JP6525789B2 - 水晶振動素子集合ウエハ - Google Patents

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Description

本発明は、水晶振動素子が集合して一体で構成された水晶振動素子集合ウエハに関する。
電子部品の一つである水晶振動子や水晶発振器の内部には水晶振動素子が搭載されている。水晶振動素子は、水晶素板とその水晶素板の表面に設けられた第一電極、第二電極及び導配線パターンにより構成されている。水晶素板は薄板であり、平面視の外形形状が例えば円形状、四角形状又は音叉形状をしている。第一電極は水晶素板の表面の所定の位置に設けられており、少なくとも水晶素板の一部分を励振させる。導配線パターンは、例えば所定の第一電極と後述する所定の第二電極とを電気的に接続するように水晶素板の表面に設けられている。第二電極は水晶素板の表面の所定の位置に設けられており、水晶振動素子とそれを搭載する容器とを電気的に接続する。このような水晶振動素子を製造する場合、複数の水晶振動素子が集合して一体で構成された水晶振動素子集合ウエハが用いられる。
例えば、従来の水晶振動素子集合ウエハは、水晶基板からエッチングにより残された水晶ウエハから折り取り可能な複数の水晶素板と、支持部と、水晶素板とが支持部に連結されている第1の連結部及び第2の連結部と、を含み、この水晶素板の表面には第一電極、第二電極及び導配線パターンが形成されており、この第1の連結部及び前記第2の連結部は、水晶素板の一対の長辺が延びる方向に沿って、水晶素板の一方の短辺から、それぞれ延長するように設けられ、 かつ第1の連結部の水晶素板との接続部には、一方の主面にのみ有底の溝が設けられ、第2の連結部の水晶素板との接続部には、他方の主面にのみ有底の溝が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−178320号公報
従来のような複数の水晶振動素子が形成された水晶振動素子集合ウエハから、個々の水晶振動素子を分離する場合、水晶振動素子と水晶振動素子集合ウエハの枠部とを接続している連結部で折り取ることにより、水晶振動素子を水晶振動素子集合ウエハの枠部より分離する。しかし、この連結部の表面に水晶振動素子の特性測定に用いる金属膜が形成されている場合、連結部にて水晶振動素子を折り取る際に、連結部は折れても、その表面に形成された金属膜が金属の延性のため繋がったままの状態となり、水晶振動素子が水晶振動素子集合ウエハの枠部から完全に分離できないおそれがあった。
よって、本発明は、連結部の表面に水晶振動素子の特性測定に用いる金属膜が形成されている場合でも、確実に水晶振動素子を水晶振動素子集合ウエハの枠部から分離することができる水晶振動素子集合ウエハを提供することを目的とする。
本発明の水晶振動素子集合ウエハは、外周及び内周形状が平面視矩形で平板状の枠部と、枠部により囲われた空間に複数個並べて配置され、表面に少なくとも第一電極及び第二電極が形成された平面視矩形で平板状の水晶振動素子と、個々の水晶振動素子の第二電極が設けられた一辺に沿って並び、且つ枠部の内周の一辺と、個々の水晶振動素子の第二電極が設けられた一辺から延出するようにして繋ぐ第一連結部と第二連結部と、第一連結部と第二連結部との間に設けられた第一貫通孔と、第二電極から第一連結部及び第二連結部の表面を経て枠部の表面まで延設した第三電極と、第一連結部の水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第一橋梁部と第二橋梁部と、第一橋梁部と第二橋梁部との間に設けられた第二貫通孔と、第二連結部の水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第三橋梁部と第四橋梁部と、第三橋梁部と第四橋梁部との間に設けられた第三貫通孔と、第一橋梁部又は第二橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第一溝部と、第三橋梁部又は第四橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第二溝部と、を備え、第一橋梁部は、第一橋梁部の外側の一辺が水晶振動素子の一方の長辺の延長線上に位置するように第一連結部の外側に設けられており、第三橋梁部は、第三橋梁部の外側の一辺が水晶振動素子の一方の長辺の延長線上に位置するように第二連結部の外側に設けられている。
本発明の水晶振動素子集合ウエハは、外周及び内周形状が平面視矩形で平板状の枠部と、枠部により囲われた空間に複数個並べて配置され、表面に少なくとも第一電極及び第二電極が形成された平面視矩形で平板状の水晶振動素子と、個々の水晶振動素子の第二電極が設けられた一辺に沿って並び、且つ枠部の内周の一辺と、個々の水晶振動素子の第二電極が設けられた一辺から延出するようにして繋ぐ第一連結部と第二連結部と、第一連結部と第二連結部との間に設けられた第一貫通孔と、第二電極から第一連結部及び第二連結部の表面を経て枠部の表面まで延設した第三電極と、第一連結部の水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第一橋梁部と第二橋梁部と、第一橋梁部と第二橋梁部との間に設けられた第二貫通孔と、第二連結部の水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第三橋梁部と第四橋梁部と、第三橋梁部と第四橋梁部との間に設けられた第三貫通孔と、第一橋梁部又は第二橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第一溝部と、第三橋梁部又は第四橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第二溝部と、を備え、第一橋梁部は、第一橋梁部の外側の一辺が水晶振動素子の一方の長辺の延長線上に位置するように第一連結部の外側に設けられており、第三橋梁部は、第三橋梁部の外側の一辺が水晶振動素子の一方の長辺の延長線上に位置するように第二連結部の外側に設けられている。このような構成では、第一連結部及び第二連結部の第三電極の膜厚を一部薄く形成することができるため、確実に水晶振動素子を水晶振動素子集合ウエハから分離することが可能となる。
本発明の実施形態に係る水晶振動素子集合ウエハを示した平面図である。 図1に記載された円A部分を拡大して示した部分拡大図である。 図2に示したB−B線で切断した断面図である。 本発明の実施形態に係る水晶振動素子集合ウエハの第一変形例において、図1に記載された円A部分と同じ箇所を拡大して示した部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る水晶振動素子集合ウエハの第二変形例において、図1に記載された円A部分と同じ箇所を拡大して示した部分拡大図である。 図5に示したC−C線で切断した断面図である。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る水晶振動素子集合ウエハを示した平面図である。図2は、図1に記載された仮想円A部分を拡大して示した部分拡大図である。図3は、図2に記載された仮想切断線B−Bで切断したときの断面図である。尚、図1〜6の各図では、説明を明りょうとするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。特に、図3及び6における断面の厚み方向は著しく誇張して図示している。また、説明を平易とするため、図1、2、4及び5では、図示されている面側を上方、反対側の面側を下方とし、図3及び6では、図面が記載されている用紙上方を水晶振動素子集合ウエハの上方として記述する。
水晶振動素子集合ウエハ100は、図1〜3に示すように、水晶振動素子110と、第一橋梁部121、第二橋梁部122、第二貫通孔123及び第一溝部124を備えた第一連結部120と、第三橋梁部131、第四橋梁部132、第三貫通孔133及び第二溝部134を備えた第二連結部130と、第一貫通孔140と、第三電極150と、枠部160から構成されている。水晶振動素子集合ウエハ100は、水晶振動子や水晶発振器等の水晶デバイスを製造する過程において、水晶デバイス内に搭載する水晶振動素子110を同時に複数個製造するために用いられている。
水晶振動素子110は、水晶素板111の上面及び下面のそれぞれに、水晶素板111の励振に用いる第一電極112と、第一電極112から水晶素板111の一方の短辺の引き出された第二電極113を被着させたものであり、安定した機械振動と圧電効果により、電子装置等の基準信号を発振する役割を果たしている。
水晶素板111は、平面視矩形状であり、例えば、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光学軸)からなる直交座標系において、Z軸をY軸の−Y方向へ傾けた軸をZ’軸とし、Y軸をZ軸の+Z方向へ傾けた軸をY’軸としたとき、X軸方向を長辺としZ’軸方向を短辺とした平行な上下XZ’面で構成され、Y’軸に平行な方向を厚みとするATカットの薄板からなる。
第一電極112は、外部からの交番電圧が第一電極112を介して水晶素板111に印加されると、水晶素板111が所定の振動モード及び周波数で励振を起こすためのものである。第一電極112は、水晶素板111の上面及び下面のほぼ中央部分に、上面と下面との間で対向するように設けられている。
第二電極113は、それぞれの第一電極112へ外部からの交番電圧を伝えるためのものである。第二電極113は、水晶素板111の上面に設けられた第一電極112と下面に設けられた第一電極112のそれぞれから、水晶素板111の2つの短辺のうちの一方の短辺の縁部まで、上面と下面との間で対向しないように延設されている。
第一電極112及び第二電極113は、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、水晶素板111の所定の位置に形成される。具体的には、複数の水晶素板111となる部分が形成されている水晶振動素子集合ウエハ100の両主面に、第一電極112及び第二電極113となる金属膜を成膜し、この金属膜上に感光性レジストを塗布する。その後、この感光性レジストの所定のパターン(第一電極112及び第二電極113となる部分)が残留するように、露光、現像する。最後に、露出している金属膜を剥離させ、残留している感光性レジストを除去する。このようにして、複数の水晶素板111となる部分が形成されている水晶振動素子集合ウエハ100の水晶素板111となる部分の所定の位置に、第一電極112及び第二電極113が形成される。なお、ここで、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて形成している場合について説明しているが、例えば、スパッタリング技術または蒸着技術を用いて形成してもよい。
また、第一電極112及び第二電極113は、クロムの上に、銀又は金が積層されるようにして形成されている。下地にクロムを用いることで、水晶素板111と第一電極112及び第二電極113との密着性を確保しつつ、金又は銀との密着性も確保することが可能となる。
第一連結部120は、後述する第二連結部130と共に、水晶振動素子110と水晶振動素子集合ウエハ100の枠部160とを機械的に接続することにより、水晶振動素子110を後述する枠部160と共に支持するために用いる。第一連結部120は、水晶振動素子110の長さ方向となる二辺うちの一方の辺に沿って、水晶振動素子110の第二電極112が設けられた一短辺から、この一短辺に向かい合う枠部160にまで延びて設けられている。また第一連結部120は、水晶振動素子110及び枠部160と一体で形成されている。この第一連結部120には、第一橋梁部121と、第二橋梁部122と、第二貫通孔123と、第一溝部124が備えられている。
第一橋梁部121及び第二橋梁部122は、外部から衝撃などを第一橋梁部121と第二橋梁部122とに分散させて吸収することができ、第一連結部120全体の剛性を保持するために用いられている。第一橋梁部121及び第二橋梁部122は、第一連結部120において後述する第二貫通孔123を挟むようにして、第一橋梁部121が水晶振動素子110の一方の長辺側に、第二橋梁部122が同じ水晶振動素子110に設けられた第二連結部130側となるように設けられている。後述する第一溝部124が設けられた部分を除く第一橋梁部121及び第二橋梁部122の厚みは、水晶振動素子110及び枠部160の厚みと同じであり、その厚み寸法は、20〜70μmとなっている。
第二貫通孔123は、水晶振動素子110を第一連結部120から折り取り易くするためのものである。第二貫通孔123は、第一連結部120のほぼ中央部に設けられた、第一連結部120を上面から下面へ貫通する孔である。また、第二貫通孔123の上面側開口部形状と下面側開口部形状とは同じ形状となっている。第二貫通孔123を設けることにより、第一連結部120の所定の部分のみの剛性を弱めることができ、第一連結部120において枠部160から水晶振動素子110を折り取る際に、後述する第一溝部124と第二貫通孔123の部分で折り取ることによって、折り取る位置を任意にコントロールすることができる。
第一溝部124は、水晶振動素子110を第一連結部120からさらに折り取り易くするためのものであり、折り取った後の水晶振動素子110にバリが付着することを低減させるためのものである。第一溝部124は、例えば、第二橋梁部122有底で設けられている。第一溝部124の開口部は、第二橋梁部122の上面又は下面に設けられている。第一溝部124の深さは、図3に示すように、第二橋梁部122の厚みの30〜70%の範囲内となっている。尚、第一溝部124は、第一橋梁部122に設けられていても構わない。しかし、第一溝部124を第一橋梁部121に設けた場合、水晶振動素子110を折り取ってバリが生じたとき、そのバリは、第一溝部124を設けていない第二橋梁部122側である水晶振動素子110の一方の短辺中央付近に生じる可能性が高い。水晶振動素子110において、バリなどの外形異常による主振動モードへの悪影響の度合いは、各辺の中央部分に外形異常があるよりも各辺端部、つまり水晶振動素子の角部付近に外形異常があるほうが小さい。よって、第一溝部124は第一橋梁部121に設けるよりも第二橋梁部122に設けるほうが好ましい。また、第一溝部124を設ける位置は、可能な限り第二橋梁部122の水晶振動素子110側にオフセットした位置とすることが望ましい。
第二連結部130は、前述した第一連結部120と共に、水晶振動素子110と水晶振動素子集合ウエハ100の枠部160とを機械的に接続することにより、水晶振動素子110を後述する枠部160と共に支持するために用いる。第二連結部130は、水晶振動素子110の長さ方向となる二辺うちの他方の辺に沿って、水晶振動素子110の第二電極113が設けられた一短辺から、この一短辺に向かい合う枠部160にまで延びて設けられている。また第二連結部130は、水晶振動素子110及び枠部160と一体で形成されている。この第二連結部130には、第三橋梁部131と、第四橋梁部132と、第三貫通孔133と、第二溝部134とが備えられている。
第三橋梁部131及び第四橋梁部132は、外部から衝撃などを第三橋梁部131と第四橋梁部132とに分散させて吸収することができ、第二連結部130全体の剛性を保持するために用いられている。第三橋梁部131及び第四橋梁部132は、第二連結部130において後述する第三貫通孔133を挟むようにして、第三橋梁部131が水晶振動素子110の他方の長辺側に、第四橋梁部132が同じ水晶振動素子110に設けられた第一連結部120側となるように設けられている。後述する第二溝部134が設けられている部分を除く第三橋梁部131及び第四橋梁部132の厚みは、水晶振動素子110及び枠部160の厚みと同じであり、その厚み寸法は、20〜70μmとなっている。
第三貫通孔133は、水晶振動素子110を第二連結部130から折り取り易くするためのものである。第三貫通孔133は、第二連結部130のほぼ中央部に設けられた、第二連結部130を上面から下面へ貫通する孔である。また、第三貫通孔133の上面側開口部形状と下面側開口部形状とは同じ形状となっている。第三貫通孔133を設けることにより、第二連結部130の所定の部分のみの剛性を弱めることができ、第二連結部130において枠部160から水晶振動素子110を折り取る際に、その第三貫通孔133の部分で折り取ることによって、折り取る位置を任意にコントロールすることができる。
第二溝部134は、水晶振動素子110を第二連結部130からさらに折り取り易くするためのものであり、折り取った後の水晶振動素子110にバリが付着することを低減させるためのものである。第二溝部134は、例えば、第四橋梁部132に有底で設けられている。第二溝部134の開口部は、第四橋梁部132の上面又は下面に設けられている。第二溝部134の深さは、図3に示すように、第四橋梁部132の厚みの30〜70%の範囲内となっている。尚、第二溝部134は、第三橋梁部131に設けられていても構わない。しかし、第二溝部134を第三橋梁部131に設けた場合、水晶振動素子110を折り取ってバリが生じたとき、そのバリは、第二溝部134を設けていない第四橋梁部132側である水晶振動素子110の一方の短辺中央付近に生じる可能性が高い。水晶振動素子110において、バリなどの外形異常による主振動モードへの悪影響の度合いは、各辺の中央部分に外形異常があるよりも各辺端部、つまり水晶振動素子の角部付近に外形異常があるほうが小さい。よって、第二溝部134は第三橋梁部131に設けるよりも第四橋梁部132に設けるほうが好ましい。また、第二溝部134を設ける位置は、可能な限り第四橋梁部132の水晶振動素子110側にオフセットした位置とすることが望ましい。
第一連結部120と第二連結部130の間には第一貫通孔140が設けられている。第一貫通孔140は水晶振動素子集合ウエハ100の上面から下面に貫通する孔であり、第一連結部120と第二連結部130は、この第一貫通孔140を挟んで対称となるように構成されている。
枠部160は、水晶からなる薄板で、水晶振動素子集合ウエハ100全体の剛性を保持しつつ、第一連結部120及び第二連結部130が設けられた水晶振動素子110を複数個支持するためのものである。枠部160は、外枠161と桟部162とからなり、第一連結部120及び第二連結部130が設けられた複数の水晶振動素子110と一体で構成されている。
外枠161は、水晶振動素子集合ウエハ100全体の四方を囲うように設けられている。平面視の外周形状は矩形状であり、必要とする剛性を有するための所定の幅を有する。桟部162は、外枠161の内周の対向する二辺を繋ぐように設けられており、一定の間隔を開けて平行して複数個設けられている。この外枠161と桟部162とからなる枠部160の内周形状も矩形状となっている。
第一連結部120及び第二連結部130が設けられた水晶振動素子110は、外枠161の内周と桟部162によって形成された空間内に、隣り合う水晶振動素子110の長辺が平行となるように同じ向きで複数個並べて配置されている。また、それぞれの水晶振動素子110に設けられた第一連結部120及び第二連結部130は、第一連結部120及び第二連結部130の水晶振動素子110側端部とは反対側の端部が、その端部と対向して位置する桟部162又は外枠161の内周と接続している。
第三電極150は、水晶振動素子集合ウエハ100の状態で個々の水晶振動素子110の周波数或いはCI(クリスタルインピーダンス)等の特性値を測定するための端子として用いられる。第三電極150は、複数の水晶振動素子110が水晶振動素子集合ウエハ100内に配置接続された状態において、それぞれの水晶振動素子110に設けられた第二電極113から、第一連結部120及び第二連結部130の表面を経て、その第一連結部120及び第二連結部130が接続している外枠161及び桟部162の表面まで延設されている。第一溝部124及び第二溝部134の内部に形成される第三電極150の厚みは、第一連結部120又は第二連結部130を構成する他の部分に形成される第三電極150の厚みに比べ非常に薄く形成されている。
第三電極150は、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、第一電極112及び第二電極113と同時に、第一連結部120、第二連結部130及び枠部160の所定の位置に形成される。具体的には、複数の水晶素板111となる部分が形成されている水晶振動素子集合ウエハ100の両主面に、第一電極112及び第二電極113と共に第三電極150となる金属膜を成膜し、この金属膜上に感光性レジストを塗布する。その後、この感光性レジストの所定のパターン(第一電極112、第二電極113及び第三電極150となる部分)が残留するように、露光、現像する。最後に、露出している金属膜を剥離させ、残留している感光性レジストを除去する。このようにして、水晶振動素子集合ウエハ100の第一連結部120、第二連結部130及び枠部160となる部分の所定の位置に、第三電極150が形成される。なお、ここで、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて形成している場合について説明しているが、例えば、スパッタリング技術または蒸着技術を用いて形成してもよい。
また、第三電極150は、クロムの上に、銀又は金が積層されるようにして形成されている。第三電極150は、下地にクロムを用いることで、第一連結部120、第二連結部130及び枠部160と第三電極150との密着性を確保しつつ、金又は銀との密着性も確保することが可能となる。
本発明の実施形態に係る水晶振動素子集合ウエハ100は、外周及び内周形状が平面視矩形で平板状の枠部160と、この枠部160により囲われた空間に複数個並べて配置され、表面に少なくとも第一電極112及び第二電極113が形成された平面視矩形で平板状の水晶振動素子110と、個々の水晶振動素子110の第二電極113が設けられた一辺に沿って並び、且つ枠部160の内周の一辺と、個々の水晶振動素子110の第二電極113が設けられた一辺から延出するようにして繋ぐ第一連結部120と第二連結部130と、この第一連結部120と第二連結部130との間に設けられた第一貫通孔140と、第二電極113から第一連結部120及び第二連結部130の表面を経て枠部160の表面まで延設した第三電極150と、第一連結部120の水晶振動素子110の短辺方向の両端部に設けられた第一橋梁部121と第二橋梁部122と、この第一橋梁部121と第二橋梁部122との間に設けられた第二貫通孔123と、第二連結部130の水晶振動素子110の短辺方向の両端部に設けられた第三橋梁部131と第四橋梁部132と、この第三橋梁部131と第四橋梁部132との間に設けられた第三貫通孔133と、第一橋梁部121又は第二橋梁部122のうち少なくともどちらか一方に設けられた第一溝部124と、第三橋梁部131又は第四橋梁部132のうち少なくともどちらか一方に設けられた第二溝部134と、が設けられている。
このような構成により、蒸着法及びスパッタリングにより設けられた第一溝部124及び第二溝部134の内部の第三電極150を構成する金属の量は、マスキングによる第一溝部124及び第二溝部134の側面側への金属のまわり込みが少なくなる影響で、第一連結部120及び第二連結部130の他の部分より付着する金属の量が少なく、第三電極150の膜厚を薄くすることができる。従って、この第一溝部124及び第二溝部134が形成されている位置で第一連結部120及び第二連結部130を折り取った場合、第三電極150の膜厚が薄いので、その表面に形成された第三電極150が金属の延性の影響を著しく小さくすることができ、第一連結部120及び第二連結部130とその表面に形成された第三電極150とを同時に折り取ることが可能となる。
また、本発明の実施形態に係る水晶振動素子集合ウエハ100は、枠部160を構成する外枠161と桟部162によって、水晶振動素子110を内部に配置する空間を囲う枠部160が複数個隣接するようにして設けられている。このような構成により、水晶振動素子ウエハ100を大型化した場合でも、ウエハ全体の剛性を維持したまま多数の水晶振動素子110を内部に配置することができる。
(第一変形例)
図4は、前述した実施形態の第一変形例に係る水晶振動素子集合ウエハを、図1に記載の仮想円Aと同じ箇所を示した部分拡大図である。また、前述した実施形態の第一変形例に係る水晶振動素子集合ウエハ100は、図4に示すように、第一橋梁部121の外側の一辺が水晶振動素子110の一方の長辺の延長線上に位置するように、第一連結部120の外側に第一橋梁部121が設けられており、且つ、第三橋梁部131の外側の一辺が水晶振動素子110の一方の長辺の延長線上に位置するように、第二連結部130の外側に第三橋梁部131が設けられている点において、前述した実施形態と異なる。
このような構成により、水晶振動素子110を折り取った際に、仮に第一連結部120又は第二連結部130の一部が水晶振動素子110に付属した状態となったとしても、その付属する位置が水晶振動素子110の振動モードに影響が少ない角部付近のみとなる。よって、折り取った水晶振動素子110は所望する振動モードでのみ振動することが可能となる。
実施形態の第一変形例に係る水晶振動素子集合ウエハ100は、第一橋梁部121の外側の一辺が水晶振動素子110の一方の長辺の延長線上に位置するように、第一連結部120の外側に第一橋梁部121が設けられており、且つ第三橋梁部131の外側の一辺が水晶振動素子110の一方の長辺の延長線上に位置するように、第二連結部130の外側に第三橋梁部131が設けられている。このような構成により、水晶振動素子110を折り取った際に、仮に第一連結部120又は第二連結部の130一部が水晶振動素子に付属した状態となったとしても、その付属する位置が水晶振動素子110の振動モードに影響が少ない角部付近に限定することが可能となる。よって、折り取った水晶振動素子110は所望する振動モードでのみ振動することが可能となる。
(第二変形例)
図5は、前述した実施形態の第二変形例に係る水晶振動素子ウエハを、図1に記載の仮想円Aと同じ箇所を示した部分拡大図である。図6は、図5に記載された仮想切断線C−Cで切断したときの断面図である。
前述した実施形態の第二変形例に係る水晶振動素子集合ウエハ100は、図5に示すように、第一橋梁部121又は第二橋梁部122のうち第一溝部124が設けられている一方の橋梁部、及び第三橋梁部131又は第四橋梁部132のうち第二溝部134が設けられている方の橋梁部に、各橋梁部の上面から下面へ至る切り欠き部170が設けられている点において前述した実施形態と異なる。
切り欠き部170は、水晶振動素子110を第一連結部120及び第二連結部130からさらに折り取り易くするためのものであり、折り取った後の水晶振動素子110にバリが付着することを低減させるためのものである。切り欠き部170は、図5に示すように、例えば、第二橋梁部122に設けられた第一切り欠き部171と、第四橋梁部132に設けられた第二切り欠き部172とからなる。第一切り欠き部171は、第二橋梁部122の第一溝部124が設けられた箇所に対応した位置に、第一貫通孔140側となる側面から第二貫通孔123側の側面に向かって切り欠かれており、第一切り欠き部171の一方端は、第二橋梁部122の上面に、他方端は第二橋梁部122の下面に開口している。また、第二切り欠き部172は、第四橋梁部132の第二溝部134が設けられた箇所に対応した位置に、第四橋梁部132の第一貫通孔140側となる側面から第三貫通孔133側の側面に向かって切り欠かれており、第二切り欠き部172の一方端は、第四橋梁部132の上面に、他方端は第四橋梁部132の下面に開口している。尚、第一切り欠き部171の上面側開口端部の形状と下面側開口端部の形状とは同じ形状となっている。
また、第一切り欠き部171における、第二橋梁部122の第一貫通孔140側開口から第二貫通孔123側の切り欠き端部までの深さ寸法α1は、第二橋梁部122の幅寸法β1の25〜75%の範囲内とすることが望ましい。また、第二切り欠き部172における、第四橋梁部132の第一貫通孔140側開口から第三貫通孔133側の切り欠き端部までの深さ寸法α2は、第四橋梁部132の幅寸法β2の25〜75%の範囲内とすることが望ましい。
尚、第一切り欠き部171及び第二切り欠き部172を構成する切り欠き部分170は、第一橋梁部121又は第二橋梁部122のうち第一溝部124が設けられている方の橋梁部、及び第三橋梁部131又は第四橋梁部132のうち第二溝部134が設けられている方の橋梁部の、橋梁部の上面から下面へ至るようにして設けられている。このようにすることによって、水晶振動素子110を、第一橋梁部121及び第二橋梁部122を備えた第一連結部120、及び第三橋梁部131及び第四橋梁部132を備えた第二連結部130から、さらに折り取り易くするためのものであり、折り取った後の水晶振動素子110にバリが付着することを低減させることが可能となる。
また、第一切り欠き部171及び第二切り欠き部172を構成する切り欠き部分170を、特に第一溝部124が設けられた第二橋梁部122や、第二溝部134が設けられた第四橋梁部132に設けることによって、仮に折り取った後の水晶振動素子110にバリが形成されたとしても、水晶振動素子110の角部にバリが形成され易く、外形異常による主振動モードへの悪影響の度合いが、第一橋梁部121や第三橋梁部131に切り欠き部分を設けるよりも、さらに小さくなり、所望する主振動モードで振動する水晶振動素子110を得ることができる。
また、切り欠き部170を設ける位置は、第一溝部124及び第二溝部134と同様に、可能な限り第二橋梁部122及び第四橋梁部132の水晶振動素子110側にオフセットした位置とすることが望ましい。このような構成により、水晶振動素子110を水晶振動素子集合ウエハ100より切り欠き部170が形成された位置で分離した場合、第一連結部120及び第二連結部130の大部分を水晶振動素子集合ウエハ100の枠部160側に残した状態、つまり水晶振動素子110には第一連結部120及び第二連結部130が付属していない所望する外形形状の水晶振動素子110を得ることができる。よって、水晶振動素子110を振動させたときに発生する不正外形による不要振動モードの影響を抑制することが可能となる。
実施形態の第二変形例に係る水晶振動素子集合ウエハ100においては、第一橋梁部121又は第二橋梁部122のうち第一溝部124が設けられている方の橋梁部、及び第三橋梁部131又は第四橋梁部132のうち第二溝部134が設けられている方の橋梁部には、橋梁部の上面から下面へ至る切り欠き部分が設けられていても構わない。このようにすることによって、水晶振動素子110を、第一橋梁部121及び第二橋梁部122を備えた第一連結部120、及び第三橋梁部131及び第四橋梁部132を備えた第二連結部130から、さらに折り取り易くするためのものであり、折り取った後の水晶振動素子110にバリが付着することを低減させることが可能となる。
実施形態の第二変形例に係る水晶振動素子集合ウエハ100においては、切り欠き部170は、第一溝部124が設けられた第一橋梁部121又は第二橋梁部122、第二溝部134が設けられた第三橋梁部131又は第四橋梁部132の水晶振動素子110側にオフセットした位置に設けられている。このような構成にすることによって、水晶振動素子110を水晶振動素子集合ウエハ100より切り欠き部170が形成された位置で分離した場合、第一連結部120及び第二連結部130の大部分を水晶振動素子集合ウエハ100の枠部160側に残した状態、つまり水晶振動素子110には第一連結部120及び第二連結部130が付属していない所望する外形形状の水晶振動素子110を得ることができる。よって、水晶振動素子110を振動させたときに発生する不正外形による不要振動モードの影響を抑制することが可能となる。
尚、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、前述した実施形態においては、水晶振動素子110はATカットで平面視矩形の外形形状であったが、他のカットアングルで加工されたものであっても良い。また、外形形状も、音叉形状などの他の外形形状の水晶振動素子でも構わない。
100・・・水晶振動素子集合ウエハ
110・・・水晶振動素子
111・・・水晶素板
112・・・第一電極
113・・・第二電極
120・・・第一連結部
121・・・第一橋梁部
122・・・第二橋梁部
123・・・第二貫通孔
124・・・第一溝部
130・・・第二連結部
131・・・第三橋梁部
132・・・第四橋梁部
133・・・第三貫通孔
134・・・第二溝部
140・・・第一貫通孔
150・・・第三電極
160・・・枠部
161・・・外枠
170・・・切り欠き部

Claims (4)

  1. 外周及び内周形状が平面視矩形で平板状の枠部と、
    前記枠部により囲われた空間に複数個並べて配置され、表面に少なくとも第一電極及び第二電極が形成された平面視矩形で平板状の水晶振動素子と、
    個々の前記水晶振動素子の前記第二電極が設けられた一辺に沿って並び、且つ前記枠部の内周の一辺と、個々の前記水晶振動素子の前記第二電極が設けられた一辺から延出するようにして繋ぐ第一連結部と第二連結部と、
    前記第一連結部と前記第二連結部との間に設けられた第一貫通孔と、
    前記第二電極から前記第一連結部及び前記第二連結部の表面を経て前記枠部の表面まで延設した第三電極と、
    前記第一連結部の前記水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第一橋梁部と第二橋梁部と、
    前記第一橋梁部と前記第二橋梁部との間に設けられた第二貫通孔と、
    前記第二連結部の前記水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第三橋梁部と第四橋梁部と、
    前記第三橋梁部と前記第四橋梁部との間に設けられた第三貫通孔と、
    前記第一橋梁部又は前記第二橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第一溝部と、
    前記第三橋梁部又は前記第四橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第二溝部と、を備え
    前記第一橋梁部は、前記第一橋梁部の外側の一辺が前記水晶振動素子の一方の長辺の延長線上に位置するように前記第一連結部の外側に設けられており、前記第三橋梁部は、前記第三橋梁部の外側の一辺が前記水晶振動素子の一方の長辺の延長線上に位置するように前記第二連結部の外側に設けられている水晶振動素子集合ウエハ。
  2. 外周及び内周形状が平面視矩形で平板状の枠部と、
    前記枠部により囲われた空間に複数個並べて配置され、表面に少なくとも第一電極及び第二電極が形成された平面視矩形で平板状の水晶振動素子と、
    個々の前記水晶振動素子の前記第二電極が設けられた一辺に沿って並び、且つ前記枠部の内周の一辺と、個々の前記水晶振動素子の前記第二電極が設けられた一辺から延出するようにして繋ぐ第一連結部と第二連結部と、
    前記第一連結部と前記第二連結部との間に設けられた第一貫通孔と、
    前記第二電極から前記第一連結部及び前記第二連結部の表面を経て前記枠部の表面まで
    延設した第三電極と、
    前記第一連結部の前記水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第一橋梁部と第二橋梁部と、
    前記第一橋梁部と前記第二橋梁部との間に設けられた第二貫通孔と、
    前記第二連結部の前記水晶振動素子の短辺方向の両端部に設けられた第三橋梁部と第四橋梁部と、
    前記第三橋梁部と前記第四橋梁部との間に設けられた第三貫通孔と、
    前記第一橋梁部又は前記第二橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第一溝部と、
    前記第三橋梁部又は前記第四橋梁部のうち少なくともどちらか一方に設けられた第二溝部と、を備え、
    前記第一溝部及び前記第二溝部は、各橋梁部の水晶振動素子側にオフセットした位置に設けられている水晶振動素子集合ウエハ。
  3. 前記枠部は外枠と桟部とで構成されており、前記外枠と前記桟部とからなる前記枠部により囲われた空間が複数個隣接するようにして設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載された水晶振動素子集合ウエハ。
  4. 前記第一溝部が設けられている前記第一橋梁部又は前記第二橋梁部、及び前記第二溝部が設けられている前記第三橋梁部又は前記第四橋梁部には、それぞれの橋梁部の上面から下面へ至る切り欠き部が、前記第一溝部及び前記第二溝部が設けられている位置に対応して設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のうちの一つに記載された水晶振動素子集合ウエハ。
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