JP6537441B2 - 紙製容器および紙製容器の胴部ピースの製造方法 - Google Patents
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Description
上記底部ピースも同様の積層構造を有しており、この底部ピースの周縁部と上記胴部ピースの下端開口縁部をヒートシールすることにより、紙製容器が得られる。
上記胴部ピースの上端周縁部は、外側に巻き込むように成形されたカール部を有している。上記蓋材の周縁部が上記カール部にヒートシールされる。
特許文献1の図4は、エンボス加工された胴部ピース用積層シートを開示している。この積層シートは、一方の面に多数の凹部を有するエンボス模様が形成され、他方の面が平滑になっている。
特許文献1において、エンボス加工される側にPE等の樹脂層を配した積層シートを用いると、上記エンボス模様の凹部に対応する箇所で樹脂層が熱により薄くなってしまい、エンボス加工を良好に行えない。
上記構成によれば、エンボス模様の凹部が胴部ブランクの厚さに比べて浅く、この凹部の深さを紙層の圧縮だけで得ることができるので、第1樹脂層を均一厚さにすることができ、良好なヒートシールを確保できる。その結果、紙製容器の漏洩リスクを高めることなく、エンボス模様による外観の差別化を図ることができる。
この構成によれば、第2樹脂層により提供される胴部ブランクの内周面が均一厚さを有するとともに平滑であるため、より良好なヒートシールを得ることができる。
さらに好ましくは、上記胴部ブランクの積層構造がさらに、上記紙層と上記第1樹脂層との間に透明樹脂層を有し、この透明樹脂層の内側に金属蒸着層が配され、この透明樹脂層の外側に上記印刷層が配されている。この構成によれば、紙製容器が照明を受けた時に、エンボス模様の凹部が陰影を与え、エンボス模様の凹部と凸部との間で大きな輝度差を生むので、凹部が浅くても人目を引くエンボス模様とすることができる。
a.紙層の一方側に第1樹脂層が配され、上記第1樹脂層の表面が第1面として提供される長尺の積層シートを得る積層シート製造工程と、
b.周面に多数の凸部が形成されたエンボスロールと、周面が平滑な円筒面をなす平滑ロールとを用意し、上記積層シートの第1面を上記エンボスロールに向け、上記積層シートにおける上記第1面とは反対側の第2面を上記平滑ロールに向けた状態で、上記積層シートを上記エンボスロールと上記平滑ロールの間に通して冷間でエンボス加工することにより、上記第2面を平滑に維持したまま、上記エンボスロールの上記凸部により上記紙層を圧縮して、上記第1面に、多数の凹部が分散配置されたエンボス模様を形成し、上記凹部の深さを上記積層シートの厚さの1〜10%とするエンボス加工工程と、
c.上記積層シートから扇形の胴部ブランクを打ち抜く打抜工程と、
d.上記胴部ブランクを、上記第1面を外側にし上記第2面を内側にして丸め、その両端部を重ねてヒートシールすることにより、胴部ピースを得る胴部ピース製造工程と、
を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、第2樹脂層の第2面が平滑に維持されるため、ヒートシールをより一層良好に行うことができる。
より好ましくは、上記積層シートは、上記紙層と上記第1樹脂層との間に配された透明樹脂層と、この透明樹脂層の上記紙層側の面に形成された金属蒸着層とをさらに備え、上記透明樹脂層の上記紙層とは反対側に上記印刷層が配されている。この構成によれば、エンボス模様の凹部が浅くても、輝度差によってエンボス模様を際立たせることができる。
これによれば、加飾性を高めることができる。
まず、最終形状の紙製容器1について図1を参照しながら簡単に説明する。紙製容器1は、紙製の胴部ピース2と紙製の底部ピース3を有している。
上記胴部ピース2は下端から上端に向かって径が漸増する形状をなしている。上記底部ピース3は円形をなし、胴部ピース2の下端開口を塞いでいる。紙製容器1に内容物を充填した後、胴部ピース2の上端開口が蓋材5で密封される。
図2(A)の積層構造を有する長尺な積層シート10を用意する。この積層シート10は、紙層11と、この紙層11の一方側(図2において上側)に順に積層された接着層12、透明樹脂層13および第1樹脂層14と、この紙層11の他方側(図2において下側)に積層された第2樹脂層15とを有している。これら層11〜15は均一な厚さを有している。上記樹脂層14,15は透明である。
上記第1樹脂層14の表側の面は、積層シート10の第1面10aとして提供される。上記第2樹脂層15の表側の面は、積層シート10の第2面10bとして提供される。
第1の工程: 一方の面にアルミ(金属)を蒸着したPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる長尺なフィルムと長尺な紙シートとの間に溶融した接着樹脂(PE)を押し出しながら、これらフィルムと紙シートを貼り合わせることにより中間シートを得る。この説明から明らかなように、中間シートは、上記紙シートに由来する紙層11と、上記金属蒸着したPETフィルムに由来する透明樹脂層13および金属蒸着層16と、上記接着樹脂に由来する接着層12とを有している。
第3の工程: 上記グラビア印刷された中間シートの両面にPEを押し出してラミネートすることにより、第1、第2の樹脂層14,15を得る。
エンボスロール21は、周面全域にわたって多数の凸部を含むエンボス模様が刻まれている。このエンボス模様については、その転写により形成される積層シート10のエンボス模様(後述する)と重複するので、その詳細な説明を省略する。平滑ロール22の周面は平滑な円筒面からなる。平滑ロールの表面はゴムなどの弾性部材からなる。
また、上記エンボス加工による多数の凹部10xからなるエンボス模様は、全域にわたって均一であり、印刷層17によって表示される模様とは全く無関係である。したがって、印刷模様が変更されても、エンボスローラ21を交換せずに済み、製造コストを低減できる。
上記胴部ブランク4を、エンボス模様を有する第1面10aを外側にし、平滑な第2面10bを内側にして丸め、上記第1樹脂層14と第2樹脂層15を左右端部の接着代4aにおいて重ねた状態でヒートシール(熱溶着)することにより、筒形状の胴部ピース2が得られる。
この装置は、黒色の台101と、この台101を覆うとともに内面が反射面となっている半球殻形状のドーム102と、このドーム102の周縁に配置された環状のLED103と、ドーム102の中央の穴102aに配置されたCCDカメラ104とを備えている。
上記台101の中央に測定対象100(積層シート10の試料片)を固定し、ドーム102内の照度を1100LUXにし、CCDカメラ104により測定対象100の真上から760mm離して撮影した。
測定対象100の輝度差は下記の通りであった。
エンボス無し・・・ 0.1cd/m2
パターン1 ・・・19.73cd/m2
パターン2 ・・・14.03cd/m2
パターン3 ・・・31.45cd/m2
パターン4 ・・・11.23cd/m2
パターン5 ・・・12.71cd/m2
パターン6 ・・・ 4.56cd/m2
なお、上記輝度差は、印刷層17が黒色等の濃色をなす部位より、印刷層17が薄黄色等の薄色をなすか印刷層が形成されていない部位の方が大きい。
2 胴部ピース
3 底部ピース
4 胴部ブランク
10,10’ 積層シート
10a 第1面
10b 第2面
10x 凹部
11 紙層
12 接着層
13 透明樹脂層
14 第1樹脂層
15 第2樹脂層
16 金属蒸着層
17 印刷層
21 エンボスロール
22 平滑ロール
Claims (5)
- a.紙層の一方側に第1樹脂層が配され、上記第1樹脂層の表面が第1面として提供される長尺の積層シートを得る積層シート製造工程と、
b.周面に多数の凸部が形成されたエンボスロールと、周面が平滑な円筒面をなす平滑ロールとを用意し、上記積層シートの第1面を上記エンボスロールに向け、上記積層シートにおける上記第1面とは反対側の第2面を上記平滑ロールに向けた状態で、上記積層シートを上記エンボスロールと上記平滑ロールの間に通して冷間でエンボス加工することにより、上記第2面を平滑に維持したまま、上記エンボスロールの上記凸部により上記紙層を圧縮して、上記第1面に、多数の凹部が分散配置されたエンボス模様を形成し、上記凹部の深さを上記積層シートの厚さの1〜10%とするエンボス加工工程と、
c.上記積層シートから扇形の胴部ブランクを打ち抜く打抜工程と、
d.上記胴部ブランクを、上記第1面を外側にし上記第2面を内側にして丸め、その両端部を重ねてヒートシールすることにより、胴部ピースを得る胴部ピース製造工程と、
を備えたことを特徴とする紙製容器の胴部ピースの製造方法。 - 上記積層シートはさらに、上記紙層の他方側に第2樹脂層を有し、上記第2樹脂層の表面が上記第2面として提供される請求項1に記載の紙製容器の胴部ピースの製造方法。
- 上記積層シートはさらに、上記紙層と上記第1樹脂層との間に配された印刷層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の紙製容器の胴部ピースの製造方法。
- 上記積層シートは、上記紙層と上記第1樹脂層との間に配された透明樹脂層と、この透明樹脂層の上記紙層側の面に形成された金属蒸着層とをさらに備え、上記透明樹脂層の上記紙層とは反対側に上記印刷層が配されていることを特徴とする請求項1に記載の紙製容器の胴部ピースの製造方法。
- 上記エンボス加工工程において、上記凹部の形成領域が上記エンボス模様の20〜60%を占め、上記凹部の1cm2当たりの数が、1〜400個であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙製容器の胴部ピースの製造方法。
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