンプレッサ・タービンユニット5の通常の運転状態で主軸13に作用する平均的なスラスト力以上の大きさとされている。
センサ18の非配置側の軸受15は、スピンドルハウジング14に対してアキシアル方向に移動自在に設置され、かつ軸受予圧ばね26によって弾性支持されている。この例では軸受15の外輪15bが、軸受ハウジング27を介してスピンドルハウジング14の内径面にアキシアル方向移動自在に嵌合していて、軸受予圧ばね26は、軸受ハウジング27とスピンドルハウジング14との間に介在している。軸受予圧ばね26は、内輪15aの幅面が係合した主軸13の段面に対向して外輪15bを付勢するものとされ、軸受15に予圧を与えている。軸受予圧ばね26は、センサ予圧ばね25よりもばね定数が小さいものとされる。
図1のII−II矢視断面図を示す図2のように、前記モータステータ28bは、モータコイル28baが周方向に並び互いに一体化された2個のモジュール28b1,28b2に分けて構成される。これにより、主軸13と一体である2つのスラスト板13a,13bに挟まれて配置されるモータステータ28bが、モータユニットの一部品として組み込み可能とされる。モータステータ28bのケース28bbには、モータコイル28baに接するように冷却液を流すモータコイル冷却流路31が、各モジュール28b1,28b2ごとに個別に設けられている。冷却液としては、例えば、オイルまたはエチレングリコールが用いられる。
これらのモータコイル冷却流路31は、各モータコイル28baの配置部となる内周側から外周側へと径方向に延びる複数の分割流路部31aと、隣接する分割流路部31aの内周部を互いに連結する連結流路部31bと、冷却液を流入させる冷却液流入ポート31cと、冷却液を流出させる冷却液流出ポート31dとでなる。冷却液流入ポート31cは各モジュール28b1,28b2ごとに1つ設けられ、冷却液流出ポート31dは各モジュール28b1,28b2ごとに2つ設けられる。冷却液流入ポート31cは1つの分割流路部31aの外周部に配置され、冷却液流出ポート31dは他の2つの分割流路部31aの外周部に配置される。冷却液流入ポート31cおよび冷却液流入ポート31dは、スピンドルハウジング14におけるモータステータ28bのケース28bbの固定面に開口する。これにより、各モジュール28b1,28b2のモータコイル冷却流路31において、冷却液流入ポート31cから流入した冷却液は、図2に矢印で示すように各モータコイル28baを冷却した後に、冷却液流出ポート31dから流出する。
図1のIII −III 矢視断面図を示す図3のように、モータステータ28bが固定されるスピンドルハウジング14の軸方向を向く部分には、モータコイル冷却流路31の冷却液流入ポート31cを介してモータコイル冷却流路31に連通する1つの入力側冷却流路32と、モータコイル冷却流路31の冷却液流出ポート31dを介してモータコイル冷却流路31に連通する1つの出力側冷却流路33とが設けられる。これら入力側冷却流路32および出力側冷却流路33は、スピンドルハウジング14の凹陥平坦面14aに形成された溝32A,33Aと、前記凹陥平坦面14aに嵌合して前記各溝32A,33Aを覆う蓋34(図1)とで構成される。スピンドルハウジング14の凹陥平坦面14aと蓋34との間にはシール材35(図1)を介在させ、これにより入力側冷却流路32および出力側冷却流路33を密閉構造としている。シール材35としては、シリコーン系に代表される液状のものを用いても良いが、それでは前記凹陥平坦面14aに蓋34を嵌合させた際に、余分なシール材35が溝32A,33Aを塞ぐおそれがある。そこで、この実施形態では、シール材35として、金属製薄板の両面に合成ゴム層を形成した厚さ1mm以下のもの(製品名/メーカ:ソフトメタル/NOK)を用いている。
前記蓋33は2つの溝32A,33Aに共通の一体の部材とされている。入力側冷却流路32の溝32Aは、モータステータ28bにおけるモータコイル冷却流路31のすべての冷却液流入ポート31cに重なる2つの連通孔32Aaを有する。すなわち、入力側冷却流路32は、すべての冷却液流入ポート31cを介してモータコイル冷却流路31に連通する。また、出力側冷却流路33の溝33Aは、モータステータ28bにおけるモータコイル冷却流路31のすべての冷却液流出ポート31dに重なる4つの連通孔33Aaを有する。すなわち、出力側冷却流路33は、すべての冷却液流出ポート31dを介してモータコイル冷却流路31に連通する。
なお、モータステータ28bのケース28bbと、このケース28bbが固定されるスピンドルハウジング14との間は、図示しないOリングを介在させることによりシールが図られている。このモータ一体型の磁気軸受装置の場合、モータロータ28aは高速(6〜8万rpm)で回転するため、モータロータ28aの永久磁石28aaとモータステータ28の間のギャップは100μmのオーダで調整する必要がある。この要請に応えるために、前記Oリングは平面固定とし、機械的なギャップを管理できるようにしている。
図1のIV−IV矢視断面図、つまりスピンドルハウジグ14の凹陥平坦面14aに蓋34を嵌合せた状態を示す図4のように、前記蓋34には、外部から前記入力側冷却流路32に冷却液を流入させる入力ポート36と、前記出力側冷却流路33から外部に冷却液を流出させる出力ポート37が設けられている。入力ポート36は蓋34における前記入力側冷却流路32に対応する位置の1箇所に、また出力ポート37は蓋34における前記出力側冷却流路33に対応する位置の1箇所に、それぞれ軸方向に向けて設けられている。これら入力ポート36および出力ポート37は、スピンドルハウジング14における軸方向を向く面の中央より上位置に互いに近接して配置される。
入力ポート36および出力ポート37は、図示しないポンプ、タンクおよび熱交換器がこれらの順に介在する外部の冷却流路に接続されて、全体として冷却液の循環経路が構成される。これにより、タンクの冷却液がポンプから入力ポート36に供給され、出力ポート37を出た冷却液は熱交換器で外気と熱交換されて冷却されタンクに戻される。
入力ポート36に供給された冷却液は、スピンドルハウジング14の入力側冷却流路32から4つの冷却液流入ポート31cに分流されてモータコイル冷却流路31に流入し、すべてのモータコイル28baを冷却する。モータコイル28baの冷却に使用された冷却液は、モータコイル冷却流路31の2つの冷却液流出ポート31dからスピンドルハウジング14の出力側冷却流路33に集約され、出力ポート37から外部の冷却流路に流出し前記熱交換器を経てタンクに回収される。
このように、このモータ一体型の磁気軸受装置では、スピンドルハウジング14におけるモータステータ28bの固定面に開口する1つ以上の冷却液流入ポート31cおよび冷却液流出ポート31dを有し、モータコイル28baに接するように冷却液を流すモータコイル冷却流路31をモータステータ28b内に設け、冷却液流入ポート31cを介してモータコイル冷却流路31に連通する入力側冷却流路32と冷却液流出ポート31dを介してモータコイル冷却流路31に連通する出力側冷却流路33とをスピンドルハウジング14に設け、外部から冷却液を入力側冷却流路32に流入させる入力ポート36、および出力側冷却流路33から外部に冷却液を流出させる出力ポート37をスピンドルハウジング14の軸方向に向く表面に設けたため、モータステータ28bからスピンドルハウジング14の外側へ入力ポート36および出力ポート37を突出させる配管構造に比べてスピンドルハウジング14の組立が容易になり、配管作業時間を短縮できる。
また、入力ポート36および出力ポート37をスピンドルハウジング14の軸方向に向く表面に設けたことで、スピンドルハウジング14をコンパクトに構成できる。
また、この実施形態では、冷却液流入ポート31cのすべてを介してモータコイル冷却流路31に連通する入力側冷却流路32、および冷却液流出ポート31dのすべてを介してモータコイル冷却流路31に連通する出力側冷却流路33をそれぞれ1つ設け、これらの入力側冷却流路32および出力側冷却流路33に対応させて入力ポート36および出力ポート37をそれぞれ1箇所に設けているので、スピンドルハウジング組立時の配管時間をさらに短縮できる。
この発明の一実施形態にかかるモータ一体型の磁気軸受装置が組み込まれたタービンユニットの断面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図1のIII −III 矢視断面図である。 図1のIV−IV矢視断面図である。 従来例の縦断面図である。 図5のVI−VI矢視断面図である。
符号の説明
6…コンプレッサ
6a…コンプレッサ翼車
7…膨張タービン
7a…タービン翼車
13…主軸
13a,13b…スラスト板
14…スピンドルハウジング
15,16…転がり軸受
17…電磁石(磁気軸受)
17A…永久磁石(磁気軸受)
28…モータ
28a…モータロータ
28b…モータステータ
28ba…モータコイル
31…モータコイル冷却流路
31c…冷却液流入ポート
31d…冷却液流出ポート
32…入力側冷却流路
32A…溝
33…出力側冷却流路
33A…溝
34…蓋
35…シール材
36…入力ポート
37…出力ポート

Claims (7)

  1. 主軸を支持する転がり軸受および磁気軸受と、前記主軸を回転駆動するモータとを備え、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石は前記主軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するようにスピンドルハウジングに取付けられ、前記モータのモータロータが前記主軸に設けられ、このモータロータと対向してモータコイルを有するモータステータが前記スピンドルハウジングに設置されたモータ一体型の磁気軸受装置であって、
    前記スピンドルハウジングにおける前記モータステータの固定面に開口する1つ以上の冷却液流入ポートおよび冷却液流出ポートを有し、前記モータコイルに接するように冷却液を流すモータコイル冷却流路を前記モータステータ内に設け、前記冷却液流入ポートを介して前記モータコイル冷却流路に連通する入力側冷却流路と前記冷却液流出ポートを介して前記モータコイル冷却流路に連通する出力側冷却流路とを前記スピンドルハウジングに設け、外部から冷却液を前記入力側冷却流路に流入させる入力ポート、および前記出力側冷却流路から外部に冷却液を流出させる出力ポートを前記スピンドルハウジングの軸方向に向く表面に設けたことを特徴とするモータ一体型の磁気軸受装置。
  2. 請求項1において、前記スピンドルハウジングに設けられた入力側冷却流路および出力側冷却流路は、スピンドルハウジングに形成された溝と、この溝を覆う蓋とで構成されるモータ一体型の磁気軸受装置。
  3. 請求項2において、前記スピンドルハウジングと前記蓋との間にシール材を介在させたモータ一体型の磁気軸受装置。
  4. 請求項3において、前記シール材は金属製薄板の両面に合成ゴム層を形成してなるモータ一体型の磁気軸受装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項において、前記入力ポートおよび出力ポートを前記蓋に設けたモータ一体型の磁気軸受装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記冷却液流入ポートのすべてを介して前記モータコイル冷却流路に連通する前記入力側冷却流路、および前記冷却液流出ポートのすべてを介して前記モータコイル冷却流路に連通する前記出力側冷却流路をそれぞれ1つ設け、これらの入力側冷却流路および出力側冷却流路に対応させて前記入力ポートおよび出力ポートをそれぞれ1箇所に設けたモータ一体型の磁気軸受装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記主軸は、その両端にコンプレッサ翼車およびタービン翼車が取付けられたコンプレッサ・ターンビンユニットの主軸であるモータ一体型の磁気軸受装置。
JP2008207631A 2008-08-12 2008-08-12 モータ一体型の磁気軸受装置 Pending JP2010045905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008207631A JP2010045905A (ja) 2008-08-12 2008-08-12 モータ一体型の磁気軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008207631A JP2010045905A (ja) 2008-08-12 2008-08-12 モータ一体型の磁気軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010045905A true JP2010045905A (ja) 2010-02-25

Family

ID=42016794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008207631A Pending JP2010045905A (ja) 2008-08-12 2008-08-12 モータ一体型の磁気軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010045905A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102705366A (zh) * 2011-03-28 2012-10-03 何君 一种高速电动机驱动的空气制冷机用轴承及该空气制冷机
CN109590488A (zh) * 2018-12-05 2019-04-09 珠海格力电器股份有限公司 轴套、电主轴和机床

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102705366A (zh) * 2011-03-28 2012-10-03 何君 一种高速电动机驱动的空气制冷机用轴承及该空气制冷机
CN109590488A (zh) * 2018-12-05 2019-04-09 珠海格力电器股份有限公司 轴套、电主轴和机床

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090127956A1 (en) Motor built-in magnetic bearing device
US8336328B2 (en) Air cycle refrigerating/cooling system and turbine unit used therefor
WO2008032430A1 (fr) Dispositif à coussinet magnétique intégré à un moteur
JP2008283813A (ja) モータ一体型磁気軸受装置
JP2007162723A (ja) モータ一体型磁気軸受装置
JP2008190376A (ja) 空気サイクル冷凍機用タービンユニット
JP2008082425A (ja) 磁気軸受装置
JP2007162493A (ja) 圧縮膨張タービンシステム
JP2007162726A (ja) モータ一体型磁気軸受装置
JP2008072809A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置
WO2008015776A1 (fr) Dispositif de palier magnétique intégral à un moteur
JP2010043780A (ja) 空気サイクル冷凍ユニット
JP2008082216A (ja) 圧縮膨張タービンシステム
JP2009062848A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置
JP2009050066A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置
JP2010045905A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置
JP2008082426A (ja) 磁気軸受装置
JP2007162492A (ja) 圧縮膨張タービンシステム
JP2008072810A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置
JP5042479B2 (ja) 空気サイクル冷凍冷却システム
JP4799159B2 (ja) モータ一体型磁気軸受装置
JP4969272B2 (ja) モータ一体型磁気軸受装置
JP2008185110A (ja) 磁気軸受装置
JP2008072808A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置
JP2008072811A (ja) モータ一体型の磁気軸受装置