JP6526358B1 - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

矩形以外の外郭形状を有し、湾曲される表示パネルの割れ耐久性を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。異形湾曲ディスプレイ装置100は、アレイ基板1を含む液晶パネル12と、アレイ基板1に配設された液晶駆動用IC5とを備える。液晶パネル12は、外郭形状の両端部10cの間に第1方向と直交する第2方向に谷10bが延在するように湾曲され、平面視にて液晶駆動用IC5の端部のうち第1方向で対向する2つの端部である両端部51のいずれも、角部10aから第2方向に延在させた直線上から外れた位置に位置する。

Description

本発明は、矩形以外の外郭形状を有する表示パネルを備える表示装置に関する。
近年、液晶及びエレクトロルミネセンス等の原理を利用した、薄型で平面形状の表示パネルを有する新しい表示装置が多く使用されるようになっている。これらの新しい表示装置の代表である液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)は、薄型及び軽量の特徴を有することから、例えば、乗り物用表示機器として、運転者向けに自動車の速度計、及び、ナビゲーションシステムの表示装置として多く用いられている。また、液晶表示装置は、自動車及び航空機等の乗り物の中で、搭乗者向けにDVD(Digital Versatile Disc)やブルーレイディスク等の映像媒体に記録された娯楽映像を表示する用途にも用いられている。
一般に、液晶表示装置は、画素電極を有するアレイ基板と、共通電極を有するカラーフィルタ基板とを互いに貼り合せた一対の基板間に液晶を狭持させた液晶パネルと、バックライトユニットと、液晶パネルに各種の電気信号を供給する回路及び電源並びにこれらを収容する筐体とを含む。
液晶表示装置には、複数の画素が配列され、画像及び映像を表示する領域であるアクティブエリアと、その外側の額縁領域である非アクティブエリアとが設けられている。アクティブエリアには、スイッチング素子となる薄膜トランジスタ及び画素電極などが設けられている。液晶表示装置は、薄膜トランジスタによって任意に制御した電圧を画素電極と共通電極との間に印加し、液晶の分子配向方向を変化させ、バックライトの光が液晶パネルを通過する際の透過率を制御することによって、画像や映像などの表示を行う。非アクティブエリアの額縁領域には、例えば、液晶を基板間に封止するシール材と、薄膜トランジスタなどに接続される引き回し配線と、駆動用のIC(Integrated Circuit)と、外部駆動回路に接続する端子とが配設される。
最近の液晶表示装置においては、視認性改善及び堅牢性付与などを目的として、粘着シートまたは粘着樹脂により、加飾印刷が施された保護ガラスに液晶パネルが貼り合わされる。液晶表示装置のうち湾曲LCDでは、加飾印刷付き保護ガラスの湾曲面に、薄い平板の液晶パネルが、曲げられた状態で粘着シートまたは粘着樹脂によって貼り付けられる構造が用いられている。また、自動車用途においては、限られた空間の中でデザイン性及び意匠性の向上のため、液晶パネルの外郭形状を矩形ではなく、台形及び円弧などを含む異形形状にする要求も高くなっている。このため、異形形状を有する液晶パネルである異形液晶パネルを薄くして、湾曲した加飾印刷付き保護ガラスに貼り付ける構造をとる異形湾曲LCDも積極的に開発されている。
ここで、貼り合わされた二枚のマザーガラス基板から所定の大きさの個片サイズへ切り出すことにより、液晶パネルは製造される。切り出しは、貼り合わされたマザー基板の表側及び裏側から二枚のマザーガラス基板面に、スクライブホイールによって切断の起点となる切断傷を形成した後に、切断傷に応力を加えてガラス基板を分断することにより行われる。また、マザーガラス基板からの切り出す方法として、レーザースクライブ法も検討されている。レーザースクライブ法は、いわゆる炭酸レーザー等のレーザースクライバを用いてスクライブ溝をガラス基板に形成した後、スクライブ溝に応力を加えてガラス基板を分断する方法である。レーザースクライブ法では、例えば、炭酸レーザーのように分断すべきガラス基板に対して吸収率が高いレーザーを使用し、分断箇所を熱膨張させた後、例えば水冷して収縮させることにより局部的に歪みを発生させることによって、基板表面に上記スクライブ溝を形成する。
何れの切断方法においても、基板の切断面には微小な傷及びクラックなどのダメージが入ることがあり、この様な基板端面に残存する傷及びクラックなどは、その後に加わった応力によって成長し、耐久性を低下させる要因となっている。
このため、湾曲LCDにおいて、基板端面の強度を向上させることが望まれており、一般的な湾曲LCDについては、基板端面の強度を向上する方法が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、レーザー光の照射領域にレーザー光に対する吸収係数がガラス基板よりも高い膜が存在しないように各ガラス基板上の膜をパターン形成し、綺麗な破断面を得ることで、湾曲した時の耐久性を確保する対策が示されている。また例えば、特許文献2には、湾曲により変形を生じている基板端面において、切断ダメージを溶融または削り除去して強化面を形成することで、耐久性を向上させる対策が示されている。また例えば、特許文献3には、湾曲させる方向と平行に液晶駆動用ICの短辺が配設されており、液晶駆動用ICに生じる曲げ応力に起因した負荷により、液晶駆動用ICが絶縁性基板から離間しないようにする対策が示されている。
特開2009−244597号公報 特開2010−066462号公報 国際公開第2008/013013号
特許文献1〜3の技術は、一般的な湾曲LCDに関するものであり、円弧などを含む異形形状にスクライブ及びレーザーによって基板を切断して作製される非矩形の異形湾曲LCDに関するものではない。本願発明者は、異形湾曲LCDでは、円弧などの箇所において直線箇所に比較して切断品質が低下することを見出した。また本願発明者は、異形化、及び、液晶駆動用ICの配設によって、応力が集中する部分が生じることを見出した。そして、本願発明者は、非矩形の異形湾曲LCDにおいては、液晶駆動用ICの端部で生じた大きな応力が非矩形箇所に影響し、異形湾曲LCDの耐久性を著しく低下させることを見出した。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、矩形以外の外郭形状を有し、湾曲される表示パネルの割れ耐久性を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る表示装置は、基板を含む表示パネルと、平面視において前記基板の第1方向に配設された駆動用IC及びフレキシブルプリント基板の少なくともいずれかである複数の電子部品とを備え、平面視にて前記表示パネルは、前記表示パネルの前記第1方向で対向する端部である両端部の間に位置する曲線または二つの直線からなる角部を含む、矩形以外の形状である外郭形状を有し、前記表示パネルは、前記外郭形状の前記両端部の間に前記第1方向と直交する第2方向に谷が延在するように湾曲され、平面視にて前記複数の電子部品の少なくとも1つの電子部品の端部のうち前記第1方向で対向する2つの端部である両端部のいずれも、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上から外れた位置に位置し、平面視にて前記少なくとも1つの電子部品の前記両端部は、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上に位置する部分を含む。前記角部は、円弧部分と、当該円弧部分の一端と繋がれる第1の辺部分と、他端と繋がれる第2の辺部分とを含み、前記第1の辺部分上の第1位置から前記第2の辺部分上の第2位置までの領域を平面視にて前記第2方向に延在させた直線上に位置する領域内に、前記少なくとも1つの電子部品の前記両端部以外の部分が配置される。

本発明によれば、平面視にて電子部品の端部のうち第1方向で対向する2つの端部である両端部のいずれも、角部から第2方向に延在させた直線上から外れた位置に位置するように構成されている。これにより、矩形以外の外郭形状を有し、湾曲される表示パネルの割れ耐久性を高めることができる。
本発明の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルに関連する液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置の外観を示す平面図である。 実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置の製造方法を説明するための平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの外観を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの切断面監察結果を示す図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの切断面監察結果を示す図である。 実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置の応力集中を説明するための断面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの加速試験結果を示す図である。 実施の形態1の変形例に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態1の変形例に係る液晶パネルの加速試験結果を示す図である。 実施の形態2に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態2に係る液晶パネルの加速試験結果を示す図である。 実施の形態3に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態3に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態3に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態3に係る液晶パネルの外観を示す平面図である。 実施の形態3に係る液晶パネルの加速試験結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る表示装置の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してあり、それらの名称も同じである。また、それらの機能は互いに実質的に同一の機能を含む。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配設などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。さらに、以下に示す各実施の形態では、表示パネルに液晶パネルが用いられる液晶表示装置の例を示しているがこれに限ったものではなく、例えば、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの表示パネルなどを用いることもできる。
<実施の形態1>
<液晶パネルの構成>
図1は、本実施の形態1に係る表示装置である異形湾曲ディスプレイ装置が含む液晶パネル10の外観を示す平面図である。図2は、図1に示すA−A’における液晶パネル10の断面図であり、図3は、図1に示すB−B’における液晶パネル10の断面図である。
表示パネルである液晶パネル10は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)をスイッチング素子に用いて動作される液晶パネルである。ただし、液晶パネル10は、TFTに限定されず、他のスイッチング素子を用いて動作されるものであってもよい。
図1に示す液晶パネル10は、一例として六角形の外郭形状を有する例を示しているが、特にこの形状に限らない。例えば、図4及び図5に示すように、液晶パネル10の外郭形状は、八角形の形状、外形に円弧が含まれている形状、及び、窪みが含まれている形状などを含んでもよい。つまり、平面視にて液晶パネル10は、矩形以外の形状である外郭形状を有していればよい。そして、当該外郭形状は、図1のように、液晶パネル10の長手方向(第1方向)で対向する端部である両端部10cの間に位置する角部であって、0度より大きく360度より小さい角部10aを含んでいればよい。後述するように、拡大視において角部10aは、曲線または二つの直線からなる部分である。なお、以下の説明では、以上のような外郭形状を「異形形状」と呼ぶこともある。参考のため、図6に、本実施の形態1に係る液晶パネル10に関連する液晶パネルであって、矩形の外郭形状を有する液晶パネル70の外観を示す。
液晶パネル10は、スイッチング素子が配設されている基板であるアレイ基板1と、アレイ基板1に対向して配設されるカラーフィルタ基板2とを備える。アレイ基板1とカラーフィルタ基板2とは、シール材3によって貼り合わされる。
シール材3は、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2との間に挟まれている。したがって、シール材3は、カラーフィルタ基板2を透視される。ただし、図2及び図3では、図の簡略化のためシール材3の図示は省略している。
シール材3は、例えば樹脂から成る。図1に示すようにシール材3は、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2とを含んで構成される液晶パネル10の表示面(表示領域)に対応する領域を囲うようなパターンを有している。シール材3によって囲まれ、かつ、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2との間に形成される隙間には、不図示の液晶が挟持される。
図示は省略するが、アレイ基板1は、一方の面に、(1)表示面に対応する領域に液晶を配向させる配向膜、(2)配向膜の下部に設けられ液晶を駆動する電圧を印加する画素電極、(3)画素電極との間に電界を生じさせて液晶を駆動する共通電極、(4)画素電極に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子、(5)スイッチング素子を覆う絶縁膜、(7)スイッチング素子に信号を供給する配線であるゲート配線及びソース配線などを有している。
アレイ基板1は、他方の面に偏光板41を有している。すなわち、偏光板41は、アレイ基板1の液晶に接しない側の表面に、不図示の粘着材を介して貼り付けられている。アレイ基板1は、透明基板、例えばガラス基板によって構成される。
また、アレイ基板1の表示面に対応する領域の外の領域には、図1及び図3に示すように、スイッチング素子に供給される信号を外部から受け入れる不図示の端子と、駆動信号を送信する駆動用IC(Integrated Circuit)である液晶駆動用IC5とが設けられている。本実施の形態1では、複数の液晶駆動用IC5が、液晶パネル10の長手方向に沿ってアレイ基板1の表示面と重ならない領域上に配設されている。図示は省略するが、液晶パネル10の当該端子は、制御基板とフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)を介して、電気的に接続されている。
カラーフィルタ基板2は、アレイ基板1に対向して配設される。カラーフィルタ基板2は、透明基板、例えばガラス基板によって構成される。図示は省略するが、カラーフィルタ基板2は、アレイ基板1と対向する側の表面に、(1)液晶を配向させる配向膜、(2)配向膜の下部に設けられるカラーフィルタ及び遮光層などを有している。
また、カラーフィルタ基板2は、他方の面に偏光板42を有している。すなわち、偏光板42は、カラーフィルタ基板2の液晶に接しない側の表面に、不図示の粘着材を介して貼り付けられている。
アレイ基板1とカラーフィルタ基板2とは、両基板間の距離を一定の距離に保持する不図示のギャップ材を介して貼り合わされている。ギャップ材としては、基板上に散布された粒状のギャップ材を用いてもよいし、いずれか一方の基板上に樹脂をパターニングして形成された柱状のギャップ材を用いてもよい。
図1〜図3では図示が省略されているが、異形湾曲ディスプレイ装置は、液晶パネル10の表示面側とは反対側に、アレイ基板1に対向して、バックライトユニットを光源として備えている。バックライトユニットを構成する部品は、液晶パネル10などのパネルユニットの面内方向及び断面方向にずれないように、周辺部分で固定されている。
なお本実施の形態1に係る液晶パネル10は、面内スイッチング(IPS:In-Plane Switching)モードの液晶パネルであるものとする。面内スイッチングモードの液晶パネルでは、アレイ基板1に共通電極及び画素電極が設けられ、両電極間に電界をかけることによって、液晶に対して横方向に電界をかける横電界方式が用いられる。
ただし、液晶パネル10の動作モードは、これに限定されず、他の動作モードであってもよい。例えば、液晶パネル10の動作モードは、VA(Vertically Aligned)モード、ツイステッドネマティック(TN:Twisted Nematic)モード、または強誘電性液晶モードなどであってもよい。
また、本実施の形態1では、液晶パネル10は、透過型の液晶パネルであるが、これに限定されず、反射型の液晶パネル、または両者を併せ持つ半透過型の液晶パネルであってもよい。
図7は、液晶パネル10及び保護板6を備える異形湾曲ディスプレイ装置100を示す平面図である。図8は、図7に示すC−C’における異形湾曲ディスプレイ装置100の断面図であり、図9は、図7に示すD−D’における異形湾曲ディスプレイ装置100の断面図である。
図7〜図9に示すように、液晶パネル10が、湾曲面を有する保護板6と粘着シート7を介して貼り付けられることによって、異形湾曲ディスプレイ装置100が構成されている。液晶パネル10は、保護板6の湾曲面に貼り付けられることによって、外郭形状の両端部10cの間で、かつ液晶パネル10の保護板6側の面において、液晶パネル10の長手方向(第1方向)と直交する短手方向(第2方向)に谷10bが延在するように湾曲される。なお、図7などの平面視には、谷10bの中心部分が一点鎖線で示されている。谷10bの中心部分の曲率は、例えば液晶パネル10における他の部分の曲率よりも大きくてもよく、そうでなくてもよい。
液晶駆動用IC5は、液晶パネル10の湾曲されている部分に設けられている。ここで、詳細については後述するが、液晶駆動用IC5の端部のうち液晶パネル10の長手方向で対向する2つの端部である両端部のいずれも、角部10aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上(角部10aから谷10bが延在する方向である延在方向と平行な方向)から外れた位置に位置するように構成されている。
<異形湾曲ディスプレイ装置の製造方法>
まず、液晶パネル10の製造方法について説明する。アレイ基板1は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いて、スイッチング素子、画素電極、端子、及びトランスファ電極を形成することによって製造される。また、カラーフィルタ基板2は、アレイ基板1と同様に、ガラス基板の一方の面に、カラーフィルタ及び共通電極を形成することによって製造される。
次に、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2とを貼り合せるまでの工程について説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極が形成されているアレイ基板1を洗浄する。
次に、配向膜材料塗布工程において、アレイ基板1の一方の面に、例えば印刷法によって配向膜の材料となるポリイミドから成る有機膜を塗布し、ホットプレートなどによって焼成処理して乾燥させる。
その後、配向膜材料が塗布されたアレイ基板1に対して、配向処理を行って配向膜を形成する。また、カラーフィルタ基板2についても、洗浄、有機膜の塗布及び乾燥、並びに配向処理及び配向膜の形成を行う。
続いて、シール材3を形成するシール材塗布工程において、アレイ基板1またはカラーフィルタ基板2の一方の面に、シール材3となる樹脂の塗布処理を行う。シール材3には、例えばエポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いる。
続いて液晶封入工程において、アレイ基板1またはカラーフィルタ基板2のシール材3を形成した同一の面に、シール材3で囲まれた領域内に所定量の液滴状の液晶材料を滴下する。
以上のように形成されたアレイ基板1とカラーフィルタ基板2とを、互いに対向するよう配設し、各々の基板に形成されたパネルの画素がそれぞれ対応するように位置合わせがされ、真空中で貼り合わされる。
以上のように貼り合わされたアレイ基板1及びカラーフィルタ基板2に対して、シール材3の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシール材3の材質に合わせて熱を加えること、紫外線を照射すること、または熱と紫外線照射との組み合わせなどの方法によって行われる。
なお、以上の工程は液晶パネル10ごとに行われるのではなく、複数の液晶パネル10のアレイ基板1を含むマザーガラス基板と、複数の液晶パネル10のカラーフィルタ基板2を含むマザーガラス基板とを貼り合わせた、図10の貼り合わせ基板200ごとに行われる。図10の貼り合わせ基板200は、異形形状の液晶パネル10が複数規定された、矩形形状の大きなサイズのマザーガラス基板サイズで形成される。
次に、貼り合わせ基板200の薄板化工程において、貼り合わせ基板200を薄板化する。貼り合わせ基板200は、薬液によるエッチングや研磨により薄板化される。本実施の形態1では、アレイ基板1及びカラーフィルタ基板2ともに200μmまで薄型化した。薄型化する方法に特に限定はなく、エッチングで薄板化する方法や、研磨により薄型化する方法、研磨とエッチングとの組み合わせにより薄板化する方法などを用いることができる。また、アレイ基板1、カラーフィルタ基板2の厚みについても特に規定はなく、湾曲させる曲率やその他の設計要因によって決定される。
貼り合わせ基板200は、薄板化される前に貼り合わせ基板200周辺を、不図示の紫外線硬化樹脂材料によって用いて封止する。周辺を紫外線硬化樹脂材料によって封止せずに貼り合わせ基板200にエッチングや研磨を行うと、貼り合わせ基板200周辺からエッチング液や研磨液が浸入するためである。エッチング液や研磨液の浸入を防止するための封止材は、紫外線硬化樹脂材料に限ったものではなく、例えば熱硬化性の樹脂などを用いることもできる。
次に、セル分断工程において、貼り合わせ基板200をそれぞれが異形形状を有する複数の液晶パネル10に分断する。分断の一例として、まず、貼り合わせ基板200の表側及び裏側から、つまり二枚のマザーガラス基板それぞれの表面から、ガラスの厚み方向に切断の起点となる切断傷(垂直クラック)をスクライブホイールによって形成する。その後、切断傷に応力を印加することによりガラス基板を分断する。
続いて、偏光板貼り付け工程において、アレイ基板1及びカラーフィルタ基板2の外側に偏光板をローラー装置によって貼り付ける。偏光板を貼り付ける方法は特に限定しない。さらに、実装工程において液晶駆動用IC5及び制御基板などと、それらに接続されるアレイ基板1の配線とを接続することによって、液晶パネル10が完成する。液晶駆動用IC5及び制御基板などと配線との接続は、例えば、異方性導電膜などを用いて行われる。
以上のように作製された液晶パネル10と、例えば液晶パネル10に対して視認される側に配設される保護板6との間に、接着剤、粘着剤、または粘着シートなどのボンディング材を設け、液晶パネル10と保護板6とを貼り合わせる。本実施の形態1では、液晶パネル10のカラーフィルタ基板2に貼り付けられた偏光板42と保護板6とが、その間に設けられた粘着シート7によって貼り合わせられる。
ボンディング材としては、粘着シートが広く用いられているが、その材料や製造プロセスを特に限定するものではない。また、ボンディング材は、保護板や界面反射を防ぐために、空気層よりも屈折率の高い材料が使用される。一般的には、厚さ25μmから500μmの厚みの粘着シートなどがボンディング材として使用されるが、特に限定するものではなく、表示ムラ及び気泡の発生や剥がれ耐性を考慮し、かつ、異形湾曲ディスプレイ装置の金属フレームなどの構成部材の設計要因を考慮して適宜決定される。
保護板6は、可視光の光透過率が80%以上の透明な板であり、かつ、単一材料であることが好ましい。保護板6は、イオン交換法または風冷強化法等により作製されることで強度が向上したガラス板、合わせガラス、または樹脂板等であってもよい。樹脂板には、例えばポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが適している。
保護板6のこれら材料は一例であり、保護板6を限定するものではない。また、保護板6の作製方法に制限はなく、例えば、切削、研磨、射出成型、押出成形、または圧縮成形などの作製方法が用いられる。本実施の形態1では、熱により曲率半径500mmで一様に湾曲させ、その後、風冷強化法により強度を向上させた、厚み1.5mmのガラス板を保護板6として用いた。保護板6の厚みについては、強度やその他設計要因によって決定されるものであり、特に限定されるものではない。
保護板6の液晶パネル10に対向する面には、黒色の加飾印刷8が施されており、加飾印刷8には、液晶パネル10のアクティブエリアに対応した開口部が設けられている。加飾印刷8は、可視領域の波長の光をほとんど遮蔽する材質で構成される。加飾印刷8は、意匠性、遮光性などの点で所望の性能を満足していればよく、色や形成方法、材料などは特に限定されない。また、保護板6の画像を視認する側の面には、視認性を向上するためのアンチグレア処理、アンチリフレクション処理、及び、キズ防止のためにハードコート処理等が、必要に応じて施される。
本実施の形態1では、上述したように、液晶パネル10と保護板6とを貼り合わせるボンディング材として、粘着シート7を用いた。具体的には、ローラー装置を用いて保護板6の加飾印刷8が形成された面に粘着シート7を貼り付け、次に保護板6と液晶パネル10とをローラー装置で加圧しながら貼り付けた。貼り付けは、液晶パネル10をローラー装置で加圧しながら、保護板6の加飾印刷8の開口部の位置と、液晶パネル10のアクティブエリアの位置とが調整されている。なお異形湾曲ディスプレイ装置の製造方法はこれに限ったものではない。例えば、粘着シート7を液晶パネル10に貼り付けた後、保護板6の加飾印刷8が形成された面に粘着シート7を介して液晶パネル10を貼り付けてもよいし、貼り付け後に加圧脱泡処理などを行ってもよい。
その後、以上によって完成したパネルモジュール部分に、バックライトユニットなどと筐体とを両面テープや接着剤などを用いて組み付け、湾曲した表示面を有する異形湾曲ディスプレイ装置100が完成する。
<異形形状切断による切断品質及び強度低下>
異形湾曲ディスプレイ装置では、円弧部分などを含む図1の角部10aの切断品質が、直線の切断品質よりも低下することが課題である。
図11は、角部10aを有する液晶パネル10の外観を模式的に示す平面図である。なお図11には、角部10aの拡大図、及び、角部10a以外の直線部分90の拡大図が付されている。図11の角部10aは、円弧部分10a1を含んでいる。具体的には図11の角部10aは、半径Rが例えば4〜5mmである円弧部分10a1と、円弧部分10a1によって繋がれる二つの辺部分である直線部分10a2,10a3とを含んでいる。
図12及び図13は、貼り合わせ基板200から切断された液晶パネル10の、アレイ基板1及びカラーフィルタ基板2の切断面(破断面)を観察した結果である。具体的には、図12は、図11の角部10aの監察結果であり、図13は、図11の直線部分90の監察結果である。
図13に示すように直線部分90ではクラックは見られない。一方、図12に示すように角部10aにはスクライブ及び分断時のダメージとして多数のクラック20が見られ、切断品質の低下が見られた。これは、角部10aでは、切断傷が一定方向に形成できず、基板の切断面に生じる傷やクラックなどのダメージが入り易いためである。
クラックが存在すると、例えば参考文献(大杉他、「CRT用ガラスの強度特性の統計的性質」、Journal of the Society of Materials Science, Japan、Vol.47、No.10、Oct 1988、p.1071-1076)などで知られるように、水分の影響によって応力腐食現象と呼ばれるクラックの進行が見られる。特に、異形湾曲ディスプレイ装置では、湾曲に伴う応力も加わるためクラック20は進行しやすい。図12の角部10aの破断面に見られるクラック20においても同様に応力腐食現象が発生するため、湾曲時の液晶パネル10の強度は破断面のダメージによって決定されるとも言える。以上のように、異形湾曲ディスプレイ装置では、直線部分90と角部10aでは切断品質に差が見られ、湾曲時の液晶パネル10の角部10aの強度が比較的低いことが課題である。
<液晶駆動用ICの応力集中>
図14は、異形湾曲ディスプレイ装置100を図7の矢印Eの方向から見た断面図である。なお図14には、液晶駆動用IC5の周辺部分の拡大図が付されている。
上述したように液晶駆動用IC5は、アレイ基板1に異方性導電膜を用いて接続されている。液晶駆動用IC5が設けられた部分は、液晶駆動用IC5が設けられていない部分よりもアレイ基板1の厚みが厚くなるため、液晶駆動用IC5が設けられた部分の湾曲時における剛性は比較的高くなる。一方、液晶駆動用IC5が設けられた部分と液晶駆動用IC5が設けられていない部分とが連続する部分、つまり液晶駆動用IC5の端部のうち液晶パネル10の長手方向で対向する2つの端部である両端部51では、液晶パネル10が湾曲された時の応力が一定ではなく、液晶駆動用IC5の両端部51で応力が集中する。
液晶駆動用IC5の両端部51と両端部51を除く液晶駆動用IC5とについて、それぞれのひずみを実測したところ、液晶駆動用IC5の両端部51のひずみと両端部51を除く液晶駆動用IC5のひずみとの比率、すなわち、応力集中係数は、約1.1から2.0の範囲であった。以上のように、液晶駆動用IC5の両端部51には、両端部51を除く液晶駆動用IC5に比べて、10〜100%程度高い応力が生じていることが課題である。
<異形湾曲ディスプレイ装置の課題>
本願発明者は、以上のように異形湾曲ディスプレイ装置では、角部10aの切断品質は、直線部分90の切断品質よりも低いという課題があることを見出した。また、液晶駆動用IC5の両端部51で応力が集中及び増大するという課題があることを見出した。そして、これらのことから以下の課題を見出した。
液晶パネル10の角部10a以外の両端部10cの間に液晶パネル10の長手方向と直交する短手方向に谷10bが延在するように、異形化された平面状の液晶パネル10を湾曲させる場合、曲げ剛性が液晶パネル10の外郭形状に影響を受けて一様の曲率半径で湾曲できない。このため、一様な曲面化で生じる応力が異形形状に沿って分布する。すなわち、非矩形の異形湾曲ディスプレイ装置においては、一様な曲面化で生じる応力が非矩形形状に沿って分布する。このため、応力が集中及び増大する液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが、切断品質が低い角部10aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上に位置すると、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかで生じた大きな応力が角部10aにも影響し、耐久性を著しく低下させることが分かった。
<液晶駆動用ICの端部と液晶パネルの角部との位置関係>
図15は、本実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置100が含む液晶パネル10の外観を示す平面図である。液晶パネル10の角部10aは、円弧部分10a1と、直線部分10a2,10a3とを含んでいる。直線部分10a2と円弧部分10a1と直線部分10a3とは、スクライブによって連続して得られる。
曲率半径Rが4〜5mmである円弧部分10a1には、図12のようなクラック20が見られた。この場合、円弧部分10a1が、切断品質が低い領域(箇所)となる。
なお、本実施の形態1では、円弧部分10a1でクラックが見られる例を示したが、円弧部分10a1のスクライブ条件を最適化することで、倍率200倍程度の顕微鏡観察ではクラックが観察されないマイクロクラックが生じていることもある。また、スクライブ条件によっては、円弧部分10a1とその周辺の直線部分10a2,10a3にもクラックまたはマイクロクラックが生じていることもある。
さて上述したように、本実施の形態1に係る液晶パネル10には、液晶駆動用IC5がアレイ基板1に異方性導電膜を用いて接続されており、液晶駆動用IC5の両端部51には、両端部51を除く液晶駆動用IC5に比べて、10〜100%程度高い応力が生じている。
ここで、図6に示す矩形形状の液晶パネル70では、一様な曲面化で生じる応力が矩形形状に沿って分布する。一方で、液晶駆動用IC5は、アレイ基板1の配線の配置上の制約があるため、液晶パネル70の両端部に接するように配置されない。このため、応力が集中及び増大する液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが、切断品質が低い角部70aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上に位置することはない。よって、図6に示す矩形形状の液晶パネル70では、耐久性に関する課題が生じることはない。しかしながら、非矩形の異形湾曲ディスプレイ装置では耐久性に関する課題が生じる。
そこで本実施の形態1で示す液晶パネル10では平面視にて、応力が集中及び増大する液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、切断品質が低い角部10aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上から外れた位置に位置するように構成されている。つまり、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、図15の領域40内に設けられないように構成されている。
なお、領域40は、角部10aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上に位置する領域である。図15の領域40は、切断品質が低い円弧部分10a1から液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上に位置する領域としているが、これに限ったものではない。例えば、領域40は、円弧部分10a1と直線部分10a2,10a3の少なくともいずれか一方とから、液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上に位置する領域であってもよい。なお、領域40の寸法については、切断品質が低い角部10aの寸法や、形状、スクライブ条件などに基づいて変化させることが好ましい。特に、円弧部分10a1の前後にクラックが見られる場合もあることから、領域40の寸法については特に限定されるものではなく、適宜、最適な寸法が設定されることが好ましい。
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態1に係る液晶パネル10の耐久性を評価するため、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも領域40外に位置するように配設した本実施の形態1に係る液晶パネル10を1−1サンプルとして作製した。また、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが領域40内に位置するように配設した、液晶パネル10と同じ外郭形状を有する液晶パネルを1−2サンプルとして作製した。ここでは、曲率半径が500mmである曲面を有する保護板6に175μmの厚みの粘着シート7により貼り付けた1−1サンプル及び1−2サンプルをそれぞれ10台ずつ作製した。そして、水分による応力腐食現象の加速条件として、温度85度、湿度85%の高温高湿環境下で500時間保存した後の割れの発生数を評価した。
図16は加速試験結果を示す図である。1−2サンプルでは、加速試験投入前にも割れるサンプルが存在し、加速試験によって割れるサンプルの増加が確認された。割れたサンプルを確認すると、いずれも角部10aを起点に割れが発生していた。このように、平面視にて液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが、切断品質が低い角部10aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上に位置する1−2サンプルでは、耐久性が低下する結果となった。
一方で、1−1サンプルでは、加速試験投入前も後も割れ不良が確認されなかった。このように、平面視にて液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、角部10aから液晶パネル10の短手方向に延在させた直線上から外れた位置に位置する1−1サンプルでは、耐久性は低下しなかった。つまり本実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置100では、切断品質が低い角部10aにおける応力の集中を抑制することができ、割れに対する耐久性、つまり割れ耐性を高めることができた。
<実施の形態1の変形例>
図17は、実施の形態1の変形例に係る異形湾曲ディスプレイ装置100が含む液晶パネル11の外観を示す平面図である。液晶パネル11には、液晶パネル10(図15)の角部10a、谷10b及び両端部10cと同様の角部11a、谷11b及び両端部11cが設けられている。
ただし、液晶パネル11の角部11aは、円弧部分11a1と、当該円弧部分11a1によって繋がれる二つの辺部分である円弧状の二つの曲線部分11a2,11a3とを含んでいる。曲線部分11a2と円弧部分11a1と曲線部分11a3とは、スクライブによって連続して得られる。円弧部分11a1の曲率半径Rは5mmであり、曲線部分11a2,11a3の曲率半径は800mmである。このように、円弧部分11a1の曲率は、曲線部分11a2,11a3の曲率と異なっている。
さて、円弧部分11a1に、図12のようなクラック20が見られた。また、円弧部分11a1と曲線部分11a2との境界から曲線部分11a2側に500μmに進んだ第1位置までの部分にも、円弧部分11a1と曲線部分11a3との境界から曲線部分11a3側に500μmに進んだ第2位置までの部分にも、図12のようなクラック20が見られた。なお、円弧部分11a1と曲線部分11a2との境界と、円弧部分11a1と曲線部分11a3との境界と間の長さは約5mmである。この場合、第1位置から第2位置までの部分が、切断品質が低い領域(箇所)となる。
さて本変形例に係る液晶パネル11には、実施の形態1に係る液晶パネル10と同様に、液晶駆動用IC5がアレイ基板1に異方性導電膜を用いて接続されており、液晶駆動用IC5の両端部51には、両端部51を除く液晶駆動用IC5に比べて、10〜100%程度高い応力が生じている。
そこで本変形例に係る液晶パネル11では実施の形態1と同様に、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、角部11aから液晶パネル11の短手方向に延在させた直線上から外れた位置に位置するように構成されている。つまり、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、図17の領域40内に設けられないように構成されている。なお、図17の領域40は、切断品質が低い第1位置から第2位置までの部分から液晶パネル11の短手方向に延在させた直線上に位置する領域としているが、実施の形態1で説明したようにこれに限ったものではない。
本変形例に係る液晶パネル11の耐久性を評価するため、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも領域40外に位置するように配設した本変形例に係る液晶パネル11を2−1サンプルとして作製した。また、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが領域40内に位置するように配設した、液晶パネル11と同じ外郭形状を有する液晶パネルを2−2サンプルとして作製した。具体的なサンプル及び評価方法は、実施の形態1と同様である。
図18は加速試験結果を示す図である。2−2サンプルでは、加速試験投入前にも割れるサンプルが存在し、加速試験によって割れるサンプルの増加が確認された。割れたサンプルを確認すると、いずれも角部11aを起点に割れが発生していた。一方で、2−1サンプルでは、加速試験投入前も後も割れ不良が確認されなかった。このように、本変形例に係る異形湾曲ディスプレイ装置100では、切断品質が低い角部11aにおける応力の集中を抑制することができ、割れに対する耐久性、つまり割れ耐性を高めることができた。
なお、以上の説明では角部は、円弧部分と、当該円弧部分によって繋がれる二つの直線部分または二つの曲線部分とを含んでいた。しかしこれに限ったものではなく、角部は、円弧部分と、当該円弧部分によって繋がれる一つの直線部分及び一つの曲線部分とを含んでもよい。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2では、実施の形態1と比べて角部の形状及び作製方法が異なる。本実施の形態2の角部の形状及び作製方法以外の部分は実施の形態1と同様であるため、本実施の形態2ではその部分の説明を省略する場合がある。
図19は、本発明の実施の形態2に係る異形湾曲ディスプレイ装置100が含む液晶パネル12の外観を示す平面図である。液晶パネル12には、液晶パネル10(図15)の角部10a、谷10b及び両端部10cと同様の角部12a、谷12b及び両端部12cが設けられている。
ただし、液晶パネル12の角部12aは、二つの辺の直線部分同士が接続した角12a1と、当該角12a1によって繋がれる二つの辺部分である二つの直線部分12a2,12a3とを含んでいる。直線部分12a2と角12a1と直線部分12a3とは、スクライブによって連続して得られる。
実際には、スクライブラインが重ならないように直線部分12a2をスクライブした後に直線部分12a3をスクライブするときに、角12a1となる交点部分の前後2mmずつスクライブしない領域を設ける、いわゆる交点飛ばしの部分を設ける。これは、スクライブした部分を上書きするようにスクライブした場合、スクライブが重なる交点部分で、欠けやスクライブ方向とは異なる方向への割れなどの問題が生じるためである。
しかしながら、交点飛ばしの部分を設けた場合においても、スクライブによる分断のための垂直クラックを正常に形成することができない。このため、例えば、図12に示した角部の切断面のようにクラック20が見られ、角部12aの切断品質は、図13に示す直線部分90の切断品質に比べて低下する。このことは、図6の液晶パネル70の角部70aにおいても同様である。
図19の構成では、角12a1に、図12のようなクラック20が見られた。また、角12a1から直線部分12a2側に2mmに進んだ第3位置までの部分にも、角12a1から直線部分12a3側に2mmに進んだ第4位置までの部分にも、図12のようなクラック20が見られた。この場合、第3位置から第4位置までの4mmの部分が、切断品質が低い領域(箇所)となる。
さて本実施の形態2に係る液晶パネル12には、実施の形態1に係る液晶パネル10と同様に、液晶駆動用IC5がアレイ基板1に異方性導電膜を用いて接続されており、液晶駆動用IC5の両端部51には、両端部51を除く液晶駆動用IC5に比べて、10〜100%程度高い応力が生じている。
そこで本実施の形態2に係る液晶パネル12では実施の形態1と同様に、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、角部12aから液晶パネル12の短手方向に延在させた直線上から外れた位置に位置するように構成されている。つまり、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、図19の領域40内に設けられないように構成されている。なお、図19の領域40は、切断品質が低い第3位置から第4位置までの部分から液晶パネル12の短手方向に延在させた直線上に位置する領域としているが、実施の形態1で説明したようにこれに限ったものではない。
<実施の形態2のまとめ>
本実施の形態2に係る液晶パネル12の耐久性を評価するため、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも領域40外に位置するように配設した本実施の形態2に係る液晶パネル12を3−1サンプルとして作製した。また、液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが領域40内に位置するように配設した、液晶パネル12と同じ外郭形状を有する液晶パネルを3−2サンプルとして作製した。ここでは、曲率半径が500mmである曲面を有する保護板6に175μmの厚みの粘着シート7により貼り付けた3−1サンプル及び3−2サンプルをそれぞれ10台ずつ作製した。そして、水分による応力腐食現象の加速条件として、温度85度、湿度85%の高温高湿環境下で500時間保存した後の割れの発生数を評価した。
図20は加速試験結果を示す図である。3−2サンプルでは、加速試験投入前にも割れるサンプルが存在し、加速試験によってさらに割れるサンプルが確認された。割れたサンプルを確認すると、いずれも角部12aを起点に割れが発生していた。このように、平面視にて液晶駆動用IC5の両端部51のいずれかが、切断品質が低い角部12aから液晶パネル12の短手方向に延在させた直線上に位置する3−2サンプルでは、耐久性が低下する結果となった。
一方で、3−1サンプルでは、加速試験投入前も後も割れ不良が確認されなかった。このように、平面視にて液晶駆動用IC5の両端部51のいずれも、角部12aから液晶パネル12の短手方向に延在させた直線上から外れた位置に位置する3−1サンプルでは、耐久性は低下しなかった。つまり本実施の形態2に係る異形湾曲ディスプレイ装置100では、切断品質が低い角部12aにおける応力の集中を抑制することができ、割れに対する耐久性、つまり割れ耐性を高めることができた。
<実施の形態3>
本発明の実施の形態3では、実施の形態1、実施の形態1の変形例、及び実施の形態2の液晶駆動用IC5がフレキシブルプリント基板14に置き換えられている点が異なる。つまり、実施の形態1などでは、アレイ基板1に配設された電子部品は液晶駆動用IC5であったが、本実施の形態3では、アレイ基板1に配設された電子部品はフレキシブルプリント基板14である。本実施の形態3の液晶駆動用IC5がフレキシブルプリント基板14となっている以外の部分は実施の形態1、実施の形態1の変形例、及び実施の形態2と同様であるため、本実施の形態3ではその部分の説明を省略する場合がある。
図21、図22及び図23は、本実施の形態3に係る異形湾曲ディスプレイ装置100が含む液晶パネル101、液晶パネル111、及び液晶パネル121の外観を示す平面図である。図21に示すように、液晶パネル101には、角部101a、谷101b及び両端部101cが設けられている。図22に示すように、液晶パネル111には、角部111a、谷111b及び両端部111cが設けられている。図23に示すように、液晶パネル121には、角部121a、谷121b及び両端部121cが設けられている。
ここで、図21、図22及び図23に示す液晶パネル101,111,121は、図15、図17及び図19の液晶駆動用IC5がフレキシブルプリント基板14となっている以外、図15、図17及び図19の液晶パネル10,11,12とそれぞれ同様である。例えば、液晶パネル101(図21)の角部101aが液晶パネル10(図15)の角部10aに、液晶パネル101(図21)の谷101bが液晶パネル10(図15)の谷10bに、液晶パネル101(図21)の両端部101cが液晶パネル10(図15)の両端部10cに対応する。液晶パネル101,111,121の角部101a,111a,121aは、図15、図17及び図19の液晶パネル10,11,12の角部10a,11a,12aと同じスクライブ条件で形成されているため、本実施の形態3ではその説明を省略する。
本実施の形態3に係る異形湾曲ディスプレイ装置の製造方法は、実施の形態1に係る異形湾曲ディスプレイ装置の製造方法の実装工程において、液晶駆動用IC5をフレキシブルプリント基板14に置き換えて説明できる。具体的には、本実施の形態3の実装工程においては、フレキシブルプリント基板14、制御基板、フレキシブルプリント基板14や制御基板に設けた液晶駆動用ICなどと、アレイ基板1の配線とが接続される。フレキシブルプリント基板14などと配線との接続は、例えば、異方性導電膜などを用いて行われる。なお、本実施の形態3では液晶駆動用ICをフレキシブルプリント基板14に置き換えた例を示しているが、アレイ基板1の配線と液晶駆動用ICとが接続され、さらに液晶駆動用ICとフレキシブルプリント基板14とがアレイ基板1の配線を介して接続されてもよい。つまり、アレイ基板1に複数の電子部品が配設され、複数の電子部品が、液晶駆動用IC5とフレキシブルプリント基板14との組み合わせであってもよい。
<フレキシブルプリント基板の応力集中>
図24は、液晶パネル101を用いた異形湾曲ディスプレイ装置100を、図7の矢印Eの方向と同様の方向から見た断面図である。なお図24には、フレキシブルプリント基板14の周辺部分の拡大図が付されている。また、液晶パネル111、液晶パネル121を用いた異形湾曲ディスプレイ装置100は、液晶パネル101を用いた場合と同様であるため、図示及び説明を省略する。
上述したようにフレキシブルプリント基板14は、アレイ基板1に異方性導電膜を用いて接続されている。フレキシブルプリント基板14が設けられた部分は、フレキシブルプリント基板14が設けられていない部分よりもアレイ基板1の厚みが厚くなるため、フレキシブルプリント基板14が設けられた部分の湾曲時における剛性は比較的高くなる。一方、フレキシブルプリント基板14が設けられた部分とフレキシブルプリント基板14が設けられていない部分とが連続する部分、つまりフレキシブルプリント基板14の端部のうち液晶パネル101,111,121の長手方向で対向する2つの端部である両端部141では、液晶パネル101が湾曲された時の応力が一定ではなく、フレキシブルプリント基板14の両端部141で応力が集中する。
フレキシブルプリント基板14の両端部141と両端部141を除くフレキシブルプリント基板14とについて、それぞれのひずみを実測したところ、フレキシブルプリント基板14の両端部141のひずみと両端部141を除くフレキシブルプリント基板14のひずみとの比率、すなわち、応力集中係数は、約1.1から1.7の範囲であった。以上のように、フレキシブルプリント基板14の両端部141には、両端部141を除くフレキシブルプリント基板14に比べて、10〜70%程度高い応力が生じていることが課題である。
そこで本実施の形態3で示す液晶パネル101、液晶パネル111、及び液晶パネル121では、フレキシブルプリント基板14の両端部141のいずれも、角部101a,111a,121aから液晶パネル101,111,121の短手方向に延在させた直線上(角部101a,111a,121aから谷101b,111b,121bの延在方向と平行な方向)から外れた位置に位置するように構成されている。つまり、フレキシブルプリント基板14の両端部141のいずれも、図21、図22及び図23に示す領域40内に設けられないように構成されている。なお、図21、図22及び図23の領域40は、切断品質が低い第3位置から第4位置までの部分から液晶パネル101,111,121の短手方向に延在させた直線上に位置する領域としているが、実施の形態1で説明したようにこれに限ったものではない。
<実施の形態3のまとめ>
本実施の形態3に係る液晶パネル101,111,121の耐久性を評価するため、フレキシブルプリント基板14の両端部141が領域40外に位置するように配設した液晶パネル101,111,121をそれぞれ1−3サンプル、2−3サンプル、3−3サンプルとして作製した。また、フレキシブルプリント基板14の両端部141のいずれかが領域40内に位置するように配設した液晶パネル101,111,121と同じ外郭形状を有する液晶パネルをそれぞれ1−4サンプル、2−4サンプル、3−4サンプルとして作製した。ここでは、曲率半径が500mmである曲面を有する保護板6に175μmの厚みの粘着シート7により貼り付けた1−3サンプル、1−4サンプル、2−3サンプル、2−4サンプル、3−3サンプル、3−4サンプルをそれぞれ10台ずつ作製した。そして、水分による応力腐食現象の加速条件として、温度85度、湿度85%の高温高湿環境下で500時間保存した後の割れの発生数を評価した。
図25は加速試験結果を示す図である。3−4サンプルでは、加速試験投入前にも割れるサンプルが存在し、加速試験によって割れるサンプルの増加が確認された。割れたサンプルを確認すると、いずれも角部101a,111a,121aを起点に割れが発生していた。このように、平面視にてフレキシブルプリント基板14の両端部141のいずれかが、切断品質が低い角部101a,111a,121aから液晶パネル101,111,121の短手方向に延在させた直線上に位置する1−4サンプル、2−4サンプル、3−4サンプルでは、耐久性が低下する結果となった。
一方で、1−3サンプル、2−3サンプル、3−3サンプルでは、加速試験投入前も後も割れ不良が確認されなかった。このように、平面視にてフレキシブルプリント基板14の両端部141のいずれも、角部101a,111a,121aから液晶パネル101,111,121の短手方向に延在させた直線上から外れた位置に位置する1−3サンプル、2−3サンプル、3−3サンプルでは、耐久性は低下しなかった。つまり本実施の形態3に係る異形湾曲ディスプレイ装置100では、切断品質が低い角部101a,111a,121aにおける応力の集中を抑制することができ、割れに対する耐久性、つまり割れ耐性を高めることができた。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 アレイ基板、5 液晶駆動用IC、51,141 両端部、10,11,12,101,111,121 液晶パネル、10a,11a,12a,101a,111a,121a 角部、10a1,11a1 円弧部分、10a2,10a3 直線部分、11a2,11a3 曲線部分、12a1 角、10b,11b,12b,101b,111b,121b 谷、10c,11c,12c,101c,111c,121c 両端部、100 異形湾曲ディスプレイ装置、14 フレキシブルプリント基板。

Claims (6)

  1. 基板を含む表示パネルと、
    平面視において前記基板の第1方向に配設された駆動用IC及びフレキシブルプリント基板の少なくともいずれかである複数の電子部品と
    を備え、
    平面視にて前記表示パネルは、前記表示パネルの前記第1方向で対向する端部である両端部の間に位置する曲線または二つの直線からなる角部を含む、矩形以外の形状である外郭形状を有し、
    前記表示パネルは、前記外郭形状の前記両端部の間に前記第1方向と直交する第2方向に谷が延在するように湾曲され、
    平面視にて前記複数の電子部品の少なくとも1つの電子部品の端部のうち前記第1方向で対向する2つの端部である両端部のいずれも、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上から外れた位置に位置し、
    平面視にて前記少なくとも1つの電子部品の前記両端部以外の部分は、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上に位置する部分を含み、
    前記角部は、円弧部分と、当該円弧部分の一端と繋がれる第1の辺部分と、他端と繋がれる第2の辺部分とを含み、
    前記第1の辺部分上の第1位置から前記第2の辺部分上の第2位置までの領域を平面視にて前記第2方向に延在させた直線上に位置する領域内に、前記少なくとも1つの電子部品の前記両端部以外の部分が配置される、表示装置。
  2. 請求項に記載の表示装置であって、
    前記二つの辺部分はいずれも直線部分である、表示装置。
  3. 請求項に記載の表示装置であって、
    前記二つの辺部分の一方は直線部分であり、前記二つの辺部分の他方は曲線部分である、または、前記二つの辺部分はいずれも曲線部分である、表示装置。
  4. 請求項に記載の表示装置であって、
    前記曲線部分の曲率は、前記円弧部分の曲率と異なる、表示装置。
  5. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記角部は、第1角部と第2角部とを含み、
    前記複数の電子部品は、第1電子部品と第2電子部品とを含み、
    平面視にて前記第1電子部品の端部のうち前記第1方向で対向する2つの端部である両端部のいずれも、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上から外れた位置に位置し、
    平面視にて前記第1電子部品の前記両端部以外の部分は、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上に位置する部分を含み、
    平面視にて前記第2電子部品の端部のうち前記第1方向で対向する2つの端部である両端部のいずれも、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上から外れた位置に位置し、
    平面視にて前記第2電子部品の前記両端部以外の部分は、前記角部から前記第2方向に延在させた直線上に位置する部分を含む、表示装置。
  6. 請求項に記載の表示装置であって、
    前記複数の電子部品は、前記第1電子部品と前記第2電子部品との間に設けられた第3電子部品を含む、表示装置。
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