JP6529475B2 - レーザ照射装置 - Google Patents
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Description
従来、この結晶化装置では、レーザ照射部付近を不活性ガスで充満させて、レーザをアモルファスシリコン膜に照射する技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、ガス噴出部と走査方向に沿って伸張する端部整流面を設け、ガス噴出部から噴出されたガスを端部整流面とガラス基板との間に流すことで、レーザの照射部近傍からその周囲の走査方向に亘って雰囲気を適切に確保する方法が提案されている。
特許文献2では、スイングノズルで照射部分へ窒素ガスを噴出して窒素ガス雰囲気を確保するものとしている。
また、特許文献3では、真空チャンバ内を真空あるいは窒素(大気圧)雰囲気とすることによって、アニール中に空気中の物質が非晶質半導体薄膜に作用することを防止している。
図5(A)(B)は、従来の装置の一例の概略を示すものである。レーザ照射部50には、不活性ガス噴出部51が設けられており、不活性ガス噴出部51から下方に、例えば窒素または不活性ガスが噴出されるとともに、不活性ガス噴出部51を通して、ステージ60で搬送されるガラス基板100にレーザ50Aが照射される。
図5(A)に示すように、ガラス基板100がステージ60の移動に伴いレーザ照射部50の下方に進入すると、レーザ50Aの照射と同時に、例えば窒素といった不活性ガスを不活性ガス噴出部51から噴出することで、レーザ照射時にガラス基板100上から空気を取り除くようにしている。
前述のとおり、従来は、ステージがレーザ照射部に到達して、ステージ上に搭載されているガラス基板と、上部の不活性ガス噴出部の隙間により、レーザ照射部のまわりに不活性ガス雰囲気が造り出される。
また、整った流れを実現するため、不活性ガス噴出部から流れ出る不活性ガスの流量は微量であるため、ステージとともに移動する空気を、レーザ照射部で完全に取り除くことができない。
以上のように、レーザ照射部は照射装置に固定され、ガラス基板は、これを搭載した搬送用ステージが移動した状態でレーザが照射するため、局所的かつ乱れの少ない不活性ガス雰囲気を作り出すことに問題がある。
レーザ光を出射するレーザ照射部;
前記レーザ光が照射されるワークに第1の不活性ガスを噴出することで浮上させて搬送可能なフロートユニット;
前記レーザ光の照射位置において、第2の不活性ガスを前記ワークに噴出する下方ガス噴出部;および
前記フロートユニットおよび前記ワークの上方であって、前記下方ガス噴出部の下方に位置する上部壁面部、を有するレーザ処理装置であって、
前記上部壁面部は開口部を有し、
前記レーザ光は前記開口部を介して前記ワークに照射され、
前記第2の不活性ガスは前記ワークと前記上部壁面部の間を流れ、
前記第1および第2の不活性ガスは同一種のガスであり、
前記下方ガス噴出部および前記上部壁面部によって、前記第2の不活性ガスによる局所的な雰囲気が形成可能であり、
前記第1および第2の不活性ガスは窒素である。
前記搬送が行われる搬送経路を含む大域的な領域における大域雰囲気を形成する大域雰囲気形成部と、前記大域雰囲気内で、前記搬送経路を含む小域的な領域で前記大域雰囲気と異なる小域雰囲気を形成する小域雰囲気形成部を有し、
前記小域雰囲気形成部は、少なくとも下方から噴出される前記浮上噴出ガスの全部または一部に合わせて上方から雰囲気ガスを噴出する下方ガス噴出部を有し、
大域雰囲気は、前記浮上支持のために下方から噴出される浮上噴出ガスを雰囲気ガスの一部として含み、
小域雰囲気は、前記浮上支持のために下方から噴出される浮上噴出ガスと、下方ガス噴出部によって上方から噴出される雰囲気ガスと、を雰囲気ガスの一部として含み、
前記小域雰囲気形成部で上方から噴出される雰囲気ガスと下方から噴出される浮上噴出ガスとが、窒素または不活性ガスであり、
前記大域雰囲気形成部で下方から噴出される前記浮上噴出ガスが、空気または前記小域雰囲気における前記浮上噴出ガスよりも純度が低い同一成分のガスであることを特徴とする。
前記搬送が行われる搬送経路を含む大域的な領域で大域雰囲気を形成する工程と、前記大域雰囲気内で、前記搬送が行われる搬送経路を含む小域的な領域で前記大域雰囲気と異なる小域雰囲気を形成する工程と、前記大域雰囲気と前記小域雰囲気を通して前記搬送経路に沿って前記ワークを搬送する工程と、を有し、
大域雰囲気を形成する工程は、前記浮上支持のために下方から噴出される浮上噴出ガスを雰囲気ガスの一部として含み、
小域雰囲気を形成する工程は、前記浮上支持のために下方から噴出される浮上噴出ガスと、少なくとも下方から噴出される前記浮上噴出ガスの全部または一部に合わせて上方から噴出される雰囲気ガスと、を雰囲気ガスの一部として含み、
前記小域雰囲気を形成する工程で、上方から噴出される前記雰囲気ガスと、下方から噴出される前記浮上噴出ガスが、窒素または不活性ガスであり、
前記大域雰囲気を形成する工程で、下方から噴出される前記浮上噴出ガスが、空気または前記小域雰囲気における前記浮上噴出ガスよりも純度が低い同一成分のガスであることを特徴とする。
図1は、レーザ処理装置の平面を示す図であり、処理室1内に、大域的な雰囲気である大域雰囲気Aと、局所的な雰囲気である小域雰囲気Bとが形成されている。
実施形態1では、大域的な雰囲気と小域的な雰囲気が処理室内で形成されているものとして説明するが、本発明としてはこれら雰囲気が処理室内に限られるものではない。また、図1では、処理室1が密閉した空間で示されているが、処理室1内で大域的な雰囲気と小域的な雰囲気とを形成する場合、処理室が密閉空間であるものに限定されず、ワークが連続して処理室内に搬送される構成を有するものであってもよい。この場合、処理室に開閉自在な扉やカーテンなどを設けるようにしてもよく、大域雰囲気を構成する雰囲気ガスを、大域領域に連続して、また適宜時期に導入することで雰囲気を維持することができる。
上記雰囲気は、以下の雰囲気形成装置で形成される。
ここで、フロートユニット3は、ポーラス形状や穴、溝などにより形成しており、圧縮流体を注入すると、ユニット上面より当該流体を噴出する。当該フロートユニット3から供給された流体により、ガラス基板100は下面に流体力を受け、フロートユニット3から離れたある一定の高さにおいて、浮上・非接触支持される。この支持位置に沿った経路が、本発明の搬送経路となる。ガラス基板100の搬送は、本発明とは別機構で図示しない搬送機構によって、ガラス基板100の一部を把持した状態で、フロートユニット3上に沿って移動するように行われる。なお、搬送機構の構成はこれに限定されるものではなく、要は、浮上したガラス基板を搬送できるものであればよい。
この実施形態1では、レーザ光は、ラインビーム形状に整形されてラインビームのライン方向が搬送方向と交差するようにしてガラス基板100に照射される。また、窒素噴出部6は、ラインビームの形状に沿ってライン状に窒素が噴出される。
以上より、レーザ照射部5付近では、窒素噴出部6および上部壁面部7によって、窒素噴出部6から噴出されている窒素が、少なくともフロートユニット3Bの噴出窒素の全部または一部に合わせるように位置して窒素が充満するため、局所的な窒素雰囲気、すなわち小域雰囲気Bを形成・維持することができる。小域雰囲気Bは、ガラス基板100に対し、上方、下方および両側方を覆うようにして形成され、加工エリアWは、小域雰囲気B内に位置している。
すなわち、フロートユニット3B、窒素噴出部6および上部壁面部7は、本発明の小域雰囲気形成部を構成する。
なお、小域雰囲気は、ガラス基板搬送の際に常時形成されているものでなくてもよく、少なくとも、ガラス基板100が移動方向Dに搬送されて、小域雰囲気Bを形成する領域に至るまでに、または、加工エリアWに至るまでに形成されていればよい。
さらに、大域雰囲気Aとなる大域領域では、フロートユニット3Aから上方に噴出される噴出エアーが加わって雰囲気が形成される。噴出エアーは、本発明の一形態における浮上噴出ガスに相当する。
また、本実施形態は、図2示手前および奥行方向にも同様の機構となっており、これにより、小域雰囲気Bにガラス基板100が到達すると、ガラス基板100の上方、下方および両側方から雰囲気ガスによりガラス基板100が覆われる。また、少なくとも窒素噴出部6のガスの噴出範囲および上面壁面部7では、加工エリアWよりも搬送方向直角方向に対し外側に位置するのが望ましく、フロートユニット3Bのガス噴出範囲を加工エリアWよりも同じく外側に位置するのが望ましい。
次に、実施形態2の概略図を図3に示す。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態に示されるレーザ処理装置2Aでは、ガラス基板100を搬送するために、外部より供給された圧縮流体を噴出するためのフロートユニット3を搬送経路の下方側に多数配置している。ここで、フロートユニット3は、ポーラス形状や穴、溝などにより形成しており、圧縮流体を注入すると、ユニット上面より当該流体を噴出する。当該フロートユニット3から供給された流体により、ガラス基板100は下面に流体力を受け、フロートユニット100から離れたある一定の高さにおいて、浮上・非接触支持される。この支持位置に沿った経路が、本発明の搬送経路となる。ガラス基板100の搬送は、本発明とは別機構で図示しない搬送機構によって、ガラス基板100の一部を把持した状態で、フロートユニット3上に沿って移動するように行われる。
窒素下方噴出部8に対応する位置のフロートユニット3は、窒素ガスを上方に噴出するフロートユニット3Bで構成されており、その外側のフロートユニット3では、エアーを上方に噴出するフロートユニット3Aで構成されている。すなわち、フロートユニット3は、フロートユニット3Aとフロートユニット3Bを総称するものである。
以上より、レーザ照射部5付近では、窒素噴出部6と窒素下方噴出部8から噴出される窒素が、少なくともフロートユニット3Bの噴出窒素の全部または一部に合わせるように位置して窒素が充満するため、局所的な窒素雰囲気、すなわち小域雰囲気Bを生成・維持することができる。
すなわち、フロートユニット3B、窒素噴出部6および窒素下方噴出部8は、本発明の小域雰囲気形成部を構成する。
さらに、大域雰囲気Aとなる大域領域では、フロートユニット3Aが上方に噴出される噴出エアーが加わって雰囲気が形成される。
次に、実施形態3の概略図を図4に示す。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態に示されるレーザ処理装置2Bでは、ガラス基板100を搬送するために、外部より供給された圧縮流体を噴出するためのフロートユニット3を搬送経路の下方側に多数配置している。ここで、フロートユニット3は、ポーラス形状や穴、溝などにより形成しており、圧縮流体を注入すると、ユニット上面より当該流体を噴出する。当該フロートユニット3から供給された流体により、ガラス基板100は下面に流体力を受け、フロートユニット100から離れたある一定の高さにおいて、浮上・非接触支持される。この支持位置に沿った経路が、本発明の搬送経路となる。ガラス基板100の搬送は、本発明とは別機構で図示しない搬送機構によって、ガラス基板100の一部を把持した状態で、フロートユニット3上に沿って移動するように行われる。
窒素下方噴出部9に対応する位置のフロートユニット3は、窒素ガスを上方に噴出するフロートユニット3Bで構成されており、その外側のフロートユニット3では、エアーを上方に噴出するフロートユニット3Aで構成されている。すなわち、フロートユニット3は、フロートユニット3Aとフロートユニット3Bを総称するものである。
図4に示すように、ガラス基板100が図示左側より加工エリアWに進入するとき、窒素下方噴出部9はガラス基板100の進行方向Dに対して反対側へ窒素を噴出する。このため、ガラス基板100に対しては、早期に窒素が十分に供給される。ガラス基板100が加工エリアWへ進入後、加工エリアWに対して図示右側の窒素下方噴出部9はガラス基板の進行方向と同方向に窒素を噴出する。
また、ガラス基板100下面は、フロートユニット3Bより噴出する窒素により、浮上・非接触支持している。ガラス基板100下面も上面と同様に窒素で充満している。
以上より、レーザ照射部5付近では、窒素噴出部6と窒素下方噴出部9から噴出される窒素が、少なくともフロートユニット3Bの噴出窒素の全部または一部に合わせるように位置して窒素が充満するため、局所的な窒素雰囲気、すなわち小域雰囲気Bを生成・維持することができる。
すなわち、フロートユニット3B、窒素噴出部6および窒素下方噴出部9は、本発明の小域雰囲気形成部を構成する。
なお、小域雰囲気は、ガラス基板搬送の際に常時形成されているものでなくてもよく、少なくとも、移動方向Dによってガラス基板100が小域雰囲気Bを形成する領域に至るまでに、または、加工領域に至るまでに形成されていればよい。
さらに、大域雰囲気Aとなる大域領域では、フロートユニット3Aが上方に噴出される噴出エアーが加わって雰囲気が形成される。
また、本実施形態は、図4示手前および奥行方向にも同様の機構となっており、これにより、小域雰囲気Bにガラス基板100が到達すると、ガラス基板100の上方、下方および両側方から雰囲気ガスによりガラス基板100が覆われる。また、少なくとも窒素噴出部6のガスの噴出範囲および上面壁面部7では、加工エリアWよりも搬送方向直角方向に対し外側に位置するのが望ましく、フロートユニット3Bのガス噴出範囲を加工エリアWよりも同じく外側に位置するのが望ましい。
2 レーザ処理装置
2A レーザ処理装置
2B レーザ処理装置
3 フロートユニット
3A フロートユニット
3B フロートユニット
5 レーザ照射部
6 窒素噴出部
7 上部壁面部
8 窒素下方噴出部
9 窒素下方噴出部
20 エアー導入部
21 窒素導入部
100 ガラス基板
A 大域雰囲気
B 小域雰囲気
D 進行方向
Claims (5)
- レーザ光を出射するレーザ照射部;
前記レーザ光が照射されるワークに第1の不活性ガスを噴出することで浮上させて搬送可能なフロートユニット;
前記レーザ光の照射位置において、第2の不活性ガスを前記ワークに噴出する下方ガス噴出部;および
前記フロートユニットおよび前記ワークの上方であって、前記下方ガス噴出部の下方に位置する上部壁面部、を有するレーザ処理装置であって、
前記上部壁面部は開口部を有し、
前記レーザ光は前記開口部を介して前記ワークに照射され、
前記第2の不活性ガスは前記ワークと前記上部壁面部の間を流れ、
前記第1および第2の不活性ガスは同一種のガスであり、
前記下方ガス噴出部および前記上部壁面部によって、前記第2の不活性ガスによる局所的な雰囲気が形成可能であり、
前記第1および第2の不活性ガスは窒素であるレーザ処理装置。 - 前記ワークは非晶質半導体膜が形成されたガラス基板である請求項1記載のレーザ処理装置。
- 前記フロートユニットは、平面視において前記レーザ光の前記照射位置を含む第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域を有し、
前記第1の不活性ガスは、前記第1の領域から噴出される請求項1または2にに記載のレーザ処理装置。 - 前記上部壁面部は、平面視において前記フロートユニットの前記第1の領域と重なっている請求項3に記載のレーザ処理装置。
- 前記上部壁面部および前記フロートユニットの前記第1の領域との間に、前記第1および第2の不活性ガスによる局所的な雰囲気が形成可能な請求項3に記載のレーザ処理装置。
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