JP6526695B2 - 多重荷電粒子ビームリソグラフィのためのピクセルブレンディング - Google Patents

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Description

[0002] 本発明は製造のためのリソグラフィの分野に関する。具体的には、本発明はマスクデータパターンをリソグラフィ製造プロセスの基板に適用するためのシステム及び方法に関する。
[0003] 半導体集積回路(IC)業界における急速な技術の進歩は、アクティブマトリクス液晶ディスプレイ(AMLCD)TV及びコンピュータモニタディスプレイの製造に大いに貢献してきた。近年では、LCD TV及びコンピュータモニタディスプレイのサイズは大きくなり、価格は手頃になってきている。
[0004] 半導体IC業界では、技術の世代は回路設計ルールの限界寸法(CD)で規定されている。それぞれの技術世代が進むにつれて、ICはあとの世代になるほど、より小さな特徴(feature)CDターゲットと厳密な許容誤差を有するようになってきている。一方、フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、技術世代は製造に使用される基板の物理的な寸法によって分類される。一例を挙げると、FPDの基板サイズは、2005年の第6世代(G6)で1500mm×1800mm、2007年の第8世代(G8)で2160mm×2460mm、2009年の第10世代(G10)で2880mm×3080mmとなっている。
[0005] 半導体IC及びFPD基板を作る際のリソグラフィの課題は、より大きなサイズを手頃な価格で作ることである。しかしながら、課題は製造の観点からは全く異なっている。IC業界では、基本的な課題は、円形の300mmウエハに小さなCD特徴を製造しうるかどうかである。その目標は、より良い機能性を実現するため、可能な限り多くのトランジスタを同一ダイサイズ上に詰め込むことにある。しかし、FPD業界では、基本的な課題の1つは、完全に矩形の大きな基板が製造しうるかどうかである。大型FPD基板は製造ラインで処理しうるため、より大きなサイズのTV又はモニタが低コストで製造可能である。典型的なLCD TV及びモニタは、より良い性能を目指して、より高性能な薄膜トランジスタ(TFT)によって設計される。TFT CDターゲットもまだ、同じ仕様の範囲内に留まっている。1つの観点から見ると、FPD製造の主要な課題の1つは、連続する各世代において、妥当な経済性を保ちながらスループットを維持することにある。収益性の高いプロセス歩留りを実現することは重要な検討事項であり、プロセスウィンドウは保持される必要がある。
[0006] 従来、FPDを製造するためのリソグラフィ技術は半導体ICを作るためのリソグラフィプロセス技術から派生している。FPD基板を作るために使用されるリソグラフィ露光ツールの大部分は、投影ステッパ及び/又はスキャナシステムである。これらは、マスクから基板までの投影が、2分の1縮小又は1対1投影のいずれかになっている。マスクパターンを基板に投影するには、最初に許容しうるCD仕様でマスクを作らなければならない。FPDマスク製造プロセスは、半導体ICを作るためのマスクサイズが一辺あたり約150mm(6インチ)である点を除くと、半導体ICの製造で使用されるプロセスと同様で、一例を挙げると、FPD製造のためのマスクサイズは一辺あたり約8倍大きく、具体的には一辺あたり1メートルを超えることもありうる。
[0007] 図1は、FPD基板上でのマスクパターンのスキャニングに使用される投影露光ツールの従来の構成を図解している。この構成では、使用される露光源は主として、高圧水銀(Hg)ショートアークランプである。入射照射光は光屈曲ミラー102によって反射され、反射光はFPD基板108に到達する前にマスク104、投影レンズ106を通過する。図1に示したように、今後のFPDリソグラフィ製造に関して、従来型のマスクベースの露光ツール構成を使用する際の問題点は、増大するマスクの物理サイズの取扱いにある。一例を挙げると、G8 FPDの場合、マスクサイズは約1080mm×1230mmである。G8基板の面積は4倍の大きさになっている。TFT CD特徴の仕様は、3ミクロン±10%の範囲にある。一辺が2メートルを超えるG8基板上でのTFTに対するCD制御は、300mmシリコンウエハ上での先進IC特徴をプリントする際の仕様の制御よりも難しい。FPD業界が直面する課題は、許容しうるリソグラフィプロセスウィンドウを保持しつつ、今後のFPD世代に対して、マスクベース露光ツールがコスト効率よくなるように構築することである。
[0008] FPD露光野全体に対するCD均一性の問題を緩和するため、1つのアプローチとして多重露光法の利用が挙げられる。公称露光は、適切な比率に設定された幾つかの構成要素による露光で構成されている。各構成要素の露光は、スキャニング及びステッピングのための対応する投影レンズに沿った照射用にあらかじめ選択された波長を使用する。この種の露光ツールには2つ以上の投影レンズを組み込む必要があるが、照射源は1つだけ備えればよい。これは、スループットがキロワット(KW)の高出力Hgショートアーク照射源を使用する必要があるためである。露光波長の選択は、照射源に適切なフィルタを適用することによって行うことができる。一実施例では、この多波長露光法は、G8基板上でのCD均一性に対する悪影響を軽減し、これにより、使用されるレンズと照射設定の質をより経済的に高めることを可能にする。
[0009] 多波長露光を使用する場合には、マスク自体の上により厳密なCDターゲット及び均一性を規定することが必要となる。一例を挙げると、TFTマスクCDの許容誤差は100nm未満で、公称3ミクロンのマスクCDターゲットでその他必要なものよりもかなり小さい。理由の1つは、FPDリソグラフィ製造のプロセスウィンドウが、既存のツール構成に対してより扱いやすいからである。残念ながら、要求されている余裕のないFPDマスクCD仕様では、既にコスト高なマスクをより高価なものにしうるであろう。場合によっては、G8 FPDに対して限界レベルのマスクを作ると、非常に高価になり、納入リードタイムは長くなる。
[0010] 従来のアプローチに関わる更に別の問題点は、より大きなサイズのマスクを使用する際の欠陥密度の制御である。多重露光を使用する、このような大きなサイズのマスクでのリソグラフィ処理は、欠陥のないマスクで開始したとしても、有害な欠陥を引き起こしがちである。欠陥を引き起こしやすいプロセスは、歩留りに影響を及ぼし、最終的にマスクのコストに影響する。
[0011] 図2は、従来のマスク作成露光ツール構成を示している。この露光ツール構成では、照射光202はビームスプリッタ204に送られ、次に部分反射され、フーリエレンズ208を通って空間光変調器(SLM)206を照らす。次に、描画光線は反射され、フーリエレンズ208、ビームスプリッタ204、フーリエフィルタ210及び縮小レンズ212を通過して、最終的にマスクブランク基板216に到達する。マスクデータ214は、マイクロミラーピクセルを設定するため、SLM206へ電子的に送信される。反射光は、マスクブランク基板216上に輝点を作り出すか、反射光がない場合には、マスクブランク基板216上に暗点を作り出す。反射を制御して構成することによって、マスクデータパターンはマスクブランク基板216に転送されうる。
[0012] この種の露光ツール構成では、直角入射でSLMを照らすように、照射光路は屈曲されることに留意されたい。この屈曲された照射路は、露光描画経路へのT字形結合を作り出す。高出力照射源に加えて、この種の露光システムは、高い正確性と精度でマスクパターンを描くため、高い縮小率の投影レンズを使用する必要がある。典型的には、レンズの縮小率は約100分の1である。このような高い縮小率のレンズを使用することにより、露光野は1つのSLMダイで非常に小さくなる。SLMに対する物理的なダイサイズは、1cm近くになる。100分の1に縮小されると、SLM描画フィールドは約100ミクロンまで縮小される。この描画野サイズは非常に小さいため、G8 FPDマスク全体の描画を試みるときには遅い。
[0013] もう1つの従来のアプローチは、多重レーザービームを使用して、SLMを連続的に照射する方法である。多重ビームは、単一の照射レーザー源を多面回転ミラーで反射させることによって生成される。多重照射ビームは、所定の時間に複数の露光を行うため、マスク描画を高速化する。この構成では、例えば、G8 FPDマスクを描画するにはほぼ20時間を要する。このような長時間にわたり機械を制御するのは、機械的にも電子的にも高価となるため、製造されるFPDマスクのコストを増大させる。今後のG10又はこれ以降の世代に対して同じ露光ツールを使用すると、FPDマスクの製造コストはますます増大する。
[0014] もう1つの従来のアプローチでは、少量のプロトタイプ作成用途でのマスクコストの問題に対処するため、1つの露光ツール構成は透明SLMをマスクとして利用する。これが行われると、マスクパターンは所望のマスクパターンを示すようにSLMに読込まれるため、実際の物理マスクを作る必要はない。このような透明なSLMマスクの機能は、実際のマスクの役割を果たす。これによりマスクコストは節約される。露光ツール構成の観点からすると、この方法はマスクベースの投影システムと本質的に同じである。残念ながら、SLMマスクの画質は、実際のマスクの画質と比較して低い。FPD製造のパターン仕様要件には適合しない。
[0015] 更に別の従来のアプローチでは、基板ウェブ上での同期フォトリソグラフィック露光によるディスプレイのロールツーロール製造のためのプロセスが、米国特許第6,906,779号(以下、779号特許と記す)に記載されている。779号特許は、基板ロール上にマスクパターンを露光する方法を教示している。これに加えて、ロールツーロールリソグラフィを行うための別の従来の方法は、Se Hyun Ahnらの論文“High−Speed Roll−to−Toll Nanoimprint Lithography on Flexible Plastic Substrates”(Wiley−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA,Weinheim; Advanced Materials 2008,20,page 2044−2049)に記載されている。
[0016] しかしながら、上述の従来の方法では共に、マスクは所定の物理サイズに制限されているため、物理的なマスク寸法は製造されうる可撓性ディスプレイの寸法を基本的に制限する。779号特許及びAhn論文に記載されている従来の方法の別の問題点は、妥当な印刷結果を実現するためには、基板ロールは露光段階中に伸展されなければならない点にある。その結果、基板表面の平坦性は、一般的にLCD TVディスプレイに使用される堅いガラス基板ほどよくない。このようなマスクベースのリソグラフィでは、平坦でない基板表面により、焦点深度(DOF)は制限される。したがって、このような従来の方法で、5μm以下の限界寸法(CD)でTFT特徴をパターン形成するのは非常に困難である。TFTに基づいて高精度のディスプレイを実現するには、3μm近辺でTFTマスクパターン用のCDを有することが必要となる。
[0017] 将来世代のFPDを製造するための上述の課題は、FPD業界のコスト削減の必要性によって決定される。新しい世代の製造が採用されるときの1つの重要な動機は、コスト効率を実現することである。リソグラフィプロセスでは、これまでの世代よりも良い製品歩留まりを確保しつつ、スループット効率を維持することが必要となる。これは、より大きなFPD基板に取り組む一方で、リソグラフィプロセスウィンドウを広げ、プロセス欠陥を減らすことを要求する。上述のように、既存の露光ツール構成には数多くの欠点がある。大きな欠点の1つはマスクの使用に関連している。マスクのサイズは大きすぎるため、コスト効率よく製造することができない。将来のFPD世代に歩調を合わせていくためには、マスクサイズが大きくなるにつれてこの欠点も増大し続ける。したがって、従来のツール及びアプローチの問題点に対処する、改善された画像描画システムが必要になっている。
[0018] 本発明はマスクデータパターンをリソグラフィ製造プロセスの基板に適用するためのシステム及び方法に関する。一実施形態では、本方法は、一又は複数の並行アレイに配置された複数の多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを含む並行画像描画システムを提供すること、基板に描画されるマスクデータパターンを受け取ること、基板の異なる領域に対応する複数の区分されたマスクデータパターンを形成するため、マスクデータパターンを処理すること、対応するMCB描画ユニットによって描かれる基板の領域内で一又は複数のオブジェクトを特定すること、及び複数の区分されたマスクデータパターンを並行に描画するため、複数のMCB描画ユニットを制御することによって、基板の領域内で一又は複数のオブジェクトを描く多重露光を実施することを含む。
[0019] 別の実施形態では、リソグラフィ製造プロセスで画像データを処理するシステムは、一又は複数の並行アレイに配置された複数の多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを含む並行画像描画システムと、複数のMCB描画ユニットを制御するように構成されたコントローラであって、基板に描画されるマスクデータパターンを受け取るためのロジックを含むコントローラと、基板の異なる領域に対応する複数の区分されたマスクデータパターンを形成するため、マスクデータパターンを処理するためのロジックと、対応するMCB描画ユニットによって描かれる基板の領域内で一又は複数のオブジェクトを特定するためのロジックと、複数の区分されたマスクデータパターンを並行に描画するため、複数のMCB描画ユニットを制御することによって、基板の領域内で一又は複数のオブジェクトを描く多重露光を実施するためのロジックとを含む。
[0020] 本発明の前述の特徴及び利点、並びにその付加的な特徴及び利点は、以下の図面と併せて本発明の実施形態の詳細を読んだ後により明確に理解されよう。
FPD基板上でのマスクパターンのスキャニングに使用される投影露光ツールの従来の構成を図解している。 従来のマスク作成露光ツール構成を図解している。 本発明の実施形態による、例示的なデジタルマイクロミラーデバイスを図解している。 本発明の実施形態による、DMDベースの投影システムを図解している。 本発明の実施形態による、回折格子光制御弁(GLV)デバイスの例示的な鏡面状態及び回折状態を図解している。 本発明の実施形態による、コンパクトなSLM描画ユニットの例を図解している。 本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの例示的な並行アレイを図解している。 本発明の実施形態による、図7のSLM描画ユニットの並行アレイの対応する上面図を図解している。 本発明の実施形態による、従来の単一レンズ投影システムとアレイ配置された描画システムを使用する局所プロセスウィンドウ最適化との比較を図解している。 本発明の実施形態による、基板の局所的な不揃いを最適化する方法を図解している。 本発明の実施形態による、マスクデータ構造の応用を図解している。 本発明の実施形態による、並行アレイボーティング露光(voting exposure)の方法を図解している。 本発明の実施形態による、画像描画システムに冗長性を実装する方法を図解している。 本発明の実施形態による、キーストーンボーダーブレンディング法を図解している。 本発明の実施形態による、SLM描画ユニットをアレイに配置する方法を図解している。 本発明の実施形態による、可撓性ディスプレイを作るためのマスクレス画像描画システムの例示的な実装を図解している。 本発明の実施形態による、SLM描画ユニットを図解している。 本発明の実施形態による、ロールツーロールマスクレスリソグラフィのために、SLM描画ユニットの直線的なアレイを使用する方法を図解している。 本発明の実施形態による、ロールツーロールマスクレスリソグラフィのために、SLM描画ユニットの二次元アレイを使用する方法を図解している。 本発明の実施形態による、マスクレスリソグラフィを使用して複数の基板サイズを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、局所化された基板表面の状態に対応する各SLM描画ユニットを配置する方法を図解している。 本発明の実施形態による、ピクセルの焦点を検出するための方法を図解している。 本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの焦点をオンザフライで検出するための例示的な装置を図解している。 本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの焦点をオンザフライで検出するための例示的な装置を図解している。 本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの焦点をオンザフライで検出するための例示的な装置を図解している。 本発明の実施形態による、ピクセルボーティング露光が適用されうる例示的な描画パターンを図解している。 本発明の実施形態による、ピクセルボーティング露光によるDOF改善の方法を図解している。 本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの例示的な実装を図解している。 本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの別の例示的な実装を図解している。 本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの更に別の例示的な実装を図解している。 本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの別の例示的な実装を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。 本発明の実施形態による、評価点のグループを処理することによって、オブジェクトを描画するための方法を図解している。 本発明の実施形態による、オブジェクトの描画を最適化する方法を図解している。 本発明の実施形態による、ピクセルブレンディング露光を実施する方法を図解している。 本発明の実施形態による、光画像描画システムに補正を行う方法を図解している。 本発明の実施形態による、荷電粒子ビーム近接効果を補正するためのピクセルブレンディング露光を適用する方法を図解している。 本発明の実施形態による、荷電粒子ビーム近接効果を補正するためのピクセルブレンディング露光を適用する別の方法を図解している。 本発明の実施形態による、荷電粒子ビーム近接効果を補正するためのピクセルブレンディング露光を適用する更に別の方法を図解している。
[0058] 明細書全体を通じて、同様の番号が使用される。
[0059] リソグラフィ製造プロセスで基板にマスクデータパターンを適用するためのシステム及び方法が提供される。以下の説明は、任意の当業者が本発明を製作及び利用できるように提示される。特定の実施形態及び応用の説明は、例としてのみ提供されている。本書に記載の実施例の様々な修正及び組み合わせは、当業者には容易に自明となろう。また、本書で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施例及び応用に適用されうる。したがって、本発明は説明及び提示されている実施例に限定されることを意図していないが、本書に開示されている原理及び特徴と一致する最も広い範囲が許容される。
[0060] 下記の詳細説明のある部分は、フロー図、論理ブロック、及びコンピュータシステム上で実行されうる情報の操作の他の記号表現の観点から表わされる。手続、コンピュータ実行手順、論理ブロック、プロセスなどはここで、所望の結果をもたらす自己矛盾のない連続する一又は複数のステップ或いは命令となるように考えられているこれらステップは、物理量の物理的操作を利用するステップである。これらの物理量は、コンピュータシステム内で保存、転送、結合、比較、或いは操作可能な電気、磁気、又は無線信号の形態を取りうる。これらの信号は、ビット、値、エレメント、記号、文字、項、数字などと称されることもある。各ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実行されうる。
[0061] 本発明の実施形態は、画像投影デバイスに基づいて空間光変調器(SLM)を使用する。画像投影に基づく2種類のSLMが使用されうるが、1つはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)で、もう1つは回折格子光制御弁(GLV)である。どちらの種類のデバイスも、微小電気機械(MEM)製造法を使用して製造される。
[0062] 図3は、本発明の実施形態による、例示的なデジタルマイクロミラーデバイスを図解している。この実施例では、1つのDMDダイが符号302で表わされ、同じDMDダイの単純化された拡大図が符号304で表わされている。DMDは、マイクロミラーを典型的には±10度又は±12度の固定角度で傾けることによってアドレス可能で、空間光変調器(SLM)として動作しうる。DMDの鏡面は入射光に対して高い反射率を示す。各マイクロミラーは、下部のトランジスタコントローラによって、(符号306で示すように)傾斜するように、或いは(符号308で示すように)変化せずに留まるように操作可能である。一実装では、DMDは各マイクロミラー間に約1μmの間隔を有する約14μmのピッチ寸法を有する。1つのDMDダイ上のピクセル数は1920×1080ミラーピクセルで、高解像度テレビ(HDTV)ディスプレイの仕様と同等になりうる。
[0063] 図4は、本発明の実施形態による、DMDベースの投影システムを図解している。この実施例では、マイクロミラーは、1)約+10度の傾斜角にある「オン」状態402、2)傾斜していない「フラット」状態404、及び3)約−10度の傾斜角にある「オフ」状態406、の3つの状態を有する。光源408から射し込む光線がDMDに対して−20度の角度に位置するとき、DMDは、「オン」状態すなわち二進数で「1」となるミラーに対して、ディスプレイ基板上に輝点を形成するよう、光線を直接反射して投影レンズ410に通すことができる。「フラット」状態及び「オン」状態にある、或いは「0」となるミラーに関しては、光線は、投影レンズの収集円錐に入らない角度、約−20度及び−40度で反射される。したがって、これらのミラーサイトから光は通過せず、ディスプレイ基板上には暗点が形成される。マイクロミラー反射の1つ1つは人の目で視覚的に見分けることができないため、投影されたときの光点と暗点ピクセルのある比率での組み合わせによって、グレー階調が形成されうる。この方法により、数百万のグレー階調及び色調を有する写実的な画像の投影が可能になる。
[0064] 「フラット」状態からの高次の回折ビーム及び「オフ」状態からの2次回折ビームは、投影レンズの収集円錐に入りうることに留意されたい。これは、所望の画像コントラストを低下させる望ましくないフレアを発生させることがある。本発明の実施形態によれば、ピクセル回折効率を高めて、画像描画システム用にDMDを使用する投影光学器の設計を最適化するため、正確に狙いと焦点が定められた高強度の照射源が使用されうる。
[0065] 本発明の他の実施形態によれば、GLVは画像投影を実装するためのもう1つのアプローチである。GLVデバイスの最上層は、材料の直線的なアレイでリボンと称されることもあり、反射性が高い。一実施形態では、リボンの長さは100〜1000μm、幅は1〜10μmで、0.5μmの間隔で密集している。GLVの描画機構は、基本的にアドレス可能な動的回折格子である。これは位相変調器として機能する。GLVデバイスは、動的回折格子を形成するように屈曲された6本の代替的なリボンの組を含みうる。
[0066] 図5は、本発明の実施形態による、GLVデバイスの例示的な鏡面状態及び回折状態を図解している。GLVリボンが(断面図内で)同一平面上にあるとき(符号502で示される)、入射光は鏡面的に反射される。すなわち、回折次数がすべて0次となっている。入射光がリボン群の上を照らすと、リボンは(符号504で示すように)交互に屈曲され、±1次の強い回折パターンが形成されるが、0次の回折は抑制される。0次又は±1次の回折をフィルタ処理して取り除くことによって、高コントラストの画像が構成可能である。すなわち、対物レンズで0次又は±1次の回折がすべて再捕捉されると、いかなる画像も形成されない。DMDとは異なり、一連の回折画像が回折格子リボンの直線的なアレイによって一度に形成されうるため、GLVによって形成される視野内の全体画像はラインごとのスキャニングに基づいている。
[0067] 図1及び図2に関連して説明したように、スループット要件を実現するためには、従来のシステムに対して高出力照射源が必要となる。一実施例では、キロワットレンジの高圧Hgショートアークランプが使用される。別の実施例では、高出力エキシマレーザーが使用される。高出力照射源を使用するため、発生する熱を低減するように、光路は遠方から配向される必要があり、正しく照射するように屈曲される必要がある。この種の構成により、照射及びSLM描画システムは2つの別々のユニットに分離され、光路とレンズは互いに直交する。
[0068] 従来のシステムとアプローチの限界に対処するため、露光ツール構成の改善により高出力照射源を使用する必要性は低下している。インライン描画システムは、各描画ユニットがSLM、照射源、位置合わせ照射、電子制御、及び描画レンズを含むように構成されている。このシステムは、低出力LED及びダイオードレーザー照射源を使用するときには、低い露光スループットを示しうる。しかしながら、露光スループットは多数の描画ユニットを使用することによって高められうる。コンパクトなSLM描画ユニットを使用する利点の1つは、このようなユニットのスケーラブルなアレイが様々な描画応用に応じてパックされることである。1つの応用例では、千個を超えるこのようなコンパクトなSLM描画ユニットをアレイ化したときには、描画スループットは既存の多波長マスクベース露光ツール構成を超える。
[0069] 図6は、本発明の実施形態による、コンパクトなSLM描画ユニットの実施例を図解している。この実施例では、コンパクトなSLM描画ユニットは、空間光変調器602、マイクロミラーの組604、一又は複数の照射源606、一又は複数の位置合わせ光源608、及び投影レンズ610を含む。照射源606は、青色光又は近紫外線で450nm未満の波長を有するLED又はダイオードレーザーで実装されうる。位置合わせ光源608は、TTL(through−the−lens)焦点及び位置合わせ調整のための非化学線レーザー源又はLEDによって実装されうる。投影レンズ610は、5分の1又は10分の1の縮小率を有するレンズによって実装されうる。図6に示すように、照射源606及び位置合わせ光源608はすべて、投影レンズの収集円錐角の外に配置される。この例示的な実施形態では、開口数(NA)が0.25で分解能が約1μmの市販の投影レンズが使用されうる。比較的低いNAによって、より良い焦点深度(DOF)が確保される。リソグラフィプロセスの1つの例では、1μmフォトレジストCDターゲットに対して0.25のNAを使用すると、DOFは5.0μmを超えうる。分解能及びDOFの計算は、レーリーの基準に基づいている。
最小特徴分解能=k(λ/NA)
DOF=k(λ/NA
ここで、k及びkは処理能力係数である。ノボラック化学フォトレジストに基づくリソグラフィ製造プロセスの実装によれば、kは0.5〜0.7の範囲にあり、kは0.7〜0.9の範囲にあり、λは露光波長を表わす。
[0070] コンパクトな形成係数に適合するため、照射源は青、近紫外線LED、或いは半導体ダイオードレーザーであってもよい。充分な強度を得るため、1つの設計例では、照射源はSLM表面の近傍に配置され、複数の照射源はSLMの周囲に配置されてもよい。SLMは、それぞれに適合した正しい光学レンズ設計を有するDMD又はGLVであってもよい。一実施例では、基板で目標とされる強度レベルは、化学線露光波長で、1平方センチメートルあたり10〜100mWになりうる。
[0071] この露光ツール構成例では、コンパクトな描画システムの各々の電子制御ボード用の筐体は、特定のコンパクト係数に適合する。筐体は照射源から離れた、SLMの上部に配置される。これにより、換気と放熱が促進される。1個のコンパクトなSLM描画ユニットの実際の寸法は、要求される描画性能と、投影レンズ、LED又はダイオードレーザー照射源、及び焦点/位置合わせダイオードレーザーなどの市販の供給品に依存するが、それぞれは放熱のための空間を必要とする。もう1つのアプローチは、1つのSLM描画ユニットのための実際の寸法が更にコンパクトな形態まで切り詰められるように、構成要素に対してカスタム設計する方法である。カスタム設計されたSLM描画ユニットは、市販の供給品を使用した約10cm×10cmの寸法と比較すると、2D断面で約5cm×5cmの寸法を有する。
[0072] G10 FPD製造に関しては、一般的な基板サイズは2880mm×3130mmである。コンパクトなSLM描画レンズの実際の寸法を使用すると、システムは並行描画ユニットのアレイに配置された数百個のコンパクトなSLM描画ユニットを含みうる。図7は、本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの例示的な並行アレイを図解している。この実施例では、画像描画は、600個から2400個のSLM描画ユニットの並行アレイ(702、704、706、708、など)によって同時に実施可能であり、各並行アレイは多数のSLM描画ユニットを含みうる。
[0073] 本発明の実施形態によれば、露光スループットはSLMマスクライターの既知の例示的なスループットを使用して決定されうる。例えば、1300mm×1500mmのマスクサイズに対して開始点として20時間が使用されうる。スループットは、基板平面での強度レベルに依存する。このアプローチでは、1平方センチメートルあたり50mWの強度レベルに関しては、LED又はダイオードレーザー源で実現可能であり、30mJ/cm秒の公称露光エネルギーでは、露光時間は約0.6秒となる。露光ツールが高出力照射源を使用する別のアプローチでは、基板での強度レベルは少なくとも200mW/cm以上となる。このようなマスクベースのステッパ/スキャナシステムのスループットは、1時間あたり約50枚のG8 FPD基板プレートとなる。高出力及び低出力照射源を両方考慮することにより、一実施例でのスループット推定値は、アレイで使用される並行SLM描画ユニットの密度に応じて、1時間あたり基板25枚〜100枚となる。これにより、このようなアレイ並行露光構成が経済的に競争力を有することが示されている。
[0074] 図8は、本発明の実施形態による、図7のSLM描画ユニットの並行アレイの対応する上面図を図解している。この実施例では、各行又は列はSLM描画ユニットの並行アレイを表わしており、各並行アレイは複数のSLM描画ユニット802を含みうる。リソグラフィ製造の歩留りはプロセスウィンドウに直接関係している。ここで、プロセスウィンドウは、仕様の範囲で特徴CDをプリントすることができる露光量設定値の範囲に関連して、レンジ焦点設定値を参照する。すなわち、より強固なプロセスウィンドウであれば、焦点の合わない設定値及び/又は露光量設定値の範囲が広くても耐えることができる。幅広いプロセスウィンドウは、より良い製品歩留まりを生み出しうる。各新世代で基板が大きくなると、リソグラフィウィンドウは小さくなる。これは主として、基板材料が大きく薄くなると、歪みやたるみが発生する傾向が大きくなるためである。この問題に対処するため、解決策として、基板材料に対して厚み及び表面の均一性の仕様の強化が求められている。マスクベースの露光ツールについては、一辺が約2メートルを超える大きな露光野に対して均一性と焦点の制御を維持することは、大きな費用を必要としないだけでなく、技術的にも難しくない。実行可能なプロセスウィンドウを確保するため、露光ツールは局所的にも全体的にも焦点と照射を最適化可能であることが必要となる。
[0075] 図8に示したように、このアレイ並行露光システムは上述の問題に対応する。これは、コンパクトなSLM描画ユニットの各々が、露光領域に対応するより良い照射及び焦点に関して局所的に最適化しうるからである。これは、SLM描画ユニットの各露光領域により良いプロセスウィンドウを確保する。最適化されたSLM描画ユニットの利点を利用することで、プロセスウィンドウ全体が包括的に改善される。
[0076] 図9は、本発明の実施形態による、従来の単一レンズ投影システムとアレイ配置された描画システムを使用する局所プロセスウィンドウ最適化との比較を図解している。図9の左側では、従来の単一レンズ投影システム902は、点線で示したように、妥協した焦点平面904に対して調整されざるをえない。実線906は、断面図で基板の実際の表面輪郭を表わしている。両矢印908は、パターンを描画するために使用される単一レンズに対応する最適な焦点設定を示している。黒丸付きの線910は、各描画レンズに対応する最大輪郭範囲を表わし、一点鎖線は焦点範囲の上限と下限を示している。
[0077] 図9に示したように、従来の単一レンズ投影システムに関しては、大きなサイズの基板の湾曲は既にレンズの焦点範囲を超えているかもしれない。焦点の中心は、基板の湾曲の山と谷の両方に関して、かろうじて許容しうるだけかもしれない。プロセスウィンドウ全体は限界に達している。一方、図9の右側は、アレイ状に配置された描画ユニットによる改善された投影システムを示している。描画ユニット912の焦点914は、網羅された各局所領域に対して個別に調整可能である。その結果、線916で示されているように、各焦点設定は焦点制御限界内に十分に収まるように配置可能である。網羅されている各局所領域内で焦点を微調整する能力に加えて、各描画ユニットの照射は、単一レンズシステムによって実施されうる調整と比較して、より良い均一性を実現するように調整されうる。したがって、アレイ化された描画ユニットシステムを使用することで、より強固なプロセスウィンドウが実現される。
[0078] 図10は、本発明の実施形態による、基板の局所的な不揃いを最適化する方法を図解している。この実施例では、平坦でない輪郭領域が、符号1002で示されているように、基板内に検出されている。最適化を調整する1つの方法は、SLM描画ユニットに関連する平坦でない局所露光領域、並びに、注目しているSLM描画ユニットの近傍にあるSLM描画ユニットに関連する周囲の領域に対して焦点を平均化する仕組みを適用することである。平坦でない領域の近傍にあり、平均化に含めることができる描画ユニットの数が増えると、より良い全体の最適化が実現可能となる。当業者であれば、基板全体にわたって広範囲により均一な画像を実現するため、他の平均化技法が基板プレート全体の開示された描画システムに適用しうることを理解されたい。
[0079] 一実装では、薄膜トランジスタ(TFT)ベースのLCDディスプレイのマスクデータフォーマットは、以下のように実装されうる。階層的ストリームデータフォーマットGDSIIは、マスクデータを引き出すために使用されうるが、この種のマスクデータフォーマットは、この並行SLM描画システムには十分に適合しえないことに留意されたい。階層マスクデータをフラットなフォーマットに変換するため、この変換は市販のCADソフトウェアプログラムを使用することによって実行されうる。しかしながら、マスクデータを平坦化した後、マスクデータの更なる処理が必要となる。より高品質の画像を生み出すため、マスクデータ構造は、アレイ配置された並行な画像描画システムに関連して使用される。
[0080] アレイ配置された並行な画像描画システムに関しては、マスクデータ構造は平坦化され、すべてのSLM描画ユニットに正しく均一に供給されるように、所定のサイズの小片に区分されうる。マスクデータ構造は、それぞれの描画ユニットに対してマスクデータの各小片を配置することを示す情報を含む。しかも、マスクデータ構造は、複数の描画ユニットにまたがる特徴がその中でどのように分割されるかを規定する情報を含む。データ配置調整は、隣接する描画ユニットの隣接するマスクデータ領域に関連するマスクデータ構造を介して、認識されうる。
[0081] 図11は、本発明の実施形態による、マスクデータ構造の応用を図解している。この実施例では、マスクデータインスタンス1102の複数のレベルに関するマスクデータの階層的記述は、平坦なマスクデータ1104を形成するため、最初に平坦化される。次に、平坦なマスクデータ1104は、複数の区分されたマスクデータパターンに分けられる。このような区分されたマスクデータパターンの1つは共有領域1106として示されており、また、図11の下部で、9個のブロック(点線で分離されている)の中の中心ブロックとして示されている。隣接する描画ユニットの間に重なる充分なマスクパターンニングは、水平及び垂直のストライプ1108で示すように、均一なパターンが周囲の境界に溶け込み、各ブロックは一又は複数のSLM描画ユニットによって描画される区分されたマスクデータを提示するように保証することが必要となる。本発明の実施形態によれば、区分されたマスクデータは、SLM描画ユニット内でのミラーピクセルの流入条件を特定するための識別子の第1の組、及びSLM描画ユニット内でのミラーピクセルの流出条件を特定するための識別子の第2の組を含む。流入条件は、2つのSLM描画ユニットの間の領域に過剰なピクセルが検出される場合に発生する。流出条件は、2つのSLM描画ユニットの間の領域に充分なピクセルが検出されない場合に発生する。区分された各マスクデータパターンは、処理のため対応するSLM描画ユニットへ送り込まれ、各SLM描画ユニットは、描画の融合と均一性が設計基準を満たすことを保証する基準として、隣接するSLM描画ユニットを使用し、所定の重なり合った領域内に関連の区分されたマスクデータパターンを描画する。区分されたマスクデータパターンは、特徴CD均一性のために並行ボーティング露光を可能にするように最適化されうる。この場合、並行ボーティング露光の仕組みは、CD均一性に悪影響を及ぼしうる処理変数を最小化する際に使用される。ダイオードレーザーの使用によるガウス的スペックルの除去は、ボーティングに十分な数のマイクロミラーピクセル露光を使用することにより達成される。
[0082] 図12は、本発明の実施形態による、並行アレイボーティング露光の方法を図解している。本方法は、最初にマスクデータを各SLM描画ユニットに1行ずつ送り、次に行の一端から始まって他端に到達するまでマイクロミラーピクセルの行をフラッシュする。一実施例では、本方法はブロック1201から始まり、マイクロミラーピクセル最下行をフラッシュする。次にブロック1202に移動し、マイクロミラーピクセルの最下行から2番目の行をフラッシュする。ブロック1203では、マイクロミラーピクセルの最下行から3番目の行をフラッシュする。本方法はブロック1204、1205、1206、1207へ続き、マイクロミラーピクセルの対応する行をフラッシュする。そして、この具体例では、ブロック1208で、本方法はマイクロミラーピクセルの最後の行(最上行)を横断する。マイクロミラーピクセルの同一ウォーキング行(walking−row)は、開始点から終了点まで繰り返しループになる。ウォーキング行のループ化は、基板上でのパターン描画に対する露光動作に対応する。マイクロミラーのフラッシング速度は十分に速いため、特徴パターンは、公称露光レベルが累積されるまで、何回もの高速移動ウォーキング行によって露光される。したがって、このようなパターン描画の仕組みは実質的に、多数のマイクロミラーピクセルからのボーティング露光によって実行される。協調された速度と配向で基板ステージを移動することによって、基板全体に対する描画は同じボーティング露光の仕組みで実行される。
[0083] 図12に示されているウォーキング行アプローチは、すべての描画ユニットに対して局所的に又は準局所的に、1つのスタイルの並行ボーティング露光を行うためのウォーキング行のループ化の一例である。他の実施形態では、列又は対角線上の行/列に基づくループ化方法が、効果的な並行ボーティング露光のために利用されうる。インターレーストウォーキング行などの付加的なボーティングの仕組みは、2つの隣接するSLM描画ユニットから派生しうる、或いは幾つかのデータ行により複数のウォーキング配向を使用するため、付加的なステージ動作を犠牲にする可能性があるが、印刷性能を改善するため採用されうる。
[0084] 重たい製造環境下でのアレイ並行露光に関しては、製造フローが中断されるのを防止するため、冗長性又は耐故障性が組み込まれうる。すなわち、露光制御ルーチンがSLM描画ユニットの故障を検出すると、問題のある描画ユニットを停止させ、一又は複数の隣接する描画ユニットにマスクデータを分散し、次に露光したプレートを取り出す前に、これらの隣接する描画ユニットに露光タスクを完了させる動作を行う。この補正露光ルーチンは、プレートのすべてのバッチ負荷が完了するまで続く。このプロセスは、描画性能とスループットヒットが許容しうるとみなされるまで続く。
[0085] 図13は、本発明の実施形態による、画像描画システムに冗長性を実装する方法を図解している。この実施例では、描画ユニット212が正常に動作しなくなると、このユニットは遮断される。8個の隣接する描画ユニットのうちの1つが引き継ぐために選択されうる。この場合、ユニット212の領域に対する描画は、他の領域の露光が完了した後に行われる。
[0086] 2つの隣接するSLM描画ユニットによる(局所から局所の)境界の微小な不一致は、描画のひずみが基板の歪みやたるみから生ずるときに起こりうる。これは符号1402で表わされるが、データパターンは矩形の領域の外にはみ出ている。この場合、重なり合う領域のパターンブレンディングを最適化することが必要になる。図14は、本発明の実施形態による、キーストーン境界ブレンディング法を図解している。図14に示すように、本方法は選択された境界端1404で、隣接する描画ユニット描画領域1406に適合するより良い重ね合わせを可能にするマイクロミラーピクセルをオンにする。当業者であれば、マイクロミラーピクセルを所望の場所で選択的にオンにすることによって、境界ブレンディングを実現する他のアプローチが使用されうることを理解されたい。
[0087] 同じ実施形態によれば、ブレンディングは、選択されたマイクロミラーピクセルを交互に、或いは隣接して重なり合う境界の間の相補的な方法によってオンにすることによって実施されうる。本発明の更に他の幾つかの実施形態によれば、ウォーキング行露光ボーティング動作と、選択された場所で付加的なピクセルをオンにする動作を組み合わせることを利用して、より良いブレンディングを実現しうる。
[0088] アレイ並行描画システムに対して意図した位置合わせの正確性と精度を実現するため、本方法は、位置合わせの仕組みを段階的な幾つかの正確性・精度レベルに分解する。第1の位置合わせレベルは、全体的な位置合わせの正確性レベルを狙ったもので、次に正確性・精度の中間的なレベルへ絞りこんでいく。このボトムアップアプローチを使用することで、本方法は所望の正確性・精度レベルを実現する。
[0089] 1つのアプローチでは、3つの正確性・精度レベルが定義される。ユニットレンズアレイ配置、レンズ中心調整、及びマイクロミラー描画データ操作の3つである。図15は、本発明の実施形態による、SLM描画ユニットをアレイに配置する方法を図解している。この方法は、SLM描画ユニット1502の全体配置にミリメートル単位の正確性をもたらす。次に、各SLM描画ユニットに関して、投影レンズアセンブリの位置は、マイクロメートル単位の精度まで電子的に調整される。この調整は、HeNeレーザー(又は他の非化学線位置合わせ光源)を使用して、レンズの中心のステージ上の既知の基準位置まで位置合わせすることによって行われる。最終的に、マイクロミラーはナノメートル単位の精度での位置合わせ要件を実現するように制御される。
[0090] 本発明の実施形態によれば、露光を行うための位置合わせプロセスは以下のように実行されうる。
1)ステージ上の既知の基準位置を使用して、アレイ内の各SLM描画ユニットのレンズ中心が最初に較正される。これにより、物理的なレンズアレイに準拠して、数学的なグリッドアレイ点を構築することができる。
2)第1マスキング層に関しては、位置合わせマークが印刷されていない場合には、主としてステージの精度を機械的に頼ってプレート位置合わせが行われる。
3)基板プレートがプレート全体にわたって、前のマスキング層で印刷された位置合わせマークを有する場合には、これらの位置合わせマークは対応するSLM描画ユニットによって検出可能である。これにより、基板プレート上にある実際の画像位置に準拠してグリッドマップが構築される。
4)2つのグリッドマップ(SLM描画ユニット対基板から検出され印刷された位置合わせマーク)を比較することにより、ステージ移動ガイドに対する数学的モデルに適合するグリッドマップを構築する。
5)一実施例では、G10基板に対するアレイSLM描画ユニットを考慮すること2400により、最大ステージ移動距離は、水平(X)方向又は垂直(Y)方向のどちらに対しても約120mmである。これはグリッドマップマッチング計算に対しても含まれている。このようなステージ移動距離はむしろ小さく、したがって、G10に対してマスクベースの露光ツールを使用することで要求されるプレートの幅及び長さ全体にわたってステージを移動させることと比較して、技術的に有利であることに留意されたい。G10プレート基板は大きな質量を有しうる。このような大きな質量を運ぶ間のステージ移動距離が小さければ小さいほど、実現されるシステムの正確性は高くなりうる。
6)サブミクロン単位の位置合わせの正確性を微調整するため、本方法では対応する描画ユニットに送られるマスクデータに補正係数を埋め込む。すなわち、すべての描画ユニットに対する補正係数は、基板上での相対描画位置に応じて異なりうる。基板の歪み条件は異なることがあり、各プレートの露光前に検出されうるため、補正係数は基板ごとに異なりうる。
[0091] 図16は、本発明の実施形態による、可撓性ディスプレイを作るためのマスクレス画像描画システムの例示的な実装を図解している。図16に示すように、マスクレス画像描画システム1600は、一又は複数のSLM描画ユニットによって形成されるが、ここで1602はSLM描画ユニットの一例である。一又は複数のSLM描画ユニットは、個々の応用によって要求される特定の形状、例えば、円形に形成されうる。別の例示的な実装では、マスクレス画像描画システムは非可撓性ディスプレイを作るように形成されうる。
[0092] 図17は、本発明の実施形態による、SLM描画ユニットを図解している。SLM描画ユニットは、青色及び赤色ダイオードレーザー1702、開口部1704、レンズ1706、球面ミラー1708、プリント基板1712に装着されたDMD1710、ビームダンプ1714、ビームスプリッタ1716、CCDカメラ1718、及びレンズアセンブリ1720を含む。青色及び赤色ダイオードレーザー1702は、赤色レーザーダイオード(非化学線)1722及び4個の青色レーザーダイオード(化学線)1723、1724、1725及び1726を更に含む。レーザーダイオードは、図17に示した例のように配置されうる。中心の赤色レーザーダイオードは非化学線で、主として最初の焦点設定の位置合わせ又は捕捉に使用される。4個の青色レーザーダイオードは化学線で、これらは露光を行うために使用される。レーザーダイオードパッケージの物理的なサイズに応じて、均一な強度が実現しうる限り、異なる数のレーザーダイオードを使用した他の種類の配置も可能である。別のアプローチでは、光ファイバー束を介して化学線照射も提供されうる。このアプローチでは、各レーザーダイオードは光ファイバー束の一端を照らし、ファイバーは化学線光を伝え、光ファイバー束の他端から光り輝やく。他の実施形態では、ダイオードレーザーの代わりにLEDが使用されうる。この配置例では、青色LEDは均一な強度を実現するように密着させて配置することが可能で、一方、複数の赤色LEDは、位置併せと最初の焦点調整の目的を実現するように構成されうる相対位置に配置可能である。この実施例では、青色及び赤色ダイオードレーザー1702は、開口部1704とレンズ1706を通って光を球面ミラー1708に投影する。次に光は球面ミラー1708からDMD1710へ反射される。DMD内の各ミラーの状態に従って、光はレンズアセンブリ1720を通って、ビームダンプ1704、または基板に送られうる。このようにして、基板上に作られた画像は反射して戻り、レンズ1720とビームスプリッタ1716を通って上方へ進みCCDカメラ1718に達する。
[0093] 図18は、本発明の実施形態による、ロールツーロールマスクレスリソグラフィのために、SLM描画ユニットの直線的なアレイを使用する方法を図解している。この実施例では、SLM描画ユニット1802は、図18に示すように単一ラインアレイとして配置される。基板1804は、基板の運動方向(X方向)に沿って動くように制御され、また、SLM描画ユニット1802の直線的なアレイは、基板1804の平面内で基板の運動方向(Y方向)に垂直に前後に動くように制御されうる。SLM描画ユニットの直線的なアレイの露光は、ロールツーロール基板運動に同期して、基板1804のある領域を処理するように調整可能である。この方法では、SLM描画ユニットの直線的なアレイは、SLM描画ユニットの直線的なアレイのサイズよりも大きな物理寸法を有する基板を描くように制御されうる。基板運動の方向並びに基板運動に垂直な方向に動くSLM描画ユニットを制御できることにより、図18に示す画像描画システムは、779号特許及びAhn論文に記載されている従来の方法で必要とされる物理マスクのサイズ限界を克服する。
[0094] 図19は、本発明の実施形態による、ロールツーロールマスクレスリソグラフィのために、SLM描画ユニットの二次元アレイを使用する方法を図解している。この図は二次元SLM描画アレイ1902の上面図を示しており、各円はSLM描画ユニットを示している。図18に示した実施例と同様に、基板1904はX方向に動くように制御され、SLM描画ユニット1902の二次元アレイは、基板1904平面のY方向で前後に動くように制御されうる。SLM描画ユニットの二次元アレイの露光は、ロールツーロール基板運動に同期して、基板1904のある領域を処理するように調整可能である。この方法では、SLM描画ユニットの二次元アレイは、SLM描画ユニットの二次元アレイのサイズよりも大きな物理寸法を有する基板を描くように制御されうる。したがって、図19に示す画像描画システムは、779号特許及びAhn論文に記載されている従来の方法で必要とされる物理マスクのサイズ限界を克服する。幾つかの実施形態では、SLM描画ユニットの二次元アレイは、ジグザグ又は非ジグザグのアレイ構成に形成されうることに留意されたい。
[0095] 図20は、本発明の実施形態による、マスクレスリソグラフィを使用して複数の基板サイズを描画する方法を図解している。図19で説明されている方法と同様に、画像描画システムはまた、SLM描画ユニット2002の二次元アレイを採用する。SLM描画ユニット2002の二次元アレイは、連続的な方法で自動的に画像データを受け取り処理するように制御されうるため、画像描画システムは、779号特許及びAhn論文に記載されている従来の方法によって要求される停止及び新しいマスクへの変更を要求することなく、新しいTFTマスクデータベースアセンブリを読込むことによって、1つの基板設計から異なる基板設計へ移行することができる。図20に示した実施例では、2006、2008、2010、2012、及び2014などの異なるサイズの基板設計が、SLM描画ユニット2002の二次元アレイによって移動する異なるサイズの基板設計を含むロールツーロール基板として、オンザフライで処理可能である。
[0096] 図21は、本発明の実施形態による、局所化された基板表面の状態に対応する各SLM描画ユニットを配置する方法を図解している。この実施例では、本方法は露光中に基板表面2104の非平坦性を検査し、それに応じてSLM描画ユニット2102の直線的なアレイを調整する。この実施例では、各SLM描画ユニットの最適な高さ調整を有する利点を示すため、平坦でない基板2104は誇張して示されている。これにより、意図した分解能CDに対するDOFの範囲を1〜5μmに収めるように自動焦点調整を実現することができる。この方法は、以下の節で更に説明される。
[0097] 1つのアプローチでは、TFTベースの光起電力(PV)パネルの印刷に関しては、最小の特徴CDは50μmを超えうる。この印刷分解能範囲では、インクジェット印刷が低コストな選択肢と考えられることが多い。しかしながら、インクジェット印刷の1つの大きな欠点は、インクミスト、すなわちインクジェット液滴の噴き出しに伴う副作用による欠陥に弱いことで、インクジェット印刷は本質的にリソグラフィプロセスほどきれいではない。アクティブなデバイスを形成しないマスク特徴のパターニング、又は主としてパッシブな観察目的には適しうる。ロールツーロール印刷を備えたアクティブTFTデバイスを作ることができる製造に関しては、SLM描画ユニットのスケーラブルなアレイは、より良いデバイス歩留まりを生み出すため、マスクレスリソグラフィにはより良い分解能をもたらす。この方法では、マスクレス描画に拡大投影が使用される。すなわち、縮小対物レンズを使用する代わりに、SLM描画ユニットの露光は、制御された方法で製品の特徴サイズを25μmから数百μmまで拡大しうる拡大対物レンズを採用している。
[0098] 完全には平坦でない基板上で最高の焦点を維持するためには、露光中にSLM描画ユニットの焦点をモニタして調整することが1つの方法である。図22は、本発明の実施形態による、ピクセルの焦点を検出するための方法を図解している。焦点をモニタするための1つのアプローチは、露光中の画像を捕捉するためのTTLモニタリングカメラを使用することである。画像が捕捉された後、捕捉された明暗のピクセル画像は、露光パターンに対して期待されるものとの比較で、焦点のぼけの相対量を容易に導き出しうる。図22の例に示すように、明暗のピクセルペア(2202及び2204)は焦点が合っている状態(2206及び2208)と焦点が合っていない状態2210にある。暗領域から明領域への境界の遷移では、焦点の合っているペアはより明瞭な遷移パターンを示し、一方、焦点が合っていないペアは遷移がぼやけている。ぼやけた遷移の程度は、焦点の合っていない量を参照するため、マップ化することができる。他のアプローチでは、画像の空間周波数をモニタし、解析してもよい。焦点の誤差は高い空間周波数を特異的に低減させるため、捕捉した画像の高周波数構成要素の減少を比較することによってぼけの量を評価することができる。更に別の方法は、最適な焦点設定で最高の状態にある画像コントラストによって、明暗パターンの組から画像コントラストをモニタし、解析する方法である。コントラスト減少の程度は、ぼけの量の基準となりうる。
[0099] 上述の方法は焦点誤差の大きさの有効な焦点モニタであるが、これらの方法は誤差の方向を直接的に示すことはない。この問題に対処するため、システムはソフトウェア制御下で、ターゲット焦点を中心とする範囲をわずかに超える焦点を絶えず変化させ、ターゲット焦点位置を更新して最良の焦点に保持する。この焦点は、範囲の両端で誤差をバランスさせることによって、最も感度よく決定されうる。しかしながら、露光画像を意図的にぼかす必要がある場合を除外することは有利であろう。これを実現する1つの方法は、露光画像の焦点を変えることなく、制御された方法でカメラの焦点を乱すことである。これは、カメラと対物レンズとの間の有効光路長を変えることによってTTLモニタカメラ上で実行されうる。一次近似に対して、レンズのカメラ側の焦点距離(図のf)の変更は、同じ割合だけfを変えるのと同じ効果を有する。この焦点変更は、カメラを内外に振動させ、振動するミラーに画像を反射させること、或いは図23aに示すように様々な厚み及び/又は屈折率を有するセグメントを備えた回転ディスクに光を通すことによって達成可能で、有効な光路長を望むように変化させることができる。これは第1OPD2316及び第2OPD2326で示されている。同様に、画像は、高さの異なるセグメントを備えたミラーディスクによって反射されうる。
[0100] 図23aは、本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの焦点をオンザフライで検出するための例示的な装置を図解している。図23aに示したように、装置は描画源2302、ビームスプリッタ2304、対物レンズ2306及びその筐体2308を含む。描画源2302の一例を、構成要素1702から1714までを含めて図17に示す。装置はまた、第1カメラセンサ2310(略してカメラ又はセンサと称されることもある)、第1モーター2312、第1屈折ディスク2314、及び第1光路差(OPD)調整器2316を含む。第1OPD調整器2316は円形光学デバイス2317から形成され、この円形光学デバイス2317は複数のセクタ(例えば、2318)から作られ、各セクタは屈折率の異なる材料から作られるか、或いは同じ屈折率であるが光路差を生ぜしめるように厚みの異なる材料から作られうる。
[0101] 焦点調整方向を決定する別の方法は、図23b及び23cに示したように、異なる光路長から画像を捕捉する2つのカメラを有することである。図23bと図23cは、本発明の実施形態による、SLM描画ユニットの焦点をオンザフライで検出するための2つの他の例示的な装置を図解している。図23aに示すエレメントに加えて、これらの例示的な装置は更に、第2カメラセンサ2322(略して、カメラ又はセンサとも称される)、及び第2光路差(OPD)調整器2326を含む。図23cはまた、第3OPD調整器2330を含む。第2OPD調整器2326及び第3OPD調整器2330は、第1OPD調整器2316と同様に形成されうる。2つのカメラセンサ2310及び2322と共に使用されるとき、異なる屈折率を有する2つのOPD2316及び2326は、焦点調整方向を決定するように設定可能である。別の実施形態では、異なるOPD2316及び2326は、それぞれのカメラ2310及び2322を異なる物理距離に配置するだけで有効になる。
[0102] 図23b及び図23cに示した実施例は、焦点調整方向を比較して分析するため、第1カメラセンサから第2カメラセンサまで画像を調べ、2つのカメラセンサで観測されたぼけを等しくするように焦点設定を調整し、これによって、最良の焦点が2つのカメラセンサのOPD中間で実現されることを保証する。ここで、第1及び第2カメラセンサは、ターゲット焦点の方向を決定するため、相補的な焦点設定によって基板2309を観測するように構成されている。更に別の方法は、対物レンズを上下に動かすことによって焦点の調整を避ける方法で、この方法は、有効な光路長を変えることによって焦点調整を有効にするため、対物レンズ2306の筐体2308の上に第3OPD2330を配置する。
[0103] オンザフライでの焦点のモニタ及び調整は、以下のように実行されうる。
1)対物レンズからの基板の分離は、焦点調整の範囲内に設定される。
2)最初に、非化学線照射を使用して、画像が形成され、捕捉される。これは、露光に対して感光性を有する材料にいかなる損傷も引き起こさない。すなわち、最初の焦点は非化学線照射を使用して設定され、次にオブジェクトはそれに応じて最良の焦点となるように調整される。
3)露光ステージが基板の運動の方向(X方向)に沿って移動を開始すると、化学線の露光が開始される。
4)画像捕捉は、次に化学線照射の下でモニタされる。対物レンズはそれに応じて調整される。
5)各焦点調整は次の露光場所のためのものであるが、前の露光位置に対して決定された最良の焦点に基づいていることに留意されたい。
6)対物レンズに対する焦点調整の量は、f対fについて測定された光路差に基づいている。
[0110] 上述のように、画像描画は、露光が行われている間に、一又は複数のカメラによってオンザフライでモニタされうる。露光に対してミラーピクセルボーティングの仕組みを使用することによって、各画像パターンは多数のDMDミラーピクセルによって露光され、形成される。この露光の仕組みは本質的に、各ミラーピクセル露光は必要とされる総露光エネルギーの小さな割合にしか寄与しないため、露光の初期段階で焦点誤差により大きなマージンを許容する。ピクセルボーティング露光は進行するため、各SLM描画ユニットの焦点はオンザフライで調整され適合される。この焦点誤差のマージンは、図24に示した例のように、暗い部分に囲まれて孤立した「孔状の」パターンとなる、或いは明るい部分に囲まれて孤立した「島状の」パターンとなる特徴の描画に関しては重要である。これは、前述の特徴パターンはどちらも、焦点設定が乱れている間に画像の変化がないため、最初から最適な焦点を設定することは容易ではないからである。しかしながら、幾つかの露光が進行した後には、最適な焦点が決定しうる。
[0111] 別のアプローチでは、DOF全体を広げるための「焦点ボーティング露光」を実現するために、上述の種類の自動焦点機構が使用されうる。図25は、本発明の実施形態による、ピクセルボーティング露光によるDOF改善の方法を図解している。図25に示す実施例では、最適な露光設定は、ピクセルボーティング露光の間に動的に調整されうる。これにより、ピクセルボーティング露光は、DOFの範囲内にある種々の最良の焦点レベルによって実現可能となる。この仕組みにより、最終画像パターンは露光され、結果として得られるDOF2504全体に広がりうる焦点設定2502の多くのボーティングによって形成される。
[0112] 図26は、本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの例示的な実装を図解している。本開示の態様によれば、図2、図6、又は図17に示すようにSLM描画ユニットは、図26に示す多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを形成するように修正可能で、図7、図8、図15、及び図16に示すようにSLM描画ユニットのアレイと同様のMCB描画ユニットのアレイ中の1つユニットとして使用されうる。一実施形態では、MCB描画ユニット2600は、電子源、プログラマブル開口部プレート、ブランキングプレート、電子ビーム投影光学系を含みうる。電子ビーム投影光学系は、静電多重電極加速レンズ、磁気レンズの第1組、停止プレート、ビームステアリング多端子、磁気レンズの第2組を含みうる。MCB描画ユニットは、オプションによりレジスト被覆マスクブランクを含みうる。
[0113] 本開示の態様に従って、単純化するため、多重荷電粒子ビーム(MCB)という用語は、多重電子ビーム又は多重イオンビーム、或いは多重電子ビームと多重イオンビームの組み合わせのいずれかを意味する。多重電子ビーム及び/又は多重イオンビームは、集合的に多重荷電粒子ビームと称される。本書に記載の露光方法は、電子ビームとイオンビームの両方に適用しうる。光学レンズ構成は、荷電粒子源(電子ビーム又はイオンビーム)が生成される方法を除けば、電子ビームとイオンビームの両方に対して実質的に同様である。加えて、露光には異なる種類の光子、例えば、限定するものではないが、可視光、紫外線、真空紫外線(VUV)、深紫外線(DUV)、極紫外線(EUV)、及びX線が使用されうる。露光に作用する光子に関しては、総露光エネルギーはミリジュール(mJ)の単位で参照されること、また、累積された露光荷電エネルギーはマイクロクーロン(μC)の単位で参照されること、光子による露光と荷電粒子ビームによる露光は共に、平方センチメートルの単位面積で測定される。
[0114] 一実装では、ガンレベル(gun−level)で引き出された電子は、コンデンサとして作用し、直径25mmの幅広い均一なビームを生成する多重電極スタックを最初に通過する。この電子ビームは、マイクロメーターサイズのビームが形成されうる、プログラム可能な開口部プレートに垂直に衝突しうる。加えて、各ビームは、CMOS制御マイクロデフレクタによって個別に偏向可能で、次に(偏向及び非偏向)ビームはMCB描画ユニットの投影光学系に入り、そしてビームは静電多重電極レンズ内で加速され(例えば、5keVから50keVビームエネルギーまで)、MCB描画ユニットの底部に配置された一又は複数の磁気レンズによって縮小されうる。非偏向ビームは基板レベルまで通過可能である。偏向ビームは、投影光学系の停止開口部プレートで除去されうる。多重荷電粒子ビームは、データ経路を介してMCB描画ユニット2600に流入するデータに応じて、オンとオフが切り換えられる。
[0115] 図27は、本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの別の例示的な実装を図解している。上述のMCB描画ユニット2600と同様に、MCB描画ユニット2700も、図7、図8、図15、及び図16に示したようにSLM描画ユニットのアレイと同様なMCB描画ユニットのアレイの中の1ユニットとして使用されるように適合されうる。一実施形態では、MCB描画ユニット2700は、電子源、一又は複数のコリメータレンズ、開口部アレイ、ビームブランカアレイ、ビームデフレクタアレイ、及び投影レンズアレイを含みうる。
[0116] 図28は、本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの更に別の例示的な実装を図解している。上述のMCB描画ユニット2600と同様に、MCB描画ユニット2800も、図7、図8、図15、及び図16に示したようにSLM描画ユニットのアレイと同様なMCB描画ユニットのアレイの中の1ユニットとして使用されるように適合されうる。一実施形態では、MCB描画ユニット2800は、電子源、プログラマブル開口部プレート、ブランキングプレート、電子ビーム投影光学系を含みうる。電子ビーム投影光学系は、静電多重電極加速レンズ、磁気レンズの第1組、停止プレート、ビームステアリング多端子、磁気レンズの第2組を含みうる。
[0117] 図29は、本発明の実施形態による、多重荷電粒子ビーム描画ユニットの別の例示的な実装を図解している。上述のMCB描画ユニット2600と同様に、MCB描画ユニット2900も、図7、図8、図15、及び図16に示したようにSLM描画ユニットのアレイと同様なMCB描画ユニットのアレイの中の1ユニットとして使用されるように適合されうる。一実施形態では、MCB描画ユニット2900は、電子源、プログラマブル開口部プレート、ブランキングプレート、電子ビーム投影光学系を含みうる。電子ビーム投影光学系は、静電多重電極加速レンズ、磁気レンズの第1組、停止プレート、ビームステアリング多端子、磁気レンズの第2組を含みうる。
[0118] 本開示の態様によれば、ポジ型レジストが電子ビームによって露光されるとき、レジスト分子中のいくつかの分子鎖は壊れ、これによって平均分子量を低減する。これは溶解度を高めることによって実現され、エッチング速度を高める。電子ビームリソグラフィに関しては、荷電粒子ビームによる露光後に、レジストでのエネルギー堆積の三次元分布を知ることは望ましいであろう。現在、一般的な電子ビームリソグラフィマシンは、電子1個あたり10〜100keVエネルギーの電子ビームを使用する。したがって、電子の自由行程は10μm以上になりうるが、これは少なくともレジストの厚みの桁を超えている。そのため、電子はレジスト層を容易に貫通して基板に到達することができる。電子はレジストと基板を貫通するため、前方散乱や後方散乱などの散乱現象が発生する。
[0119] 前方散乱では、電子は基板又はレジストの原子の1個の電子と衝突する。入射電子は方向を変え、エネルギーの一部を原子に受け渡す。余剰エネルギーによって、原子は励起(1個の電子が励起されたレベルへ進む)又はイオン化(1個の電子が原子を離れ、物質内に二次原子を作り出す)されうる。ターゲット原子がレジスト分子の一部になると、分子鎖はこの励起又はイオン化によって壊れる。非弾性散乱による散乱角は一般的に小さい。
[0120] 後方散乱では、電子ははるかに重い原子核に衝突し、弾性散乱現象を引き起こしうる。多くの場合、電子はそのエネルギーを保持するが、方向を変える。この場合、散乱角は大きくなる。基板での大きな角度の散乱現象の後、電子は入射ビームから大きく離れたレジストを通って戻り、付加的なレジスト露光を引き起こしうる。この後方散乱は、以下の節で更に説明される近接効果を引き起こしうる。
[0121] 一次電子が遅くなるにつれて、そのエネルギーの多くは、2〜50eVの範囲にある二次電子の形態で消散されうる。レジスト露光の大部分はこれらの電子によるものでありうる。これらの電子が有するエネルギーは低いため、その飛程は数ナノメートルとなり、近接効果にはほとんど寄与しない。しかしながら、この現象は前方散乱と共に、露光領域の拡大を引き起こし、荷電粒子ビームリソグラフィ露光システムの分解能を制限する要因になりうる。電子がエネルギーを失う前に移動する距離は、一次電子のエネルギーと電子が通過する物質の種類の両方に依存する。後方散乱される電子の割合、すなわちeは、大まかに言ってビームエネルギーには依存せず、使用される基板材料に関係している。例えば、原子数の小さい基板は、原子数の大きい基板よりも引き起こす後方散乱は少ない。
[0122] 原子核との正面衝突の場合、受け渡されるエネルギーEは以下によって決定されうる。
E=E(1.02+E/10)/(465.7A)
ここでEは入射ビームのエネルギーで、Aはターゲットの原子数である。Eが原子量、結合力及び結晶格子に依存するあるエネルギーEを超えると、原子核は置換され、結晶構造は破壊されることがある。
[0123] 原子核置換によって起こりうる損傷に加えて、高露光量による基板の加熱によっても損傷は引き起こされうる。加熱はまたレジスト感度を変えることもあり、望まない線幅のばらつきも引き起こしうる。この問題は、図33e及び図34b〜図34dの説明に関連して、以下で対処される。
[0124] 図30a〜図30dは、本発明の実施形態による、オブジェクトを描画する方法を図解している。図30aに示す例示的なアプローチでは、本方法はブロック3002で始まり、次にブロック3004に進み、そこで本方法は描画されるオブジェクトのエッジに沿って評価点を選択する。図30bは、オブジェクトのエッジに沿った評価点の選択の一例である。図30bに示すように、台形は描画されるオブジェクト3022を表わす。評価点(黒点)3024は、オブジェクト3022のエッジで露光をモニタするために選択され、使用される。オブジェクト3022のピクセルはピクセルグリッド3026を基準とし、ピクセルグリッド3026内の各四角形はピクセルを表わす。データ構造は、ピクセルグリッドに対する各評価点の位置、ピクセルグリッドに対するエッジの角度、及び露光野内にある評価点の数(すなわち、評価点が露光される回数)、及びこの評価点でそれまでに累積された露光量を含む、各評価点に関連する情報を保存するように作られうる。本発明の実施形態によれば、任意の2つの評価点間の距離はピクセルの半分以下で、評価点間の距離は等しく離間されている。すなわち、評価点はナイキスト基準が満たされる方法で選択され、描画されるオブジェクト3022のサンプリング周波数は、ピクセルグリッドの周波数によって表わされる元の信号の周波数の2倍を上回る。他の実装では、評価点の距離は、ナイキスト基準が満たされる限り、ピクセルの1/3、1/4、又はこれ以外の割合となるように選択されうる。
[0125] ブロック3006では、本方法はオブジェクト3022を描画するための露光を実施する。ブロック3006で実施される各露光内で、本方法は更に以下の作業を実施する。まず、ブロック3012で、本方法は、例えば、スキャンライン幾何学アルゴリズムを使用して、オブジェクト3022の内部ピクセルを最初に満たす。これを図30bの網掛け領域によって示す。図30bに示した実施例は、白から黒への画像の遷移を仮定しており、複数の露光量はオブジェクト3022の境界内で受け取られうることに留意されたい。当業者であれば、黒から白への遷移を有するオブジェクトを描画するため、同様ではあるが逆の操作が実施されうることを理解されたい。
[[0126] ブロック3014では、本方法は、ピクセルグリッドに関わる部分エッジピクセルの領域、目標露光量レベルに対する現在の露光量レベル、隣接ピクセルからの露光の影響、誤差/歪み補正の量、及び他の性能最適化検討事項を含む幾つかの要因に従って、オブジェクトのエッジピクセルを検査し、露光調整を行う。ピクセルが主として、例えば図30bのピクセル3025など、オブジェクトのエッジ(及び対応する評価点)の外側にある場合には、関連する評価点のディザリングは、露光の大部分に対してオフにされる。反対に、ピクセルが主として、例えば図30bのピクセル3027など、オブジェクトのエッジ(及び対応する評価点)の内側にある場合には、関連する評価点のディザリングは、露光の大部分に対してオンにされる。
[0127] ブロック3016では、本方法は画像描画システムの露光量を累積する。図30c及び図30dは、初期の露光量レベルから目標露光量レベルまでのこのような露光量の累積を図解している。図30cと図30dに示した2つのシナリオでは、露光の総量は同じ(目標露光量)であるが、各露光に対するエッジピクセルを調整することによって、異なるエッジ移行効果が実現されうる。各露光による露光量の累積及び使用はフィードバック機構をもたらし、これにより画像描画システムは描画されるオブジェクトの境界で描画プロファイルを適応的に調整し、同時にターゲット総露光量が維持されるよう保証することを可能にする。ブロック3018では、本方法はその後の露光にためにピクセルグリッド3026を移動する。これは、以下で図33a〜図33dに関連して説明される。
[0128] ブロック3008では、所定の目標露光量が達成されるかどうかについて決定が行われる。目標露光量が達成されない場合(3008のNo)には、本方法はブロック3006に進み、オブジェクト3022を描画する別の露光を実施する。このように、オブジェクトを描画するため、多重露光が実施される。或いは、目標露光量が達成された場合(3008のYes)には、本方法はブロック3010に進み、オブジェクトの描画操作は終了される。
[0129] 本発明の実施形態によれば、多重露光がオブジェクトに実施されうる。このような多重露光は、所定の露光量を注目している描画領域に提供するため、種々のSLMによる描画領域の多重通過によって実現されうる。一実装では、各描画位置に対して約400回の露光が実施され、各露光量はそれぞれの評価点に累積される。一般的に、最初の露光は任意である。その後の露光に関しては、本方法は、描画位置に累積された露光量と、当該描画位置での目標露光量の割合(目標総露光量×N/400)とを比較する。累積された露光量が目標露光量を下回る場合には、ピクセルは当該露光量に対してオンにされうる。反対に、累積された露光量が目標露光量を上回る場合には、ピクセルは当該露光量に対してオフにされうる。その後の露光に関しては、本方法は、描画位置に累積された露光量と、完了した露光回数で配分した当該描画位置での目標露光量の割合とを比較する(400回中N回の露光については、目標総露光量×N/400と比較)。
[0130] 本発明の実施形態によれば、図30cと図30dは、エッジピクセルの調整での異なる実装を図解している。図30cでは、垂直軸は累積露光量を表わし、水平軸は、オブジェクト3022の描画プロセス中に与えられる露光回数を表わす。この実施例では、露光量は露光回数が増加するにつれて比較的直線的に増加する。エッジの露光量は、ステップ関数3032に従って、初期露光量レベルから目標露光量まで増加する。その結果、描画されるオブジェクトのエッジで不鮮明な、或いは滑らかな遷移が作られる。目標総露光量は実験的に、理論的に決定されるか、多重露光の実施前に実験的解析と理論的解析の組み合わせによって決定されうる。他のアプローチでは、初期の露光での露光量は、ステップ関数3032に対してオーバーシュート又はアンダーシュートしうる。しかしながら、このような露光量のオーバーシュート又はアンダーシュートは、露光回数が増えるにつれて補正され、露光回数の終わりに近づくにつれて目標露光量に集束する。
[0131] 一方、図30dでは、ステップ関数3034で示すように、露光量は最初ゆっくりと増加するが、露光の中間段階では比較的鋭角に増加し、露光に終わりに向かって増加は緩やかになる。所望の目標露光量で終わるのであれば、このステップ関数又は他のステップ関数が使用可能である。例示的な目標総露光量は、1平方センチメートルあたり20ミリジュール(mJ/cm)となりうる。
[0132] 図30c及び図30dの実施例では、各露光に対する閾値比率は制御されうる。例えば、オブジェクトの境界では、ピクセルが主としてオブジェクトのエッジ(及び対応する評価点)の外側にある場合、例えば、図30bのピクセル3025の場合には、ピクセルがオフにされる確率を高めるため、露光の閾値比率は高めに設定されうる。しかし、ピクセルが主としてオブジェクトのエッジ(及び対応する評価点)の内側にある場合、例えば、図30bのピクセル3027の場合には、ピクセルがオンにされる確率を高めるため、露光の閾値比率は低めに設定されうる。エッジ(及び対応する評価点)がピクセルのほぼ中央に位置する場合、例えば、図30bのピクセル3029の場合には、ピクセルは露光のほぼ半分に対してオンにされ、露光の残りのほぼ半分に対してはオフにされる。エッジピクセルの露光を支持する閾値を調整することによって、露光量が目標を下回ることがわかっている中間的な露光で単純にエッジピクセルを露光するのではなく、ピクセルの大部分が内部に入るようにピクセルグリッドが設定されているときには、エッジでより鮮明な画像形状を得ることができる。
[0133] 図31aと図31bは、本発明の実施形態による、評価点での累積露光量を計算する方法を図解している。本方法は、当該ピクセルとその隣接ピクセルの露光による寄与分を考慮に入れることによって、ピクセルP(3102)内の評価点に対する累積露光量を計算する。一実装では、直近の隣接ピクセルN1(3104)及び二次的な隣接ピクセルN2(3106)からピクセルP(3102)内の位置への露光量寄与が決定され、保存される。一般的に、あるピクセルの隣接ピクセルへの寄与は、(Sin X/X)に近い形状の波形を有し、その寄与は二次的な隣接ピクセルN2(3106)の外側では大幅に減少する。図31aに示した実施例では、ピクセルの幅は1平方ミクロンになるように選択され、2μm離れたピクセルへのピクセルP(3102)の寄与は無視してもよい。他の実施形態では、高次(3次以上)のピクセルに対するピクセルP(3102)の影響は、画像描画システムの所望の正確性に基づいて考慮されうる。
[0134] 図31aの実施例に示したように、ピクセルは更に、ピクセルP(3102)描画時のより細かな正確性を考慮するため、サブピクセルグリッド3108で示したように、ピクセルの1/8の粒度に量子化されうる。各隣接ピクセルの露光量寄与は、これらのより細かなグリッド点の各々で事前に計算され、これらの点(又は幾つかの最も近い細分化されたグリッド点の組み合わせ)での値は、評価点での露光量を累積するときに使用される。画像描画システムの正確性要件に応じて、ピクセルPは本発明の実施形態により、1/16(符号3110で示した)、又は他のより細かい量子化係数で量子化されうる。
[0135] オブジェクトの描画に先立って、一連の参照テーブル(LUT)を作成するための情報を収集するため、シミュレーションが実施される。LUTは、描画操作中にオブジェクトの各露光に対する露光量を計算するために使用される。1つのアプローチでは、LUTは以下のようにして作成されうる。上記で図31aに関連して議論したように、ピクセルの露光は、1次の隣接ピクセル(N1)及び2次の隣接ピクセル(N2)への寄与を有しうる。各ピクセルは更に、1個のピクセルの1/8の量子化粒度を用いて、64個のサブピクセル領域に分割されうる。加えて、1つの描画領域に対して400回の露光が累積されうるため、閾値比率は総露光強度の約半分になる。したがって、各露光は全露光の1/800を提供しうる。各露光に対して2.5%(1/40)の精度を仮定すると、本方法は全露光量の1/32,000に量子化する必要があり、これはおよそ15ビットで表わされうる。15ビットを16ビットに丸めると、16ビット(2バイト)は、64個のサブピクセル位置の各々での1ピクセルの露光量寄与を表わすために使用されうる。言い換えるならば、描画プロセスで考慮される各評価点に関して、ピクセルの5×5アレイが検査され、各ピクセルは64個のサブピクセル領域を有し、各サブピクセル領域は2バイトで表わされる。その結果、各テーブルは約3200(25×64×2)バイトのサイズを有しうる。当業者であれば、様々な所望の正確性を実現するためには、様々なアレイ(例えば、6×6、8×8など)のピクセルが考慮されうること、様々な露光回数(例えば、500回、1,000回など)が行われうること、様々な精度割合(例えば、1%、2%など)が使用されうること、並びに64個のサブピクセルの各位置を表わすために様々なビット数(例えば、20ビット、21ビットなど)が使用されうること、に留意されたい。例えば、サブピクセル領域を表わす21ビットの実施例では、64ビット長ワードはこのようなサブピクセル領域3個を表わすために使用されうる。画像描画システムの所望の精度に応じて、異なるサイズを有する対応するLUTが作成されうる。
[0136] 図31aに示した例に関しては、各評価点での露光による露光量寄与を計算するには、ピクセルP(3102)の隣接ピクセル(N1、及びN2)に対するテーブル参照を含む、従来のアプローチを用いる25回のテーブル参照が必要となりうる。このようなアプローチは長い時間を要し、多くの処理電力を消費する。図31bは、本発明の実施形態による、図31aのピクセルPを処理する方法を図解している。1つのアプローチでは、ピクセルP(3102)及び1次の隣接ピクセルN1及び2次の隣接ピクセルN2は5個のピクセルからなる5つの行に配置されうる。これらを図31bの3112、3113、3114、3115、及び3116に示す。参照テーブル3118は、各テーブル参照が5個のピクセルからなる行の情報を読み出すように配置されうる。このアプローチでは、各ピクセルに対して25個の別々のテーブルを有するのではなく、5個のピクセルからなるグループに対して情報を読み出すために、約100Kバイト(3.2K×32)の結合されたテーブルが作られ、使用されうる。このような方法では、テーブル参照を実施する効率が5倍に増大しうる。
[0137] 更に別のアプローチでは、参照テーブル3118は、各テーブル参照が5個のピクセルからなる列の情報を読み出すことができるような異なる方法で配置されうる。当該アプローチでは、ピクセルP(3102)と1次の隣接ピクセルN1及び2次の隣接ピクセルN2は、5個のピクセルからなる5個の列に配置されうる(図示せず)。参照テーブル3118にアクセスするため、アドレスの一部は5個のピクセルからなる列のビットパターンから導かれうる。例えば、10101のビットパターンは5個のピクセルの列を表わすために使用されうる。ここで、1のビット値はピクセルがオンであることを示し、0のビット値はピクセルがオフであることを示しうる。或いは設計技師の実装の選択によっては逆になりうる。5個のピクセルからなるグループの配置により、各テーブル参照は、従来のアプローチで1個のピクセルに対してデータを読み出すのではなく、5個のピクセルに対してデータを読み出すことができるため、より効率的である。
[0138] 評価点間の距離は実質的に同じであり、互いに近くなるように選択されることに留意されたい。このような性質を考慮に入れると、図32は、本発明の実施形態による、評価点のグループを処理することによって、オブジェクトを描画するための方法を図解している。この実施例では、2つのオブジェクト3202と3204が描画され、これらはピクセルグリッド3206によって参照される。上述のように、黒点で表わされる評価点は、各オブジェクトの境界に沿って選択される。一実装では、評価点は4個からなるグループで処理され、対応する参照テーブルは特定の種類のエッジの処理に対して構築されうる。例えば、参照テーブル3208は水平エッジを処理するために提供され、参照テーブル3210は垂直エッジを処理するために提供され、参照テーブル3212は傾斜角Aのエッジ3212を処理するために提供され、また、参照テーブル3214は傾斜角Bのエッジ3214を処理するために提供される。この例に示したように、テーブルの数は、描画されるオブジェクトの形状(エッジの角度)など、要因の数に依存しうる。一般的に、基準テーブルは画像描画システム全体に対して作成され、様々な状況に対処するため、テーブル3208、3210、3212、及び3214などの様々な複合テーブルが作成される。
[0139] 図32に示すように、4個の評価点からなるグループはグループとしてまとめて処理されうる。垂直に配向された4個の評価点からなるグループを例にとると、距離の広がりは約2ピクセル未満になりうる。状況によっては、4個の評価点からなるグループは3ピクセルを超えて広がることもあるが、このような状況では、3個のピクセル及び対応する隣接ピクセルは、4個の評価点からなるグループを描画する際に考慮されることに留意されたい。あるピクセルが、2ピクセル離れた隣接ピクセルによって影響されうると仮定すると、2個の隣接ピクセルは、6個から7個の垂直ピクセルのグループを形成するため、4個の垂直評価点の各端部に付加される。本発明の実施形態によれば、垂直エッジの参照テーブルは、4個の垂直評価点に対する露光量寄与を一度に保存及び読み出しできるように作られうる。これらの露光量寄与の各々は16ビットで表わされうるため、4個の垂直評価点のグループは、符号3217で示すように、64ビットのロングワードを形成するように結合されうる。このような方法で、描画のために4個の垂直評価点のグループを計算するため、5回のテーブル参照を必要とする各評価点の従来の方法とは対照的に、およそ6〜7回のテーブル参照が実施されるが、これは約3倍の改善である。上記の説明により、当業者であれば、水平エッジ3208の参照テーブル、傾斜角Aのエッジ3212の参照テーブル、及び傾斜角Bのエッジ3214の参照テーブルなど、ある特定に角度に対してテーブルを作成するため、同様のアプローチが適用されうることを理解されたい。水平エッジ3208、傾斜角Aのエッジ3212の参照テーブル、及び傾斜角Bのエッジ3214の参照テーブルに対して形成される64ビットのロングワードの例は、それぞれ符号3216、3218、3219で示される。
[0140] 64ビットの各ロングワードは、16ビットの各ユニットがシミュレーション中にオーバーフローしないような方法で構築されている。これは、16ビットワードで表わされる各露光量値のスケーリングを制御することによって行われる。4個の評価点に対する露光量寄与を64ビットのロングワードに詰め込むことによって、テーブルのサイズは4倍増加する。例えば、図31に関連して説明されているテーブルを取り挙げると、新しいテーブルサイズは400Kバイト(100K×4)になりうる。また、オブジェクトのエッジは、4個の評価点からなるグループに分解されうる。エッジ端部付近の残りの評価点に対処するため、このような残余分は、使用されない評価点(「無関心」評価点)に何も行わないことを除いて、4個の評価点からなるグループとして処理されうる。例えば、64ビットロングワードの上位半分は使用されず、マスク処理される。特別なテーブルが構築されなかった奇妙な角度でエッジが進む特別な事例では、当該エッジの評価点は1のグループに分けることができ、4個の評価点の各グループ内で使用される1の評価点のみによって、任意のエッジ角度に対するテーブルを用いてシミュレートすることができる。したがって、このエッジは上述の方法を用いて処理されうるが、一度に1個の評価点のみが処理され、4個の評価点中3個は無視される。事例の中でも非常に小さな割合(おそらく1%)となるこの特別な事例では、構築が3倍遅くなるであろうが、特別なテーブルのみが設計の中にある共通エッジ角に対して構築されることが必要となる。シミュレーション中にディスクからのデータ読み出しを回避するには、参照テーブルがキャッシュメモリに保存できるように参照テーブルのサイズを制御することが重要であることに留意されたい。例えば、水平エッジを処理するときには、水平エッジ3208に対する参照テーブルはキャッシュされなければならず、垂直エッジを処理するときには、垂直エッジ3210に対する参照テーブルはキャッシュされなければならない。
[0141] 画像処理中に作られるデータの量は最小化することが望ましい。このことは、図30aに関連して説明されているように、エッジピクセル3014の調整及び露光量3016の累積に費やされる時間を短縮しうるために重要である。加えて、各SLMのデータ転送量も低減しうる。図33は、本発明の実施形態による、オブジェクトの描画を最適化する方法を図解している。図33aに示した実施例では、描画されるオブジェクト3301及び3303はピクセルグリッド3302(わかりやすくするためグリッドは描かれていないが、図30bに示したものと同様である)によって参照される。他の実施形態では、一又は複数のオブジェクトはピクセルグリッド3302によって参照され、同時に処理されうる。複数のオブジェクトはピクセルグリッド3302内の任意の領域を占めうる。一実装では、ピクセルグリッド3302は768ピクセルの幅と1024ピクセルの長さを有する。他の実装では、異なるサイズのピクセルグリッドが採用されうる。最初の露光に関しては、ピクセルグリッド全体の中のすべてのピクセル位置が計算され、その計算結果は保存される。
[0142] 最初の露光後、ピクセルグリッド3302は水平方向にデルタX(3305)の量だけ、垂直にデルタY(3307)の量だけシフトされる。一実装では、デルタX(3305)の量は8.03ピクセルで、デルタY(3307)の量は0.02ピクセルとなりうる。補正値デルタX及びデルタYはピクセルの整数倍でないことに留意されたい。このようにする意図は、すべての図形エッジを描画する際の一貫性を実現することにある。オフセットがピクセルの整数倍になるように選択された場合には、ピクセルグリッドは1つずつ位置合わせされる。その場合、エッジがピクセルグリッド上に位置するときには、より鮮明なエッジが描画されるが、エッジがピクセルグリッドの間に位置するときには、不鮮明なエッジが描画されうる。オフセットがピクセルの非整数倍になっていると、約400回の露光が重ねられ、累積される場合にはエッジは同じ方法で描画されるが、ピクセルグリッド位置が異なると、エッジは時折ピクセルの境界上に位置するが、それ以外のときにはピクセルの他の場所に位置する。このジッタピクセル(jittered pixel)平均化(JPA)の方法は、サブピクセルエッジ位置分解能に、すべてのエッジに対して一貫した描画性能をもたらす。
[0143] 図33bは、ピクセルグリッド3302がデルタXとデルタYだけシフトされ、3304として示されることを図解している。この図解は縮尺どおりではなく、デルタXとデルタYの量は説明を目的として誇張されている。一般的に、ピクセルグリッドは、前の露光に対して実施された計算の大部分が現在の露光に使用されうるように、(図33aに示したように)1つのピクセル位置から(図33bに示したように)次のピクセル位置まで、小さな量だけシフトされうる。その結果、計算の量が最小化される。垂直シフトはわずか0.02ピクセルであり、数回垂直シフトした後でも、実質的に無視しうることに留意されたい。ピクセルグリッド3304内では、最も左の細片3306(8.03×1024)の中のピクセルについて計算が行われるが、これは、これらのピクセルに対して露光量が計算され、調整される(ピクセルはシフトされてピクセルグリッドから出る)のは最後になるからである。最も右に位置する細片3310(8.03×1024)についても計算が行われるが、これは、これらのピクセルが新たに導入されるが、それ以前(ピクセルシフトイン時)に計算されていなかったからである。中央の細片3308(およそ752×1024の大きさで、共有されており、オーバーラップピクセルとも呼ばれる)は、図33aで実施された以前の計算から複製したものである。中央の細片3308はピクセルグリッドがシフトされるたびに再計算されるわけではないため、画像描画システムはかなり改善されている。
[0144] 図33cは、ピクセルグリッド3304が別のデルタXとデルタYだけシフトされ、3312として示されることを図解している。図33bの状況と同様に、ピクセルグリッド3312内では、最も左の細片3314(8.03×1024)の中のピクセルについて計算が行われるが、これは、これらのピクセルに対して露光量が計算され、調整される(ピクセルはシフトされてピクセルグリッドから出る)のが最後になるからである。最も右に位置する細片3318(8.03×1024)についても計算が行われるが、これは、これらのピクセルが新たに導入されるが、それ以前に計算されていなかったからである。中央の細片3316(およそ752×1024の大きさの網掛け部分)は、図33bで実施された以前の計算から複製されたものである。
[0145] 図33dは、ピクセルグリッド3312が別のデルタXとデルタYだけシフトされ、3320として示されることを図解している。図33cの状況と同様に、ピクセルグリッド3320内では、最も左の細片3322(8.03×1024)の中のピクセルについて計算が行われるが、これは、これらのピクセルに対して露光量が計算され、調整される(ピクセルはシフトされてピクセルグリッドから出る)のが最後になるからである。最も右に位置する細片3326(8.03×1024)についても計算が行われるが、これは、これらのピクセルが新たに導入されるが、それ以前に計算されていなかったからである。中央の細片3324(およそ752×1024の大きさの網掛け部分)は、図33cで実施された以前の計算から複製されたものである。ピクセルグリッドの3つの連続したシフトの後、プロセスは図33のa〜dで説明されているプロセスを新たに開始し、反復してもよい。
[0146] 以前の露光からピクセルを複製する利点の1つは、図30aに関連して説明されているように、内部ピクセル3012を満たし、エッジピクセル3014を調整するプロセスを省略しうる点にある。加えて、ブロック3016に関連する計算は、一定のピクセルデータを有し、露光間のデルタXとデルタYが既知である4回の露光の影響を表わす別の露光量テーブルを作ることによって最適化されうる。次に、一連の4回の露光の中で変化しなかったピクセルについては、4組のテーブル参照を実施するのではなく、1組のテーブル参照がブロック3016で実施されうる。もう1つの利点は、SLMへのデータ転送量が低減されることである。その結果、画像描画システムの全体性能が向上する。以前の露光からのピクセルを複製することで犠牲になるのは、2つの露光で露光量が同じであると仮定するため、エッジの明るさを調整する機会が少なくなることである。しかしながら、約400回の露光を行うシステムでは、エッジ分解能に関しては多少妥協しなければならないが、システム性能に関する利点は大きい。
[0147] 3回の連続シフト後、Y方向の総シフト量は0.06ピクセルで、これは、無視しうる量である。X方向の総シフト量は24.09ピクセルで、これらのピクセルは、ピクセルグリッドの毎回のシフト後に厳密に追跡され、計算される。図33のaからdは、3つの一連のシフトのシステム実装を図解している。同じ原理を適用することで、当業者は、異なる回数のシフト、例えば、1回、2回、4回、或いはそれ以外の回数のシフトを実装するようにシステムが設計されうることを理解されたい。加えて、デルタXとデルタYとして異なる値、例えば、デルタXに8.10ピクセルとデルタXに0.03ピクセルが使用されうる。
[0148] 高スループット多重電荷ビーム描画システムで、電荷を持たない光子による露光と比較すると、この描画アプローチは高い電流密度と高いフラッシュ速度を使用することを含みうる。どちらも、望ましくない局所的な特徴形状のひずみや限界寸法(CD)誤差を誘発することがあり、特定の特徴形状に対しては更に悪化することがある。本開示の態様によれば、局所的な特徴CD誤差の様々な原因は、限定するものではないが、ビームエネルギー、レジストタイプ、レジスト厚、露光時間(量)、現像時間、パターン密度、及び露光率などを含む、エネルギー転送及び荷電粒子ビームの蓄積に関連している。
[0149] 幾つかの実施形態では、本開示のMCB描画システムは、時間に依存しうる局所的な特徴CD誤差を引き起こす加熱効果の問題に対処するように構成されうる。加えて、本開示のMCB描画システムは、時間依存性は低いが、クーロン斥力の影響によって引き起こされうる、荷電粒子ビームの近接効果の問題に対処するように構成することもできる。これらの問題は共に、以下で更に説明されるように、MCB描画システムによって最小化されうる。
[0150] 本開示の態様によれば、局所的な加熱は平坦でない基板の膨張による特徴配置の誤差を引き起こしうるが、これは基板内での熱分散の制御によって緩和されうる。例えば、局所的な加熱を低減する1つの方法は、所定のデータパターンの多重露光パスを実施することで、各露光パスはビーム電流を低減し、描画露光パスの間に熱緩和時間として機能する有効な時間遅延を持たせることができる。
[0151] 同じ総露光量であるが各パスに対してはより少ない電流量を使用する4本パスの露光に対して、全電流を使用する単一パス露光を比較すると、累積される露光量の結果は、異なる露光パスの2つの方法の間で全く異なることがありうる。多重露光パスで少ない電流量を有する各パスを使用すると、局所加熱の低減に効果がありうることに留意されたい。また、多重荷電粒子ビーム描画システムで時間遅延を使用することは、緩和時間をもたらし、次に熱を分散させ、結果的に局所加熱を低減するため、特徴CD誤差の低減に有効となりうる。
[0152] 図33eは、本発明の実施形態による、ピクセルブレンディング露光の実施方法を図解している。例示的な実装では、各特徴は例えば20回から200回の間の多重部分露光の重ね合わせによって形成されうるため、各ビームピクセル露光は、既に大幅に低減された電流量になりうる。この方法では、各露光が低い露光量で投与可能であるため、もともと局所加熱を低減しうる。加えて、MCB描画システムは更に、ターゲット特徴の形状を分析し、連続的なスキャニング露光で間欠的に粒子ビームピクセル露光のオン/オフを選択することによって局所加熱を最小化し、特定された特徴に基づいて露光のフラッシュ速度の変調を可能にするように構成されうる。フラッシュ速度はCD誤差の原因となりうる局所加熱を有しやすい。このアプローチでは、「オン」になっているピクセルビーム間の緩和時間は、意図した公称露光量を実現するため、各部分露光量が補償されうる間に「組み込まれる」ことがある。多数のピクセルビームはピクセルブレンディング露光のプロセスで統計的に分散されうるため、このアプローチが測定可能なほど大きなスループットの不利益を被ることはないことに留意されたい。
[0153] スキャニングピクセルブレンディング露光の例では、ピクセルビームの組が、特徴の特定の領域を露光するために割り当てられることがある。例えば、連続する多数のピクセルビームは、スキャニング露光実行時のスキャン中には、適宜オンに設定される。これらのピクセルビームは特徴の領域を露光するために割り当てられることがあり、各ピクセルビームは決められた割合だけ公称露光量に寄与することができる。別の例では、局所的な加熱効果を低減する必要があると判断されると、公称露光量の大きな割合を「オン」になっているピクセル3332のビームの各々に割り当てることができるが、特徴3336の領域の露光時には他のピクセル3334のビームはすべて「オフ」に設定される。このアプローチはフラッシュ速度を効果的に低減し、各露光の間に熱拡散のための緩和時間を許容するため、ピクセルブレンディング露光の連続モードの遅延時間を挿入した。更に別の実施例では、付加的な遅延時間は、3つの「オフ」ピクセル3344を有するため、それぞれの「オン」ピクセル3342ビームに公称露光量のより大きな割合を割り当てる。他の実装では、ビームエネルギーの状態、レジストタイプ、レジスト厚、露光時間、現像時間、パターン密度、及び露光率に従って、種々の「オン」と「オフ」のピクセル列が、特徴の種々の領域3346の露光に採用されうる。
[0154] 本開示の態様によれば、種々のピクセルスキャンラインは、2組のピクセルスキャンライン3352と3354に示したように、種々のピクセルパターンを使用しうる。例えば、ピクセルスキャンライン3352の第1組の中で、第1ピクセルスキャンラインは、第1の公称露光量を有するオン−オフ−オフ−オフの反復ピクセルパターンを含み、第2ピクセルスキャンラインは、第2の公称露光量を有するオン−オン−オン−オンの反復ピクセルパターンを含み、第3ピクセルスキャンラインは、第3の公称露光量を有するオン−オフ−オン−オフの反復ピクセルパターンを含み、また、第4ピクセルスキャンラインは、第3ピクセルスキャンラインと同じピクセルパターンと電子エネルギーレベルを有しうる。この実施例は、MCB描画システムが、ピクセルをオンまたはオフにするように、また、特徴を露光する際に、任意のピクセルに所定のエネルギーレベル(露光量)を投与するように構成されうることを示している。図33eに示した実施例では、MCB描画システムは、空間的に反転されたピクセルパターンに適合するように構成されうる。例えば、パターン3354はパターン3352を空間的に反転している。異なる露光パターン、例えば3352と3354の露光パターンが、それぞれ異なる特徴領域3356と3358に適用されうる。しかも、パターン3352は第1スキャン方向に適用され、パターン3354は、第1スキャン方向とは異なる、第2スキャン方向に適用されうる。その結果、本開示のMCB描画システムは、多重パスを使用することにより、露光を十分統計学的に分配するように構成されうる。幾つかの実装では、ピクセルは1つのMCB描画ユニットにより露光されうる。他の幾つかの実装では、ピクセルは、コヒーレントな方法で動作するように構成されたMCB描画ユニットによって露光されうる。
[0155] 画像描画システムが構築されるときには、システムで使用される様々な構成要素の位置合わせ時の不正確性、レンズ及び他の光学部品の製造欠陥による不正確性など、様々な不正確性の原因がもたらされうる。以下のセクションでは、本発明の実施形態に従い、このような不正確性を決定し、補正する方法について議論する。
[0156] 画像描画システムの正確性を決定するため、以下を決定するため、1)隣接するSLM間の距離、2)DMDミラーアレイの回転又は傾きの量、及び3)SLM(DMD)から基板までの光学的な拡大/縮小の量、の測定が行われる。1つのアプローチでは、ステージ上に既知のパターンが配置され、注目している上記のパラメータのデータを収集するための測定が行われる。SLMのレンズを通して画像が撮影され、カメラピクセルのサイズが実量で決定されうる。SLMの回転/傾きを測定するため、収集したデータにフーリエ変換を実行して、回転角を決定する。別のアプローチでは、事前に作成された較正基板がステージ上に配置され、最初に視野の中心からカメラのレンズを通して検査される。次に、ユーザーが定義した軸に沿ってある所定の距離(例えば、デルタx及びデルタy)だけステージを動かし、各SLMのカメラによって事前に作成された較正基板の検査を繰り返す。
[0157] システムのパラメータが測定された後、このようなデータはシステムの不正確性を補正するために使用することができる。1つのアプローチでは、基板は対応するSLMによって描画される領域に分割されうる。SLMの間隔を100mmに設定して、SLMの座標空間内でパターンを対応するように置換することによって、基板の任意の領域が適切にカバーされうることを保証するため、システムは2つの隣接するSLM間に十分な重なりを、例えば最大で数ミリメートルの重なりを設ける。別のアプローチでは、ピクセルグリッドが基板上に配置されているとき、ピクセルグリッドは、SLMから基板までの拡大/縮小変動を補正するため、拡張又は収縮されうる。例えば、目標縮小率が10:1の場合、10.1:1の縮小率は光路に1%の変動をもたらすが、このような変動はピクセルグリッドによって補償されうる。更に別のアプローチでは、基準評価点の位置が決定され、次に基準評価点と実際のシステムから測定した不正確性による変動を利用して、対応する評価点の距離と角度が決定可能である。このような補正はオブジェクトのエッジに典型的な影響を及ぼすが、図30aに関連して説明されている描画プロセスの基本的な流れは変わらないことに留意されたい。
[0158] システムのアセンブリの不正確性に加えて、投影機構のレンズ又は他の構成要素によっても歪みが引き起こされうる。本発明の実施形態によれば、ピンクッション歪みなどの歪みの影響は極座標の位置として記述されることがあり、rは例えば、r’=r−0.02*rのように補正される。歪み誤差を補正するこのアプローチは、拡大縮小誤差を補正するアプローチと同様である。いずれの場合でも、エッジ(又は評価点)がどのピクセルの中にあるのかを決定するため、本方法は、幾何学的な変動又は他の影響によってわずかに変化することがあるピクセルのサイズを測定する必要がある。
[0159] 実際には、歪みの量は画像描画システムで使用されるレンズの質に関係しており、質の高いレンズであれば、生ずる歪みは少なくなる。このような歪みは、設計プロセス中のシミュレーションによって、或いはレンズが作られた後の測定によって決定されうる。1つのアプローチでは、画像描画システムは十分に高品質のレンズを使用し、歪みの比較的小さな割合を補正するため、本書に記載の方法を適用しうる。歪みによる誤差を補正するため、システムは最初に歪みの関数を決定し、次に、歪みを補正するためオブジェクトを描画するとき、歪みの逆関数を適用する。歪みを補正するこのアプローチは、歪みの関数が見つかり、歪みを補正するため逆関数が作成される限り、他の形態及び形状の歪みにも適用されうることに留意されたい。このアプローチは、以下で図34aに関連して更に説明される。
[0160] 図34aは、本発明の実施形態による、光画像描画システムに補正を行う方法を図解している。図34に示した実施例では、符号3402は単純化したピクセルグリッドを表わし、符号3404は歪んだピクセルグリッドを表わす。符号3406は描画されるオブジェクトを表わし、符号3408はオブジェクト3406の歪み補正のための逆関数を表わす。中央近くでは、歪んだピクセルグリッド3404の中心の四角形は元のピクセルグリッド3402と実質的に同じであることに留意されたい。しかし、隅部の外側では、歪んだピクセルグリッドの「四角形」は台形のように見える。当業者であれば、1024×768ピクセルの大きさを有する矩形のピクセルグリッドなど、他の形態及び形状のピクセルグリッドを使用しうることを理解されたい。
[0161] ピクセルグリッド3402は、1つのSLMで描画される領域を表わすか、当該SLMによって描画される領域の一部を表わすことに留意されたい。SLMによって与えられる露光が異なれば、ピクセルグリッドによって表わされる領域は、SLMの位置及びその露光野に対して移動しうる。したがって、歪みの形状はSLM及び露光の位置に応じて変化しうる。一般的に、中央に近い領域は歪みが小さくなるが、隅部に近い領域は歪みが大きくなる。
[0162] 図34の実施例に示したように、オブジェクト3406を例示するため、システムはオブジェクトの座標を、3406から3408への変換によって表わされるSLMアレイの座標に変換する。基本的に、システムはオブジェクト3406の形状を取り上げて、これを(3408で表されるように)逆向きに歪めるが、SLMの歪んだレンズは、元のピクセルグリッド3402を歪んだピンクッション3404の形態で見ることができるため、オブジェクトの描画に使用することができる。
[0163] 図30a及び図30bで説明されているように、評価点はオブジェクト3406のエッジに沿って選択される。円形領域3409は、エッジ3406の小さな部分及び対応する逆関数3408を図解している。符号3410は、オブジェクト3406に沿った4個の評価点を表わし、符号3412は、逆関数3408に沿って位置している、対応する4個の評価点を表わす。円形領域3409は、図34の右側に拡大して示されている。
[0164] 4個の評価点からなるグループに関しては、互いの間隔はレンズの最大分解能に関するナイキスト理論によって決定されることに留意されたい。一般的に、評価点の間隔は、ピクセルの1/2又は1/3など、ピクセルの一部分になりうる。このような状況では、歪みはピクセルの一部分よりも小さくなりうる。4個の評価点の距離の範囲にわたって、歪みは非常に小さくなる傾向にあり、例えば、ピクセルの1/25程度になり、歪みによる4個の評価点の曲率は無視できる程度になりうる。
[0165] 図34aの円内に示したように(歪みを誇張するため、縮尺どおりには描かれていない)、左側の垂直線3414に沿った4個の例示的な評価点は、歪み関数の逆関数を形成するため、右側の歪んだ線3416に沿った4個の評価点にマッピングされうる。これにより、垂直線の中心点3418は歪んだ線の中心点3420にマッピングされ、歪んだ線の4個の評価点の基準の役割を果たす。図34aは4個の評価点の歪んだ線からの偏差を誇張していることに留意されたい。本発明の実装によれば、この偏差は非常に小さく、典型的には、基準となる中心点3420からのずれは1ピクセルの約0.1パーセント未満である。上述の枠組みでは、4個の歪んだ評価点からなるグループは、図30から図33で上述された方法を用いて計算されうる。
[0166] 本発明の実施形態によれば、図31aに関連して議論されているように、1/8ピクセルの量子化という観点で4個の評価点からなるグループを考慮すると、ピクセルの1/25の歪みがあり、中心点がピクセルグリッドの1/8にスナップされる場合には、ピクセルの1/16の誤差となる。異なるSLMと露光位置での多重露光による描画の過程を通じて、これらの誤差は互いに相殺される傾向にある。例えば、幾つかの露光では、SLMは一方向に傾けられることがあり、他の露光ではSLMは他の方向に傾けられることがある。その結果、画像は滑らかなエッジを得ることができる。言い換えるならば、誤差は平均化され、更に、誤差が無視できるとみなされるほど十分に小さくなりうる状況にある。4個の評価点がピクセルグリッドの1/8のどこに位置するかを決定するプロセスでは、4個の歪んだ評価点3420の中心の新しい位置を用いて補正が行われる。この実施例では、中心点3420は垂直及び水平にシフトされうることに留意されたい。
[0167] 図34bは、本発明の実施形態による、荷電粒子ビーム近接効果を補正するためのピクセルブレンディング露光を適用する方法を図解している。本開示の態様によれば、近接効果の補正方法は、点又はピクセルの露光による電子レジスト層に蓄積されるエネルギー密度プロファイルの正確な知識を必要とする。一般的に、このプロファイルはシステム設定の関数になっている。このプロファイルの1つの性質は、平坦で均質な基板を仮定すると、その形状は露光量及び位置に依存しない。このプロファイルは2つのガウス分布の和によって近似されうる。
f(r)=Cexp(−(r/B)+Cexp(−(r/B
これは前方散乱及び後方散乱された電子を表わす。C、C、B及びBは定数で、rは電子入射点からの距離である。1つのアプローチは、この式を次のように記述することである。
Figure 0006526695
ここでηは前方散乱エネルギーに対する後方散乱エネルギーの比率、αは前方散乱飛程パラメータで、βは後方散乱飛程パラメータである。上記の方程式は、ηが前方散乱エネルギーに対する後方散乱エネルギーの比率、αが前方散乱飛程パラメータで、βが後方散乱飛程パラメータとなるように正規化可能である。上記の方程式は次のように正規化可能である。
Figure 0006526695
[0168] 幾つかの実施形態では、エネルギー堆積プロファイルは単一ピクセル(点)の露光を明らかにし、回路パターンの露光は次のコンボリューションによって、数学的に記述される。
Figure 0006526695
ここで、E(x,y)はレジストに蓄積されるエネルギーを、f(r)は点露光プロファイルを、d(x,y)は位置の関数としての入力露光量を表わす。現像した画像E’(x,y)は、次の式によってE(x,y)から得られる。
Figure 0006526695
ここで、τは実験的に決定された現像閾値である。E’(x,y)=0及びE’(x,y)=1は、それぞれ未現像のレジストと現像済みのレジストを示している。
[0169] 本開示の態様によれば、矩形などの基本的な形状の累積的な分布関数を使用することによって正確な画像を得るために、小さなピクセルサイズが採用されうる。更には、総露光量を2つの構成要素に分けることによってメモリ要件は軽減されうる。1つは前方散乱構成要素によるもの(すなわち、局所的な露光によるもの)で、もう1つは後方散乱構成要素によるもの(すなわち、全体的な露光によるもの)で、平坦になるうるもので長い飛程を有する。局所的な露光は、注目している重要な点の周囲の小さなウィンドウ内で評価可能であるが、一方、全体的な露光は、精度を大きく犠牲にすることなく、粗いグリッドで評価可能である。
[0170] 図34bを参照すると、上段の図は近接効果の補正技術を適用していない試験パターンを示している。その結果、符号3422、3424、3426、3428、及び3430で示されているように、試験パターン内に幾つかの未解消の領域が存在する。一方、本書で説明したように近接効果の補正を適用することによって、下段の図では、これまで未解消であった領域が、符号3432、3434、3436、3438、及び3440で示されているように解消されていることがわかる。
[0171] 本開示の態様によれば、近接効果補正に3つの方法が適用されうる。すなわち、背景補正露光、形状修正、及び露光量修正の3つである。例えば、露光量修正では、各ピクセルに異なる露光量が適用可能である。1つのアプローチでは、MCB描画システムは、各ピクセルの露光量を決定するために採用されうる、図30c及び図30dで説明されている露光量補正アルゴリズムを実装するように構成することができる。Qをピクセルjに適用される露光量とし、Nをピクセルの総数とする。ピクセルiでの総エネルギーは次のようになる。
Figure 0006526695
及び
Figure 0006526695
ここでrijは、ピクセルの中心iとjとの間の距離を表わす。この方程式はすべてのiに対して、次のように行列表記で書くことができる。
Figure 0006526695
この方程式の組を行列演算で解くことにより、近接効果補正されたパターンを得ることができる。
[0172] 図34cは、本発明の実施形態による、荷電粒子ビーム近接効果を補正するためのピクセルブレンディング露光を適用する別の方法を図解している。形状修正の幾つかの実装では、回路特徴のために単一の露光量が使用されうる。幾つかの他の実装では、回路特徴のために多重露光量が使用されうる。パターン画像に見出される形状は、現像された画像が意図した画像に酷似するように修正することができる。例えば、パターンは矩形の回路素子に区分されうる。回路エレメントの各々は個別に調整されうる。1つの具体的な実装では、各矩形は、図34cに示すように、対応する内部最大矩形(IMR)で置き換えることができる。図34cを参照すると、上段の図は形状修正なしで露光される矩形回路素子3442を示している。したがって、結果的に露光される画像3452は、符号3444、3446、3448、及び3450で示されるように、(矩形と比較して)不正確性を含みうる。下段の図は、内部最大矩形3462を適用することにより、形状修正ありで露光される、同じ矩形回路素子3442を示している。その結果、得られる露光画像3464に含まれる不正確性は、上段の図の露光画像3452と比較して少なくなりうる。
[0173] 次に、異なる回路素子間の相互作用の影響が補正可能である。他の回路素子に面する各エッジは、エッジの中間点が実験的に決定された現像閾値と等しくなりうるように調整可能である。次に、回路素子の形状は、図34dに示したように、隣接する矩形間の接合部など、重要な点で修正されうる。
[0174] 図34dは、本発明の実施形態による、荷電粒子ビーム近接効果を補正するためのピクセルブレンディング露光を適用する更に別の方法を図解している。図34dに示した実施例では、右側に示したように結果として得られる露光画像3470を実現するため、1つのアプローチは、回路特徴を2つ以上の矩形回路素子(3472及び3474)に区分し、矩形回路素子の各々に対応するIMR(3473及び3475)を適用し、過剰な露光が起こりうる重要な領域3476を特定し、2つ以上の矩形回路素子から内側部分3478を取り除くことである。その結果、上述の方法を適用することによって、右側の結果として得られる露光画像3470に示したように、後方散乱の問題は大幅に軽減可能である。
[0175] 本発明の実施形態は、FPD製造のためのリソグラフィ及びFPD製造のためのマスク、ガラス基板上での実物大の独自の複製或いは精密な複製の作成に適用可能であるばかりか有用である。これらはまた、集積回路、計算機合成ホログラム(CGH)、プリント基板(PCB)の製造、マイクロスケール及びメソスケールでの大型描画ディスプレイアプリケーションに適用可能であり有用である。
[0176] 本発明の実施形態は、意図したマスクデータパターンの基板への直接描画など、マスクを使用しないリソグラフィ製造プロセスに更に適用可能であり有用である。このようにして、マスクコスト及び懸案事項の問題は取り除かれる。本発明の実施形態は、来たるべきG10及びそれ以降のスループット要件を超えるマスクレス露光のための露光ツールを可能にする。より重要なことは、この構成には、より良いリソグラフィ歩留りを確保するためのプロセスウィンドウの改善を伴うことである。
[0177] 明確にするための上記の説明は、種々の機能ユニット及びプロセッサに関連した発明の実施形態を述べていることを理解されたい。しかしながら、種々の機能ユニット又はプロセッサ間での適切な機能分散が、本発明を損なうことなく使用されうることは明白であろう。例えば、別々のプロセッサ又はコントローラで実施されるように説明されている機能は、同一のプロセッサ又はコントローラによっても実施されうる。したがって、特定の機能ユニットに対する基準は、厳密に論理的な又は物理的な構造或いは組織の指示ではなく、説明されている機能を提供するための好適な手段に対する基準とみなされる。
[0178] 本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含む、任意の好適な形態に実装可能である。本発明はオプションにより、一又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で動作するコンピュータソフトウェアとして実装されうる。本発明の実施形態のエレメント及び構成要素は、任意の好適な方法で物理的に、機能的に、及び論理的に実装されうる。実際に、本機能は単一ユニットに、複数のユニットに、或いは他の機能ユニットの一部として実装されうる。このように、本発明は単一ユニットに実装されてもよく、種々のユニット及びプロセッサ間に物理的に且つ機能的に分散されてもよい。
[0179] 当業者であれば、同一の基本的な下層の機構及び方法論を採用しつつ、多くの可能な修正及び開示された実施形態の組み合わせが使用されうることを認識するであろう。上記の記述は、説明を目的としたもので、特定の実施形態を参照して書かれている。しかしながら、上記の例示的な議論は、網羅的であること又は本発明を開示した厳密な形態に限定することを意図していない。上記の教示を見るならば、多くの修正及び変形が可能である。本実施形態は、本発明の原理及び実際の応用を説明するため、並びに、当業者が本発明及び様々な実施形態を、考慮されている特定の用途に適した様々な修正とともに最適に利用するために、選択され説明されたものである。 また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
一又は複数の並行アレイに配置された複数の多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを含む並行画像描画システムを提供すること、
基板に描画されるマスクデータパターンを受け取ること、
前記基板の異なる領域に対応する複数の区分されたマスクデータパターンを形成するため、前記マスクデータパターンを処理すること、
対応するMCB描画ユニットによって描かれる前記基板の領域内の一又は複数のオブジェクトを特定すること、及び
前記複数の区分されたマスクデータパターンを並行に描画するため、前記複数のMCB描画ユニットを制御することによって、前記基板の前記領域内で前記一又は複数のオブジェクトを描く多重露光を実施すること
を含むリソグラフィ製造プロセスで画像データを処理するための方法。
(態様2)
前記一又は複数のオブジェクトを描画するため多重露光を実施することは、
ピクセルグリッドを使用して前記一又は複数のオブジェクトを参照すること、
前記ピクセルグリッドを使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施すること、
(a)次のピクセルグリッド位置まで、前記一又は複数のオブジェクトに関して所定の増分だけ前記ピクセルグリッドをシフトすること、並びに
(b)前記次のピクセルグリッド位置を使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施すること、及び
目標の露光回数に到達するまでステップ(a)及び(b)を反復すること
を含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記ピクセルグリッドを使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施することは、
前記一又は複数のオブジェクトの内部ピクセルを満たすこと、
前記ピクセルグリッドによりエッジピクセルの露光を調整すること、
ピクセル位置で受け取った露光量に従って、各ピクセル位置で露光量を累積すること
を含む、態様2に記載の方法。
(態様4)
所定の増分だけ前記ピクセルグリッドをシフトすることは、
前記ピクセルグリッドを前記基板に対して、非整数個のピクセル分だけ水平方向にシフトすること、
前記ピクセルグリッドを前記基板に対して、非整数個のピクセル分だけ垂直方向にシフトすること
を含む、態様2に記載の方法。
(態様5)
次のピクセルグリッド位置を使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施することは、
前記次のピクセルグリッドの第1領域を特定することであって、前記第1領域内のピクセルに対する前記露光量はシフトアウトされるピクセルとして計算される特定すること、
前記次のピクセルグリッドの第2領域を特定することであって、前記第2領域内のピクセルに対する前記露光量は以前のピクセルグリッドの計算から重なるピクセルとして得られる特定すること、及び
前記次のピクセルグリッドの第3領域を特定することであって、前記第3領域内のピクセルに対する前記露光量が新たにシフトインしたピクセルとして計算される特定すること
を含む、態様2に記載の方法。
(態様6)
前記一又は複数のオブジェクトを描画するための多重露光を実施することは、
第1の電子エネルギーレベルを有する第1露光量を使用してピクセル位置の第1の組を選択的に露光すること、
第2の電子エネルギーレベルを有する第2露光量を使用してピクセル位置の第2の組を選択的に露光すること
を更に含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
前記一又は複数のオブジェクトを描画するため多重露光を実施することは、
前記MCB描画ユニットの1つを使用してピクセルの多重露光を実施すること、又は
前記MCB描画ユニットの組を使用してピクセルの多重露光を実施すること
のうちの少なくとも1つを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様8)
一又は複数の並行アレイに配置された複数の多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを含む並行画像描画システムと、
前記複数のMCB描画ユニットを制御するように構成されたコントローラであって、
基板に描画されるマスクデータパターンを受け取るためのロジック、
前記基板の異なる領域に対応する複数の区分されたマスクデータパターンを形成するため、前記マスクデータパターンを処理するためのロジック、
対応するMCB描画ユニットによって描かれる前記基板の領域内の一又は複数のオブジェクトを特定するためのロジック、及び
前記複数の区分されたマスクデータパターンを並行に描画するため、前記複数のMCB描画ユニットを制御することによって、前記基板の前記領域内で前記一又は複数のオブジェクトを描く多重露光を実施するためのロジックを含む前記コントローラと
を含むリソグラフィ製造プロセスで画像データを処理するためのシステム。
(態様9)
前記一又は複数のオブジェクトを描画するため多重露光を実施するためのロジックは、
ピクセルグリッドを使用して前記一又は複数のオブジェクトを参照するためのロジック、
前記ピクセルグリッドを使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施するためのロジック、
(a)次のピクセルグリッド位置まで、前記一又は複数のオブジェクトに関して所定の増分だけ前記ピクセルグリッドをシフトするためのロジック、並びに
(b)前記次のピクセルグリッド位置を使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施するためのロジック、及び
目標の露光回数に到達するまでステップ(a)及び(b)を反復するためのロジック
を含む、態様8に記載のシステム。
(態様10)
前記ピクセルグリッドを使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施するためのロジックは、
前記一又は複数のオブジェクトの内部ピクセルを満たすためのロジック、
前記ピクセルグリッドによりエッジピクセルの露光を調整するためのロジック、及び
ピクセル位置で受け取った露光量に従って、各ピクセル位置で露光量を累積するためのロジック
を含む、態様9に記載のシステム。
(態様11)
所定の増分だけ前記ピクセルグリッドをシフトするためのロジックは、
前記ピクセルグリッドを前記基板に対して、非整数個のピクセル分だけ水平方向にシフトするためのロジック、
前記ピクセルグリッドを前記基板に対して、非整数個のピクセル分だけ垂直方向にシフトすること
を含む、態様9に記載のシステム。
(態様12)
次のピクセルグリッド位置を使用して前記一又は複数のオブジェクトの露光を実施するためのロジックは、
前記次のピクセルグリッドの第1領域を特定するためのロジックであって、前記第1領域内のピクセルに対する前記露光量はシフトアウトされるピクセルとして計算されるロジック、
前記次のピクセルグリッドの第2領域を特定するためのロジックであって、前記第2領域内のピクセルに対する前記露光量は以前のピクセルグリッドの計算から重なるピクセルとして得られるロジック、及び
前記次のピクセルグリッドの第3領域を特定するためのロジックであって、第3領域内のピクセルに対する露光量が新たにシフトインしたピクセルとして計算されるロジック
を含む、態様9に記載のシステム。
(態様13)
エッジピクセルの露光を調整するためのロジックは、
前記ピクセルグリッドに関する部分エッジピクセルの領域に従って、前記部分エッジピクセルの露光を調整するためのロジック、
目標露光量レベルに関して露光量レベルを調整するためのロジック、
誤差訂正の量に関して露光量レベルを調整するためのロジック、及び
所望の露光量累積関数をモデル化するための露光閾値を調整するためのロジック
を含む、態様10に記載のシステム。
(態様14)
前記一又は複数のオブジェクトを描画するための多重露光を実施するためのロジックは、
第1の電子エネルギーレベルを有する第1露光量を使用してピクセル位置の第1の組を選択的に露光するためのロジック、
第2の電子エネルギーレベルを有する第2露光量を使用してピクセル位置の第2の組を選択的に露光するためのロジック
を更に含む、態様8に記載のシステム。
(態様15)
前記一又は複数のオブジェクトを描画するため多重露光を実施するためのロジックは、
前記MCB描画ユニットの1つを使用してピクセルの多重露光を実施するためのロジック、又は
前記MCB描画ユニットの組を使用してピクセルの多重露光を実施するためのロジック
のうちの少なくとも1つを更に含む、態様8に記載のシステム。

Claims (4)

  1. 一又は複数の並行アレイに配置された複数の多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを含む並行画像描画システムを提供すること、
    基板に描画されるマスクデータパターンを受け取ること、
    前記基板の異なる領域に対応する複数の区分されたマスクデータパターンを形成するため、前記マスクデータパターンを処理すること、
    対応するMCB描画ユニットによって描かれる前記基板の領域内の一又は複数のオブジェクトを特定すること、及び
    前記複数の区分されたマスクデータパターンを並行に描画するため、前記複数のMCB描画ユニットを制御することによって、前記基板の前記領域内で前記一又は複数のオブジェクトを描く多重露光を実施すること
    を含むリソグラフィ製造プロセスで画像データを処理するための方法であって、
    前記一又は複数のオブジェクトを描画するための多重露光を実施することは、
    第1の電子エネルギーレベルを有する第1露光量を使用してピクセル位置の第1の組を選択的に露光すること、及び
    第2の電子エネルギーレベルを有する第2露光量を使用してピクセル位置の第2の組を選択的に露光すること
    を更に含み
    前記ピクセル位置の第1の組は第1スキャン方向に露光され、前記ピクセル位置の第2の組は第2スキャン方向に露光され、前記第1スキャン方向は前記第2スキャン方向と相違し、
    前記第1の電子エネルギーレベルが前記第2の電子エネルギーレベルと相違する、
    方法。
  2. 前記一又は複数のオブジェクトを描画するため多重露光を実施することは、
    前記MCB描画ユニットの1つを使用してピクセルの多重露光を実施すること、又は
    前記MCB描画ユニットの組を使用してピクセルの多重露光を実施すること
    のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 一又は複数の並行アレイに配置された複数の多重荷電粒子ビーム(MCB)描画ユニットを含む並行画像描画システムと、
    前記複数のMCB描画ユニットを制御するように構成されたコントローラであって、
    基板に描画されるマスクデータパターンを受け取るためのロジック、
    前記基板の異なる領域に対応する複数の区分されたマスクデータパターンを形成するため、前記マスクデータパターンを処理するためのロジック、
    対応するMCB描画ユニットによって描かれる前記基板の領域内の一又は複数のオブジェクトを特定するためのロジック、及び
    前記複数の区分されたマスクデータパターンを並行に描画するため、前記複数のMCB描画ユニットを制御することによって、前記基板の前記領域内で前記一又は複数のオブジェクトを描く多重露光を実施するためのロジックを含む前記コントローラと
    を含むリソグラフィ製造プロセスで画像データを処理するためのシステムであって、
    前記一又は複数のオブジェクトを描画するための多重露光を実施するためのロジックは、
    第1の電子エネルギーレベルを有する第1露光量を使用してピクセル位置の第1の組を選択的に露光するためのロジック、及び
    第2の電子エネルギーレベルを有する第2露光量を使用してピクセル位置の第2の組を選択的に露光するためのロジック
    を更に含み、
    前記ピクセル位置の第1の組は第1スキャン方向に露光され、前記ピクセル位置の第2の組は第2スキャン方向に露光され、前記第1スキャン方向は前記第2スキャン方向と相違し、
    前記第1の電子エネルギーレベルが前記第2の電子エネルギーレベルと相違する、システム
  4. 前記一又は複数のオブジェクトを描画するため多重露光を実施するためのロジックは、
    前記MCB描画ユニットの1つを使用してピクセルの多重露光を実施するためのロジック、又は
    前記MCB描画ユニットの組を使用してピクセルの多重露光を実施するためのロジック
    のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項に記載のシステム。
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