JP6524689B2 - 連続鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造装置に関する。
非鉄金属またはその合金の双ロール連続鋳造法では、材料の溶湯をロール間に流し込む前に液相線温度以下まで下げて半凝固状態にし、得られた半凝固状態の材料をロール間にて急冷凝固させる技術が知られている。このような技術によれば、結晶粒の成長を抑えて組織を微細化することが可能となり、良質な薄板が得られる、とされている。
このような双ロール連続鋳造法として、非特許文献1や非特許文献2では、溶融したアルミニウム合金を傾斜平板上に流すことで熱を奪い、その後双ロールに流し入れて冷却し、急冷凝固組織を得ることが開示されている。
また、特許文献1では、撹拌棒を用いて金属材料がその液相線温度以下で凝固しないようにしたうえで、双ロールに送り込んでいる。
特開平9−296232号公報
原田英人,羽賀俊雄,西田進一,渡利久規「Al-25%Si合金薄板の双ロールキャスティングと加工性」日本機械学会論文集(A編) 79巻804号(213-8)、p78-82 山敷拓也,羽賀俊雄,熊井真次,渡利久規「高速双ロールキャスターで作製したアルミニウム合金板にロール面が及ぼす影響」日本機械学会論文集(A編) 79巻804号(213-8)、p92-96
しかしながら、上記の従来の方法には以下のような課題がある。
非特許文献1や非特許文献2に開示された鋳造法は、少量生産では可能であるものの、空気に触れる面積が大きいため、特に外気との反応性の高い金属材料を鋳造しようとした場合に、化合物が材料内部に混入して製品品質を低下させるおそれがある。また、幅広の板材を連続鋳造しようとしたときには、双ロールへ均一に材料を流し込むことが困難である。
特許文献1に開示された鋳造法でも、幅広の板材を連続鋳造しようとしたときには、双ロールへ均一に材料を流し込むことが困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、予備冷却した溶湯を双ロールへ確実に流し込むことができ、従って幅広の板材の連続鋳造にも適用可能な連続鋳造装置を提供することを目的としている。
本発明の連続鋳造装置は、非鉄金属またはその合金を溶融させる溶融炉と、上記溶融炉から供給される非鉄金属またはその合金の溶湯を冷却し、連続鋳造する一対のロールからなる双ロールと、を備え、上記一対のロール間のギャップの上に、上記溶融炉から供給される溶湯を冷却して得られた冷却物を上記一対のロール間に供給する冷却装置が設けられていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置において、上記冷却装置は、上記溶湯を冷却するとともに、該溶湯の流れを乱すことで該溶湯を撹拌する冷却撹拌部を有して形成されていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置において、上記非鉄金属またはその合金が易反応性非鉄金属またはその合金であり、上記冷却装置の上に上記溶湯を溜める筒状の溶湯溜めが設けられ、上記溶融炉と上記溶湯溜めとの間に、上記溶湯を上記溶湯溜めに供給する溶湯供給管が設けられ、上記溶湯供給管は、その吐出口が上記溶湯溜めに溜められた溶湯の湯面より下方に位置させられていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置においては、上記非鉄金属がマグネシウムであることを特徴とする。
本発明の連続鋳造装置によれば、一対のロール間の上に、溶融炉から供給される溶湯を冷却して得られた冷却物を一対のロール間に供給する冷却装置が設けられているので、冷却装置で予備冷却した溶湯(冷却物)を一対のロールからなる双ロールへ確実に流し込むことができ、従って幅広の板材の連続鋳造にも適用可能となる。
本発明に係る連続鋳造装置の第1実施形態を模式的に示す側面図である。 双ロールの平面図である。 図1の要部断面図である。 溶湯溜めの平面図である。 (a)、(b)は冷却装置の概略構成を説明するための縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の連続鋳造装置を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明に係る連続鋳造装置の第1実施形態を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は連続鋳造装置である。この連続鋳造装置1は、非鉄金属またはその合金を溶融させる溶融炉2と、溶融炉2から供給される非鉄金属またはその合金の溶湯を冷却し、連続鋳造する一対のロール3aからなる双ロール3と、双ロール3上に配置された冷却装置19と、冷却装置19の上に配置された溶湯溜め4と、溶湯溜め4の上に配置されたタワー部5と、を備えて構成されている。
溶融炉2は、連続鋳造の対象となる非鉄金属またはその合金を溶融させる炉であり、溶融対象となる材料の融点を超える温度に加熱できる加熱装置(図示せず)を有している。また、溶融炉2には、その内部を気密に閉塞する蓋部2aが設けられている。そして、溶融した非鉄金属またはその合金、すなわち溶湯が酸素(空気)に接して反応するのを防止するため、溶融炉2にはその内部に不活性ガスを供給し、充填させる不活性ガス供給装置6が接続されている。
不活性ガス供給装置6は、不活性ガス供給源7と第1不活性ガス供給管8とを有しており、不活性ガス供給源7から供給される不活性ガスを、第1不活性ガス供給管8によって溶融炉2内の溶湯50の湯面50aより上に供給する。このように溶湯50の湯面50aを不活性ガスで覆うことにより、溶湯50は酸素(空気)と接触し、反応するのが防止されている。
また、溶融炉2にはその蓋部2aに溶湯供給管9が接続されており、溶融炉2は溶湯供給管9を介して溶湯50を導出し、ロール3a上の溶湯溜め4に送るように構成されている。溶湯供給管9は、蓋部2aを貫通して設けられ、その吸入口9aが、溶融炉2における溶湯50の湯面50aより充分下に配置されている。これによって溶湯供給管9には、湯面50aやその近傍に位置していない溶湯50、すなわち酸素(空気)に触れることで形成される反応物が含まれない溶湯50が、吸入される。
本実施形態では、溶湯供給管9に溶湯50を流入させ、ロール3a上の溶湯溜め4に送る溶湯供給装置として、上記の不活性ガス供給装置6が用いられる。不活性ガス供給装置6によって溶融炉2内の溶湯50の湯面50aを加圧することで、溶湯供給管9の吸入口9aに溶湯50を流入させ、溶湯溜め4に送ることができる。なお、溶融炉2内の溶湯50を溶湯供給管9により溶湯溜め4に送る溶湯供給装置としては、不活性ガス供給装置6に代えて、例えば電動モータを有する公知の圧送ポンプによって形成してもよい。
不活性ガス供給装置6の不活性ガス供給源7としては、6フッ化硫黄(SF)やアルゴン(Ar)などの不活性ガスを貯留するガスシリンダーやガスタンクと、必要に応じて設けられる圧送ポンプとによって形成される。
なお、不活性ガス供給装置6には、第1不活性ガス供給管8とは別に第2不活性ガス供給管11が備えられている。第2不活性ガス供給管11も、不活性ガス供給源7に接続されており、後述するタワー部5に不活性ガスを供給するようになっている。
双ロール3は、一対のロール3aを水平且つ同一高さで所定のギャップを有して近接した状態に配置している。
また、双ロール3には、その平面図である図2に示すように、ロール長手方向の端面にそれぞれ堰12が設けられている。これら堰12は、一対のロール3a間のギャップ上に供給される溶湯50が、鋳造方向以外に流れ出ないようにシールしている。
なお、双ロール3の下流側には、一対のロール3aによって連続鋳造された板材を巻き取る巻取機(図示せず)が設けられている。
溶湯溜め4は、双ロール3を構成する一対のロール3a間のギャップとその近傍の直上に配置されたもので、図1の要部断面図である図3に示すように溶湯50を溜めて流下させるため貫通孔13を有した筒状のものである。ここで、この溶湯溜め4は、溶湯溜め4の平面図である図4に示すように、その平面視形状が、ロール3aの回転軸O方向に沿う方向を長辺とし、この長辺に直交する方向を短辺とする矩形に形成されている。平面視形状における長辺の長さは、ロール3aの回転軸方向の長さとほぼ等しい長さに形成されている。平面視形状における短辺の長さは、ロール3aの径や回転速度等によって適宜に決められる。
溶湯溜め4には、図3に示すようにその一方の長辺側の側面に、溶湯供給管9が貫通して接続されている。溶湯供給管9は、その先端部が下方に向くように湾曲して形成されており、さらに先端にヘッダー14が設けられている。ヘッダー14は、図4に示すように貫通孔13の開口形状に対応して長細く形成されている。このように溶湯供給管9の先端部に貫通孔13の開口形状に対応したヘッダー14を設けておくことにより、貫通孔13の全域に溶湯50を均等に供給することができる。溶湯溜め4やタワー部5、冷却装置19などは、その場所で金属が凝固しないように加熱コイルや伝熱線などで加熱して液体の状態を保持するようにしている。ロール3aだけが溶融金属に対して温度が低くて凝固させる構造である。
また、このようにして供給された溶湯50がロール3a側へ均等に流れるように、本実施形態では貫通孔13内に、その短辺方向に沿って整流装置53(整流板、または分流箱など)が鉛直方向に立てられて複数設置されている。これにより、ヘッダー14から供給された溶湯50は、整流板53によって流れが整えられることでロール3a側へ均等に流れ落ちる。
なお、ヘッダー14にはその下面に多数の開口が設けられており、従って図3に示すようにこれら開口が溶湯供給管9の実質的な吐出口9bとなる。
溶湯溜め4には、連続鋳造装置1の予備運転において溶湯供給管9から溶湯50が供給されることにより、その湯面50bが溶湯供給管9の吐出口9bより上になるように、溶湯50が溜められる。従って、連続鋳造を行う本運転時には、溶湯供給管9の吐出口9bは、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の湯面50bより下方に配置されている。
このような溶湯溜め4の上には、タワー部5が配設されている。タワー部5は、溶湯溜め4と同じ平面視矩形状の筒部15と、バッファー部16とから形成されている。筒部15は、その平面視形状が溶湯溜め4の平面視形状とほぼ同じ矩形で、溶湯溜め4より高さが充分に高く形成された筒体であり、溶湯溜め4と同じ平面視形状の貫通孔17を有している。貫通孔17は、溶湯溜め4の貫通孔13と同じ開口形状に形成されて、この貫通孔13に連通し、かつ連続して配置されている。従って、溶湯溜め4に溜められた溶湯50は、その湯面50bが溶湯溜め4の貫通孔13を上昇して、筒部15の貫通孔17内まで達している。
バッファー部16は、筒部15の上端に配置されて、筒部15の貫通孔17の上端側開口を気密に塞ぐもので、内部に筒部15の貫通孔17に連通する空間部18を有している。バッファー部16は、短辺方向の長さ、すなわちロール3aの回転軸Oと直交する方向の長さが、筒部15より長く形成されており、従って空間部18の平面視した面積は、貫通孔17の平面視した面積より大きくなっている。これにより、溶湯溜め4に供給されて溜められた溶湯50の量が急激に増加し、その湯面50bが急上昇しても、溶湯50がバッファー部16の空間部18内に流入することで湯面50bの急上昇が抑えられるようになっている。
また、バッファー部16には、その上蓋16aに第2不活性ガス供給管11が接続している。第2不活性ガス供給管11は、図1に示した不活性ガス供給源7に接続されて、不活性ガス供給源7から供給された不活性ガスをバッファー部16の空間部18内に送る。空間部18内に送られてきた不活性ガスは筒部15の貫通孔17に位置する溶湯50の湯面50bを覆うことにより、溶湯50は酸素(空気)と接触し、反応するのが防止されている。また、バッファー部16の上蓋16aには圧力制御弁56が設けられており、これによってバッファー部16内の圧、すなわち溶湯50の湯面50b上の内圧が調整可能になっている。さらに、バッファー部16の上蓋16aには圧力計57が設けられており、これによってバッファー部16内の圧(溶湯50の湯面50b上の内圧)が検出可能になっている。
なお、第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6により、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御することができる。
また、上述した第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)によっても、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御することができる。このような第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)と、第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6とのいずれか一方、あるいは両方により、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御する本発明に係る溶湯圧制御手段が構成される。
冷却装置19は、図3に示すように溶湯溜め4の下で、一対のロール3a間のギャップ上に配設されている。この冷却装置19は、その平面視形状が溶湯溜め4の平面視形状とほぼ同じ矩形に形成された筒体であり、従って溶湯溜め4と同じ平面視形状の貫通孔20を有している。貫通孔20は、溶湯溜め4の貫通孔13と同じ開口形状に形成されて、この貫通孔13に連通し、かつ連続して配置されている。従って、溶湯溜め4に溜められた溶湯50は、溶湯溜め4の貫通孔13を流れ落ちて冷却装置19の貫通孔20を通り、一対のロール3a間のギャップ上に供されるようになっている。
冷却装置19には、その平面視形状における短辺を形成する側壁間に、すなわちロール3aの回転軸O方向に沿って、冷却管21が複数配設されている。冷却管21は、内部に空気等の冷媒を通すことで、貫通孔20を通る溶湯50を冷却する。また、冷却管21は、例えば図3に示すように上下4段に配置されたことにより、上から下に流れ落ちる溶湯50に相対的に衝突してその流れを乱すようになっている。このように、冷却管21は溶湯50の流れを乱して溶湯50を撹拌するように配置されていることにより、本発明における冷却撹拌部として機能する。
冷却装置19による冷却は、冷却撹拌部を構成する冷却管21によって行うようにしたが、これに代えて、銅等の伝熱性の高い材料からなる平板状の冷却板(フィン)や中実の冷却棒を用いて行うようにしてもよい。その場合には、これら冷却板や冷却棒を冷却装置19の側壁部から外に延出させておき、この延出部を別の冷却装置によって冷却する。このように延出部を冷却することで、熱伝導により冷熱を冷却装置19の貫通孔20内に伝えることができ、貫通孔20内の溶湯50を冷却することができる。
なお、冷却板や冷却棒を用いた場合にも、図3に示した冷却管21と同様に、冷却板や冷却棒を上から下に流れ落ちる溶湯50に衝突させることでその流れを乱し、撹拌するように配置する。すなわち、これら冷却板や冷却棒を冷却撹拌部として機能させる。冷却管21や冷却板、冷却棒の配置としては、図3に示した配置以外にも、例えば図5(a)、(b)に示すような配置を採用することができる。
図5(a)では、冷却管21にフィン状の冷却板22を一体に取り付け、上から下に流れる溶湯50を冷却管21で撹拌すると同時に、冷却管21及びこれを通る冷媒で冷却された冷却板22によって溶湯50を冷却する。なお、この例では、冷却管21に代えて中実の冷却棒を用いてもよい。また、この例では、冷却板22によって溶湯50を整流する整流効果も得られる。
図5(b)では、大径の冷却管23を千鳥状に配置し、冷却管23間の隙間を狭くすることで冷却効率及び撹拌効率を高めている。この例でも、冷却管23に代えて中実の冷却棒を用いてもよい。なお、図5(a)、(b)における矢印は、溶湯50の流れを示している。
冷却装置19による溶湯50の冷却については、連続鋳造の対象となる材料、本実施形態ではマグネシウム合金の融点より少し低い温度とされる。このように融点より低い温度とすることで、溶湯50は冷却装置19を通過する際、すなわち一対のロール3aの周面に接してこれに冷却される直前に、予備冷却されて凝固しようとする。しかし、溶湯50は冷却装置19の冷却管21等によって流れを乱されて撹拌されているので、融点より少し低い温度に冷却されても流動性が完全に失われず、半凝固状態となる。
そして、このように溶湯50が半凝固状態にまで冷却させられた後、図3に示すようにこの半凝固物51は一対のロール3a間に供され、連続鋳造される。溶湯50が一対のロール3a間に供される直前に半凝固化されることにより、ロール3a間にて凝固する際の結晶粒の成長が抑えられ、製品品質が向上する。結晶粒が大きく成長すると、例えば得られる板材の強度が低下するなど、目的とする品質特性が得られなくなるおそれがある。
なお、冷却によって半凝固化された溶湯50(半凝固物51)の流動性を確保するため、冷却装置19の側壁部に加熱装置を設け、該側壁部が冷却管21等による冷却温度より高い温度となるように該側壁部を加熱してもよい。
冷却装置19は、一対のロール3aの周面に対して僅かな隙間をあけて配置されている。溶湯50(半凝固物51)は冷却装置19で冷却されて半凝固化された後、直ちに一対のロール3aの周面にて冷却されるため、ほとんど外気(酸素)に触れることなく、従って反応することなく、連続鋳造される。ただし、一対のロール3a上での反応を防止するため、上記の不活性ガス供給源7から第3の不活性ガス供給管(図示せず)を介して不活性ガスを一対の堰12間に供給し、一対のロール3aのギャップ上を不活性雰囲気にしてもよい。このようにギャップ上を不活性雰囲気にすることにより、冷却装置19を流れ出た半凝固物51がギャップ上にて反応するのを確実に防止することができる。
上述した溶湯圧制御手段は、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御することにより、冷却装置19を流れ出た溶湯50(半凝固物51)が、一対のロール3aの周面に押し付けられる圧力を制御する。この押し付け圧力は、予め設定された高圧となるほど、ロール3aから溶湯50への熱伝達率が高められる冷却効率が向上し、さらに、この熱伝達率がロール3aの周面全体で均等になり、凝固が均等に起こって製品品質のむらがより少なくなるため、好ましい。
第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6を溶湯圧制御手段として機能させる場合には、第2不活性ガス供給管11によってバッファー部16内に供給する不活性ガスの量を調整する。これにより、バッファー部16内の圧、すなわち溶湯50の湯面50b上の内圧を制御し、この内圧が加えられる溶湯溜め4内の溶湯50の押し出し圧力を制御することができる。このような内圧の制御は、バッファー部16に設けた圧力計57及び圧力制御弁56を利用することによって精度良く行うことができる。従って、一対のロール3aの周面に対する溶湯50(半凝固物51)の押し付け圧力を精密に制御することができる。
また、第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)を溶湯圧制御手段として機能させる場合には、第1不活性ガス供給管8によって溶融炉2に供給する不活性ガスの量を調整し、溶湯供給管9を介して溶湯溜め4に送る溶湯50の量を制御する。これにより、タワー部5内での溶湯50の湯面50bを昇降させ、タワー部5、溶湯溜め4、及び冷却装置19内に溜められた溶湯50の水頭圧を制御することができる。従って、一対のロール3aの周面に対する溶湯50(半凝固物51)の押し付け圧力を精密に制御することができる。
このような構成の連続鋳造装置1によって連続鋳造を行うには、まず、溶融炉2内においてマグネシウム合金を溶融させる。そして、得られた溶湯50を溶湯供給管9によって溶湯溜め4の貫通孔13内に供給する。溶湯供給管9によって溶湯溜め4に供給される溶湯50は、流れ落ちる溶湯50よりも多く供給することにより、その湯面50bに位置するように溜める。これにより、溶湯供給管9の吐出口9bは溶湯50の湯面50bより下方に位置することとなり、溶融炉2から溶湯供給管9によって気密な状態で送られてきた溶湯50は、反応が起こり易い湯面50bを形成する溶湯50をそのまま湯面50bまたはその近傍に残して、湯面50bより下方に流入し、貫通孔13を通って冷却装置19に流れ落ちる。
このようにして溶湯溜め4内に溶湯50を供給した際、上述の溶湯圧制御手段、すなわち第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)、または第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6により、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御する。これにより、上述したように一対のロール3aの周面に対する半凝固物51の押し付け圧力が、予め設定された高圧に精密に制御される。また、溶湯50の湯面50bがタワー部5の筒部15内に位置させられているので、溶湯溜め4に溜められた溶湯50に対して充分に大きい水頭圧がかかっており、従って半凝固物51の押し付け圧力が大きく変動することなく安定している。
冷却装置19に流れ落ちた溶湯50は、上述したように冷却管21等によって冷却され、かつ、撹拌されることにより、半凝固化される。そして、形成された半凝固物51は周回する一対のロール3a間のギャップに案内される。このようにしてギャップに案内された半凝固物51は、精密に制御された押し付け圧力でロール3aの周面に押し付けられ、ロール3a間のギャップを通ることにより、凝固して連続鋳造され、板材に形成される。従って、得られた板材を巻き取り、その後両サイドの耳部をカットして所望寸法に形成することにより、製品、または半製品としての板材が得られる。
本実施形態の連続鋳造装置1によれば、一対のロール3a間の上に、溶融炉2から供給される溶湯50を冷却して得られた冷却物(半凝固物51)を一対のロール3a間に供給する冷却装置19を設けているので、冷却装置19で予備冷却した半凝固物51を一対のロール3aからなる双ロール3へ確実に流し込むことができ、従って幅広の板材についてもその連続鋳造を容易に行うことができる。
また、冷却装置19が、溶湯50を冷却するとともに、該溶湯50の流れを乱すことで該溶湯50を撹拌する冷却撹拌部(冷却管21)を有しているので、冷却撹拌部によって溶湯50を一対のロール3a間に供する直前に半凝固化することができ、従ってロール3a間にて凝固する際の結晶粒の成長を抑えて製品品質を向上することができる。
また、冷却装置19の上に溶湯50を溜める溶湯溜め4を設け、溶融炉2と溶湯溜め4との間に溶湯供給管9を設け、溶湯供給管9の吐出口9bを、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の湯面50bより下方に位置させているので、反応が起こり易い湯面50bを形成する溶湯50をそのまま湯面50bまたはその近傍に残すことができ、従って湯面50bを形成していた溶湯50がロール3a間に流れて連続鋳造に供されることを防止することができる。よって、巨大な設備を用いることなく、鋳造前の溶湯50の反応を防止して得られる連続鋳造製品の品質低下を防止することができる。
特に、反応性が高いマグネシウムやその合金の連続鋳造をした場合にも、その反応を確実に防止できるため、軽くて強度が高いマグネシウム系板材を、良好な品質で製造することができる。
また、溶湯圧制御手段を設けているので、溶湯圧制御手段によって溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御することにより、冷却装置19を流れ出た半凝固物51の、一対のロール3aの周面への押し付け圧力を制御することができる。従って、この押し付け圧力を予め設定した高圧にして加圧鋳造することで、ロール3aから溶湯50への熱伝達率を高めて冷却効率を向上させ、さらに、この熱伝達率をロール3aの周面全体で均等にし、凝固を均等に起こして製品品質のむらをより少なくすることができる。
上記溶湯圧制御手段として、溶湯供給管9によって溶湯溜め4に供給する溶湯50の量を調整し、溶湯50の湯面50bをタワー部5内にて昇降させる溶湯供給装置を用いた場合には、溶湯50の水頭圧を良好に制御することができるため、一対のロール3aの周面に対する半凝固物51の押し付け圧力を精密に制御することができる。
上記溶湯圧制御手段として、タワー部5内の溶湯50の湯面50bの上方に不活性ガスを導入し、該タワー部5内の押し出し圧力を調整する不活性ガス供給装置6を用いた場合には、第2不活性ガス供給管11によって供給する不活性ガスの量を調整することにより、溶湯50の湯面50b上の内圧を制御することができ、これによって内圧が加えられる溶湯溜め4内の溶湯50の押し出し圧力を制御することができる。従って、一対のロール3aの周面に対する半凝固物51の押し付け圧力を精密に制御することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では双ロール3を、一対のロール3a、ロール3aが水平且つ同一高さに配置されるように構成したが、一対のロールを、鉛直方向の上下に配置してもよく、段違いに斜めに配置してもよい。
また、上記実施形態では冷却装置19の上に溶湯溜め4を配置し、溶湯溜め4に溜めた溶湯50を冷却装置19に供して予備冷却し、半凝固化した後、ロール3a間に供するようにしたが、溶湯溜め4を介することなく、溶融炉2から溶湯50を直接冷却装置19に供し、予備冷却した後、ロール3a間に供するようにしてもよい。その場合には、連続鋳造装置の装置構成を簡易にして装置コストを低減することができる。
また、上記実施形態の連続鋳造装置では、特にマグネシウム合金の連続鋳造に適用するものとしたが、本発明の連続鋳造装置はマグネシウム合金以外の非鉄金属またはその合金の連続鋳造にも好適に用いられる。
1…連続鋳造装置、2…溶融炉、3…双ロール、3a…ロール、4…溶湯溜め、9…溶湯供給管、19…冷却装置、21…冷却管(冷却撹拌部)、50…溶湯、50a…湯面、50b…湯面

Claims (3)

  1. 非鉄金属またはその合金を溶融させる溶融炉と、
    前記溶融炉から供給される非鉄金属またはその合金の溶湯を冷却し、連続鋳造する一対のロールからなる双ロールと、を備え、
    前記一対のロール間のギャップの上に、前記溶融炉から供給される溶湯を冷却して得られた冷却物を前記一対のロール間に供給する冷却装置が設けられ
    前記冷却装置の上に前記溶湯を溜める筒状の溶湯溜めが設けられ、
    前記溶融炉と前記溶湯溜めとの間に、前記溶湯を前記溶湯溜めに供給する溶湯供給管が設けられ、
    前記溶湯供給管は、その吐出口が前記溶湯溜めに溜められた溶湯の湯面より下方に位置させられていることを特徴とする連続鋳造装置。
  2. 前記冷却装置は、前記溶湯を冷却するとともに、該溶湯の流れを乱すことで該溶湯を撹拌する冷却撹拌部を有して形成されていることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造装置。
  3. 前記非鉄金属またはその合金がマグネシウムまたはその合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造装置。
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