JP6439499B2 - 医療用針 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用針に関する。
医療用の種々の穿刺針が提供されている。その一例として、皮下に埋め込まれたアクセスポートに穿刺して薬液や栄養剤などの液体を供給するポート針と呼ばれる医療用針が提供されている。
この種の医療用針においては、手技に使用した後に針先を保護して安全に廃棄等の処理をするため、針先を部材で保護した状態で針体をロックする安全装置が設けられているものがある。
特許文献1には、針体を翼部(ベース部)から引き上げることにより針先が針先保護部に収容される医療用針が記載されている。特許文献1の図9には、針体の引き上げ動作によって針先保護部が翼部に対して回動して針孔の前方(図9における左方)に移動し、更に針体を引き上げると針先が撓んで針先保護部に押入される態様が記載されている。針先保護部に収容された針先は撓み状態から弾性的に復元するため、針先保護部から再突出することが規制される。これにより、使用済みの医療用針において尖鋭な針先は針先保護部で覆われるため、針先に接触することなく安全に廃棄できるとされている。
国際公開第2007/126085号パンフレット
近年、医療機器の取り扱いの更なる安全が求められており、製造者が推奨する使い方を外れた使用態様で医療機器が取り扱われた場合にも安全が確保されることが求められている。
たとえば、特許文献1の医療用針は、使用済みの針体を固定部から引き上げ、折り畳み構造の制限部を展開させて起立させた状態で廃棄することが想定されている。しかしながら、医療用針を廃棄する作業者は、引き上げられた針体や起立した制限部を後方すなわちチューブ側に折り曲げて全体の嵩張りを減らそうとすることも考えられる。そして、強い力で折り曲げられると医療用針は塑性変形し、針先保護部による針先の保護機能が失われる場合がある。具体的には、針体が後方に強く倒されると、針体の屈曲形状が塑性変形し、針先保護部に収容されている針先は当該針先保護部の上方の開口である第一開口部から突き出て露出するおそれがある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、使用済みの針体の針先を保護して使用者や作業者が不測に針先に接触することが防止されているうえに、たとえば廃棄時などに針体に外力が負荷されても針先の保護を維持することが可能な医療用針を提供するものである。
本発明によれば、針孔を有するベース部と、針管および尖鋭な針先を有し、前記針先が前記針孔より突出して設けられる針体と、前記針体の一方側に配置され、一端が前記ベース部に接続され他端が前記針管に接続され、前記針体を前記ベース部に対して引き上げ可能に連結する連結機構と、前記ベース部に対して引き上げられた前記針体の前記針先の近傍に配置される保護部、および回動部を有する針先保護部材と、を備え、前記連結機構の前記一端は、前記ベース部における前記針孔よりも前記一方側に偏移した位置に接続されており、引き上げられた前記針体および前記連結機構を前記ベース部に対して前記一方側に倒すことにより、前記針先保護部材が前記回動部を中心に回動し、前記保護部は前記針先の近傍に配置された状態で前記針先とともに前記ベース部に対して移動することを特徴とする医療用針が提供される。
上記発明によれば、使用済みの針体をベース部から引き上げることで針先の近傍に針先保護部材の保護部が配置されるため使用者や作業者が針先に接触することが防止される。一方、針体の一方側(たとえば後方)に配置された連結機構の一端は針孔よりも当該一方側でベース部に接続されており、連結機構を当該一方側に倒すことで針先は傾斜および上昇するところ、針先保護部材が回動部を中心に回動し保護部が針先とともにベース部に対して移動するため、針先保護部材は針先に追随する。これにより、使用済みで引き上げられた針体に外力を負荷して倒すなどしても針先が針先保護部材に保護された状態が維持される。
本発明の医療用針によれば、使用済みの針体の針先を保護して使用者や作業者が不測に針先に接触することが防止されているうえに、たとえば廃棄時などに針体に外力が負荷されても針先の保護を維持することができる。
本発明の実施形態にかかる医療用針の穿刺状態を示す側面図である。 図1に示す穿刺状態の医療用針を針体に沿って切断した縦断面図である。 医療用針の抜去状態を示す斜視図である。 医療用針の抜去状態を示す側面図である。 図4に示す抜去状態の医療用針を針体に沿って切断した縦断面図である。 抜去状態の医療用針における針先の近傍を示す拡大図である。 針体と針先保護部材と連結機構との係合状態を示す下面図である。 針体と針先保護部材と連結機構とを分離した組立下面図である。 医療用針の横倒状態を示す斜視図である。 図9に示す横倒状態の医療用針を針体に沿って切断した縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかる医療用針100の穿刺状態を示す側面図である。医療用針100の穿刺状態とは、針体10が被験者の体壁等に穿刺されて医療用針100が留置される際の状態であり、医療用針100を手技に使用する使用状態である。以下、穿刺状態を初期状態と呼称する場合がある。図2は、図1に示す使用状態の医療用針100を針体10に沿って切断した縦断面図である。
図3は、本実施形態の医療用針100の抜去状態を示す斜視図である。図4は抜去状態の医療用針100の側面図であり、図5は図4に示す抜去状態の医療用針100を針体10に沿って切断した縦断面図である。図6は抜去状態の医療用針100における針先11の近傍を示す拡大図である。医療用針100の抜去状態とは、針体10が針孔22から穿刺状態よりも後退して針先11が針孔22の内部に収容されているか、または針先11が針孔22の上方に抜去された状態である。
本明細書では、針体10の穿刺方向を下方、針体10の抜去方向を上方と呼称する場合があるが、これは構成要素の相対関係を説明するために便宜的に規定するものであり、本発明にかかる製品の製造時や使用時の方向を必ずしも限定するものではない。また、医療用針100のうち、送液チューブ46が延在する側を近位側または後方と呼称し、その反対側を遠位側または前方と呼称する場合がある。図1や図4の右方が近位側に相当し、左方が遠位側に相当する。また、図1や図4の紙面奥行方向を医療用針100の幅方向と呼称する。
図9は、本実施形態の医療用針100の横倒状態を示す斜視図である。図10は図9に示す横倒状態の医療用針100を針体10に沿って切断した縦断面図である。
本明細書において、針先11が針孔22から突出する方向に移動することを、針体10や針先11が前進すると呼称する。逆に、針先11が針孔22に没入するか、または針先11が針孔22の上方に抜去される方向に移動することを、針体10や針先11が後退すると呼称する。手技に使用されて抜去状態となった医療用針100は、図3に示す抜去状態のままで、または図9および図10に示すように針体10を所定方向(具体的には送液チューブ46が延在する後方側)に倒した横倒状態で、更に任意で他の部材(図示せず)を組み合わせた状態で、廃棄される。
はじめに、本実施形態の医療用針100の概要について説明する。医療用針100は、針孔22を有するベース部20、針体10、連結機構50および針先保護部材70を備えている。
針体10は、針管12および尖鋭な針先11を有し、図1および図2に示す初期状態の医療用針100において針先11は針孔22より突出して設けられている。針体10の誤穿刺を防止するため、初期状態の針体10の針先11にチューブ状などに形成されたキャップ(図示せず)を装着して針先11を保護してもよい。ただし、初期状態において針先11が針孔22から突出せず、医療用針100を手技に供する際に針先11を前進させて針孔22より突出させることを排除するものではない。
連結機構50は、針体10の一方側に配置されている。具体的には、本実施形態の連結機構50は針体10の後方側に配置されている。連結機構50の一端(ヒンジ部57:図1および図4参照)はベース部20に接続され、他端(上端ヒンジ59:図5参照)は針管12に接続されている。これにより、連結機構50は針体10をベース部20に対して引き上げ可能に連結する。
針先保護部材70は、保護部72および回動部74を有している。保護部72は、図5に示すようにベース部20に対して引き上げられた抜去状態の針体10の針先11の近傍に配置される部位である。図2および図5に示すように、連結機構50の一端(ヒンジ部57)は、ベース部20における針孔22よりも当該一方側(後方側)に偏移した位置に接続されている。
そして、図9および図10に示すように、引き上げられた針体10および連結機構50をベース部20に対して上記一方側(後方側)に倒すことにより、針先保護部材70が回動部74を中心に回動し、保護部72は針先11の近傍に配置された状態で針先11とともにベース部20に対して移動する。これにより、図9および図10に示す横倒状態で、保護部72は針先11に沿って傾斜および上昇し、保護部72は使用者や廃棄作業者の指先が針先11に接触することを防止し続けることができる。
次に、本実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の医療用針100は、被験者の皮下に埋め込まれたアクセスポート(図示せず)に尖鋭な針先11を有する針体10を穿刺して薬液や栄養剤などの液体を供給することが可能なポート針である。本実施形態の医療用針100は、皮下に埋設されたアクセスポートのほか、被験者の体外に設置された種々の医療機器に対して針体10を穿刺して用いてもよい。
医療用針100は、被験者の体表(皮膚表面)に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部30を備えている。ベース部20は、当接部30に係止されているとともに、当接部30の上面に重なる押さえ片84を有している(図3参照)。粘着テープ(図示せず)などを用いて当接部30を被験者の体表に接合することにより、針体10を被験者の体壁に穿刺した状態で医療用針100を固定することができる。押さえ片84の機能に関しては後述する。
針体10は、針管12の先端に形成された尖鋭の針先11が偏心したヒューバー針である。ヒューバー針を用いることで体壁に対して低侵襲であり、またアクセスポートに対して針体10を多数回に亘って繰り返し穿刺してもポートの損傷が抑制される。針先11は針管12の直径内で偏心して形成されていてもよく、または針先11が針管12から径方向の一方側に屈曲形成されることにより針先11の先端が針管12から偏心していてもよい。本実施形態では、針先11が針管12の後方側に屈曲している態様を例示する。針先11を含む針管12の先端側の屈曲部を先端屈曲部と呼称する。
一方、図4に示すように、針管12の基端側は自然状態で90度よりも鋭角に屈曲している。具体的には、針体10は針支持部40の先端部(遠位部)の近傍において75度以上85度以下の屈曲角度θで屈曲している。針管12の基端側の屈曲部を基端屈曲部と呼称する。
図2に示すように、針先11(先端屈曲部)は針管12から近位側(図中、右方)に向かって屈曲している。針先11(先端屈曲部)の形成幅Wは、針管12(ただし基端屈曲部を除く)の伸長方向(図中、上下方向)に延在するとともに針先11に外接する円筒の直径である。この形成幅Wは、針管12の外径の1倍以上、2倍未満が好ましい。すなわち、針先11が針管12の直径内で偏心テーパー状に先細に形成された針体10の場合、針先11の形成幅Wは針管12の外径と等しくなる。そして、本実施形態の針体10のように針先11が針管12から径方向の一方側に屈曲しているヒューバー針の場合、針先11の形成幅Wは針管12の外径よりも大きくなる。
針支持部40は、針体10の基端部に装着されて針体10と送液チューブ46とを互いに連通させる中空筒状の部材である。針体10(針管12)の基端は針支持部40に挿通されている。針支持部40の近位側には送液チューブ46が嵌合して固定されており、針体10の基端部は送液チューブ46に挿通されている。
針支持部40は連結機構50を介してベース部20と連結されており、ベース部20に対して接近/離間する方向に移動する。図1および図2に示す穿刺状態で、針支持部40はベース部20に対して近接している。これにより、針孔22に対して針体10が深く挿入され、針先11の全体がベース部20の下端開口23よりも下方に突出する。
送液チューブ46は、ナイロン、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素樹脂などの可撓性の樹脂材料で作成されている。送液チューブ46の近位側にはルアーコネクタ(図示せず)が装着されており、薬液や栄養剤などの液体が充填されたシリンジ(図示せず)が着脱可能に装着される。これにより、シリンジを操作することで送液チューブ46および針体10を通じて液体が針先11から吐出されてアクセスポートや医療機器に供給される。
本実施形態に例示する当接部30はドーム状に三次元的に湾曲している。より具体的には、当接部30は部分球面状をなし、図1から図5の下方に向かって開口している。図1および図2に示す穿刺状態で、針体10は、この部分球面の中心に向かって当接部30を貫通している。これにより、アクセスポートが埋設されて僅かに膨出した体壁に対して針体10を穿刺した状態で、当接部30を体壁に密着させることができる。当接部30は可撓性を有しており、体壁の隆起形状に追随して変形することができる。当接部30は、たとえば、シリコーンゴム、ウレタンゴムまたはスチレン・ブタジエンゴムなどの熱可塑性の合成ゴム材料で形成されている。
図2および図4に示すように、当接部30には切込部36が形成されている。切込部36は、当接部30の円形の周縁から内向きに延在している。切込部36の位置および数量は特に限定されないが、本実施形態では針体10を挟んでその両側にそれぞれ切込部36が形成されている。当接部30に切込部36を形成することにより、使用者はドーム状の当接部30を上方に折り曲げて摘むことにより当接部30の表裏を容易に反転させることができる。これにより、医療用針100の針体10を被験者の体壁や医療機器等に穿刺する際に、当接部30を翼状の摘み部として用いることができるとともに、針体10の針先11が当接部30から大きく露出して視認性が良好となる。
本実施形態のベース部20は、当接部30よりも硬質の材料で作成された一または複数の部品で構成され、針孔22を有している。一例として、ベース部20はポリプロピレンや硬質塩化ビニルなどの樹脂材料、または金属材料で作成することができる。
ドーム状の当接部30の頭頂部には取付孔32が開口形成され、この取付孔32にロック部34が嵌合している。ロック部34は上方に延在する一対の爪部を有しており、ベース部20はこの爪部に保持され、当接部30から上方に離間する移動が規制されている。すなわち、当接部30は、ベース部20を該当接部30に向かって保持するロック部34を有し、押さえ片84はベース部20に一体形成されている。
ベース部20は針孔22を有し、針体10が挿通されるとともに、連結機構50を介して針支持部40を支持する土台となる部位である。図3に示すように、ベース部20は、一対のベース半体21a,21bを幅方向に組み合わせて構成されている。ベース半体21a,21bは架橋部48で連結されている。ベース半体21a,21bおよび架橋部48は単一部材で作成され、ベース半体21a,21bを互いに掛止することによりベース部20は組み立てられる。ベース半体21aには、後述する係合突片28が一体形成されている。また、ベース半体21a,21bは円弧状の案内部80をそれぞれ幅方向の対向位置に有している。案内部80の機能については後述する。
ベース半体21a,21bには、針体10の進退方向すなわち上下方向に延在する半割円柱状の凹欠部がそれぞれ対向位置に形成されており、これらの凹欠部を互いに突き合わせることで針孔22が構成されている。ただし本実施形態に代えて、針孔22はベース部20の周囲に形成された切欠部でもよい。
ベース部20には、一対の押さえ片84が幅方向の外側に向かってそれぞれ突出形成されている。押さえ片84は板状の突片であり、上方から使用者が指等で押さえ片84を押圧することにより当接部30を被験者の体壁に押し付けることができる。これにより、穿刺状態の医療用針100において針体10を引き上げて抜去状態まで遷移させるにあたり、針体10と針孔22との間に生じる摩擦力によってベース部20がロック部34から外れることを防止する。すなわち、使用者が押さえ片84を体壁に対してしっかりと押圧することでベース部20は下向きに付勢されるため、針孔22を介して針体10からベース部20に負荷される上向きの摩擦力が相殺される。このため、針体10の引き上げ時に、当接部30に固定されたロック部34の爪部にベース部20の引抜力が作用することが防止される。
押さえ片84とベース部20とは、上下方向の少なくとも一方に向かって屈曲自在に形成された易屈曲部86を介して接続されている。本実施形態の易屈曲部86は、一対の押さえ片84をそれぞれベース部20(ベース半体21a,21b)と連結する棒状部である。棒状の易屈曲部86の断面は、上下(厚み)方向の寸法が前後(幅)方向の寸法よりも小さい矩形状をなしている。また、易屈曲部86の断面の上下(厚み)方向の寸法は、押さえ片84の当該寸法よりも小さい。このため、易屈曲部86は針体10の進退方向と平行な上下方向に容易に屈曲する。
針体10の引き上げ時に押さえ片84を当接部30の上面に押し当てて当接部30を体壁に固定しておく観点から、易屈曲部86は下方に向かって屈曲自在であることが好ましい。ここで、易屈曲部86が屈曲自在であるとは、通常の手技において使用者が指等で押さえ片84を上方または下方に付勢したときに、棒状の易屈曲部86に板状の押さえ片84よりも大きな歪が生じて曲げ変形することをいう。
また、本実施形態の医療用針100を被験者の体壁に穿刺する際に、使用者はドーム状の当接部30を上方に折り曲げて摘むことにより当接部30を表裏反転させ、針先11を十分に露出させて用いることができる。かかる表裏反転動作を妨げることがないよう、押さえ片84は当接部30とともに上方に折り曲げ可能であることが好ましい。このため、易屈曲部86は上方に向かっても屈曲自在であることが好ましい。
図3に示すように、押さえ片84の少なくとも上面には、凹凸部88が形成されている。凹凸部88の形態は特に限定されず、押さえ片84の上面を粗面化処理して形成してもよく、または突起もしくは凹部を押さえ片84の上面に形成してもよい。本実施形態の凹凸部88は、押さえ片84を厚み方向に貫通する多数の貫通孔である。押さえ片84の上面に凹凸部88を形成することにより、使用者の指等が押さえ片84の上面で滑ることを抑制し、押さえ片84を当接部30の上面に好適に押し当てることができる。また、押さえ片84と当接部30との接触面の摩擦抵抗を増大させて押さえ片84が当接部30に対して滑ることを抑制する観点からは、押さえ片84の下面に凹凸部88を形成してもよい。
本実施形態の医療用針100は、針体10をベース部20に対して引き上げ可能に連結する連結機構50を有している。ベース半体21a,21bは、連結機構50に形成されたヒンジ部57を回転可能に嵌合させる軸受穴27をそれぞれ有している。ベース半体21aとベース半体21bとは、連結機構50を挟持して軸受穴27にヒンジ部57を嵌合させた状態で、互いに接合されて固定されている。
連結機構50は、ベース部20と針支持部40とを連結して、図5に示す抜去状態でベース部20と針支持部40との離間距離の上限を規制する機構である。図2に示す穿刺状態で、連結機構50は折り畳まれている。そして、穿刺状態の医療用針100において針支持部40をベース部20から引き上げることで連結機構50は展開し、医療用針100は抜去状態に遷移する。図5に示す抜去状態で、連結機構50は完全に展開している。
連結機構50は、互いに折り畳み可能に連結された複数の折畳片53,54を備えている。本実施形態では連結機構50が2枚の折畳片53,54を備える態様を例示するが、折畳片の枚数はこれに限られず、3枚以上でもよい。折畳片53,54は、互いに折り畳み可能に直列的に連結されている。折畳片53,54は樹脂材料の射出成形により作成することができる。連結機構50は、折畳片53,54が互いに折り畳まれた折畳状態から、折畳片53,54が互いに展開した展開状態に遷移可能である。針体10をベース部20から引き上げて連結機構50が折畳状態から展開状態に遷移することに連動して、連結機構50は一端(ヒンジ部57)で軸回動して起立状態となる。医療用針100の穿刺状態(初期状態)で、連結機構50は折畳状態にある(図1、図2参照)。連結機構50が展開状態に遷移して医療用針100が抜去状態となることにより、後述するように蓋部60が針孔22を閉鎖して針体10の下降が禁止される。これに起因して、連結機構50が展開状態(図5)から折畳状態(図2)に再び遷移することが規制される。
折畳状態の連結機構50(折畳片53,54)は、ベース部20よりも近位側に折り畳まれて針支持部40とベース部20との間で保持されている。針支持部40をベース部20から引き上げることで、医療用針100は抜去状態となり、折畳片53と折畳片54とが互いに一直線上に並ぶことにより連結機構50は展開状態に遷移する(図3から図5参照)。連結機構50はベース部20から起立し、ベース部20、連結機構50および針支持部40は略一直線上に並ぶ。
上述したように、医療用針100は、連結機構50をベース部20の軸受穴27に対して揺動可能に連結するヒンジ部57を有している。ベース部20に最も近接する下側の折畳片53は、ヒンジ部57によってベース部20に対して回動可能に連結されている。ヒンジ部57の回動軸方向は連結機構50の幅方向であり、言い換えると図2および図5の紙面奥行方向である。
針支持部40に最も近接する上側の折畳片54は、上端ヒンジ59(図5参照)によって針支持部40の先端部(遠位部)に対して回動可能に連結されている。上端ヒンジ59の回動軸方向は、ベース部20に対する折畳片53の回動軸方向と同様に、連結機構50の幅方向である。折畳片53と折畳片54とは、連結機構50の幅方向を回動軸方向として互いに回動可能に連結されている。
医療用針100は、折畳状態の連結機構50が展開することを解除可能に規制する保持部68を有している。係合突片28はベース部20の上方かつ近位側(図2の右方)に突出して形成され、係合突片28の上縁に沿って幅方向の外側に向かって突条部29が突出形成されている(図4参照)。保持部68は、折畳状態の連結機構50における係合突片28に対して幅方向の外側から装着され、保持部68の爪が突条部29にラッチ係合する(図2参照)。これにより、連結機構50は折畳状態でベース部20にロックされ、穿刺状態の医療用針100において連結機構50の展開が規制される。よって、針先11がベース部20や当接部30に対して不測に後退することが防止され、被験者の体壁または種々の医療機器に対して針体10を安定して穿刺することができる。
図2および図5に示すように、ベース部20は有底の凹部25を内部に有している。凹部25の底面26に針孔22が通孔形成されている。医療用針100は、針孔22を閉鎖する蓋部60を有している。蓋部60は、図5に示すように、針体10をベース部20から引き上げて針先11を針孔22より後退させる動作に連動して駆動され、凹部25に嵌合する。すなわち、抜去状態の医療用針100において、蓋部60は凹部25に嵌合して針孔22を閉鎖し、針先11が下降して針孔22に再挿入されることを防止する。ここで、針孔22が閉鎖されているとは、針孔22の開口の一部または全部が閉塞して針体10が針孔22を通過できない状態をいう。これにより、医療用針100が抜去状態から穿刺状態に遷移することが防止される。
蓋部60は、医療用針100が穿刺状態から抜去状態に遷移することに連動して駆動され、針先11の屈曲方向(近位側)と同方向に揺動して針先11と針孔22との間に介挿される。
連結機構50の下側の折畳片53は、ヒンジ部57を超えて更に下端側に薄肉の境界部64を有している。蓋部60は、境界部64を介してヒンジ部57の下端部に形成されている。境界部64は蓋部60および折畳片53よりも薄肉に形成されており容易に屈曲可能である。すなわち、蓋部60は境界部64を軸として揺動可能である。ヒンジ部57を中心に折畳片53が軸回転することに連動して蓋部60は折畳片53と反対側に揺動する。医療用針100の穿刺状態で、針体10の針先11は針孔22の下端開口23よりも下方に突出している(図2参照)。このとき、蓋部60は針孔22の直上とは異なる位置に退避している。具体的には、蓋部60は凹部25よりも上方であって針孔22よりも前方に位置している。
蓋部60は、連結機構50とともにヒンジ部57のまわりを連結機構50と同方向に回転揺動する。これにより、折畳状態で横倒しになっていた連結機構50が、展開状態で起立する方向に回転することに連動して、蓋部60は横倒し状態から下垂状態に遷移する。針体10が引き上げられて連結機構50がベース部20に対して起立した医療用針100の抜去状態で、針先11は針孔22の上端開口24よりも上方に位置している(図5および図6参照)。このとき、境界部64は揺動し、蓋部60は折畳片53に対して略直角に屈曲して凹部25に嵌合する。これにより蓋部60は針先11と針孔22との間に介挿されて針孔22を閉鎖し、針体10の下降を禁止する。図6に示す医療用針100の抜去状態で、蓋部60は凹部25の底面26に当接して針孔22を閉鎖する。蓋部60は針孔22の上端開口24に隙間なく密着して針孔22を閉鎖する。
凹部25に嵌合した蓋部60は、境界部64で折畳片53に対して略直角に屈曲している。このため、ヒンジ部57を中心に折畳片53を揺動させると、蓋部60は左右方向に付勢される。しかし、蓋部60は凹部25に嵌合して左右方向の移動は禁止されているため、下側の折畳片53の揺動は規制されることとなる。また、抜去状態に引き上げられた針体10が針孔22に再び挿入されることが禁止され、針体10が突っ支い棒として機能することにより、上側の折畳片54の折り畳みも規制される。これにより、展開状態に遷移した連結機構50が折畳状態に戻ること、言い換えると抜去状態の医療用針100が穿刺状態に再び戻ることが防止されている。
図6に示すように、使用済みの針体10の針先11が針孔22よりも上方に引き上げられて蓋部60が針孔22を閉鎖し連結機構50が起立した抜去状態で、医療用針100は廃棄される。しかしながら、医療用針100を廃棄するにあたり、使用者や廃棄作業者は引き上げられた針体10や起立した連結機構50を横倒しにして医療用針100の嵩張りを低減しようとすることが考えられる。具体的には、送液チューブ46が延在する後方側に針体10や連結機構50を横倒しにしようとすることが想定される。図5に示す抜去状態でベース部20に対して起立する針体10は、図9に示す横倒状態にて倒れ角度φで後方に傾斜している。倒れ角度として想定される最大値(最大倒れ角度φ1)は、図9に二点鎖線で示すように連結機構50が水平を超えて横倒しとなって当接部30の上面に接する状態で発生する。
上述したように、抜去状態の医療用針100においては凹部25に蓋部60が嵌合しており、針体10の下降が禁止されているとともに、連結機構50の折畳片53の回動が規制されている。また、連結機構50が展開状態から折畳状態に戻ることも禁止されている。このため、連結機構50を強く横倒しにすると、図10に示すようにヒンジ部57の近傍で折畳片53(境界部64を含む)が塑性変形する。そして、針体10は連結機構50とともに横倒しとなることで、ヒンジ部57の近傍の塑性変形部を中心に回動し、針先11は上昇する。
針体10を抜去状態から横倒しにすることで針先11が上昇することについて補足する。本実施形態の医療用針100においては、ヒンジ部57は針孔22よりも後方に偏移した位置にあり、また針体10の針先11は針孔22の上方、すなわちヒンジ部57よりも前方で引き上げられる。図5には、ヒンジ部57(図4参照)と同軸に形成された内側軸55が針孔22よりも後方に偏移して配置されている態様を図示する。抜去状態で連結機構50は針体10の針管12にほぼ沿って起立する。そして、針体を引き上げた抜去状態で、連結機構50の回動部(ヒンジ部57)は、針先11よりも高位にある。このため、針体10を連結機構50とともに後方(図5の右方)に倒すと、ヒンジ部57(塑性変形部)よりも前方に位置する針体10はヒンジ部57を中心に同図で時計回りに回動して、針先11は上昇する。
これに対し、本実施形態の医療用針100は、後方に倒される針体10の針先11に追随して移動して傾斜および上昇する針先保護部材70を備えている。針先保護部材70は回動部74を中心に回動し、保護部72は針先11の近傍に配置された状態を維持する。これにより、仮に針体10や連結機構50が後方に倒されても、使用者や廃棄作業者の手指が針先11に不測に接触することを防止することができる。以下、針先保護部材70について詳細に説明する
<針先保護部材70について>
図7は針体10と針先保護部材70と連結機構50との係合状態を示す下面図であり、図8はこれらを互いに分離した組立下面図である。針体10、針先保護部材70および連結機構50は、図8に矢印で示す方向に互いに組み合わされて、図7に示す係合状態となる。図7および図8では、連結機構50の折畳片53、針体10および針先保護部材70のみを図示する。折畳片53の下端にはヒンジ部57および境界部64が形成されている。境界部64の先端に一体形成されている蓋部60は図示を省略している。図7および図8は、針体10の針管12が延在する下方側からこれらを目視した図である。医療用針100の基端側(後方)は図7の上方にあたり、医療用針100の幅方向は図7の左右方向にあたる。
針先保護部材70は保護部72および回動部74を有している。保護部72と回動部74とは一体成形されている。図6および図7に示すように、回動部74は、保護部72の一方側、具体的には後方側に偏移して形成されている。言い換えると、回動部74を基準とする保護部72の位置(前方)は、ヒンジ部57を基準とする針先11の位置(前方)に対応している。このため、後方に倒されてヒンジ部57を中心に回動する針体10の針先11と同方向に、針先保護部材70が回動部74を中心として回動することで、保護部72は針先11に追随して傾斜および上昇する。
保護部72は、針先11の少なくとも一部をベース部20の外側から覆うことにより使用者や廃棄作業者の手指が針先11に接触することを防止する部位である。保護部72の形状は特に限定されず、針先11に沿って配置される板状でもよく、針先11を収容する筒状でもよい。
回動部74は、針先保護部材70が傾くときの中心軸となる部位である。回動部74は、回動する軸または軸受である。本実施形態の回動部74は、連結機構50の揺動軸(ヒンジ部57)と同軸に設けられている。上述したように、連結機構50の一端(ヒンジ部57)はベース部20に対して回動可能に取り付けられた揺動軸である。
針先保護部材70の回動部74を連結機構50のヒンジ部57と同軸とすることで、ヒンジ部57またはその近傍が塑性変形部となって連結機構50が倒される場合に、針先保護部材70が針体10に良好に追随して回動する。
図7および図8に示すように、針先保護部材70は、針体10を挿通する挿通孔77と、一方側(後方側)に対する交差方向(幅方向)に延在するとともに挿通孔77と連通するスリット部78と、を有している。
針体10は、針先11が偏心したヒューバー針であり、針先11(先端屈曲部)の屈曲方向は医療用針100の後方側である。スリット部78の幅寸法は針管12の太さよりも小さい。一方、挿通孔77の直径は、針管12の太さよりも大きく、かつ針先11の形成幅W(図2参照)と略等しい。
針先11の形成幅Wとは、上述のように、針管12(ただし基端屈曲部を除く)の伸長方向(図2における上下方向)に延在するとともに針先11に外接する円筒の直径である。
針先保護部材70は、スリット部78に針体10の針管12を圧入することにより装着される。針管12が挿通孔77まで押入されると、針管12は針先保護部材70(挿通孔77)に対して進退可能となる。
連結機構50の折畳片53には、幅方向の外向きに突出する一対のヒンジ部57と同軸で、幅方向の内向きに突出する内側軸55がそれぞれ形成されている。針先保護部材70の回動部74は、内側軸55に上方から跨るように装着されて内側軸55およびヒンジ部57と同軸で回動する軸受である。
図2に示す穿刺状態で、針体10は針孔22に深く挿入され、針先保護部材70は針管12の基端屈曲部に位置している。このため、針先保護部材70は針管12の屈曲形状に対応して斜めに傾斜していてもよい。一方、図5および図6に示す抜去状態で、針先保護部材70の保護部72は、上下方向に起立する針体10の針管12に沿って直立している。より具体的には、針先11の少なくとも一部が針先保護部材70の挿通孔77に収容されて当接している。
穿刺状態(図2)から抜去状態(図5)まで引き上げられる針体10は、引き上げ動作の少なくとも一部において、針孔22と保護部72とで二点支持される。これにより、針体10を安定して真っ直ぐ上方に引き上げることができる。
すなわち図6に示すように、保護部72は引き上げられた針体10の針先11と係合(当接)している。そして、図10に示す横倒状態で、針先保護部材70は、針体10を一方側(後方側)に倒すことにより針先11に付勢されて回動部74を中心に回動する。このため、針先保護部材70は、針体10が横倒しされる動きと確実に連動して傾斜する。
針先保護部材70は、回動部74を中心に回動することにより、横倒しされる針体10に沿って傾斜し、また針先11に追随して移動する。かかる針先保護部材70の回転移動を安定して行うため、針先保護部材70はベース部20に対して回動部74および他の部位にて相対移動可能に連結されていてもよい。具体的には、針先保護部材70は、ベース部20にガイド(案内)される部位として、回動部74の軸方向(幅方向)と平行に設けられた係合部76を有している。係合部76は針先保護部材70より幅方向の両側に突出する突起であり、更に具体的には係合部76は保護部72より幅方向の両側に突出する円柱部である。
ベース部20は、揺動軸(ヒンジ部57)を中心とする円弧状の案内部80を有している。針先保護部材70が有する係合部76は、回動部74を中心に回転するときに案内部80に係合して案内される。より具体的には、本実施形態の案内部80は、ベース部20のベース半体21a,21bに幅方向に鏡面対称にそれぞれ形成されて幅方向に貫通する円弧状のスリットである。案内部80のスリット幅は、係合部76の直径よりも僅かに大きい。係合部76は案内部80に沿って摺動する。
本実施形態に代えて、案内部80は、ベース半体21a,21bの幅方向の内側に対向してそれぞれ形成された円弧状で有底の凹溝でもよい。また、案内部80は、ベース半体21a,21bから幅方向の内側に対向してそれぞれ突出する円弧状の突条でもよい。この場合、針先保護部材70の係合部76は、かかる突条を嵌合させる凹溝とすることができる。
円弧状の案内部80の中心角φ2は、図9に示す横倒状態における針体10の最大倒れ角度φ1と略等しい。最大倒れ角度φ1は、引き上げられた針体10に沿って連結機構50が起立する起立状態(図5参照)から、連結機構50が一方側(後方側)に倒された横倒状態(図9参照)まで遷移しうる最大の角度である。案内部80の中心角φ2を針体10の角度φ1と略等しくすることで、針体10および連結機構50が後方側に大きく倒されても係合部76は案内部80に沿って案内され、針先保護部材70は当該針体10に追随して回動することができる。
以上説明した本実施形態の医療用針100によれば、抜去状態(図5参照)の針体10の針先11の近傍に針先保護部材70の保護部72が配置されることで使用者や廃棄作業者の指が針先11に不測に接触することが防止される。さらに、針体10や連結機構50を係合部76の側に大きく横倒しにして連結機構50に塑性変形が生じても針先保護部材70は針体10の倒れ角度に対応して連結機構50のヒンジ部57と同軸で回動する。このため、連結機構50に塑性変形が生じるほどに連結機構50や針体10を横倒しにしても針先11が保護部72に保護され、指が針先11に不測に接触することが継続して防止される。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
なお、本発明の医療用針100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)針孔を有するベース部と、針管および尖鋭な針先を有し、前記針先が前記針孔より突出して設けられる針体と、前記針体の一方側に配置され、一端が前記ベース部に接続され他端が前記針管に接続され、前記針体を前記ベース部に対して引き上げ可能に連結する連結機構と、前記ベース部に対して引き上げられた前記針体の前記針先の近傍に配置される保護部、および回動部を有する針先保護部材と、を備え、前記連結機構の前記一端は、前記ベース部における前記針孔よりも前記一方側に偏移した位置に接続されており、引き上げられた前記針体および前記連結機構を前記ベース部に対して前記一方側に倒すことにより、前記針先保護部材が前記回動部を中心に回動し、前記保護部は前記針先の近傍に配置された状態で前記針先とともに前記ベース部に対して移動することを特徴とする医療用針。
(2)前記回動部が、前記保護部の前記一方側に偏移して形成されている上記(1)に記載の医療用針。
(3)前記連結機構の前記一端は前記ベース部に対して回動可能に取り付けられた揺動軸であり、前記回動部が前記連結機構の前記揺動軸と同軸に設けられている上記(1)または(2)に記載の医療用針。
(4)前記ベース部は、前記揺動軸を中心とする円弧状の案内部を有し、前記針先保護部材は、前記回動部を中心に回転するときに前記案内部に係合して案内される係合部を有する上記(3)に記載の医療用針。
(5)円弧状の前記案内部の中心角は、引き上げられた前記針体に沿って前記連結機構が起立する起立状態から前記連結機構が前記一方側に倒された横倒状態まで遷移しうる角度と略等しい上記(4)に記載の医療用針。
(6)前記連結機構は、互いに折り畳み可能に連結された複数の折畳片を備え、前記折畳片が互いに折り畳まれた折畳状態から前記折畳片が互いに展開した展開状態に遷移可能であり、前記針体を前記ベース部から引き上げて前記連結機構が前記折畳状態から前記展開状態に遷移することに連動して、前記連結機構は前記一端で軸回動して前記起立状態となる上記(5)に記載の医療用針。
(7)前記保護部は、引き上げられた前記針体の前記針先と係合し、前記針体を前記一方側に倒すことにより前記針先保護部材は前記針先に付勢されて前記回動部を中心に回動する上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の医療用針。
(8)前記針先保護部材は、前記針体を挿通する挿通孔と、前記一方側に対する交差方向に延在するとともに前記挿通孔と連通するスリット部と、を有する上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の医療用針。
(9)前記針体は、前記針先が偏心したヒューバー針であり、前記スリット部の幅寸法は、前記針管の太さよりも小さく、前記挿通孔の直径は、前記針管の太さよりも大きくかつ前記針先の形成幅と略等しい上記(8)に記載の医療用針。
(10)被験者の体表に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部を更に備え、前記ベース部は、前記当接部に係止されているとともに、前記当接部の上面に重なる押さえ片を有する上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の医療用針。
(11)前記当接部は前記ベース部を該当接部に向かって保持するロック部を有し、前記押さえ片は前記ベース部に一体形成されている上記(10)に記載の医療用針。
(12)前記押さえ片と前記ベース部とが、上下方向の少なくとも一方に向かって屈曲自在に形成された易屈曲部を介して接続されている上記(10)または(11)に記載の医療用針。
(13)前記押さえ片の少なくとも上面に凹凸部が形成されている上記(10)から(12)のいずれか一項に記載の医療用針。
10 針体
11 針先
12 針管
20 ベース部
21a,21b ベース半体
22 針孔
23 下端開口
24 上端開口
25 凹部
26 底面
27 軸受穴
28 係合突片
29 突条部
30 当接部
32 取付孔
34 ロック部
36 切込部
40 針支持部
46 送液チューブ
48 架橋部
50 連結機構
53,54 折畳片
55 内側軸
57 ヒンジ部
59 上端ヒンジ
60 蓋部
64 境界部
68 保持部
70 針先保護部材
72 保護部
74 回動部
76 係合部
77 挿通孔
78 スリット部
80 案内部
84 押さえ片
86 易屈曲部
88 凹凸部
100 医療用針
θ 屈曲角度
φ 角度
φ1 最大倒れ角度
φ2 中心角
W 形成幅

Claims (13)

  1. 針孔を有するベース部と、
    針管および尖鋭な針先を有し、前記針先が前記針孔より突出して設けられる針体と、
    前記針体の一方側に配置され、一端が前記ベース部に接続され他端が前記針管に接続され、前記針体を前記ベース部に対して引き上げ可能に連結する連結機構と、
    前記ベース部に対して引き上げられた前記針体の前記針先の近傍に配置される保護部、および回動部を有する針先保護部材と、を備え、
    前記連結機構の前記一端は、前記ベース部における前記針孔よりも前記一方側に偏移した位置に接続されており、
    引き上げられた前記針体および前記連結機構を前記ベース部に対して前記一方側に倒すことにより、前記針先保護部材が前記回動部を中心に回動し、前記保護部は前記針先の近傍に配置された状態で前記針先とともに前記ベース部に対して移動することを特徴とする医療用針。
  2. 前記回動部が、前記保護部の前記一方側に偏移して形成されている請求項1に記載の医療用針。
  3. 前記連結機構の前記一端は前記ベース部に対して回動可能に取り付けられた揺動軸であり、前記回動部が前記連結機構の前記揺動軸と同軸に設けられている請求項1または2に記載の医療用針。
  4. 前記ベース部は、前記揺動軸を中心とする円弧状の案内部を有し、
    前記針先保護部材は、前記回動部を中心に回転するときに前記案内部に係合して案内される係合部を有する請求項3に記載の医療用針。
  5. 円弧状の前記案内部の中心角は、引き上げられた前記針体に沿って前記連結機構が起立する起立状態から前記連結機構が前記一方側に倒された横倒状態まで遷移しうる角度と略等しい請求項4に記載の医療用針。
  6. 前記連結機構は、互いに折り畳み可能に連結された複数の折畳片を備え、前記折畳片が互いに折り畳まれた折畳状態から前記折畳片が互いに展開した展開状態に遷移可能であり、
    前記針体を前記ベース部から引き上げて前記連結機構が前記折畳状態から前記展開状態に遷移することに連動して、前記連結機構は前記一端で軸回動して前記起立状態となる請求項5に記載の医療用針。
  7. 前記保護部は、引き上げられた前記針体の前記針先と係合し、前記針体を前記一方側に倒すことにより前記針先保護部材は前記針先に付勢されて前記回動部を中心に回動する請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用針。
  8. 前記針先保護部材は、前記針体を挿通する挿通孔と、前記一方側に対する交差方向に延在するとともに前記挿通孔と連通するスリット部と、を有する請求項1から7のいずれか一項に記載の医療用針。
  9. 前記針体は、前記針先が偏心したヒューバー針であり、
    前記スリット部の幅寸法は、前記針管の太さよりも小さく、
    前記挿通孔の直径は、前記針管の太さよりも大きくかつ前記針先の形成幅と略等しい請求項8に記載の医療用針。
  10. 被験者の体表に当接させて用いられる平板状または湾曲板状の当接部を更に備え、
    前記ベース部は、前記当接部に係止されているとともに、前記当接部の上面に重なる押さえ片を有する請求項1から9のいずれか一項に記載の医療用針。
  11. 前記当接部は前記ベース部を該当接部に向かって保持するロック部を有し、前記押さえ片は前記ベース部に一体形成されている請求項10に記載の医療用針。
  12. 前記押さえ片と前記ベース部とが、上下方向の少なくとも一方に向かって屈曲自在に形成された易屈曲部を介して接続されている請求項10または11に記載の医療用針。
  13. 前記押さえ片の少なくとも上面に凹凸部が形成されている請求項10から12のいずれか一項に記載の医療用針。
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