JP4117767B2 - ウエハーの取り扱い装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハーの取り扱い装置に関し、例えば、個々の半導体チップにダイシングされた半導体ウエハーを取り扱って、半導体チップを回路基板に実装するのに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハー取り扱い装置は、本発明の実施の形態を示す図1を参照して、担持体1上に担持されたウエハー2を、その担持体1の支持リング1aの1カ所でハンドリングして取り扱い、ボールねじ4などで直進駆動されてマガジン3への収納位置から位置規正ピン5がある規正位置まで引き出し、また引き出し位置からマガジン3内に押し戻して収納するウエハー取り扱い手段6を備え、このウエハー取り扱い手段6は前記ハンドリングのためにマガジン3の側に向いたハンドラー7を有している。このハンドラー7は担持体1を上下一対のチャック片8、8によってチャッキングする方式で前記ハンドリングを行う。
【0003】
前記規正位置へ引き出したウエハー2の位置規正ピン5による位置決めによって、担持体1の支持リング1aがその内側に支持しているダイシングシート1b上の半導体ウエハー2がダイシングによって個々の半導体チップ2aとされているのを、予め規定された座標軸に従って位置認識されるように供給することができ、部品を回路基板に自動的に実装する部品実装装置などでの自動的な取り扱いに必要な位置精度を持って供せる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近時、ウエハー2が4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、300mmと大型化していくなかで、位置規正ピン5による位置決め不良や引き出し不能といった問題が発生しやすくなっている。本発明者等がこれにつき種々に実験をし検討を重ねたところ、ウエハー2が大型化するほど取り扱い時の負荷が増大するので、ハンドラー7のチャッキング力をウエハー2の大きさに対応して設定し取り扱い負荷に対応しているが、チャッキング力が強すぎると、ウエハー2が傾きをもって図9(b)に破線で示すように位置規正ピン5に近づき、例えば図9(b)に実線で示すように一方の位置規正ピン5にVカット部1cが当接しても、ウエハー2はチャッキングされているハンドラー7に対して姿勢を自由に変えられず直線縁1cが他方の位置規正ピン5に当接しないままとなって、2つの位置規正ピン5に倣い切れないことがある。つまり、位置決め不良になることがある。
【0005】
そこで、チャッキング力を低く設定すると、図10に矢印で示す方向にハンドラー7が偏り、ウエハー2の偏った位置をハンドリングして引き出すことがあると、規正位置に到達するまでにウエハー2が取り扱い負荷の偏りによって傾き、図9(b)に示すような2つの位置規正ピン5に対する片当たりを生じ、ウエハー2がハンドラー7に対して姿勢を変えて2つの位置規正ピン5に倣う前に、ハンドラー7がウエハー2から外れてしまい、位置決めし切れないことがある。また、図11に示すようにハンドラー7に偏りがなくても、ウエハー2とマガジン3との間の遊びのためにウエハー2が傾いていると、これをハンドリングして引き出すのにウエハー2がマガジンに接触してこじれ、引き出し抵抗が増大することによってハンドラー7がウエハー2から外れ、引き出し不能になることがある。
【0006】
本発明の目的は、ウエハーを確実に引き出し位置規正できるウエハーの取り扱い装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明のウエハーの取り扱い装置は、担持体上に担持されたウエハーを、その担持体の周辺1カ所でハンドリングして取り扱い、直進によりマガジンへの収納位置から2つの位置規正ピンにウエハーを倣わせて位置規正を行う規正位置まで引き出すウエハー取り扱い手段を備えたウエハーの取り扱い装置において、ウエハー取り扱い手段は、ウエハーを担持する担持体をハンドリングし一方向に直進可能で、かつ支持部を有し、ほぼV型のV型面を形成した押動子を設けたハンドラーと、このハンドラーを先端部に有し、かつ前記直進方向に対してウエハーを担持する担持体の面に平行でかつ直角方向に前記支持部が移動可能で、かつローラを設けたスライド台を有した腕部と、前記スライド台と前記ハンドラーとの間に設けられ、前記ハンドラーが担持体上に担持されたウエハーをハンドリングして規正位置に引き出し時、ウエハーを担持する担持体に傾きがあって規正位置にある前記一方の位置規正ピンにウエハーが片当たりした場合、ウエハーを担持する担持体の前記片当たり点を支点とし、片当たり点からハンドラーのウエハーハンドリング位置までを腕の長さとした引き出し力によるウエハーを担持する担持体へのモーメントを受けて他方の位置規正ピンに倣おうとするのを、前記ハンドラーの引き出し方向への移動に併せ、前記ハンドラーの支持部が前記腕部のスライド台により、片当たり点から離れる方向に前記ハンドラーの支持部の移動成分を吸収させて、かつウエハーを担持する担持体の面に平行で、引き出し方向である直進方向に対して直角方向に移動可能なよう前記スライド台のローラに前記ハンドラー側に設けた押動子のV型面を定位置から押しつけ、ローラにV型面の底部が対向する原点位置にハンドラー7が復動するように付勢して設けられた付勢手段と、前記腕部を一方向に移動可能に支持する移動台と、この移動台に支持された前記腕部をマガジンへの収納位置から規正位置迄の方向に往復駆動する駆動部とからなる。
【0008】
このような構成では、ハンドラーがウエハーをハンドリングして直進し規正位置まで引き出すのに、ウエハーに傾きがあって規正位置にある位置規正部材にウエハーが片当たりしたとき、ウエハーはその片当たり点を支点とし、片当たり点からハンドリング位置までを腕の長さとした、引き出し力によるモーメントを受けて位置規正部材に倣おうとするのを、ハンドラーは付勢手段の付勢に抗した前記直進方向に対する直角方向の成分をもつ原点位置からの移動によってウエハーとの僅かな相対移動量にて許容し、規正位置まで引き出すウエハーを位置規正部材に正しく倣わせられる。また、引き出し時にウエハーが傾きのためにマガジンに接触するようなとき、ウエハーにマガジンとの接触位置を支点とし、接触位置とハンドラーによるハンドリング位置との間を腕の長さとした、接触抵抗と引き出し力とによるモーメントが働くときも、ハンドラーは付勢手段の付勢に抗した前記直進方向に対する直角方向の成分をもつ原点位置からの移動を伴い、ウエハーの接触抵抗を回避する側への移動を僅かな相対移動にて許容するので、接触抵抗の増大やこじれ、これらによる担持体を含むウエハーの損傷を回避することもできる。
【0009】
したがって、ウエハーとの相対移動が僅かになる分だけハンドラーのウエハーに対するハンドリング力を大きくできることも相まって、ウエハーを確実に引き出し、確実に位置決めできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るウエハーの取り扱い装置について、図1〜図11を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0018】
本実施の形態は図6に示すような部品実装装置11において、既述した図1に示す担持体1を含むウエハー2を取り扱ってダイシングされた半導体チップ2aを回路基板への実装のために供給する場合の一例である。担持体1は金属製のリング1aによってダイシングシート1bを保持し、ダイシングシート1b上にウエハー2を担持している。ウエハー2は個々の半導体チップ2aにダイシング加工されており、ウエハー取り扱い手段6によって位置規正ピン5が位置する規正位置に引き出し位置決めした状態で、ダイシングシート1bをエキスパンドして個々の半導体チップ2aどうしの間隔を広げ、1つずつピックアップされやすくする。しかし、担持体1の構造やウエハー2の担持方式、位置規正方式、引き出し目的はこれに限られることはない。
【0019】
図1に示すウエハー取り扱い装置は、担持体1上に担持されたウエハー2を、その担持体1の周辺1カ所でハンドリングして取り扱い、矢印10で示すY方向の直進により少なくともマガジン3への収納位置から位置規正ピン5が位置する規正位置まで引き出すウエハー取り扱い手段6を備えている。このウエハー取り扱い手段6は前記YY方向に直交する腕12を有し、この腕12の基部がX方向の移動台13に支持され、モータ14で回転駆動されるボールねじ4によってY方向に往復駆動するようにしている。しかし、Y方向の支持方式、駆動方式もこれに限定されず、可能などのような方式を採用してもよい。
【0020】
腕12の先端部にウエハー2をハンドリングして取り扱うためのハンドラー7を有している。ハンドラー7は一例として上下一対のチャック片8、8を開閉駆動部15を持ったものとし、チャック片8、8がマガジン3の側に向き、ウエハー2のリング1aを図3に仮想線で示すように進入させた状態で閉じられることによりチャッキング式にハンドリングする。ハンドラー7は特に、ユニットに構成しウエハー取り扱い手段6上で、本例では腕12上で、前記直進方向、つまりY方向に対して直角な矢印16で示すX方向成分をもって移動できる図2〜図5に示す例のような支持部17を有し、図2に実線で示す原点位置へ復動させる付勢手段18を働かせてある。開閉駆動部15は電動式、電磁式、エアーやオイルなどの流体によるものなど種々なものを採用することができる。
【0021】
図1〜図5に示す例の支持部17は、図2〜図5に示すように腕12にボルト21によって取り付けるなどして設けたスライド台22のガイド23によってX方向に移動できるように支持されている。ガイド23はスライド台22にボルト24によって取り付けられ摩耗すると交換できる。ガイド23はハンドラー7をX方向に案内するためにハンドラー7側にボルト26aにより取り付けたシュー26と嵌まり合っている。
【0022】
付勢手段18は、スライド台22に設けたボールベアリングなどよりなるローラ27にハンドラー7側に設けた押動子28の図2に示すようなほぼV型のV型面28aをばね29により定位置から押しつけ、ローラ27にV型面28aの底部が対向する図2に実線で示す原点位置にハンドラー7が復動するように付勢する。
【0023】
このように設けられたハンドラー7がウエハー2をチャック方式にハンドリングして直進し規正位置まで引き出すのに、ウエハー2に傾きがあって規正位置にある位置規正ピン5、5にウエハー2が図9(c)に示す1点鎖線で示すように近づき、仮想線で示すように従来同様にウエハー2の先行している右側がそれに対応する右側の位置規正ピン5に片当たりする。しかし、本例ではこのとき、ウエハー2が前記片当たり点、本例では右側の位置規正ピン5の位置を支点とし、片当たり点から、従って位置規正ピン5から矢印31を施したハンドリング位置までを腕の長さとした、引き出し力による矢印31方向へのモーメントを受けて左側の位置規正ピン5にも倣おうとするのを、ハンドラー7が引き出し方向への移動に併せ、図2に仮想線で示すように押動子28をばね29の付勢に抗してローラ27によりV型面28aを介し押し退けられながら原点位置からX方向に移動することによってX方向の移動成分を吸収する。これにより、ハンドラー7はウエハー2の矢印31で示す動きを僅かな相対移動量によって許容して無理なく応動するので、比較的大きなハンドリング力に設定しても規正位置まで引き出すウエハー2を位置規正ピン5、5などの位置規正部材に図9(c)に実線で示すように正しく倣わせ、図9(a)に示す最終的な位置決めができる。
【0024】
また、引き出し時にウエハー2が傾きのためにマガジン3に図11に示すように接触するようなとき、ウエハー2にマガジン3との接触位置を支点とし、接触位置とハンドラー7によるハンドリング位置との間を腕の長さとした、接触抵抗と引き出し力とによるモーメントが働くときも、ハンドラー7は付勢手段18の付勢に抗した前記直進方向に対する直角方向の成分をもつ原点位置からの移動を伴い、ウエハー2の接触抵抗を回避する側への移動を僅かな相対移動にて許容するので、接触抵抗の増大やこじれ、これらによる担持体1を含むウエハー2の損傷を回避することもできる。
【0025】
したがって、ハンドラー7とウエハー2との相対移動が僅かになる分だけハンドラー7のウエハー2に対するハンドリング力を大きくできることも相まって、ウエハー2を確実に引き出し、確実に位置決めできる。1つの例を示すと、担持体1を含む12インチのウエハー2が616g程度であるのに対し、ハンドリング力は2kgf(4kg/cm2圧力時)程度に設定して好適であった。
【0026】
位置決め後ハンドリングが解除されるとハンドラー7は、ウエハー2との関係を断たれてフリーになるので、押動子28がばね29によりV型面28aのX方向に移動した側と反対の側の斜面だけでローラ27に圧接して生じている反移動側への移動分力によって、V型面28aの両側面がローラ27に圧接する原点位置に自動的に復動し安定する。本例では、ハンドラー7はこの原点位置に対して左右両側に移動することができ、つまり、ハンドラー7の原点位置がその移動範囲のほぼ中央位置にあるため、ウエハー2の傾きが前記直進方向に対する左右のどちらであるかにより、マガジン3との接触や位置規正ピン5、5などの位置規正部材との片当たりが左右のどちらで生じるときにも同様に対応することができる。しかし、X方向の移動は左右の一方側だけ行うようにしても、移動できる方向に対応した側の傾きに対応することができ、トラブルが半減するし、マガジン3やウエハー取り扱い装置などの癖によって傾きが片側に決まっているような場合に有効である。
【0027】
ここに、ハンドラー7のX方向の移動は本例の直線方向に限られることはなく、1つの軸まわりの回動などであっても対応することができる。
【0028】
本例では、また、ハンドラー7が前記直進方向、つまりY方向にも移動できる支持部32を有し、マガジン3側に復動するように付勢手段33を働かせてある。支持部32は前記シュー26を持った第1スライダ34にボルト35によって取り付けたガイド36と、このガイド36に嵌まり合ってY方向に案内されるシュー37をボルト37aで取り付けて持った第2スライダ38とを組み合わせ、この第2スライダ38にハンドラー7を搭載してある。付勢手段33は第1スライダ34と第2スライダ38の後部との間に圧縮ばね39を働かせたものとしてある。圧縮ばね39は第1スライダ34側ではピン41により、第2スライダ38側では凹部42によって保持している。第2スライダ38は付勢手段33の付勢によって第1スライダ34のストッパー43に当接させてマガジン3側への進出位置を規制し、これによって、ハンドラー7をウエハー取り扱い手段6上でのウエハー2に対するハンドリング位置に安定させる。
【0029】
これにより、ウエハー取り扱い手段6がマガジン3内のウエハー2の引き出しのために近づいていったときに、ハンドラー7とウエハー2との高さが合わず万一突き当たっても、ウエハー取り扱い手段6のそれ以上の進出に対しハンドラー7は、ウエハー取り扱い手段6上で付勢手段33に抗してマガジン3とは反対の側に後退し、担持体1を含むウエハー2とハンドラー7とが干渉し合って損傷するようなことを防止することができ、マガジン3の収納効率を高めるために、ウエハー2の厚みに対応した最小の収納ピッチに設定するような場合に特に有効である。
【0030】
本例の支持部17、32、付勢手段18、33のそれぞれは1つの例を示すものであって、これらに限られることはなく、可能な種々な構造、方式を採用することができる。なお、図2に示すように第1スライダ34には第2スライダ38との間の相対移動を光学的、磁気的なセンサー30などにより検知してハンドラー7の横移動量を計測し、過剰であるときは装置を停止するようにしている。また、第2スライダ38の後退位置は第1スライダ34上のストッパー40によって規制するようにしてある。さらに、ハンドラー7にはそれがハンドリングしたウエハー2の有無を光学的、磁気的なセンサー20などによって検出してウエハー2の有無に対応した動作制御を行えるようにしてある。
【0031】
ここで、本例のウエハー取り扱い装置50を採用した図6に示す部品実装装置11につき説明すると、半導体チップ2aなどの部品を所定位置に供給する部品供給部51、前記金属接合によって部品を実装する回路基板などの実装対象物を支持し加熱しながら部品実装位置に持ち運んで前記接合による部品実装に供する実装ステージ52を含み、部品実装後の回路基板を他へ移す実装対象物取り扱い手段53、所定位置に供給される半導体チップ2aを2つの実装ヘッド55、56のボイスコイルモータに連結した部品保持ツールの1例としての吸着ノズル54にてピックアップして取り扱い部品実装位置に位置決めされている回路基板に双方の金属接合部どうしが対向するように位置合わせして実装に供する部品取り扱い手段57、吸着ノズル54を通じてこれが保持している部品に前記金属接合のための超音波振動を与えるホーンを利用した超音波振動手段58、部品実装装置11の動作を制御する制御手段59を備えている。
【0032】
これにより、部品供給部51が所定位置に供給する半導体チップ2aを、部品取り扱い手段57がそれの実装ヘッド55、56に有した吸着ノズル54によってピックアップして持ち運び、実装対象物取り扱い手段53の実装ステージ52によって加熱状態で支持して実装位置に供給し位置決めしている回路基板との金属接合部どうしを対向させ、超音波振動手段58および実装ヘッド55、56の吸着ノズル54によって金属接合部どうしを摩擦接合させて半導体チップ2aを回路基板に自動的に実装することを高速に繰り返し行なうことができる。
【0033】
部品供給部51は前記ウエハー取り扱い装置50を有し、ウエハー2を収容したマガジン3を載置して昇降させるリフタ61を部品供給源とし、このリフタ61によって所定高さに位置決めされた収納段につき、ウエハー取り扱い手段6のハンドラー7によってウエハー2をハンドリングしてエキスパンド台62にある前記位置規正ピン5、5による規制位置まで引き出し位置決めし、部品供給後、残りのウエハー2ないし空の担持体1をマガジン3内に押し戻すことを繰り返す。
【0034】
エキスパンド台62は前記引き出してくるウエハー2を受け入れて位置決めする位置決め位置と半導体チップ2aを供給するために部品のピックアップに供するピックアップ位置との間でX方向に移動でき、ピックアップ位置では受け入れたウエハー2のダイシングシート1bをエキスパンドするとともに、単独で、あるいは半導体チップ2aを吸着ノズル63などでピックアップして下向きを上向きに反転して所定の部品供給位置に持ち運ぶピックアップ手段64とにより、互いが直交するXY2方向に相対移動するようにして、どの位置の半導体チップ2aをもピックアップに供せるようにする。このとき、ウエハー2がエキスパンド台62上で正確に位置決めされていることにより、部品実装装置11において予め設定されているピックアップ位置を原点とした座標軸から必要な半導体チップ2aの位置を指定して間違いなく、また位置に偏りなく確実にピックアップされるようにすることができる。なお、このピックアップ位置には図示しないがピックアップ位置にある半導体チップ2aをダイシングシート1bの下方から突き上げてピックアップされやすくする突き上げ棒が設けられている。
【0035】
部品取り扱い手段57はX方向に移動する2つの実装ヘッド55、56によって、ピックアップ手段64によって供給される半導体チップ2aを種類別にピックアップして実装位置に持ち運び、実装ステージ52上の回路基板への実装を行う。
【0036】
実装対象物取り扱い手段53は、回路基板のローディング部65とアンローディング部67との間に前記実装ステージ52を有している。この実装ステージ52はY方向に移動でき、ローディング部65から搬入した回路基板を実装位置まで持ち運んで前記部品実装ヘッド55または56による加熱を伴う部品実装に供し、半導体チップ2aの所定の実装を終えた時点で基の位置に復帰し、部品実装後の回路基板をアンローディング部67に搬出し先へ搬送されるようにする。
【0037】
図7に模式的に示す例はハンドラー7が、前記X方向の直線移動に代えて、1つの軸71のまわりに前記直進するX方向に対しY方向の左右両側に回動できるようにした具体例である。ハンドラー7は軸71により第1スライダ34の上に直接回転できるように支持し、基部を第1スライダ34上でピン74や溝にて左右の振れ止めをして支持した線状や板状の直状ばね72の先端部を軸71に直径線方向に通しなどして回り止め連結して付勢手段70としてある。これにより、ハンドラー7はウエハー2の傾きによるマガジンとの接触や位置規正部材への片当たりに対応して、矢印73で示すように左右どちらの側にも直状ばね72をチャージしながら回動して対応して、ウエハー2のマガジンとの接触を解消する方向や位置規正部材への倣い方向への動きに対し、Y方向の直進と、軸71回りの回動とによって、図1〜図5に示す例の場合よりも回動する分だけウエハー2との相対移動量をさらに小さくして応動でき、ハンドリング力をさらに強めてもよくなる。ハンドリングが解除されたとき直状ばね72の復元力により中立位置に復動される。
【0038】
本例では先の例の第2スライダが省略できるが、Y方向の支持部32は必要である。付勢手段70は1つの蔓巻ばねや両側から2つのばねを反対方向に働かせるなどどのようなものを採用してもよい。
【0039】
図8に模式的に示す例は、直線移動や1つの軸まわりの回動に代えた別の回動方式によるもので、X方向に対し直角な左右の一方側および他方側への偏心位置にて回動できる2つの支持部81、82を有し、それぞれの前記偏心状態となる図に示す原点位置に復動するよう付勢手段83、84を働かせてある。より具体的には、支持部81はハンドラー7の左側の偏心位置に軸85により回転できるように支持された回動支持部86を有し、支持部82はハンドラー7をその右側の偏心位置に軸87によって回動支持部86上に回動できるように支持してある。付勢手段83は軸85回りに装着した蔓巻ばね88を、回動支持部86が腕12上のストッパー89に当接する原点位置に復動するよう腕12との間に働かせ、付勢手段84は軸87まわりに装着した蔓巻ばね91を、ハンドラー7が回動支持部86上のストッパー92に当接する原点位置に復動するように回動支持部86との間に働かせてある。
【0040】
本例では、ウエハー2の傾き向きによる左右どちら側のマガジンとの接触、位置規正部材との片当たりに対しても、ハンドラー7の前記2つの支持部81、82によるどちらかの、付勢手段83または付勢手段84に抗した矢印73で示した方向の一方側への回動によって図7の例の場合と同様に対応することができる。しかも、ウエハー2との突き当たり時にも前記両偏心位置に回動力が生じるので、ハンドラー7はウエハー取り扱い手段6の腕12上で後退する動作をしてウエハー2との突き当たりによる干渉をも防止することができる。従って、Y方向に移動するための特別な支持部は省略することができる。
【0041】
なお、本実施の形態は、図1〜図8を参照して、担持体1上に担持されたウエハー2を、その担持体1の周辺1カ所でハンドラー7によりハンドリングして取り扱い、直進により少なくともマガジン3への収納位置から位置規正ピン5などの位置規正部材のある規正位置まで引き出すのに、ハンドラー7が前記直進方向に対する直角な左右両側に変位できるように弾性的に支持した状態で、前記ウエハー2の引き出しを行うウエハー2の取り扱い方法をも提供するものであり、前記した各例の装置を利用して、または、他のものを利用して実現して、確実に引き出し位置決めするという同様な作用を奏することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ハンドラーがウエハーをハンドリングして直進し規正位置まで引き出すのに、ウエハーに傾きがあって規正位置にある位置規正部材にウエハーが片当たりしたとき、ウエハーはその片当たり点を支点とし、片当たり点からハンドリング位置までを腕の長さとした、引き出し力によるモーメントを受けて位置規正部材に倣おうとするのを、ハンドラーは付勢手段の付勢に抗した前記直進方向に対する直角方向の成分をもつ原点位置からの移動によってウエハーとの僅かな相対移動量にて許容し、規正位置まで引き出すウエハーを位置規正部材に正しく倣わせられる。また、引き出し時にウエハーが傾きのためにマガジンに接触するようなとき、ウエハーにマガジンとの接触位置を支点とし、接触位置とハンドラーによるハンドリング位置との間を腕の長さとした、接触抵抗と引き出し力とによるモーメントが働くときも、ハンドラーは付勢手段の付勢に抗した前記直進方向に対する直角方向の成分をもつ原点位置からの移動を伴い、ウエハーの接触抵抗を回避する側への移動を僅かな相対移動にて許容するので、接触抵抗の増大やこじれ、これらによる担持体を含むウエハーの損傷を回避することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るウエハーの取り扱い装置を示す斜視図である。
【図2】図1の装置におけるウエハー取り扱い手段のハンドラー部を示す平面図である。
【図3】図2のハンドラーを手前側から見た側面図である。
【図4】図2のハンドラーを右側から見た背面図である。
【図5】図2のハンドラーを左側から見た正面図である。
【図6】図1の装置を採用した部品実装装置の斜視図である。
【図7】ウエハー取り扱い手段の別の例を示すハンドラー部の平面図である。
【図8】ウエハー取り扱い手段の今1つの例を示すハンドラー部の平面図である。
【図9】ウエハーの規制位置での位置決め状態を示し、その(a)は最終位置決め状態、その(b)は従来の位置決め不良状態、その(c)は本実施の形態での位置決めの進行状態である。
【図10】ウエハーの偏った位置をハンドリングして引き出す場合の状態図である。
【図11】傾いたウエハーをハンドリングして引き出す場合の状態図である。
【符号の説明】
1 担持体
2 ウエハー
2a 半導体チップ
3 マガジン
4 ボールねじ
5 位置規正ピン
6 ウエハー取り扱い手段
7 ハンドラー
8 チャック片
11 部品実装装置
12 腕
13 移動台
14 モータ
15 開閉駆動部
17、32、81、82 支持部
18、33、70、83、84 付勢手段
71、85、87 軸
86 回動支持部
Claims (1)
- 担持体上に担持されたウエハーを、その担持体の周辺1カ所でハンドリングして取り扱い、直進によりマガジンへの収納位置から2つの位置規正ピンにウエハーを倣わせて位置規正を行う規正位置まで引き出すウエハー取り扱い手段を備えたウエハーの取り扱い装置において、
ウエハー取り扱い手段は、ウエハーを担持する担持体をハンドリングし一方向に直進可能で、かつ支持部を有し、ほぼV型のV型面を形成した押動子を設けたハンドラーと、このハンドラーを先端部に有し、かつ前記直進方向に対してウエハーを担持する担持体の面に平行でかつ直角方向に前記支持部が移動可能で、かつローラを設けたスライド台を有した腕部と、前記スライド台と前記ハンドラーとの間に設けられ、前記ハンドラーが担持体上に担持されたウエハーをハンドリングして規正位置に引き出し時、ウエハーを担持する担持体に傾きがあって規正位置にある前記一方の位置規正ピンにウエハーが片当たりした場合、ウエハーを担持する担持体の前記片当たり点を支点とし、片当たり点からハンドラーのウエハーハンドリング位置までを腕の長さとした引き出し力によるウエハーを担持する担持体へのモーメントを受けて他方の位置規正ピンに倣おうとするのを、前記ハンドラーの引き出し方向への移動に併せ、前記ハンドラーの支持部が前記腕部のスライド台により、片当たり点から離れる方向に前記ハンドラーの支持部の移動成分を吸収させて、かつウエハーを担持する担持体の面に平行で、引き出し方向である直進方向に対して直角方向に移動可能なよう前記スライド台のローラに前記ハンドラー側に設けた押動子のV型面を定位置から押しつけ、ローラにV型面の底部が対向する原点位置にハンドラー7が復動するように付勢して設けられた付勢手段と、前記腕部を一方向に移動可能に支持する移動台と、この移動台に支持された前記腕部をマガジンへの収納位置から規正位置迄の方向に往復駆動する駆動部とからなるウエハーの取り扱い装置。
Priority Applications (1)
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