JP6524688B2 - 連続鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造装置に関する。
従来、非鉄金属の連続鋳造技術として、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3には、易反応性金属であるマグネシウムの合金の、薄板の製造技術が開示されている。特許文献1には、ロールを鉛直方向に配置した水平鋳造の技術が開示されている。特許文献2には、一対の第1ロール間で鋳造された板材に、少なくとも一対の第2ロールによって圧力を加え、圧延して所定の厚さのマグネシウム系金属薄板を製造する技術が開示されている。特許文献3には、連続鋳造を行う装置全体をチャンバー(容器)に入れて雰囲気制御する技術が開示されている。
特開2012−193412号公報 特開2008−307542号公報 特開2003−266150号公報
ところで、非鉄金属の連続鋳造において、特に易反応性金属であるマグネシウム系の材料の双ロール連続鋳造、及び溶湯直接圧延では、鋳造前の液体状態における材料表面の酸化物や大気中の成分と結合した不純物が製品品質を低下させる要因となるため、鋳造前の液体材料(溶湯)の外気との反応防止が強く望まれている。また、液体材料が順次ロールと接触して冷却され凝固するので、得られる薄板の品質を所定の品質以上に維持するためにはロールへの熱伝達を均一化する必要があり、従って液体材料のロールへの押し付け圧力を精密に制御することも重要になっている。
しかしながら、特許文献1の技術では、溶解炉以外で液面が多く存在するため、大気中の成分と溶融金属とが反応した不純物が発生し、製品品質の低下が懸念される。また、ロールが鉛直方向に配置された水平鋳造であるため、液体材料のロールへの接触圧力が上ロールと下ロールとで異なることにより、液体材料のロールへの押し付け圧力を精密に制御するのが困難である。
特許文献2の技術でも、特に液体材料の液面を無くす工夫がないため表面の反応による製品品質の低下が懸念される。また、ロールに対する液体材料の押し付け圧力を制御する機能も有していないので、鋳造に伴って溶融金属の湯面が変化すると、その伝熱効果も変化して製品品質が低下してしまう。
特許文献3では、反応防止のために装置全体をチャンバーに入れて雰囲気制御を行っているため、設備が巨大となり、また大きな空間の雰囲気を制御するため雰囲気置換設備も大がかりとなり、従って設備コストが増大してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、設備コストを増大させることなく、液体材料(溶湯)の反応物がロール間に供給されるのを防止した連続鋳造装置を提供することを第1の目的としている。また、ロールに対する液体材料(溶湯)の押し付け圧力を精密に制御できるようにした連続鋳造装置を提供することを第2の目的としている。
本発明の連続鋳造装置は、易反応性非鉄金属またはその合金を溶融させる溶融炉と、上記溶融炉から供給される易反応性非鉄金属またはその合金の溶湯を冷却し、連続鋳造する一対のロールからなる双ロールと、を備え、上記一対のロール間のギャップの上に、上記溶湯を溜める筒状の溶湯溜めが設けられ、上記溶融炉と上記溶湯溜めとの間に、上記溶湯を上記溶湯溜めに供給する溶湯供給管が設けられ、上記溶湯供給管は、その吐出口が上記溶湯溜めに溜められた溶湯の湯面より下方に位置させられていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置においては、上記溶湯溜めに溜められた溶湯の押し出し圧力を制御する溶湯圧制御手段が設けられていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置においては、上記溶湯溜めの上に該溶湯溜めに連通する筒状のタワー部が接続され、上記溶湯圧制御手段は、上記溶湯供給管によって上記溶湯溜めに供給する溶湯の量を調整し、溶湯の湯面を上記タワー部内にて昇降させる溶湯供給装置によって構成されていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置においては、上記溶湯溜めの上に該溶湯溜めに連通する筒状のタワー部が接続され、上記溶湯圧制御手段は、上前記タワー部内の前記溶湯の湯面の上方に不活性ガスを導入し、該タワー部内の溶湯の押し出し圧力を調整する不活性ガス供給装置によって構成されていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置において、上記溶湯溜めには、該溶湯溜め内の溶湯の上記双ロールへの流れを整える整流装置(整流板、または分流箱など)が設けられていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置においては、上記一対のロール間の上で、かつ、上記溶湯溜めの下に、該溶湯溜めから供給される溶湯を上記一対のロール間のギャップに案内する案内孔を有するチャンバーブロックが、設けられており、上記チャンバーブロックは、上記一対のロールとの間に隙間をあけて該一対のロールに対して非接触で配置されていることを特徴とする。
また、上記連続鋳造装置においては、上記易反応性非鉄金属がマグネシウムであることを特徴とする。
本発明の連続鋳造装置によれば、溶融炉から溶湯供給管によって送られてきた溶湯を、溶湯溜めに溜められた溶湯の湯面より下方に位置させられた吐出口から溶湯溜め内に供給するので、反応が起こり易い湯面をそのままにして湯面を形成している溶湯がロール間に流れて連続鋳造に供されることを防止することができる。よって、設備コストを増大させることなく、液体材料(溶湯)の反応物がロール間に供給されるのを防止して得られる連続鋳造製品の品質低下を防止することができる。
本発明に係る連続鋳造装置の第1実施形態を模式的に示す側面図である。 双ロールの平面図である。 図1の要部断面図である。 溶湯溜めの平面図である。 本発明に係る連続鋳造装置の第2実施形態を模式的に示す側面図である。 図5の要部断面図である。
以下、図面を参照して本発明の連続鋳造装置を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明に係る連続鋳造装置の第1実施形態を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は連続鋳造装置である。この連続鋳造装置1は、易反応性非鉄金属またはその合金を溶融させる溶融炉2と、溶融炉2から供給される易反応性非鉄金属またはその合金の溶湯を冷却し、連続鋳造する一対のロール3aからなる双ロール3と、双ロール3上に配置された溶湯溜め4と、溶湯溜め4の上に配置されたタワー部5と、を備えて構成されている。
溶融炉2は、連続鋳造の対象となる易反応性非鉄金属またはその合金を溶融させる炉であり、溶融対象となる材料の融点を超える温度に加熱できる加熱装置(図示せず)を有している。また、溶融炉2には、その内部を気密に閉塞する蓋部2aが設けられている。そして、溶融した易反応性非鉄金属またはその合金、すなわち溶湯が酸素(空気)に接して反応するのを防止するため、溶融炉2にはその内部に不活性ガスを供給し、充填させる不活性ガス供給装置6が接続されている。
不活性ガス供給装置6は、不活性ガス供給源7と第1不活性ガス供給管8とを有しており、不活性ガス供給源7から供給される不活性ガスを、第1不活性ガス供給管8によって溶融炉2内の溶湯50の湯面50aより上に供給する。このように溶湯50の湯面50aを不活性ガスで覆うことにより、溶湯50は酸素(空気)と接触し、反応するのが防止されている。
また、溶融炉2にはその蓋部2aに溶湯供給管9が接続されており、溶融炉2は溶湯供給管9を介して溶湯50を導出し、双ロール3上の溶湯溜め4に送るように構成されている。溶湯供給管9は、蓋部2aを貫通して設けられ、その吸入口9aが、溶融炉2における溶湯50の湯面50aより充分下に配置されている。これによって溶湯供給管9には、湯面50aやその近傍に位置していない溶湯50、すなわち酸素(空気)に触れることで形成される反応物が含まれない溶湯50が、吸入される。
本実施形態では、溶湯供給管9に溶湯50を流入させ、双ロール3上の溶湯溜め4に送る溶湯供給装置として、上記の不活性ガス供給装置6が用いられる。不活性ガス供給装置6によって溶融炉2内の溶湯50の湯面50aを加圧することで、溶湯供給管9の吸入口9aに溶湯50を流入させ、溶湯溜め4に送ることができる。なお、溶融炉2内の溶湯50を溶湯供給管9により溶湯溜め4に送る溶湯供給装置としては、不活性ガス供給装置6に代えて、例えば電動モータを有する公知の圧送ポンプによって形成してもよい。
不活性ガス供給装置6の不活性ガス供給源7としては、6フッ化硫黄(SF)やアルゴン(Ar)などの不活性ガスを貯留するガスシリンダーやガスタンクと、必要に応じて設けられる圧送ポンプとによって形成される。
双ロール3は、一対のロール3aを水平且つ同一高さで所定のギャップを有して近接した状態に配置している。
また、双ロール3には、その平面図である図2に示すように、ロール長手方向の端面にそれぞれ堰12が設けられている。これら堰12は、一対のロール3a間のギャップ上に供給される溶湯50が、鋳造方向以外に流れ出ないようにシールしている。
なお、双ロール3の下流側には、一対のロール3aによって連続鋳造された板材を巻き取る巻取機(図示せず)が設けられている。
溶湯溜め4は、双ロール3を構成する一対のロール3a間の上、すなわち一対のロール3a間のギャップとその近傍の直上に配置されたもので、図1の要部断面図である図3に示すように溶湯50を溜めて流下させるため貫通孔13を有した筒状のものである。ここで、この溶湯溜め4は、溶湯溜め4の平面図である図4に示すように、その平面視形状が、ロール3aの回転軸O方向に沿う方向を長辺とし、この長辺に直交する方向を短辺とする矩形に形成されている。平面視形状における長辺の長さは、ロール3aの回転軸方向の長さとほぼ等しい長さに形成されている。平面視形状における短辺の長さは、ロール3aの径や回転速度等によって適宜に決められる。
溶湯溜め4には、図3に示すようにその一方の長辺側の側面に、溶湯供給管9が貫通して接続されている。溶湯供給管9は、その先端部が下方に向くように湾曲して形成されており、さらに先端にヘッダー14が設けられている。ヘッダー14は、図4に示すように貫通孔13の開口形状に対応して長細く形成されている。このように溶湯供給管9の先端部に貫通孔13の開口形状に対応したヘッダー14を設けておくことにより、貫通孔13の全域に溶湯50を均等に供給することができる。溶湯溜め4やタワー部5、冷却装置19などは、その場所で金属が凝固しないように加熱コイルや伝熱線などで加熱して液体の状態を保持するようにしている。ロール3aだけが溶融金属に対して温度が低くて凝固させる構造である。
また、このようにして供給された溶湯50が双ロール3側へ均等に流れるように、本実施形態では貫通孔13内に、その短辺方向に沿って平板状の整流板53が鉛直方向に立てられて複数設置されている。これにより、ヘッダー14から供給された溶湯50は、整流板53によって流れが整えられることで双ロール3側へ均等に流れ落ちる。
溶湯溜め4の上には、タワー部5が配設されている。タワー部5は、溶湯溜め4と同じ平面視矩形状の筒部15と、バッファー部16とから形成されている。筒部15は、その平面視形状が矩形で、溶湯溜め4より高さが充分に高く形成された筒体であり、溶湯溜め4と同じ平面視形状の貫通孔17を有している。貫通孔17は、溶湯溜め4の貫通孔13と同じ開口形状に形成されて、この貫通孔13に連通し、かつ連続して配置されている。従って、溶湯溜め4に溜められた溶湯50は、その湯面50bが溶湯溜め4の貫通孔13を上昇して、筒部15の貫通孔17内まで達している。
バッファー部16は、筒部15の上端に配置されて、筒部15の貫通孔17の上端側開口を気密に塞ぐもので、内部に筒部15の貫通孔17に連通する空間部18を有している。バッファー部16は、短辺方向の長さ、すなわちロール3aの回転軸Oと直交する方向の長さが、筒部15より長く形成されており、従って空間部18の平面視した面積は、貫通孔17の平面視した面積より大きくなっている。これにより、溶湯溜め4に供給されて溜められた溶湯50の量が急激に増加し、その湯面50bが急上昇しても、溶湯50がバッファー部16の空間部18内に流入することで湯面50bの急上昇が抑えられるようになっている。
また、バッファー部16には、その上蓋16aに第2不活性ガス供給管11が接続している。第2不活性ガス供給管11は、図1に示した不活性ガス供給源7に接続されて、不活性ガス供給源7から供給された不活性ガスをバッファー部16の空間部18内に送る。空間部18内に送られてきた不活性ガスは筒部15の貫通孔17に位置する溶湯50の湯面50bを覆うことにより、溶湯50は酸素(空気)と接触し、反応するのが防止されている。また、バッファー部16の上蓋16aには圧力制御弁56が設けられており、これによってバッファー部16内の圧、すなわち溶湯50の湯面50b上の内圧が調整可能になっている。さらに、バッファー部16の上蓋16aには圧力計57が設けられており、これによってバッファー部16内の圧(溶湯50の湯面50b上の内圧)が検出可能になっている。
なお、第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6により、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の圧を制御することができる。
また、上述した第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)によっても、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の圧を制御することができる。このような第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)と、第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6とのいずれか一方、あるいは両方により、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の圧を制御する本発明に係る溶湯圧制御手段が構成される。
本実施形態では、図3に示すように溶湯溜め4の下で、一対のロール3a間のギャップ上に、冷却装置19が配設されている。冷却装置19は、四角筒体であり、貫通孔20を有している。貫通孔20は溶湯溜め4の貫通孔13に連通し、かつ連続して配置されている。従って、溶湯溜め4に溜められた溶湯50は、溶湯溜め4の貫通孔13を流れ落ちて冷却装置19の貫通孔20を通り、一対のロール3a間のギャップ上に供されるようになっている。
冷却装置19は、一対のロール3aの周面に対して僅かな隙間をあけて配置されている。溶湯50(半凝固物51)は冷却装置19で冷却されて半凝固化された後、直ちに一対のロール3aの周面にて冷却されるため、ほとんど外気(酸素)に触れることなく、従って反応することなく、連続鋳造される。ただし、一対のロール3a上での反応を防止するため、上記の不活性ガス供給源7から第3の不活性ガス供給管(図示せず)を介して不活性ガスを一対の堰12間に供給し、一対のロール3aのギャップ上を不活性雰囲気にしてもよい。このようにギャップ上を不活性雰囲気にすることにより、冷却装置19を流れ出た半凝固物51がギャップ上にて反応するのを確実に防止することができる。
第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6を溶湯圧制御手段として機能させる場合には、第2不活性ガス供給管11によってバッファー部16内に供給する不活性ガスの量を調整する。これにより、バッファー部16内の圧、すなわち溶湯50の湯面50b上の内圧を制御し、この内圧が加えられる溶湯溜め4内の溶湯50の圧を制御することができる。このような内圧の制御は、バッファー部16に設けた圧力計57及び圧力制御弁56を利用することによって精度良く行うことができる。従って、一対のロール3aの周面に対する溶湯50(半凝固物51)の押し付け圧力を精密に制御することができる。
また、第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)を溶湯圧制御手段として機能させる場合には、第1不活性ガス供給管8によって溶融炉2に供給する不活性ガスの量を調整し、溶湯供給管9を介して溶湯溜め4に送る溶湯50の量を制御する。これにより、タワー部5内での溶湯50の湯面50bを昇降させ、タワー部5、溶湯溜め4、及び冷却装置19内に溜められた溶湯50の水頭圧を制御することができる。従って、一対のロール3aの周面に対する溶湯50(半凝固物51)の押し付け圧力を精密に制御することができる。
このような構成の連続鋳造装置1によって連続鋳造を行うには、まず、溶融炉2内においてマグネシウム合金を溶融させる。そして、得られた溶湯50を溶湯供給管9によって溶湯溜め4の貫通孔13内に供給する。溶湯供給管9によって溶湯溜め4に供給される溶湯50は、流れ落ちる溶湯50よりも多く供給することにより、その湯面50bに位置するように溜める。これにより、溶湯供給管9の吐出口9bは溶湯50の湯面50bより下方に位置することとなり、溶融炉2から溶湯供給管9によって気密な状態で送られてきた溶湯50は、反応が起こり易い湯面50bを形成する溶湯50をそのまま湯面50bまたはその近傍に残して、湯面50bより下方に流入し、貫通孔13を通って冷却装置19に流れ落ちる。
このようにして溶湯溜め4内に溶湯50を供給した際、上述の溶湯圧制御手段、すなわち第1不活性ガス供給管8と不活性ガス供給源7とを有してなる溶湯供給装置(不活性ガス供給装置6)、または第2不活性ガス供給管11と不活性ガス供給源7とを有してなる不活性ガス供給装置6により、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の圧を制御する。これにより、上述したように一対のロール3aの周面に対する半凝固物51の押し付け圧力が、予め設定された高圧に精密に制御される。また、溶湯50の湯面50bがタワー部5の筒部15内に位置させられているので、溶湯溜め4に溜められた溶湯50に対して充分に大きい水頭圧がかかっており、従って半凝固物51の押し付け圧力が大きく変動することなく安定している。
冷却装置19に流れ落ちた溶湯50は、冷却管等によって冷却され、かつ、撹拌されることにより、半凝固化される。そして、形成された半凝固物51は周回する一対のロール3a間のギャップに案内される。このようにしてギャップに案内された溶湯50(半凝固物51)は、精密に制御された押し付け圧力でロール3aの周面に押し出され、ロール3a間のギャップを通ることにより、凝固して連続鋳造され、板材に形成される。従って、得られた板材を巻き取り、その後両サイドの耳部をカットして所望寸法に形成することにより、製品、または半製品としての板材が得られる。
本実施形態の連続鋳造装置1によれば、溶融炉2から溶湯供給管9によって送られてきた溶湯50を、溶湯溜め4に溜められた溶湯50の湯面50bより下方に位置させられた吐出口9bから溶湯溜め4内に供給するので、反応が起こり易い湯面50bをそのままにして湯面50bを形成している溶湯50がロール3a間に流れて連続鋳造に供されることを防止することができる。よって、比較的簡易な構成であるため、溶湯50(液体材料)の反応物がロール3a間に供給されるのを防止して得られる連続鋳造製品の品質低下を防止することができる。
特に、反応性が高いマグネシウムやその合金の連続鋳造をした場合にも、その反応を確実に防止できるため、軽くて強度が高いマグネシウム系板材を、良好な品質で製造することができる。
また、溶湯圧制御手段を設けているので、溶湯圧制御手段によって溶湯溜め4に溜められた溶湯50の押し出し圧力を制御することにより、冷却装置19を流れ出た半凝固物51の、一対のロール3aの周面への押し付け圧力を制御することができる。従って、この押し付け圧力を予め設定した高圧にして加圧鋳造することで、ロール3aから溶湯50への熱伝達率を高めて冷却効率を向上させ、さらに、この熱伝達率をロール3aの周面全体で均等にし、凝固を均等に起こして製品品質のむらをより少なくすることができる。
上記溶湯圧制御手段として、溶湯供給管9によって溶湯溜め4に供給する溶湯50の量を調整し、溶湯50の湯面50bをタワー部5内にて昇降させる溶湯供給装置を用いた場合には、溶湯50の水頭圧を良好に制御することができるため、一対のロール3aの周面に対する半凝固物51の押し付け圧力を精密に制御することができる。
上記溶湯圧制御手段として、タワー部5内の溶湯50の湯面50bの上方に不活性ガスを導入し、該タワー部5内の溶湯50の押し出し圧力を調整する不活性ガス供給装置6を用いた場合には、第2不活性ガス供給管11によって供給する不活性ガスの量を調整することにより、溶湯50の湯面50b上の内圧を制御することができ、これによって内圧が加えられる溶湯溜め4内の溶湯50の押し出し圧力を制御することができる。従って、一対のロール3aの周面に対する半凝固物51の押し付け圧力を精密に制御することができる。
また、溶湯溜め4に整流板53を設けているので、ヘッダー14から供給された溶湯50の流れを整えて双ロール3側へ均等に流すことができ、従って得られる板材の品質むらを防止することができる。
また、一対のロール3a間の上に、溶湯50を冷却する冷却装置19を設けているので、冷却装置19で予備冷却した半凝固物51を一対のロール3aからなる双ロール3へ確実に流し込むことができ、従って例えば幅広の板材についてもその連続鋳造を容易に行うことができる。
次に、本発明に係る連続鋳造装置の第2実施形態を説明する。図5は、本発明に係る連続鋳造装置の第2実施形態を模式的に示す側面図であり、図5中符号30は連続鋳造装置である。この連続鋳造装置30が図1に示した連続鋳造装置1と異なるところは、双ロール3からの溶湯50の漏れ出しを防止するために、堰12に代えてチャンバーブロック31を設けた点にある。
チャンバーブロック31は、双ロール3を構成する一対のロール3a、ロール3a間の上に配置されたもので、その平面視形状が矩形に形成された筒体である。従って、チャンバーブロック31にも、図6に示すように溶湯溜め4の貫通孔13や冷却装置19の貫通孔20と同じ平面視形状の案内孔32が形成されている。
このチャンバーブロック31は、一対のロール3a、ロール3aとの間に隙間をあけてこれらロール3aに対して非接触で配置されている。そして、この非接触が維持された状態で冷却装置19に固定されている。
案内孔32は、冷却装置19の貫通孔20と同じ開口形状に形成されて、この貫通孔20に連通し、かつ連続して配置されている。従って、溶湯溜め4に溜められ、冷却装置19を通って半凝固化された溶湯50(半凝固物51)は、チャンバーブロック31の案内孔32を流れ落ちて一対のロール3a間のギャップ上に供されるようになっている。
図5に示すようにチャンバーブロック31の側板部31a、すなわちロール3aの回転軸O方向における両端面に平行に配置されてチャンバーブロック31の平面視形状における短辺を形成する側板部31aは、その下側がロール3aの周面に沿って狭まるように形成され、下端が一対のロール3a間のギャップに近接して配置されている。
チャンバーブロック31の側板部31a、側板部31bは、その下端面、すなわちロール3aの周面に対向する面が隙間をあけてロール3a上に配置されている。これにより、上述したようにチャンバーブロック31は、一対のロール3aに対して非接触で配置されている。チャンバーブロック31とロール3aとの間の隙間は、この隙間によってチャンバーブロック31とロール3aとの間のシール性が充分に確保されるように形成される。
このような構成の連続鋳造装置30によって連続鋳造を行う場合、特に溶湯50を一対のロール3a間のギャップに案内するチャンバーブロック31を、これらロール3aとの間に隙間をあけてロール3aに対して非接触で配置しているので、例えば第1実施形態のように堰12をロール3aの端面に設けることで堰12が消耗したり、ロール3a自体が消耗するといったことが防止される。また、堰12をロール3aの端面に設けることでこれらの間に不純物や気泡を巻き込み易くなり、得られる板材40の品質が低下してしまう、といったおそれも無くなる。
従って、本実施形態の連続鋳造装置30によれば、チャンバーブロック31と一対のロール3aとの間のシール構造を、これらチャンバーブロック31や一対のロール3aの摩耗による消耗を生じさせることなく形成できるので、易反応性非鉄金属やその合金を安定した品質で生産性を低下させることなく連続鋳造することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では双ロール3を、一対のロール3a、ロール3aが水平且つ同一高さに配置されるように構成したが、一対のロールを、鉛直方向の上下に配置してもよく、段違いに斜めに配置してもよい。
また、上記実施形態では溶湯溜め4の下に冷却装置19を配置し、冷却装置19により溶湯50を予備冷却して半凝固化し、ロール3a間に供するようにしたが、冷却装置19を介することなく、溶湯溜め4から直接、又はチャンバーブロック31を介して溶湯50をロール3a間に供するようにしてもよい。その場合には、連続鋳造装置の装置構成を簡易にして装置コストを低減することができる。
また、上記実施形態の連続鋳造装置では、特にマグネシウム合金の連続鋳造に適用するものとしたが、本発明の連続鋳造装置はマグネシウム合金以外の易反応性非鉄金属またはその合金の連続鋳造にも好適に用いられる。
1、30…連続鋳造装置、2…溶融炉、3…双ロール、3a…ロール、4…溶湯溜め、5…タワー部、6…不活性ガス供給装置(溶湯供給装置)、7…不活性ガス供給源、8…第1不活性ガス供給管、9…溶湯供給管、11…第2不活性ガス供給管、15…筒部、16…バッファー部、19…冷却装置、31…チャンバーブロック、32…案内孔、50…溶湯、50a…湯面、50b…湯面

Claims (6)

  1. マグネシウムまたはその合金を溶融させる溶融炉と、
    前記溶融炉から供給されるマグネシウムまたはその合金の溶湯を冷却し、連続鋳造する一対のロールからなる双ロールと、を備え、
    前記一対のロール間のギャップの上に、前記溶湯を溜める筒状の溶湯溜めが設けられ、
    前記溶融炉と前記溶湯溜めとの間に、前記溶湯を前記溶湯溜めに供給する溶湯供給管が
    設けられ、
    前記溶湯供給管は、その吐出口が前記溶湯溜めに溜められた溶湯の湯面より下方に位置していることを特徴とする連続鋳造装置。
  2. 前記溶湯溜めに溜められた溶湯の押し出し圧力を制御する溶湯圧制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造装置。
  3. 前記溶湯溜めの上に該溶湯溜めに連通する筒状のタワー部が接続され、
    前記溶湯圧制御手段は、前記溶湯供給管によって前記溶湯溜めに供給する溶湯の量を調整し、溶湯の湯面を前記タワー部内にて昇降させる溶湯供給装置によって構成されていることを特徴とする請求項2記載の連続鋳造装置。
  4. 前記溶湯溜めの上に該溶湯溜めに連通する筒状のタワー部が接続され、
    前記溶湯圧制御手段は、前記タワー部内の前記溶湯の湯面の上方に不活性ガスを導入し、該タワー部内の溶湯の押し出し圧力を調整する不活性ガス供給装置によって構成されていることを特徴とする請求項2記載の連続鋳造装置。
  5. 前記溶湯溜めには、該溶湯溜め内の溶湯の前記双ロールへの流れを整える整流装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の連続鋳造装置。
  6. 前記一対のロール間の上で、かつ、前記溶湯溜めの下に、該溶湯溜めから供給される溶湯を前記一対のロール間のギャップに案内する案内孔を有するチャンバーブロックが、設けられており、
    前記チャンバーブロックは、前記一対のロールとの間に隙間をあけて該一対のロールに対して非接触で配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の連続鋳造装置。
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