JP6529232B2 - 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置 - Google Patents

溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6529232B2
JP6529232B2 JP2014182277A JP2014182277A JP6529232B2 JP 6529232 B2 JP6529232 B2 JP 6529232B2 JP 2014182277 A JP2014182277 A JP 2014182277A JP 2014182277 A JP2014182277 A JP 2014182277A JP 6529232 B2 JP6529232 B2 JP 6529232B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
welding
primary
value
current measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014182277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016055306A (ja
JP2016055306A5 (ja
Inventor
三夫 並木
三夫 並木
貴洋 矢野
貴洋 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amada Miyachi Co Ltd
Original Assignee
Amada Miyachi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amada Miyachi Co Ltd filed Critical Amada Miyachi Co Ltd
Priority to JP2014182277A priority Critical patent/JP6529232B2/ja
Priority to PCT/JP2015/001061 priority patent/WO2016038756A1/ja
Publication of JP2016055306A publication Critical patent/JP2016055306A/ja
Publication of JP2016055306A5 publication Critical patent/JP2016055306A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6529232B2 publication Critical patent/JP6529232B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K11/00Resistance welding; Severing by resistance heating
    • B23K11/24Electric supply or control circuits therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K11/00Resistance welding; Severing by resistance heating
    • B23K11/24Electric supply or control circuits therefor
    • B23K11/25Monitoring devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Generation Of Surge Voltage And Current (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Description

本発明は、抵抗溶接加工やヒュージング加工において溶接電流の測定、監視および制御に用いられる溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置に関する。
抵抗溶接加工やヒュージング加工において、溶接電流は最も重要な溶接条件であり、溶接電流の測定、監視または制御は正確でなければならない。従来より、抵抗溶接機またはヒュージング加工機において、溶接電流の測定、監視または制御を行う場合は、電流センサにトロイダルコイル(“ロゴスキーコイル”とも称される。)が多く用いられている。トロイダルコイルは、溶接トランスの2次側回路の一部(2次導体)に装着され、磁気飽和することなく通常10kA以上の溶接電流を正確に検出することができる。
ただし、トロイダルコイルより出力される信号は、溶接電流の微分波形を表すものであり、そのままでは電流測定値の演算には適さない。そこで、演算増幅器(オペアンプ)からなる積分回路によりトロイダルコイルの出力信号を時間積分して、溶接電流の波形を表す積分値信号または電流復元波形信号を生成し、この電流復元波形信号を信号処理または演算回路に通して溶接電流の測定値(実効値、ピーク値等)を求めるようにしている。
特許第2562691号
上記のように、溶接電流の測定にトロイダルコイルを用いる場合は、トロイダルコイルより出力された電流微分波形信号を積分回路に通して、溶接電流の波形を復元するようにしている。しかしながら、実際には、積分回路を構成する演算増幅器におけるオフセット電圧の影響により、積分値信号(電流復元波形信号)の基準値またはゼロ点レベルが正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。その結果、電流復元波形信号に対してなされる後段のA/D変換や実効値演算等の信号処理にも誤差が生じて、溶接電流測定値の精度が低下し、ひいては溶接電流の監視や制御においても信頼性が低下し、このことが従来技術の問題となっている。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、溶接電流に関する電流測定値、監視機能、制御機能の精度および信頼性を向上させる溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置を提供する。
本発明の溶接電流測定装置は、溶接電源より溶接トランスを介して被溶接材に供給される溶接電流の電流値を測定する溶接電流測定装置であって、前記溶接トランスの1次側回路に設けられ、前記1次側回路を流れる1次電流の電流波形を表す出力信号を発生する1次電流センサを有し、前記一次電流センサの出力信号に基づいて前記1次電流の電流測定値を求める1次電流測定部と、前記溶接トランスの2次側回路に設けられ、前記2次側回路を流れる2次電流の電流微分波形を表す出力信号を発生する2次電流センサを有し、前記2次電流センサの出力信号に基づいて前記2次電流の電流測定値を求める2次電流測定部と、テスト通電において、前記1次電流測定部および前記2次電流測定部よりそれぞれ得られる前記1次電流および前記2次電流の電流測定値から前記溶接トランスの巻数比を算出する巻数比演算部と、前記被溶接材を抵抗溶接するための本通電において、前記1次電流測定部により得られる前記1次電流の電流測定値を前記巻数比演算部により算出された前記巻数比を用いて前記2次電流の電流測定値に換算し、換算した前記2次電流の電流測定値を前記溶接電流の電流測定値として出力する電流換算部とを具備し、前記1次電流測定部は、前記本通電において、前記2次電流センサの出力信号立ち上がりに応動して、前記1次電流センサの出力信号に基づいた前記1次電流の電流測定値の演算を開始する。
上記構成の溶接電流測定装置においては、抵抗溶接の本通電とは別途にテスト通電を行い、溶接トランスの1次側回路で流れた1次電流を1次電流センサおよび1次電流測定部により測定すると同時に、2次側回路で流れた2次電流を2次電流センサおよび2次電流測定部により測定し、1次電流および2次電流の電流測定値から溶接トランスの巻数比を算出する。以後、抵抗溶接の本通電が行われるときは、2次電流測定部を使わずに、1次電流測定部より得られる1次電流の電流測定値を上記テスト通電で求めた巻数比を用いて2次電流の電流測定値に換算したものを溶接電流の電流測定値とする。
上記構成の溶接電流測定装置においては、1次電流の電流値は2次電流の電流値より桁違いに小さいため、1次電流センサには1次電流の電流波形を表す信号を出力する(つまり、波形復元のための積分回路を不要とする)タイプの1次電流センサを用いる。このことにより、本通電の通電時間を任意に長く設定しても、電流波形信号のゼロ点レベルが変動せずに一定に保たれるので、1次電流測定部より精度の高い電流測定値が得られる。しかも、テスト通電によって求めた溶接トランスの巻数比を用いて、1次電流の電流値を2次電流の電流値(溶接電流の電流測定値)に換算するので、現場作業員の誤った設定入力等の人為的なミスが入る可能性は絶対になく、溶接トランスの交換、変更またはタップ切換等があってもテスト通電によって自動的に対応できる。
さらに、1次電流センサの出力信号の波形が1次電流の電流波形そのものを直接表す波形であるために通電の開始時にその立ち上がりがはっきりしないのに対して、2次電流センサの出力信号の波形は1次電流の微分波形を表す波形であるために通電の開始時にその立ち上がりが急峻ではっきりしている。上記構成の溶接電流測定装置においては、2次電流測定部がテスト通電の際に2次電流センサの出力信号の立ち上がりに応動して2次電流センサの出力信号に基づいた2次電流の電流測定値の演算処理を開始し、1次電流測定部がテスト通電および本通電の際に2次電流センサの出力信号の立ち上がりに応動して1次電流の電流測定値の演算処理を開始するようにしている。これにより、1次電流測定部では、テスト通電のみならず本通電に際しても、起動のタイミングが判別しやすくなっている。
本発明の抵抗溶接監視装置は、上記溶接電流測定装置と、前記溶接電流の電流値について所望の監視値を設定する監視値設定部と、前記本通電において、前記電流換算部より得られた前記溶接電流の電流測定値を前記監視値と比較して、監視結果の情報を出力する判定部とを有する。
上記構成の抵抗溶接監視装置においては、上記溶接電流測定装置より得られる電流測定値に基づいて溶接電流の監視を行うので、監視機能の精度、安定性および品質管理の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の抵抗溶接制御装置は、上記溶接電流測定装置と、前記溶接トランスの1次側回路または2次側回路に設けられる電流制御素子と、前記溶接電流の電流値について所望の基準値を設定する基準値設定部と、前記本通電において、前記電流換算部より所定のサイクル毎に得られる前記溶接電流の電流測定値が前記基準値に一致または近似するように、前記電流制御素子を制御する制御部とを有する。
上記構成の抵抗溶接制御装置においては、上記溶接電流測定装置より得られる電流測定値に基づいて溶接電流に対するフィードバック制御を行うので、定電流制御の精度、安定性および信頼性を向上させることができる。
本発明の溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置によれば、上記のような構成および作用により、溶接電流測定値の精度、安定性および信頼性を向上させることができる。
単相交流式抵抗溶接機に適用した本発明の一実施例における溶接電流監視装置の構成を示すブロック図である。 上記抵抗溶接監視装置における主演算処理部の機能的な構成を示すブロック図である。 図1Aの抵抗溶接監視装置における第1および第2の電流センサおよび波形復元回路の出力の波形を示す波形図である。 直流インバータ式抵抗溶接機に適用した本発明の一実施例における抵抗溶接監視装置の構成を示すブロック図である。 図3の抵抗溶接監視装置における第1および第2の電流センサおよび波形復元回路の出力の波形を示す波形図である。 図4Aの一部を拡大して示す部分拡大波形図である。 交流インバータ式抵抗溶接機に適用した本発明の一実施例における抵抗溶接制御装置の構成を示すブロック図である。 図5の抵抗溶接制御装置における第1および第2の電流センサおよび波形復元回路の出力の波形を示す波形図である。 図6Aの一部を拡大して示す部分拡大波形図である。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。

〔単相交流式抵抗溶接機における抵抗溶接監視装置の実施例〕
図1A、図1Bおよび図2を参照して、単相交流式抵抗溶接機に使用可能な抵抗溶接監視装置に本発明を適用した一実施例(第1の実施例)について説明する。
図1Aにおいて、単相交流式抵抗溶接機10の入力端子P,Qには、たとえば工場内の主電源装置(図示せず)より電源ラインを介して商用周波数の交流電源電圧E0が入力される。抵抗溶接が行われるときは、この交流電源電圧E0が一対のサイリスタ12,14からなるコンタクタを介して溶接トランス16の1次コイルに印加され、電磁誘導により2次コイルの両端間に得られる2次電圧が加圧機構付きの溶接ヘッド(図示せず)に取り付けられた一対の溶接電極18,20を介して被溶接材W(22,24)に印加される。これにより、溶接トランス16の2次側回路を溶接電流Iw が流れ、被溶接材W(22,24)の溶接継手部がジュール熱により溶けて冶金的に接合する。溶接電流制御部26は、商用周波数の各半サイクル毎に溶接電流Iw の電流値(実効値)が溶接電流設定部28より与えられる設定値に一致または近似するように、点弧パルス発生回路30を通じてサイリスタ12,14の点弧角を制御する。
この単相交流式抵抗溶接機10では、抵抗溶接の品質管理を図るために抵抗溶接監視装置32を用いる。この抵抗溶接監視装置32は、溶接通電において溶接トランス16の2次側回路を流れた溶接電流Iwの電流値を測定して溶接電流測定値を表示出力するとともに、溶接電流測定値が予め設定した監視値の範囲内に収まっているか否かを監視して監視結果を表示出力するように構成されている。
図1Aに示すように、抵抗溶接監視装置32は、溶接トランス16の1次側回路に設けられる1次電流センサ34と、2次側回路に設けられる2次電流センサ36とを有している。
1次電流センサ34は、溶接トランス16の1次側回路を流れる1次電流I1の電流波形を表す信号(電流波形信号)SI1を出力するタイプの電流センサたとえばホールCTで構成される。ホールCTの場合、1次電流センサ34は、1次側回路の一部(1次導体)を取り囲むリング状の磁気コアと、この磁気コアのギャップに取り付けられるホール素子とを有している。このホール素子により、1次電流I1によって発生した磁界を検出して電圧信号SI1に変換するようになっている。
2次電流センサ36は、溶接トランス16の2次側回路を流れる2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を微分した波形を表す信号(電流微分波形信号)DI2を出力するタイプの電流センサたとえばトロイダルコイルで構成される。トロイダルコイルの場合、2次電流センサ36は、2次側回路の一部(2次導体)を取り囲むように巻架される。2次電流I2によって発生した磁界がトロイダルコイルのコイルに鎖交すると、電磁誘導により2次電流I2の時間変化率(微分)に比例した電圧がコイルに生成される。この電圧を出力信号DI2として取り出すようにしている。
抵抗溶接監視装置32は、上記1次および2次電流センサ34,36の他に、1次電流測定回路38、波形復元回路40、2次電流測定回路42、主演算処理部44、入力部46および表示部48を備えている。
溶接トランス16の1次側において、1次電流測定回路38は、1次電流センサ34より出力されるアナログの電流波形信号SI1をA/D変換器によりディジタル信号に変換して、1次電流I1の電流測定値(各半サイクル毎の実効値、通電時間の一部または全期間にわたる相加平均実効値、ピーク値等)MI1をディジタル演算処理によって求めるように構成されている。なお、1次電流測定回路38は、2次電流センサ36の出力信号(電流微分波形信号)を演算開始のタイミングに用いるようにしている。
溶接トランス16の2次側において、波形復元回路40は、演算増幅器(オペアンプ)を含む積分回路からなり、2次電流センサ36より出力されるアナログの電流微分波形信号DI2を時間積分して、2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を表す電流復元波形信号SI2を出力する。2次電流測定回路42は、波形復元回路40より出力されるアナログの電流復元波形信号SI2をA/D変換器によりディジタル信号に変換して、2次電流I2の電流測定値(各半サイクル毎の実効値、通電時間の一部または全期間にわたる相加平均実効値、ピーク値、通電時間等)MI2をディジタル演算処理によって求めるように構成されている。
主演算処理部44は、1次電流測定回路38、2次電流測定回路42および入力部46よりそれぞれ1次電流測定値、2次電流測定値および各種設定値(あるいは制御信号、指令等)を入力し、入力信号または入力データについて所要の演算処理を行い、演算結果を表示部48の画面上に表示出力するように構成されている。
この抵抗溶接監視装置32は、当該抵抗溶接機10において被溶接材Wに対する抵抗溶接が行われるときは、上記のようにその抵抗溶接のための通電(本通電)で2次側回路を流れた溶接電流IWの電流値を測定および監視して、測定結果および監視結果を表示部48の画面上に出力するようになっている。さらに、この実施形態では、抵抗溶接の本通電とは別に、溶接トランス16の巻数比を求めるための後述するテスト通電が随時または定期的に行われるようになっている。抵抗溶接監視装置32は、テスト通電においても動作し、溶接トランス16の巻数比nを求めるための所要の信号処理および演算処理を行うようになっている。
図1Bに、この実施形態の抵抗溶接監視装置32における主演算処理部44の機能的な構成を示す。主演算処理部44は、マイクロコンピュータを含み、機能的な構成として、巻数比演算部50、巻数比記憶部52、電流換算部54、監視値設定部56および判定部58を有している。
巻数比演算部50は、テスト通電が行われるときに機能し、1次電流測定回路38および2次電流測定回路42でそれぞれ得られた1次電流測定値MI1および2次電流測定値MI2を取り込んで、両電流測定値の比MI2/MI1を溶接トランス16の巻数比nとして算出する。巻数比演算部50で得られた巻数比nの値(データ)は、巻数比記憶部52に格納(保存)される。
なお、巻数比nの演算に用いられる1次電流測定値MI1および2次電流測定値MI2は、交流周波数の半サイクル毎に得られる1次電流I1および2次電流I2の実効値を通電時間の一部の期間または全期間にわたって平均した値(相加平均実効値)である。また、巻数比nは、整数の値に限らず、小数点以下の詳しい値まで算出される。
電流換算部54は、抵抗溶接のための本通電が行われるときに機能し、1次電流測定回路38で得られた1次電流測定値(相加平均実効値、ピーク値)MIを取り込むとともに、巻数比記憶部52より巻数比nの値(データ)を読み出し、1次電流測定値MIに巻数比nを乗じて2次電流測定値(相加平均実効値、ピーク値)[MI を求める。この2次電流測定値[MI は、溶接電流Iの電流測定値[MI として判定部58および表示部48に与えられる。
監視値設定部56には、溶接電流Iの電流値について入力部46より入力された監視値たとえば上限値および/または下限値が設定される。判定部58は、抵抗溶接の本通電が行われるときに機能し、電流換算部54で1次電流測定値MIから換算された2次電流測定値[MI つまり溶接電流測定値[MI が監視値の範囲内に収まっているか否かを検査して、判定(監視)結果を表示部48に与える。表示部48は、抵抗溶接の本通電では溶接電流測定値[MI および判定結果を表示するとともに、テスト通電では巻数比演算部50で得られたトランス巻数比nの値を表示する。
この実施例におけるテスト通電は、当該抵抗溶接機10に組み込まれている溶接トランス16の巻数比を抵抗溶接監視装置32における信号処理および演算処理により求めるために、抵抗溶接時の通電とは別途に随時または定期的に行われる。たとえば、当該抵抗溶接機10において、溶接トランス16の取付または交換が行われたときや、二次側コイルのタップが切り替えられたとき、あるいは抵抗溶接監視装置32の使用を開始するときに、テスト通電を実施してよい。
テスト通電では、抵抗溶接の本通電と同様に、溶接電流制御部26によりサイリスタ12,14の点弧制御が行われ、当該抵抗溶接機10の1次側回路および2次側回路で1次電流I1および2次電流I2がそれぞれ流れる。ただし、テスト通電の通電時間は、1次電流I1および2次電流I2について信頼できる電流測定値を得るのに必要な最小限の時間よりは長く、波形復元回路40内の信号処理(時間積分)において演算増幅器のオフセットの影響が出始める時間よりも短い時間(たとえば0.5〜1.5秒)に設定される。また、フィードバック方式の定電流制御を行わない場合、サイリスタ12,14の点弧角または点弧位相は通電時間を通じて一定値に保持される。好ましくは、当該抵抗溶接機10において2次電流I2の電流値が最大になる点弧位相が設定される。
図2に、テスト通電において得られる1次および2次電流センサ34、36の出力波形および波形復元回路40の出力波形の一例を示す。1次および2次電流センサ34、36の出力信号SI1,DI2の波形は本通電のときと同じである。1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1は1次電流I1の電流波形を表し、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2は2次電流I2の電流微分波形を表し、波形復元回路40の出力信号SI2は2次電流センサ36の出力DI2を時間積分した波形、つまり2次電流I2の電流波形を表す。
図示のように、1次電流I1の通電角と2次電流I1の通電角とは一致している。商用交流周波数の各半サイクルにおいて、通電(点弧)を開始する際に、1次電流I1および2次電流I2の立ち上がりが正弦波のように比較的緩やかである(このため起動のタイミングが判別しにくい)のに対して、2次電流センサ36の出力信号DI2の立ち上がりはパルスのように急峻である(このため起動のタイミングが判別しやすい)。また、波形復元回路40は時間積分の信号処理に演算増幅器を有しているため、通電時間がある臨界点(通常2秒前後)を超えると、波形復元回路40の出力信号SI2においてはゼロ点レベルZL0が図中の点線ZL+もしくはZL-のように正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。
この実施形態では、このように商用周波数の各半サイクルにおいて通電(点弧)開始時に2次電流センサ36の出力信号(電流微分波形信号)DI2がパルス状に急峻に立ち上がる特性を、2次電流測定回路42のみならず1次電流測定回路38も実効値演算処理の開始のタイミングに利用する。具体的には、1次電流測定回路38は、テスト通電開始直後の最初の半サイクルにおいてのみ、2次電流センサ36の出力信号DI2が立ち上がるタイミングを実効値演算処理の開始のタイミングに用いる。後続の各半サイクルでは、商用周波数に応じたクロックまたはタイマによる一定周期のタイミングで実効値演算処理を繰り返し行う。
上記のように、1次電流測定回路38は、1次電流センサ34の出力信号SI1に基づいて、各半サイクル毎に1次電流I1の実効値を演算するとともに、テスト通電の通電時間の一部の期間または全期間にわたる1次電流I1の相加平均実効値MI1を演算する。一方、2次電流測定回路42は、波形復元回路40の出力信号(電流復元波形信号)SI2に基づいて、各半サイクル毎に2次電流I2の実効値を演算するとともに、テスト通電の通電時間の一部の期間または全期間にわたる2次電流Iの相加平均実効値MI2を演算する。たとえば、テスト通電の通電時間を1秒に設定し、通電時間の全期間を測定時間とする場合は、各半サイクル分の実効値を100個算術平均した値つまり相加平均実効値MI1,MI2が演算される。
テスト通電によって得られた溶接トランス16の巻数比nの値は、表示部48の画面上に表示されるとともに、巻数比記憶部52に保存される。この場合、今回のテスト通電で取得された巻数比nの値がそれまで保存されていた巻数比nの値と異なる場合は、巻数比記憶部52において巻数比nの更新(新旧交代)を行ってよい。表示部48上で表示された巻数比nの値は、ユーザを通じて溶接電流制御部26における1次側および2次側間の設定値や制御値等の換算に用いられる。
抵抗溶接のための本通電では、被溶接材Wの材質や溶接継手の形態等に応じて任意の通電時間が設定される。したがって、通電時間が数秒以上に及ぶことがある。
本通電においても、1次電流センサ(ホールCT)34は、溶接トランス16の1次側回路を流れる1次電流I1の電流波形を表す信号SI1を出力する。そして、1次電流測定回路38は、1次電流センサ34の出力信号SI1に基づいて、各半サイクル毎に1次電流I1の実効値を演算するとともに、本通電の通電時間の一部の期間または全期間にわたる1次電流I1の相加平均実効値MI1を演算する。また、電流測定値MI1の他の態様として1次電流I1のピーク値や通電時間等を求めることもある。その際、1次電流測定回路38は、本通電の開始直後に、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2の立ち上がりに応動して実効値演算処理を開始する。
一方、波形復元回路40および2次電流測定回路42は、本通電では機能せずに休止状態に保持される。主演算処理部44においては、電流換算部54が、1次電流測定回路38より1次電流測定値MI1を取り込むとともに、巻数比記憶部52より巻数比nの値を読み出し、1次電流測定値MI1に巻数比nを乗じて1次電流測定値MI1を2次電流測定値[MI2]に換算する。そして、判定部58が、電流換算部54からの2次電流測定値[MI2]つまり溶接電流測定値MIWを監視値と比較して、判定(監視)結果を出力する。表示部48は、2次電流測定値[MI2]および判定(監視)結果を表示出力する。
このように、抵抗溶接のための本通電では、2次側の波形復元回路40および2次電流測定回路42を休止状態に保ち、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38)より得られる1次電流測定値MI1をトランス巻数比nを用いて2次電流測定値[MI2]に換算し、換算によって得られた2次電流測定値[MI2]を溶接電流測定値MIWとして出力するので、本通電の通電時間が任意に長くても、1次電流測定値MI1は安定しており、溶接電流測定値MIWも安定している。
また、電流換算部54で1次電流測定値MI1から2次電流測定値[MI2]への換算に用いられる巻数比nは、現在使用されている溶接トランス16について上記のようなテスト通電により求められたものであり、現場作業員の勘違いや誤入力等の人為的なミスが入る可能性は絶対になく、溶接トランスの交換、変更またはタップ切換等があっても自動的に更新されている。このため、この抵抗溶接監視装置32がユーザに提供する溶接電流測定値MIWおよび監視結果情報の精度および信頼性が大きく向上する。
なお、この実施例では、1次電流測定回路38および2次電流測定回路42が、1次電流I1および2次電流I2について各半サイクル毎の実効値を演算するだけでなく、相加平均実効値の演算も行うようになっている。一変形例として、1次電流測定回路38および2次電流測定回路42は各半サイクル毎の電流実効値のみを演算し、主演算処理部44において相加平均実効値の演算を行う構成とすることも可能である。

〔直流インバータ式抵抗溶接機における抵抗溶接監視装置の実施例〕
図3および図4に、直流インバータ式抵抗溶接機に使用可能な抵抗溶接監視装置に本発明を適用した一実施例(第2の実施例)について説明する。図中、上述した第1の実施例(図1A、図1B)のものと同一または同様の構成または機能を有する部分には同一または同様の参照符合を付している。
図3に示す直流インバータ式抵抗溶接機60において、三相の商用交流電源端子(R,S,T)より商用周波数の三相交流電源電圧を入力する整流回路62の出力端子には直流の電圧が得られる。この直流電圧は、コイル64とコンデンサ66とからなる平滑回路68で平滑されてからインバータ回路70に入力される。インバータ回路70は、たとえば4個のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)TR1,TR2,TR3,TR4をスイッチング素子とし、入力した直流を高周波のスイッチング動作によってパルス状(矩形波)の高周波交流(たとえば1〜10kHz)に変換する。インバータ回路70のスイッチング動作ひいてはその高周波交流出力のパルス幅は、溶接電流制御部26'からの制御信号fa、fbによって制御される。より詳細には、溶接電流制御部26'は、インバータ駆動回路72を介して、第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)には第1相の制御信号faを供給し、第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)には第2相(第1相とは逆相)の制御信号fbを供給する。
インバータ回路70より生成される高周波の交流電圧は溶接トランス16の一次コイルに印加され、溶接トランス16の二次コイルには1/n倍(nは巻数比)に降圧された高周波の交流電圧が得られる。この高周波の交流は一対のダイオードD1,D2からなる整流回路により直流に変換され、直流の2次電流I2(溶接電流IW)が溶接電極18,20を介して被溶接材W(22,24)に供給される。この時、1次側回路では、つまりインバータ回路70と溶接トランス16の一次コイルとの間では、2次電流I2と同位相で1/n倍の電流値を有する1次電流I1が流れる。
この直流インバータ式抵抗溶接機60に用いられる抵抗溶接監視装置32は、1次電流センサ34、2次電流センサ36、波形復元回路40、1次電流測定回路38'、2次電流測定回路42'、主演算処理部44'、入力部46および表示部48を有している。
1次電流センサ(ホールCT)34は、1次側回路においてインバータ回路70の出力端子OUT0、OUT1と溶接トランス16の一次コイルとの間の1次導体に取り付けられ、インバータ回路70より出力される高周波の1次電流I1の電流波形を表す信号(電流波形信号)SI1を出力する。一方、2次電流センサ36(トロイダルコイル)は、2次側回路において整流回路(D1,D2)と溶接電極(18,20)との間の2次導体に取り付けられ、2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を微分した波形を表す信号(電流微分波形信号)DI2を出力する。
1次電流測定回路38'および2次電流測定回路42'は、インバータ回路70のスイッチング周波数に同期したクロックに基づいて動作する点を除いては、上記単相交流式抵抗溶接機(図1A)用の1次電流測定回路38および2次電流測定回路42とそれぞれ同様の構成および機能を有する。
この実施例においても、当該抵抗溶接機60に組み込まれている溶接トランス16の巻数比を抵抗溶接監視装置32における信号処理および演算処理により求めるために、抵抗溶接時の通電とは別途にテスト通電が随時または定期的に行われる。1次側回路および2次側回路をそれぞれ流れる次電流Iおよび2次電流Iの周波数および波形が異なる点を除いて、テスト通電における抵抗溶接監視装置32内の各部の動作は上記単相交流式抵抗溶接機(図1A)の場合と同じである。
図4Aおよび図4Bに、テスト通電において得られる1次および2次電流センサ34、36の出力波形および波形復元回路40の出力波形の一例を示す。1次および2次電流センサ34、36の出力信号SI1,DI2の波形は本通電のときと同じである。1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1は1次電流I1の電流波形を表し、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2は2次電流I2の電流微分波形を表し、波形復元回路40の出力信号SI2は2次電流センサ36の出力DI2を時間積分した波形、つまり2次電流I2の電流波形を表す。各信号SI1,DI2,SI2の周期THは、インバータ周波数の1サイクルに相当する。
図示のように、通電の開始時に、波形復元回路40の出力信号SI2のみならず1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1の立ち上がりもはっきりしない(このため起動のタイミングが判別しにくい)のに対して、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2の立ち上がりは急峻ではっきりしている(このため起動のタイミングが判別しやすい)。また、波形復元回路40は時間積分の信号処理に演算増幅器を有しているため、通電時間がある臨界点(通常2秒前後)を超えると、波形復元回路40の出力信号DI2においてはゼロ点レベルZL0が図4Aの点線ZL+もしくはZL-のように正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。
このことから、この実施例においても、1次電流測定回路38'は、通電開始時または直後に2次電流センサ36の出力信号DI2が立ち上がるタイミングを実効値演算処理の開始のタイミングに用いる。また、テスト通電の通電時間は、1次電流I1および2次電流I2について信頼できる電流測定値を得るのに必要な最小限の時間よりは長く、波形復元回路40内の信号処理(時間積分)において演算増幅器のオフセットの影響が出始める時間よりも短い時間(たとえば0.5〜1.5秒)に設定される。そして、抵抗溶接のための本通電では、2次側の波形復元回路40および2次電流測定回路42'を休止させて、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38')より得られる1次電流測定値MI1をトランス巻数比nを用いて2次電流測定値[MI2]に換算したものを溶接電流測定値MIWとする。
これにより、本通電の通電時間が任意に長くても、あるいは現場作業員が溶接トランス16の巻数比については何も知らず何の設定もしなくても、抵抗溶接監視装置32は信頼性の高い溶接電流測定値MIWおよび監視情報を提供することができる。

[交流インバータ式抵抗溶接機における抵抗溶接制御装置の実施例]
図5および図6に、交流インバータ式抵抗溶接機に使用可能な抵抗溶接制御装置に本発明を適用した一実施例(第3の実施例)について説明する。図中、上述した第1または第2の実施例(図1A,図1B,図3)のものと同一または同様の構成または機能を有する部分には同一または同様の参照符合を付してある。
図5に示す交流インバータ式抵抗溶接機80においては、溶接トランス16の2次側に整流回路(D1,D2)は設けられず、2次コイルと溶接電極(18,20)とは2次導体によって短絡的に接続される。これにより、被溶接材Wには交流の溶接電流IWが供給される。
この実施例において、溶接電流制御部26"は、インバータ駆動回路72を介して、第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)には第1相の制御信号fa、第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)には第2相の制御信号fbをそれぞれ供給して、2次側の交流溶接電流IWについて設定される周期TW の半周期TW /2に相当する通電期間TA 毎に交互に選択的に高周波スイッチングする。つまり、交流溶接電流IWの正極の半周期に対応する通電期間TAでは第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)をオフ状態に保持して第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)を高周波数たとえば1〜10kHzでスイッチングし、交流溶接電流の負極の半周期に対応する通電期間TAでは第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)をオフ状態に保持して第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)を同じ高周波数でスイッチングする。
この実施例において、1次電流センサ34、2次電流センサ36、波形復元回路40、1次電流測定回路38"、2次電流測定回路42"および主演算処理部44"は、抵抗溶接の本通電において電流フィードバック制御に用いられる溶接電流測定部82を構成する。
この溶接電流測定部82において、1次電流センサ(ホールCT)34は、インバータ回路70より出力される高周波の1次電流I1の電流波形を表す信号(電流波形信号)SI1を出力する。一方、2次電流センサ36(トロイダルコイル)は、2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を微分した波形を表す信号(電流微分波形信号)DI2を出力する。1次電流測定回路38"および2次電流測定回路42"は、インバータ回路70のスイッチング周波数に同期したクロックに基づいて動作し、インバータ周波数の各サイクル毎に1次電流I1および2次電流I2の実効値をそれぞれ演算する。この実施例における1次電流測定回路38"および2次電流測定回路42"は、テスト通電では通電時間の一部または全期間にわたる相加平均実効値まで演算するが、抵抗溶接の本通電では通電時間を通じて各サイクル毎に実効値をリアルタイムに出力する。
主演算処理部44"は、機能的には上記第1の実施例における主演算処理部44(図1B)と同様の構成および機能を有する。より詳細には、巻数比演算部50は、テスト通電が行われるときに機能し、1次電流測定回路38"および2次電流測定回路42"でそれぞれ得られた1次電流測定値MI1および2次電流測定値MI2を取り込んで、両電流測定値の比MI2/MI1を溶接トランス16の巻数比nとして算出する。巻数比演算部50で得られた巻数比nの値(データ)は、巻数比記憶部52に格納(保存)される。しかし、電流換算部54は、抵抗溶接のための本通電において、インバータ周波数の各サイクル毎に1次電流測定回路38"で得られた1次電流測定値(実効値)を巻数比nを用いて1次電流測定値(実効値)に換算したものをフィードバック信号として出力する。この主演算処理部44"は監視値設定部(56)および判定部(58)を含まない。
図6Aおよび図6Bに、テスト通電において得られる1次および2次電流センサ34、36の出力波形および波形復元回路40の出力波形の一例を示す。1次および2次電流センサ34、36の出力波形SI1,DI2は本通電のときと同じである。1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1は1次電流I1の電流波形を表し、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2は2次電流I2の電流微分波形を表し、波形復元回路40の出力信号SI2は2次電流センサ36の出力DI2を時間積分した波形、つまり2次電流I2の電流波形を表す。各信号SI1,DI2,SI2の周期THは、インバータ周波数の1サイクルに相当する。
図示のように、通電の開始時に、波形復元回路40の出力信号SI2のみならず1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1の立ち上がりもはっきりしない(このため起動のタイミングが判別しにくい)のに対して、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2の立ち上がりは急峻ではっきりしている(このため起動のタイミングが判別しやすい)。また、波形復元回路40は時間積分の信号処理に演算増幅器を有しているため、通電時間がある臨界点(通常2秒前後)を超えると、波形復元回路40の出力信号DI2においてはゼロ点レベルZL0が図6Aの点線ZL+もしくはZL-のように正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。
このことから、この実施例においても、1次電流測定回路38"は、通電開始時または直後に2次電流センサ36の出力信号DI2が立ち上がるタイミングを実効値演算処理の開始のタイミングに用いる。また、テスト通電の通電時間は、1次電流I1および2次電流I2について信頼できる電流測定値を得るのに必要な最小限の時間よりは長く、波形復元回路40内の信号処理(時間積分)において演算増幅器のオフセットの影響が出始める時間よりも短い時間(たとえば0.5〜1.5秒)に設定される。
そして、抵抗溶接のための本通電では、2次側の波形復元回路40および2次電流測定回路42"を休止させて、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38")よりインバータ周波数の各サイクル毎に得られる1次電流測定値(実効値)MI1をトランス巻数比nを用いて2次電流測定値[MI2]に換算したものを溶接電流測定値MIWとする。
これにより、本通電の通電時間が任意に長くても、あるいは現場作業員が溶接トランス16の巻数比については何も知らず何の設定もしなくても、溶接電流測定部82および溶接電流制御部28の働きにより、誤差や変動の少ない安定した電流フィードバック制御を行い、信頼性の高い溶接品質を得ることができる。

[他の実施形態又は変形例]
本発明は、交流インバータ式抵抗溶接機に使用される溶接電流測定装置ないし抵抗溶接監視装置にも適用可能であり、単相交流式抵抗溶接機または直流インバータ式抵抗溶接機に使用される溶接電流測定装置ないし抵抗溶接制御装置にも適用可能である。
また、本発明の溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置は、ヒュージング(熱かしめ)加工機にも上述した実施形態と同様に適用可能である。
10 単相交流式抵抗溶接機
16 溶接トランス
26,26',26" 溶接電流制御部
34 1次電流センサ(ホールCT)
36 2次電流センサ(トロイダルコイル)
38,38',38" 1次電流測定回路
40 波形復元回路
42,42',42" 2次電流測定回路
44,44',44" 主演算処理部
50 巻数比演算部
54 電流換算部
60 直流インバータ式抵抗溶接機
70 インバータ回路

Claims (6)

  1. 溶接電源より溶接トランスを介して被溶接材に供給される溶接電流の電流値を測定する溶接電流測定装置であって、
    前記溶接トランスの1次側回路に設けられ、前記1次側回路を流れる1次電流の電流波形を表す出力信号を発生する1次電流センサを有し、前記1次電流センサの出力信号に基づいて前記1次電流の電流測定値を求める1次電流測定部と、
    前記溶接トランスの2次側回路に設けられ、前記2次側回路を流れる2次電流の電流微分波形を表す出力信号を発生する2次電流センサを有し、前記2次電流センサの出力信号に基づいて前記2次電流の電流測定値を求める2次電流測定部と、
    テスト通電において、前記1次電流測定部および前記2次電流測定部よりそれぞれ得られる前記1次電流および前記2次電流の電流測定値から前記溶接トランスの巻数比を算出する巻数比演算部と、
    前記被溶接材を抵抗溶接するための本通電において、前記1次電流測定部により得られる前記1次電流の電流測定値を前記巻数比演算部により算出された前記巻数比を用いて前記2次電流の電流測定値に換算し、換算した前記2次電流の電流測定値を前記溶接電流の電流測定値として出力する電流換算部と
    を具備し、
    前記1次電流測定部は、前記テスト通電および前記本通電において、前記2次電流センサの出力信号立ち上がりに応動して、前記1次電流センサの出力信号に基づいた前記1次電流の電流測定値の演算を開始する、
    溶接電流測定装置。
  2. 前記1次電流および前記2次電流は一定周波数の交流波形を有し、
    前記1次電流測定部および前記2次電流測定部は、前記一定周波数の各半サイクル毎に前記1次電流および前記2次電流の電流測定値をそれぞれ演算する
    請求項1に記載の溶接電流測定装置。
  3. 前記2次電流測定部は、前記2次電流センサの出力信号を時間積分して、前記2次電流の電流波形を表す信号を出力する積分回路を有する、請求項1または請求項2に記載の溶接電流測定装置。
  4. 前記テスト通電において、通電時間は0.5〜1.5秒であり、前記1次電流測定部および前記2次電流測定部よりそれぞれ得られる前記1次電流および前記2次電流の電流測定値は前記通電時間の一部または全部の期間にわたる前記1次電流および前記2次電流の相加平均実効値である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶接電流測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶接電流測定装置と、
    前記溶接電流の電流値について所望の監視値を設定する監視値設定部と、
    前記本通電において、前記電流換算部より得られた前記溶接電流の電流測定値を前記監視値と比較して、監視結果を出力する判定部と
    を有する抵抗溶接監視装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶接電流測定装置と、
    前記溶接トランスの1次側回路または2次側回路に設けられる電流制御素子と、
    前記溶接電流の電流値について所望の基準値を設定する基準値設定部と、
    前記本通電において、前記電流換算部より所定のサイクル毎に得られる前記溶接電流の電流測定値が前記基準値に一致または近似するように、前記電流制御素子を制御する制御部と
    を有する抵抗溶接制御装置。
JP2014182277A 2014-09-08 2014-09-08 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置 Active JP6529232B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014182277A JP6529232B2 (ja) 2014-09-08 2014-09-08 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置
PCT/JP2015/001061 WO2016038756A1 (ja) 2014-09-08 2015-02-27 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014182277A JP6529232B2 (ja) 2014-09-08 2014-09-08 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016055306A JP2016055306A (ja) 2016-04-21
JP2016055306A5 JP2016055306A5 (ja) 2017-10-19
JP6529232B2 true JP6529232B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=55458539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014182277A Active JP6529232B2 (ja) 2014-09-08 2014-09-08 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6529232B2 (ja)
WO (1) WO2016038756A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117110968B (zh) * 2023-10-17 2024-03-19 广东省计量科学研究院(华南国家计量测试中心) 一种基于变压器的焊接电流测量仪校准系统

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61289983A (ja) * 1985-06-17 1986-12-19 Toshiba Corp 抵抗溶接機の制御装置
JP2562691B2 (ja) * 1989-07-25 1996-12-11 宮地電子株式会社 コンデンサ型溶接電源装置
JPH09136168A (ja) * 1995-11-14 1997-05-27 Na Detsukusu:Kk 抵抗溶接システム及び溶接電流測定装置
JPH1076371A (ja) * 1996-08-30 1998-03-24 Suzuki Motor Corp 溶接トランスの巻数比決定方法
JP2000000679A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Yoshitaka Aoyama 電気抵抗溶接における通電条件の設定・表示装置
US20050269297A1 (en) * 2004-06-04 2005-12-08 Buda Paul R Resistance weld control with line level compensation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016055306A (ja) 2016-04-21
WO2016038756A1 (ja) 2016-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5255554B2 (ja) 変流器あるいは変圧器のための特性監視装置
JP5675639B2 (ja) 直流電流を検出するための方法と装置及び抵抗溶接装置
US8389898B2 (en) Method for regulating a welding current source and welding current source for carrying out the method
US9132503B2 (en) Apparatus for determination of electrical welding circuit variables
US5786558A (en) Method and apparatus for controlling inverter resistance welding
JP6373296B2 (ja) 絶縁抵抗監視装置およびその監視制御方法ならびに電動制御機器
JP6529232B2 (ja) 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置
JP2012187595A (ja) 溶接用電源装置
JPH0947883A (ja) インバータ式抵抗溶接制御装置
JP2017096733A (ja) 測定装置および測定方法
JPS61229482A (ja) スポツト溶接機用溶接抵抗測定装置
CN103212770A (zh) 焊接用电源装置
CN110891723B (zh) 电弧焊接机
JPH0644542Y2 (ja) インバータ式抵抗溶接機の制御又は測定装置
JP2014216144A (ja) リレー制御装置
JP3259013B2 (ja) インバータ式抵抗溶接電源装置
JP2015193020A (ja) 抵抗溶接機の制御方法および制御装置
JPH07266060A (ja) 抵抗溶接電源
JP2013010105A (ja) 抵抗溶接方法および抵抗溶接装置
JP2016055306A5 (ja)
JP6712894B2 (ja) 抵抗溶接装置
JPS6142900A (ja) X線発生装置
JPH04300076A (ja) 抵抗溶接制御方法及び装置
JP6590595B2 (ja) 電気機器
JP2016206079A (ja) 電磁流量計の励磁コイル短絡判定方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170905

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6529232

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250