JP6538109B2 - スイッチング装置 - Google Patents
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Description
この発明は、スイッチング装置に関し、特に、複数のスイッチ素子と冷却部とから構成されたスイッチング装置に関するものである。
電力を変換するスイッチング装置として、インバータ、変圧機などがある。インバータは、複数のスイッチ素子を制御することで、電源からモータの各コイルへの電流供給経路を切り替え、モータの駆動制御を行っている。また、変圧機は、複数のスイッチ素子を制御することで、電源からリアクトルへの電流供給量を調整し、電源で発生する電圧を任意の電圧に変圧して出力する。
また、その他のスイッチング装置としては、蓄電装置の両端に接続され、スイッチングを行うことで、蓄電装置の電荷を放電する放電装置などがある。
上述のスイッチング装置はいずれも、複数のスイッチ素子が直列、並列または独立に接続・配置され、それらの複数のスイッチ素子が同一の装置内に配置されているという構成を有している。
例えば、複数のスイッチ素子で構成されるインバータ装置において、スイッチ素子のスイッチングスピードを可変制御する技術が知られている。一般に、スイッチングスピードを遅くするほど、スイッチング動作に伴うサージ電圧が低減するため、スイッチ素子の耐圧破壊を防止することができる。しかしながら、一方、スイッチ素子の損失を低減するためには、スイッチングスピードを速くする方が良い。
そのため、例えば特許文献1では、配線インダクタンスが高い場合にスイッチ素子のスイッチングスピードを遅くし、配線インダクタンスが小さい場合にスイッチ素子のスイッチングスピードを速くすることで、サージ電圧を抑制している。
また、一般に、スイッチングスピードの違いにより、スイッチ素子に発生する損失(発熱量)のバラツキが発生し、当該バラツキにより、スイッチ素子の温度のバラツキが発生する。特許文献1では、当該温度のバラツキを抑制するために、スイッチ素子の損失が大きい系路から損失が小さい経路に向かって冷却水(冷媒)を流している。これにより、冷却水が順に受熱されていき、損失が大きいスイッチ素子には温度の低い冷却水が流れ、損失が小さいスイッチ素子には温度の高い冷却水が流れる。その結果、各スイッチ素子の温度差が抑制される。
特許文献1の具体的な例を説明する。特許文献1では、冷却器上にスイッチ素子U、V、Wが左から順番に配置されている。このとき、前提として、配線の長さはU>V>W、すなわち、配線インダクタンスはU>V>Wとする。配線インダクタンスの大小関係から、スイッチングスピードはU<V<Wに制御され、サージ電圧はU=V=Wとなる。一方、スイッチ素子の損失はU>V>Wとなる。冷却器の冷媒は、スイッチ素子の損失が大きい系路から損失が小さい経路となるように冷媒を左から右へ流れるようにしているため、冷却性能はU>V>Wとなり、最終的にスイッチ素子の温度はU=V=Wとなる。
このように、特許文献1では、冷媒を左から右へ流しているが、必ずしも冷媒が左から右へ流せるとは限らない。特に、車載用機器の場合、搭載スペースの制限から、冷却器の構造および冷媒の流れ方向等において自由度が低い。そのため、冷媒が下から上へ流れ、スイッチ素子U、V、Wが同時に冷やされる場合もある。この場合、冷却性能はU=V=Wとなる。しかしながら、上述の場合においては、損失がU>V>Wであるため、スイッチ素子の温度はU>V>Wと不均一となる。
ここで、スイッチ素子の過加熱による故障を防止するための過加熱防止装置について説明する。過加熱防止装置は、スイッチ素子に取り付けられたスイッチ素子温度検出装置により検出されたスイッチ素子の温度がスイッチ素子の過加熱温度(以下OTと呼ぶ)に到達すると、スイッチ素子の通電を遮断して、インバータ動作を停止し、通電による温度上昇を遮断するように制御する。
複数のスイッチ素子で構成されるインバータ装置においては、複数のスイッチ素子のうち最も温度が高くなるスイッチ素子が最初にOTに到達した場合に、各スイッチ素子の通電を遮断するように制御する。
スイッチ素子の温度はU>V>Wと不均一となる場合の過加熱防止装置を考える。図1は、同一の冷却性能のスイッチ素子U、V、Wの損失がU>V>Wの場合の温度上昇を示す図である。図1において、横軸は時間、縦軸は温度を示し、UTはスイッチ素子Uの温度上昇、VTはスイッチ素子Vの温度上昇、WTはスイッチ素子Wの温度上昇を示す。同一の冷却性能のスイッチ素子の損失がU>V>Wの場合、OTまでのスイッチ素子の温度上昇時間はU<V<Wであり、図1に示すようにスイッチ素子Uが最も発熱し、スイッチ素子V,WがOTに到達する時間よりも速くスイッチ素子UがOTに到達する。
従って、過加熱防止装置において、全てのスイッチ素子がOTを超えないようにするためには、最も発熱の高いスイッチ素子UがOTとなった場合に、全てのスイッチ素子U,V,Wの通電を遮断するように制御しなければならない。
すなわち、スイッチ素子UがOTの時点の各スイッチ素子の温度がU>V>Wと不均一となるような図1に示す温度上昇特性を持つスイッチング装置の場合、スイッチ素子V,Wに温度余裕があるにも関わらず、スイッチング装置全体を停止させてしまい、効率的ではない。
また、特許文献1のように、冷却水の経路において、損失の大きい順にスイッチ素子を順に冷却するために、冷却水の方向を維持しようとした場合、冷却水の経路を確保するために、スイッチング装置を搭載する装置が大型化・重量化する可能性がある。一方、冷却水の経路をそのままにした場合、スイッチング装置に搭載されるスイッチ素子の配置を損失の大きい順になるように変更しなければならず、スイッチ素子の配置の自由度が低いあまり、結果的に、スイッチング装置が大型化・重量化する可能性がある。
このように、従来のスイッチング装置は、スイッチ素子間で発熱にバラツキが生じ、一部のスイッチ素子に温度余裕があるにも関わらず、すべてのスイッチ素子の通電を遮断して、スイッチング装置全体を停止させてしまうため、スイッチング装置を効率的に駆動できないという課題があった。また、スイッチ素子の配置に起因して、スイッチング装置が大型化・重量化するという課題があった。
特に、ハイブリッドカーに搭載されるインバータは、燃費の観点から、高効率・軽量が求められるが、特許文献1の従来のスイッチング装置を用いた場合、上述した課題から、高効率および軽量を実現することは難しく、また、その結果、燃費も悪化してしまうという問題が発生する。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、各スイッチ素子の温度差を抑制する制御を行うことで、各スイッチ素子の配置の自由度を高めて小型化・軽量化を図りながら、効率的な駆動を可能にする、スイッチング装置を提供することを目的とする。
この発明は、複数のスイッチ素子を有するスイッチング部と、前記スイッチング部の各前記スイッチ素子をオン/オフ制御する制御部と、各前記スイッチ素子に対して設けられ、各前記スイッチ素子を冷却する冷却部と、各前記スイッチ素子のうちの少なくとも1つのスイッチ素子の温度を検出して、温度情報を前記制御部に送信するスイッチ素子温度検出部とを備え、前記制御部は、前記スイッチ素子温度検出部により検出された前記スイッチ素子の温度が閾値以上であった場合に、各前記スイッチ素子をオフにするように構成され、各前記スイッチ素子は配線インダクタンスが互いに異なるように配置され、各前記スイッチ素子の損失はスイッチング損失とDC損失とを含み、各前記スイッチ素子のうち、少なくとも1つのスイッチ素子は、他のスイッチ素子よりも前記DC損失が小さいスイッチ素子から構成されており、各前記スイッチ素子のうち、前記配線インダクタンスが他のスイッチ素子よりも大きいスイッチ素子のうちの少なくとも1つ、または、前記冷却部のうちの他の部分よりも冷却性能が低い部分に配置されるスイッチ素子のうちの少なくとも1つを、他のスイッチ素子よりも前記DC損失が小さいスイッチ素子から構成する、スイッチング装置である。
この発明に係るスイッチング装置によれば、DC損失が異なるスイッチ素子を用いることで、各スイッチ素子の温度差を抑制する制御を行うことができるので、各スイッチ素子の配置の自由度を高めて小型化・軽量化を図りながら、効率的な駆動を可能にすることができる。
以下、この発明に係るスイッチング装置の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して示している。
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1に係るスイッチング装置の一例を説明する図である。図2に示すように、本実施の形態1におけるスイッチング装置は、制御部1と、スイッチング部2と、冷却部3と、スイッチ素子温度検出部4と、スイッチングスピード制御部5とから構成されている。
図2は、この発明の実施の形態1に係るスイッチング装置の一例を説明する図である。図2に示すように、本実施の形態1におけるスイッチング装置は、制御部1と、スイッチング部2と、冷却部3と、スイッチ素子温度検出部4と、スイッチングスピード制御部5とから構成されている。
図3は、この発明の実施の形態1に係るスイッチング装置のスイッチ素子と冷却部の位置関係を示す図である。図3において、(a)は冷却部3を上から見た上面図、(b)は冷却部3を正面から見た正面図を示し、(a)の矢印Aは、冷却部3へ流れる冷媒の方向を示している。
図2に示すように、スイッチング部2は、スイッチ素子21,22,23により構成される。図3に示すように、スイッチ素子21,22,23は、同一の冷却部3上に配置されている。スイッチ素子21は冷却部3の左側に配置され、スイッチ素子22は冷却部3の中央に配置され、スイッチ素子23は冷却部3の右側に配置されている。冷却部3の下面には、図3の(b)に示されるように、複数のフィンが設けられている。スイッチ素子21,22,23で発生した熱は、熱伝導により、冷却部3のフィンまで伝導され、冷却部3の冷媒がそれらのフィンの間を流れることで、スイッチ素子21,22,23が冷却される。
なお、図3(a)の矢印Aで示されるように、冷却部3への冷媒は、正面手前から奥に向かって流れ、スイッチ素子21,22,23は互いに同時に冷却される。このように、冷却部3の正面手前から冷媒が冷却部3内に流入されるため、冷却部3の正面手前部分を、以下では、冷媒流入口と呼ぶ。
図2に示すように、制御部1は、スイッチングスピード制御部5を介して、スイッチング部2に接続されている。制御部1は、スイッチ素子21,22,23のオン/オフ制御を行う。
スイッチングスピード制御部5は、制御部1とスイッチング部2との間に接続されている。スイッチングスピード制御部5は、第1のスイッチングスピード制御部51、第2のスイッチングスピード制御部52、および、第3のスイッチングスピード制御部53により構成される。第1のスイッチングスピード制御部51は、制御部1からのオン/オフ制御指令に従い、スイッチ素子21のスイッチングスピードを制御する。第2のスイッチングスピード制御部52は、制御部1からのオン/オフ制御指令に従い、スイッチ素子22のスイッチングスピードを制御する。第3のスイッチングスピード制御部53は、制御部1からのオン/オフ制御指令に従い、スイッチ素子23のスイッチングスピードを制御する。
スイッチ素子温度検出部4は、スイッチ素子22に対して設けられている。スイッチ素子温度検出部4は、スイッチ素子22の温度を検出し、制御部1へスイッチ素子22の温度情報を送信する。
このような構成において、次のような状態(1)〜(6)を前提としている。
(1)スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスの大きさは、スイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23となるように設定されている。
(2)スイッチングスピードの速さは、スイッチ素子21<スイッチ素子22<スイッチ素子23となるように設定されている。
(3)スイッチ素子21,22,23の素子特性は異なる。素子特性とは、例えば、スイッチング特性、ON特性、DC損失などが挙げられる。素子特性に関し、詳細は後述する。
(4)スイッチ素子21,22,23の通電電流および印加電圧は同一である。すなわち、スイッチ素子21,22,23の電力は同一である。
(5)スイッチ素子21,22,23に対する冷却部3の冷却性能は同一である。
(6)スイッチ素子22の温度がOT以上の場合、制御部1は、スイッチ素子21,22,23の通電を遮断する。すなわち、OTは、スイッチ素子21,22,23の通電を遮断するか否かを判定するための閾値である。
(1)スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスの大きさは、スイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23となるように設定されている。
(2)スイッチングスピードの速さは、スイッチ素子21<スイッチ素子22<スイッチ素子23となるように設定されている。
(3)スイッチ素子21,22,23の素子特性は異なる。素子特性とは、例えば、スイッチング特性、ON特性、DC損失などが挙げられる。素子特性に関し、詳細は後述する。
(4)スイッチ素子21,22,23の通電電流および印加電圧は同一である。すなわち、スイッチ素子21,22,23の電力は同一である。
(5)スイッチ素子21,22,23に対する冷却部3の冷却性能は同一である。
(6)スイッチ素子22の温度がOT以上の場合、制御部1は、スイッチ素子21,22,23の通電を遮断する。すなわち、OTは、スイッチ素子21,22,23の通電を遮断するか否かを判定するための閾値である。
冷却性能は、冷却部3の冷媒流入口とスイッチ素子21,22,23との間の熱抵抗で表すことができ、熱抵抗が大きい場合に冷却性能が低く、熱抵抗が小さい場合に冷却性能が高いことを示す。また、スイッチ素子21,22,23の損失に熱抵抗を乗算することで、スイッチ素子21,22,23の温度上昇量を算出することができる。尚、熱抵抗は、冷媒の冷却流量および冷媒温度により異なり、冷却部3を構成する冷却器の形状が同一の場合、冷媒の冷却流量が多く、冷媒温度が低ければ、熱抵抗は小さい。
まず、スイッチ素子21,22,23の損失について説明する。スイッチ素子21,22,23の損失には、スイッチングによるスイッチング損失と通電によるDC損失とが含まれる。
スイッチング装置のスイッチ素子21,22,23には、一般的に、トランジスタ、MOS−FET、IGBTなどの半導体スイッチが用いられる。例えばIGBTのスイッチングスピードを決める要素としてはゲートへの電荷のチャージ量を制御するゲート抵抗およびゲートの印加電圧、スイッチ素子の素子特性の一部であるスイッチング特性がある。これらの特性で決定されるスイッチングスピードに、通電電流、印加電圧、スイッチング周波数を乗算すると、スイッチング損失が算出できる。
DC損失は、スイッチ素子の素子特性の一部であるON抵抗により決定され、ON抵抗に通電電流を乗算すると、DC損失が算出できる。
また、スイッチング損失にDC損失を加算すると、スイッチ素子のトータルの損失を算出することができる。
通電電流、印加電圧、スイッチング周波数は、スイッチング装置の動作モードにより決定されるため、スイッチ素子のトータルの損失を調整できる他の要素としては、スイッチング損失ではスイッチングスピード、DC損失ではスイッチ素子のON抵抗となる。スイッチング損失は、スイッチ素子のスイッチングスピードが速ければ小さく、遅ければ大きい。DC損失は、スイッチ素子のON抵抗が大きければ大きく、ON抵抗が小さければ小さい。
ここでは、前提条件で、スイッチングスピードの速さはスイッチ素子21<スイッチ素子22<スイッチ素子23と設定されているため、スイッチングスピードによるスイッチング損失は、スイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23となる。
また、スイッチ素子21,22,23に対する冷却部3の冷却性能は同一である。
ここで、スイッチ素子21,22,23の発熱を同じにするためには、冷却性能が「高」の位置には、損失が「大」のスイッチ素子を配置し、冷却性能が「中」の位置には、損失が「中」のスイッチ素子を配置し、冷却性能が「低」の位置には、損失が「低」のスイッチ素子を配置すればよい。
そして、上述したように、トータルの損失はスイッチング損失とDC損失と加算したものであり、スイッチング損失を決定するスイッチングスピードは、スイッチ素子の配線インダクタンスで決まる。そこで、各スイッチ素子間のスイッチング損失の差を補償するようにDC損失を制御すれば、トータルの損失が同一になるように制御することができる。
すなわち、ここでは、スイッチング損失が、スイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23であるため、DC損失を、スイッチ素子21<スイッチ素子22<スイッチ素子23となるように制御すれば、各スイッチ素子21,22,23のトータルの損失が同一となる。そのため、スイッチ素子21,22,23の冷却性能が同一ならば、結果的に、スイッチ素子21,22,23の温度も同一となる。
従って、スイッチ素子温度検出部4が検出するスイッチ素子22の検出温度は、スイッチ素子22の検出温度=スイッチ素子21の温度=スイッチ素子23の温度となる。
上述した実施の形態1の各スイッチ素子21,22,23の特性を図4にまとめる。
このように、各スイッチ素子21,22,23のスイッチングスピードが異なり、かつ、冷却性能が同一の場合でも、スイッチ素子21,22,23の素子特性の1つであるDC損失を制御することで、配置された全てのスイッチ素子21,22,23の温度を同一とすることができる。そのため、スイッチ素子22がOTの時点で、各スイッチ素子21,22,23の温度はすべて同じであり、従って、スイッチ素子21,23もOTに到達している。そのため、この時点で、スイッチング装置全体を停止すれば、従来のように、スイッチ素子21,23に温度余裕があるにも関わらず、装置全体を停止させてしまうようなことはない。その結果、効率的に各スイッチ素子21,22,23を使用することができ、スイッチング装置を効率的に駆動することができる。
なお、上述した例では、説明を簡単にするため、スイッチ素子21,22,23の温度が同一としたが、効率が許容できる範囲であれば、スイッチ素子21,22,23間に、10℃程度の若干の温度差があっても構わない。
例えば、スイッチ素子21がOT時の場合を説明する。
説明を簡単にするため、スイッチ素子21の温度=スイッチ素子23の温度>スイッチ素子22とし、スイッチ素子21とスイッチ素子22に注目して説明する。
スイッチ素子21がOTとなる時点のスイッチ素子22の温度、すなわち、スイッチング装置が停止する温度をOTSとすれば、温度OTSは下記の(式1)にて設定すればよい。
OTS=OT−(|スイッチ素子21の温度−スイッチ素子22の温度|+誤差)
(式1)
(式1)
すなわち、温度OTSは、OTからスイッチ素子21とスイッチ素子22との温度差を引いた値に、誤差を加算した値である。
この誤差は、スイッチ素子21とスイッチ素子22との温度差を測定器またはシミュレーションモデルにより求めたときの精度に起因する。
一般的には、スイッチ素子21の温度は、実測していないため、スイッチ素子温度検出部4により実測されたスイッチ素子22の温度に基づいてシミュレーションモデルにて推測して求められる。
例えば、OT=150℃とし、シミュレーションモデルにより求めたスイッチ素子21の温度とスイッチ素子22の温度との温度差を+5℃とし、シミュレーションモデルによるスイッチ素子21の推定誤差を+5℃としたとき、スイッチング装置が停止するスイッチ素子22の温度OTSは、例えば下記の(式2)となる。
OTS=150℃−(|+5℃|+5℃)
=140℃ (式2)
=140℃ (式2)
従って、スイッチ素子22が140℃の時に装置が停止する。すなわち、この例においては、スイッチ素子21,22,23の通電を遮断するか否かを判定する閾値は、OTSとなる。
例えば、動作モードの最大スイッチ素子温度が140℃以下ならば、スイッチ素子21とスイッチ素子22との温度差+誤差が10℃までならば、スイッチング装置を動作する上で許容できることになる。
なお、上述では、スイッチ素子温度検出部4がスイッチ素子22の温度を実測して、当該温度に基づいてスイッチ素子21の温度を推定しているが、スイッチ素子21及びスイッチ素子23にもスイッチ素子温度検出部4と同様の温度検出部(図示せず)を接続し、スイッチ素子21及びスイッチ素子23の温度を直接検出しても構わない。また、その場合には、シミュレーションによる推定誤差を考慮する必要がなくなる。
また、シミュレーションは、一般的に、スイッチ素子の素子特性(ON抵抗、スイッチング特性)、および、スイッチング装置の動作モードからスイッチ素子の熱計算を行う。 具体的には、動作モードから、通電電流、印加電圧、スイッチング周波数、冷却部3の冷却性能(熱抵抗)を求める。
また、通電電流、印加電圧、スイッチング特性からスイッチングスピードを求め、スイッチング周波数及びスイッチングスピードからスイッチ素子のスイッチング損失を求め、通電電流とON抵抗とからDC損失を算出して、トータルの損失を算出する。
さらに、トータルの損失と熱抵抗とから、スイッチ素子の温度を計算する。
スイッチ素子21,22,23の温度を直接検出すれば、上記のシミュレーションを行う必要がなくなる。
また、通電電流、印加電圧、スイッチング特性からスイッチングスピードを求め、スイッチング周波数及びスイッチングスピードからスイッチ素子のスイッチング損失を求め、通電電流とON抵抗とからDC損失を算出して、トータルの損失を算出する。
さらに、トータルの損失と熱抵抗とから、スイッチ素子の温度を計算する。
スイッチ素子21,22,23の温度を直接検出すれば、上記のシミュレーションを行う必要がなくなる。
以上のように、本実施の形態1に係るスイッチング装置によれば、各スイッチ素子の温度が同一となるように、各スイッチ素子のトータルの損失が同一となるように制御するようにした。具体的には、配線インダクタンスが他のスイッチ素子よりも大きいスイッチ素子を、DC損失が小さいスイッチ素子から構成するようにした。これにより、各スイッチ素子間のスイッチング損失の差を、DC損失を制御することで補償できるので、各スイッチ素子間のトータルの損失が同一となり、各スイッチ素子の損失による温度差を抑制することができる。そのため、冷却部3上に、自由に、スイッチ素子21,22,23を配置させることができる。このように、冷却部3上へ自由にスイッチ素子21,22,23を配置させることができるため、各スイッチ素子21,22,23の配線も自由となる。このように、実施の形態1では、各スイッチ素子の配置および配線の自由度を高めることができるため、各スイッチ素子の配置または配線によってスイッチング装置が大型化・重量化することはなく、スイッチング装置の小型化・軽量化が図れる。また、各スイッチ素子の温度が同一となるように制御できるため、各スイッチ素子が同時にOTに到達するため、温度余裕のあるスイッチ素子があるにも関わらず装置全体を停止させることがなく、スイッチング装置を効率的に駆動させることができる。
なお、上記の説明においては、すべてのスイッチ素子21,22,23の温度がほぼ同じになるように制御すると説明した。しかしながら、スイッチ素子22がOTに到達したときに、少なくとも他の1つのスイッチ素子21または23だけが同時にOTに達しているようにしてもよい。その理由としては、従来装置においては、1つのスイッチ素子だけがOTに達した時点で、すべてのスイッチ素子を停止させていたため、そのような従来装置に比べると、少なくとも他の1つのスイッチ素子21または23のDC損失を制御したとしても、その分だけ、効率化が図れる。従って、本実施の形態においては、各スイッチ素子21,22,23のうち、少なくとも1つのスイッチ素子を、他のスイッチ素子よりもDC損失が小さいスイッチ素子から構成するようにすればよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1の説明においては、各スイッチ素子の冷却性能が同一の場合を説明したが、実施の形態2においては、冷却性能が同一でない場合について説明する。以下、この発明の実施の形態2に係るスイッチング装置について、図5〜図8を用いて具体的に説明する。
上記の実施の形態1の説明においては、各スイッチ素子の冷却性能が同一の場合を説明したが、実施の形態2においては、冷却性能が同一でない場合について説明する。以下、この発明の実施の形態2に係るスイッチング装置について、図5〜図8を用いて具体的に説明する。
図5は、冷却性能が同一でない場合の冷却部3の様子の一例を示している。図5は、ダクト6を冷却部3の冷媒流入口に取り付けた場合の正面図である。図5に示すように、冷却部3の冷媒流入口に対して、開口に偏りのあるダクト6が取り付けられている。
図5において、(a)は、ダクト6の正面の形状を示している。図5の(a)において、6Aはダクト6の外形を示し、6Bはダクト6の開口部を示す。ダクト6の開口部6Bは、中央部が最も大きく、中央部から端部に向かって徐々に小さくなるように、形成されている。冷媒は、ダクト6の開口部6Bを通って冷却部3の冷媒流入口に導入される。なお、開口部6Bの形状については図5の例に限定されず、中央部が最も大きく、端部が中央部より小さくなるように形成されていれば、いずれの形状でもよい。また、開口部6Bは、連続した1つの貫通穴でなくてもよく、各スイッチ素子21,22,23の位置に合わせて配置された3つの貫通穴から構成されていてもよい。
また、図5の(b)は、冷却部3の冷却性能を示すグラフである。ダクト6の開口の幅と冷却部3の幅とを同一とした場合、横軸は冷却部3の幅方向における左右の位置を示し、縦軸は冷却部3の冷却性能を示す。
一般的に、冷媒がよく通る場所の冷却性能は高く、冷媒の通りが悪い場所の冷却性能は低い。ダクト6は冷却部3の正面に取り付けられている。ダクト6の開口部6Bの中央部は、開口が広く、冷媒の通りがよい。しかしながら、ダクト6の開口部6Bの左右の端部は、開口が狭く、冷媒の通りが悪い。従って、図5の(b)のグラフに示されるように、冷却部3の中央部に比べて、冷却部3の左右の端部は冷却性能が低い。
つまり、上述の実施の形態1に対し、実施の形態2においては、冷却部3の冷却性能が同一ではない点が異なっている。他の構成については、基本的に実施の形態1と同じである。そこで、相違点である冷却性能を中心に、以下に説明する。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、図3に示すように、スイッチ素子21,22,23は、同一の冷却部3上に配置されている。スイッチ素子21は冷却部3の左側に配置され、スイッチ素子22は冷却部3の中央に配置され、スイッチ素子23は冷却部3の右側に配置されている。スイッチ素子21,22,23は、冷却部3により冷却される。
上述の実施の形態1では、スイッチ素子21,22,23の冷却性能は同一であったが、実施の形態2においては、図5に示すダクト6を設けたことにより、冷却部3の冷却性能が、スイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22となる。一方で、スイッチングスピードによるスイッチング損失は、実施の形態1と同じく、スイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23である。
従って、発熱を同じにするためには、冷却性能が「高」の中央位置に配置されているスイッチ素子22の損失を「大」に、冷却性能が「低」の左右位置に配置されているスイッチ素子21,23の損失を「低」になるように、制御すればよい。
そして、上述したように、トータルの損失はスイッチング損失とDC損失と加算したものであり、スイッチング損失を決定するスイッチングスピードはスイッチ素子の配線インダクタンスで決まるため、DC損失を制御すればトータルの損失を制御することができる。
すなわち、スイッチング損失がスイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23であるため、DC損失をスイッチ素子21<スイッチ素子23<スイッチ素子22と制御すれば、各スイッチ素子のトータル損失はスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22となる。スイッチ素子21,22,23の冷却性能は、スイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22であるから、スイッチ素子21,22,23の温度が同一となる。
従って、上述の実施の形態1と同様となる。
以上説明した実施の形態2の各スイッチ素子の特性を図6にまとめる。以下では、図6に示す例を例1と呼ぶ。
このように冷却性能が同一でない場合も、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、各スイッチ素子の温度が同一になるように制御することができる。すなわち、各スイッチ素子間のスイッチング損失の差を補償して、各スイッチ素子においてトータルの損失が冷却部3の冷却性能に応じた値になるように、DC損失を制御すれば、冷却部3の冷却性能の状態に影響されることなく、各スイッチ素子21,22,23の温度を同じにすることができる。冷却部3の冷却性能の状態に影響されることがないため、冷却性能分布が異なる冷却部3上に自由にスイッチ素子を配置させることができる。
このように、冷却部3上へ自由にスイッチ素子を配置させることができるため、各スイッチ素子の配線インダクタンスも自由となる。
冷却性能が同一でない場合の実施の形態2の他の例について説明する。当該他の例を、以下では、例2と呼ぶ。
上述の実施の形態2の例1では、スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスが異なっているが、実施の形態2の例2では、スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスが同一である点が異なっている。そこで、相違点である配線インダクタンスを中心に、以下に説明する。
上述の実施の形態2の例1では、スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスがスイッチ素子21>スイッチ素子22>スイッチ素子23であったが、実施の形態2の例2では、配線インダクタンスが同一の場合を考える。実施の形態2の例2では、配線インダクタンスが同一のため、スイッチングスピードも同一にすることができ、スイッチング損失も同一となる。
このとき、各スイッチ素子21,22,23の発熱を同じにするためには、冷却性能が「高」の中央位置に配置されているスイッチ素子22の損失を「大」に、冷却性能が「低」の左右位置に配置されているスイッチ素子21,23の損失を「低」に制御すればよい。
従って、スイッチング損失が同一であるため、DC損失をスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22と制御すれば、各スイッチ素子のトータル損失はスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22となり、スイッチ素子21,22,23の冷却性能がスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22であるから、スイッチ素子21,22,23の温度が同一となる。
従って、上述の実施の形態1と同様となる。
以上説明した実施の形態2の例2の各スイッチ素子の特性を図7にまとめる。
このように、例2のように、冷却性能が同一でなく、一方、配線インダクタンスが同一である場合も、実施の形態2によれば、実施の形態1および上記の例1と同様に、各スイッチ素子の温度が同一になるように制御することができる。すなわち、各スイッチ素子におけるトータルの損失が冷却部3の冷却性能に応じた値になるように、各スイッチ素子のDC損失を制御すれば、冷却部3の冷却性能の状態に影響されることなく、各スイッチ素子21,22,23の温度を同じにすることができる。冷却部3の冷却性能の状態に影響されることがないため、冷却性能分布が異なる冷却部3上に自由にスイッチ素子を配置させることができる。
なお、上述の実施の形態2の例1に対し、実施の形態2の例2では、図7に示すように、トータルの損失が全体的に小さくなるように、スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスが最小となるように配置させた。この場合には、配線インダクタンスが最小のため、スイッチ素子21,22,23のスイッチングスピードを速くすることができるため、トータルの損失が小さくすることが可能である。トータルの損失が小さくなるため、冷却部3の冷却性能を低くすることができ、図7に示すように、スイッチ素子21,23の冷却性能を「低」、スイッチ素子22の冷却性能を「中」としても、スイッチ素子21,22,23の温度を同じとすることができる。このように、冷却部3の冷却性能を低減することができるため、例えば冷却部3を小型化・軽量化することも可能である。
上述の実施の形態2の例2では、スイッチ素子21,22,23の配線インダクタンスとスイッチング損失とが同一であったが、同一の素子特性を持つスイッチ素子を使用した場合、各スイッチ素子21,22,23のDC損失が同一となる。この場合には、スイッチング損失を制御すればよい。
同一の素子特性を持つスイッチ素子を使用した場合の実施の形態2の他の例について説明する。当該他の例を、以下では、例3と呼ぶ。
上述の実施の形態2の例2では、スイッチ素子21,22,23のDC損失が異なっているが、実施の形態2の例3では、スイッチ素子21,22,23のDC損失が同一である点が異なっている。そこで、相違点であるDC損失を中心に、以下に説明する。
上述の実施の形態2の例2では、スイッチ素子21、22、23のDC損失がスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22であったが、例3では、DC損失が同一の場合を考える。
このとき、スイッチ素子21,22,23の発熱を同じにするためには、冷却性能が「高」の中央位置に配置されているスイッチ素子22の損失を「大」に、冷却性能が「低」の左右位置に配置されているスイッチ素子21,23の損失を「低」になるように制御すればよい。
従って、DC損失が同一のため、スイッチングスピードがスイッチ素子21=スイッチ素子23>スイッチ素子22となるようにスイッチングスピード制御部5が制御すれば、スイッチング損失はスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22となり、各スイッチ素子のトータルの損失はスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22となる。スイッチ素子21,22,23の冷却性能がスイッチ素子21=スイッチ素子23<スイッチ素子22であるから、スイッチ素子21,22,23の温度が同一となる。
従って、上述の実施の形態1と同様となる。
また、このとき、スイッチングスピードをスイッチ素子21=スイッチ素子23>スイッチ素子22と制御するため、スイッチングスピードに応じサージ電圧もスイッチ素子21=スイッチ素子23>スイッチ素子22となる。
以上説明した実施の形態2の例3の各スイッチ素子の特性を図8にまとめる。
このように冷却性能が同一でなく、一方で、DC損失が同一である場合にも、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、各スイッチ素子の温度が同一になるように制御することができる。すなわち、各スイッチ素子におけるトータルの損失が冷却部3の冷却性能に応じた値になるように、各スイッチ素子のスイッチング損失を制御すれば、冷却部3の冷却性能の状態に影響されることなく、各スイッチ素子21,22,23の温度を同じにすることができる。冷却部3の冷却性能の状態に影響されることがないため、冷却性能分布が異なる冷却部3上に自由にスイッチ素子を配置させることができる。
以上のように、実施の形態2においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。実施の形態2においては、例1〜3で示したように、冷却性能が同一でない場合においても、各スイッチ素子21,22,23の温度が同一になるように制御することができる。そのため、実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、各スイッチ素子および配線の自由度を高めることができ、各スイッチ素子または配線によってスイッチング装置が大型化・重量化することはなく、スイッチング装置の小型化・軽量化が図れる。また、各スイッチ素子の発熱が同一となるように制御できるため、各スイッチ素子が同時にOTに到達するため、温度余裕のあるスイッチ素子があるにも関わらず装置全体を停止させることがなく、スイッチング装置を効率的に駆動させることができる。
なお、上述した実施の形態1,2では、スイッチ素子21,22,23を、それぞれ、互いに独立して配置したスイッチ素子としたが、その場合に限らず、インバータ、変圧器の回路構成などのように、スイッチ素子21,22,23が直列体の場合または直列体が複数並列に接続された場合においても、各スイッチ素子を独立に選定および制御できれば、この発明の実施の形態1,2に係るスイッチング素子を適用することができる。つまり、従来のスイッチングスピード制御回路を用いたインバータ回路に別の回路を追加することなしに、制御を行うことができることを表している。
以上、この発明は、その発明の範囲内において、実施の形態1および実施の形態2に説明した内容を自由に組み合わせたり、あるいは各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 制御部、2 スイッチング部、3 冷却部、4 スイッチ素子温度検出部、5 スイッチングスピード制御部、6 ダクト、21 第1のスイッチ素子、22 第2のスイッチ素子、23 第3のスイッチ素子、51 第1のスイッチングスピード制御部、52 第2のスイッチングスピード制御部、53 第3のスイッチングスピード制御部。
Claims (4)
- 複数のスイッチ素子を有するスイッチング部と、
前記スイッチング部の各前記スイッチ素子をオン/オフ制御する制御部と、
各前記スイッチ素子に対して設けられ、各前記スイッチ素子を冷却する冷却部と、
各前記スイッチ素子のうちの少なくとも1つのスイッチ素子の温度を検出して、温度情報を前記制御部に送信するスイッチ素子温度検出部と
を備え、
前記制御部は、前記スイッチ素子温度検出部により検出された前記スイッチ素子の温度が閾値以上であった場合に、各前記スイッチ素子をオフにするように構成され、
各前記スイッチ素子は配線インダクタンスが互いに異なるように配置され、
各前記スイッチ素子の損失はスイッチング損失とDC損失とを含み、
各前記スイッチ素子のうち、少なくとも1つのスイッチ素子は、他のスイッチ素子よりも前記DC損失が小さいスイッチ素子から構成されており、
各前記スイッチ素子のうち、前記配線インダクタンスが他のスイッチ素子よりも大きいスイッチ素子のうちの少なくとも1つ、または、前記冷却部のうちの他の部分よりも冷却性能が低い部分に配置されるスイッチ素子のうちの少なくとも1つを、他のスイッチ素子よりも前記DC損失が小さいスイッチ素子から構成する、
スイッチング装置。 - 複数のスイッチ素子を有するスイッチング部と、
前記スイッチング部の各前記スイッチ素子をオン/オフ制御する制御部と、
各前記スイッチ素子に対して設けられ、各前記スイッチ素子を冷却する冷却部と、
各前記スイッチ素子のうちの少なくとも1つのスイッチ素子の温度を検出して、温度情報を前記制御部に送信するスイッチ素子温度検出部と
を備え、
前記制御部は、前記スイッチ素子温度検出部により検出された前記スイッチ素子の温度が閾値以上であった場合に、各前記スイッチ素子をオフにするように構成され、
各前記スイッチ素子は配線インダクタンスが同一になるように配置され、
各前記スイッチ素子のうち、前記冷却部のうちの他の部分よりも冷却性能が低い部分に配置されるスイッチ素子のうちの少なくとも1つは、前記冷却部の前記他の部分に配置されるスイッチ素子よりも損失が小さいスイッチ素子から構成されている、
ことを特徴としたスイッチング装置。 - 前記スイッチ素子の前記損失は、DC損失とスイッチング損失とを含み、
各前記スイッチ素子のうち、前記冷却部のうちの前記他の部分よりも冷却性能が低い部分に配置されるスイッチ素子のうちの少なくとも1つは、前記冷却部の前記他の部分に配置されるスイッチ素子よりも前記DC損失が小さいスイッチ素子から構成されている、
請求項2に記載のスイッチング装置。 - 前記制御部と前記スイッチング部の各前記スイッチ素子との間に接続され、前記制御部のオン/オフ指令に応じて、各前記スイッチ素子のオン/オフのスイッチング速度を制御するスイッチング速度制御部
をさらに備え、
前記スイッチ素子の前記損失は、DC損失とスイッチング損失とを含み、
各前記スイッチ素子のうち、前記冷却部のうちの前記他の部分よりも冷却性能が低い部分に配置されるスイッチ素子のうちの少なくとも1つは、前記冷却部の前記他の部分に配置されるスイッチ素子よりも前記スイッチング損失が小さくなるように、前記スイッチング速度制御部により前記スイッチング速度が制御される、
請求項2に記載のスイッチング装置。
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