JP6530830B1 - 減音システム - Google Patents
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Abstract
Description
周波数(1秒間に振動する回数(Hz))が多ければ高い音として聞こえ、少なければ低い音として聞こえる。音の大きさは音圧レベル(dB)で表される。
人の可聴域は、音圧レベルが100dB未満で、周波数が約20〜20000Hzの範囲と言われている。
この可聴域で、不快と感じたり、やかましく聞こえる音が騒音であり、空気伝搬する振動を防振壁で受止めて空気の振動を止めることで、この騒音を減らす試みは従来からなされている。
これは、低周波音のうち特に20Hz以下の超低周波音と呼ばれているものが原因とされている。
しかしながら、低周波音のなかでも特に波長の長い超低周波音は、壁を容易に乗り越えたり透過したりするため、騒音と同じように防振壁を設けるという単純な対策では殆ど効果が無く、工場等の生産者側とその周辺の住人との共存の観点から、特に超低周波音に着目した効果的な対策が強く望まれている。
また、アクティブノイズコントロールシステムの採用も提案されている。
これらは、いずれも、同じ振動数で逆位相の音または振動をぶつけて音等を消滅するものであり、後者は電気的に制御することを特徴とする。
また、後者のアクティブノイズコントロールシステムでは、電力を消費する点で設置個所が制限される場合がある。
図1、図2に示すように、減音システム1は、防振壁として地面GLに略垂直に配置された防振パネル3を備えている。
防振パネル3は、高さhが1200mm、幅wが600mmで厚みが100mmの単位パネル3aを溝嵌合方式によって複数枚(ここでは85枚)をネジ締結して構成されており、全体の高さHは約6.2m、幅Wは約10.2mの大きさである。単位パネル3aは、ロックウール等の吸音材を厚みが3.2mmの鉄板で両側から挟んだ構成を有しており、1枚あたりの重量は約60Kgである。したがって、防振パネル3の全重量は約5tとなっている。
ベース部5がH型鋼で構成されており、ホールインアンカー(図示省略)を利用して地面GLに対して固定されている。このベース部5の上面にはシート状の防振ゴム7が貼着されている。
この防振ゴム7の上に、上記した防振パネル3が載せられて立設した状態になっている。従って、防振パネル3は防振ゴム7に対して浮き上がりが可能となっている。
防振パネル3と外壁9との間に鉄骨補強構造体11が配置している。この補強構造体11は、H型鋼からなる縦支柱13がX方向に間隔をおいて複数本(ここでは5本)立設されており、これに横支柱15が横架され縦支柱13に対して固定されると共に、上記した外壁9に対して固定されている。
この補強構造体11には、被取付部が横架されており、下段側の被取付部17がH型鋼で構成されており、中段と上段側の被取付部19が梁で構成されている。
下取付プレート25は、被取付部17に対して着座プレート28を介して、ボルト挿通孔25aを利用してボルト・ナット部材(図示省略)で一体に固定されている。
固定用ブラケット29は、上取付プレート23に固定される水平プレート29aと、防振パネル3に固定される垂直プレート29bと、これらを接続する一対の補強プレート29c、29cとを有している。水平プレート29aと垂直プレート29bは四角形になっており、水平プレート29aの辺縁の上側に間隔をあけて垂直プレート29bが立ち上がっており、互いに垂直に交差している。垂直プレート29bの下縁と水平プレート29aとの間には、上記した間隔分に対応して開口29dが形成されている。
垂直プレート29bの角隅部にはボルト挿通孔29fが形成されており、これと防振パネル3側のボルト挿通孔3dを利用して、防振パネル3にボルト・ナット部材(図示省略)により一体に固定されている。防振パネル3側の点検口3bと開口29dは連通した状態となっている。
エアーチューブ31は三方ジョイント33aで二股に分かれており、一方の排気系には排気用のドレンバルブ35が接続されている。他方の給気系には空気ばね21の空気圧を調整するためのフィルタ付きレギュレータ37が接続されている。更に、図4に示すように、その先ではエアー供給バルブ39を介してメインエアー配管41に接続されている。このメインエアー配管41は、エアー供給源としてのエアーコンプレッサ(図示省略)に接続されている。
レギュレータ37側のエアーチューブ31は、三方ジョイント33aとレギュレータ37との間で、三方ジョイント33bで更に分岐されており、分岐側のチューブには圧力計43が接続されている。この圧力計43は、図1に示すように、点検口3bの外側に引き出されて防振パネル3のパネル面に固定されており、容易に視認できるようになっている。
取付金具45は、防振パネル3の振動を邪魔せずに補強構造体11に固定するために設けられており、防振パネル3の中段部位と上端近傍において、X方向に間隔をおいて複数(ここでは10基)配置されている。
この取付金具45は、被取付部19にそれぞれ取付けられている。
この構造体側固定部47の横長長方形の垂直プレート49の板面には、逆凹状のチャンネル部51の凹端面が固定されている。このチャンネル部51が補強構造体11の被取付部19に上側から嵌合して固定されている。チャンネル部51の上面からは円筒体53が立ち上がっており、その上端側の外面からは一対の当接片55、55が外方に張り出している。当接片55、55は円筒体53を挟んで対向しており、上方から見ると、長方形が円筒体53によって分断されたような形状になっている。当接片55の長手方向両側にはボルト挿通孔55aが形成されている。
当接片55の上面には、同形状に成形された防振ゴム57が載せられている。この防振ゴム57にも、ボルト挿通孔57aが形成されており、ボルト挿通孔55aと連通している。
この防振パネル側固定部59の横長長方形の垂直プレート61の角隅部にはボルト挿通孔61aが形成されており、このボルト挿通孔61aと防振パネル3側のボルト挿通孔3dを利用して、ボルト・ナット締結により一体に固定されている。垂直プレート61の一方の板面は防振パネル3に重ね合されているが、他方の板面にはチャンネル部63の一方の凹端面が固定されている。他方の凹端面には横長長方形の当接プレート65の板面が固定されている。この当接プレート65の長手方向延出側にはボルト挿通孔65aが形成されている。これらの垂直プレート61、チャンネル部63及び当接プレート65の下面には水平プレート67が固定されており、この水平プレート67は当接プレート65から先に延出している。当接プレート65の上記固定側と反対側の板面には、弾性部材として同じ形状に成形された防振ゴム69が重ね合されている。この防振ゴム69の長手方向延出側にもボルト挿通孔69aが形成されている。
従って、防振パネル3の振動に影響を与えずに、安定的に防振パネル3を取付けることが可能となっている。
中段に取付けた取付金具45は防振パネル3の点検口3cの近傍に取付けられており、そこから点検できるようになっている。
防振パネル3の上端と外壁9との間の隙間は笠木81で覆われて外部から保護されている。
空気ばね21は1基で2t程度の重量を支持することができる。したがって、全重量が約5tの防振パネル3を5基の空気ばね21と10基の取付金具45とで余裕をもって支持できる。
すなわち、防振パネル3は最も悪影響を及ぼしている一つの超低周波音に的を絞ることで効果的に減音することができる。その前後の周波数の音等も必ず発生しているので、減音量をゼロにすることはできないが、防振壁という構造上から可聴域の騒音も同時に減らすことができ、その点からも本発明の減音システム1は大きな期待を持てるものとなっている。
9…外壁 11…補強構造体 13…縦支柱 15…横支柱
17、19…被取付部 21…空気ばね 23…上取付プレート
25…下取付プレート 27…ゴムべローズ 29…固定用ブラケット
31…エアーチューブ 33…三方ジョイント 35…ドレンバルブ
37…フィルタ付きレギュレータ 39…エアー供給バルブ
41…メインエアー配管 43…圧力計 45…取付金具
47…構造体側固定部 49…垂直プレート 51…チャンネル部 53…円筒体
55…当接片 57…防振ゴム 59…防振パネル側固定部
61…垂直プレート 63…チャンネル部 65…当接プレート
67…水平プレート 69…防振ゴム 71…当接プレート
73…チャンネル部 75…円筒体 77…当接片 79…摺動部材
81…笠木
Claims (4)
- 地面または床面に固定された構造体と、前記構造体に伸縮振動可能に固定されたべローズ形の空気ばねと、前記空気ばねを介して前記構造体に対して浮き構造的に支持された防振壁と、前記防振壁を前記構造体に前記空気ばねとは別に固定するための取付具を備え、前記空気ばねの伸縮振動に追従して、前記防振壁が振動する際に前記防振壁から前記構造体に伝達される振動が減衰されていることを特徴とする減音システム。
- 請求項1に記載した減音システムにおいて、
前記空気ばねが所望の振動数及び位相で伸縮振動することを特徴とする減音システム。 - 請求項1または2に記載した減音システムにおいて、
前記取付具が、上下方向に伸縮可能になっていることを特徴とする減音システム。 - 請求項1から3のいずれかに記載した減音システムにおいて、
前記取付具が、防振ゴムによる減衰作用を利用して構成されていることを特徴とする減音システム。
Priority Applications (1)
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JP2018023356A JP6530830B1 (ja) | 2018-02-13 | 2018-02-13 | 減音システム |
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Cited By (2)
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CN113112977A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-07-13 | 靖江市远大空调机械设备有限公司 | 一种结构稳定的阵列式消声器 |
CN116160967A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-05-26 | 天津富松汽车零部件有限公司 | 一种车用降噪板 |
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