JP6539024B2 - コイル、及びコイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、磁心などに組み合わされるコイル、及びそのコイルを備えるコイル部品に関する。特に、外部機器との接続作業性に優れるコイルに関する。
自動車、電気機器、産業機械などの各種製品の部品として、コイル部品が使用されている。コイル部品は、巻線を巻回してなるコイルと、コイルが配置される磁心とを備える。コイル部品の具体例としては、例えば、モータ、トランス、チョークコイル、リアクトル、アンテナ、点火コイルなどが挙げられる。
例えば、特許文献1には、導体箔を巻き回した第1のコイル(コイル素子)と第2のコイル(コイル素子)とを並列接続したコイルと、ロの字形状であり、対向する2辺に第1のコイルと第2のコイルが巻き回される軟磁性コア(磁心)とを備えるリアクトルが開示されている。第1のコイルと第2のコイルは、それぞれ最内周の導体箔における巻き始め端部と最外周の導体箔における巻き終わり端部とに、外部接続端子に導電接続される引回し導電体部が設けられている。
特開2013−229527号公報
上記のコイルでは、各コイル素子の巻線の端部と外部接続端子などの外部機器との接続作業性が煩雑になる。各コイル素子の最内周の導体箔における巻き始め端部に外部接続端子に接続する引回し導体部が設けられているため、引回し導体部を外部接続端子に接続する際、引回し導体を取り回し難いからである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、外部機器との接続作業性に優れるコイルを提供することにある。
本発明の別の目的は、上記コイルを備えるコイル部品を提供することにある。
本発明の一態様に係るコイルは、導体の断面が矩形状の巻線を多層にフラットワイズ巻きして、巻線の一端が最内周に配置され、巻線の他端が最外周に引き出される一対のコイル素子と、巻線の一端同士を連結する内側連結部とを備える。一対のコイル素子は、互いに軸を共通するように配置される。
本発明の一態様に係るコイル部品は、上記本発明の一態様に係るコイルと、このコイルが配置される磁心とを備える。
上記コイルは、外部機器との接続作業性に優れる。
上記コイル部品は、コイルと外部機器との接続作業性に優れる。
実施形態に係るコイルを示す概略斜視図である。 実施形態に係るコイルを構成する巻線の巻回前を示す平面図である。 実施形態に係るコイルを製造するコイルの製造方法の一例を説明する工程説明図である。 実施形態に係るコイルを製造するコイルの製造方法の他の例を説明する工程説明図である。 実施形態に係るコイル部品を示す概略斜視図である。 実施形態に係るコイル部品の概略を示す分解斜視図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態に係るコイルは、導体の断面が矩形状の巻線を多層にフラットワイズ巻きして、巻線の一端が最内周に配置され、巻線の他端が最外周に引き出される一対のコイル素子と、巻線の一端同士を連結する内側連結部とを備える。一対のコイル素子は、互いに軸を共通するように配置される。
上記の構成によれば、外部機器との接続作業性に優れる。巻線を多層にフラットワイズ巻きして各コイル素子を形成することで、巻線の他端をコイル素子の最外周に引き出すことができる。そのため、巻線の他端の取り回しや外部機器との接続作業をスペースが比較的広いコイルの外周側で行える。加えて、コイル素子の最内周に配置される巻線の一端同士を内側連結部により連結することで、外部機器などとの接続のために、巻線の一端をコイル素子の最内周から引き出したり、別途接続導体をコイル素子の最内周に配置される巻線の一端に接続したりする必要がない。
また、上記の構成によれば、巻線の巻回後に、その一端や接続導体などがコイル素子の最内周から外側に引き出された状態となるように、巻線の巻回時に余長を考慮しておく必要が無く、巻回作業を簡素化できる。
更に、上記の構成によれば、一対のコイル素子が軸を共通するように配置されることで、軸が並列するように配置される場合に比較して、コイル素子の最内周に配置される巻線の一端同士を連結し易い。
(2)上記コイルの一形態として、巻線の導体が常電導材料で構成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、コイルの生産性に優れる。超電導材料に比較すると、常電導材料は靭性や展延性に優れるため巻回し易いからである。また、上記の構成によれば、超電導材料に比較して極低温に冷却する必要がない。
(3)上記コイルの一形態として、内側連結部がコイル素子の軸方向に沿っていることが挙げられる。
上記の構成によれば、内側連結部に対して螺旋状などの曲げ加工を施す必要がない。
(4)上記コイルの一形態として、コイル素子の各層間に介在される絶縁層を備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、コイル素子の各層同士の間の絶縁性を高められる。
(5)実施形態に係るコイル部品は、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコイルと、コイルが配置される磁心とを備える。
上記の構成によれば、コイルと外部機器との接続が容易である。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔実施形態1〕
実施形態に係るコイルは、巻線を巻回してなる一対のコイル素子と、コイル素子同士を連結する連結部を有する。このコイルの主たる特徴とするところは、各コイル素子が特定の形状の巻線を特定の方向に巻回してなり、連結部がコイル素子同士をその最内周で連結して、コイル素子同士が互いに軸を共通するように配置されている点にある。以下、主として図1、2を参照してコイルを説明し、図3、4を参照してコイルの製造方法、図5,6を参照してそのコイルを備えるコイル部品を順に説明する。
〔コイル〕
コイル1は、一対のコイル素子11,12と、これらコイル素子11,12同士を連結する内側連結部13とを備える。
[コイル素子]
一対のコイル素子11,12は、導体の断面が矩形状の巻線11w,12wを多層にフラットワイズ巻きしてなる。フラットワイズ巻きは、導体の厚さ方向に巻線11w,12wを曲げて巻くことを言う。即ち、多層にフラットワイズ巻きするとは、巻線を所定のピッチで螺旋状に巻回するのではなく、同一平面上に渦巻き状に巻回することを言う。導体の厚さ方向は、導体断面の短辺に沿った方向を言う。
フラットワイズ巻きは、巻線11w,12wを例えばエッジワイズ巻きする場合に比較して、(1)占積率を高め易い、(2)曲げ易く生産性を高め易い、(3)同等程度に放熱性を高め易い、(4)導体断面のサイズによるが渦電流を抑制し易い。エッジワイズ巻きは、導体の幅方向に巻線11w,12wを曲げて巻くことを言う。導体の幅方向とは、導体断面の長辺に沿った方向を言う。占積率を高め易い理由は、エッジワイズ巻きすると各ターン間に隙間が生じ易いのに対して、フラットワイズ巻きは各ターン間に隙間が生じることなく巻回し易いからである。曲げ易い理由は、フラットワイズ巻きがエッジワイズ巻きよりも導体断面の長さの短い側に曲げるからである。放熱性を高め易い理由は、上述のようにターン間に隙間が生じず、各巻線11w,12wの隣接するターン同士を面接触させ易いからである。
また、フラットワイズ巻きは、例えば導体の断面が円形状の巻線(丸線)を整列巻きする場合に比較して、(1)占積率を高め易い、(2)放熱性を高め易い、(3)同等程度に曲げ易い、(4)導体断面のサイズによるが渦電流を抑制し易い。占積率を高め易い理由は、丸線を整列巻きすると巻線同士は線接触となって巻線の三重点に隙間が形成されるのに対し、フラットワイズ巻きは上述のようにターン間に隙間が生じることなく巻回し易いからである。放熱性を高め易い理由は、上述のように、丸線が線接触であるのに対してフラットワイズ巻きは内外周に隣接するターン同士を面接触させられるからである。曲げ易い理由は、上述のように導体断面の長さの短い側に曲げるからである。
各コイル素子11,12は、巻線11w,12wの一端(内側端部11i,12i)が最内周に配置され、巻線の他端(外側端部11o,12o)が最外周に引き出されている。各コイル素子11,12における巻線11w,12wの一端(内側端部11i,12i)は、後述する内側連結部13に連結される。一方、各コイル素子11,12における巻線11w,12wの他端(外側端部11o,12o)は、例えば、端子部材(図示略)などに接続され、端子部材を介して、コイル1に電力供給を行う電源などの外部機器(図示略)が接続される。内側端部11i,12i同士が内側連結部13により連結されて、外側端部11o,12oが最外周に引き出されるため、外部機器などとの接続作業性を高められる。外部機器との接続のために、内側端部11i,12iをコイル素子11,12の最内周から引き出したり、接続導体をコイル素子11,12の最内周に接続したりする必要がない。加えて、外側端部11o,12oがコイル素子11,12の最外周に配置されていることで、外側端部11o,12oの取り回しや外側端部11o,12oと外部機器との接続作業をコイル1の外周側で行えるからである。各外側端部11o,12oの引き出し方向は、各コイル素子11,12の径方向に適宜選択でき、互いに同じ方向(図1)としたり、互いに異なる方向(例えば反対側方向)としたりできる。
一対のコイル素子11,12の配置は、同軸上で、軸方向に並列されている。そうすれば、内側連結部13によりコイル素子11,12の最内周に配置される内側端部11i,12i同士を連結し易い。両コイル素子11,12の軸方向に沿った間隔は、互いの絶縁を確保できる程度で極力近づけることが好ましい。そうすれば、コイル1の占積率を高められ、コイル1を小型化できる。
各コイル素子11,12の巻数は、コイル1の用途に応じて適宜選択できる。図1の巻数は例示であり、説明の便宜上の数である。両コイル素子11,12の巻数は、互いに同一である。各コイル素子11,12の巻回方向は、互いに逆方向であるが、各コイル素子11,12により形成される磁束の向きは、内側連結部13により同一である。
各コイル素子11,12の形状は、中空の筒状体(ここでは四角筒状)である。各コイル素子11,12の端面形状は、後述する磁心2(図5)の形状に応じて適宜選択できる。例えば、コイル素子11,12に挿入される磁心2(図5では内側張出部21i)の形状が角柱状の場合、長方形の角部を丸めた形状としたり(角筒状)、磁心2が円柱状の場合、円形状としたりできる(円筒状)。
[内側連結部]
内側連結部13は、一対のコイル素子11,12の内側端部11i,12i同士を連結する。内側連結部13を備えることで、内側端部11i,12iをコイル素子11,12の内周面から引き出す必要がない。そのため、内側端部11i,12iをエッジワイズ方向に曲げて各コイル素子の軸方向に引き出す必要がなく、巻線11,12自体に無理な力を作用させることがない。また、巻線11w,12wの巻回後に、内側端部11i,12iがコイル素子の外側に引き出された状態となるように、巻線11w,12wの巻回時に余長を考慮しておく必要が無い。内側連結部13は、コイル素子11,12の軸方向に沿っていることが好ましい。軸方向に沿うとは、内側連結部13の長手方向がコイル素子11,12の軸方向と平行であることを言う。そうすれば、内側連結部13に対して螺旋状などの曲げ加工を施す必要がない。
内側連結部13は、巻線11w,12wと一連に形成されていてもよいし、両コイル素子11,12とは独立した別部材で形成されていてもよい。内側連結部13を巻線11w,12wと一連に形成した部材は、図2左図に示すように、一枚の長尺板などから巻線11w,12wと内側連結部13とを一連につないだZ状の長尺片を切り出したりすることで作製できる。別部材で形成する場合、内側連結部13には、コイル素子11,12を形成する巻線11w,12wと同じ巻線の切断片が利用できる。切断片は、各コイル素子11,12を構成する巻線11w,12wと材質・断面形状・断面積が同じであるため、巻線11w,12wの端部と接合し易い。この接合の具体的手法には、溶接、はんだ付け、圧着等が挙げられる。ここでは、図2右図に示すように、内側連結部13は両コイル素子11,12とは別部材で形成している。
内側連結部13を両コイル素子11,12と独立した部材で形成する場合、内側連結部13の形状、サイズや断面積は、コイル素子11,12の形状や内径といった内寸などに応じて適宜選択できる。内側連結部13の形状は、例えば、巻線11w,12wの導体と同じ矩形状とすることができる。内側連結部13のサイズ(幅や厚さ)や断面積は、上記導体のサイズ(幅や厚さ)や断面積と同等とすることができる。
(巻線)
巻線11w,12wは、裸の導体で構成される裸線を用いてもよいし、導体の外周にエナメル(代表的にはポリアミドイミド)などの絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を用いてもよい。特に、後述する絶縁層14を備える場合、巻線11w,12wには裸線を好適に利用できる。絶縁層14が裸線同士の絶縁性を高められるからである。裸線を用いれば、導体の外周にエナメルを被覆しなくてもよいため、コイル1の生産性を高め易い。巻線11w,12wの巻回作業に伴い絶縁層14の形成ができるからである。
〈導体の材質〉
巻線11w,12wの導体の材質は、常電導材料や、超電導材料などが挙げられる。常電導材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。超電導材料としては、例えば、Nb−Sn系合金やNb−Ti系合金などの金属系超電導材料、Bi系(例えば、Bi2223)やRE123系などのセラミックス系超電導材料が挙げられる。常電導材料で構成すれば、超電導材料に比較すると、靭性や展延性に優れるため巻回し易くてコイルの生産性を高められる。加えて、常電導材料で構成すれば、極低温に冷却する必要がない。超電導材料で構成すれば、常電導材料に比較すると大電流を流し易い。
〈導体の形状・サイズ〉
導体の形状は、上述のように矩形状である。巻線11w,12wの導体断面のサイズ(幅や厚さ)は、磁心2と組み合わせたコイル部品100の用途に応じたサイズ(要求される特性)を満たした上で、フラットワイズ巻きし易いサイズであることが好ましい。即ち、導体断面のサイズはコイル部品100の用途にもよるが、例えば、導体断面のアスペクト比(幅/厚さ)は、1.5以上1×10以下が挙げられ、更には3以上1×10以下が挙げられる。巻線11w,12wの導体断面幅(長辺長さ)は、例えば、0.5mm以上100mm以下が挙げられ、更には2mm以上30mm以下が挙げられる。巻線11w,12wの導体断面厚さ(短辺長さ)は、例えば、1×10−3mm以上5mm以下が挙げられ、更には1×10−2mm以上2mm以下が挙げられる。
[絶縁層]
コイル1は、コイル素子11,12の各層間に介在される絶縁層14を備えることが好ましい。絶縁層14は、巻線11w,12w(導体)間を絶縁する。図1では、説明の便宜上、絶縁層14の表面にはハッチングを付している。この点は、後述する図5、6でも同様である。
絶縁層14の幅は、巻線11w,12w(導体)の幅と同程度が挙げられ、絶縁層14の厚さは、1×10−4mm以上であることが挙げられる。絶縁層14の厚さが1×10−4mm以上であれば、巻線11w,12w(導体)間の絶縁性を高め易い。絶縁層14の厚さは、巻線11w,12wの巻回数や導体の厚さにもよるがコイル1全体の厚さが厚くなり過ぎない程度とすることが挙げられる。絶縁層14の厚さは、例えば、0.5mm以下が挙げられる。絶縁層14の厚さは、1×10−4mm以上1×10−1mm以下が好ましい。
絶縁層14の構成材料は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、シリコンゴム、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの絶縁性材料が挙げられる
絶縁層14の形成は、例えば、巻回する前の巻線11w,12w(導体)の片面に上記絶縁性材料をスプレーしてコーティングしたり、巻線11w,12w(導体)を巻回する際、上記絶縁性材料の絶縁テープを巻線11w、12wと一緒に巻回したりすることで行える。このとき、導体の裏面(巻回すると内周側に位置する面、但し内側連結部13に対向する面を除く)に、コーティングを施したり、絶縁テープを配置して巻線11w,12wと一緒に巻回したりすれば、コイル素子11,12の最内周には絶縁層14が形成される。この場合、コイル1を磁心2と組み合わせた際、導体間の絶縁性を高められることに加えて、コイル1と磁心2との間の絶縁性を高められる。一方、導体の表面(巻回すると外周側に位置する面)に、コーティングを施したり、絶縁テープを配置して巻線と一緒に巻回したりすれば、図1に示すようにコイル素子11,12の最内周には絶縁層14が形成されず導体が配置される。そのため、コイル1を磁心2と組み合わせる場合には、後述する絶縁部材をコイル1と磁心2との間に配置するとよい。そうすれば、コイル1と磁心2との間の絶縁性を高められる。
[その他]
コイル1は、一対以上のコイル素子11,12を備えていてもよい。その場合、一対のコイル素子11,12を一ペアのコイル部として、複数ペアのコイル部を備えることが挙げられる。複数ペアのコイル部は、同軸上で、軸方向に並列する。そして、隣接するコイル部同士は、一方のコイル部におけるコイル素子11(12)の外側端部11o(12o)と、他方のコイル部におけるコイル素子12(11)の外側端部12o(11o)とを外側連結部(図示略)により連結する。外側連結部は、両コイル部とは独立した部材、例えば、上述の内側連結部13と同様の部材で構成することが挙げられる。外側連結部の形状・断面積・材質は、各コイル素子11,12を構成する巻線11w,12wの形状・断面積・材質と同一とすることが好ましい。外側連結部と両コイル部の外側端部11o,12oとの連結(接合)は、上述したようにはんだ付けなどで行える。
[コイルの製造方法]
コイル1の製造は、例えば、巻芯200を利用することで行える(図3,4)。巻芯200には、強度に優れた適宜な棒材が好適に利用できる。コイル1の各コイル素子11,12は巻線11w,12wをフラットワイズ巻きしてなるため、巻線11w,12wの巻芯200への巻き付けが容易である。具体的には、巻芯200を固定して巻線11w、12wを巻き付けたり、巻芯200を回転させて巻線11w,12wを巻芯200に巻き取らせたりすることでコイル1を製造する。まず、巻線11w,12wと、内側連結部13と、巻芯200とを準備する。
(巻芯を固定する場合)
巻線11w,12wの一方の端部(内側端部11i)の裏面と内側連結部13の表面とを接合する。例えば、図2右図に示すように、矩形板状の内側連結部13の一端に一方のコイル素子11となる巻線11wの一端を直交するように接合し、矩形板状の内側連結部13の他端に他方のコイル素子12となる巻線12wの一端を直交するように接合する。但し、一方のコイル素子11となる巻線11wと他方のコイル素子12となる巻線12wの引き出し方向は、内側連結部13に対して互いに反対側とする。次に、巻芯200に内側連結部13の裏面を固定させる(図3左図)。その状態で、矢印方向に一方の巻線11wと他方の巻線12wとを巻き付けて両コイル素子11,12を作製する(図3右図)。このとき、巻芯200の周方向に沿って、一方の巻線11wを回転させて巻芯200に巻き付けることで一方のコイル素子11を作製した後、他方の巻線12wを一方の巻線11wとは反対方向に回転させて巻芯200に巻き付けることで他方のコイル素子12を作製してもよい。或いは、両巻線11w、12wを互いに反対方向に回転させて同時に巻き付けることで両コイル素子11,12を同時に作製してもよい。
(巻芯を回転させる場合)
巻芯200に内側連結部13の裏面を固定させる(図4左図)。続いて、巻線11w、12wと内側連結部13とが別部材の場合(図2右図)、内側連結部13の表面と一方の巻線11wとを接合する(図4左から2番目の図)。例えば、矩形板状の内側連結部13の一端に一方のコイル素子11となる巻線11wの一端を直交するように接合する。そして、矢印方向に巻芯200を回転させて巻線11wを巻き取ることでコイル素子11を作製する(図4左から3番目の図)。次に、内側連結部13の表面に他方の巻線12wをはんだ付けなどで接合する(図4左から4番目の図)。例えば、矩形板状の内側連結部13の他端に他方のコイル素子12となる巻線12wの一端を直交するように接合する。このとき、他方のコイル素子12となる巻線12wの引き出し方向は、内側連結部13に対して一方のコイル素子11となる巻線11wの引き出し側と反対とする。そして、一方の巻線11wを巻き取る場合と反対方向に巻芯200を回転させて巻線12wを巻き取ることでコイル素子12を作製する(図4右図)。
〔作用効果〕
上述のコイル1によれば、外部機器などとの接続作業性に優れる。その理由は次の通りである。(1)外側端部11o,12o自体の取り回しや外側端部11o,12oと外部機器との接続作業をスペースが比較的広いコイル1の外周側で行える。(2)外部機器などとの接続のために、内側端部11i,12iをコイル素子11,12の最内周から引き出す必要がない。(3)接続導体をコイル素子11,12の最内周の内側端部11i,12iに接続する必要がない。上記(1)は、巻線11w,12wを多層にフラットワイズ巻きしてコイル素子11,12を形成することで、外側端部11o,12oをコイル素子11,12の最外周に引き出すことができるためである。上記(2)、(3)は、コイル素子11,12の最内周の内側端部11i,12i同士を内側連結部13により連結しているためである。また、このコイル1は、外部機器などとの接続作業性に優れるため、コイル部品のコイルに好適に利用できる。
〔コイル部品〕
図5,6を参照してコイル部品の一例を説明する。コイル部品100は、上述のコイル1と、このコイル1が配置される磁心2とを備える。
[コイル]
コイル1は、上述の一対のコイル素子11,12と上述の内側連結部13とを備える(図5,6)。巻線11w,12wの導体及び内側連結部13は、上述の常電導材料で構成する。コイル素子11,12の各層間には、絶縁層14を設けている。
[磁心]
磁心2は、コイル1が配置される部分を有するEコア21と、コイル1が配置されず、Eコア21と連結してEコア21と共に閉磁路を形成するIコア22とを組み合わせたE−Iコアを備える。磁心2の形態は、このE−Iコアを備える形態に限らず、例えば、一対のE字コアを組み合わせたE−Eコアを備える形態、T字コアとU字コアとを組み合わせたT−Uコアを備える形態、環状のコア(O字コア)を備える形態、四つのI字コアを環状に組み合わせた四角枠状のコアを備える形態など種々の形態とすることができる。各コア間には、ギャップ材やエアギャップを設けることもできる。
Eコア21は、基部21bと内側張出部21iと一対の外側張出部21oとを備える。Eコア21の基部21bは、磁心2をコイル1と組み合わせた際、コイル1の端面から突出するように配置される(図5)。基部21bの形状は、薄い角柱体状である。Eコア21の内側張出部21iは、基部21bから基部21bに直交する方向に突出し、コイル1と組み合わせた際、両コイル素子11,12の内側に配置される。内側張出部21iの形状は、直方体状であり、その角部がコイル素子11,12の内周面に沿うように丸まっている(図6)。内側張出部21iの長さは、コイル1の軸方向の長さよりも若干長い。Eコア21の外側張出部21oは、コイル1の外周で、内側張出部21iを挟んで基部21bから内側張出部21iに平行な方向に突出する。外側張出部21oの形状は、薄い角柱体状である。基部21bと外側張出部21oのそれぞれの上面同士(図5,6紙面上側)、及びそれぞれの下面同士(同図紙面下側)は面一である。これらの上面は、内側張出部21iの上面よりも高く、これらの下面は、内側張出部21iの下面よりも低い。
Iコア22は、Eコア21の基部21bと同様の基部22bを備える。基部22bは、磁心2をコイル1と組み合わせた際、コイル1の端面から突出するように配置される(図5)。基部22b(Iコア22)の形状は、薄い角柱体状である。基部22bの上面及び下面は、Eコア21の基部21bや外側張出部21oの上面及び下面と面一である。基部22b(Iコア22)の端面は、Eコア21の内側張出部21iの端面及び両外側張出部21oの端面と連結される。これらの端面同士を連結することで、コイル1を励磁したとき、磁心2は閉磁路を形成する。両コア21,22の連結は、例えば接着剤で行える。
(構成材料)
Eコア21及びIコア22は、公知の軟磁性材を利用することができる。軟磁性材は、例えば、軟磁性粉末を加圧成形した圧粉成形体、樹脂中に軟磁性粉末が分散された磁粉分散樹脂成形体、複数の電磁鋼板を積層した積層体、焼結体などを利用できる。軟磁性粉末は、代表的には、純鉄(純度99質量%以上)や、Fe−Si−Al系合金、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金、Fe−Ni系合金などの鉄合金などが挙げられる。軟磁性粒子は、その表面に形成される絶縁被膜を備えていてもよい。絶縁被膜の材料は、例えば、リン酸塩、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂、シリカなどの酸化物が挙げられる。軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を有することで、特に各コアを圧粉成形体で構成する場合、渦電流損を低減できて磁心の磁気特性を向上できる。上記樹脂は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やPPS樹脂などの熱可塑性樹脂を利用できる。ここでは、両コア21、22は、圧粉成形体で構成する。
[その他]
コイル1と磁心2(内側張出部21i)との間を絶縁する絶縁部材(図示略)を備えていてもよい。特に、コイル1の最内周に絶縁層14が設けられておらず裸の導体が配置されている場合には、絶縁部材を備えることでコイル1と磁心2との間の絶縁性を高められるため好ましい。絶縁部材は、例えば、絶縁テープ・絶縁紙・絶縁シートによる被覆や、絶縁性樹脂の被覆(射出成形など)、絶縁材の塗装、別途作製してコイル1や磁心2に組み付けるボビンなどで構成することが挙げられる。絶縁部材の構成材料は、上述した絶縁層14と同様の材料が挙げられる。なお、上述したようにコイル1の最内周に絶縁層14が設けられている場合には、絶縁部材は備えていなくてもよい。
[コイル部品の製造方法]
コイル部品100の製造は、予めコイル1を作製しておき、磁心2に組み合わせることで行ったり、磁心2の形状によるが、磁心2に対して巻線11w,12wなどを巻き付けることで行える。予めコイル1を作製しておく場合、コイル1は上述の「コイルの製造方法」と同様に、磁心以外の巻芯を利用して作製する。一方、磁心に対して巻線を巻きつける場合、磁心を上述した巻芯として用いることで作製できる。
〔作用効果〕
上述のコイル部品100によれば、外側端部11o,12oと外部機器との接続作業性に優れる。これは、外側端部11o,12oがコイル素子11,12の最外周に配置されているからである。また、コイル部品100は、生産性に優れる。その理由は次の通りである。(1)コイル1と磁心2との組み合わせ作業を行い易い。(2)磁心2に巻線11w,12wなどを巻きつけてコイル部品100を製造する場合、巻線11w,12wの巻回作業を簡素化できる。(3)コイル部品100を製造した後に内側端部11i,12iをコイル素子11,12の最内周から外側に引き出す必要がない。(4)内側端部11i,12iに接続導体などを別途接続する必要がない。上記(1)、(3)、(4)は、コイル素子11,12の最内周の内側端部11i,12i同士を内側連結部13により連結しているためである。より具体的に上記(1)は、内側端部11i,12iや内側端部11i,12iに接続される接続導体などがコイル素子11,12の最内周から外側に引き出されていない。そのため、内側端部11i,12iや接続導体などによりコイル1と磁心2との組み合わせが阻害され難いからである。上記(2)は、巻線11w、12wの巻回後に、内側端部11i,12iがコイル素子11、12の最内周から外側に引き出された状態となるように、巻線11w,12wの巻回時に余長を考慮して置く必要がないからである。
本発明のコイルは、各種のコイル部品(例えば、リアクトル、トランス、モータ、チョークコイル、アンテナ、燃料インジェクタ、点火コイルなど)のコイルに利用できる。本発明のコイル部品は、リアクトル、トランス、モータ、チョークコイル、アンテナ、燃料インジェクタ、点火コイルなどに利用できる。
100 コイル部品
1 コイル
11、12 コイル素子
11w,12w 巻線
11i,12i 内側端部
11o,12o 外側端部
13 内側連結部
14 絶縁層
2 磁心
21 Eコア 22 Iコア
21b、22b 基部
21i 内側張出部
21o 外側張出部
200 巻芯

Claims (5)

  1. 導体の断面が矩形状の巻線を多層にフラットワイズ巻きして、前記巻線の一端が最内周に配置され、前記巻線の他端が最外周に引き出される一対のコイル素子と、
    前記巻線の前記一端同士を連結する内側連結部とを備え、
    前記一対のコイル素子と前記内側連結部とが互いに独立した別部材で形成され、
    前記一対のコイル素子は、互いに軸を共通するように配置され
    前記一対のコイル素子同士の間には間隔が設けられているコイル。
  2. 前記巻線の導体が、常電導材料で構成されている請求項1に記載のコイル。
  3. 前記内側連結部が、前記コイル素子の軸方向に沿っている請求項1又は請求項2に記載のコイル。
  4. 前記コイル素子の各層間に介在される絶縁層を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイル。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイルと、前記コイルが配置される磁心とを備えるコイル部品。
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