JP6529358B2 - コンクリート構造物の補強方法およびスペーサ - Google Patents
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Description
この他の補強方法として、補強シートの片面又は両面にセメント板などを貼り付けて形成したパネルを、既設コンクリート構造物に取り付ける方法もある(特許文献1,2参照)。
一方、補強シートの両面にセメント板を張り付けた特許文献2のパネルでは、コンクリート構造物側のセメント板を裏当てにして、隣り合う補強シート同士の接着作業を行うことができるので、接着作業性は改善する。しかし、補強シートの表裏2枚のパネルが必要であり、不経済である。
請求項3に係る発明は、前記第一のスペーサは、扁平状を呈し、前記第二のスペーサは、円柱状を呈している、ことを特徴とする、請求項2に記載のスペーサである。
また、本発明に係るスペーサは、コンクリート構造物と補強部材との間から容易に撤去することができる。
本実施形態では、補強パネル(補強部材)6で既設柱Pを補強する場合を例示する。補強パネル6は、繊維強化セメント板(いわゆるフレキシブルボード)からなる面材22の一面に連続炭素繊維シートからなる補強シート21を貼着してなるCF複合パネルである。補強パネル6は、既設柱Pの周囲に複数設置する。
第二のスペーサ1aは、補強パネル6,6の接合部以外の部分に配置されるものであり、円柱状を呈している。
第二のスペーサ1aは、袋状のスペーサ本体2と、バルブ3とを備えている。
なお、スペーサ1,1aの構成は、スペーサ本体2の形状および剥離層4の有無を除いて同様であるので、以下では、第一のスペーサ1について詳細に説明し、第二のスペーサ1aについての詳細な説明を省略する。
本実施形態の補強方法は、準備工程と、スペーサ配置工程と、パネル設置工程と、接合工程と、スペーサ収縮工程と、スペーサ撤去工程と、充填工程とを主に有する。
スペーサ1が収縮している場合には、スペーサ本体2にバルブ3から流体(空気、水など)を注入する。
スペーサ1,1aを配置したら、スペーサ抑え5を用いて既設柱Pにスペーサ1,1aの上部を固定する。スペーサ抑え5は、後述する補強パネル6と干渉しない高さに取り付ける。スペーサ抑え5には、ゴムバンドやパイプ、或いは桟木等を使用することができる。本実施形態では、ゴムバンドからなるスペーサ抑え5を既設柱Pに巻き付け、スペーサ抑え5でスペーサ1,1aの上部を既設柱Pに押し付けることにより、複数のスペーサ1,1aを一括して既設柱Pに固定する。
また、本実施形態では、膨張した状態のスペーサ1を既設柱Pに設置する場合を例示したが、収縮した状態のスペーサ1を既設柱Pの周囲に配置した後に、スペーサ1を膨張させてもよい。
なお、補強パネル6は、平面視コ字状を呈する面材22と、面材22の内面に沿って配置された補強シート21とを備えている。面材22は、複数のフレキシブルボード22a,22b,22cを平面視コ字状に組み合わせて形成したものである。補強シート21は、面材22の内面に貼着された部分と面材22の両側縁から延出する部分(以下「接合部21a」という。)とを備えている。中央のフレキシブルボード22aの幅寸法は、既設柱Pの一側面(フレキシブルボード22aに対向する側面)の幅寸法よりも大きい。両側のフレキシブルボード22b,22cの幅寸法は、既設柱Pの他側面の幅寸法の半分よりも小さい。
補強パネル6,6を設置したら、補強パネル6の上端部に間隔保持材40を配置し、補強パネル6の下端部付近にセパレータ41を配置し、補強パネル6と既設柱Pとの間隔を保持する(図4の(b)および(c)参照)。
スペーサ1を撤去したら、補強パネル6と接合パネル7との隙間や、補強パネル6と床スラブとの隙間をシールする。その後、図6に示すように、補強パネル6の外面に複数の桟木42,42,…を配置し、桟木42,42,…をテープ43で取り囲む。
また、本実施形態では、補強シート6が炭素繊維シートである場合を例示したが、アラミド繊維シートやガラスクロスを使用することもできる。
1 スペーサ
2 スペーサ本体
3 バルブ
4 剥離層
5 スペーサ抑え
6 補強パネル
7 接合パネル
9 充填材
21 補強シート
22 面材
Claims (4)
- コンクリート構造物を補強部材で補強する方法であって、
膨縮可能なスペーサをコンクリート構造物の外側に配置するスペーサ配置工程と、
面材に補強シートを貼着してなる補強パネルを前記コンクリート構造物の周囲に複数設置するパネル設置工程と、
隣り合う前記補強シート同士を接合する接合工程と、
前記スペーサを収縮させるスペーサ収縮工程と、
前記スペーサを撤去するスペーサ撤去工程と、
前記コンクリート構造物と前記補強パネルとの間に充填材を充填する充填工程とを有しており、
前記スペーサは、隣り合う前記補強パネルの前記補強シートの接合部に配置される第一のスペーサと、前記接合部以外の部分に配置される第二のスペーサとからなり、
前記スペーサ配置工程では、前記第一のスペーサを前記接合部に対応する位置に配置するとともに、前記第二のスペーサを前記第一のスペーサとは異なる位置に配置し、
前記接合工程では、膨張させた状態の前記第一のスペーサを裏当てにして、隣り合う前記補強シート同士を接合する、
ことを特徴とする、コンクリート構造物の補強方法。 - コンクリート構造物と前記コンクリート構造物の周囲に複数設置される補強パネルからなる補強部材との間に配置されるスペーサであって、
膨縮可能な袋状のスペーサ本体と、
前記スペーサ本体に充填された流体を排出可能なバルブとを有しており、
隣り合う補強パネルの接合部に配置される第一のスペーサと、前記接合部以外の部分に配置される第二のスペーサとからなる、
ことを特徴とする、スペーサ。 - 前記第一のスペーサは、扁平状を呈し、
前記第二のスペーサは、円柱状を呈している、
ことを特徴とする、請求項2に記載のスペーサ。 - 前記スペーサ本体の表面に剥離層を有する、
ことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載のスペーサ。
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