JP6525098B1 - 粘着剤および粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】油付着被着体に対して良好な接着力を発現しながら再剥離性を備え、加えてタックおよび耐水性に優れる粘着剤を提供すること。【解決手段】アクリル系共重合体(A)、イソシアネート硬化剤(B)、粘着付与剤(C)および剥離付与剤(D)を含む粘着剤であって、前記アクリル系共重合体(A)が、共重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基含有モノマー(a1)を含み、前記イソシアネート硬化剤(B)の配合量が、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.3質量部以上10質量部以下であり、前記粘着付与剤(C)が、テルペン樹脂および/または石油樹脂を含み、前記剥離付与剤(D)が、分子量250以上1000以下であるものを含む粘着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤および粘着シートに関する。
粘着剤として各樹脂系のものがあり、中でもアクリル系が広く用いられている。アクリル系粘着剤は、粘着力やタックといった粘着基本性能の制御がモノマー組成や相溶する添加剤の調整により容易であるメリットがある。従来から油付着被着体に対して接着できる市場ニーズがあったが、近年ではより使い勝手に優れ、高機能化された性能を要求をされることが多くなってきている。特許文献1では、特定の(メタ)アクリル系共重合体と軟化点が115℃を超える粘着付与剤を含む、油分が付着した被着体表面用の粘着シートが開示されている。ここでは油面接着力が良好ではあるが、経時で徐々に粘着力が上昇し、数週間後に剥がす際には糊残りしてしまう問題があった。
特開2014−095021号公報
本発明が解決しようとする課題は、油付着被着体に対して良好な接着力を発現しながら再剥離性を備え、加えてタックおよび耐水性に優れる粘着剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の実施態様は、アクリル系共重合体(A)、イソシアネート硬化剤(B)、粘着付与剤(C)および剥離付与剤(D)を含む粘着剤であって、上記アクリル系共重合体(A)が、共重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基含有モノマー(a1)を含み、上記イソシアネート硬化剤(B)の配合量が、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.3質量部以上10質量部以下であり、上記粘着付与剤(C)が、テルペン樹脂および/または石油樹脂を含み、上記剥離付与剤(D)が、分子量250以上1000以下であるものを含む粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記アクリル系共重合体(A)が、さらに炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a2)および炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a3)を含む上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記アクリル系共重合体(A)が、さらに水酸基含有モノマー(a4)を含む上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記イソシアネート硬化剤(B)は、芳香環を有する上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記テルペン樹脂は、水添テルペン樹脂を含み、上記石油樹脂は、水添石油樹脂を含む上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記剥離付与剤(D)の25℃における水への溶解度が、10g/L以下である上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、表面の一部が油分で覆われた被着体に接着するための上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a3)が、共重合体を構成するモノマー中、3質量%以上20質量%以下含まれる上記粘着剤である。
また、本発明の実施態様は、基材および上記粘着剤の硬化物である粘着剤層を備える粘着シートである。
また、本発明の実施態様は、表面の一部が油分で覆われた被着体に貼付するための上記粘着シートである。
本発明の粘着剤は、油付着被着体に対する接着性に優れ、それを用いた粘着シートは、良好な再剥離性、タックおよび耐水性を有する。
以下、本発明の詳細を説明する。なお、本明細書では、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイルオキシ」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリルまたはメタクリル」、「アクリロイルまたはメタクリロイル」、「アクリル酸またはメタクリル酸」、「アクリレートまたはメタクリレート」、「アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシ」を表すものとする。「カルボキシル基含有モノマー、炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む共重合体であるアクリル系共重合体(A)」は、「アクリル樹脂(A)」と略記することがある。また、「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
本発明の粘着剤は、共重合体を構成するモノマーとして下記(a1)を含むアクリル系共重合体(A)を含んでなる粘着剤である。さらに共重合体を構成するモノマーとして、下記(a2)、(a3)、(a4)およびその他モノマーを含むこともある。
(a1)カルボキシル基含有モノマー
(a2)炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a3)炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a4)水酸基含有モノマー
<(a1)カルボキシル基含有モノマー>
油付着被着体に対する接着性の向上を図るために、本発明では、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマーとして、(a1)を用いる。ここで、カルボキシル基含有モノマーとは、カルボキシル基を有するモノマーを意味する。
(a1)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
共重合体を構成する全モノマー中の(a1)の含有率は、0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましく、1.5%以上が特に好ましい。また、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。含有率が上記範囲内であると凝集力と油付着面に対する接着性を両立しやすくなる。
<(a2)炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル>
アクリル系共重合体(A)を構成するモノマーとしては、(a2)を含有することが好ましい。ここで、炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基の炭素数が8〜10であるものを意味する。(a2)を含むことで、アクリル系共重合体(A)が油付着被着体になじみやすくなり、信頼できる接着性が発現する。またタックや耐水性の向上が期待できる。
(a2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソデシル等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
共重合体を構成する全モノマー中の(a2)の含有率は10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。また、98%以下が好ましく、95%以下がより好ましく、90%以下がさらに好ましい。上記範囲内であると、油付着面に対する接着性や耐水性が向上し、再剥離性を付与しやすくなる。
<(a3)炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル>
アクリル系共重合体(A)を構成するモノマーとしては、(a3)を含有することもできる。(a3)を含むことで、アクリル系共重合体(A)に(a2)が多量に含まれる場合、樹脂としてガラス転移温度が低すぎることによる再剥離性の劣化を防ぐことができる。
(a3)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メチルやアクリル酸エチルが好ましい。
共重合体を構成する全モノマー中の(a3)の含有率は1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、3%以上がさらに好ましく、5%以上が特に好ましい。また、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。上記範囲内であると、油付着面に対する接着性やタックと再剥離性を両立しやすくなる。
<(a4)水酸基含有モノマー>
アクリル系共重合体(A)は、共重合体を構成するモノマーとして、水酸基含有モノマー(a4)を含むことが好ましい。水酸基含有モノマーとは、水酸基を有するモノマーを意味する。(a4)を含むことで、イソシアネート硬化剤との架橋反応によりポリマーネットワークを形成し、接着性や再剥離性の向上が期待できる。
水酸基含有モノマー(a4)としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸7−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
共重合体を構成する全モノマー中の(a4)の含有率は0.05%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましい。また、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。上記範囲内であると、接着性や再剥離性とタックを両立しやすくなる。
<その他モノマー>
アクリル系共重合(A)は、共重合体を構成するモノマーとして、上記モノマー(a1)〜(a4)以外のその他モノマーを含んでも良い。その他モノマーとしては、アルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アミド基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
アルコキシ基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル中のアルコキシ基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1または2であることが更に好ましい。また、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル中のアルコキシ基に結合したアルキレン基の炭素数は、1〜18であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
アルコキシ基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルが好ましい。
アミノ基を有するモノマーとしては、無置換のアミノ基を有するモノマーおよび置換されたアミノ基を有するモノマーが挙げられるが、好ましくは置換されたアミノ基を有するモノマーであり、より好ましくは置換されたアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、さらに好ましくはアルキル基で置換されたアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸N−アルキルアミノエステルおよび(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノエステルである。ここで、置換されたアミノ基中の置換基としては、アルキル基、水酸基で置換されたアルキル基、カルボニル基で置換されたアルキル基等が挙げられるが、この内、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。アミノ基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルが好ましい。
アミド基を有するモノマーとしては、アミド基(−C(=O)N−)を有するモノマーであれば、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸アミドの窒素原子上の水素原子が、置換基を有しても良いアルキル基で一つ以上置換された誘導体であることが好ましい。ここで、置換基を有しても良いアルキル基としては、アルキル基、水酸基で置換されたアルキル基、カルボニル基で置換されたアルキル基等が挙げられる。アミド基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、4−アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。これらの中でも、ダイアセトンアクリルアミドが好ましい。
上記以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。これらは単独または2種以上を併用できる。
アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、30万以上が好ましく、50万以上がより好ましく、80万以上がさらに好ましい。また、250万以下が好ましく、200万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲内になることで、タックと再剥離性を両立しやすくなる。
アクリル樹脂(A)は、公知の方法により製造することができるが、溶液重合により製造することが好ましい。溶液重合においては、重合する際に使用する溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の等の炭化水素系溶剤を使用することが好ましい。
具体的には、溶剤、モノマー、重合開始剤等を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で、反応温度50〜90℃程度に加熱し、4〜12時間で重合反応させるのが一般的である。
重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤を挙げることができる。これらの重合開始剤は、原料モノマー100質量部に対して、通常は0.01〜5質量部の範囲内の量で使用される。また、重合反応中に、連鎖移動剤、原料モノマー、溶媒を適宜添加してもよい。
上記重合開始剤の内、アゾ系化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
また、上記重合開始剤の内、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
上記のような条件において、得られる共重合体の重量平均分子量は、公知技術に従って、使用する溶媒の種類および量、重合開始剤の種類および量、反応時間、反応温度などの反応条件を調整することにより調節することができる。
<イソシアネート硬化剤(B)>
イソシアネート硬化剤(B)は、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のジイソシアネートと、トリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ならびにそのビュレット体、ならびにそのイソシアヌレート体、ならびに上記ジイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、およびポリイソプレンポリオール等の内のいずれかのポリオールとのアダクト体などの分子内に3個以上のイソシアネート基を有する化合物;またはこれらのアロファネート体等の分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。これらの中でも、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が粘着物性を容易に調整できるため好ましい。なお、イソシアネート基の個数は平均個数である。
イソシアネート硬化剤(B)の配合量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.3質量部以上であり、0.5質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがさらに好ましい。また10質量部以下であり、8質量部以下であるが好ましく、5質量部以下であるがさらに好ましい。上記範囲内とすることで油付着面に対する接着性やタックと再剥離性を両立しやすくなる。
その他、硬化剤として、エポキシ硬化剤、アジリジン、金属キレートを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することが出来る。硬化剤は単独または2種以上を使用できる。
<粘着付与剤(C)>
粘着付与剤(C)は、溶液重合の際に使用する方法、アクリル系共重合体(A)に配合する方法等任意の方法で使用できる。粘着付与樹脂は、溶液重合の際に使用すると連鎖移動剤として作用しアクリル系共重合体(A)の分子量調整が容易になる。また、アクリル系共重合体(A)に配合することで油付着面に対する接着力を底上げできる。
粘着付与剤(C)は、例えば、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、ロジンフェノール樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリル系共重合体との相溶性が良く油付着面に対する粘着性能がより向上できる点から、本発明の粘着剤は、テルペン樹脂および/または石油樹脂を含む。更に、テルペン樹脂は、水添テルペン樹脂を含むことがより好ましく、石油樹脂は、水添石油樹脂を含むことが好ましい。
粘着付与剤(C)の軟化点は、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。また、軟化点の上限は、170℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、115℃以下がさらに好ましい。粘着付与剤(C)の軟化点が上記範囲内であることで油付着面に対する接着力と再剥離性やタックを高いレベルで両立し易くなる。なお、軟化点は、JIS K5902に規定されている乾球法にしたがって測定した軟化温度である。
粘着付与剤(C)は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、1質量部以上含むことが好ましく、3質量部以上含むことがより好ましく、5質量部以上含むことさらに好ましい。また50質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。上記範囲内とすることで油付着面に対する接着性と再剥離性を両立しやすくなる。粘着付与剤(C)は、単独または2種類以上併用できる。
<剥離付与剤(D)>
剥離付与剤とは、粘着シートを被着体から剥離する際、容易に剥離できる性能を付与できる材料のことをいう。剥離付与剤は、アクリル系共重合体(A)に配合することで、油付着面に対する接着力を維持しながら再剥離性を付与できる。本発明で用いられる剥離付与剤(D)は、分子量が250以上1000以下であるものを指す。分子量が上記範囲内であることで、アクリル系共重合体との相溶性が良く、油付着面に対する接着性やタックと再剥離性を両立しやすくなる。
剥離付与剤(D)は、例えば、炭素数1〜18の一塩基酸または多塩基酸と炭素数18以下のアルコールとのモノエステル、ジエステル、トリエステル、または炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と4価以下のアルコールとのエステル、炭素数1〜18の一塩基酸または多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステル、ヒドロキシ酸と一塩基酸またはアルコールのジエステル、トリエステル、テトラエステル、不飽和部位を過酸化物等でエポキシ化した脂肪酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。
炭素数1〜18の一塩基酸または多塩基酸と炭素数18以下の分岐アルコールとのエステルとしては、例えば、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソステアリル、セバシン酸ジイソセチル、トリメリト酸トリオレイル、およびトリメリト酸トリイソセチル等が挙げられる。
炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と4価以下のアルコールとのエステルを構成する炭素数14〜18の不飽和脂肪酸および分岐酸と4価以下のアルコールとしては、以下の通りである。炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸は、例えば、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。4価以下のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン等が挙げられる。
炭素数1〜18の一塩基酸または多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステルとしては、ジヘキシル酸ポリエチレングリコール、ジ−2−エチルヘキシル酸ポリエチレングリコール、ジラウリル酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、およびアジピン酸ジポリエチレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキシ酸と一塩基酸またはアルコールのエステルとしては乳酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、2−ヒドロキシミリスチン酸メチル、12−ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、リシノール酸エチル、o−アセチルリシノール酸メチル、o−アセチルリシノール酸ブチル、クエン酸トリエチル、o−アセチルクエン酸トリブチル、o−アセチルクエン酸トリ(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。
不飽和部位を過酸化物等でエポキシ化した脂肪酸エステルは、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油等のエポキシ化油脂や炭素数8〜18の不飽和脂肪酸をエポキシ化した化合物と、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルコールとのエステル化合物等が挙げられる。
リン酸エステルは、例えば、亜リン酸またはリン酸と炭素数2〜18の直鎖または分岐アルコールとのエステル化合物が挙げられる。これらの中でもアクリル系共重合体(A)との相溶性に優れ、経時後の再剥離性が安定する点から、トリブチルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート等が挙げられる。
剥離付与剤(D)の25℃における水への溶解度(本明細書では、単に「溶解度」と略記することがある)は、10g/L以下が好ましく、1g/L以下がより好ましい。水への溶解性が低い剥離付与剤を選定することで耐水性が向上する。
剥離付与剤(D)は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.1質量部以上含むことが好ましく、1質量部以上含むことがより好ましく、3質量部以上含むことさらに好ましい。また30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下がさらに好ましい。上記範囲内とすることで再剥離性が向上し、油付着面に対する接着力が維持される。剥離付与剤(D)は、単独または2種類以上併用できる。
本発明の粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、所望により各種樹脂や添加剤を添加することができる。例えば、シランカップリング剤、熱または光安定剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、抗菌剤、保湿剤、ビタミン類、顔料、染料、香料などを挙げることができる。これらは、必要に応じて有効量を配合する。
<粘着シート>
本発明の粘着シートは、基材上に本発明の粘着剤の硬化物である粘着剤層を有するものである。粘着シートは、例えば、基材上に粘着剤を塗工、乾燥することにより製造できる。粘着剤層は基材の少なくとも一方の面に設けられていれば良い。
粘着剤を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、その他の炭化水素系溶剤等の有機溶剤を添加して、粘度を調整することもできるし、粘着剤を加熱して粘度を低下させることもできる。
基材としては、例えば、セロハン、プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴム布、樹脂含浸布、ガラス板、木材等が挙げられ、板状であってもフィルム状であっても良い。さらに基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。更に基材の表面を剥離処理したもの(以下、剥離シートと呼ぶ)を用いることもできる。
プラスチックシートとしては、プラスチックフィルムともいわれ、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
本発明において粘着剤の塗工方法は、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等が挙げられる。乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては粘着剤の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜130℃程度の熱風加熱でよい。
本発明の粘着シートは、(ア)剥離処理されたフィルムの剥離処理面に粘着剤を塗工、乾燥し、基材を粘着剤層の表面に積層したり、(イ)基材に粘着剤を直接塗工、乾燥し、粘着剤層の表面に剥離処理されたフィルムの剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
粘着剤層の厚さは、0.1〜300μmであることが好ましく、1〜200μmであることがより好ましく、3〜150μmであることが更に好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明する。配合比に関しては、溶剤以外は固形分換算での値を示す。また、以下の例で使用した材料の略号を示す。
<(a1)カルボキシル基含有モノマー>
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
<(a2)炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル>
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
NA:アクリル酸ノニル
iDA:アクリル酸イソデシル
<(a3)炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル>
MA:アクリル酸メチル
EA:アクリル酸エチル
PMA:メタクリル酸プロピル
<(a4)水酸基含有モノマー>
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
<その他モノマー>
2MEA:アクリル酸2−メトキシエチル
BA:アクリル酸ブチル
<イソシアネート硬化剤(B)>
TDI−TMP:トリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体
<イソシアネート以外の硬化剤>
TGXA:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン
HBAP:2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]
AlAA:アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)
<粘着付与剤(C)>
P−135:クリアロンP135(水添テルペン樹脂、軟化点135℃、ヤスハラケミカル社製)
M−100:アルコンM−100(水添石油樹脂、軟化点100℃、荒川工業社製)
P−85:クリアロンP85(水添テルペン樹脂、軟化点85℃、ヤスハラケミカル社製)
FTR−6110:FTR−6110(非水添石油樹脂、軟化点110℃、三井化学社製)
A−100:スーパーエステルA−100(ロジンエステル樹脂、軟化点100℃、荒川化学工業社製)
<剥離付与剤(D)>
DOP:フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(分子量390.56、溶解度1g/L未満)
MAR:O−アセチルリシノール酸メチル(分子量354.52、溶解度1g/L未満)
TBP:トリブチルホスフェート(分子量266.31、溶解度6g/L)
(合成例1)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2−エチルヘキシル45.0部、アクリル酸ブチル4.5部、アクリル酸0.25部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.25部、酢酸エチル20部、アセトン20部、過酸化ベンゾイル(BPO)0.04部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した。更に、滴下漏斗に、上記反応容器に仕込んだものと同一の等量混合物(アクリル酸2−エチルヘキシル45.0部、アクリル酸ブチル4.5部、アクリル酸0.25部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.25部、酢酸エチル20部、アセトン20部、BPO0.04部)を仕込み、滴下し、窒素雰囲気下にて還流温度で7時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、トルエンを加えて希釈し、不揮発分30%、粘度5000mPa・sの共重合体溶液を得た。また、GPCを用いてアクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、重量平均分子量は91万であった。得られた共重合体を、共重合体(A−1)とする。
(合成例2,3,6〜8,11,12,14,17)
表1の材料および配合比率に変更した以外は、合成例1と同様の方法でそれぞれアクリル系共重合体を合成した。
(合成例4,5,9,10,13,15,16)
表1の材料および配合比率に変更し、更に合成例1におけるBPO0.04部を2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.02部に変更した以外は、合成例1と同様の方法でそれぞれアクリル系共重合体を合成した。
上記合成例で得られたアクリル系共重合体の内、合成例1〜15で得られたアクリル系共重合体がアクリル系共重合体(A)に該当し、合成例16および17で得られたアクリル系共重合体がアクリル系共重合体(A)ではないアクリル系共重合体に該当する。
<重量平均分子量(Mw)>
Mwは、下記の条件により測定した。Mwの決定は、重量平均分子量が既知のポリスチレンを標準物質に用いた検量線法により決定した。
装置名:島津製作所社製、LC−GPCシステム「Prominence」
カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を直列に連結
移動相溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
(実施例1)
<粘着剤の作成>
得られたアクリル系共重合体(A)の不揮発分100部に対して、イソシアネート硬化剤(B)としてTDI−TMPを不揮発分換算で2.0部、粘着付与剤(C)としてP−135を10部、剥離付与剤(D)としてDOPを10部、希釈溶剤として酢酸エチルを添加し、撹拌し、粘着剤を得た。
<粘着シートの作成>
厚さ38μmのポリエステル製セパレーター[商品名「スーパーステック」SP−PET38、リンテック社製、以下同じ]上に、乾燥後の厚みが50μmとなるように上記で得られた粘着剤を塗工し、熱風オーブンにて100℃、2分間乾燥して粘着剤層を作製した。乾燥後、厚さ25μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(テオネックス、帝人社製)にラミネートし、さらに23℃50%RHで7日間養生し、粘着シートを得た。
<油面接着性>
得られた粘着シートを幅25mm、長さ100mmの大きさに切り出した。次いで23℃50%RHの環境下、粘着シートからセパレーターを剥がして露出した粘着剤層を、エンジンオイル(アポロイル プロメンテSL/CF−4、出光興産社製)2g/m2を表面に均一に塗布したステンレス(SUS)板および塗布していないSUS板それぞれに貼付し、2kgロールにより1往復させて測定試料を作製した。この測定試料を、23℃50%RHの環境下で24時間保存した後、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、剥離強度を測定した。オイルを表面に塗布したSUS板の剥離強度Aと、塗布していないSUS板の剥離強度Bとの比(A/B)を求め、下記基準に基づいて評価した。
◎:A/B=0.8以上(優良)
○:A/B=0.6以上0.8未満(良好)
△:A/B=0.4以上0.6未満(使用可)
×:A/B=0.4未満(使用不可)
<再剥離性>
得られた粘着シートを幅25mm、長さ100mmの大きさに切り出した。次いで23℃50%RHの環境下、試料からセパレーターを剥がして露出した粘着剤層を、SUS板に貼付し、2kgロールにより1往復させて測定試料を作製した。この測定試料を、60℃95%RHの環境下で7日間保存した後、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、剥離試験を行った。次いで、剥離後のSUS板表面を目視で観察し、以下の基準に基づいて評価した。
◎:曇り、糊残りが認められない。(優良)
○:一部に曇りが認められるものの、糊残りはない。(良好)
△:全体的に曇りが認められるものの、糊残りはない。(使用可)
×:曇り、糊残りが認められる。(使用不可)
<タック>
得られた粘着シートを幅25mm、長さ200mmの大きさに切り出した。次いで23℃50%RHの環境下、試料からセパレーターを剥がして露出した粘着剤層を、傾斜角30°の傾斜面にセットした。次いで、助走100mm糊面100mmの試料にスチールボール(1/32〜32/32インチ)を転がし、糊面の中央付近に停止するボールの径の番号を記録した。評価基準は以下の通りである。
○:径の番号が8以上13以下。(良好)
△:径の番号が4以上7以下、あるいは14以上18以下。(使用可)
×:径の番号が3以下、あるいは19以上。(使用不可)
<耐水性>
得られた粘着シートを幅25mm、長さ100mmの大きさに切り出した。次いで23℃50%RHの環境下、試料からセパレーターを剥がして露出した粘着剤層を、アルカリガラスに貼付し、2kgロールにより1往復させて測定試料を作製した。この測定試料を、40℃の環境下でイオン交換水に24時間浸漬した後、粘着剤層とアルカリガラスとの界面を目視で観察し、以下の基準に基づいて評価した。
○:気泡や浮きが全く認められない。(良好)
△:細かい気泡や浮きが若干端部に認められた。(使用可)
×:全面的に気泡や浮きが認められた。(使用不可)
(実施例2〜31、比較例1〜9)
表1〜5に示す材料、組成、量になるよう変更した以外は、実施例1と同様に、それぞれ粘着剤および粘着シートを製造し、測定および評価を行った。尚、表中の数値は、特に断りがない限り、部を表し、空欄は使用していないことを表す。
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Claims (10)

  1. アクリル系共重合体(A)、イソシアネート硬化剤(B)、粘着付与剤(C)および剥離付与剤(D)を含む粘着剤であって、
    前記アクリル系共重合体(A)が、共重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基含有モノマー(a1)を含み、
    前記イソシアネート硬化剤(B)の配合量が、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.3質量部以上10質量部以下であり、
    前記粘着付与剤(C)が、テルペン樹脂および/または石油樹脂を含み、
    前記剥離付与剤(D)が、分子量250以上1000以下であり、かつ、炭素数1〜18の一塩基酸または多塩基酸と炭素数18以下のアルコールとのモノエステル、ジエステル、トリエステル、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と4価以下のアルコールとのエステル、炭素数1〜18の一塩基酸または多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステル、ヒドロキシ酸と一塩基酸またはアルコールのジエステル、トリエステル、テトラエステル、不飽和部位を過酸化物等でエポキシ化した脂肪酸エステル及びリン酸エステルからなる群より選択されるものである、粘着剤。

  2. 前記アクリル系共重合体(A)が、さらに炭素数8〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a2)および炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a3)を含む、請求項1記載の粘着剤。
  3. 前記アクリル系共重合体(A)が、さらに水酸基含有モノマー(a4)を含む、請求項1または2記載の粘着剤。
  4. 前記イソシアネート硬化剤(B)は、芳香環を有する、請求項1〜3いずれか1項に記載の粘着剤。
  5. 前記テルペン樹脂は、水添テルペン樹脂を含み、前記石油樹脂は、水添石油樹脂を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載の粘着剤。
  6. 前記剥離付与剤(D)の25℃における水への溶解度が、10g/L以下である、請求項1〜5いずれか1項に記載の粘着剤。
  7. 表面の一部が油分で覆われた被着体に接着するための、請求項1〜6いずれか1項に記載の粘着剤。
  8. 前記炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a3)が、共重合体を構成するモノマー中、3質量%以上20質量%以下含まれる、請求項2〜7いずれか1項に記載の粘着剤。
  9. 基材および請求項1〜8いずれか1項に記載の粘着剤の硬化物である粘着剤層を備える、粘着シート。
  10. 表面の一部が油分で覆われた被着体に貼付するための、請求項9に記載の粘着シート。
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