JP6538415B2 - 炭素材料の酸化方法並びに酸化グラフェン及び組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフェン構造を有する炭素材料(例えば、グラファイト、多層グラフェン、単層グラフェンなど)の酸化方法、並びにその酸化方法で得られる酸化グラフェン及びその酸化グラフェンを有する組成物に関する。
近年、フラーレン、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェンなどの特異的な構造を有する炭素材料が新たに発見され、その構造に由来して、機械的特性、電気的特性、熱的特性などの種々の特性が優れているため、電気デバイス等の様々な分野への利用が検討されている。
なかでも、グラフェンは、ベンゼン環が平面状(又は2次元状)に連なった構造を有しており、その特性が注目されている。グラフェンの製造方法として、代表的には、化学気相成長法(CVD法)や物理的(又は化学的)剥離法などが知られている。化学気相成長法(CVD法)では、大量合成ができないため、物理的(又は化学的)剥離法が好ましいとされている。
物理的(又は化学的)剥離法として、代表的には、グラファイトの酸化によりグラフェン層(酸化グラフェン層)の層間を広げて、水中で超音波を照射したり、遠心分離及び再分散を繰り返すなどの操作により剥離(又は分散)して製造する方法が知られている。例えば、特表2013−516037号公報(特許文献1)では、Hummers(ハマーズ)法に従って、硫酸、硝酸ナトリウム、及び過マンガン酸カリウムを使用して、酸化グラフェン(又は酸化薄片化グラファイト)を調製している。このような方法では、酸化グラフェンの剥離性又は分散性は高いものの、強酸や強酸化剤などの影響により構造中に多くの格子欠陥が生じ、本来グラフェンが有している優れた特性が極端に低下するため、電気伝導性(又は導電性)及び熱伝導性を両立できない。
また、グラフェンではなくCNTの集合体(又は凝集体)を分解(又は解集合)する方法として、特表2004−535349号公報(特許文献2)には、CNTと過酸素化合物とを接触させて、酸化する方法が開示されている。実施例においては、CNTと過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酢酸などの過酸素化合物などとを反応させて、酸化CNTを調製し、CNTの分散性を向上している。しかし、酸化方法と、得られる酸化CNTの電気的特性及び熱的特性との関係については記載されていない。
また、特許文献2では、酸化によりCNTの分散性はある程度向上するものの、長さが短くなり、炭素の層も部分的に剥離されていることについて記載されており、酸化により格子欠陥が多数生じていることが推測される。そのため、このような酸化方法でも、炭素材料が有する本来の特性(特に熱的特性)を、高く維持することは困難であると予想される。
特表2013−516037号公報(実施例3) 特表2004−535349号公報(特許請求の範囲、段落[0078][0080]、実施例)
従って、本発明の目的は、酸化しても電気伝導性と熱伝導性とを両立できる酸化グラフェンの製造方法(又は酸化方法)、並びにその方法で得られる酸化グラフェン、及びその組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、酸化しても構造中の欠陥が少ない酸化グラフェンの製造方法(又は酸化方法)、並びにその方法で得られる酸化グラフェン、及びその組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、過マンガン酸カリウムなどの強酸化剤とは異なり、有機過酸化物及び過酸化水素から選択される少なくとも1種の過酸化物でグラフェン構造を有する炭素材料を酸化すると、意外にも格子欠陥を生じることなく炭素材料を温和に酸化でき、電気伝導性と熱伝導性とを両立できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の方法では、グラファイト、多層グラフェン及び単層グラフェンから選択される少なくとも1種のグラフェン構造を有する炭素材料を、有機過酸化物及び過酸化水素から選択される少なくとも1種の過酸化物と反応させて、炭素材料を部分的に酸化する。
前記炭素材料は、多層グラフェン又は単層グラフェンを含んでいてもよい。前記有機過酸化物は、ヒドロペルオキシド類、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシカルボン酸類、ペルオキシエステル類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシカーボネート類、ケトンペルオキシド類、及びペルオキシケタール類から選択される少なくとも1種の有機過酸化物を含んでいてもよい。前記有機過酸化物は、ペルオキシカルボン酸類(特に過酢酸)を含んでいてもよい。炭素材料中の炭素原子1モルに対する過酸化物のペルオキシ基の総数は、0.01〜3モル程度であってもよい。
また、前記方法により電気伝導度と熱伝導性とを両立したグラフェン構造を有する炭素材料の提供が可能となるため、本発明には、前記方法で得られる部分的に酸化された酸化グラフェンも含まれる。前記酸化グラフェンのラマンスペクトルにおいて、GバンドとDバンドとの強度比は、前者/後者(強度比)=99.9/0.1〜70/30程度であってもよい。前記酸化グラフェンは、エポキシ基を有していてもよい。
さらに、本発明には、前記酸化グラフェンを含む組成物も含まれる。前記組成物は、さらに、樹脂を含んでいてもよい。
なお、本明細書中、「グラフェン構造」とは、炭素原子の6員環構造(又はベンゼン環)が平面状(又は2次元状、ハニカム格子状)に連なった構造を意味し、CNTのように、グラフェンシートを筒状に丸めてつなぎ合わせた構造を含まない意味に用いる。また、本明細書中、「酸化グラフェン」とは、完全酸化されたグラフェン構造を含まず、部分的に酸化された単層グラフェン(酸化単層グラフェン)、部分的に酸化された多層グラフェン(酸化多層グラフェン)及び部分的に酸化されたグラファイト(酸化グラファイト)のすべてを包含する意味に用いる。
本発明では、グラフェン構造を有する炭素材料を所定の過酸化物と反応させるため、格子欠陥を生じることなく炭素材料を酸化できる。そのため、酸化前の電気伝導性及び熱伝導性を大きく低下することなく、電気伝導性と熱伝導性とを両立できる。
図1は実施例1及び未処理の多層グラフェンのラマンスペクトルである。 図2は比較例1のラマンスペクトルである。 図3は実施例2のESCA測定におけるスペクトル(0〜1100eV)である。 図4は実施例2のESCA測定におけるC1s領域付近のスペクトルである。 図5は実施例2のESCA測定におけるO1s領域付近のスペクトルである。 図6は実施例2のESCA測定におけるP2p領域付近のスペクトルである。
本発明では、グラフェン構造を有する炭素材料を有機過酸化物及び過酸化水素から選択される少なくとも1種の過酸化物と反応させて、炭素材料を部分的に酸化する。
[炭素材料]
グラフェン構造を有する炭素材料は、グラファイト、多層グラフェン及び単層グラフェンから選択される少なくとも1種を含んでいればよい。
グラファイトは、天然黒鉛であってもよく、人造黒鉛(例えば、高配向性熱分解黒鉛(HOPG)など)であってもよい。グラファイトの形状は、特に限定されず、例えば、繊維状、粒状などであってもよい。粒状の形状としては、例えば、球状、楕円球状、多角方形状(四角方形状など)、板状(扁平、鱗片又は薄片状、薄層状など)、ロッド状、無定形状などが挙げられる。これらの形状のうち、板状(扁平、鱗片又は薄片状、薄層状など)が好ましい。
単層グラフェンは、前記グラフェン構造1層のみからなるシート状の構造体であり、多層グラフェンは、単層グラフェンが所定の間隔をおいて、複数積層した構造を有している。積層数は、例えば、2〜10層程度の範囲から選択でき、好ましくは2〜5層、さらに好ましくは2〜3層程度であってもよい。多層グラフェン及び単層グラフェンは、市販品を使用してもよく、慣用の方法により調製してもよい。慣用の方法としては、例えば、化学気相成長法(CVD法)や物理的(又は化学的)剥離法(例えば、特許文献1に記載の方法など)が挙げられ、なかでも、結晶中の構造欠陥の増加を抑制する観点から、強酸や強酸化剤を使用しない方法で調製したものが好ましい。
これらのグラフェン構造を有する炭素材料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのグラフェン構造を有する炭素材料のうち、電気伝導性及び熱伝導性の観点から、多層グラフェン又は単層グラフェン(特に多層グラフェン)を含むのが好ましい。
なお、CNTやグラフェンなどのナノ材料は、集合体(又は凝集体、会合体)を形成しやすく、CNT集合体では、CNT同士が点で又は線状(又はバンドル状)に重なり集合するのに対し、グラフェン集合体(多層グラフェンやグラファイトなど)では、グラフェン層(又はグラフェン構造体)同士の面がπ−πスタッキング(又はπ−π相互作用)により強固に積み重なって集合する形態をとる。このような集合形態の違いから、グラフェン集合体は、CNT集合体に比べて化学的に安定で酸化(又は解集合、はく離)され難く、前記ハマーズ法のように強力な酸化剤などを使用する酸化方法が主流であるため、特許文献2記載の方法のようなCNTの酸化方法をグラフェン構造に適用するという発想自体が起き難かった。
[過酸化物]
本発明では、有機過酸化物及び過酸化水素から選択された少なくとも1種の過酸化物を用いて酸化するため、得られる酸化グラフェンの格子欠陥の発生を効果的に抑制できる。
有機過酸化物としては、慣用の化合物が使用でき、代表的な有機過酸化物としては、例えば、ヒドロペルオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのアラルキルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドなどのアリールヒドロキシペルオキシドなど);ジアルキルペルオキシド類(例えば、ジt−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなど);ペルオキシカルボン酸類(例えば、過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、トリフルオロ過酢酸など);ペルオキシエステル類(例えば、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテートなど);ジアシルペルオキシド類(例えば、ベンゾイルペルオキシド(BPO)、ラウロイルペルオキシドなど);ペルオキシカーボネート類(例えば、O,O−t−ブチル−O−イソプロピルペルオキシカーボネートなどのペルオキシモノカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネートなど);ケトンペルオキシド類(例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシドなど);ペルオキシケタール類(例えば、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど)などが挙げられる。
これらの過酸化物は単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの過酸化物のうち、有機過酸化物、(例えば、ペルオキシカルボン酸(特に過酢酸))を含むのが好ましい。
[炭素材料の酸化方法]
酸化反応は、炭素材料と過酸化物とを混合して、反応を行うことができる。使用する炭素材料中の炭素原子1モル(又は炭素材料12g)に対して、過酸化物のペルオキシ基の総数(有機過酸化物及び過酸化水素が有するペルオキシ基の合計数)は、0.001〜20モル(例えば、0.001〜10モル)程度の範囲から選択でき、例えば、0.01〜5モル(例えば、0.01〜3モル)、好ましくは0.01〜1モル(例えば、0.05〜0.5モル)、さらに好ましくは0.1〜0.3モル(例えば、0.1〜0.2モル)程度であってもよい。
なお、過酸化物の量が少なすぎると、酸化反応が進行しないおそれがある。ただし、本発明では、グラフェン構造を有する炭素材料と、有機過酸化物及び/又は過酸化水素とを反応させるため、比較的少量の過酸化物であっても、酸化グラフェンを得ることができる。
また、炭素材料と過酸化物との反応方法は、特に制限されないが、通常、溶媒(又は分散媒)中に炭素材料を分散した分散液に、過酸化物を添加して反応させることが多い。
溶媒(又は分散媒)としては、過酸化物を溶解できる限り特に制限されず、例えば、水、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸など)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのカルボン酸エステル類など)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン環状エーテルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど)、炭化水素類(ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエチレンなど)などが挙げられる。
これらの溶媒(又は分散媒)は単独で又は2種以上組み合わせて混合溶媒として使用することもできる。これらの溶媒(又は分散媒)のうち、過酸化物との相溶性を有し、かつ過酸化物との反応性が低い観点から、エステル類(特に、酢酸エチルなどのカルボン酸エステル類)などが好ましい。分散液における炭素材料の濃度は、0.01〜10重量%程度の範囲から選択でき、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%程度であってもよい。
炭素材料の分散液は、慣用の方法により調製でき、例えば、室温下(例えば、25℃程度)、炭素材料と分散溶媒とを、15分以上(例えば、15〜60分程度)撹拌して調製してもよい。
分散液中への過酸化物の添加において、酸化反応の急激な進行を抑制する観点から、過酸化物は前記溶媒で希釈して添加してもよい。希釈溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて混合溶媒とすることもできる。希釈溶媒は、分散媒と同種(特に同一)の溶媒であるのが好ましい。希釈溶液中の過酸化物の濃度は、例えば5〜100重量%程度の範囲から選択でき、好ましくは15〜70重量%、さらに好ましくは25〜35重量%程度であってもよい。
過酸化物(又はその希釈液)の分散液への添加は、一度に行ってもよいが、酸化反応の急激な進行を抑制する点から、所定の間隔をおいて間欠的に添加することが好ましい。
なお、反応は撹拌しながら行ってもよい。また、反応は、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下で行ってもよく、反応温度は、20〜100℃程度の範囲から選択でき、好ましくは30〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃程度であってもよい。反応時間は、10分〜7日程度の範囲から選択でき、例えば、1〜24時間、好ましくは2〜12時間、さらに好ましくは4〜6時間程度であってもよい。
反応終了後、未反応の過酸化物を慣用の方法でクエンチ(又は失活)してもよく、例えば、多量の水を添加するなどの方法であってもよい。その後、慣用の方法で、水層のpHが中性になるまで洗浄し、ろ過や遠心分離などの方法により、湿粉状態の酸化炭素材料を得ることができる。
[酸化グラフェンの特性と組成物]
(特性)
本発明で得られる酸化グラフェンは、酸化によりグラフェン構造の分散性(又は剥離性)が向上しているにもかかわらず、グラフェン構造中の格子欠陥が少なく、電気伝導性及び熱伝導性に優れている。
酸化グラフェンは、ラマンスペクトルにおいて、Gバンド(又はGピーク)とDバンド(又はDピーク)との強度比が、前者/後者(強度比)=100/0〜60/40程度の範囲から選択でき、例えば、99.9/0.1〜70/30、好ましくは99/1〜80/20(例えば、98/2〜85/15)、さらに好ましくは96/4〜88/12(例えば、95/5〜90/10)程度であってもよい。Gバンドの比率が低すぎると、グラフェン構造中の格子欠陥が多いため、電気伝導率及び熱伝導率が大きく低下しやすく、還元しても電気伝導率及び熱伝導率(特に熱伝導率)が回復しないおそれがある。前記Gバンドとは、グラフェン構造の面内振動に由来する1590cm−1付近のピークであり、前記Dバンドとは、グラフェン構造中の格子欠陥などの無秩序構造に由来する1350cm−1付近のピークである。なお、ラマンスペクトルは、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
また、酸化グラフェンは、酸化度が低いと凝集しやすいが、酸化度が高いと分散することができる。従って、酸化グラフェンが酸化グラファイトを含む場合には、酸化反応によりグラフェン構造の分散性(又は剥離性)が向上しているため、慣用の方法(例えば、溶媒への再分散と遠心分離を繰り返す方法、超音波の照射による方法など)により分散(又は剥離)して、酸化単層グラフェン又は酸化多層グラフェンを調製してもよい。
酸化グラフェンは、所望の状態に分散後、慣用の方法により還元してもよく、例えば、高温に加熱する方法、ヒドラジンなどにより化学的に還元する方法の他、光や電気化学的手法などにより還元してもよい。本発明では、酸化グラフェンの構造中に、格子欠陥(炭素網面上における炭素原子の欠落又は穴)が少ないため、還元によって電気伝導性及び熱伝導性(特に熱伝導性)を大きく回復できる。
また、酸化グラフェンは、酸化により表面に酸素含有官能基を有しているため、この酸素含有官能基に対して反応性を有する修飾剤を反応させることで、酸化グラフェンを化学的に修飾することができる。修飾剤は、前記酸素含有官能基に対して、少なくとも1つの反応性を有する反応性官能基を含む限り特に制限されないが、通常、酸化グラフェンのヒドロキシル基、カルボキシル基、又はエポキシ基に対する反応性官能基を含む修飾剤であることが多い。反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基に対する反応性官能基[例えば、カルボキシル基[又は酸ハライド基(例えば、酸クロライド基、酸ブロマイド基など)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシカルボニル基など)、酸無水物基などのカルボキシル基の反応性誘導基]、イソシアネート基、シラノール基、ハロシリル基など];カルボキシル基に対する反応性官能基(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基など);エポキシ基に対する反応性官能基[例えば、アミノ基、カルボキシル基(又は前記カルボキシル基の反応性誘導基)、リン酸基(又はリン酸モノアルキルエステル基、リン酸ジアルキルエステル基、芳香族リン酸エステル基などのリン酸基の反応性誘導基)亜リン酸基(又は亜リン酸モノアルキルエステル基、亜リン酸ジアルキルエステル基、芳香族亜リン酸エステル基などの亜リン酸基の反応性誘導基)などが挙げられる。
修飾剤は、1又は複数の反応性官能基を含んでいればよく、複数の反応性官能基を含む場合、反応性官能基は同一であってもよく、異なる2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。修飾剤は、前記反応性官能基を有するシランカップリング剤などであってもよい。このような修飾剤により、親水性などの機能を付与することができる。
これらの酸化グラフェン、還元した酸化グラフェン、及び/又は修飾した酸化グラフェン(これらを酸化グラフェン類と総称する場合がある)は、慣用の方法、例えば、酸化グラフェン類の分散液(又はスラリー、ペースト)を塗布して乾燥するなどの方法によって、酸化グラフェン類のみでシート(又はペーパー)状の積層体を形成してもよい。このような積層体において、酸化グラフェン類は単独で又は2種以上を組み合わせて形成してもよい。
(組成物)
酸化グラフェン類は、前記積層体のように単独で使用してもよいが、他の材料(例えば、樹脂材料、セラミック材料、金属材料など)と混合し組成物を形成してもよい。なかでも、樹脂材料に添加して組成物を形成すると、酸化グラフェン類が樹脂改質剤として機能し、電気伝導性及び熱伝導性などの種々の特性を向上させることができる。
樹脂材料としては、汎用の樹脂材料が使用でき、例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体など)、ビニル系樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂、ビニルアルコール系樹脂)、フッ素樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリカーボネート系樹脂(例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート、ポリアリレート、液晶ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロンMXDなど)、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、熱可塑性エラストマー、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロースなどのセルロースエステル系樹脂、エチルセルロースなどのセルロースエーテル系樹脂など)などの熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アミノ樹脂(例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂など)、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド系樹脂(例えば、ビスマレイミド系樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂など)、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
樹脂組成物は、慣用の方法により調製でき、例えば、酸化グラフェン類又はその分散液とペレット状の樹脂とを押出機などで混練する方法、酸化グラフェン類の分散液と樹脂のエマルジョン又は溶液とを撹拌機などで混合して、分散液又はスラリー(又はペースト)とする方法などが挙げられる。
なお、樹脂組成物は、慣用の添加剤(例えば、フィラー、導電剤、着色剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化安定剤など)、分散剤(界面活性剤など)、レベリング剤、消泡剤、表面改質剤など)を含んでいてもよい。
本発明の酸化グラフェンは、酸素含有基を有し、分散性に優れているため、樹脂材料中に均一に分散しやすい。さらに、グラフェン構造中の格子欠陥も少ないため、グラフェン構造由来の特性(例えば、電気伝導性、熱伝導性、機械的特性、ガスバリア性など)を樹脂に効果的に付与することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下に、試験片調製方法及び各種測定方法を示す。
(試験片の調製)
グラフェン又は酸化グラフェンの粉体をテフロン(登録商標)製の20mm×100mm枠型に入れ、高圧プレス機((株)東洋精機製作所製「mini test press-10」)を用いて、20MPaの圧力をかけ、厚み100〜1000μmのシート状となるように成形し、電気伝導率および熱伝導率評価用シートを調製した。
(電気伝導率)
高抵抗抵抗率計(三菱化学(株)製、「MCP−T610」)を用いて、4端子4探針法によりシート抵抗を測定し、シートの厚みより、抵抗率および電気伝導率を算出した。
(熱伝導率)
熱物性測定装置((株)ベテル製、「サーモウェーブアナライザTA」)を用い、面内方向及び厚み方向のそれぞれについて熱拡散速度κを算出した。また、比熱測定装置(セイコーインスツル(株)製、「DSC 7020」)を用いて比熱Cを測定した。熱伝導率αは、下記式より算出した。
α=C×d×κ
(式中、αは熱伝導率、Cは比熱、dは密度、κは熱拡散速度を示す)。
(ラマンスペクトル)
ナノフォトン(株)製、「RAMANtouch」を用い、測定条件:レーザー波長532nm、励起エネルギー0.2mW、中心波長2700cm−1、回折格子300グリッド/nm、レーザー暴露時間120秒にてラマンスペクトルを測定し、得られたスペクトルから、Gバンド及びDバンドのピーク強度比を算出した。
(酸化度)
サンプルの酸化度は、Physical Ecectronics PHI 5800 ESCA System(アルバック・ファイ(株)製)を用い、得られたESCAスペクトル(ナロースキャンスペクトル)から計算される元素組成の定量値(N=2の平均値)から、下記式
酸化度(O/C)=(酸素原子の重量含有率/炭素原子の重量含有率)×100
により算出した。
(実施例1)
2Lセパラブルフラスコに、多層グラフェン((株)アイテック製、「iGurafen−Σ」)4gと、酢酸エチル631gとを秤量して混合し、室温下、窒素を吹き込みながら、撹拌機で150rpmの回転速度で15分以上撹拌した。撹拌後、あらかじめ調製した過酢酸希釈液(過酢酸(3.3g)と酢酸エチル(7.7g)との混合液)を、滴下速度25g/時で滴下した。滴下は、希釈液滴下量3g毎に一時中断し、30分撹拌した。滴下終了後、50℃に昇温し、5時間反応させた。反応終了後、水1Lを加えて、室温下、撹拌機で150rpmの回転速度で10分間撹拌してクエンチした。静置後、生成物が分散した有機層を残して水層を除去し、さらに、水1Lで5回洗浄を行った。水層のpHが中性であるのを確認後、有機層をろ過することで、湿粉状の生成物を得た。得られた生成物について、各種評価を行った。
(比較例1)
強酸化剤を用いる従来のハマーズ法で得られた部分酸化グラフェン(酸化度20%)((株)仁科マテリアル製)を用いて、実施例1と同様に各種評価を行った。
実施例1、比較例1、及び未処理の多層グラフェン((株)アイテック製、「iGurafen−Σ」)の評価結果を表1に示す。なお、未処理の多層グラフェンは、酢酸により洗浄し、原料に含まれる硫酸イオン由来の不純物を除去した後に測定した。
Figure 0006538415
表1から明らかなように、比較例1に比べ、実施例1では電気伝導率及び熱伝導率を高く維持していた。また、比較例1では、格子欠陥に由来するDバンドの比率が高いのに対して、実施例1では、Gバンド及びDバンドの強度比が未処理と同等であり、格子欠陥の増加が起きていないことが推測される。
(実施例2)
実施例1で得られた酸化グラフェンの1重量%水分散液10mLを調製して、ブチルアシッドフォスフェイト(城北化学工業(株)製、「JP−504」)を1g添加し、50℃で超音波を1時間照射した。得られた分散液をろ過し、アセトン、水でリンスした後、80℃のオーブンで12時間乾燥し、生成物を得た。この生成物をPhysical Ecectronics PHI 5800 ESCA System(アルバック・ファイ(株)製)を用いて測定した。得られたESCAスペクトルを図3〜6に示す。このスペクトルから計算される元素組成の定量値(ナロースキャンスペクトルにおけるN=2の平均値)より、0.2重量%のリン原子が検出された。実施例1の酸化グラフェンにおいて、リン原子は検出限界値[0.1重量%(ESCAスペクトルのS/N比より換算]以下であったため、酸化により導入されたエポキシ基などの酸素含有官能基に、リン酸エステル基が反応し、酸化グラフェンが修飾されたと考えられる。
本発明の酸化炭素材料は、種々の特性(特に電気伝導性及び熱伝導性)に優れているため、様々な分野における材料として利用できる。

Claims (5)

  1. グラファイト、多層グラフェン及び単層グラフェンから選択される少なくとも1種のグラフェン構造を有する炭素材料を、有機過酸化物と反応させて、炭素材料を部分的に酸化する方法であって、前記炭素材料中の炭素原子1モルに対する前記有機過酸化物のペルオキシ基の総数が、0.01〜3モルである、方法
  2. 炭素材料が、多層グラフェン又は単層グラフェンを含む請求項1記載の方法。
  3. 有機過酸化物が、ヒドロペルオキシド類、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシカルボン酸類、ペルオキシエステル類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシカーボネート類、ケトンペルオキシド類、及びペルオキシケタール類から選択される少なくとも1種の有機過酸化物を含む請求項1又は2記載の方法。
  4. 有機過酸化物が、ペルオキシカルボン酸類を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 有機過酸化物が、過酢酸を含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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