JP6534210B2 - テープフレーム搬送のためのエンドエフェクタ、及びこれを備える搬送ロボット - Google Patents

テープフレーム搬送のためのエンドエフェクタ、及びこれを備える搬送ロボット Download PDF

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本発明は半導体ウエハの搬送ロボットに関するもので、特に、ウエハをウエハテープで固定して保持するテープフレームを、容器と各種処理装置との間で搬送するテープフレーム搬送ロボットに関する。
半導体ウエハの製造工程においては、薄く加工された半導体ウエハの処理や搬送を容易に行うために、テープフレームの裏面に貼り付けられたウエハテープ上にウエハを固定して保持する方法が行われている。テープフレームはステンレススチールや樹脂を用いて中空の円環状に形成されていて、例えば所定の厚さにフィルム化され、表面に粘着剤が塗布され可塑性を有する材料で製作されたウエハテープがこの中空部分を覆うように貼り付けられている。そして、このウエハテープ上に被処理部材である半導体ウエハが貼り付けられた状態で、各工程へと搬送される。
半導体製造工程には、処理工程ごとに専用のウエハ処理システムが用意されていて、テープフレーム上に固定された半導体ウエハはこれら各処理システム間をカセットに収容された状態で手動もしくは半導体製造工場が備える搬送機構により運搬される。ウエハ処理システムには、カセットを所定の位置に載置して固定するローダと、テープフレーム上に貼り付けられた半導体ウエハに対して所定の処理を施すウエハ処理装置と、半導体ウエハが貼り付けられたテープフレームを挟持部により挟持して処理装置へと搬送するテープフレーム搬送ロボットとが備えられている。
前の工程から手動もしくは搬送機構により運搬されてローダ上に載置されたカセットは、ローダに備えられた位置決め部材と係合することで、ローダ上の所定の位置に固定されることとなり、カセット内部に収容されるテープフレームが搬送可能な状態になる。テープフレームはウエハ処理装置が備えるテープフレーム搬送ロボットによりフレーム周縁部を挟持され、各ウエハ処理装置へと搬送される。この時、テープフレーム搬送ロボットは、テープフレームの外周に形成された位置決めのための切欠き部に、エンドエフェクタ上に備えられた補正部材を係合させることで、エンドエフェクタ上の所定の位置にテープフレームが位置決めされる。
しかしながら、上記のようなエンドエフェクタ上に固定された位置決めピンによる位置決め方法だけでは、搬送を行うことが出来ないというトラブルが発生する場合がある。例えば、搬送ロボットがテープフレームをカセットに出し入れする際、カセットとテープフレームとの接触を防止するためにカセットの左右方向にクリアランスを設けている。搬送機構によりカセットが工程間を運搬される際に、振動によりカセット内に収容されたテープフレームが横方向や回転方向に位置ずれを起こしてしまう。その結果、エンドエフェクタに備えられた補正部材がテープフレームの周縁部分に衝突してしまい、エンドエフェクタがテープフレームを所定の位置で保持出来ないというトラブルが発生している。
そこで従来は、搬送ロボットの他に、カセットの引き出し口の近傍の左右方向に、ロボットアームによってカセットから外側に引き出されたテープフレームの左右の直線部に向かって同時に移動して、直線部に当接したり離反したりするセンタリング部材を追加して、テープフレームの位置を外側から強制的に矯正する方法が考案されていた。図1を参照。
特開2013−30703号公報
しかしながら上記方法では、ローダ1台につき1台のセンタリング部材やセンタリング部材を駆動する機構を追加しなければならず、多大なコスト増大を招いてしまうという問題がある。さらに、テープフレームを外部からの力によって強制的に位置補正を行うことで、テープフレームの変形といったトラブルが発生するという問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、最小限のコストで、テープフレームの位置ずれに起因するテープフレームと補正部材との衝突を回避して、テープフレームの位置補正を可能にするエンドエフェクタと、このエンドエフェクタを備える搬送ロボット、及びこの搬送ロボットを使用する搬送方法を提供するものである。
上記問題点を解決するために、本発明のエンドエフェクタは、テープフレームを所定の相対位置に補正して支持するエンドエフェクタであって、前記テープフレームを下方から支持するフィンガ部と、案内開始位置と案内完了位置との間を移動して、前記テープフレームの所定の位置に形成された位置決めのための切欠き部に係合して、前記テープフレームの前記エンドエフェクタに対する前記相対位置へと案内する補正部材と、前記補正部材を案内開始位置に付勢する付勢部材とを備えることを特徴としている。
上記構成とすることで、位置ずれを起こしたテープフレームであっても、案内開始位置に移動している補正部材がテープフレームの切欠き部に係合して、エンドエフェクタの前進移動に伴って案内完了位置まで移動することでテープフレームを所定の相対位置まで案内して位置ずれを解消することができる。
また、テープフレームに形成される切欠き部の形状を考慮すると、本発明のエンドエフェクタが備える前記案内開始位置は案内完了位置に対して前記エンドエフェクタの中心線側に配置されていることが望ましい。
また、本発明のエンドエフェクタが備える前記補正部材は基端部を前記エンドエフェクタに揺動可能に取り付けられていて、前記付勢部材はねじりバネであることを特徴としている。
また、本発明のエンドエフェクタは、前記テープフレームを固定する挟持部を更に備えることを特徴としている。上記構成とすることで本発明のエンドエフェクタは、位置ずれを修正したテープフレームを保持することができる。
また、本発明のエンドエフェクタは、前記テープフレームが所定の位置に位置決めされたことを検知するセンサを更に備えることを特徴としている。上記構成により、前記補正部材がテープフレームを所定の位置に案内完了したかどうかを検知することができる。
また、請求項1から請求項6のいずれかに記載のエンドエフェクタを備えるテープフレーム搬送ロボットを使用して、前記テープフレーム搬送ロボットが備えるアーム体と昇降機構を動作させて、前記テープフレームを前記テープフレーム搬送ロボット寄りに移動させる第1の工程と、前記テープフレームの前記エンドエフェクタに対する相対位置を補正しながら前記テープフレームを支持する第2工程とからなるテープフレームの位置補正方法を実行することで、後方に空きスペースの無い場所に配置されたテープフレームであっても、位置ずれを補正しながらテープフレームを保持することができる。
本発明によれば、従来のエンドエフェクタでは位置補正することが出来なかった位置ずれを起こしたテープフレームであっても確実に保持することが可能になり、保持ミスによるトラブルを低減することができる。また、簡単な構造の補正部材をエンドエフェクタに付加するだけで各ローダに載置されたカセット内のテープフレームの位置補正を行うことが出来るので、テープフレームやテープフレームを収納するカセットを載置するローダ毎に位置補正のための部材を設ける必要が無くなり、大幅なコストの低減に寄与する。
図1は従来のテープフレーム位置補正機構を示す説明図である。 図2はテープフレームの概要を示した平面図である。 図3はテープフレームの前側の直線部周辺を示す平面図である。 図4はテープフレーム搬送ロボットを備えたテープフレーム搬送システムを示す斜視図である。 図5(a)は本発明の一実施形態であるスカラ型のテープフレーム搬送ロボットを側面から見た図であり、図5(b)は上面から見た図である。 図6は本発明のエンドエフェクタの一実施形態を示す平面図である。 図7は本発明の一実施形態であるエンドエフェクタが備えるクランプ爪と駆動機構を側面から見た図である 図8は(a)は本発明の第1実施形態である第1補正部材を示す断面図であり、図8(b)は第1補正部材の動作範囲を示した平面図である。 図9は正規位置からずれたテープフレームの第1切欠き部周辺と従来のエンドエフェクタが備える当接ピンとの位置関係を示した説明図である。 図10はテープフレームが本実施形態のエンドエフェクタに対して左方向にX軸と平行に位置ズレした場合の、第1補正部材の案内動作を示した図である。 図11はテープフレームが本実施形態のエンドエフェクタに対して反時計回り方向に位置ズレした場合の、第1補正部材の案内動作を示した図である。 図12は本発明のエンドエフェクタが、後方に空きスペースの無いカセットに配置されたテープフレームを保持する動作を示した説明図である。 図13(a)は本発明の第2の実施形態である第1補正部材61を示す断面図であり、図13(b)はその動作範囲を示した上面図である。
以下に本発明の詳細を、図を参照して詳細に説明する。まず、テープフレーム1について説明する。図2はテープフレームの概要を示した平面図であり、図3はテープフレーム1の前側の直線部5周縁を示す図である。図2で示すように、本実施形態のエンドエフェクタ17が支持するテープフレーム1は、中央部分に半導体ウエハWを保持するための開口部4を有するステンレススチールで成形された略円環状の枠体の裏面に、半導体ウエハWを保持する粘着性のウエハテープ3の周縁部が貼り付けられたものである。円環状のテープフレーム1は、中央部分の開口部4に、粘着性のウエハテープ3を裏面から貼り付けることで、半導体ウエハWを表側に貼り付けることができる。テープフレーム1中央部分の開口部4は円形をなしていて、一般的に、この開口部4に貼り付けられて配置される円盤状の半導体ウエハWの中心は、テープフレーム1の中心Cと一致する。
テープフレーム1は一般的に2mm程度の厚さ寸法を有し、所定の半径で規定される円弧成分を含む略円環状の形状を有しており、搬送ロボット2がアクセスする側である前側の周縁、その前側に対向する位置の後側の周縁、及び両側面周縁は、それぞれ直線状に切り欠かれている。前側周縁に形成される直線部5及び後側周縁に形成される直線部6は、テープフレーム1の中心Cを通りX方向に延在する直線L1と平行になるように形成され、左右両側面に形成される直線部7a、7bは、テープフレーム1の中心Cを通りY方向に延在する中心線L2と平行になるように形成されている。また、前側周縁には、直線部5を左右両側から挟むように、互いに開口幅の異なる切欠き部8、9が形成されている。
図面視して中心線L2に対して右側に形成される第1切欠き部8は、前側の直線部5に対して約60°の角度で傾いた直線10と、この直線10に対して約60°の角度で傾いた直線11とで形成される開口幅の狭いV字型のノッチとなっている。図面視して左側の第2切欠き部9は、前部の直線部5に対して約120°の角度で傾いた直線12と、この直線12に対して約120°の角度で傾いた直線13とで形成される開口幅の広いV字型のノッチとなっている。なお、この直線13は、前側の直線部5と平行になるように形成されている。これにより、第1切欠き部8、及び第2切欠き部9が、テープフレーム搬送ロボット2が備えるエンドエフェクタ17に配置される一対の補正部材50、51に案内されて、エンドエフェクタ17に対するテープフレーム1の位置決めが行われる。また、第1切欠き部8、及び第2切欠き部9と、前側の直線部5の両端部とは、テープフレーム1と略同じ半径を有する円弧状の線14で接続されている。
テープフレーム1は、カセット15の内部に所定の間隔をあけて上下方向に形成される複数の棚段に載置されて各工程間を運搬される。カセット15は、内部にテープフレーム1を収納する箱状の容器であって、底面には、カセット15を載置するローダ16の位置決め部材と係合して、カセット15のローダ16に対する相対的な位置を規定するための溝が形成されている。カセット15内部の幅方向及び奥行方向の寸法は、テープフレーム1の搬送を容易にするために、収容するテープフレーム1よりも若干大きな寸法となっている。なお、テープフレーム1やテープフレーム1を収容するカセット15は、半導体製造装置関連の国際規格であるSEMI規格によって形状や寸法が規定されている。
次に、本発明の一実施形態であるエンドエフェクタ17を備えるテープフレーム搬送ロボット2とテープフレーム搬送システム18について詳しく説明する。図4は、テープフレーム搬送ロボット2を備えるテープフレーム搬送システム18を示す斜視図である。テープフレーム搬送システム18には、スカラ型ロボットであるテープフレーム搬送ロボット2と、テープフレーム搬送ロボット2をX軸方向に水平移動させるX軸テーブル19と、カセット15を所定に位置に位置決めして載置するローダ16とが備えられている。また、天井部にはFFU(Fan Filter Unit)20が設置されるとともに、手前側の面にも壁が設けられていて、FFU20から供給される下向きの高清浄空気の流れによって、テープフレーム1が移動する小空間21は高清浄な雰囲気に維持されている。なお、本実施形態のテープフレーム搬送システム18の天井にはFFU20が設置されているが、FFU20によって小空間内部を高清浄に維持する必要が無い工程にて使用される搬送システム18であれば、FFU20を設置する必要は無い。
テープフレーム搬送システム18の、ローダ16が設置された壁面に対向する面には、テープフレーム1に保持されたウエハWに対して各種表面処理や加工処理を行う不図示の処理装置が配置されている。処理装置には公知の搬送機が備えられていて、テープフレーム搬送ロボット2との間でテープフレーム1の受け渡しを行う。図5(a)は本発明の一実施形態であるスカラ型のテープフレーム搬送ロボット2の外観を示す側面図であり、図5(b)はその上面図である。テープフレーム搬送ロボット2は、X軸テーブル19の移動部19aに固定される基台23と、基台23に対してZ軸方向に昇降移動が可能な不図示の昇降部と、基台23の中心軸L3を中心にして、Z軸方向に対して直角な平面(旋回面)上を旋回する旋回部24を備えている。旋回部24の上面には左右一対のアーム体25a、25bが備えられていて、各アーム体25a、25bには、第1アーム26a、26bと、第2アーム27a、27bと、エンドエフェクタ17が備えられている。第1アーム26a、26bの基端部は、旋回部24の旋回面と平行な平面上を旋回自在となるように取り付けられている。第2アーム27a、27bは、旋回部24の旋回面と平行な平面内を旋回自在に、第1アーム26a、26bの先端部に第1アーム26a、26bに対してベルトとプーリを介して一定の速度比をもって取り付けられている。また、エンドエフェクタ17は、旋回部24の旋回面と平行な平面内を旋回自在に、第2アーム27a、27bの先端に第2アーム27a、27bとベルトとプーリを介して一定の速度比をもって取り付けられている。
アーム体25a、25bは、各第1アーム26a、26bの中心軸を中心とした旋回運動が、一定の速度比をもって各第2アーム27a、27b、及び各エンドエフェクタ17へと伝達され、テープフレーム搬送ロボット2の中心軸L3を通り中心軸L3に対して直角な方向への伸縮運動に変換される構成となっている。したがって、テープフレーム搬送ロボット2は、旋回部24を中心軸L3の回りに旋回させる移動(旋回移動)、アーム体25a、25bを進退方向へ伸縮させる直線移動及び旋回部24をZ軸方向へ上下移動させるZ軸移動(昇降移動)の3自由度を有している。また、X軸テーブル19は、テープフレーム搬送ロボット2をX軸方向へ移動させるX軸移動(平行移動)の1自由度を有している。
本実施形態のエンドエフェクタ17は、テープフレーム搬送ロボット2の各アーム体25a、25bの先端部にそれぞれ上下方向に間隔をあけて配置されている。また、昇降部や各アーム体25a、25b及びX軸テーブル19のための駆動手段として用いられる不図示の各モータは、全てテープフレーム搬送ロボット2の外側に設けられた通常のコンピュータを内蔵する制御部28から駆動電力を供給されるとともに、各モータに対応するエンコーダからの出力信号を制御部28が受けることで、制御部28により回転角度をフィードバック制御される。そして、制御部28は、あらかじめ与えられたプログラムに基づき、各モータを動作させて、エンドエフェクタを予め教示された所望の経路に沿って移動させる。なお、制御部28は、エンドエフェクタ17に備えられる透過光式センサ36、48や反射光式センサ60からの入力信号を受信し、予め設定されたプログラムに則ってエアシリンダ39へのエアの供給開始や供給停止信号の送信も行う。
図6は本実施形態のエンドエフェクタ17を示す図である。本実施形態のエンドエフェクタ17は、テープフレーム1を挟持してエンドエフェクタ1上に固定する挟持部29と、アーム体25の先端部に連結部35を介して回転可能に連結され、内部に駆動機構37を収納するリスト部33と、挟持部29によって挟持されたテープフレーム1を下方から支持するフィンガ部34とで構成されている。挟持部29は、テープフレーム1の前部に形成された略V字状の切欠き部8、9を補正部材50、51の位置に合致させることで、エンドエフェクタ17に対して所定の位置に位置補正されたテープフレーム1を、3つのクランプ爪30、31、32で挟持することでエンドエフェクタ17上に固定するものである。本実施形態のエンドエフェクタ17が備える挟持部29は、テープフレーム1を挟持する各クランプ爪30、31、32と、各クランプ爪30、31、32を駆動させる駆動機構37とで構成されている。なお、駆動機構37の詳細については後述する。
フィンガ部34は、連結部35の回転中心C2を通り、Y軸に対して平行に延在する中心線L4に関して互いに左右対称な位置に配置された一対の棒状の部材34a、34bを備え、この棒状の部材の先端部分には、透過光式センサ36の投光部36aと受光部36bが配置されている。テープフレーム搬送ロボット2を動作させて、この透過光式センサ36の投光部36aと受光部36bとが、カセット15内に鉛直方向に収容された複数のテープフレーム1を挟む位置までエンドエフェクタ17を移動させて、その後テープフレーム搬送ロボット2を動作させてエンドエフェクタ17を鉛直方向に移動させる。この動作により、テープフレーム1が存在する位置では投光部36aから照射された光軸は遮断され、テープフレーム1が存在しない位置では、投光部36aから照射された光軸は受光部36bまで届く。この受光部36b側の入力信号をリスト部33に配置されたアンプ36cが読み取ることで、カセット15内に収容されたテープフレーム1の存否や、載置状態を検知することが出来る。なお、フィンガ部34は、テープフレーム1を下方から支持するのに十分な強度を有するアルミニウムやステンレススチールといった金属や、カーボン、セラミックといった材料で製作されることが好ましい。
挟持部29には、テープフレーム1の周縁部を挟持するためのクランプ爪30、31、32と、このクランプ爪30、31、32を、テープフレーム1を保持する位置と、保持を解除する位置との間で揺動動作させる駆動機構37と、テープフレーム1に形成された前側の直線部5と当接して、テープフレーム1のエンドエフェクタ17に対するY軸方向の位置を位置決めするに直線当接部38と、テープフレーム1に形成された略V字状の切欠き部8、9と係合して、テープフレーム1をエンドエフェクタ17に対するX軸方向の位置と回転方向の位置に関して、予め規定された位置まで移動させる補正部材50、51が備えられている。直線当接部38は、エンドエフェクタ17の上面Y軸に平行な中心線L4に対して直交する方向に形成された段差であり、エンドエフェクタ17上のテープフレーム1を支持する面よりも高くなるように形成されている。
図7は本実施形態のエンドエフェクタ17が備えるクランプ爪30、31、32と駆動機構37を側面から見た図である。クランプ爪30、31、32は、テープフレーム1の周縁部をテープフレーム1の上方から、テープフレーム1の下方のベース板40に向かって垂直面内で揺動することで、ベース板40と協働してテープフレーム1を挟持するものである。クランプ爪30、31、32は側面視して略「く」の字型の形状を有していて、テープフレーム1を挟持する先端部分(作用点)41と、エアシリンダ39が備える伸縮ロッド42と連結される基端部分(力点)43と、先端部分41と基端部分43の中間部に配置され、揺動動作の支点44とを含んでいる。本実施形態のエンドエフェクタ17には、3個のクランプ爪30、31、32が備えられていて、各クランプ爪30、31、32は揺動の支点44を貫通する円柱形状のシャフト45を介して回転可能に並列に配置されている。各クランプ爪30、31、32の基端部分43には、シャフト45に対して平行に配置された円柱形状のシャフト46が貫通していて、このシャフト46にはエアシリンダ39が備える伸縮ロッド42の先端部分に固定された円環部材47が連結されている。この構造により、エアシリンダ39へ圧縮空気が供給されることにより伸縮ロッド42が伸長してシャフト45を押すことで、クランプ爪30、31、32の先端部41がテープフレーム1を挟持する。図7(b)を参照。また、エアシリンダ39へ供給された圧空を開放することでエアシリンダ39の伸縮ロッド42が収縮して、クランプ爪30、31、32はテープフレーム1の挟持を解除する。なお、エアシリンダ39には、伸縮ロッド42の伸縮を検知する近接センサが備えられていて、伸縮ロッド42の伸長状態と状態を検知することが出来る。さらに、クランプ爪32には透過光式センサ48の光軸を遮蔽するドグ49が取り付けられていて、クランプ爪32が支点44を回転中心として垂直面内で揺動動作することにより、コの字状の透過光式センサ48の光軸を遮断することで、クランプ爪32の動作状態を検知することが出来る。
次に、本実施形態のエンドエフェクタ17が備える一対の補正部材50、51について説明する。図8(a)は本実施形態の第1補正部材50を示す断面図であり、図8(b)は第1補正部材50の動作範囲を示した上面図である。テープフレーム1に形成された第1切欠き部8と係合する第1補正部材50は、基端部をエンドエフェクタ17に揺動可能に取り付けられていて、先端部は、鉛直方向に直立する円柱状の当接ピン52aが固定された略L字状の形状をした部材である。この第1補正部材50は、エンドエフェクタ17がテープフレーム1にアクセスすることで、対応する第1切欠き部8と係合してテープフレーム1をエンドエフェクタ17上の正規の位置に案内する。テープフレーム1に形成された第2切欠き部9と係合する第2補正部材51は、エンドエフェクタのベース板40の所定の位置に固定された円柱状の当接ピン52bである。図6を参照。なお、アクセスとは、テープフレーム搬送ロボット2が備える各駆動機構を動作させて、エンドエフェクタ17によってテープフレーム1を保持するために行う動作のことである。
本実施形態の第1補正部材50は、エンドエフェクタ17のベース板40に揺動可能に取り付けられるスイングアーム53と、この先端部に固定され、エンドエフェクタ17の表面よりも上方に突出して配置される円柱状の当接ピン52aとで構成される。スイングアーム53の基端部は、エンドエフェクタ17に支持されるテープフレーム1と干渉しないように、スリーブ54を介してエンドエフェクタ17の所定の位置に下面から回転可能に取り付けられている。また、当接ピン52aは、エンドエフェクタ17の上方に突出するようにスイングアーム53に取り付けられている。これにより、第1補正部材50はスリーブ54の中心を通り鉛直方向に延在する中心軸C3を回転中心として、水平面内を回動可能となる。さらに、スイングアーム53の基端部には、図面視して時計回りの方向にスイングアーム53を付勢する付勢部材55が備えられている。本実施形態の第1補正部材50が備える付勢部材55は、スイングアーム53を回転可能に支持するスリーブ54の周りを取り囲むように配置されている公知のねじりバネであって、一端がスイングアーム53に形成された孔56に挿入され、他端がエンドエフェクタ17の裏面に固定されるカバー57に形成された孔58に挿入されている。なお、付勢部材55の付勢力は、無負荷の状態のスイングアーム53を水平面内で時計回りの方向に回動させることが出来る強さであり、且つ、テープフレーム1の第1切欠き部8と当接ピン52aが当接した際には、スイングアーム53が案内開始位置P2から案内完了位置P1の方向へと移動する動作を阻害しない程度の強さである。
本実施形態の第1補正部材50に備えられる当接ピン52aは、スイングアーム53の先端部分に鉛直方向直立して取り付けられる円柱状の部材であって、エンドエフェクタ17に支持されるテープフレーム1の周縁に対して円柱部分の側壁が当接するのに十分な長さ寸法を有していて、かつ、第1切欠き部8と係合可能な直径を有している。なお、本実施形態の当接ピン52aは、直径が4mmとなるように成形されている。
さらに、本実施形態のエンドエフェクタ17には、第1補正部材50の水平方向の揺動範囲を規制する一対の規制部材59a、59bが備えられている。この規制部材59a、59bにより、第1補正部材50は、中心軸C3を回転中心として、エンドエフェクタ17上に支持されるテープフレーム1に対して最も後退した位置、即ち反時計回りに最大角度回動した位置P1と、テープフレーム1に対して最も前進した位置、即ち時計回りに最大化駆動回動した位置P2との間で揺動するように規制される。ここで、第1補正部材50が図面視して反時計回り方向に最大角度回動した位置P1にあるとき、第1補正部材50が備える当接ピン52aの位置は、エンドエフェクタ17上の予め設定された正規の位置に配置されたテープフレーム1の第1切欠き部8と係合する位置と一致する。この当接ピン52aの位置は、テープフレーム1を案内するための目標となる位置であり、当接ピン52aによるテープフレーム1の案内が完了する位置でもある。本発明ではこの位置を案内完了位置と呼ぶ。なお、従来のエンドエフェクタでは、この案内完了位置は、エンドエフェクタ上の所定の位置に配置されたテープフレーム1に対応する公知の当接ピンが、ネジ等の固定手段により固定されていた位置である。
また、第1補正部材50が図面視して時計回り方向に最大角度回動した位置P2にあるとき、第1補正部材50が備える当接ピン52aの位置は、正規の位置に配置されたテープフレーム1のみならず、位置ずれを起こしたテープフレーム1の第1切欠き部8に対しても係合可能な位置である。本発明ではこの位置を案内開始位置と呼ぶ。なお、テープフレーム1の位置ずれが従来のエンドエフェクタでは当接ピン52が第1切欠き部8に係合出来ない大きなものであっても、案内開始位置P2に付勢されている本実施形態の当接ピン52aは第1切欠き部8と係合することが出来る。この図面視して時計回り方向に最大角度回動した案内開始位置P2でテープフレーム1の第1切欠き部8と係合した第1補正部材50aは、エンドエフェクタ17が前進動作することにより、静止状態のテープフレーム1に押されて中心軸C3を回転中心にして反時計回りに回動することで、位置ずれを起こしていたテープフレーム1を正規の位置に案内する。この時、第1補正部材50aは、テープフレーム1の第1切欠き部8と係合した状態で、案内完了位置まで移動する。なお、本実施形態の規制部材59a、59bが規制する第1補正部材50が案内開始位置と案内完了位置との間で揺動動作する動作範囲は、15°の角度に設定されている。
また、第2補正部材51は、対応する第2切欠き部9に当接してテープフレーム1のエンドエフェクタ17に対する相対的な位置を補正する部材で、本実施形態が備える第2補正部材51は、円柱状の形状をしており、ベース板40の所定の位置に、裏面からネジで固定されている。上記説明のとおり、エンドエフェクタ17に移動可能な第1補正部材50aを備えることで、位置ずれをおこしたテープフレーム1と第1補正部材50aとが衝突することなく、第1切欠き部8と係合して、テープフレーム1の位置ずれを補正してエンドエフェクタ17に対する正規の位置に案内することが出来る。もちろん、移動可能な第1補正部材50aの当接ピン52aの位置は、エンドエフェクタ17がテープフレーム1にアクセスする際には、エンドエフェクタ17の案内開始位置に移動している。
図9は、テープフレーム1が従来のエンドエフェクタに対する相対位置が正規位置からずれた場合の、エンドエフェクタに固定された従来の当接ピン52と第1切欠き部8周辺の位置関係を示した図である。図9(a)はテープフレーム1がカセット15の棚板上の正規位置に配置された場合の位置関係を示すものである。ここで、従来の当接ピン52を備える従来のエンドエフェクタが前進すると、第1切欠き部8と当接ピン52は問題なく係合する。図9(b)は棚板上のテープフレーム1が従来のエンドエフェクタに対して図面視して右方向に平行に位置ずれをおこしたものである。この場合、従来の当接ピン52を備える従来のエンドエフェクタが前進すると、当接ピン52は第1切欠き部8の左側にある円弧状の周縁部14に衝突するが、この円弧状の周縁部14は第1切欠き部8に向かって傾斜しているので、従来のエンドエフェクタの前進移動に伴って当接ピン52は第1切欠き部8に向かって相対的に移動して係合する。図9(c)は、棚板上のテープフレーム1が正規の位置から図面視して反時計回りに回転した状態の位置ずれが発生したものである。この場合、エンドエフェクタが前進すると、当接ピン52は第1切欠き部8の右側にある円弧状の周縁部14´に衝突する。この円弧状の周縁部14´は、当接ピン52が前進すると第1切欠き部8から離間する方向に案内するよう傾斜しているので、従来のエンドエフェクタの前進移動に伴って第1切欠き部8は当接ピン52から離れる方向に向かって相対的に移動してしまう。このため、テープフレーム搬送ロボット2はエラーを検知して停止してしまい、製造工程の遅延を招いてしまう。ここで、本実施形態のエンドエフェクタ17が備える当接ピン52aは、エンドエフェクタ17がテープフレーム1にアクセスする動作を行う際には、付勢部材55の作用によって従来の当接ピン52よりも中心軸L2寄りである案内開始位置で待機しているので、こういったテープフレーム1の回転方向のずれに対しても、第1切欠き部8と係合することができる。
次に、カセット15の棚板上で位置ずれしているテープフレーム1を、第1補正部材50と第2補正部材51が正規の位置に案内する動作について説明する。図10はテープフレーム1が本実施形態のエンドエフェクタ17に対して図面視して左方向にX軸と平行に位置ズレした場合の、第1補正部材50の案内動作を示した図である。ここで、位置ずれをおこしているテープフレーム1の中心を通りY軸に平行な中心線L2´が、エンドエフェクタ17の中心線でありY軸に平行な直線L4に対して左方向に位置ずれしている距離をαとしている。図10(a)を参照。目的のテープフレーム1にアクセスするために、制御部28はテープフレーム搬送ロボット2内部の駆動機構とX軸テーブル19を動作させて、エンドエフェクタ17を棚板上に載置されるテープフレーム1の下方であって、予め教示された位置まで移動させる。この位置は、エンドエフェクタ17の上面がテープフレーム1の下面に接触することなく、且つ、第1補正部材50が備える当接ピン52aと第2補正部材51である当接ピン52bとが、テープフレーム1の周縁部に当接する高さ位置である。また、このエンドエフェクタ17の水平面内の位置は、予め制御部28に教示された位置であって、カセット15内の正規の位置に配置されたテープフレーム1の中心を通りY軸に平行な中心線L2と、エンドエフェクタ17のY軸に平行な方向に延在する中心線L4とが一致する位置である。
次に制御部28は、テープフレーム搬送ロボット2のアーム体25を動作させて、エンドエフェクタ17をテープフレーム1に向かってY方向に対して平行に前進移動させる。図10(b)を参照。この時、テープフレーム1はカセット15内の棚板上に載置されていて、エンドエフェクタ17の前進移動によって、エンドエフェクタ17が備える第2補正部材51とテープフレーム1に形成された第2切欠き部9の傾斜した直線12が当接し、テープフレーム1は第2補正部材51に倣って、エンドエフェクタ17に対して位置ずれを打ち消す方向(X軸方向)に棚板上を移動する。この際、テープフレーム1はX軸方向に直線的に移動するか、もしくは、棚板上で微小に回転しながらX軸方向に移動する。また、第1補正部材50は第1切欠き部8と係合して、エンドエフェクタ17の前進移動によって第1切欠き部8の傾斜した直線10に押されるように反時計回りの方向に、規制部材59aに当接するまで回動する。その後、エンドエフェクタ17が予め教示された所定の前進位置まで更に移動することで、棚板上のテープフレーム1は第1補正部材50と第2補正部材51に押され、正規の載置位置まで案内される。図10(c)を参照。また、この時、テープフレーム1に形成された前側の直線部5とエンドエフェクタ17に形成された直線当接部38が当接することにより、Y軸方向について、より正確な位置補正が行われる。
テープフレーム1が正規の位置まで案内されると、エンドエフェクタ17が備える反射光式センサ60の光軸がテープフレーム1に反射して受光部に入光することで、反射光式センサ60の電気信号が制御部28に送信される。信号を受信した制御部28は、テープフレーム1が正規の位置まで案内されたと判断して、テープフレーム搬送ロボット2の昇降部の駆動源を作動させて、旋回部24を予め教示された位置まで上昇移動させる。エンドエフェクタ17はこの旋回部24の上昇移動に連動して上昇移動することで、テープフレーム1を棚板から持ち上げて支持する。旋回部24の予め教示された所定の位置までの上昇移動が完了すると制御部28は、クランプ爪30、31、32を挟持動作させてテープフレーム1をエンドフェクタ17上に固定した後、テープフレーム搬送ロボット2の各駆動機構を動作させて、テープフレーム1を次の目的地に向かって搬送する。
次に、テープフレーム1がカセット15の棚板上で回転方向に位置ずれしている場合の動作について説明する。図11(a)は、図面視して反時計回り方向に位置ズレしたテープフレーム1とエンドエフェクタ17との位置関係を示した図である。図11(a)におけるテープフレーム1は、正規に載置されたテープフレーム1に対して水平面内において反時計回りの方向にβ角度の位置ずれを起こしている。ここで、反時計回り方向に位置ずれをしたテープフレーム1の中心線L2´´は、正規の位置に配置されるテープフレームの中心線L2に対してβ角度傾いている。なお、このテープフレーム1の位置ずれした位置は、従来の固定式当接ピン52では、エンドエフェクタ17がテープフレーム1へアクセスする際にテープフレーム1の周縁部に衝突してしまう位置である。
目的のテープフレーム1にアクセスするために、制御部28はテープフレーム搬送ロボット2内部の駆動機構とX軸テーブル19を動作させて、エンドエフェクタ17を棚板上に載置されたテープフレーム1の下方であって、予め教示された位置まで移動させる。この位置は、エンドエフェクタ17の上面がテープフレーム1の下面に接触することなく、且つ、第1補正部材50が備える当接ピン52aと第2補正部材51である当接ピン52bとが、テープフレーム1の周縁部に当接する高さ位置である。また、このエンドエフェクタ17の水平面内の位置は、予め制御部28に教示された位置であって、正規の位置に配置されたテープフレーム1の中心を通りY軸に平行な中心線L2と、エンドエフェクタ17のY軸に平行な方向に延在する中心線L4とが一致する位置である。図11(a)を参照。
次に制御部28は、テープフレーム搬送ロボット2のアーム体25を動作させて、エンドエフェクタ17をテープフレーム1に向かってY方向に対して平行に前進移動させる。図11(b)を参照。この移動によって、第1補正部材50が備える当接ピン52aとテープフレーム1に形成された第1切欠き部8の傾斜した直線10が当接する。その後、第1補正部材50は、エンドエフェクタ17の前進移動に連動してこのテープフレーム1の傾斜した直線10に倣って、反時計回りに回動し始める。エンドエフェクタ17が前進移動を継続すると、第1補正部材50は第1切欠き部8の2つの直線10、11に挟まれる位置まで傾斜直線10に倣って移動する。
その後、エンドエフェクタ17が予め教示された所定の位置までさらに前進移動することで、棚板上に載置されているテープフレーム1は、第1補正部材50の反時計回り方向への回動と第2補正部材51と当接する傾斜直線12とに倣って、エンドエフェクタ17上の正規の位置まで案内される。図11(c)を参照。また、この時、テープフレーム1に形成された前側の直線部5とエンドエフェクタ17に形成された直線当接部38とが当接する。テープフレーム1はエンドエフェクタ17が予め教示された所定の位置に到達するまで直線当接部38に当接した状態でエンドエフェクタ17に押されることで、Y軸方向に関してより正確な位置補正が行われる。棚板上に載置されるテープフレーム1が正規の位置まで案内されると、エンドエフェクタ17が備える反射光式センサ60の光軸がテープフレーム1に反射して受光部に入光することで、反射光式センサ60の電気信号が制御部28に送信される。信号を受信した制御部28は、前述した手順と同じ手順に沿って、テープフレーム1をエンドエフェクタ17で持ち上げ、次の目的地に向かって搬送する。
前述した第1補正部材50は、スイングアーム53が中心軸C3を回転中心として水平面内を回動することで、スイングアーム53の先端に取り付けられた当接ピン52aが案内開始位置P2と案内完了位置P1との間を円弧状の軌跡に沿って移動する構成となっている。次に、当接ピン52aが案内開始位置P2と案内完了位置P1との間を直線状の軌跡に沿って移動する第2の実施形態について説明する。図13(a)は本発明の第2の実施形態である第1補正部材61を示す断面図であり、図13(b)はその動作範囲を示した上面図である。
テープフレーム1の第1切欠き部8と係合する第1補正部材61は、先端部に第1切欠き部8と係合する当接ピン52aが取り付けられた伸縮アーム62と、内部空間に伸縮アーム62の一部が摺動可能に配置される中空の部材であって、一端に開口が形成されている鞘部材63と、伸縮アーム62を付勢して伸縮アーム62の先端部に取り付けられた当接ピン52aを案内完了位置P1から案内開始位置P2の方向に移動させる付勢部材64とで構成されている。なお、本実施形態の第1補正部材61が備える付勢部材64は公知のコイルバネである。付勢部材64は、無負荷状態の伸縮アーム62を案内開始位置P2に向かって移動させ、また、エンドエフェクタ17の前進移動により当接ピン52aがテープフレーム1の周縁部や第1切欠き部8と当接することにより負荷がかかった際には、伸縮アーム62が案内開始位置P2から案内完了位置P1の方向へと移動する動作を阻害しない程度の付勢力を有している。
鞘部材63は長方形の断面を有する中空の直方体状の部材であり、伸縮アーム62が挿入される側に形成される開口部には、中央部分に比べて壁の厚さ寸法が大きくなるよう内向きの段差が形成されている。この内向きの段差により、鞘部材63の開口部の断面積は、本体中央部分の断面積よりも小さくなっている。また、鞘部材63の開口部と対向する側も、開口部と同様に中央部分に比べて壁の厚さ寸法が大きくなるよう内向きの段差が形成されていて、壁の厚さ寸法の違いにより、底部分の断面積は鞘部材63の中央部分の断面積よりも小さくなっている。鞘部材63の中央部分は両端部の断面積よりも大きな断面積を有する空間63aとなっている。また、鞘部材63の内部空間には付勢部材64である公知のコイルバネが配置されている。
伸縮アーム62は長方形の断面を有する棒状の部材であり、先端部には当接ピン52aが鉛直方向に直立するように取り付けられている。また、伸縮アーム62の基端部62aは、鞘部材63の内部に挿入されていて、本体部分よりも大きな断面となるように外向きの段差が形成されている。伸縮アーム62この大きな断面積を有する基端部62aが、鞘部材63の断面積が比較的大きな中央部分63aの内部空間を進退方向に摺動移動するように配置されている。伸縮アーム62は無負荷状態の際には、付勢部材64に付勢されて前進する方向に移動する。この移動に伴い基端部62aも鞘部材63の空間63aを前進する方向に移動するが、基端部62aの前側の段差と空間63aに形成される前側の段差とが当接することで、伸縮アーム62の前進移動が規制される。この伸縮アーム62が前進移動を規制されて停止する位置が、伸縮アーム62の先端に固定された当接ピン52aの案内開始位置P2と一致するように第1補正部材61は構成されている。また、当接ピン52aがテープフレーム1の周縁部と当接することで、伸縮アーム62も後退移動するが、基端部分62aが中央部分63aの後側の段差と当接することで、伸縮アーム62の後退移動が規制される。この伸縮アーム62が後退移動を規制されて停止する位置が、伸縮アーム62の先端に固定された当接ピン52aの案内完了位置P1と一致するように第1補正部材61は構成されている。
上記構成とすることで、第1補正部材61は、第1の実施形態の第1補正部材50と同様に、位置ずれを起こしたテープフレーム1の第1切欠き部8と係合して、テープフレーム1をエンドエフェクタ17に対する正規の位置まで案内することが出来る。なお、本実施形態が備える付勢部材64はコイルバネを用いているが、これに代えて、例えば空気を付勢力とするエアダンパを用いても良い。また、磁石による反発力を利用しても良い。さらに、スイングアーム53や伸縮アーム62の位置を検出するセンサを備えることで、これらのアームの動作が完了したかどうかを制御部28が検知することが出来る。
上記説明したように、本実施形態のエンドエフェクタ17がアーム体25の動作によって所定の位置まで前進移動することで、位置ずれを起こしているテープフレーム1はカセット15の奥側に向かって押し込まれる。このテープフレーム1のカセット15奥側への移動に伴い、第2補正部材51が第2切欠き部9と当接し、第1補正部材50が第1切欠き部8と係合することで、テープフレーム1は位置ずれを補正する方向に棚板上を移動させられる。上記動作は、テープフレーム1を収納するカセット15の奥側に余裕がある場合に可能である。しかしながら、各工程間でカセット15を運搬する際には、カセット15は、テープフレーム1がカセット15から落下しないように奥側を下にした姿勢で運搬される。この運搬の際、テープフレーム1はカセット15の奥側まで移動してしまうので、エンドエフェクタ17はテープフレーム1をカセット15の奥側に向かって押すことが出来ない。そこで、本発明のエンドエフェクタ17を使って、奥側のスペースに余裕が無いカセット15からテープフレーム1を正規の位置に位置決めしたうえで取り出す方法について、下記に説明する。
まず、制御部28テープフレーム搬送ロボット2の各駆動部とX軸テーブル19を動作させて、エンドエフェクタ17をテープフレーム1にアクセスする位置まで移動させる。次に、制御部28はアーム体25を動作させて、エンドエフェクタ17を所定の位置までY方向に対して平行に前進移動させる。なお、この前進移動は、エンドエフェクタ17のフィンガ部34がテープフレーム1を持ち上げることが出来る程度の移動で良く、エンドエフェクタ17上の第1補正部材50及び第2補正部材51がテープフレーム1の周縁部に当接する必要はない。図12(a)を参照。このエンドエフェクタ17の前進移動完了後に、制御部28は昇降部を上昇動作させて、棚板上に載置されているテープフレーム1をエンドエフェクタ17で持ち上げて支持する。図12(b)を参照。次に、制御部28はアーム体25を動作させて、エンドエフェクタ17を所定の位置まで後退移動させた後、昇降部を下降動作させて、エンドエフェクタ17を棚板よりも下方となるように下降移動させる。この下降動作により、エンドエフェクタ17上に保持されていたテープフレーム1はカセット15の棚板上に載置される。図12(c)(d)を参照。ここで、エンドエフェクタ17の下降する位置は、当初の載置位置よりもテープフレーム搬送ロボット2側に移動することとなり、テープフレーム1の後側の直線部6とカセット15の後側の壁面との間にも大きなスペースが出来る。
テープフレーム1の棚板上への載置が完了すると、制御部28は再度アーム体25を動作させて、エンドエフェクタ17を予め教示された所定の位置まで前進移動させる。このエンドエフェクタ17の前進移動によって、テープフレーム1は、第1補正部材50と第2補正部材51に倣って、エンドエフェクタ17に対する正規の相対位置まで案内される。この案内される際に、テープフレーム1は先ほど出来たスペース内をカセット15の後方に向かって移動する。テープフレーム1が正規の位置まで案内されると、エンドエフェクタ17が備える反射光式センサ60の光軸がテープフレーム1に反射して受光部に入光することで、反射光式センサ60の電気信号が制御部28に送信される。信号を受信した制御部28は、前述した手順と同じ手順に沿って、テープフレーム1をエンドエフェクタ17で持ち上げ、次の目的地に向かって搬送する。
上記説明のとおり、テープフレーム搬送ロボット2はカセット15の奥まったところに配置されていたテープフレーム1を、一旦カセット15の前方、すなわちテープフレーム搬送ロボット2に接近する方向に配置し直したうえで、再度テープフレーム1にアクセスする。こうすることで、テープフレーム1の位置ずれを補正するために必要なエンドエフェクタ17の直進移動のためのスペースを確保することが出来る。なお、この方法はカセット15内に収納されたテープフレーム1に限らず、奥行き方向に余裕の無い処理装置内に載置されるテープフレーム1に対しても適用できる。なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。

Claims (7)

  1. テープフレームを所定の相対位置に補正して支持するエンドエフェクタであって、
    前記テープフレームを下方から支持するフィンガ部と、
    案内開始位置と案内完了位置との間を移動して、前記テープフレームの所定の位置に形成された位置決めのための切欠き部に係合して、前記テープフレームの前記エンドエフェクタに対する前記相対位置へと案内する補正部材と、
    前記補正部材を案内開始位置に付勢する付勢部材と、
    を備えることを特徴とするエンドエフェクタ。
  2. 前記案内開始位置は案内完了位置よりも前記エンドエフェクタの中心線側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクタ。
  3. 前記補正部材は基端部を前記エンドエフェクタに揺動可能に取り付けられていて、
    前記付勢部材はねじりバネであることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のエンドエフェクタ。
  4. 前記テープフレームに形成された直線部と当接して、前記テープフレームの位置補正を行う直線当接部を更に備えることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
  5. 前記テープフレームを固定する挟持部を更に備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
  6. 前記テープフレームが所定の位置に位置決めされたことを検知するセンサを更に備えることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のエンドエフェクタをアーム体の先端部に備えることを特徴とするテープフレーム搬送ロボット。
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