JP6540092B2 - 医療用針 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用針に関する。
医療用の種々の穿刺針が提供されている。その一例として、皮下に埋め込まれたアクセスポートに穿刺して薬液や栄養剤などの液体を供給するポート針と呼ばれる医療用針が提供されている。
この種の医療用針においては、手技に使用した後に針先を保護して安全に廃棄等の処理をするため、針先を部材で保護した状態で針体をロックする安全装置が設けられているものがある。
特許文献1には、針体を接触面(ベース部)から引き上げることにより針先が内側軸受けに収容されて保護される医療用針が記載されている。特許文献1の図5や図13に示されるように、針体が引き上げられて内側軸受けの内部の針孔に針先が収容されると、楔状部分(カム)が側方から押し当てられて針先に密着する。そして、楔状部分がラッチして内側軸受けの下降移動が規制されることで、針先が内側軸受けおよび外側軸受けから下方に再突出することが規制される。
特許文献2には、針体を翼部(ベース部)から引き上げることにより針先が針先保護部に収容される医療用針が記載されている。特許文献2の図9には、針体の引き上げ動作によって針先保護部が翼部に対して回動して針孔の側方に移動し、更に針体を引き上げると針先が撓んで針先保護部に押入される態様が記載されている。針先保護部に収容された針先は撓み状態から弾性的に復元するため、針先保護部から再突出することが規制される。
特表2007−511285号公報 国際公開第2007/126085号パンフレット
近年、医療機器の取り扱いの更なる安全が求められており、使用者が誤操作や不完全な操作をしても針先が不測に再突出することが回避可能な医療用針が求められている。
しかしながら、特許文献1の医療用針は、針体を接触面(ベース部)から引き上げる長さが不十分で楔状部分のラッチが不完全であると、針先が内側軸受けの下方に再突出する場合がある。針体の側方に押し当てられる楔状部分はラッチが不完全であると弾性的に復元して針体の規制力を失い、内側軸受けが針体とともに下降するためである。
また、特許文献2の医療用針は、針体を翼部(ベース部)から引き上げて針先を針先保護部に引き込むにあたり、針先に弾性力を加えて撓ませる必要がある。このため、針体の引き込みが不完全であると、針先が弾性復元力により針先保護部から飛び出し、更には針孔から下方に再突出する虞がある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、針先が不測に再突出することを防止して使用後に安全に廃棄等の処理をすることが可能な医療用針を提供するものである。
本発明によれば、針孔を有するベース部と、尖鋭な針先を有し前記針先が前記針孔より突出して設けられている針体と、前記針体を前記ベース部に対して引き上げ可能に連結する連結機構と、前記針体を前記ベース部から引き上げて前記針先を前記針孔より後退させる動作に連動して駆動されて前記針孔を閉鎖する蓋部と、前記連結機構を前記ベース部に対して揺動可能に連結するヒンジ部と、を有し、前記ベース部は、底面を有する有底形状であり前記底面に前記針孔が通孔形成された凹部を有し、前記蓋部は、前記ヒンジ部を介して前記連結機構の反対側に一体に設けられていて、前記針先を前記針孔より後退させる動作に連動して前記ヒンジ部のまわりを前記連結機構とともに所定の方向に揺動して前記凹部に嵌合し、前記針先と前記底面との間に介挿されて前記針孔を閉鎖し、前記凹部に嵌合した前記蓋部は前記凹部の立壁によって前記所定の方向とは反対方向の揺動が規制されることを特徴とを有する医療用針が提供される。
上記発明によれば、針体をベース部から引き上げて針先を針孔より後退させる動作に連動して蓋部が針孔を閉鎖するため、針先が不測に再突出することが防止され、使用後に安全に廃棄等の処理をすることが可能である。
本発明の第一実施形態にかかる医療用針の穿刺状態を示す側面図である。 図1に示す穿刺状態の医療用針を針体に沿って切断した縦断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる医療用針の抜去状態を示す側面図である。 図3に示す抜去状態の医療用針を針体に沿って切断した縦断面図である。 抜去状態の医療用針における蓋部の近傍を示す拡大図である。 穿刺状態における蓋部および連結機構を示す斜視図である。 遷移状態における蓋部および連結機構を示す斜視図である。 抜去状態における蓋部および連結機構を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態にかかる医療用針の穿刺状態を示す側面図である。 本発明の第二実施形態にかかる医療用針の穿刺状態を示す平面図である。 本発明の第二実施形態にかかる医療用針の穿刺状態を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる医療用針100の穿刺状態を示す側面図である。医療用針100の穿刺状態とは、針体10が被験者の体壁等に穿刺されて医療用針100が留置される際の状態であり、医療用針100を手技に使用する使用状態である。以下、穿刺状態を初期状態と呼称する場合がある。図2は、図1に示す使用状態の医療用針100を針体10に沿って切断した縦断面図である。
図3は、本発明の第一実施形態の医療用針100の抜去状態を示す側面図である。図4は、図3に示す抜去状態の医療用針100を針体10に沿って切断した縦断面図である。医療用針100の抜去状態とは、針体10が針孔22から穿刺状態よりも後退して針先11が針孔22の内部に収容されているか、または針先11が針孔22の上方に抜去された状態である。
本明細書において、針先11が針孔22から突出する方向に移動することを、針体10や針先11が前進すると呼称する。逆に、針先11が針孔22に没入するか、または針先11が針孔22の上方に抜去される方向に移動することを、針体10や針先11が後退すると呼称する。手技に使用されて抜去状態となった医療用針100は、図3に示す形態にて、または当該形態から更に医療用針100を変形させた状態や他の部材(図示せず)を組み合わせた状態で、廃棄される。
本明細書では、針体10の穿刺方向を下方、針体10の抜去方向を上方と呼称する場合があるが、これは構成要素の相対関係を説明するために便宜的に規定するものであり、本発明にかかる製品の製造時や使用時の方向を必ずしも限定するものではない。また、医療用針100のうち、送液チューブ46が延在する側を近位側と呼称し、その反対側を遠位側と呼称する場合がある。図1から図4の右方が近位側に相当し、左方が遠位側に相当する。また、図1から図4の紙面奥行方向を医療用針100の幅方向と呼称する。
はじめに、本実施形態の医療用針100の概要について説明する。医療用針100は、針孔22を有するベース部20と、尖鋭な針先11を有する針体10と、針体10をベース部20に対して引き上げ可能に連結する連結機構50と、針孔22を閉鎖する蓋部60と、を有している。図1および図2に示す初期状態の医療用針100において、針体10の針先11は針孔22より突出して設けられている。蓋部60は、図2および図4に示すように、針体10をベース部20から引き上げて針先11を針孔22より後退させる動作に連動して駆動される。
次に、本実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の医療用針100は、被験者の皮下に埋め込まれたアクセスポート(図示せず)に針体10を穿刺して薬液や栄養剤などの液体を供給することが可能なポート針である。本実施形態の医療用針100は、皮下に埋設されたアクセスポートのほか、被験者の体外に設置された種々の医療機器に対して針体10を穿刺して用いてもよい。
本実施形態の医療用針100は、被験者の皮膚表面など、生体組織の表面(体表)に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部30を備えている。粘着テープ(図示せず)などを用いて当接部30を被験者の体表に接合することにより、針体10を被験者の体壁に穿刺した状態で医療用針100を固定することができる。本実施形態に例示する当接部30はドーム状に三次元的に湾曲している。より具体的には、本実施形態の当接部30は部分球面状をなし、図1から図4の下方に向かって開口している。図1および図2に示す穿刺状態で、針体10は、この部分球面の中心に向かって当接部30を貫通している。これにより、アクセスポートが埋設されて僅かに膨出した体壁に対して針体10を穿刺した状態で、当接部30を体壁に密着させることができる。当接部30は可撓性を有しており、体壁の隆起形状に追随して変形することができる。当接部30は、たとえば、シリコーンゴム、ウレタンゴムまたはスチレン・ブタジエンゴムなどの熱可塑性の合成ゴム材料で形成されている。
図2および図4に示すように、当接部30には切込部36が形成されている。切込部36は、当接部30の円形の周縁から内向きに延在している。切込部36の位置および数量は特に限定されないが、本実施形態では針体10を挟んでその両側に切込部36が形成されている。当接部30に切込部36を形成することにより、使用者はドーム状の当接部30を摘んで容易に表裏を反転させることができる。これにより、医療用針100の針体10を被験者の体壁や医療機器等に穿刺する際に、当接部30を翼状の摘み部として用いることができるとともに、針体10の針先11が当接部30から大きく露出して視認性が良好となる。
ドーム状の当接部30の頭頂部にはベース部20が設けられている。より具体的には、当接部30の頭頂部に取付孔32が開口形成され、この取付孔32にロック部材34が嵌合している。ベース部20はロック部材34の上面側に装着されてロック部材34および当接部30に係止されている。
ベース部20は、一対のベース半体21a,21bを幅方向に組み合わせて構成されている(ベース半体21bは図6から図8参照)。幅方向の一方側(図1から図4における紙面手前側)に配置されるベース半体21aには後述する係合突片28が一体形成されている。幅方向の他方側(図1から図4における紙面奥行側)に配置されるベース半体21bには、針孔22の下端開口23を構成する底板部29(図4参照)が一体形成されている。ベース半体21a,21bは、連結機構50に形成されたヒンジ部57を回転可能に嵌合させる軸受穴27をそれぞれ有している。ベース半体21aとベース半体21bとは、連結機構50を挟持して軸受穴27にヒンジ部57を嵌合させた状態で、互いに接合されて固定されている。
本実施形態のベース部20(ベース半体21a,21b)は、当接部30よりも硬質の材料で作成された一または複数の部品で構成され、針孔22を有している。一例として、ベース部20はポリプロピレンや硬質塩化ビニルなどの樹脂材料、または金属材料で作成することができる。
針孔22は、針体10の進退方向すなわち上下方向に延在している。本実施形態の針孔22は、ベース部20の内側に形成された貫通孔である。ベース半体21a,21bには半割円柱状の凹欠部がそれぞれ切欠形成されており、これらの凹欠部を組み合わせることで針孔22が構成される。ただし本実施形態に代えて、針孔22はベース部20の周囲に形成された切欠部であって、ベース部20と、ロック部材34や当接部30などの他の部材との間に亘って針孔22が通孔形成されていてもよい。
なお、本実施形態ではベース部20と当接部30とが別部材として作成されてロック部材34により互いに連結されている態様を例示するが、本発明はこれに限られない。たとえば、ベース部20と当接部30とが一材で一体成形されてもよい。言い換えると、ベース部20をドーム状に成形し、その頭頂部に針孔22を開口形成してもよい。
図4に示すように、ベース部20は凹部25を内部に有している。凹部25は底面26を有する有底形状であり、底面26に針孔22が通孔形成されている。蓋部60は、針先11を針孔22より後退させる動作に連動して凹部25に嵌合する。これにより、蓋部60は針孔22を閉鎖し、針先11が下降して針孔22に再挿入されることを防止する。よって、針先11がベース部20から再突出することがない。ここで、針孔22が閉鎖されているとは、針孔22の開口の一部または全部が閉塞して針体10が針孔22を通過できない状態をいう。本実施形態の医療用針100は、抜去状態において、針孔22の開口の全部が蓋部60で閉塞される。これにより、針先11が針孔22に再び進入して下方に突出することが完全に禁止され、言い換えると医療用針100が抜去状態から穿刺状態に遷移することが防止される。
蓋部60は、針先11が針孔22から抜去されることにより針先11と針孔22との間に介挿されて針孔22を閉鎖する。これにより、針孔22から抜去された針先11が再び針孔22に進入することが蓋部60で禁止される。蓋部60が凹部25に嵌合するまでの一連の具体的な動作については、図6から図8を参照して後述する。
本実施形態の蓋部60は、特許文献1の医療用針における楔状部分のように針体に側方から押し当てられるのではなく、針先11と針孔22との間に介挿されるため、抜去状態の針体10を特別にロックせずとも針先11が針孔22から再突出することが禁止される。また、特許文献2の針先保護部のように針先を弾性変形させることなく蓋部60は針先11の再突出を禁止する。このため、本実施形態の医療用針100によれば、特許文献1や特許文献2の医療用針と異なり、使用者が誤操作や不完全な操作をしても針先11が不測に再突出することが防止される。
医療用針100の穿刺状態で、針体10の針先11は針孔22の下端開口23よりも下方に突出している(図2参照)。このとき、蓋部60は針孔22の直上とは異なる位置に退避している。具体的には、蓋部60は凹部25よりも上方であって針孔22よりも前方に位置している。
そして、針体10が引き上げられて連結機構50がベース部20に対して起立した医療用針100の抜去状態で、針体10の針先11は針孔22の下端開口23よりも上方に位置し、針先11は針孔22の内部または針孔22よりも上方に位置している(図4参照)。本実施形態の医療用針100においては、抜去状態で針先11は針孔22の上端開口24(図5参照)よりも上方に位置し、すなわち針体10は針孔22から後退して完全に抜去された状態にある。このとき、蓋部60は一部または全部が凹部25に嵌合して針孔22を閉鎖する。
図5は、抜去状態の医療用針100における蓋部60の近傍を示す拡大図である。針体10の針先11は針孔22よりも上方まで引き上げられ、蓋部60は針先11と針孔22との間に介挿されて針孔22を閉鎖している。
同図に示す医療用針100の抜去状態で、蓋部60は針孔22の上端側(底面26)に当接して針孔22を閉鎖する。すなわち、蓋部60は針孔22の上端に隙間なく密着して針孔22を閉鎖する。このため、抜去状態で蓋部60の上面61に針先11が押し当てられても、底面26に下方支持された蓋部60は容易に移動せず、蓋部60は安定して針孔22を閉鎖する。
より具体的には、本実施形態の凹部25の深さ寸法Dは、蓋部60の厚み寸法Tよりも大きい。図5に示す医療用針100の抜去状態で、蓋部60の厚み寸法Tの全体が凹部25の内部に嵌合する。これにより、医療用針100の抜去状態で凹部25に嵌合した蓋部60が、この凹部25から容易に離脱することがない。
蓋部60は、上面61および下面62を有している。上面61は、針先11と針孔22との間に蓋部60が介挿されたときに針先11に対向する面である。下面62は、同じく針先11と針孔22との間に蓋部60が介挿されたときに針孔22に対向する面である。図5に示すように、蓋部60の下面62の稜線の少なくとも一部(稜線63)には、蓋部60の上面61の稜線に施されているよりも大きな曲率半径の面取部が形成されている。
蓋部60における上面61の周囲の稜線は、稜線63に形成された面取部よりも小さな曲率半径の面取部が形成されていてもよく、または面取部を有さず尖鋭に形成されていてもよい。
稜線63は、蓋部60の下面62のうちヒンジ部57から離間した先端側のエッジであり、幅方向(図5の紙面前後方向)に延在している。かかる稜線63に大きな面取部を形成することで、図2に示す医療用針100の穿刺状態で針孔22から退避していた蓋部60が、図4に示す抜去状態で針孔22の上部まで揺動して移動する際に、凹部25の段差角部251に干渉することが防止される。
本実施形態に用いられる針体10は、針先11が偏心したヒューバー針である。ヒューバー針を用いることで体壁に対して低侵襲であり、またアクセスポートに対して針体10を多数回に亘って繰り返し穿刺してもポートの損傷が抑制される。針先11は針体10の針管の直径内で偏心して先細に形成されていてもよく、または針先11が針体10から径方向の一方側に屈曲形成されることにより針先11の先端が針体10から偏心していてもよい。図2および図4に示すように、本実施形態の針体10の針先11は近位側(図中、右方)に向かって屈曲している。蓋部60は、医療用針100が穿刺状態から抜去状態に遷移することに連動して駆動され、針先11の偏心方向すなわち屈曲方向(近位側)と同方向に揺動して針先11と針孔22との間に介挿される。なお、針体10(ヒューバー針)の偏心方向は特に限定されない。針先11の偏心方向は、本実施形態とは逆に遠位側(図中、左方)としてもよい。
図4に示すように、本実施形態の針体10の基端側は自然状態で90度よりも鋭角に屈曲している。具体的には、針体10は針支持部40の先端部(遠位部)の近傍において75度以上85度以下の屈曲角度θで屈曲している。
針支持部40は、針体10の基端部に装着されて針体10と送液チューブ46とを互いに連通させる中空筒状の部材である。針体10の基端部は針支持部40に挿通されている。針支持部40の近位側には送液チューブ46が嵌合して固定されており、針体10の基端部は送液チューブ46に挿通されている。
針支持部40は連結機構50を介してベース部20と連結されており、ベース部20に対して接離移動する。図1および図2に示す穿刺状態で、針支持部40はベース部20に対して近接している。これにより、針孔22に対して針体10が深く挿入され、針先11の全体がベース部20の下端開口23よりも下方に突出する。
送液チューブ46は、ナイロン、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素樹脂などの可撓性の樹脂材料で作成されている。送液チューブ46の近位側にはルアーコネクタ(図示せず)が装着されており、薬液や栄養剤などの液体が充填されたシリンジ(図示せず)が着脱可能に装着される。これにより、シリンジを操作することで送液チューブ46および針体10を通じて液体が針先11から吐出されてアクセスポートや医療機器に供給される。
医療用針100は、初期状態で穿刺状態(図1、図2参照)にある。すなわち、医療用針100の使用開始時に、針体10は針孔22に予め挿通して設けられている。針体10の誤穿刺を防止するため、初期状態の針体10の針先11にチューブ状などに形成されたキャップ(図示せず)を装着して針先11を保護してもよい。これにより、キャップを取り外すことで医療用針100を直ちに手技に供することができる。
図5に示すように、ベース部20は、針孔22の上方に針ガイド206を有している。針ガイド206はベース部20のうち針体10よりも遠位側、すなわちヒューバー針(針体10)の針先11の偏心方向(屈曲方向)の反対側に設けられた半割円柱状の凹部であり、引き上げられる針体10を案内する部位である。穿刺状態から抜去状態まで引き上げられる針体10は、引き上げ動作の少なくとも一部において、針孔22と針ガイド206とで二点支持される。これにより、針体10を安定して真っ直ぐ上方に引き上げることができる。針ガイド206が針先11の偏心方向(屈曲方向)の反対側に形成されていることで、引き上げられる針先11が針孔22を通過する際に針体10が針ガイド206で良好に支持される。
図4に示すように、連結機構50は、ベース部20と針支持部40とを連結してベース部20と針支持部40との離間距離の上限を規制する機構である。図1および図2に示す穿刺状態で、連結機構50は折り畳まれている。そして、穿刺状態の医療用針100において針支持部40をベース部20から引き上げることで連結機構50は展開し、医療用針100は抜去状態に遷移する。図3および図4に示す抜去状態で、連結機構50は完全に展開している。
抜去状態で針体10の針先11は少なくとも針孔22の下端開口23よりも上方まで後退する。本実施形態の医療用針100では、抜去状態において針体10の針先11は針孔22から完全に抜去されて蓋部60よりも上方に位置する。ただし本実施形態に代えて、抜去状態の医療用針100において針体10の針先11は針孔22から抜去されず針孔22の内部に収容されてもよい。かかる場合、蓋部60は針孔22の下端または中間部(ただし針先11よりも下方)において針孔22を閉鎖するとよい。
連結機構50は、互いに折り畳み可能に連結された複数の折畳片53,54を備えている。本実施形態では連結機構50が2枚の折畳片53,54を備える態様を例示するが、折畳片の枚数はこれに限られず、3枚以上でもよい。折畳片53,54は、互いに折り畳み可能に直列的に連結されている。折畳片53,54は樹脂材料の射出成形により作成することができる。連結機構50は、折畳片53,54が互いに折り畳まれた折畳状態から、折畳片53,54が互いに展開した展開状態に遷移可能である。医療用針100の穿刺状態(初期状態)で、連結機構50は折畳状態にある(図1、図2参照)。連結機構50は、上記とは逆に展開状態から折畳状態へも遷移可能に構成されてもよい。ただし、本実施形態の医療用針100においては、連結機構50が展開状態に遷移して医療用針100が抜去状態となることにより蓋部60が針孔22を閉鎖して針体10の下降が禁止されることに起因して、連結機構50が展開状態から折畳状態に再び遷移することが規制される。
折畳状態の連結機構50(折畳片53,54)は、ベース部20よりも近位側に折り畳まれて針支持部40とベース部20との間で保持されている。針支持部40をベース部20から引き上げることで、医療用針100は抜去状態となり、折畳片53と折畳片54とが互いに一直線上に並ぶことにより連結機構50は展開状態に遷移する(図3、図4参照)。連結機構50はベース部20から起立し、ベース部20、連結機構50および針支持部40は略一直線上に並ぶ。蓋部60は、針体10をベース部20から引き上げて連結機構50が折畳状態から展開状態に遷移することに連動して、針先11と針孔22との間に介挿される。これにより、針体10の下降が禁止され、連結機構50の展開状態が維持される。
上述したように、医療用針100は、連結機構50をベース部20に対して揺動可能に連結するヒンジ部57を有している。ベース部20に最も近接する下側の折畳片53は、ヒンジ部57によってベース部20に対して回動可能に連結されている。ヒンジ部57の回動軸方向は連結機構50の幅方向であり、言い換えると図1から図4の紙面奥行方向である。蓋部60は、ヒンジ部57を介して連結機構50の反対側に一体に設けられている。蓋部60は、連結機構50とともにヒンジ部57のまわりを揺動する。蓋部60は、ヒンジ部57のまわりを連結機構50と同方向に回転揺動する。これにより、横倒しの連結機構50が起立する方向に回転すると、蓋部60は横倒し状態から下垂状態に遷移する。
針支持部40に最も近接する上側の折畳片54は、上端ヒンジ59(図4参照)によって針支持部40の先端部(遠位部)に対して回動可能に連結されている。上端ヒンジ59の回動軸方向は、ベース部20に対する折畳片53の回動軸方向と同様に、連結機構50の幅方向である。折畳片53と折畳片54とは、連結機構50の幅方向を回動軸方向として互いに回動可能に連結されている。
医療用針100は、折畳状態の連結機構50が展開することを解除可能に規制する保持部68を有している。医療用針100の穿刺状態で、保持部68はベース部20に設けられた係合突片28に対して係止する(図2参照)。これにより、穿刺状態の医療用針100において針体10の針先11がベース部20や当接部30に対して不測に後退することが防止され、被験者の体壁または種々の医療機器に対して針体10を安定して穿刺することができる。より具体的には、本実施形態の保持部68は針支持部40からベース部20に向かって突出し、かつ幅方向の内向きに互いに対向する一対の爪状をなす。係合突片28は、ベース部20の上方かつ近位側(図2の右方)に突出して形成されている。係合突片28の上縁に沿って幅方向の外側に向かって突条部282が突出形成されている(図3参照)。一対の保持部68は、折畳状態の連結機構50における係合突片28に対して幅方向の外側から装着され、保持部68の爪が突条部282にラッチ係合する。これにより、連結機構50は折畳状態でベース部20にロックされる。
図2に示すように、連結機構50が折畳状態となり保持部68が係合突片28にラッチ係合している状態で、針支持部40は近位側(後端側)に向かって斜め下方に傾斜する。これにより、針支持部40が当接部30よりも上方に突出する寸法を抑制することができ、医療用針100が留置された状態で衣服その他の物品が針支持部40に干渉することが抑制される。
<蓋部60および連結機構50の動作について>
図6から図8を参照して、蓋部60および連結機構50の動作を説明する。図6は穿刺状態における蓋部60および連結機構50を示す斜視図である。図7は遷移状態における蓋部60および連結機構50を示す斜視図である。図8は抜去状態における蓋部60および連結機構50を示す斜視図である。図6から図8では、針体10、連結機構50、蓋部60およびベース部20におけるベース半体21bを図示し、ベース半体21aその他の部材は図示を省略している。
図6に示すように、穿刺状態の医療用針100で針体10はベース半体21b(ベース部20)の針孔22に挿通され、針先11が針孔22の下端開口23よりも下方に突出している。蓋部60は針孔22および凹部25よりも上方に位置し、ベース半体21bの上昇規制部202の下面と係合している。これにより、蓋部60は上方への移動が規制されている。蓋部60は、ヒンジ部57を介して連結機構50(折畳片53)の反対側に設けられている。穿刺状態で、連結機構50の折畳片53は横倒しに配置されている。
図6に示す初期状態(穿刺状態)から針支持部40をベース部20(ベース半体21b)に対して針孔22の貫通方向に引き上げると、針孔22に対する針先11の挿入深さは減少し、更に針支持部40を引き上げると針体10の針先11は下端開口23に引き込まれる(図7参照)。かかる状態が医療用針100の遷移状態である。遷移状態で、折畳片53(連結機構50)はヒンジ部57まわりに回転して基端側に向かって斜めに立ち上がる。
連結機構50は、ヒンジ部57を超えて反対側に延在する延在部51を有している。蓋部60は、延在部51に対してヒンジ部57の揺動軸58(図6参照)と平行な軸まわりに揺動可能に連結されている。具体的には、蓋部60と延在部51との境界部64は、蓋部60および延在部51よりも薄肉に形成されている。これにより境界部64は容易に屈曲可能であり、蓋部60は延在部51に対し、境界部64を軸として揺動可能である。ヒンジ部57よりも先端側に延在部51が存在することで、ヒンジ部57を中心に折畳片53が軸回転することに連動して蓋部60は折畳片53と反対側に揺動する。具体的には、折畳片53がベース部20に対して起立すると、蓋部60は上昇規制部202から離間して下降する。このとき、蓋部60は下方のみならず基端側(図2、図4の右方)に移動する。これにより、図7に示すように、蓋部60の下面62(図5参照)の稜線63は凹部25の段差角部251をかすめるようにして通過し、蓋部60は凹部25に入り込む。遷移状態では、図7に示すように、境界部64が屈曲し、蓋部60が延在部51に対してV字状に折り曲げられた状態となる。
蓋部60は、揺動軸58と平行な軸(境界部64)まわりに揺動することにより、延在部51に対して略直線方向から略直交方向に屈曲する。そして、屈曲した蓋部60が針孔22を閉鎖する。すなわち、図6に示す医療用針100の穿刺状態で蓋部60と延在部51と折畳片53とは略直線状に配置されており、図8に示す医療用針100の抜去状態で蓋部60と延在部51とは略直交している。延在部51および折畳片53は針体10と略平行に起立し、蓋部60は針孔22の深さ方向(上下方向)に直交するように横倒しに配置される。かかる状態で蓋部60は針孔22を閉鎖する。
折畳片53は、ベース部20と連結される下方側の少なくとも一部が二股形状に形成され、一対のヒンジ部57が幅方向の外側に突出して設けられている。本実施形態の医療用針100においては、針体10および針孔22を挟む両側に、一対のヒンジ部57および延在部51a、51bがそれぞれ形成されている。蓋部60は、一対の延在部51a、51bに亘って形成されている(図7参照)。これにより、蓋部60は幅方向には実質的に変位せず、上下方向および先基端方向に安定して揺動する。針体10は、折畳片53と蓋部60とで囲まれる矩形状の開口の内部に挿入されている。針体10を引き上げて針先11が針孔22から抜去されると、医療用針100は抜去状態に至る(図8参照)。蓋部60は、針先11と針孔22との間に介挿されることにより針孔22の全体を閉鎖する。
抜去状態で、折畳片53(連結機構50)はベース部20から略垂直に起立し、前進規制部204に当接する。前進規制部204は上下方向に延在する凹溝状に形成されており、折畳片53を密着して収容する嵌め合い形状に形成されている。起立した折畳片53は前進規制部204で保持され、折畳片53が再び後方に倒れることが規制される。抜去状態で蓋部60は針孔22と針先11との間に介挿される。このため、針体10が針孔22に再び挿入されることが禁止され、針体10が突っ支い棒として機能することにより連結機構50の折り畳みが防止される。これにより、医療用針100は抜去状態から穿刺状態に復位することがない。抜去状態に遷移した医療用針100は廃棄される。
図8に示すように、医療用針100が抜去状態になると、蓋部60は境界部64で略直角に折り曲げられ、延在部51に対して交差した状態となって凹部25に収容される。そして連結機構50(折畳片53)はベース部20に対して略垂直に起立する。これにより、蓋部60は針孔22を閉鎖する。かかる状態で連結機構50を再び横倒しすることを試みると、ヒンジ部57を中心に延在部51および蓋部60が先端側(図8における左下方向)に揺動しようとする。しかしながら、蓋部60は凹部25の遠位側の立壁252と衝突するため段差角部251を乗り越えることができず、すなわち蓋部60の揺動は規制される。このため、ひとたび起立して抜去状態となった連結機構50を再び横倒しすることはできず、言い換えると抜去状態の医療用針100が遷移状態に復位することは禁止され、医療用針100は安定する。
図9は本発明の第二実施形態にかかる医療用針100の穿刺状態を示す側面図である。図10は同状態の平面図であり、図11は正面図である。図11に二点鎖線で示す押さえ片84は、実線で示す初期状態から下方に屈曲した状態を表す。
本実施形態の医療用針100は、被験者の体表に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部30を備えるとともにベース部20が当接部30に係止されている点で第一実施形態と共通し、ベース部20が当接部30の上面に重なる押さえ片84を有している点で第一実施形態と相違する。以下、第一実施形態と共通する説明は適宜省略する。
当接部30は、第一実施形態と同様に、ベース部20を該当接部30に向かって保持するロック部(ロック部材34)を有している。ロック部材34は上方に延在する一対の爪部を有しており、ベース部20はこの爪部に保持され、当接部30から上方に離間する移動が規制されている。押さえ片84はベース部20に一体形成されている。
具体的には、ベース部20には、一対の押さえ片84が幅方向の外側に向かってそれぞれ突出形成されている。押さえ片84は板状の突片である。上方から使用者が指等で押さえ片84を押圧することにより、図11に二点鎖線で示すように押さえ片84が当接部30に押し当てられ、これにより当接部30を被験者の体表に押し付けることができる。よって、穿刺状態(図1、図2および図9から図11参照)の医療用針100において針体10を引き上げて抜去状態(図3から図5参照)まで遷移させるにあたり、針体10と針孔22との間に生じる摩擦力によってベース部20がロック部材34から外れることが防止される。すなわち、使用者が押さえ片84を体表に対してしっかりと押圧することでベース部20は下向きに付勢されるため、針孔22を介して針体10からベース部20に負荷される上向きの摩擦力が相殺される。このため、針体10の引き上げ時に、当接部30に固定されたロック部材34の爪部にベース部20の引抜力が作用することが防止される。
押さえ片84とベース部20とは、上下方向の少なくとも一方に向かって屈曲自在に形成された易屈曲部86を介して接続されている。本実施形態の易屈曲部86は、一対の押さえ片84をそれぞれベース部20(ベース半体21a,21b)と連結する棒状部である。棒状の易屈曲部86の断面は、上下(厚み)方向の寸法が前後(幅)方向の寸法よりも小さい矩形状をなしている。また、易屈曲部86の断面の上下(厚み)方向の寸法は、押さえ片84の当該寸法よりも小さい。このため、易屈曲部86は針体10の進退方向と平行な上下方向に容易に屈曲する。
針体10の引き上げ時に押さえ片84を当接部30の上面に押し当てて当接部30を体壁に固定しておく観点から、易屈曲部86は下方に向かって屈曲自在であることが好ましい。ここで、易屈曲部86が屈曲自在であるとは、通常の手技において使用者が指等で押さえ片84を上方または下方に付勢したときに、棒状の易屈曲部86に板状の押さえ片84よりも大きな歪が生じて曲げ変形することをいう。
また、本実施形態の医療用針100を被験者の体壁に穿刺する際に、使用者はドーム状の当接部30を上方に折り曲げて摘むことにより当接部30を表裏反転させ、針先11を十分に露出させて用いることができる。かかる表裏反転動作を妨げることがないよう、押さえ片84は当接部30とともに上方に折り曲げ可能であることが好ましい。このため、易屈曲部86は上方に向かっても屈曲自在であることが好ましい。
図10に示すように、押さえ片84の少なくとも上面には、凹凸部88が形成されている。凹凸部88の形態は特に限定されず、押さえ片84の上面を粗面化処理して形成してもよく、または突起もしくは凹部を押さえ片84の上面に形成してもよい。本実施形態の凹凸部88は、押さえ片84を厚み方向に貫通する多数の貫通孔である。押さえ片84の上面に凹凸部88を形成することにより、使用者の指等が押さえ片84の上面で滑ることを抑制し、押さえ片84を当接部30の上面に好適に押し当てることができる。また、押さえ片84と当接部30との接触面の摩擦抵抗を増大させて押さえ片84が当接部30に対して滑ることを抑制する観点からは、押さえ片84の下面に凹凸部88を形成してもよい。
本実施形態の医療用針100は、当接部30を厚み方向に貫通する通気孔70を有する点で第一実施形態と相違する。当接部30が通気孔70を有することで、当接部30と生体組織(体表)との間に生じた汗を、通気孔70を介して良好に気化または流出させることが可能である。
本実施形態では、複数の通気孔70がベース部20を取り囲むように当接部30の周縁近傍に同心状に均等に分散配置されている態様を例示する。ただし、通気孔70の個数および配置は特に限定されない。
本実施形態の通気孔70は、少なくとも1個の頂部72を有する。頂部72は、当接部30の径方向の内側に向けて配置されている。通気孔70が頂部72を有することで、頂部72の近傍において毛細管現象が生じ、生体組織(体表)と当接部30との間に生じた汗を頂部72の近傍より当接部30の上面側に導くことができる。これにより、通気孔70の内部に汗が溜まり、この汗の液滴がドーム状の当接部30の径方向外側に溜まった状態でも、頂部72を通じて体表から引き続き汗を導出することができる。具体的には、通気孔70の形状は、頂部72の近傍において細幅であり、当接部30の径方向外側に向かって太幅に変化するテーパー形状である。具体的には、通気孔70はハート形状、扇形状または滴形状とすることができる。
一対の押さえ片84は、ベース部20から幅方向の外側に向かって水平方向に突出している。押さえ片84の形状および大きさは特に限定されないが、図10に示す平面視で当接部30に内包される形状および大きさであることが好ましい。これにより、押さえ片84を指等で下方に押圧するにあたり、押さえ片84のいずれの部位を押圧しても当接部30を体表に押し付けることができる。本実施形態の押さえ片84は、図10に示すように、平面視においては、通気孔70と重複している。ただし、易屈曲部86を屈曲させて押さえ片84を当接部30に押し当てた状態(図11に二点鎖線で示す)では、押さえ片84が通気孔70と重ならないことが好ましい。これにより、通気孔70が押さえ片84で塞がれることがないため、通気孔70を通じて体表から汗が導出される作用が損なわれることが防止される。したがって、当接部30の周方向のうち押さえ片84の突出位置を避けた箇所に通気孔70を形成してもよい。または、ベース部20から突出する押さえ片84の突出長さを、ベース部20から通気孔70(頂部72)までの当接部30の上面に沿う長さ以下としてもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、抜去状態で起立した折畳片53をベース部20の前進規制部204(図6から図8参照)で保持することを例示したが、本発明はこれに限られない。医療用針100は、起立した折畳片53を掛止するロック部(図示せず)を備えてもよい。また、当接部30(図1、図2参照)として三次元的な湾曲形状を例示したが、本発明はこれに限られない。当接部30は平坦な板状としてもよい。
なお、本発明の医療用針100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)針孔を有するベース部と、尖鋭な針先を有し前記針先が前記針孔より突出して設けられている針体と、前記針体を前記ベース部に対して引き上げ可能に連結する連結機構と、前記針体を前記ベース部から引き上げて前記針先を前記針孔より後退させる動作に連動して駆動されて前記針孔を閉鎖する蓋部と、を有する医療用針。
(2)前記蓋部が、前記針先が前記針孔から抜去されることにより前記針先と前記針孔との間に介挿されて前記針孔を閉鎖する上記(1)に記載の医療用針。
(3)前記蓋部が、前記針孔の上端側に当接して前記針孔を閉鎖する上記(2)に記載の医療用針。
(4)前記連結機構が、互いに折り畳み可能に連結された複数の折畳片を備え、前記折畳片が互いに折り畳まれた折畳状態から前記折畳片が互いに展開した展開状態に遷移可能であり、前記針体を前記ベース部から引き上げて前記連結機構が前記折畳状態から前記展開状態に遷移することに連動して前記蓋部が前記針先と前記針孔との間に介挿される上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の医療用針。
(5)前記連結機構を前記ベース部に対して揺動可能に連結するヒンジ部を有し、前記蓋部が、前記ヒンジ部を介して前記連結機構の反対側に一体に設けられていて前記連結機構とともに揺動する上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の医療用針。
(6)前記連結機構が、前記ヒンジ部を超えて前記反対側に延在する延在部を有し、前記蓋部が前記延在部に対して前記ヒンジ部の揺動軸と平行な軸まわりに揺動可能に連結されている上記(5)に記載の医療用針。
(7)前記蓋部が、前記軸まわりに揺動することにより、前記延在部に対して略直線方向から略直交方向に屈曲し、屈曲した前記蓋部が前記針孔を閉鎖する上記(6)に記載の医療用針。
(8)それぞれ一対の前記ヒンジ部および前記延在部が、前記針体および前記針孔を挟む両側に形成されており、前記蓋部が一対の前記延在部に亘って形成され、前記針先と前記針孔との間に介挿されることにより前記針孔の全体を閉鎖する上記(6)または(7)に記載の医療用針。
(9)前記ベース部は、底面に前記針孔が通孔形成された凹部を有し、前記蓋部は、前記針先を前記針孔より後退させる動作に連動して前記凹部に嵌合する上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の医療用針。
(10)前記蓋部は、前記針先と前記針孔との間に介挿されたときに前記針先に対向する上面および前記針孔に対向する下面を有し、前記下面の稜線の少なくとも一部には、前記上面の稜線に施されているよりも大きな曲率半径の面取部が形成されている上記(9)に記載の医療用針。
(11)前記凹部の深さ寸法は前記蓋部の厚み寸法よりも大きく、前記蓋部の厚み寸法の全体が前記凹部の内部に嵌合する上記(9)または(10)に記載の医療用針。
(12)前記針体は、前記針先が屈曲したヒューバー針であり、前記蓋部は前記針先の屈曲方向と同方向に揺動して前記針先と前記針孔との間に介挿される上記(1)から(11)のいずれか一項に記載の医療用針。
また、上記実施形態は、更に以下の技術思想を包含する。
(13)被験者の体表に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部を更に備え、前記ベース部は、前記当接部に係止されているとともに、前記当接部の上面に重なる押さえ片を有する上記(1)から(12)のいずれか一項に記載の医療用針。
(14)前記当接部は前記ベース部を該当接部に向かって保持するロック部を有し、前記押さえ片は前記ベース部に一体形成されている上記(13)に記載の医療用針。
(15)前記押さえ片と前記ベース部とが、上下方向の少なくとも一方に向かって屈曲自在に形成された易屈曲部を介して接続されている上記(13)または(14)に記載の医療用針。
(16)前記押さえ片の少なくとも上面に凹凸部が形成されている上記(13)から(15)のいずれか一項に記載の医療用針。
10 針体
11 針先
20 ベース部
202 上昇規制部
204 前進規制部
206 針ガイド
21a,21b ベース半体
22 針孔
23 下端開口
24 上端開口
25 凹部
251 段差角部
252 立壁
26 底面
27 軸受穴
28 係合突片
282 突条部
29 底板部
30 当接部
32 取付孔
34 ロック部材
36 切込部
40 針支持部
46 送液チューブ
50 連結機構
51,51a,51b 延在部
53,54 折畳片
57 ヒンジ部
58 揺動軸
59 上端ヒンジ
60 蓋部
61 上面
62 下面
63 稜線
64 境界部
68 保持部
70 通気孔
72 頂部
84 押さえ片
86 易屈曲部
88 凹凸部
100 医療用針
θ 屈曲角度
D 深さ寸法
T 厚み寸法

Claims (13)

  1. 針孔を有するベース部と、
    尖鋭な針先を有し前記針先が前記針孔より突出して設けられている針体と、
    前記針体を前記ベース部に対して引き上げ可能に連結する連結機構と、
    前記針体を前記ベース部から引き上げて前記針先を前記針孔より後退させる動作に連動して駆動されて前記針孔を閉鎖する蓋部と、
    前記連結機構を前記ベース部に対して揺動可能に連結するヒンジ部と、を有し、
    前記ベース部は、底面を有する有底形状であり前記底面に前記針孔が通孔形成された凹部を有し、
    前記蓋部は、前記ヒンジ部を介して前記連結機構の反対側に一体に設けられていて、前記針先を前記針孔より後退させる動作に連動して前記ヒンジ部のまわりを前記連結機構とともに所定の方向に揺動して前記凹部に嵌合し、前記針先と前記底面との間に介挿されて前記針孔を閉鎖し、
    前記凹部に嵌合した前記蓋部は前記凹部の立壁によって前記所定の方向とは反対方向の揺動が規制されることを特徴とする医療用針。
  2. 前記蓋部が、前記針孔の上端側に当接して前記針孔を閉鎖する請求項に記載の医療用針。
  3. 前記連結機構が、互いに折り畳み可能に連結された複数の折畳片を備え、前記折畳片が互いに折り畳まれた折畳状態から前記折畳片が互いに展開した展開状態に遷移可能であり、
    前記針体を前記ベース部から引き上げて前記連結機構が前記折畳状態から前記展開状態に遷移することに連動して前記蓋部が前記針先と前記針孔との間に介挿される請求項1または2に記載の医療用針。
  4. 前記連結機構が、前記ヒンジ部を超えて前記反対側に延在する延在部を有し、
    前記蓋部が前記延在部に対して前記ヒンジ部の揺動軸と平行な軸まわりに揺動可能に連結されている請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用針。
  5. 前記蓋部が、前記軸まわりに揺動することにより、前記延在部に対して略直線方向から略直交方向に屈曲し、屈曲した前記蓋部が前記針孔を閉鎖する請求項に記載の医療用針。
  6. それぞれ一対の前記ヒンジ部および前記延在部が、前記針体および前記針孔を挟む両側に形成されており、
    前記蓋部が一対の前記延在部に亘って形成され、前記針先と前記針孔との間に介挿されることにより前記針孔の全体を閉鎖する請求項4または5に記載の医療用針。
  7. 前記蓋部は、前記針先と前記針孔との間に介挿されたときに前記針先に対向する上面および前記針孔に対向する下面を有し、
    前記下面の稜線のうち前記ヒンジ部から離間した先端側の稜線には、前記上面の稜線に施されているよりも大きな曲率半径の面取部が形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用針。
  8. 前記凹部の深さ寸法は前記蓋部の厚み寸法よりも大きく、前記蓋部の厚み寸法の全体が前記凹部の内部に嵌合する請求項に記載の医療用針。
  9. 前記針体は、前記針先が偏心したヒューバー針であり、
    前記蓋部は前記針先の偏心方向と同方向に揺動して前記針先と前記針孔との間に介挿される請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  10. 被験者の体表に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部を更に備え、
    前記ベース部は、前記当接部に係止されているとともに、前記当接部の上面に重なる押さえ片を有する請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  11. 前記当接部は前記ベース部を該当接部に向かって保持するロック部を有し、前記押さえ片は前記ベース部に一体形成されている請求項10に記載の医療用針。
  12. 前記押さえ片と前記ベース部とが、上下方向の少なくとも一方に向かって屈曲自在に形成された易屈曲部を介して接続されている請求項10または11に記載の医療用針。
  13. 前記押さえ片の少なくとも上面に凹凸部が形成されている請求項10から12のいずれか一項に記載の医療用針。
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