JP6529800B2 - 高充填性粉末の製造方法 - Google Patents

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本発明は,高充填性の,即ち高い充填率をもたらすことのできる粉末材料に関し,特に,フィラーとして,シール材用の材料として,またシンチレータパネルの隔壁形成材料として有用な,高充填性粉末材料に関するものである。
従来より,粉末材料が種々の用途で装置類の製造に用いられている。例えば,粉末のみを成形し焼結して構造体や機能性セラミックスとするような用途や,フィラーとして樹脂に混合し複合体とするような用途である。
従来より,医療用途や検査用途等にX線透過画像が用いられ,X線により感光したフィルムを現像することで得られるアナログ画像が主として利用されてきた。近年ではデジタル画像方式として,フラットパネル型の放射線ディテクタ(検出装置)が開発されてきているが,この装置の製造過程においてガラス粉末が用いられている。
即ち,フラットパネル型の放射線ディテクタでは,放射線を可視光に変換するために,シンチレータパネルが使用される。シンチレータパネルは,ヨウ化セシウム等のX線蛍光体を含んでいる。照射されたX線に応じてX線蛍光体が可視光を発光し,それがTFTやCCDで電気信号に変換されることで,デジタル画像情報として得られる。
高精細な画像を得るためには,隔壁により区画されたセル内に蛍光体を充填することが提案されており,そのような隔壁を作製するにはガラス粉末を含有した感光性ペーストを用いた方法が有効であることが知られている(特許文献1)。
感光性ペーストを用いて隔壁を作製する方法では,ガラス基板上に,低融点ガラス粉末と感光性有機成分とを含有し,場合により熱膨張係数を下げるためのフィラーも含有する感光性ペーストを塗布し,感光性ペースト塗布膜を形成する工程,得られた感光性ペースト塗布膜を所定の開口部を有するフォトマスクを介して露光する露光工程,露光後の感光性ペースト塗布膜における現像液に可溶な部分を溶解除去する現像工程,現像後の感光性ペースト塗布膜パターンを高温に加熱して有機成分を除去すると共に低融点ガラスを軟化および焼結させる熱処理工程を経て,隔壁が形成される。
高精細なシンチレータパネルを作製するには,単位面積当たりのセル数を多くすること,セル当たりの蛍光体の充填量を多くするため隔壁の高さを高くしつつ隔壁の線幅を狭くすること等が必要となる。そのような大きなアスペクト比(高さ/幅)を持つ隔壁を精度よく作製するには,高充填性のガラス粒子を用いた感光性ペーストが好ましい。
また,ガラス粉末にはシール材としての用途があり,例えば,固体酸化物燃料電池(SOFC)のセルとこれを取り付ける燃料マニホールドとの間のシールの用途(特許文献2)のような,密封性,絶縁性,機械特性を要求される用途に用いられている。シール材はガラスが軟化変形・流動し,空隙を埋めることにより達成されるものであるため,ペーストやスラリーにおけるガラス粒子の充填率が高いことが好ましい。
また,ガラスに限らず,セラミックス粉末がフィラーとして用いられている。例えば良好な熱伝導性を得るためにフィラーとして酸化アルミニウムや窒化アルミニウムのような高熱伝導性材料を用いる場合は,フィラー粒子同士が接近・接触することが重要であるから,この場合もペーストやスラリーにおけるフィラー粒子の充填率が高いことが好ましい。
上記の粉末は一般に原材料の乾式粉砕や湿式粉砕により製造される。乾式粉砕では最大粒子径が100μm程度の粉末へと粉砕することができ,湿式粉砕では最大粒子径が数μmの粉末へと粉砕することができる。これらのいずれの粉砕方法を用いた場合も,必要に応じて分級を行い,粗い粒子を除去し,これを最終製品とすることが行われている。しかしながら,最大粒子径が50μm以下しかない微細な粉末の場合,そのような分級によっては,高充填性の粉末を安定的に得ることは困難であった。
上述の通り,いずれの用途においても,粉末粒子の充填率は最終製品の物性に大きな影響を及ぼすものである。一般的に,比較的大きな粒子と比較的小さな粒子とを混合することで,充填率を向上させ得ることが知られている。これは大きな粒子を充填した隙間に小さな粒子をさらに充填することができるためである。また,大粒子と小粒子の混合系とすることにより,スラリーの高密度化と粘度の低減の双方を同時に達成することが可能であることが知られている(非特許文献1)。しかしながら,大粒子と小粒子とをそれぞれ別々に製造した上で両者を混合する方法は,工程が煩雑となり効率的でない。
国際公開第2012/161304号公報 特開2007−161569号公報 国際公開第2011/093488号公報
粉体工学会,「粉体工学叢書 第4巻 液相中の粒子分散・凝集と分離操作」,初版,日刊工業新聞社,2010年1月30日,第119-122頁
本発明の主たる目的は,最大粒子径が50μm以下で,かつ高充填性の粉末材料をより安定的に得るための製造方法を提供することである。また本発明の更なる目的は,そのような粉末材料を簡便に得るための製造方法を提供することである。
本発明者は,原料粉末を分級することにより,粉末の最大粒子径を目的とする用途に適した値へ予め調整したものである分級済粉末(一次粉末)を用い,これを乾式粉砕に付すことで,高充填性の粉末が安定的に得られることを見出し,更に検討を加えて上記課題を達成できる本発明を完成するに至った。すなわち,本発明は以下を提供するものである。
1.高充填性粉末を製造するための方法であって,
(a)最大粒子径が3〜50μmである分級された一次粉末を準備するステップと,
(b)該一次粉末を,更に乾式粉砕するステップと
を含むことを特徴とする,製造方法。
2.ステップ(a)が,原料粉末を分級して相対的に粗い粒子を除去することにより最大粒子径が3〜50μmである該一次粉末を回収する工程を含むものである,上記1の製造方法。
3.該原料粉末が,50μmを含んでその上下に及ぶ粒子径分布を有するものであり,ステップ(a)に先立ち,原材料を粉砕することにより該原料粉末を得るステップ(p)を更に含むものである,上記1又は2の製造方法。
4.ステップ(p)における粉砕が乾式粉砕である,上記3の製造方法。
5.ステップ(a)における分級が乾式空気分級である,上記1〜4の何れかの製造方法。
6.該高充填性粉末が,セラミック及びガラスからなる群より選ばれる材料の粉末である,上記1〜5の何れかの製造方法。
7.該高充填性粉末が,焼成したとき稠密な固体を与えることのできるものである,上記1〜6の何れかの製造方法。
8.該高充填性粉末が,フィラー用である,上記1〜7の何れかの製造方法。
9.該高充填性粉末が,隔壁形成用ガラス粉末である,上記1〜7の何れかの製造方法。
10.該高充填性粉末が,シール材用ガラス粉末である,上記1〜7の何れかの製造方法。
本発明の製造方法を用いることにより,様々な粒度分布の原料粉末から開始して,最大粒子径が50μm以下という条件を満たしつつ,粒度分布が広くしかも粒子径大きい側と粒子径の小さい側の双方において十分に高い頻度を有する構成粒子からなる粉末が容易に得られ,このため高充填性の粉末を安定的に得ることができる。また,2種類の粉末をそれぞれ製造して両者を混合する従来の方法に比べて工程が単純であり,全体として効率が高い。
図1は,粉末A1の粒度分布を示す。 図2は,粉末A1を分級して得た粉末B1の粒度分布を示す。 図3は,粉末B1を乾式粉砕して得た粉末C1(実施例1)の粒度分布を示す。 図4は,粉末A2の粒度分布を示す。 図5は,粉末A2を分級して得た粉末B2の粒度分布を示す。 図6は,粉末B2を乾式粉砕して得た粉末C2(実施例2)の粒度分布を示す。 図7は,粉末A2を分級して得た粉末B6の粒度分布を示す。 図8は,粉末B6を乾式粉砕して得た粉末C6(実施例6)の粒度分布を示す 図9は,粉末A3の粒度分布を示す。 図10は,粉末A3を分級して得た粉末B8の粒度分布を示す。 図11は,粉末B8を乾式粉砕して得た粉末C8(実施例8)の粒度分布を示す。
本発明において,粉末粒子について「高充填性」とは,所定の空間領域に高い充填率で充填されることを可能にする当該粉末粒子の特性をいう。ここに「充填率」とは,当該空間領域の容積に対する充填された全ての粉末粒子の体積の総和の割合(%)をいう。また,「高充填率」とは,好ましくは,52%以上の充填率をいう。より具体的には,本明細書において粉末粒子の「充填率」の値は,既知量の粉末粒子に,これと親和性を有する(但し溶解も膨潤もさせない)低粘度の溶剤(ガラスやセラミックの場合,例えばγ―ブチロラクトン)の必要最小限量を添加することにより1個の凝集塊を形成させた場合における,当該凝集塊の体積に対する粉末粒子の総体積の割合(%)として求められるものをいう(測定方法の詳細は,実施例の部を参照)。
また本発明において,高充填性の粉末につき「安定的に得ることができる」とは,高い確実性を以て再現性良くそのような粉末が得られることをいう。
本発明における粉末を構成する原材料について,その組成や成分は限定されない。例えばSiO系,SiO−B系,B−Bi系,B−La系ガラスに代表される種々のガラス材料や,AlN,BaTiOのような結晶性セラミックス材料,ポリエチレンやポリカーボネートのような樹脂材料も,等しく用いることができる。
一般に,材料の乾式粉砕で得られる粉末は,50μm以上の大きな粒子を含んでいる。このため,単に乾式粉砕を長時間行うだけでは,粉末構成粒子の最大粒子径を50μm以下にすることは困難である。本発明における分級工程は,粉末構成粒子の最大粒子径を50μm以下の且つ用途に適した値にするための工程である。
本発明における分級前の原料粉末としては,50μm以下の粒径の粒子を含むものである限り,種々の方法で製造したものを用いることができる。例えば粉砕により得られた粉末,水アトマイズ法により得られた球状粉末,あるいは天然の砂等も用いることができる。それらの粉末は,必要な場合,50μm以下の粒径の粒子を含むよう粉砕により粒度を調整したものである。
本発明における分級にも,種々の方法を用いることができる。例えば,篩による方法,気流による方法,水等の液体流による方法を採用することができる。一般には,分離粒子径を100μm以下とする場合,篩は向かないとされている。このため他の方法を用いることを要し,工程の簡便さの点からは乾式空気分級によることが好ましい。乾式空気分級には,重力を利用するもの,慣性力を利用するもの,遠心力を利用するものがあるが,いずれを用いてもよい。工程の簡便さの点からは,遠心力を利用するものが好ましい。また,分級時の粉末の回収にはサイクロンセパレーターやバグフィルターを用いることができる。作業性の面ではサイクロンセパレーターが好ましいが,ごく小さい粒子も回収できるという点ではバグフィルターを用いることが好ましい。
本発明において「X%径」とは,レーザー回折・散乱式粒度分布計を用いて測定した体積基準の粒度分布において小粒子径側から数えて累積X%となる粒子径をいう。また,本発明において「最大粒子径」の語は,99.9%径をいう。
分級後の粉末の最大粒子径は,粉末の用途に応じて,3〜50μmの範囲で設定される。粉末の用途によるが,一般に,続く粉砕工程の効果を十分に得るためにより好ましい最大粒子径の範囲は5〜30μmであり,更に好ましい範囲は7〜20μmである。
本発明において,分級後の粉末は乾式粉砕により粉砕される。乾式粉砕とすることで,大きな粒子の頻度を比較的変化させないまま,それに比べて,小さな粒子の頻度を顕著に増加させ得ることが,本発明に向けた検討の過程で判明している。理論に拘束されることは意図しないが,このようにして大きな粒子に対し,それら同士の隙間を埋めるに適した十分小さな粒子の量が増加することにより,得られる粉末粒子の充填率が向上するものと推測される。乾式粉砕にはボールミル,ローラーミル,ジェットミル等に代表される10μm程度の粒子を破砕するのに適した粉砕機を用いることができる。粉末により高い圧力を与えるためにはボールミルやローラーミルを用いることがより好ましい。
本発明においては,粉砕効率を高めるために粉砕助剤を用いることが好ましい。粉砕助剤としては水やアルコール(好ましくは,炭素数1〜4)を用いることができる。但し,アルコールは粉末の焼成後に炭素として僅かながら残留し得るため,水を用いることがより好ましい。特に,最終的に得られる粉末の用途がシンチレータパネルの隔壁の作製にある場合には,助剤に水を用いることが好ましい。原料粉末の比重にもよるが,粉砕助剤の量は原料粉末に対し0.01〜10重量%とすることが好ましく,0.05〜5重量%とすることがより好ましく,0.1〜2重量%とすることが更に好ましい。
本発明の製造方法により製造された粉末は,圧粉体,ペースト又はスラリーにしてシール材として用いることができる。また,フィラーとして樹脂と混合することもできる。
本発明により製造されたガラス粉末を用いて,感光性ペーストを調製することができる。即ち,バインダーの少なくとも1種と,溶剤とガラス粉末とを用いる。例えば,主としてバインダーポリマー,光重合性多官能モノマー(又はオリゴマー),光重合開始剤,その他の添加物からなるビヒクル中に,ペースト状とするのに十分な量のガラス粉末を均一に混合すればよい。光重合性多官能モノマーは同時に溶剤としても機能し得る。
ペーストの体積中上記ガラス粉末の全粒子が占める体積割合は,特に制限されないが,通常はペースト中30〜70%程度の範囲内で適宜設定すればよい。
前記バインダーポリマーとしては,主成分であるメチルメタアクリレートと各種アクリレート,メタアクリレート,アクリルアミド,スチレン,アクリロニトリル等とアクリル酸,メタクリル酸等との共重合体及びこれに更に各種不飽和基を付加させたもの等が挙げられる。また,前記光重合性多官能モノマー(又はオリゴマー)としては,トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート,(ジ)ペンタエリスリトール(トリ〜ヘキサ)アクリレート等が挙げられる。これら光重合性多官能モノマー(又はオリゴマー)は,2種以上を混合して使用してもよく,それにより特性(感度,解像度,接着性,パターニング性,現像性等)のバランス調整が可能である。
光重合開始剤としては,例えばベンゾフェノン系,チオキサントン系,アンスラキノン系,アセトフェノン系,ベンゾインエーテル系等が挙げられる。
その他,感光性ガラスペーストの調製においては,必要に応じて熱重合禁止剤,可塑剤,増粘剤,増感剤,分散剤,溶剤等を添加物として加えることができる。
その他,ガラスペーストの調製においては,必要に応じて,常法により,可塑剤,増粘剤,分散剤,溶剤等を添加物として適宜加えることができる。
以下,実施例を参照して本発明の特徴をより具体的に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。
〔実施例1〕
重量%でSiO:30.4%,B:32.3%,Al:19.4%,ZnO:4.1%,LiO:2.9%,KO:9.1%,MgO:0.3%,CaO:4%,BaO:1.1%の組成のガラスを用いた。本ガラスの比重は2.35である。
上記ガラスを白金質のルツボを用いて1450℃の温度で1時間溶融した。融液をステンレススチール製の冷却ロールにて急冷し,厚さ0.5〜1.0mmのガラスフレークを作製した。次いでこのガラスフレーク1kgと水(粉砕助剤)2gとφ20mmのZrOボール10.5kgとを7.3Lのポットミルへ投入し,90rpmで回転させ,24時間かけて粉砕し,粉末A1を得た。
乾式空気分級機(日清エンジニアリング株式会社製,TC−15)を用いて上記粉末A1を分級し,粉末B1を得た。分級条件は風量2.0m/min,ローター回転数は4500rpmとした。また,粉末B1の捕集にはサイクロンセパレーターを用いた。
続いて,上記粉末B1を50gと水0.1gとφ20mmのZrOボール3kgとを2Lのポットミルに投入し,90rpmで回転させ,24時間かけて粉砕し,粉末C1を得た。
〔実施例2〜8〕
作製条件の一部を表1〜3に示す条件に変更した以外は,実施例1と同様にして粉末A2〜A4,B2〜B8,C2〜C8を作製した。
〔物性の評価〕
1.粒度分布
粉末の粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定機(日機装株式会社製,MT−3300)を用いて測定した。ガラス粉末25mgをヘキサメタリン酸ナトリウムの0.2w/w%水溶液30mLへ投入し,超音波ホモジナイザーを用いて60秒間の分散処理を行った。分散液を120〜170mLのイオン交換水の入った粒度分布測定器へ投入し,粒度分布を測定した。
粒度分布の計算条件は,分布表示:体積,粒径区分:標準,計算モード:MT3000モード,粒子透過性:透過,粒子屈折率:非球形,粒子屈折率:1.51,溶媒屈折率:1.333を設定し,体積分布を算出した。
2.充填率
20℃の条件で下記(1)〜(5)の操作を行った。
(1)電子天秤の上にガラス板を載せ,ガラス板の上にガラス粉末3.00gを載せた。
(2)ガラス粉末に溶剤(γ―ブチロラクトン)を少量(一滴)加えた。
(3)ヘラを用いてガラス粉末と溶剤をよくなじませた。
(4)上記(2)と(3)の操作を,ガラス粉末が1個の凝集塊にまとまるまで繰り返した。
(5)ガラス粉末が1個の凝集塊にまとまったときまでに要した溶剤重量W(g)を求めた。
当該凝集塊中には,ガラスと溶剤のみが存在し,空隙(気体)は存在しないものとして,溶剤重量W,溶剤の比重(γ−ブチロラクトン:1.13),ガラスの重量(3.00g),ガラスの比重(2.35)から,次の式を用いて充填率(%)を算出した。
Figure 0006529800
結果を表1〜3に示す。粉末B1〜B8のデータとそれらに各々対応する粉末C1〜C8のデータとの比較により,粉砕後に何れも充填率が上昇したことが明らかである。更に,Bの段階の粉末では充填率52%以上を示したのは粉末B7のみであったのに対し,Bの段階の各粉末から調製されたCの段階の対応する粉末では,全てにおいて充填率52%以上が安定的に達成されたことが示されている。なお,粒度分布データからは,全般的に,Bの段階の粉末に比べ,Cの段階の粉末では小径側のある領域で粒子の頻度が増加する傾向が見られる。図1〜11に,実施例での関連する各段階の粉末調製工程での粒度分布の幾つかを,グラフで示す。
Figure 0006529800
Figure 0006529800
Figure 0006529800
本発明の製造方法により得られる粉末により,嵩密度の高い圧粉体や,高い密度で粉末を含んだペーストの製造が可能である。そのような圧粉体やペーストは,シールの形成や隔壁構造体の作製に用いるとき,材料の焼成前後の収縮率を小さくすることができ,それにより焼成後のクラックの発生の抑制や気密性の向上等の性能改善が可能となるため有用である。また,本発明の製造方法により得られる粉末は,単純にフィラーとして樹脂等に添加することで,充填率の高い樹脂材料を得ることができる点でも有用である。

Claims (10)

  1. 高充填性粉末を製造するための方法であって,
    (a)最大粒子径が3〜50μmである分級された一次粉末を準備するステップと,
    (b)該一次粉末を,更に乾式粉砕するステップと
    を含むことを特徴とする,製造方法。
  2. ステップ(a)が,原料粉末を分級して相対的に粗い粒子を除去することにより最大粒子径が3〜50μmである該一次粉末を回収する工程を含むものである,請求項1の製造方法。
  3. 該原料粉末が,50μmを含んでその上下に及ぶ粒子径分布を有するものであり,ステップ(a)に先立ち,原材料を粉砕することにより該原料粉末を得るステップ(p)を更に含むものである,請求項1又は2の製造方法。
  4. ステップ(p)における粉砕が乾式粉砕である,請求項3の製造方法。
  5. ステップ(a)における分級が乾式空気分級である,請求項1〜4の何れかの製造方法。
  6. 該高充填性粉末が,セラミック及びガラスからなる群より選ばれる材料の粉末である,請求項1〜5の何れかの製造方法。
  7. 該高充填性粉末が,焼成したとき稠密な固体を与えることのできるものである,請求項1〜6の何れかの製造方法。
  8. 該高充填性粉末が,フィラー用である,請求項1〜7の何れかの製造方法。
  9. 該高充填性粉末が,隔壁形成用ガラス粉末である,請求項1〜7の何れかの製造方法。
  10. 該高充填性粉末が,シール材用ガラス粉末である,請求項1〜7の何れかの製造方法。
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