JP5224055B2 - リアクトル用コイル部材及びその製造方法並びにリアクトル - Google Patents

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本発明は、電気自動車やハイブリット自動車などの車載部品などに好適に利用されるリアクトル用コイル部材及びその製造方法並びにリアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。このリアクトルには、第1のコイル素子と第2のコイル素子とが並列配置され、両コイル素子が連結部を介して電気的に接続された構成のコイル部材が利用される。同様のコイル部材を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。特許文献1は、自動車用トランスに用いられるコイル部材を開示している。このコイル部材は、絶縁被覆を有する一本の平角線(巻線)で形成され、連結部は平角線の途中をヘアピン状に折り返した構成である。
一方、同様に一本の平角線で形成したコイル部材であって、ヘアピン状に折り返した連結部をなくしたものが特許文献2に開示されている。
特開2004−55920号公報 図1 特開2008−186980号公報 図3
しかし、従来技術に係る各コイル部材には、次のような問題があった。
ヘアピン状の連結部を有する特許文献1に係るコイル部材では、巻線をヘアピン状に屈曲する必要上、その曲げ加工が必要である。また、巻線を折り返すような曲げ加工により、巻線の絶縁被覆に大きな負荷がかかり、絶縁被覆が剥離する虞もある。
一方、特許文献2に係るコイル部材では、ヘアピン状の屈曲部がないため、絶縁被覆の剥離は抑制できる。しかし、一本の巻線で両コイル素子を形成する必要上、各コイル素子の巻回方向を逆方向にするなど巻回作業が複雑になる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、互いに並列された一対のコイル素子を備えるコイル部材において、ヘアピン状に屈曲するような連結部をなくし、かつ簡易に形成できるリアクトル用コイル部材と、そのコイル部材を用いたリアクトル用コイル部材の製造方法とを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、個別の巻線を用いることで、前記リアクトル用コイル部材を容易に製造することができるリアクトル用コイル部材の製造方法を提供することにある。
本発明のリアクトル用コイル部材は、第一端子側端部と第一連結側端部とを有する第一巻線を巻回して構成される第一コイル素子と、第二端子側端部と第二連結側端部とを有する第二巻線を巻回して構成される第二コイル素子とを備える。この各コイル素子の各端子側端部から連結側端部に向かうコイル軸方向に沿った方向をそのコイル素子の螺旋の進行方向とするとき、これら両コイル素子が螺旋の進行方向を同一として互いに並列状態で連結されたリアクトル用コイル部材である。そして、両コイル素子の軸方向一端側において各連結側端部同士を冷間圧接した接合部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第一コイル素子と第二コイル素子とを個別の巻線で構成し、両コイル素子を冷間圧接にて接合することで、ヘアピン状に屈曲した連結部を必要としない。また、冷間圧接は十分な接合強度が得られる接合方法であることに加え、常温で接合作業を行うため、巻線に形成された絶縁被覆を熱的に損傷させることもない。さらに、両コイル素子は、個別の巻線で螺旋の進行方向を同一として形成しておくことで、特許文献2のように両コイル素子で巻回方向を逆転する必要もなく、容易にコイル部材を製造することができる。
本発明の一形態として、前記第一巻線及び第二巻線は絶縁被覆を有する平角線であり、前記接合部は、各平角線の連結側端部の端面同士を突き合わせて構成されていることが挙げられる。
この構成によれば、平角線の端面同士を突き合わせて冷間圧接することで、平角線の端部に特別な加工を要することなく、簡易に冷間圧接作業を行うことができる。また、端面同士の冷間圧接によれば、実質的に接合部の断面外形が圧接前の平角線の断面外形と大きく変わることもない。
本発明の一形態として、前記第一巻線及び第二巻線は絶縁被覆を有する平角線であり、前記接合部は、前記平角線の連結側端部に形成した傾斜面同士を接合して構成され、各コイル素子を構成する巻線の断面外形と実質的に同一の断面外形を有することが挙げられる。
この構成によれば、平角線の連結側端部を傾斜面同士で接合することで、簡易に広い接合面積を確保することができる。また、各コイル素子を構成する巻線の断面外形と実質的に同一の断面外形を有することで、一本の巻線で両コイルを構成したコイル部材と同等の形状とすることができる。
本発明の一形態として、前記第一巻線及び第二巻線は絶縁被覆を有する平角線であり、前記接合部は、前記平角線の連結側端部に形成した段差面同士を接合して構成され、各コイル素子を構成する巻線の断面外形と実質的に同一の断面外形を有することが挙げられる。
この構成によれば、平角線の連結側端部を傾斜面同士で接合することで、簡易に広い接合面積を確保することができる。また、各コイル素子を構成する巻線の断面外形と実質的に同一の断面外形を有することで、一本の巻線で両コイルを構成したコイル部材と同等の形状とすることができる。
一方、本発明のリアクトルは、上述したリアクトル用コイル部材と、各コイル素子にはめ込まれて環状に構成されたコアとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、本発明のリアクトル用コイルを用いることで、第一コイル素子と第二コイル素子との接合部が特異的に各コイル素子の輪郭から突出したような構成でないため、小型のリアクトル或いはコアの形態の自由度が高いリアクトルとすることができる。
また、本発明のリアクトル用コイル部材の製造方法は、第一端子側端部と第一連結側端部とを有する第一巻線を巻回して構成される第一コイル素子と、第二端子側端部と第二連結側端部とを有する第二巻線を巻回して構成される第二コイル素子とを備え、各コイル素子の各端子側端部から連結側端部に向かうコイル巻回軸に沿った方向をそのコイル素子の螺旋の進行方向とするとき、これら両コイル素子が螺旋の進行方向を同一として互いに並列状態で連結されたリアクトル用コイル部材を製造する方法であって、次の工程を含むことを特徴とする。
第一連結側端部を含む第一巻線の一部を連結用余長とし、この連結用余長以外の第一巻線の少なくとも一部を巻回して第一コイル素子を形成する工程。
第二連結側端部を含む第二巻線の一部を連結用余長とし、この連結用余長以外の第二巻線の少なくとも一部を巻回して第一コイル素子と同様の第二コイル素子を形成する工程。
両コイル素子の連結側端部同士を冷間圧接して接合する工程。
両コイル素子の連結用余長を巻回して、両コイル素子を並列状態に近接させる工程。
この構成によれば、第一コイル素子と第二コイル素子とを個別の巻線で同様に構成する。そのため、各コイル素子の形成がきわめて容易に行える。また、個々に構成したコイル素子同士は、冷間圧接で簡易かつ強固に接合される。そして、冷間圧接に必要な連結余長分を冷間圧接後に巻回することで、両コイル素子を互いに並列状態に連結された構成とすることができる。
本発明のリアクトル用コイル部材によれば、両コイル素子の連結部で、巻線をヘアピン状に屈曲する必要がなく、かつ各コイル素子は巻回方向が同じ同様のコイル素子を用いて容易に得られる。また、両コイル素子の連結部がコイル部材の外側に実質的に突出しないため、コイル部材の小型化を実現できる。
本発明のリアクトルは、本発明のリアクトル用コイル部材を用いることで、リアクトルの小型化が可能になる。
本発明のリアクトル用コイル部材の製造方法によれば、本発明のリアクトル用コイル部材を容易に形成することができる。
本発明の実施形態に係るリアクトル用コイル部材の斜視図である。 第一コイル素子の斜視図である。 第二コイル素子の斜視図である。 (A)は第一・第二コイル素子の連結側端部の端面を突き合わせた状態を示す斜視図、(B)は巻線における端面の突合せ箇所を示す拡大平面図である。 図4の状態から連結用余長分を巻回した状態を示す斜視図である。 図1のコイル部材を用いたリアクトルを示す斜視図である。 (A)は巻線端面を段差面とした接合部の平面図、(B)は巻線端面を傾斜面とした接合部の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、後述する変形例では、本発明の実施形態との相違点を中心に説明し、他の構成は基本的に実施形態と共通するものとする。
[コイル部材]
本発明のコイル部材100は、図1に示すように、互いに並列される第一コイル素子110と第二コイル素子120とを備える。各コイル素子110、120は、実質的に同一ピッチの同一のターン数で、互いに個別の第一巻線112と第二巻線122を各々エッジワイズ巻きして角筒状に構成される。各ターンの形状・寸法も実質的に同一である。本例では、巻線112、122としてエナメルなどの絶縁被覆を有する平角銅線を用いているが、平角銅線の代わりに丸線や他の多角形の断面を有する線材であってもよい。
ここで、各コイル素子110、120の並列方向をX1-X2方向、各コイル素子110、120の軸方向をY1-Y2方向、この並列方向と軸方向の双方に直交するコイルの高さ方向をZ1-Z2方向とする。また、各コイル素子110、120を構成する巻線112、122の端部のうち、自由端として引き出されて図示しない端子に接続される側の端部を第一・第二端子側端部114、124、コイル素子110、120の軸方向における端子側端部114、124とは反対側で両コイル素子110、120をつなぐための端部を第一・第二連結側端部116、126とする。本例では、両コイル素子の端子側端部114、124はコイルのY2方向に位置し、連結側端部116、126はY1方向に位置する。但し、両コイル素子の端子側端部114、124の引き出し方向が限定されるわけではなく、X1-X2方向やZ1方向などであってもよい。
さらに、各端子側端部114、124から連結側端部116、126に向かうコイル軸方向に沿った方向をそのコイル素子110、120の螺旋の進行方向とする。そのとき、両コイル素子110、120の螺旋の進行方向は同一である。つまり、各コイル素子110、120の螺旋の進行方向は、図1のY1方向となっている。
そして、各コイル素子110、120の巻線112、122の巻回方向は、互いに同一である。具体的には、図1のY1方向からY2方向に向かってコイルを見たとき、各コイル素子110、120の巻線112、122の巻回方向は反時計回りとなっている。
このような構成のコイル部材100とすることで、例えば、第一端子側端部114から給電した電流は、図1のY2側からY1側に向かって第一コイル素子110を反時計回りに流れ、第二コイル素子120では図1のY1方向からY2方向に向かって反時計回りに流れる。
本発明の特徴とするところは、両コイル素子110、120の連結側端部同士の接合部130を冷間圧接にて形成したことにある。冷間圧接は、第一巻線の連結側端部116と第二巻線の連結側端部126を各々図示しないダイスで保持し、両連結側端部116、126の端面同士を突き合わせ、両ダイスを圧接させることで行う。このダイスの圧接により、突き合わされた巻線112、122の端面同士は局所的に塑性変形され、第一巻線112の金属と第二素線122の金属とが原子結合することで強固に接合される。この冷間圧接は、巻線112、122を加熱することなく常温で行えるため、一般的な溶接などと異なり、巻線112、122に熱履歴が加わらない。そのため、巻線112、122の絶縁被覆が熱的に損傷することを回避できる。この冷間圧接には、公知の圧接装置が利用できる。
冷間圧接にて形成した接合部130は、実質的に圧接前の巻線112、122と同様の断面外形を有している。そのため、接合部130が他の巻線部分と比べて特異的な形状にはならず、一方のコイル素子110(120)から他方のコイル素子120(110)への渡り部140を円滑な構成にすることができる。
そして、この渡り部140がコイルのターン形成部150の輪郭外形から実質的に突出しない構成とされている。つまり、接合部130を含む渡り部140は、コイル素子の軸方向、並列方向、高さ方向のいずれにも実質的に突出しない構成である。従って、特許文献1で示したようにヘアピン状に屈曲した連結部を形成する必要がない。
[コイル部材の製造方法]
上述したコイル部材は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、第一・第二コイル素子110、120を形成するのに必要な長さの第一・第二巻線112、122を用意する。この第一・第二巻線112、122の必要長には、一ターン分の長さ×ターン数に相当する長さの他、第一・第二端子側端部114、124の引き出し長や、第一・第二連結側端部116、126を含む連結用余長が含まれる。連結用余長は、第一コイル素子と第二コイル素子の連結側端部同士を冷間圧接するために冷間圧接機を両コイル素子間に配置するのに必要な長さである。この連結用余長は、両コイル素子110、120間に冷間圧接機の配置が可能であれば、極力短くし、かつ各コイル素子110、120におけるターンの短片及び長辺の少なくとも一方のほぼ整数倍に両コイル素子110、120をつなぐ渡り部140の長さを見込んだ長さとすることが好ましい。
所定長の第一・第二巻線112、122が用意できたら、第一巻線112を巻回して図2に示す第一コイル素子110を、第二巻線122を巻回して図3に示す第二コイル素子120を形成する。両コイル素子110、120は、いずれも巻回方向が共通で、同一の外形サイズ、同一ピッチである。両コイル素子110、120を実質的に共通の構成とすることで、容易に各コイル素子110、120を形成することができる。但し、第一コイル素子110と第二コイル素子120を接合してコイル部材100としたとき、一方のコイル素子110(120)から他方のコイル素子120(110)につながる渡り部140の構成を考慮して、第一コイル素子110の連結用余長118と第二コイル素子120の連結用余長128とでは引き出し方向が異なっている。
次に、図4(A)に示すように、これらの第一・第二コイル素子の各連結用余長118,128が直線状となるように両コイル素子110、120を配置し、各コイル素子110、120における連結側端部116,126の端面同士を突き合せる。本例における端面は、図4(B)に示すように、第一・第二巻線112、122の長手方向に対して直交する面で構成されている。端面同士の突合せにより、両コイル素子110、120の間には、冷間圧接機を配置するための空間が連結用余長118,128により形成される。必要に応じて、冷間圧接前に、各巻線112、122の端面近傍の絶縁被覆を除去しておいてもよい。
次に、端面の突き合わせ個所に、図示しない冷間圧接機を装備する。
冷間圧接機の装備ができたら、圧接機のダイスを駆動して、連結部側端部116,126の端面同士を圧接させる。この圧接により、第一・第二巻線112、122の銅同士が原子結合して強固な接合部が形成される。接合部130が形成できたら、冷間圧接機を接合部から取り外す。
通常、接合部130には、巻線112、122の外周方向にフランジ状に突出するバリが形成されるが、研磨などの適宜な手段により、このバリは除去すればよい。バリの除去により、接合部130の断面外形は、冷間圧接前の各巻線112、122の断面外形と実質的に同一にできる。
冷間圧接とバリの除去に伴い、接合部近傍の巻線112、122の絶縁被覆が部分的に除去されてしまうため、この接合部130やダイスで保持された巻線部分には補強絶縁(図示略)を施すことが好ましい。この補強絶縁は、冷間圧接前に一方のコイル素子110(120)の連結用余長118(128)に嵌め込んでおいた熱収縮チューブを冷間圧接後に接合部130に位置合わせして加熱収縮させたり、接合部130とその近傍にカプトンテープ(商品名)などの絶縁テープを巻回することなどで構成することが挙げられる。
バリの除去と補強絶縁の形成が完了したら、順次、各コイル素子の連結用余長118,128の部分も巻回して、第一コイル素子110と第二コイル素子120を近接させる。本例では、図4の状態から第一コイル素子110を図の反時計回りに90°ずつ2回、第二コイル素子120を図の反時計回りに90°ずつ2回巻回する。
そして、渡り部140における第二コイル素子120側を90°エッジワイズに屈曲することで、図5に示すように、第一連結側端部116から接合部130を介して第二連結側端部126に至るオフセット状の渡り部140で両コイル素子110、120が接合され、かつ各端子側端部114、124が図の左側に引き出された状態で両コイル素子110、120が並列されることになる。
最後に、図1に示すように、各コイル素子110、120の端子側端部114、124を各々図1のY2方向に屈曲させてコイル部材100の製造を完了する。
[リアクトル]
上記のコイル部材を用いたリアクトルを図6に示す。このリアクトル10は、本発明のコイル部材100と、各コイルにはめ込まれて環状に構成されたコア200とを備える。
コア200は、コイル素子110、120が配置されるコイル巻回部210と、各コイル素子110、120に覆われずに露出する露出部220とを有する。コイル巻回部210は並列して設けられ、その一方側の端部同士が一つの露出部220で接続されると共に、コイル巻回部210の他方側の端部同士が別の露出部220で接続されている。つまり、2つのコイル巻回部210と2つの露出部220とが環状に繋がることでコア200が形成されている。図示していないが、コイル巻回部210は、通常、磁性材料からなる複数のコア片と、コア片の間に介在される非磁性のギャップ材とで構成される。このコア片や露出部220は、電磁鋼板の積層体や軟磁性粉末の圧粉成形体が好適に利用できる。一方、ギャップ材は、アルミナなどのセラミックスが好適に利用でき、ギャップ材の厚みや数を調整することで、リアクトル10のインダクタンスを調整する。
コア200の露出部220は、コイル巻回部210よりもコイル素子110、120の高さ方向の下面側に突出し、コイル素子110、120の下面と面一になっている。このような構成により、リアクトル10が設置される冷却ベースなどの設置面に対してコア200の露出部220の下面(図6の下面)を接触させることができるので、リアクトル10で発生した熱を効率良く冷却ベースに放熱することができる。また、露出部220をコイル素子110、120の下面側に突出させることで、露出部220における必要な磁路面積を確保し、リアクトル10を小型化できる。
その他、図示していないが、コア200とコイル素子110、120との間に介在され、両者の絶縁を確実にするインシュレータを備えていても良い。例えば、コイル巻回部210を覆う筒状ボビンと、筒状ボビンの両端に位置して、各露出部220に当接される枠状ボビンとでインシュレータを構成することが挙げられる。インシュレータには、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁材料が利用できる。
このようなリアクトルは、リアクトル用コイル部材の各コイル素子110、120にコイル巻回部210を挿入し、その状態のコイル部材100の両端部に露出部220を固定することで構成される。コイル巻回部210におけるコア片とギャップ材の接合やコイル巻回部210と露出部220との接合は、例えば接着剤により行えばよい。
上述したリアクトル用コイル部材によれば、実質的に同一形態の第一・第二コイル素子110、120を個別の巻線112、122により形成する。そのため、各コイル素子110、120は、1本の巻線を一定方向に巻回するという簡易な方法にて形成することができる。また、両コイル素子110、120は、冷間圧接にて接合することで、簡易な方法にて強固に接合することができる。そして、冷間圧接後は、連結用余長に相当する個所を巻回して両コイル素子110、120を並列させるだけであり、各コイル素子110、120の各ターンにずれが生じることも実質的にない。つまり、各コイル素子110、120は、いずれかのターンが他のターンに対してずれたり外方に突出したりすることがなく、軸方向の一端側から他端側に向かって均一な構成のコイル素子110、120同士が接合されたコイル部材100とすることができる。そして、このようなコイル部材100は、接合部130がコイル部材100の軸方向に実質的に突出することがないため、特許文献1のコイル部材に存在したヘアピン状の連結部が存在しない。そのため、このヘアピン状の連結部の存在に伴うコアの形状の制約がない。
<変形例1>
以上のコイル部材では、接合部を構成する各巻線の端面は、巻線の長手方向に直交する面としたが、図7(A)に示すように、互いに噛合する段差面としてもよい。この場合、段差面同士を噛合し、巻線112、122の厚み方向、つまり図7の上下方向にダイスで圧接して接合部を形成すればよい。本変形例に係る接合部の断面外形は、接合前の各巻線112、122の断面外形と実質的に同一となる。
<変形例2>
以上のコイル部材では、接合部を構成する各巻線の端面は、巻線の長手方向に直交する面としたが、図7(B)に示すように、互いに適合する傾斜面としてもよい。この場合、傾斜面同士を対面し、巻線112、122の厚み方向、つまり図7の上下方向にダイスで圧接して接合部を形成すればよい。本変形例に係る接合部の断面外形も、接合前の各巻線112、122の断面外形と実質的に同一となる。
<変形例3>
コイル部材100とコア200との組合体は、例えば開口部を有するアルミニウムやアルミニウム合金製のケース(図示略)に収納して、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの樹脂で封止したリアクトルとしても良い。この封止樹脂を用いることで、コイル部材100やコア200からの発熱を封止樹脂を介して効果的にケースに放熱したり、コイル励磁時に生じる振動を抑制したりできる。
<変形例4>
コイル部材100とコア200との組合体を上記のケースに収納せず、コイル部材100とコア200の組合体を絶縁性樹脂により被覆し、樹脂被覆部(図示せず)を具える構成としてもよい。上記絶縁性樹脂には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。ケースを省略することで、リアクトルを小型にできる。また、樹脂被覆部からコアの一部やコイルの一部を露出させた構成とすると、コアやコイルの熱を放出し易く、放熱性を高められる。更に、ケースを省略して樹脂被覆部を具える構成とする場合、両コイル素子の巻線の端部を任意の箇所に引き出すことができ、端子が配置される箇所の設計の自由度を大きくすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、図6では、露出部220がリアクトルの下面側にのみ突出したコア200を用いたが、さらに上面側にも突出し、コイルのターン形成部150の上面と面一となる露出部を用いても良い。
本発明リアクトル用コイル部材を使用したリアクトルは、ハイブリット自動車などの移動体に搭載されるコンバータの構成部品として好適に利用できる。
10 リアクトル
100 コイル部材
110 第一コイル素子
112 第一巻線 114 第一端子側端部 116 第一連結側端部
118 連結用余長
120 第二コイル素子
122 第二巻線 124 第二端子側端部 126 第二連結側端部
128 連結用余長
130 接合部
140 渡り部
150 ターン形成部
200 コア
210 コイル巻回部 220 露出部

Claims (5)

  1. 第一端子側端部と第一連結側端部とを有する第一巻線を巻回して構成される第一コイル素子と、第二端子側端部と第二連結側端部とを有する第二巻線を巻回して構成される第二コイル素子とを備え、各コイル素子の各端子側端部から連結側端部に向かうコイル巻回軸に沿った方向をそのコイル素子の螺旋の進行方向とするとき、これら両コイル素子が螺旋の進行方向を同一として互いに並列状態で連結されたリアクトル用コイル部材であって、
    前記第一巻線及び第二巻線は絶縁被覆を有する平角線であり、
    前記両コイル素子は、前記平角線をエッジワイズ巻きして構成され、
    両コイル素子の軸方向一端側において各連結側端部の端面同士を突き合わせて冷間圧接した接合部を備えることを特徴とするリアクトル用コイル部材。
  2. 記接合部は、
    前記平角線の連結側端部の端面に形成した傾斜面同士を接合して構成され、
    各コイル素子を構成する巻線の断面外形と実質的に同一の断面外形を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクトル用コイル部材。
  3. 記接合部は、
    前記平角線の連結側端部の端面に形成した段差面同士を接合して構成され、
    各コイル素子を構成する巻線の断面外形と実質的に同一の断面外形を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクトル用コイル部材。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のリアクトル用コイル部材と、
    各コイル素子にはめ込まれて環状に構成されたコアとを備えることを特徴とするリアクトル。
  5. 第一端子側端部と第一連結側端部とを有する第一巻線を巻回して構成される第一コイル素子と、第二端子側端部と第二連結側端部とを有する第二巻線を巻回して構成される第二コイル素子とを備え、各コイル素子の各端子側端部から連結側端部に向かうコイル巻回軸に沿った方向をそのコイル素子の螺旋の進行方向とするとき、これら両コイル素子が螺旋の進行方向を同一として互いに並列状態で連結されたリアクトル用コイル部材を製造する方法であって、
    前記第一巻線及び第二巻線は絶縁被覆を有する平角線であり、
    第一連結側端部を含む前記第一巻線の一部を連結用余長とし、この連結用余長以外の第一巻線の少なくとも一部をエッジワイズ巻きして第一コイル素子を形成する工程と、
    第二連結側端部を含む前記第二巻線の一部を連結用余長とし、この連結用余長以外の第二巻線の少なくとも一部をエッジワイズ巻きして第一コイル素子と同様の第二コイル素子を形成する工程と、
    両コイル素子の連結側端部の端面同士を突き合わせて冷間圧接して接合する工程と、
    両コイル素子の連結用余長を巻回して、両コイル素子を並列状態に近接させる工程とを含むことを特徴とするリアクトル用コイル部材の製造方法。
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