JP6535213B2 - 留め具 - Google Patents

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Description

本発明は、衣服の布地などのシート状物を挟持して、名札または通行許可証などの表示物を着脱可能にシート状物に留める留め具に関する。詳細には、第1挟持部と、第2挟持部と、操作体とを備え、第2挟持部が、第1挟持部に対して、弾性力により離間した状態と、その弾性力に抗して接近した状態とに、操作体の操作により切り替えられる留め具に関する。
従来、表示物をシート状物に対して着脱可能に留める留め具として、種々の構成の留め具が提案されている。たとえば、特許文献1に記載の名札用ホルダーは、後部挟持片と、前部挟持片と、操作レバーとを備える。後部挟持片は、圧接部と、取付凹部と、枢軸片と、枢軸片の左右側面に設けられた一対の枢止孔とを備える。前部挟持片は、後部挟持片の圧接部との間で被装着部を挟持する圧接部と、U字状に湾曲した弾性付勢部を形成する後片および前片と、後片および前片にそれぞれ開設された一対の通孔とを備える。操作レバーは、その左右側部に、弾性付勢部を押圧する一対の突部と、枢止孔に係合する一対の回転軸片とを備える。前部挟持片を後部挟持片に組み付けるために、前部挟持片の一対の通孔が枢軸片に挿通されるとともに、弾性付勢部の後片が取付凹部に嵌合される。次に、操作レバーを後部挟持片に組み付けるために、一対の回転軸片が一対の枢止孔にそれぞれ挿入される。前部挟持片の圧接部が後部挟持片の圧接部から離間した状態は、弾性付勢部の弾性力により保持される。操作レバーの突部が弾性付勢部を押圧することにより、両圧接部は圧接される。
特許文献1に記載の名札用ホルダーでは、枢軸片が、取付凹部の中央部に配置され、取付凹部から前方に垂直な状態で突出する。たとえば、名札用ホルダーを胸ポケットに装着するために、後部挟持片の圧接部をポケットに差し込む場合、ポケットの上端縁が枢軸片に突き当たることから、圧接部と枢軸片との間を長くしない限り、後部挟持片の圧接部をポケットの奥まで差し入れることができない。また、前部挟持片の一対の通孔が枢軸片に挿通されることで組み付けられることから、弾性付勢部のU字状の湾曲部分は、必然的に、枢軸片から上方に突出して延びる。このため、上方に突出する湾曲部分の長さだけ、特許文献1に記載の名札用ホルダーの上下方向の全体長さが長くなる。また、湾曲部分が上方に大きく突出することにより、名札用ホルダー全体の美的外観が損なわれる。
特許文献2に記載のクリップは、座板と、可動クリップ片と、ヒンジピンと、板バネとを備える。突条が、座板の前端部上面に形成され、一対のアーム部が、座板の後端部上面から前方に屈曲して形成される。凹部が、座板の後端部上面に形成される。一対の貫通孔が、一対のアーム部の先端部にそれぞれ形成される。可動クリップ片は、座板の突条と噛み合う突条と、一対の脚部と、指が掛けられる指掛け突条と、凸部とを備える。一対の貫通孔が、両脚部にそれぞれ形成される。凹部が、可動クリップ片の前端部に形成される。可動クリップ片は、両アーム部の貫通孔と、両脚部の貫通孔とにヒンジピンを挿通することにより、座板に回動可能に組み付けられる。板バネの前端部は、可動クリップ片の前端部の凹部に係止され、板バネの後端部は、座板の後端部の凹部に係止される。板バネは、座板の突条と可動クリップ片の突条とが噛み合って圧接するように、可動クリップ片を常時付勢する。クリップを胸ポケットなどに取り付けるときに、板バネの弾性力に抗して指掛け突条を押圧操作することにより、可動クリップ片が座板に対して回動して拡開される。
特許文献2に記載のクリップでは、両アーム部が座板の後端部上面から前方に屈曲して形成され、可動クリップ片が両アーム部の先端部にヒンジピンで回動可能に取り付けられる構成であることから、胸ポケットの上端縁が両アーム部の基端部に当たるまで、クリップを胸ポケットの奥まで差し込むことができる。
特許第2617406号公報 特許第3552958号公報
特許文献1に記載の名札用ホルダーでは、弾性付勢部は、両圧接部が離間する状態になるように常時作用し、操作レバーの突部により弾性付勢部を押圧することにより、両圧接部が弾性付勢部の弾性力に抗して圧接する。一方、特許文献2に記載のクリップでは、板バネは、両突条が噛み合って圧接するように常時作用し、指掛け突条の押圧操作により、両突条が板バネの弾性力に抗して離間する。このため、特許文献1に記載の名札用ホルダーにおいて、後部挟持片の圧接部をポケットの奥まで差し入れることができるように、特許文献2に記載の両アーム部の屈曲形状を参考にしたとしても、特許文献1に記載の弾性付勢部を、特許文献2に記載の板バネに置き換えることは、弾性力の作用方向が全く逆方向であることから、困難である。また、特許文献1に記載の名札用ホルダーにおいて、弾性付勢部のU字状の湾曲部分がポケットから上方に突出しないように弾性付勢部の構成および形状を具現化することも容易ではない。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、2つの挟持部と、操作体とを備える留め具において、ポケットなどのシート状物の奥まで一方の挟持部を差し入れることができ、弾性付勢部がシート状物から上方に突出することがない留め具を提供することを目的とする。
(第1および第2の発明態様と、その具体的態様)
請求項1に記載の第1の発明態様は、所定方向に延びる支持面と、支持面に配置される第1挟持部を有する第1支持部と、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びるアーム部と、を含む支持本体と、所定方向と直交する所定軸線の回りに回動可能にアーム部の所定方向に延びる部分に支持される基端部と、基端部から延出する操作部と、基端部から突出して形成される押圧部と、を含む操作体と、第1挟持部との間でシート状物を挟持する第2挟持部が配置される第2支持部と、第1連結部分で第2支持部に連結され、押圧部により押圧される被押圧部と、第2連結部分で被押圧部に連結され、弾性変形可能な弾性付勢部と、を含む可動支持体と、弾性付勢部を支持本体に保持する保持部と、を備え、弾性付勢部が第2連結部分に向かって延びる方向は、被押圧部が第2連結部分から延びる方向と異なり、第2挟持部が第1挟持部との間でシート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、第2連結部分は、押圧部により押圧される被押圧部の押圧部分より、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置し、第2挟持部が第1挟持部から離間する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、可動支持体の第1連結部分と被押圧部と第2連結部分とは、シート状物が差し込まれる空間を形成するために、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置する構成である。
本発明態様では、第1挟持部が第1支持部に一体に形成される構成であってもよいし、第1挟持部が第1支持部に取り付けられる構成であってもよい。第2挟持部が第2支持部に一体に形成される構成であってもよいし、第2挟持部が第2支持部に取り付けられる構成であってもよい。
本発明態様では、アーム部は、第1挟持部の配置位置に向かって延びる形状であれば、1つであってもよいし、2つであってもよい。
本発明態様では、押圧部により押圧される被押圧部の面は、湾曲面であってもよいし、平坦な面であってもよい。
本発明態様では、可動支持体の第2支持部、被押圧部、および弾性付勢部が、一体に形成される構成であってもよいし、別体に形成される少なくとも一部分が他の部分に固定される構成であってもよい。
本発明態様では、第2挟持部が第1挟持部から離間する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、第2連結部分は、押圧部が被押圧部を押圧する押圧部分より、支持本体の支持面の近くに位置する構成であってもよい。
請求項2に記載の第2の発明態様は、所定方向に延びる支持面と、支持面に配置される第1挟持部を有する第1支持部と、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びるアーム部と、を含む支持本体と、所定方向と直交する所定軸線の回りに回動可能にアーム部の所定方向に延びる部分に支持される基端部と、基端部から延出する操作部と、基端部から突出して形成される押圧部と、を含む操作体と、第1挟持部との間でシート状物を挟持する第2挟持部が配置される第2支持部と、第1連結部分で第2支持部に連結され、押圧部により押圧される被押圧部と、第2連結部分で被押圧部に連結され、弾性変形可能な弾性付勢部と、を含む可動支持体と、弾性付勢部を支持本体に保持する保持部と、を備え、弾性付勢部は、支持本体の支持面に係合する係合面を有する係合部分と、係合部分から湾曲して形成され、第2連結部分で被押圧部に連結される弾性変形可能な湾曲部分と、を含み、保持部は、係合部分の係合面を支持本体の支持面に保持するとともに、湾曲部分をアーム部に保持し、第2挟持部が第1挟持部との間でシート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、第2連結部分は、押圧部により押圧される被押圧部の押圧部分より、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置し、第2挟持部が第1挟持部から離間する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、可動支持体の第1連結部分と被押圧部と第2連結部分とは、シート状物が差し込まれる空間を形成するために、支持本体の支持面に垂直な方向において弾性付勢部の係合部分から離れて位置する構成である。
発明態様では、係合部分の係合面は、支持本体の支持面と面接触する構成である限り、その係合面の端縁が、所定軸線の配置位置より、第1挟持部の配置位置から離れて位置する構成であってもよいし、所定軸線の配置位置より、第1挟持部の配置位置の近くに位置する構成であってもよい。
発明態様では、保持部は、係合部分の係合面が支持本体の支持面と係合する状態に係合部分を保持する構成であれば、係合面を支持面に係止する係止手段を含む構成であってもよいし、摩擦抵抗により係合面を支持面に保持する構成であってもよい。
請求項3に記載の具体的態様では、係合部分の係合面の端縁は、所定軸線の配置位置より、第1挟持部の配置位置の近くに位置する。
請求項4に記載の具体的態様では、被押圧部は、所定軸線から支持本体の支持面に向かって凸状となるように湾曲して形成され、弾性付勢部の湾曲部分は、所定軸線から離れる方向に凸状となるように湾曲して形成される。
本具体的態様では、被押圧部の湾曲形状の曲率と、湾曲部分の湾曲形状の曲率との大小関係は限定されない。
請求項5に記載の具体的態様では、弾性付勢部の肉厚が、被押圧部の肉厚より薄く設定される。
請求項6に記載の具体的態様では、操作体の操作部は、押圧部が被押圧部を押圧することにより第2挟持部が第1挟持部に接近して第1挟持部との間でシート状物を挟持する第1回動位置と、第2挟持部が第1挟持部から離間する第2回動位置とのいずれかの回動位置に回動操作可能であり、可動支持体は、第2挟持部が配置される第2支持部の面と反対側の面に配置される係合鉤部を含み、係合鉤部は、操作体の操作部が第1回動位置から第2回動位置に向かって回動するときに、操作体の一部分と係合する。
本具体的態様では、操作体の操作部が第1回動位置から第2回動位置に向かって回動する途中で、係合鉤部が操作体の一部分と係合するのであれば、係合鉤部は、操作体の一部分と常時係合する構成であってもよい。
請求項7に記載の具体的態様では、係合鉤部は、第2支持部から被押圧部に向かって延出して形成され、係合鉤部が係合する操作体の一部分は、所定軸線と操作体の押圧部の先端との間に位置する押圧部の一部分である。
請求項8に記載の具体的態様では、操作体は、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに係合鉤部が収容される収容凹所を含む。
請求項9に記載の具体的態様では、アーム部は、所定軸線の延びる方向に間隔をあけて配置される一対のアーム部であって、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びる一対のアーム部から構成され、保持部は、一対のアーム部が支持面から突出する離間位置において、支持面に垂直な方向に延びて形成される保持壁と、支持本体の支持面に形成される保持凹所と、を含み、保持部は、弾性付勢部の湾曲部分を保持する空間を保持壁と一対のアーム部とにより形成し、弾性付勢部の係合部分を保持する空間を保持凹所により形成する。
請求項10に記載の具体的態様では、第2連結部分を保持する空間を、一対のアーム部に回動可能に支持される基端部と保持壁と一対のアーム部の一部分とにより形成する。
本具体的態様では、第2連結部分の全体が、基端部と保持壁と一対のアーム部の一部分とにより形成される空間に収容される構成であってもよいし、第2連結部分の一部分が、基端部と保持壁と一対のアーム部の一部分とにより形成される空間から突出する構成であってもよい。
請求項11に記載の具体的態様では、操作体の操作部は、押圧部が被押圧部を押圧することにより第2挟持部が第1挟持部に接近して第1挟持部との間でシート状物を挟持する第1回動位置と、第2挟持部が第1挟持部から離間する第2回動位置とのいずれかの回動位置に回動操作可能であり、可動支持体は、第2挟持部が配置される第2支持部の面と反対側の面に配置される取付突部を含み、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに、操作部が取付突部を覆うように配置される。
本具体的態様では、取付突部は、名札などの表示物が収納されるケース、または、そのケースに連結されるバンドなどの部材を留め具に取り付けるために用意される部分であれば、その形状、および構造は限定されない。
本具体的態様では、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに、操作部が取付突部に当接する構成であってもよいし、取付突部に取り付けられた物が抜け落ちないような僅かな間隙をあけて操作部が取付突部に接近する構成であってもよい。
請求項12に記載の具体的態様では、操作体の操作部は、取付突部と対向する面に突起部を有し、取付突部は、操作部の突起部が進入することができる開口部を有する。
請求項1に記載の第1の発明態様では、アーム部が、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びる。操作体の基端部が、所定軸線の回りに回動可能にアーム部の所定方向に延びる部分に支持される。第2挟持部が第1挟持部との間でシート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、被押圧部と弾性付勢部とが連結される第2連結部分は、押圧部により押圧される被押圧部の押圧部分より、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置する。第2挟持部が第1挟持部から離間する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、可動支持体の第1連結部分と被押圧部と第2連結部分とは、シート状物が差し込まれる空間を形成するために、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置する。この結果、ポケットなどのシート状物が、支持本体の支持面から突出するアーム部に当たるまで、使用者は、第1挟持部をシート状物に差し入れることができる。また、アーム部が第1挟持部の配置位置に向かって延びることにより、押圧部は第2挟持部の配置位置に近い位置で被押圧部を押圧することができ、両挟持部の挟持力を強くすることができる。さらに、第2連結部分が、押圧部により押圧される被押圧部の押圧部分より、支持本体の支持面から垂直方向に離れて位置することから、従来の弾性付勢部のようにU字状の湾曲部分が留め具の長手方向に留め具から突出することがなくなる。
請求項2に記載の第2の発明態様では、弾性付勢部は、支持本体の支持面に係合する係合面を有する係合部分と、係合部分から湾曲して形成され、第2連結部分で被押圧部に連結する弾性変形可能な湾曲部分と、を含む。保持部は、係合部分の係合面を支持本体の支持面に保持するとともに、湾曲部分をアーム部に保持する。この結果、係合部分の係合面が支持本体の支持面に保持されることから、押圧部により被押圧部が押圧されるときに、湾曲部分を確実に弾性変形させることができる。湾曲部分の弾性変形により、強い弾性力を両挟持部に作用させることができる。
請求項3に記載の具体的態様では、係合部分の係合面の端縁は、所定軸線の配置位置より、第1挟持部の配置位置の近くに位置する。この結果、押圧部により被押圧部が押圧されるときに、湾曲部分を一層確実に弾性変形させることができる。湾曲部分の弾性変形により、一層強い弾性力を両挟持部に作用させることができる。
請求項4に記載の具体的態様では、被押圧部は、所定軸線から支持本体の支持面に向かって凸状となるように湾曲して形成され、弾性付勢部の湾曲部分は、所定軸線から離れる方向に凸状となるように湾曲して形成される。この結果、第2挟持部が第1挟持部との間でシート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作される際に、被押圧部が平坦な形状である場合に比べ、被押圧部の湾曲形状により、押圧部が被押圧部を押圧する箇所によって押圧力が大きく変動することを抑えることができ、湾曲部分の弾性変形量をほぼ一定にすることができる。また、弾性変形量がほぼ一定になることから、シート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、その回動位置において押圧部が被押圧部を押圧する状態を確実に保持することができる。さらに、大きな弾性変形が繰り返されても、湾曲部分の湾曲形状により、長期間にわたって両挟持部の挟持圧を一定に維持することができる。
請求項5に記載の具体的態様では、弾性付勢部の肉厚が、被押圧部の肉厚より薄く設定される。この結果、押圧部が被押圧部を押圧するときに、弾性付勢部を確実に弾性変形させることができる。
請求項6に記載の具体的態様では、可動支持体は、第2挟持部が配置される第2支持部の面と反対側の面に配置される係合鉤部を含む。係合鉤部は、操作体の操作部が第1回動位置から第2回動位置に向かって回動するときに、操作体の一部分と係合する。この結果、係合鉤部が操作体の一部分と係合することにより、第2挟持部を第1挟持部から確実に離間させることができる。
請求項7に記載の具体的態様では、係合鉤部は、第2支持部から被押圧部に向かって延出して形成され、係合鉤部が係合する操作体の一部分は、所定軸線と操作体の押圧部の先端との間に位置する押圧部の一部分である。この結果、係合鉤部が押圧部の一部分と係合することにより、操作体の操作性を損なうことなく押圧部の動きと連動させて第2挟持部を第1挟持部から確実に離間させることができる。
請求項8に記載の具体的態様では、操作体は、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに係合鉤部が収容される収容凹所を含む。この結果、係合鉤部が収容凹所に収容されることにより、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに、係合鉤部が留め具の他の部分と干渉して邪魔になるなどの問題をなくすことができる。
請求項9に記載の具体的態様では、一対のアーム部は、所定軸線の延びる方向に間隔をあけて配置される一対のアーム部であって、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びる。保持部は、一対のアーム部が支持面から突出する離間位置において、支持面に垂直な方向に延びて形成される保持壁と、支持本体の支持面に形成される保持凹所と、を含む。保持部は、弾性付勢部の湾曲部分を保持する空間を保持壁と一対のアーム部とにより形成し、弾性付勢部の係合部分を保持する空間を保持凹所により形成する。この結果、湾曲部分が一対のアーム部の間に保持されるとともに、係合部分が支持本体の支持面に保持されることにより、押圧部が被押圧部を押圧するときに湾曲部分を確実に弾性変形させることができる。
請求項10に記載の具体的態様では、保持部は、第2連結部分を保持する空間を、一対のアーム部に回動可能に支持される基端部と保持壁と一対のアーム部の一部分とにより形成する。この結果、支持本体が延びる長手方向において第2連結部分が変位することを、基端部と保持壁とにより規制し、所定軸線の方向において第2連結部分が変位することを、一対のアーム部の間で規制することができる。また、本具体的態様では、特許文献1に記載の名札用ホルダーのように、弾性付勢部を保持するために弾性付勢部に通孔が開設される構成に比べ、長期間にわたって弾性付勢部の弾性変形が繰り返される場合に弾性付勢部の通孔の周辺に応力が集中して劣化することがなく、両挟持部の挟持圧を長期間にわたって一定に維持することができる。
請求項11に記載の具体的態様では、操作体の操作部は、押圧部が被押圧部を押圧することにより第2挟持部が第1挟持部に接近して第1挟持部との間でシート状物を挟持する第1回動位置と、第2挟持部が第1挟持部から離間する第2回動位置とのいずれかの回動位置に回動操作可能であり、可動支持体は、第2挟持部が配置される第2支持部の面と反対側の面に配置される取付突部を含み、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに、操作部が取付突部を覆うように配置される。この結果、操作体の操作部が、両挟持部の間でシート状物を挟持する第1回動位置に操作されるときに、操作部が取付突部を覆うように配置されることにより、取付突部に取り付けられる部材が留め具から抜け落ちることを確実に防止することができる。
請求項12に記載の具体的態様では、操作体の操作部は、取付突部と対向する面に突起部を有し、取付突部は、操作部の突起部が進入することができる開口部を有する。この結果、操作体の操作部が、両挟持部の間でシート状物を挟持する第1回動位置に操作されるときに、突起部が開口部に進入することにより、取付突部に取り付けられる部材が留め具から抜け落ちることを確実に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る名札装着用の留め具1を使用者の上着TSの胸ポケットPTに装着した状態を示す説明図である。 留め具1の全体を示す拡大斜視図である。 留め具1の右側断面図である。 支持本体2の全体を示す拡大斜視図である。 取付ピンPNを示す図面である。 操作体3の全体を拡大して示す図面である。 可動支持体4の全体を示す拡大斜視図である。 可動支持体4を上方から見た図面である。 可動支持体4の右側面図である。 上支持部58を下支持部12から離間させる解放回動位置PR1に操作体3を回動させた状態の留め具1を、左右方向の中央位置で上下方向に切断して右方から見た右側断面図である。 胸ポケットPTなどのシート状物を挟持するために上支持体58を下支持体12に接近させる挟持回動位置PR2に達する前の位置に操作体3を回動させた状態の留め具1を、図10と同様に切断した右側断面図である。 挟持回動位置PR2に操作体3を回動させた状態の留め具1を、図10と同様に切断した右側断面図である。 本発明の第2実施形態に係る名札装着用の留め具100の全体を示す拡大斜視図である。 留め具100の右側断面図である。 可動支持体104の全体を示す拡大斜視図である。 可動支持体104の右側面図である。 取付バンド200の全体を上後方から見た斜視面である。 取付バンド200をループ状に湾曲させる前の留め具100の全体を示す拡大斜視図である。
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係る名札装着用の留め具について、図面を参照して説明する。図1は、使用者が名札装着用の留め具1を上着TSの胸ポケットPTに装着した状態を示す。図1において、名札NTが留め具1に取り付けられる。なお、図1に矢印で示す2つの方向を、上下方向、および左右方向とし、両方向に直交する方向を、前後方向として、図2以降の他の図面でも同様に、各方向を示す。
[留め具1の構成]
図2は、留め具1の全体を示す斜視図である。図2において、留め具1は、支持本体2と、操作体3と、可動支持体4と、を備える。支持本体2、操作体3、および可動支持体4の各構成部材は、合成樹脂材料により成形される。支持本体2、および可動支持体4の合成樹脂材料としては、圧縮、および曲げに対する機械的強度が比較的大きな合成樹脂材料が使用され、たとえば、ポリアセタール樹脂材料、ポリカーボネート樹脂材料、およびポリエーテルサルフォン樹脂材料などの合成樹脂材料が使用される。また、操作体3の合成樹脂材料としては、摩耗、および接触音の発生などの低減を考量して、支持本体2、および可動支持体4とは異なる合成樹脂材料が使用され、たとえば、ABS樹脂材料が使用される。
(支持本体2の詳細な構成)
支持本体2の詳細な構成について、図3、および図4を参照して説明する。図3は、留め具1の右側面図であり、図4は、支持本体2単体の斜視図である。図4において、支持本体2は、支持基体部10と、下支持部12と、1対のアーム部14、16と、を主に備える。
支持基体部10は、上下方向に延びる板状の形状を有する。保持凹所18が、上下方向に延びて支持本体2の支持面2A、すなわち支持基体部10の前面に形成される。3つの長溝20A〜20Cが、上下方向に延びて保持凹所18の底面に形成される。係止溝22が、長溝20Bの下方において保持凹所18の底面に形成される。下支持部12は、支持基体部10の下方部分に連結されて配置される。下支持部12の下方部分は、半円形の形状に形成される。下支持部12は、支持本体2の支持面2Aの側において、円形に配列された多数の挟持突起24を備える。3つの長溝20A〜20Cは、支持本体2を成形する際に、ひけが肉厚部分に発生することを防止するために設けられる。また、長溝20Aと長溝20Bとにより形成される上下方向に延びるリブと、長溝20Cと長溝20Bとにより形成される上下方向に延びるリブとは、留め具1によりシート状物を挟持するときに支持基体部10に作用する曲げ応力に対する補強部材としての働きを有する。
両アーム部14、16は、支持基体部10の左右両側部に間隔をあけて配置される。両アーム部14、16は、図4に示すように、支持基体部10の上方端部分から前方に張り出して形成される。具体的には、両アーム部14、16は、支持基体部10の上方端部分から前方に湾曲して突出した後に、下支持部12の挟持突起24の配置位置に向かって下方に延びる。両アーム部14、16は、先端部分に回動孔26、28を有する。保持壁30が、両アーム部14、16の間を連結する状態で、支持本体2の支持面2Aにおいて両アーム部14、16が突出する位置から前方に延びて形成される。
ピン取付溝32が、両アーム部14、16が突出する位置において、支持本体2の支持面2Aを左右方向に横切って延びる。使用者が図5に示す取付ピンPNを使用して留め具1を上着TSなどに取り付ける場合、取付ピンPNの屈曲部分PAがピン取付溝32に挿通され、取付ピンPNの針状部分PBが上着TSなどに刺し通される。
紐挿通突部34が、保持壁30の上方に突出して形成される。紐挿通突部34は、挿通孔36を有する。使用者が首に掛ける紐状部材を挿通孔36に通すことにより、留め具1を紐状部材に取り付けることができる。
(操作体3の詳細な構成)
操作体3の詳細な構成について、図2、図3、および図6を参照して説明する。図6は、図2に示す回動位置に位置する操作体3単体を下方から見た図面である。図6において、操作体3は、基端部38と、操作部40と、押圧部42と、を主に備える。
一対の軸部44、46が、左右方向に基端部38から突出して形成される。両軸部44、46は、傾斜部分44A、46Aをそれぞれ有する。図3において、操作部40は、両軸部44、46の軸線と直交する方向に、基端部38から延びて形成される。押圧部42は、操作部40が延びる方向とほぼ90度をなす方向に、基端部38から突出して形成される。
凹所48が、基端部38、および操作部40にわたって形成される。凹所48は、操作部40のほぼ全域にわたって形成される第1凹所部分50と、操作部40から基端部38に広がって形成される第2凹所部分52とを有する。切欠部54が、左右方向における押圧部42の中央領域に形成される。切欠部54は、第2凹所部分52に連続する状態で形成される。突起部56が、図2に示すように、第1凹所部分50から突出して形成される。
(可動支持体4の詳細な構成)
可動支持体4の詳細な構成について、図2、図3、および、図7乃至図9を参照して説明する。図7乃至図9は、自然状態にある可動支持体4を示し、図7は、可動支持体4の斜視図であり、図8は、可動支持体4の上面図であり、図9は、可動支持体4の右側面図である。図9において、可動支持体4は、上支持部58と、被押圧部60と、弾性湾曲部62と、係合部64と、を主に備える。上支持部58は、下支持部12の半円形の形状に適合する直径の円形形状に形成される。被押圧部60、弾性湾曲部62、および係合部64の左右方向の幅は、上支持部58の直径より小さい幅であって、同じ寸法に設定される。
上支持部58は、左右方向に延びる多数の挟持溝66と、取付突部68と、を備える。多数の挟持溝66は、上支持部58の下後方の面に、下支持部12の多数の挟持突起24と嵌合可能に形成される。取付突部68は、挟持溝66が形成される上支持部58の面と反対側の面、すなわち、上支持部58の上前方の面から上方に屈曲して形成される。取付突部68の先端部分68Aは、図8に示すように、ループ状に湾曲して形成される。開口部70が、取付突部68により囲まれて形成される。本実施形態では、取付突部68は、図1に示す名札NTの長孔AHに挿通されるように形成される。また、開口部70は、操作体3の突起部56が嵌合するように形成される。
被押圧部60は、第1連結部分72において、上支持部58に連結される。係合鉤部74が、取付突部68が形成される面と同じ側の第1連結部分72の面、すなわち第1連結部分72の前面から上方に鉤状に突出して形成される。係合鉤部74の先端部分74Aは、ほぼ90度に屈曲される。係合鉤部74の上方部分は、図2に示すように、操作体3の第2凹所部分52に収容されるように形成される。係合鉤部74の上方部分が第2凹所部分52に収容されるときに、係合鉤部74が押圧部42と干渉することが、切欠部54により防止される。
被押圧部60は、湾曲部分76と、直線部分78と、を備える。湾曲部分76は、図9において下後方に凸状となるように湾曲して形成される。また、湾曲部分76は、図3において、軸部44の軸線から支持本体2の支持面2Aに向かう方向に、凸状となるように湾曲して形成される。直線部分78は、湾曲部分76から上前方に直線状に立ち上がって延びる。本実施形態では、直線部分78は、挟持溝66が形成される上支持部58の面から、図9において反時計回り方向に、ほぼ80度の角度で上前方に立ち上がる。湾曲部分76の前面は、操作体3の押圧部42により押圧される。湾曲部分76の肉厚D1は、直線部分78の肉厚D2より、僅かに大きく設定される。本実施形態では、挟持溝66の深さ方向の寸法を除く上支持部58の肉厚は、湾曲部分76の肉厚D1とほぼ同じ肉厚に設定される。
直線部分78は、第2連結部分80において、弾性湾曲部62に連結される。第2連結部分80は、直線部分78から上後方に屈曲して直線状に延びる。本実施形態では、第2連結部分80は、直線部分78から反時計回り方向に、ほぼ80度の角度で屈曲して延びる。第2連結部分80の肉厚D3は、直線部分78の肉厚D2とほぼ同じに設定される。
弾性湾曲部62は、第2連結部分80から下後方に屈曲して延びる。本実施形態では、弾性湾曲部62は、第2連結部分80から反時計回り方向に、ほぼ130度の角度で屈曲する。弾性湾曲部62は、第2連結部分80から屈曲して直線状に延びた後に、湾曲する。弾性湾曲部62の湾曲する部分の曲率半径は、被押圧部60の湾曲部分76の曲率半径より充分に小さく設定される。弾性湾曲部62の肉厚D4は、第2連結部分80から離れるに従って、係合部64の肉厚D5まで徐々に小さくなるように設定される。
係合部64は、弾性湾曲部62から下方に直線状に延びて形成される。本実施形態では、係合部64は、弾性湾曲部62が第2連結部分80から屈曲して直線状に延びる部分から、時計回り方向に、ほぼ55度の角度で延びる。係合部64の肉厚D5は、第2連結部分80の肉厚D3より充分に小さく設定される。係止突起82が、係合部64の先端部分64Aの後面から突出して形成される。係止突起82は、支持本体2の係止溝22に嵌合するように形成される。
被押圧部60、弾性湾曲部62、および係合部64の幅は、両アーム部14、16の左右方向の間隔より僅かに小さく設定される。係合部64は、保持凹所18に嵌合するように形成される。
[第1実施形態の動作および作用]
留め具1を組み立てる場合、留め具1を胸ポケットPTに装着する場合、および、留め具1を胸ポケットPTから離脱する場合における動作および作用について図面を参照して説明する。
(留め具1を組み立てる場合)
先ず、作業者は、留め具1を組み立てるために、図5に示す取付ピンPNの屈曲部分PAを、図4に示す支持本体2のピン取付溝32に挿通させる。続いて、作業者は、図4に示す支持本体2の両アーム部14、16の間に、図7に示す可動支持体4の被押圧部60、および弾性湾曲部62を嵌合させる。その後に、作業者は、支持本体2の保持凹所18に、係合部64を嵌合させる。この可動支持体4の嵌合作業時に、係合部64の係止突起82が支持本体2の係止溝22に嵌合されるとともに、可動支持体4の弾性湾曲部62が支持本体2の保持壁30に係合する。係止突起82と係止溝22との嵌合と、弾性湾曲部62と保持壁30との係合とにより、可動支持体4は、上下方向に位置決めされる。また、可動支持体4は、両アーム部14.16との係合により、左右方向に位置決めされる。
次に、作業者は、操作体3を両アーム部14、16に取り付けるために、図6に示す両軸部44、46の傾斜部分44A、46Aを、図4に示す両アーム部14、16の回動孔26、28の近傍の前端部に押し当てた状態で押し込む。この押し込み作業時に、係合鉤部74が第2凹所部分52の内部に位置する状態で、作業者は、傾斜部分44A、46Aを押し込む。押し込み作業により、両アーム部14、16は弾性変形して押し広げられ、両軸部44、46は回動孔26、28に嵌合される。この結果、操作体3は、図3に示すように、両アーム部14、16に回動可能に取り付けられる。
図3において、留め具1が組み付けられた状態において、第2連結部分80は、保持壁30と、基端部38と、両アーム部14、16とにより画定される空間に配置される。取付ピンPNの屈曲部分PAは、図3に示す弾性湾曲部62の上後方においてピン取付溝32の内部に配置される。図3、および図10において、第2連結部分80は、両アーム14、16の前方端縁から僅かに突出した状態に位置する。また、操作体3が矢印DRの方向に回動操作されるときに、基端部38、および操作部40が、直線部分78、および第2連結部分80と干渉しないように、基端部38、および操作部40と、直線部分78、および第2連結部分80との間に、僅かな間隙が設けられる。
(留め具1を胸ポケットPTに装着する場合)
使用者は、留め具1を胸ポケットPTに装着する前に、名札NTの長孔AHに可動支持体4の取付突部68を挿通させることにより、名札NTを可動支持体4の取付突部68に引っ掛けた状態にする。
続いて、使用者は、図10に示すように、上支持部58が下支持部12から離間した状態にある留め具1の支持本体2を、胸ポケットPTに差し込む。この差し込む作業において、胸ポケットPTの上端部が、図10に示すピン取付溝32の近傍に位置する弾性湾曲部62に当たるまで、使用者は、支持本体2を胸ポケットPTの奥まで差し込むことができる。
差し込む作業が終わった後に、使用者は、図10に示す解放回動位置PR1から矢印DRの方向に操作体3を回動操作する。この回動操作に伴い、操作体3の押圧部42は可動支持体4の被押圧部60を後方に押圧する。被押圧部60が押圧されることにより、可動支持体4の上支持部58は後方に移動し、支持本体2の下支持部12に接近する。その後、上支持部58の挟持溝66と下支持部12の挟持突起24とが係合して、胸ポケットPTを挟持する。図11は、胸ポケットPTを図示しないが、挟持溝66と挟持突起24とが係合した状態を示す。
図11において、操作体3の軸部46の軸心と、押圧部42が被押圧部60を押圧する押圧箇所とを結ぶ延長線が、被押圧部60の押圧される面に対してほぼ垂直になる。このため、弾性湾曲部62の弾性変形により発生する弾性力は、その延長線の延びる方向において被押圧部60から押圧部42に作用する。図11に示す状態において、可動支持体4の弾性湾曲部62は、最も弾性変形した最大変形状態に近い状態にまで弾性変形する。本実施形態では、弾性湾曲部62の肉厚D4は、湾曲部分76の肉厚D1、直線部分78の肉厚D2、および第2連結部分80の肉厚D3より薄いことから、押圧部42が被押圧部60を押圧するときに、その押圧力のほぼ全てが、保持壁30の壁面に沿って弾性湾曲部62を弾性変形させるために作用する。図11において、操作体3の突出部56は、可動支持体4の開口部70に進入する直前の状態にある。
使用者が、図11に示す状態から、操作体3を矢印DRの方向にさらに回動操作すると、操作体3の軸部46の軸心と、押圧部42が被押圧部60を押圧する押圧箇所とを結ぶ延長線が、被押圧部60の押圧される面に対して、僅かに傾斜した方向に位置する。このため、弾性湾曲部60の弾性変形により発生する弾性力は、その延長線に対して僅かに傾斜した方向において被押圧部60から押圧部42に作用する。その弾性力のうちで、延長線に垂直な成分の力が、図12に示す矢印DRの方向に操作体3を回動させるように作用する。垂直な成分の力により、操作体3は、図12に示す挟持回動位置PR2に保持される。この挟持回動位置PR2の保持により、留め具1が胸ポケットPTに装着される。図12において、第2連結部分80の前方端縁が、アーム部14、16の前方端縁とほぼ同じ位置になるまで、押圧部42により被押圧部60が押圧されることに伴って、第2連結部分80は、後方に移動する。
図12において、操作体3の突出部56は、可動支持体4の開口部70に完全に進入した状態にある。突出部56が開口部70に進入することにより、可動支持体4の取付突部68に引っ掛けられた名札NTが、留め具1から抜け落ちることを防止することができる。
(留め具1を胸ポケットPTから離脱する場合)
使用者が、留め具1を胸ポケットPTから離脱させるために、弾性湾曲部62の弾性力により矢印DRの方向に操作体3を回動させる力に抗して、図12に示す挟持回動位置PR2から、矢印DRと反対方向に操作体3を回動操作する。操作体3が図11に示す状態まで回動されると、弾性湾曲部62の弾性力は、矢印DRの方向に操作体3を回動させる力として作用しなくなる。操作体3が図11に示す状態から矢印DRと反対方向に回動操作されると、弾性湾曲部62の弾性力は、矢印DRと反対方向に操作体3を回動させる力として作用する。
通常は、弾性湾曲部62の弾性力が、矢印DRと反対方向に操作体3を回動させる力として作用することから、上支持部58は下支持部12から充分に離間することができる。しかし、弾性湾曲部62の弾性力が上支持部58を下支持部12から離間させるのに充分な大きさでない場合であっても、係合鉤部74の働きにより、上支持部58を下支持部12から充分に離間させることができる。具体的には、操作体3が、図11に示す状態から矢印DRと反対方向に回動される途中において、係合鉤部74の先端部分74Aが、図10に示すように、操作体3の軸部46と押圧部42の先端部との間の中間部分に係合する。この係合により、解放回動位置PR1に向かう操作体3の回動操作に伴って、上支持部58は、下支持部12から強制的に離間される。
図10に示す状態において、使用者は、名札NTを可動支持体4の取付突部68に引っ掛けたまま、留め具1を胸ポケットPTから離脱させることができる。
[第1実施形態の効果]
本実施形態では、両アーム部14、16が、支持本体2から突出して下方に湾曲する張り出し形状であり、操作体3が、両アーム部14、16の先端部分に回動可能に取り付けられる。可動支持体4の弾性湾曲部62が、図3に示すように、保持壁30に沿って湾曲して前方に延びる。この結果、胸ポケットPTの上端部が、両アーム部14、16が支持本体2から突出する位置まで、すなわち、図3においてピン取付溝32の近傍に位置する弾性湾曲部62に当たる位置まで、支持本体2を胸ポケットPTの奥まで差し込むことができる。このため、支持本体2を上下方向に長くすることなく、留め具1を確実に胸ポケットPTに装着することができる。
本実施形態では、操作体3の軸部44、46が下支持部12および上支持部58に近付けて配置されることから、比較的大きな挟持圧を下支持部12および上支持部58に付与することができる。具体的には、図12において、距離L1は、ピン取付溝32の配置位置から、下支持部12に接近した上支持部58の上方端縁の配置位置までの距離であり、距離L2は、ピン取付溝32の配置位置から、アーム部16に支持された軸部46の軸心の配置位置までの距離である。本実施形態では、距離L2が、距離L1の1/2より大きな値に設定され、軸部46が下支持部12および上支持部58に可能な限り接近するように、アーム部14、16が下方に張り出して形成される。この結果、押圧部42は、下支持部12および上支持部58に可能な限り接近した位置で被押圧部60を押圧することができ、比較的大きな挟持圧を下支持部12および上支持部58に付与することができる。
本実施形態では、被押圧部60の直線部分78、および弾性湾曲部62が、図12に示すように、押圧部42により押圧される被押圧部60の湾曲部分76より前方の位置まで延び、第2連結部分80により屈曲した形状で連結される。操作体3が挟持回動位置PR2に向かって回動操作されるとき、押圧部42が被押圧部60の湾曲部分76を後方に向かって押圧して移動させる。弾性湾曲部62が湾曲部分76より前方の位置まで延びることから、押圧部42の比較的小さな押圧力により、弾性湾曲部62は大きく弾性変形する。また、湾曲部分76、直線部分78、および第2連結部分80の肉厚が比較的厚いことから、湾曲部分76の後方への移動により、主に弾性湾曲部62が、軸部46から離れる方向に凸状になるように湾曲して弾性変形する。この結果、操作体3の基端部38と保持壁30との間の狭い空間に配置される弾性湾曲部62を比較的大きく弾性変形させることができ、上支持部58および下支持部12を大きな一定の挟持圧で挟持させることができる。また、特許文献1に記載の弾性付勢部は枢軸片に取り付けるための通孔を有すことから、通孔により弾性付勢部自体の弾性力が制限されるが、本実施形態における可動支持体4は、留め具1に取り付ける通孔を必要としないので、大きな弾性力を発生し得る構成にすることができる。
本実施形態では、操作体3の基端部38と保持壁30との間に形成される空間は、可動支持体4の直線部分78、第2連結部分80、および弾性湾曲部62が配置される空間である。この空間は、図3、および図10に示すように、前方に開放して形成される。この結果、押圧部42が被押圧部60を押圧しない状態において、第2連結部分80は、留め具1の他の部分と干渉することなく、前方に突出することから、前方に比較的長く延びる弾性湾曲部62を限られた空間に配置することができる。
本実施形態では、図5に示す取付ピンPNの屈曲部分PAが、図12に示すピン取付溝32と弾性湾曲部62との間の空間に保持される。使用者は、取付ピンPNの針状部分PBを上着TSなどに刺し通すことにより、留め具1を上着TSに装着することができる。また、本実施形態では、紐挿通突部34が、保持壁30の上方に突出して形成される。使用者は、首に掛ける紐状部材を挿通孔36に通すことにより、留め具1を紐状部材に取り付けることができる。
本実施形態では、係止突起82が、可動支持体4の係合部64の先端部分64Aの後面から突出して形成される。係止突起82は、支持本体2の係止溝22に嵌合するように形成される。また、係合部64の先端部分64Aは、図11および図12に示すように、操作体3の軸部44、46の軸線の配置位置より下方の位置、具体的には最も上方に位置する挟持突起24の形成位置まで延びて形成される。この結果、押圧部42が軸部44、46に近い被押圧部60の湾曲部分76を押圧するときに、可動支持体4の弾性湾曲部62は、ほぼ最大変形状態になることから、この最大変形状態においても、係合部64を支持本体2の保持凹所18に確実に保持することができ、弾性湾曲部62を確実に弾性変形させることができる。
本実施形態では、可動支持体4は、上支持部58と、被押圧部60と、弾性湾曲部62と、係合部64と、取付突部68と、係合鉤部74とを備え、圧縮、および曲げに対する機械的強度が比較的大きな合成樹脂材料により一体に成形される。この結果、寸法精度の高い、弾性特性が均一な可動支持体を容易に製造することができる。
本実施形態では、操作体3が、図11に示す状態から矢印DRと反対方向に回動される途中において、係合鉤部74の先端部分74Aが、図10に示すように、操作体3の軸部46と押圧部42の先端部との間の中間部分に係合する。この結果、先端部分74Aと押圧部42の中間部分との係合により、解放回動位置PR1に向かう操作体3の回動操作に伴って、上支持部58を下支持部12から強制的に離間させることができる。
本実施形態では、操作体3が図12に示す挟持回動位置PR2まで回動操作されたときに、操作体3の突出部56は、可動支持体4の開口部70に完全に進入する。この結果、突出部56が開口部70に進入することにより、可動支持体4の取付突部68に引っ掛けられた名札NTが、留め具1から抜け落ちることを防止することができる。
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態に係る名札装着用の留め具について、図面を参照して説明する。図13は、第2実施形態に係る留め具100の全体を示す斜視図である。図13において、留め具100は、支持本体102と、操作体103と、可動支持体104と、を備える。支持本体102、操作体103、および可動支持体104の各構成部材は、第1実施形態と同様に、合成樹脂材料により成形される。なお、第2実施形態において、第1実施形態とほぼ同じ構成部分には、第1実施形態の引用番号に、数字「100」を加えた引用番号を付して説明する。
支持本体102は、紐挿通突部34を備えていない点以外は、第1実施形態の支持本体2と同じ構成であり、支持基体部110と、下支持部112と、1対のアーム部114、116と、を主に備える。操作体102は、第1実施形態の操作体3と全く同じ構成であり、基端部138と、操作部140と、押圧部142と、を主に備える。可動支持体104は、上部支持部以外の他の構成部分について、第1実施形態の可動支持体4とほぼ同じ構成であり、上支持部158と、被押圧部160と、弾性湾曲部162と、係合部164と、を主に備える。第2実施形態の留め具100は、名札NTを取り付けるために、取付バンド200を使用する。以下、可動支持体104、および取付バンド200について、説明する。
(可動支持体104の詳細な構成)
可動支持体104の詳細な構成について、図13乃至図16を参照して説明する。図15、および図16は、自然状態にある可動支持体104を示し、図15は、可動支持体104の斜視図であり、図16は、可動支持体104の右側面図である。図15において、上支持部158は、下支持部112の半円形の形状に適合する直径の円形形状に形成される。被押圧部160、弾性湾曲部162、および係合部164の左右方向の幅は、上支持部158の直径より小さい幅であって、同じ寸法に設定される。
上支持部158は、下部取付突部190と、上部取付突部192と、を備える。下部取付突部190は、上支持部158の下後面から突出して形成され、軸部分194と、円形の鍔部分196とを有る。鍔部分196は、軸部分194の先端において、軸部分194から半径方向に張り出して形成される。上部取付突部192は、円形形状を有し、図16に示すように、外周面が凹状に湾曲するとともに、前端部分が半径方向に張り出すように形成される。上部取付突部192は、上支持部158の上前面から突出して形成され、嵌合孔198を有する。嵌合孔198は、上前方に開口して形成され、操作体103の凹所148の第1凹所部分150に突出して形成された突起部156と嵌合するように形成される。
被押圧部160は、第1連結部分172において、上支持部158に連結される。係合鉤部174が、上部取付突部192が形成される面と同じ側の第1連結部分172の面、すなわち第1連結部分172の前面から上方に鉤状に突出して形成される。係合鉤部174の先端部分174Aは、ほぼ90度に屈曲される。係合鉤部174の上方部分は、図13に示すように、操作体103の第2凹所部分152に収容されるように形成される。
被押圧部160は、湾曲部分176と、直線部分178と、を備える。湾曲部分176は、図16において下後方に凸状となるように湾曲して形成される。また、上支持部158が下支持部112に近接する回動位置まで操作体103が操作されたときに、湾曲部分176は、軸部144の軸線から支持本体102の支持面102Aに向かう方向に、凸状となるように湾曲して形成される。直線部分178は、湾曲部分176から上前方に立ち上がって直線状に延びる。本実施形態では、直線部分178は、下部取付突部190が形成される上支持部158の面から、図16において反時計回り方向に、ほぼ80度の角度で上前方に立ち上がる。湾曲部分176の前面は、操作体103の押圧部142により押圧される。湾曲部分176の肉厚D1は、直線部分178の肉厚D2より、僅かに大きく設定される。本実施形態では、上支持部158の肉厚は、湾曲部分176の肉厚D1とほぼ同じ肉厚に設定される。
直線部分178は、第2連結部分180において、弾性湾曲部162に連結される。第2連結部分180は、直線部分178から上後方に屈曲した後、上前方向に凸状となるように湾曲して形成される。第2連結部分180の湾曲形状は、第1実施形態の第2連結部分80の直線形状と異なる。本実施形態では、第2連結部分180は、直線部分178から反時計回り方向に、ほぼ80度の角度で屈曲して延びる。第2連結部分180の肉厚D3は、直線部分178の肉厚D3とほぼ同じに設定される。
弾性湾曲部162は、第2連結部分180から下後方に屈曲して直線状に延びる。本実施形態では、弾性湾曲部162は、第2連結部分180から反時計回り方向に、ほぼ130度の角度で屈曲する。弾性湾曲部162は、第2連結部分180から屈曲して直線状に延びた後に、上後方向に凸状となるように湾曲する。弾性湾曲部162の湾曲する部分の曲率半径は、被押圧部160の湾曲部分176の曲率半径より充分に小さく設定される。弾性湾曲部162の肉厚D4は、第2連結部分180から離れるに従って、係合部164の肉厚D5まで徐々に小さくなるように設定される。
係合部164は、弾性湾曲部162から下方に直線状に延びて形成される。本実施形態では、係合部164は、弾性湾曲部162が第2連結部分180から屈曲して直線状に延びる部分から、時計回り方向に、ほぼ55度の角度で延びる。係合部164の肉厚D5は、第2連結部分180の肉厚D3より充分に小さく設定される。係止突起182が、係合部164の先端部分164Aの後面から突出して形成される。係止突起182は、支持本体2の係止溝22に嵌合するように形成される。
被押圧部160、弾性湾曲部162、および係合部164の幅は、両アーム部114、116の左右方向の間隔より僅かに小さく設定される。係合部164は、保持凹所118に嵌合するように形成される。
(取付バンド200の詳細な構成)
取付バンド200の詳細な構成について、図13、図14、および図17を参照して説明する。図17は、自然状態にある取付バンド200の全体を示す斜視図である。取付バンド200は、弾力性のある合成樹脂材料により一体に成形される。取付バンド200の合成樹脂材料としては、たとえば、ポリプロピレン樹脂、またはポリエチレン樹脂が使用される。
図17において、取付バンド200は、帯状基体部202と、第1取付部204と、第2取付部206と、を主に備える。帯状基体部202は、図14に示すように、ループ状に湾曲するように形成される。
第1取付部204は、帯状基体部202の上端に連結され、円形形状を有する。第1取付部204は、円形挟持溝208と、4つの弾性片210と、円形収容孔212と、を備える。円形挟持溝208は、取付バンド200の後面に形成され、下支持部112の挟持突起124が嵌合するように形成される。4つの弾性片210は、取付バンド200の前面に形成され、上支持部158の下部取付突部190の軸部分194に係合するように形成される。4つの弾性片210が弾性変形して下部取付突部190の軸部分194に係合したときに、下部取付突部190の鍔部分196は、図14に示すように、円形収容孔212の内部に収容され、第1取付部204が軸部分194から抜け落ちることを防止する。
帯状基体部202は、下端に段差部分214を有する。第2取付部206は、段差部分214に連結され、円形形状を有する。第2取付部206は、円形取付孔216を有する。円形取付孔216は、弾性変形して上支持部158の上部取付突部192の外周面に嵌合するように形成される。
[第2実施形態の動作および作用]
以下、取付バンド200を使用することにより、名札NTを留め具100に取り付ける場合における第2実施形態の動作および作用について図面を参照して説明する。しかし、留め具100を組み立てる場合、留め具100を胸ポケットPTに装着する場合、および、留め具100を胸ポケットPTから離脱する場合における動作および作用は、第1実施形態の動作および作用と同様であるので、その説明を省略する。
(名札NTを留め具100に取り付ける場合)
図18は、取付バンド200をループ状に湾曲させる前の留め具100の全体を示す。図18において、取付けバンド200の第1取付部204が、可動支持体104の上支持部158の下部取付突部190に取り付けられる。第1取付部204は、円形挟持溝208が下支持部112の挟持突起124と嵌合するような姿勢で下部取付突部190に取り付けられる。
使用者は、留め具100を胸ポケットPTに装着する前に、名札NTの長孔AHに取付バンド200の第2取付部206を挿通させる。その後に、使用者は、取付バンド200の帯状基体部202をループ状に湾曲させ、第2取付部206の円形取付孔216を上支持部158の上部取付突部192の外周面に嵌合させる。この第2取付部206を上支持部158に取り付けることにより、使用者は、名札NTを留め具100に取り付けることができる。
使用者は、第1実施形態と同様に、操作体103の回動操作により、名札NTが取り付けられた留め具100を、胸ポケットPTに装着することができる。使用者は、図12に示す挟持回動位置PR2に相当する回動位置まで、操作体103を回動操作したときに、操作体103の突起部156は、可動支持体104の上部取付突部192の嵌合孔198に嵌合する。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、取付バンド200が、名札NTを取り付けるために使用される。第1取付部204は、上支持部158の下部取付突部190に取り付けられる。名札NTの長孔AHに挿通された帯状基体部202をループ状に湾曲させた状態で、第2取付部206は、上部取付突部192の外周面に嵌合される。この結果、留め具100を胸ポケットPTに装着する際に操作体103が解放回動位置PR1に位置する状態であっても、名札NTが取付バンド200から抜け落ちることを防止することができる。
第2実施形態では、取付バンド200の第1取付部204が、円形挟持溝208を有する。円形挟持溝208は、下支持部112の挟持突起124と嵌合して、胸ポケットPTを挟持する。この結果、支持本体102の下支持部112の形状、または大きさが変更された場合であっても、第1取付部の形状、または大きさが変更された別の取付バンドを、可動支持体104の上支持部158に取り付けることで、同じ可動支持体104を使用することができる。
第2実施形態では、図12に示す挟持回動位置PR2に相当する回動位置まで、操作体103が回動操作されたときに、操作体103の突起部156は、可動支持体104の上部取付突部192の嵌合孔198に嵌合する。この結果、突起部156と嵌合孔198との嵌合により、第2取付部206が上支持部158の上部取付突部192から抜け落ちることを防止することができる。
第2実施形態は、第1実施形態と同じ構成により、第1実施形態と同じ作用および効果を発揮することができる。
<構成の対応関係>
留め具1、100は、本発明の留め具の一例である。支持本体2、102、操作体3、103、および可動支持体4、104は、本発明の支持本体、操作体、および可動支持体の一例である。支持本体2、102の支持面2A、102Aは、本発明の支持本体の支持面の一例である。下部支持部12、112、およびアーム部14、16、114、116は、本発明の第1支持部、およびアーム部の一例である。挟持突起24、124は、本発明の第1挟持部の一例であり、挟持溝66、および円形挟持溝208は、本発明の第2挟持部の一例である。保持凹所18、118、および保持壁30、130は、本発明の保持部の一例であり、本発明の保持凹所、および保持壁の一例である。基端部38、138、操作部40、140、および押圧部42、142は、本発明の基端部、操作部、および押圧部の一例である。上支持部58、158、および被押圧部60、160は、本発明の第2支持部、および被押圧部の一例である。弾性湾曲部62、162、および係合部64、164は、本発明の弾性付勢部の一例であり、本発明の湾曲部分、および係合部分の一例である。第1連結部分72、172、および第2連結部分80、180は、本発明の第1連結部分、および第2連結部分の一例である。係合鉤部74、174、および第2凹所部分52、152は、本発明の係合鉤部、および収容凹所の一例である。取付突部68、および上部取付突部192は、本発明の取付突部の一例である。開口部70、および嵌合孔198は、本発明の開口部の一例であり、突起部56、156は、本発明の突起部の一例である。アーム部14、16、114、116が張り出す上下方向は、本発明の所定方向の一例である。操作体3の軸部44、46の軸線は、本発明の所定軸線の一例である。係合部64、164の先端部分64A、164Aは、本発明の係合部分の端縁の一例である。挟持回動位置PR2、および解放回動位置PR1が、本発明の第1回動位置、および第2回動位置の一例である。
<変形例>
本発明は、両実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
(1)第1実施形態では、挟持突起24が下支持部12と一体に形成され、挟持溝66が上支持部58と一体に形成される構成である。また、第2実施形態では、挟持突起124が下支持部112と一体に形成される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、挟持突起、または挟持溝が形成された別の部材が、下支持部、または上支持部に交換可能に取り付けられる構成であってもよい。さらに、両実施形態では、挟持突起24、124と挟持溝66、208とが胸ポケットPTを挟持する構成であるが、挟持突起と挟持突起とがシート状物を挟持する構成であってもよい。
(2)両実施形態では、留め具1、100に取り付けられる被取付物は、名札NTであったが、名札NT以外の物が取り付けられてもよい。たとえば、名札NT以外の通行許可証などの表示物、または小物入れが、留め具に取り付けられてもよいし、名札NTおよび小物入れなどの携帯物以外に、広告物などのように使用者が携帯しない物が留め具に取り付けられてもよい。また、両実施形態では、留め具1、100は、胸ポケットPTなどの使用者の衣服に装着されるが、シート状物として、衣服以外に薄い板などの物体に装着されてもよい。
(3)両実施形態では、可動支持体4、104の弾性湾曲部62、162の肉厚、および係合部64、164の肉厚が、被押圧部60、160の肉厚、および第2連結部分80、180の肉厚より薄い肉厚に設定され、左右方向の幅は、各構成部分ともに同じ幅に設定される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、各構成部分ともに、同じ肉厚に設定され、弾性湾曲部62、162の幅、および係合部64、164の幅が、被押圧部60、160の幅、および第2連結部分80、180の幅より狭い幅に設定される構成であってもよい。
(4)両実施形態では、操作体3、103の軸部44、46、144、146が、両アーム部14、16、114、116の回動孔26、28、126、128に嵌合する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、1つ、または2つの回動孔が操作体の基端部に形成され、両アーム部にそれぞれ形成された軸部が回動孔に嵌合する構成であってもよい。
(5)両実施形態では、可動支持体4、104が合成樹脂材料により一体に成形される構成であるが、この構成に限定されない。可動支持体の少なくとも一部分が金属材料により形成されてもよい。たとえば、弾性湾曲部が弾力性のある金属材料により形成されてもよい。
(6)両実施形態では、操作体3、103は突起部56、156を有するが、この突起部を有しない構成であってもよい。この変形例では、操作体3、103が挟持回動位置PR2に回動操作されたときに、取付突部68、または、上部取付突部192と対向する操作部40、140の面が、取付突部68、または、上部取付突部192と当接する構成であってもよいし、取付突部68、または、上部取付突部192との間に、名札NT、または、取付バンド200が抜け落ちない程度の間隙を有する構成であってもよい。
(7)第1実施形態の第2連結部分80が直線状に形成され、第2実施形態の第2連結部分180が、湾曲形状に形成されるが、第2連結部分が被押圧部と弾性湾曲部とを屈曲した形状で連結する構成であれば、第2連結部分の形状は限定されない。
1、100 留め具
2、102 支持本体
2A、102A 支持本体の支持面
3、103 操作体
4、104 可動支持体
12、112 下支持部
14、16、114、116 アーム部
18、118 保持凹所
24、124 突起
30、130 保持壁
38、138 基端部
40、140 操作部
42、142 押圧部
44、46 軸部
52、152 第2凹所部分
56、156 突起部
58、158 上支持部
60、160 被押圧部
62、162 弾性湾曲部
64、164 係合部
64A、164A 係合部の先端部分
66 挟持溝
68 取付突部
70 開口部
72、172 第1連結部分
74、174 係合鉤部
80、180 第2連結部分
192 上部取付突部
198 嵌合孔
208 円形挟持溝
以上

Claims (12)

  1. 所定方向に延びる支持面と、支持面に配置される第1挟持部を有する第1支持部と、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びるアーム部と、を含む支持本体と、
    所定方向と直交する所定軸線の回りに回動可能にアーム部の所定方向に延びる部分に支持される基端部と、基端部から延出する操作部と、基端部から突出して形成される押圧部と、を含む操作体と、
    第1挟持部との間でシート状物を挟持する第2挟持部が配置される第2支持部と、第1連結部分で第2支持部に連結され、押圧部により押圧される被押圧部と、第2連結部分で被押圧部に連結され、弾性変形可能な弾性付勢部と、を含む可動支持体と、
    弾性付勢部を支持本体に保持する保持部と、を備え、
    弾性付勢部が第2連結部分に向かって延びる方向は、被押圧部が第2連結部分から延びる方向と異なり、
    第2挟持部が第1挟持部との間でシート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、第2連結部分は、押圧部により押圧される被押圧部の押圧部分より、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置し、
    第2挟持部が第1挟持部から離間する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、可動支持体の第1連結部分と被押圧部と第2連結部分とは、シート状物が差し込まれる空間を形成するために、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置する留め具。
  2. 所定方向に延びる支持面と、支持面に配置される第1挟持部を有する第1支持部と、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びるアーム部と、を含む支持本体と、
    所定方向と直交する所定軸線の回りに回動可能にアーム部の所定方向に延びる部分に支持される基端部と、基端部から延出する操作部と、基端部から突出して形成される押圧部と、を含む操作体と、
    第1挟持部との間でシート状物を挟持する第2挟持部が配置される第2支持部と、第1連結部分で第2支持部に連結され、押圧部により押圧される被押圧部と、第2連結部分で被押圧部に連結され、弾性変形可能な弾性付勢部と、を含む可動支持体と、
    弾性付勢部を支持本体に保持する保持部と、を備え、
    弾性付勢部は、支持本体の支持面に係合する係合面を有する係合部分と、係合部分から湾曲して形成され、第2連結部分で被押圧部に連結される弾性変形可能な湾曲部分と、を含み、
    保持部は、係合部分の係合面を支持本体の支持面に保持するとともに、湾曲部分をアーム部に保持し、
    第2挟持部が第1挟持部との間でシート状物を挟持する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、第2連結部分は、押圧部により押圧される被押圧部の押圧部分より、支持本体の支持面に垂直な方向において支持面から離れて位置し、
    第2挟持部が第1挟持部から離間する回動位置に操作体の操作部が操作されるときに、可動支持体の第1連結部分と被押圧部と第2連結部分とは、シート状物が差し込まれる空間を形成するために、支持本体の支持面に垂直な方向において弾性付勢部の係合部分から離れて位置する留め具。
  3. 係合部分の係合面の端縁は、所定軸線の配置位置より、第1挟持部の配置位置の近くに位置する請求項2に記載の留め具。
  4. 被押圧部は、所定軸線から支持本体の支持面に向かって凸状となるように湾曲して形成され、
    弾性付勢部の湾曲部分は、所定軸線から離れる方向に凸状となるように湾曲して形成される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の留め具。
  5. 弾性付勢部の肉厚が、被押圧部の肉厚より薄く設定される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の留め具。
  6. 操作体の操作部は、押圧部が被押圧部を押圧することにより第2挟持部が第1挟持部に接近して第1挟持部との間でシート状物を挟持する第1回動位置と、第2挟持部が第1挟持部から離間する第2回動位置とのいずれかの回動位置に回動操作可能であり、
    可動支持体は、第2挟持部が配置される第2支持部の面と反対側の面に配置される係合鉤部を含み、
    係合鉤部は、操作体の操作部が第1回動位置から第2回動位置に向かって回動するときに、操作体の一部分と係合する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の留め具。
  7. 係合鉤部は、第2支持部から被押圧部に向かって延出して形成され、
    係合鉤部が係合する操作体の一部分は、所定軸線と操作体の押圧部の先端との間に位置する押圧部の一部分である請求項6に記載の留め具。
  8. 操作体は、操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに係合鉤部が収容される収容凹所を含む請求項6または請求項7に記載の留め具。
  9. アーム部は、所定軸線の延びる方向に間隔をあけて配置される一対のアーム部であって、第1挟持部の配置位置から所定方向に離れる離間位置で支持面から突出するとともに、支持面に垂直な方向において支持面から間隔をあけた状態で第1挟持部の配置位置に向かって所定方向に延びる一対のアーム部から構成され、
    保持部は、一対のアーム部が支持面から突出する離間位置において、支持面に垂直な方向に延びて形成される保持壁と、支持本体の支持面に形成される保持凹所と、を含み、
    保持部は、弾性付勢部の湾曲部分を保持する空間を保持壁と一対のアーム部とにより形成し、弾性付勢部の係合部分を保持する空間を保持凹所により形成する請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の留め具。
  10. 保持部は、第2連結部分を保持する空間を、一対のアーム部に回動可能に支持される基端部と保持壁と一対のアーム部の一部分とにより形成する請求項9に記載の留め具。
  11. 操作体の操作部は、押圧部が被押圧部を押圧することにより第2挟持部が第1挟持部に接近して第1挟持部との間でシート状物を挟持する第1回動位置と、第2挟持部が第1挟持部から離間する第2回動位置とのいずれかの回動位置に回動操作可能であり、
    可動支持体は、第2挟持部が配置される第2支持部の面と反対側の面に配置される取付突部を含み、
    操作体の操作部が第1回動位置に位置するときに、操作部が取付突部を覆うように配置される請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の留め具。
  12. 操作体の操作部は、取付突部と対向する面に突起部を有し、
    取付突部は、操作部の突起部が進入することができる開口部を有する請求項11に記載の留め具。
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