JP6529883B2 - 冷媒供給システム - Google Patents

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本発明は、冷媒供給システムに関し、特に、トランスアクスルケースにおける冷媒をギヤ機構や回転電機に供給する冷媒供給システムに関する。
デファレンシャルギヤ等のギヤ機構を収納するトランスアクスルケースには、ギヤの潤滑、冷却を行うオイル(ATF)が貯留されている。エンジン始動によりギヤ機構が駆動されると、ギヤによってトランスアクスルケースのオイルが掻き上げられて、この掻き上げがギヤ機構の撹拌抵抗になる。特に、トランスアクスルケースに貯留されるオイル量が多いと、掻き上げによる撹拌抵抗が大きくなる。
また、エンジンが冷えているエンジン冷温始動時には、トランスアクスルケース内のオイルも冷えており、図8に示すように、低温のオイルは、粘度が高く摩擦抵抗が大きいのでギヤの摺動損失が大きくなる。特に、高温域での粘度変化よりも低温域での粘度変化が大きい。また、図9に示すように、ギヤの温度変化量が大きくなる程、ギヤ損失の低減量も大きくなる。
このため、トランスミッションオイルを保温した状態で貯留する作動液貯槽と、この作動液貯槽に貯留されたトランスミッションオイルをトランスミッションに供給する作動液給送ポンプと、作動液貯槽に貯留されるトランスミッションオイルをエンジンの熱により加温する作動液加温器とを備え、エンジンの冷温始動時に作動液貯槽に貯留されたトランスミッションオイルを作動液給送ポンプによりトランスミッションに供給する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エンジンとモータジェネレータを備えるハイブリッド自動車では、エンジンまたはモータジェネレータの各駆動力を、動力伝達機構を介して車輪に伝達して走行するものがある。モータジェネレータ及び動力伝達機構の潤滑、冷却を共通のオイルで行うために、動力伝達機構を収納するトランスアクスルケースと、モータジェネレータを収納するモータケースとを連通して、トランスアクスルケース及びモータケースの両方にオイルを貯留している。この構成では、オイル量が多いことによりギヤの撹拌抵抗が増加するとの課題に対して、エンジンの駆動力によって走行する場合、トランスアクスルケース内のオイルの一部を、モータケース側に移動して保持することにより、トランスアクスルケース内のオイル量を低減して、動力伝達機構のギヤの撹拌抵抗を低減している(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−176877号公報 特開2005−106266号公報
トランスアクスルケース内のギヤ機構の駆動損失の要因としては、上述したように、冷媒量が多いことによる撹拌抵抗と、冷媒が高粘度であることによる摩擦抵抗とがある。
特許文献1に記載の発明では、冷媒が高粘度になることを抑制して冷媒の摩擦抵抗を低減することが可能であるが、作動液貯槽や作動液加温器等の構成が必要になり、その構成が複雑になる。また、冷媒を加温するためにエンジンの熱を利用することから、エンジンを駆動する必要があり燃費が悪化する可能性がある。さらに、冷媒量が多いことによる撹拌抵抗の低減については考慮されていない。
一方、特許文献2に記載の発明では、冷媒量が多いことによる撹拌抵抗を低減することが可能であるが、冷媒が低粘度の場合のギヤの摩擦抵抗の低減については考慮されていない。特に、冷媒は、トランスアクスルケース及びモータケースに貯留されて、これらケースの内面に接触しているために、これらケースを介して放熱されてしまい、冷媒温度が低下しやすく冷媒の粘度が高くなる。
このため、特許文献1,2に記載の発明では、冷媒量が多いことによる撹拌抵抗と、冷媒が高粘度であることによる摩擦抵抗とを同時に解決することができない。
そこで、本発明では、冷媒量が多いことによる撹拌抵抗を低減するとともに、冷媒が高粘度であることによる摩擦抵抗を低減して、ギヤの駆動損失を低減する冷媒供給システムを提供することを目的とする。
本発明の冷媒供給システムは、回転電機及びギヤ機構を格納し、前記回転電機及び前記ギヤ機構に供給される第1の冷媒を貯留するケースと、前記ケースの内部において、前記ケースの内面から離間した位置に配置され、前記第1の冷媒を貯留する冷媒タンクと、 前記冷媒タンクの前記第1の冷媒を前記回転電機及び前記ギヤ機構に供給するポンプと、前記回転電機に供給された前記第1の冷媒を前記冷媒タンクに戻す第1の冷媒経路と、前記ギヤ機構に供給された前記第1の冷媒を前記冷媒タンクに戻す第2の冷媒経路と、を備えることを特徴とする。
また、前記冷媒タンクは、上部が開口しており、前記ケースに貯留される前記第1の冷媒よりも多量の前記第1の冷媒を貯留し、前記第2の冷媒経路は、前記ギヤ機構に供給された前記第1の冷媒を前記ギヤ機構のギヤの回転により掻き上げて前記冷媒タンクに戻す、ことを特徴とする。
また、前記第1の冷媒経路における前記第1の冷媒の一部を前記ギヤ機構に供給することを特徴とする。
また、前記冷媒タンクの底部に設けられた冷媒排出口を開閉する冷媒排出弁と、前記冷媒排出弁の作動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記冷媒タンク内の前記第1の冷媒の温度が、前記第1の冷媒の冷却が必要であるかを判断するための所定温度よりも高いときに、前記冷媒排出口を開放するように前記冷媒排出弁を作動させることを特徴とする。
さらに、前記ケース外に配設され、前記第1の冷媒とは異なる第2の冷媒の熱を交換する熱交換器と、前記第1の冷媒経路から分岐して、前記第1の冷媒経路における前記第1の冷媒を前記熱交換器を介して前記冷媒タンクに戻す第3の冷媒経路と、前記第1の冷媒経路と前記第3の冷媒経路との分岐点に設けられ、前記第1の冷媒経路を前記冷媒タンクまたは前記第3の冷媒経路に切り替える経路切替弁とを備え、前記制御部が前記経路切替弁の作動を制御し、前記制御部は、前記第1の冷媒の温度が前記所定温度より低く、かつ、前記第2の冷媒の温度よりも低い場合、または、前記第1の冷媒の温度が前記所定温度以上であり、かつ、前記第2の冷媒の温度よりも高い場合、前記第1の冷媒経路の前記第1の冷媒が前記第3の冷媒経路に流れるように前記経路切替弁を作動させることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒量が多いことによる撹拌抵抗を低減するとともに、冷媒が高粘度であることによる摩擦抵抗を低減して、ギヤの駆動損失を低減することができる。
トランスアクスル及び冷媒供給システムの概略構成図である。 回転電機における冷媒流路を示す断面図である。 回転電機の軸方向から見た断面図である。 冷媒供給システムの制御を示すフローチャートである。 流路切替弁の作動を説明する特性図である。 本実施形態構成と従来構成とによるATF温度変化を示す特性図である。 冷媒供給システムの変形例を示す概略構成図である。 ATF温度に対する粘度変化を示す特性図である。 ギヤ温度変化に対する損失低減量を示す特性図である。
まず、ハイブリッド自動車の駆動力伝達装置1について説明する。図1に示すように、駆動力伝達装置1は、ギヤ機構としてのデファレンシャルギヤ10、回転電機としての第1のモータジェネレータ20、第2のモータジェネレータ30を備えている。これらはトランスアクスルケース2に格納されている。
トランスアクスルケース2の下部には、デファレンシャルギヤ10、第1のモータジェネレータ20、第2のモータジェネレータ30の冷却及び潤滑を行う第1の冷媒としてのATFが貯留されている。
トランスアクスルケース2の内部には、トランスアクスルケース2の下部に貯留されるATFよりも多量のATFを貯留する深皿形状の冷媒タンク3が配設されている。すなわち、トランスアクスルケース2の内部で使用されるATFの大部分が冷媒タンク3に貯留されている。このため、トランスアクスルケース2の下部には、デファレンシャルギヤ10を潤滑するために必要な最小限のATFが貯留されている。
冷媒タンク3は、トランスアクスルケース2の内面から離間した位置に配置されており、トランスアクスルケース2の底面に立設された複数の脚部4によって保持されている。このため、冷媒タンク3は、トランスアクスルケース2の内部において空中に浮いたような状態で保持されている。
冷媒タンク3の内部には、この冷媒タンク3内に貯留されるATFの温度を検知するATF温度センサ5が配設されている。また、冷媒タンク3の底部には、この冷媒タンク3内に貯留されるATFをトランスアクスルケース2の下部に排出する冷媒排出口6が設けられている。この冷媒排出口6には、この冷媒排出口6を開閉する冷媒排出弁7が設けられている。冷媒排出弁7によって冷媒排出口6は通常閉鎖されており、冷媒排出弁7が作動されることによって冷媒排出口6は開放される。
第1のモータジェネレータ20は、主に発電用のモータとして使用され、第2のモータジェネレータ30は主に車両走行用として使用される。第1、2のモータジェネレータ20,30には、パワーコントロールユニット(以下、「PCU」という)40を介して図示しないバッテリが接続されている。PCU40は、バッテリからの電力を第2のモータジェネレータ30に供給して、回生時には第1、2のモータジェネレータ20,30により発電された電力をバッテリに充電する。
第1、2のモータジェネレータ20,30とバッテリとの間の電力供給によりPCU40は発熱するので、ハイブリッド自動車は、PCU40を冷却するためのラジエータ等の熱交換器50を備えている。PCU40と熱交換器50との間には、PCU40を冷却する第2の冷媒としてのLLCを循環する冷媒流路51が設けられている。PCU40から熱交換器50に向かう冷媒流路51には、この流路を流れるLLCの温度を検出するLLC温度センサ52が設けられている。また、熱交換器50をエンジン等の冷却に使用してもよい。
第1のモータジェネレータ20の軸部には、エンジンの駆動力によって駆動される機械式のオイルポンプ21が設けられている。オイルポンプ21は、トランスアクスルケース2の下部及び冷媒タンク3からATFを吸い上げる。なお、機械式のオイルポンプ21に代えて電動式のオイルポンプを用いてもよい。
図2、3に示すように、第1のモータジェネレータ20は、積層鋼板による円筒状のステータコア22aに対し、コイルを複数回巻回してなるステータ22と、このステータ22に対してエアギャップを介して配置されたロータ23と、このロータ23に設けられたロータ軸24とを有する。
ステータコア22aの両端面から突出するコイルエンド25の両側位置には、コイルエンド25を覆う冷媒ケース26が形成されている。冷媒ケース26は、コイルエンド25を全周的に被覆する円弧状の平面形状を有し、溶接や接着等によりステータコア22aに固定される。冷媒ケース26により覆われた空間がATFの流路を形成している。
冷媒ケース26の鉛直最下部には流入口20aが設けられ、オイルポンプ21から圧送されたATFが供給されて、冷媒ケース26による空間にATFが供給される。また、冷媒ケース26の鉛直最上部には排出口20bが設けられ、冷媒ケース26による空間に供給されたATFが、コイルエンド25等を冷却した後、この排出口20bから排出される。また、第2のモータジェネレータ30の構成の図示は省略するが、第1のモータジェネレータ20と同様に構成されている。
図1において、トランスアクスルケース2には、デファレンシャルギヤ10、第1、2のモータジェネレータ20,30にATFを供給する冷媒供給システム60が設けられている。冷媒供給システム60は、トランスアクスルケース2と、冷媒タンク3と、オイルポンプ21と、熱交換器50と、冷媒供給システム60において冷媒が流れる後述の冷媒経路とを備えている。また、冷媒供給システム60は、ATF温度センサ5、LLC温度センサ52の検出情報に基づいて、冷媒排出弁7、後述の流路切替弁76の作動を制御する制御部61を備えている。
次に、冷媒供給システム60におけるATFの複数の冷媒経路について説明する。第1の冷媒経路としての冷媒流路は、冷媒タンク3とオイルポンプ21の吸引口21aとを接続する第1の吸引流路70と、トランスアクスルケース2の下部とオイルポンプ21の吸引口21aとを接続する第2の吸引流路71と、オイルポンプ21の吐出口21bと第1のモータジェネレータ20の流入口20aとを接続する第1の供給流路72と、オイルポンプ21の吐出口21bと第2のモータジェネレータ30の流入口30aとを接続する第2の供給流路73と、第1、2のモータジェネレータ20,30の排出口20b,30bと、デファレンシャルギヤ10及び冷媒タンク3とをそれぞれ接続する第3の供給流路74とを備えている。
第3の供給流路74の冷媒タンク3の近傍には、熱交換器50に接続する第3の冷媒経路としての分岐流路75が分岐しており、この分岐流路75は、熱交換器50を介して冷媒タンク3に接続している。第3の供給流路74の分岐位置には、第3の供給流路74を流れるATFの流れを第3の供給流路74から分岐流路75に切り替える経路切替弁としての流路切替弁76が設けられている。
流路切替弁76は、通常、第3の供給流路74を流れるATFが冷媒タンク3に流れるように流路を維持しており、流路切替弁76が作動されることによって、第3の供給流路74を流れるATFが冷媒タンク3から熱交換器50に流れるように流路を切り替える。
冷媒供給システム60の制御部61には、ATF温度センサ5、LLC温度センサ52、冷媒排出弁7、流路切替弁76がそれぞれ電気的に接続されている。また、制御部61は、ATFの冷却が必要であるかを判断するための所定温度としてのATF冷却温度T0を記憶しており、このATF冷却温度T0と、ATF温度センサ5の温度情報に基づいて、ATFの冷却を制御している。具体的には、制御部61は、ATF温度センサ5の温度情報に基づいて、冷媒排出弁7の作動を制御し、また、LLC温度センサ52からの温度情報に基づいて、流路切替弁76の作動を制御する。
次に、冷媒供給システム60の制御について説明する。まず、トランスアクスルケース2の内部の初期状態について説明する。図1において符号77で示すように、走行時には、デファレンシャルギヤ10の駆動によって、トランスアクスルケース2の下部に貯留されているATFが掻き上げられて、冷媒タンク3に流入する。この符号77で示したATFの流れが第2の冷媒経路に相当する。このため、常時、冷媒タンク3にはATFが十分に貯留されている。この状態で車両が停車して長時間駐車すると、ATFは外気温度と同じ温度まで低下する。
ハイブリッド自動車は、走行開始時は、エンジン及び第2のモータジェネレータ30の駆動によって走行する。エンジンの駆動によりオイルポンプ21が駆動されて、オイルポンプ21によって、ATFが冷媒タンク3から第1の吸引流路70を介して吸い上げられる。吸い上げられたATFは、オイルポンプ21から第1の供給流路72を介して、第1のモータジェネレータ20の流入口20aに供給されて、第1のモータジェネレータ20の内部の流路を流通し、排出口20bから第3の供給流路74に排出される。
また、吸い上げられたATFは、オイルポンプ21から第2の供給流路73を介して、第2のモータジェネレータ30の流入口30aに供給されて、第2のモータジェネレータ30の内部の流路を流通し、排出口30bから第3の供給流路74に排出される。
第3の供給流路74のATFの一部は、デファレンシャルギヤ10に供給されて、デファレンシャルギヤ10によって掻き上げられて冷媒タンク3に戻る。また、第3の供給流路74のATFの一部は、流路切替弁76を介して冷媒タンク3に戻る。このように、トランスアクスルケース2の内部におけるATFは循環される。
このため、トランスアクスルケース2の下部に貯留されているATFは少量であるので、デファレンシャルギヤ10によるATFの掻き上げ量が低減されて、掻き上げによる撹拌抵抗を抑制することができる。
次に、図4に示すフローチャートに基づき、冷媒供給システム60における冷媒排出弁7、流路切替弁76の作動について説明する。ステップS10において、まず、ATF温度センサ5の検出結果から、冷媒タンク3内のATF温度Tatfを取得する。そして、この取得したATF温度Tatfと、制御部61が記憶しているATF冷却温度T0とを比較する。ATF温度Tatfが、ATF冷却温度T0よりも低い場合(YES)、ATFの温度は冷却不要である判断してステップS11に進む。
ステップS11では、LLC温度センサ52の検出結果から熱交換器50内を流通するLLC温度Tradを取得して、この取得したLLC温度TradとATF温度Tatfとを比較する。このステップS11では、LLCでATFを加温することができるかを判断している。
ここで、LLCでATFを加温または冷却することについて説明する。図5は、LLCの温度を利用してATFを加温または冷却するために、流路切替弁76をどのように制御するかを表したマップである。図5において、縦軸はATF温度とLLC温度との温度差を示しており、縦軸の+はATF温度がLLC温度よりも高い場合を示し、縦軸の−はATF温度がLLC温度よりも低い状態を示している。
図5に示すように、領域A1では、ATF温度が低く、かつ、温度差が+側の場合(領域A1)には、LLCによるATFの加温は困難であるので、第3の供給流路74のATFを冷媒タンク3に戻す。ATF温度が低く、かつ、温度差が−側の場合(領域A2)には、LLCによるATFの加温が可能であるので、第3の供給流路74のATFを熱交換器50に流通させる。
また、ATF温度が高く、かつ、温度差が+側の場合(領域A3)には、LLCによるATFの冷却が可能であるので、第3の供給流路74のATFを熱交換器50に流通させる。ATF温度が高く、かつ、温度差が−側の場合(領域A4)には、LLCによるATFの冷却が困難であるので、第3の供給流路74のATFを冷媒タンク3に戻す。
よって、ステップS11において、ATFがLLCの温度よりも低ければ、LLCの温度を利用してATFを加温し、ATFがLLCの温度以上であれば、LLCの温度を利用してATFを加温することは困難であると判断する。
そして、ATF温度TatfがLLC温度Trad以上の場合(YES)、ステップS12に進む。ステップS12は領域A1に相当するので、流路切替弁76を作動せず、第3の供給流路74の分岐点では、第1、2のモータジェネレータ20,30からのATFを冷媒タンク3に戻してステップS20に進む。
ステップS11において、ATF温度TatfがLLC温度Tradよりも低い場合(NO)、ステップS13に進む。ステップS13は領域A2に相当するので、流路切替弁76を作動して、第3の供給流路74を熱交換器50への分岐流路75に切り替える。第3の供給流路74からのATFは熱交換器50に流通し、ATFよりも高温のLLCにより加温されて冷媒タンク3に戻り、ステップS20に進む。
一方、ステップS10において、ATF温度Tatfが、ATF冷却温度T0以上である場合(NO)、ATFは冷却が必要な温度であると判断して、ステップS14に進む。ステップS14では、LLC温度センサ52によって熱交換器50内を流通するLLC温度Tradを取得して、この取得したLLC温度TradとATF温度Tatfとを比較する。ここでは、LLCでATFを冷却することができるかを判断している。すなわち、ATFがLLCの温度よりも高ければ、LLCの温度を利用してATFを冷却し、ATFがLLCの温度以下であれば、LLCの温度を利用してATFを冷却することは困難であると判断する。
そして、ATF温度TatfがLLC温度Tradよりも高い場合(YES)、ステップS15に進む。ステップS15は領域A3に相当するので、流路切替弁76を作動して、第3の供給流路74を熱交換器50への分岐流路75に切り替える。第3の供給流路74からのATFは熱交換器50に流通し、ATFよりも低温のLLCにより冷却されて冷媒タンク3に戻り、ステップS20に進む。
ステップS14において、ATF温度Tatfが、LLC温度Trad以下の場合(NO)、LLCでATFを冷却することが困難であると判断して、ステップS16に進む。ステップS16は領域A4に相当するので、流路切替弁76を作動せず、第3の供給流路74の分岐点では、第1、2のモータジェネレータ20,30からのATFを冷媒タンク3に戻してステップS20に進む。
ステップS20では、再度、ATF温度センサ5の検出結果から、冷媒タンク3内のATF温度Tatfを取得する。そして、この取得したATF温度TatfとATF冷却温度T0とを比較する。ATF温度Tatfが、ATF冷却温度T0よりも低い場合(YES)、ATF温度Tatfは冷却が必要ない許容範囲内であると判断し、ステップS21に進む。ステップS21では、冷媒排出弁7を作動せずに冷媒排出口6を閉じた状態を維持する。
また、ステップS20において、ATF温度Tatfが、ATF冷却温度T0以上である場合(NO)、ATF温度Tatfが、冷却が必要な温度に達していると判断し、ステップS22に進む。ステップS22では、冷媒排出弁7を作動して冷媒排出口6を開放し、冷媒タンク3内のATFをトランスアクスルケース2に排出する。
トランスアクスルケース2の下部ではATFの量が増えるので、デファレンシャルギヤ10による掻き上げられるATF量も増える。この掻き上げによってATFはトランスアクスルケース2の内面への接触が増加し、トランスアクスルケース2を介して放熱されて冷却される。また、トランスアクスルケース2の下部に排出されたATFは、第2の吸引流路71を介してオイルポンプ21に吸い上げられる。
以上説明した構成及び制御によって、トランスアクスルケース2の内部におけるATFの大部分を冷媒タンク3に貯留するようにしたので、トランスアクスルケース2の下部に貯留するATF量が低減される。このため、デファレンシャルギヤ10によるATFの掻き上げ量も低減されて、掻き上げによる撹拌抵抗を抑制することができる。
また、ハイブリッド自動車の走行開始時には、エンジン及び第2のモータジェネレータ30の駆動により走行する。第2のモータジェネレータ30に供給されたATFは、第2のモータジェネレータ30を冷却することによって温度が上昇する。第2のモータジェネレータ30から排出されるATFの一部は、デファレンシャルギヤ10に供給されるが、その他の一部は冷媒タンク3に戻される。冷媒タンク3は、トランスアクスルケース2と直接接触していないので、冷媒タンク3に貯留されるATFの放熱が抑制される。このように、冷媒タンク3においては、暖められたATFが循環され、また、ATFの放熱も抑制されるので、冷媒タンク3に貯留されるATFの温度は速やかに上昇する。
このATFの温度変化を図6に示す。図6に本実施形態によるATFの温度変化B1と、特許文献2に記載の従来構造によるATFの温度変化B2とを比較した特性図を示す。このように、本実施形態によれば、速やかにATFの温度を上昇することができ、温度上昇したATF、すなわち、粘度が低下したATFがデファレンシャルギヤ10に供給されるので、デファレンシャルギヤ10における摩擦抵抗が抑制されて、摺動損失を抑制することができる。
高負荷時にATFが高温になった場合には、冷媒タンク3内のATFをトランスアクスルケース2に排出し、トランスアクスルケース2内において、デファレンシャルギヤ10によりATFを掻き上げる。この掻き上げによってATFはトランスアクスルケース2への接触が増加し、トランスアクスルケース2を介して放熱されて冷却される。このため、ATFの冷却が促進されて、ATFの冷却を短時間で行うことができ、ATFの冷却を効率的に行うことができる。
さらに、熱交換器50を流通するLLCの温度とATFの温度とを比較し、ATF温度がLLC温度よりも低い場合には、LLC温度を利用してATFを加温し、逆に、ATF温度がLLC温度よりも高い場合には、LLC温度を利用してATFを冷却するので、ATFの加温、冷却にLLCも利用することができ、ATFの加温、冷却を効率的に行うことができる。
次に、デファレンシャルギヤ10へのATFの供給流路の変形例について説明する。図7に示すように、この変形例では、デファレンシャルギヤ10へのATFの供給流路が上述の実施形態とは相違している。すなわち、第2の供給流路73における第2のモータジェネレータ30の流入口30aの手前において、第2の供給流路73が分岐している。この分岐した流路がデファレンシャルギヤ10に向かって延びている。
このように、デファレンシャルギヤ10へのATFの供給流路を構成してもよい。ATFの流れや、制御部61による冷媒排出弁7、流路切替弁76等の制御に関しては、上述の実施形態で説明した内容と同じである。
この変形例においても上述の実施形態と同様の作用効果を奏する。また、上述の実施形態と比べて、第2のモータジェネレータ30の排出口30bからデファレンシャルギヤ10にATFを供給する供給流路が不要になるので、その供給流路の分だけ圧力損失が下がり、オイルポンプ21のポンプ損失を低減することが可能になる。
1 駆動力伝達装置、2 トランスアクスルケース、3 冷媒タンク、4 脚部、5 ATF温度センサ、6 冷媒排出口、7 冷媒排出弁、10 デファレンシャルギヤ、20 第1のモータジェネレータ、20a,30a 流入口、20b,30b 排出口、21 オイルポンプ、21a 吸引口、21b 吐出口、22 ステータ、22a ステータコア、23 ロータ、24 ロータ軸、25 コイルエンド、26 冷媒ケース、30 第2のモータジェネレータ、50 熱交換器、51 冷媒流路、52 LLC温度センサ、60 冷媒供給システム、61 制御部、70 第1の吸引流路、71 第2の吸引流路、72 第1の供給流路、73 第2の供給流路、74 第3の供給流路、75 分岐流路、76 流路切替弁、77 第2の冷媒経路、T0 ATF冷却温度、Tatf ATF温度、Trad LLC温度。

Claims (5)

  1. 回転電機及びギヤ機構を格納し、前記回転電機及び前記ギヤ機構に供給される第1の冷媒を貯留するケースと、
    前記ケースの内部において、前記ケースの内面から離間した位置に配置され、前記第1の冷媒を貯留する冷媒タンクと、
    前記冷媒タンクの前記第1の冷媒を前記回転電機及び前記ギヤ機構に供給するポンプと、
    前記回転電機に供給された前記第1の冷媒を前記冷媒タンクに戻す第1の冷媒経路と、
    前記ギヤ機構に供給された前記第1の冷媒を前記冷媒タンクに戻す第2の冷媒経路と、
    を備えることを特徴とする冷媒供給システム。
  2. 請求項1に記載の冷媒供給システムにおいて、
    前記冷媒タンクは、上部が開口しており、前記ケースに貯留される前記第1の冷媒よりも多量の前記第1の冷媒を貯留し、
    前記第2の冷媒経路は、前記ギヤ機構に供給された前記第1の冷媒を前記ギヤ機構のギヤの回転により掻き上げて前記冷媒タンクに戻す、
    ことを特徴とする冷媒供給システム。
  3. 請求項1または2に記載の冷媒供給システムにおいて、
    前記第1の冷媒経路における前記第1の冷媒の一部を前記ギヤ機構に供給することを特徴とする冷媒供給システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の冷媒供給システムにおいて、
    前記冷媒タンクの底部に設けられた冷媒排出口を開閉する冷媒排出弁と、
    前記冷媒排出弁の作動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記冷媒タンク内の前記第1の冷媒の温度が、前記第1の冷媒の冷却が必要であるかを判断するための所定温度よりも高いときに、前記冷媒排出口を開放するように前記冷媒排出弁を作動させることを特徴とする冷媒供給システム。
  5. 請求項4に記載の冷媒供給システムにおいて、
    前記ケース外に配設され、前記第1の冷媒とは異なる第2の冷媒の熱を交換する熱交換器と、
    前記第1の冷媒経路から分岐して、前記第1の冷媒経路における前記第1の冷媒を前記熱交換器を介して前記冷媒タンクに戻す第3の冷媒経路と、
    前記第1の冷媒経路と前記第3の冷媒経路との分岐点に設けられ、前記第1の冷媒経路を前記冷媒タンクまたは前記第3の冷媒経路に切り替える経路切替弁と、
    を備え、
    前記制御部が前記経路切替弁の作動を制御し、
    前記制御部は、前記第1の冷媒の温度が前記所定温度より低く、かつ、前記第2の冷媒の温度よりも低い場合、または、前記第1の冷媒の温度が前記所定温度以上であり、かつ、前記第2の冷媒の温度よりも高い場合、前記第1の冷媒経路の前記第1の冷媒が前記第3の冷媒経路に流れるように前記経路切替弁を作動させることを特徴とする冷媒供給システム。
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