JP4534886B2 - 処理システム - Google Patents
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Description
例えば上記基板に所定の処理を施す装置として、複数の処理チャンバと、これらの各チャンバを共通に連結した共通搬送室とを有し、この共通搬送室内に設けた基板搬送機構により、各処理チャンバ間に基板を搬入搬出させるようにした処理システムが知られている。そして、この共通搬送室の天井部、或いは底部には、上記各処理チャンバの入口付近に対応させてピック上に基板を支持しているか否かを検知する基板存否検出用の光学センサを設けており、基板がピック上に存在すること、或いは存在しないことを確認して、例えば処理チャンバとの間を仕切るゲートバルブの開閉を行うようになっている。
この場合、上述したような光検出センサを用いた位置ずれ検出機構は、基板搬送機構の基軸となる旋回軸は、常に一定の場所に位置して、固定されていることを前提としているため、例えば上記スライダ機構が、この動力源や基板搬送機構の動力源の発する熱により熱伸縮してその長さが僅かに変動した場合には、基板搬送機構の停止位置が予め設定した位置とは異なってしまうことも発生してしまう。このような場合は、基板搬送機構の基軸となる旋回軸が水平方向に僅かな距離だけずれた状態となり、これに起因して基板を処理チャンバ内に精度良く載置乃至移載することができなくなる、といった問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、基板搬送機構を水平移動させるスライダ機構等の熱変位による影響を抑制して、基板の位置ずれ量を少なくし、もって基板の搬送精度を高めることが可能な処理システムを提供することにある。
また例えば請求項3に規定するように、前記駆動源は、駆動により発熱する電動機よりなる。
また例えば請求項5に規定するように、前記記憶部に記憶されている熱位置ずれ量は、前記基板を複数枚搬送する毎、または所定の時間毎に更新される。
また例えば請求項6に規定するように、前記共通搬送室は真空雰囲気になされており、前記共通搬送室には真空引き及び大気圧復帰が可能になされたロードロック室が連結されている。
また例えば請求項7に規定するように、前記ロードロック室には、前記基板を搬出入するためのローダ室が連結されていると共に、前記ローダ室には他の基板搬送機構が設けられる。
図1は本発明に係る基板搬送機構を用いた処理システムを示す概略構成図、図2は基板搬送機構と位置ずれ検出ユニットの関係を示す模式図、図3は位置ずれ検出ユニットの一例を示す図、図4はスライダ機構を示す概略斜視図、図5はスライダ機構のボールネジに起因する熱伸縮の影響を説明する説明図である。
搬送ステージ22には、その中心部を長さ方向に沿って延びる案内レール28が設けられており、この案内レール28に上記第2の基板搬送機構20がスライド移動可能に支持されている。この案内レール28には、移動機構として例えばボールネジ(図示せず)が並設されており、このボールネジに上記第2の基板搬送機構20の基部が嵌装されており、このボールネジの端部に設けた駆動モータ32を回転駆動することにより、第2の基板搬送機構20は案内レール28に沿って移動することになる。
上記各位置ずれ検出ユニット64、66は、それぞれ同じ構成になっており、例えば基板Wの円形軌跡に沿って所定間隔ずつ隔てて配置された3つの発光素子74Aと、これらに対応させて設けたラインセンサのような受光素子74Bとよりなり、基板Wのエッジを検出してその位置ずれ量を測定できるようになっている。尚、図3においては、発光素子74Aと受光素子74Bは共に2つ記す。これらの位置ずれ検出ユニット64、66としては、例えば特開平10−223732号公報等に開示されているようなセンサ機構を用いることができるが、これに限定されないのは勿論である。
またこのユニット制御部76は、上記基準検出値と他方の位置ずれ検出ユニット66の検出値との差を熱位置ずれ量として必要に応じて記憶する記憶部78を有している。尚、このユニット制御部76は、先の装置制御部46の支配下で動作する。
まず実際に基板の搬送動作を開始する前に第1及び第2の基板搬送機構16、20の動作の基準となる基準位置(停止位置)、すなわち動作の起点及び動作の終点の各座標をティーチング操作により教え込む。具体的には、第1の基板搬送機構16を例にとると、この第1の基板搬送機構16の各ピック62に基板をマニュアル等によって高い位置精度で適正に載置し、各位置ずれ検出ユニット64、66の発光素子74A及び受光素子74Bが設けられている各停止位置68A、68B(図1参照)における座標を停止基準位置として設定する。これにより、搬送アーム部60のピック62はこの停止基準位置に正確に停止したり、この停止基準位置を起点として動作が開始する。他方の第2の基板搬送機構20に対しても、上記第1の基板搬送機構16と同様に、各停止基準位置を設定しておく。
まず、図1に示すように、カセットステージ18の容器載置台24上に載置されたカセット容器26A〜26Dから、第2の基板搬送機構20のいずれか一方の搬送アーム部80を用いて基板Wを取り出し、この基板Wを搬送ステージ22の端部に設けた位置決め機構であるオリエンタ36へ搬送する。このオリエンタ36では、上記基板Wの中心の位置ずれ量、ノッチやオリエンテーションフラットの方向を検出し、上記搬送アーム部80で上記基板Wを再度保持する際に、上記位置ずれ量を補正するようにし、またノッチやオリエンテーションフラットを所定の方向に方向付けするようにして基板Wを再度保持する。
このロードロック室38Aの基板Wは、共通搬送室8内に設けた第1の基板搬送機構16のいずれか一方の搬送アーム部60を旋回及び屈伸させることによって共通搬送室8内へ取り込まれ、その後、6つの処理チャンバ12A〜12Fの内の所定の処理チャンバへ搬入されて所定の処理が施される。
この基板Wは、所定の単数、或いは他の処理チャンバにて複数の処理が順次行われた後に、前記したとは逆の経路を辿り、ロードロック室を介してカセット容器内へ収容されて元に戻されることになる。
まず、本発明で重要な点は、スライダ機構50のボールネジ56を主とする基板搬送系の各部が、この処理システム2に設けられている各種の駆動源、例えば第1の基板搬送機構16の屈伸用モータ72Aや旋回用モータ72B、或いはスライダ機構50の駆動源58等からの発熱によって熱変位を受けるが、この熱変位が基板の搬送精度に悪影響を与えることを抑制する点にある。
まず、オリエンタ36にて方向付けされた後に基板Wは、一方のロードロック室、例えばロードロック室38A内に搬入して載置されており、この基板Wを第1の停止位置68Aに位置されている第1の基板搬送機構16のピック62で受け取る(S1)。
次に、基準用の位置ずれ検出ユニット64によりこのピック62に保持されている基板Wの位置座標(X0、Y0)を測定して、これを基準検出値とする(S2)。
次に、この位置座標(X0、Y0)に基づいてピック62上における位置ずれ量(ΔX、ΔY)を求める(S3)。
また搬入先が、処理チャンバC2〜PC5の内のいずれかの処理チャンバの場合には(S4)、スライダ機構50を駆動してベース台54及びこれに設けられている第1の基板搬送機構16を第2の停止位置68Bへ移動させる(S6)。そして、ここに設けてある位置ずれ検出ユニット66によりピック62上の基板Wのエッジを検出して位置座標(X1、Y1)を測定する(S7)。
ΔXth=X1−X0
ΔYth=Y1−Y0
これにより、X方向及びY方向への熱変位量が得られることになる。尚、前述したように実際にはX方向と比較してY方向への熱変位量は非常に少ない。
上述したような、熱変位による熱位置ずれ量を加味した補正は、装置を始動した当初はアーム停止位置精度が低いことから(図6(A)参照)、基板Wを搬送する毎に毎回行うのが好ましいが、装置始動後、ある程度以上の時間が経過したならば、直近の熱位置ずれ量を記憶部78に記憶しておいてこの記憶した熱位置ずれ量を用いて熱伸縮補正を行い、そして、例えば所定の複数枚の基板を搬送する毎に、或いは所定の時間経過する毎に上記記憶部78に記憶してあった熱位置ずれ量を更新するようにしてもよい。
図6(B)に示すように搬送開始(始動)の直後からX方向におけるアーム停止位置精度は非常に高くなっており、始動当初に位置精度が非常に劣化した図6(A)に示す従来システムと比較してその位置精度を大幅に向上できることが確認できた。
また図6(C)に示すようにねY方向における位置精度も高く維持できることが確認できた。
また、ここで説明した処理システム2の配置構成は、いわゆるクラスタツール型の処理システムを例にとって説明したが、本発明はこの配置構成に限定されるものではない。
また基板としては、半導体ウエハに限定されず、LCD基板、ガラス基板、セラミックス基板等にも本発明を適用することができる。
8 共通搬送室
16 第1の基板搬送機構
20 第2の基板搬送機構
36 オリエンタ(位置決め機構)
38A,38B ロードロック室
50 スライダ機構
52 案内レール
54 ベース台
56 ボールネジ
58 駆動源
60 搬送アーム部
62 ピック
64,66 位置ずれ検出ユニット
68A 第1の停止位置
68B 第2の停止位置
76 ユニット制御部
78 記憶部
PC1〜PC6 処理チャンバ
W 基板
Claims (7)
- 基板に対して所定の処理を施す処理システムにおいて、
前記基板に対して所定の処理を施すための複数の処理チャンバと、
一方向に所定の長さを有すると共にその側部に前記処理チャンバが共通に連結された共通搬送室と、
一端部に駆動源を有すると共に、前記共通搬送室にその長手方向に沿って移動可能になされたベース台を有するスライダ機構と、
前記ベース台に取り付けられると共に前記基板を保持しつつ搬送して前記処理チャンバに対して前記基板を搬出入させるために屈伸及び旋回可能になされた基板搬送機構と、
前記基板搬送機構に保持されている前記基板の位置ずれを検出するために前記ベース台を停止させるべき位置に対応させて所定の間隔を隔てて固定的に配置された複数の位置ずれ検出ユニットと、
前記複数の位置ずれ検出ユニットの内の前記駆動源側に配置されている位置ずれ検出ユニットの検出値を基準検出値として他の位置ずれ検出ユニットの検出値に熱伸縮補正を行うように前記基板搬送機構の動作を制御するユニット制御部と、
を備えたことを特徴とする処理システム。 - 前記スライダ機構は、一端部に前記駆動源が連結されて正逆回転されるボールネジを有することを特徴とする請求項1記載の処理システム。
- 前記駆動源は、駆動により発熱する電動機よりなることを特徴とする請求項1又は2記載の処理システム。
- 前記ユニット制御部は、前記基板検出値と前記他の位置ずれ検出ユニットの前記検出値との差を熱位置ずれ量として記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の処理システム。
- 前記記憶部に記憶されている熱位置ずれ量は、前記基板を複数枚搬送する毎、または所定の時間毎に更新されることを特徴とする請求項4記載の処理システム。
- 前記共通搬送室は真空雰囲気になされており、前記共通搬送室には真空引き及び大気圧復帰が可能になされたロードロック室が連結されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の処理システム。
- 前記ロードロック室には、前記基板を搬出入するためのローダ室が連結されていると共に、前記ローダ室には他の基板搬送機構が設けられることを特徴とする請求項6記載の処理システム。
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