JP6524476B2 - 搬送装置、現像装置、画像形成装置、及び搬送装置の開口形成方法 - Google Patents

搬送装置、現像装置、画像形成装置、及び搬送装置の開口形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、搬送装置、現像装置、画像形成装置、及び搬送装置の開口形成方法に関し、より詳細には、現像装置の現像容器内で現像剤を搬送する搬送装置、その搬送装置を備えた現像装置、その現像装置を備えた画像形成装置、及び搬送装置の開口形成方法に関する。
従来から、二成分現像剤を供給、排出することで、その現像剤に含まれる劣化したキャリアを入れ替えるようにした現像装置が用いられている。この現像装置における現像方式はトリクル現像方式と呼ばれる。
トリクル現像方式の現像装置は、トナーにキャリアを一定の比率で混合させておき、トナーと同時に新しい未使用のキャリアを現像装置が有する現像容器内に補給し、劣化したキャリアを現像容器に設けられたトリクル排出口から排出させる。これにより、劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられる。
例えば、特許文献1には、補給した現像剤を循環させながら排出する現像装置が開示されている。この現像装置は、トナーとキャリアを含む現像剤が収容される現像剤収容容器を備え、仕切壁によって第1収容部と第2収容部をその両端側の連通部で互いに連通させ、第1収容部に配設される第1搬送部材と、第2収容部に配設される第2搬送部材とにより、収容された現像剤を攪拌しながら循環移動させる。ここでは現像剤収容容器は、収容される現像剤が基準量を超えることにより現像剤を排出可能な排出機構と、現像剤の循環経路上の排出機構の上流側に、流路断面積を可変とする流路断面積調整機構とを備える。
特開2010−139924号公報
現像装置は、現像剤を撹拌しながら搬送し、補給されてきた現像剤を現像装置内の現像剤中に混合させて速やかに一様に帯電させる搬送部材と、現像ローラとが現像容器内に設けられる。そして搬送部材によって現像剤を撹拌しながら搬送し、現像ローラに供給することで、現像ローラから感光体ドラムに現像剤を供給して画像形成を行う。現像剤の使用により劣化したキャリアは、現像容器に設けられたトリクル排出口から排出される。
このような現像装置では、現像ローラが回転することにより、現像容器内の内圧が上がり、トリクル排出口から現像容器外にエアーが吹き出して、これとともに現像容器内の現像剤が吹き出す場合がある。この場合、現像容器内の現像剤が必要以上に減少し、画像形成された画像に不具合が発生する。
例えば現像容器には、搬送部材ないし現像ローラの上面側を覆うカバーが設けられ、そのカバーによって現像容器外への現像剤の飛散が防止される。現像ローラは、現像容器に設けられた開口を介して像担持体である感光体ドラムに対向配置され、感光体ドラムに対して現像剤を供給する。このような現像装置では、現像ローラの回転に伴い、現像容器の外部から現像容器内へエアーが送り込まれるため、現像容器内の内圧が徐々に上昇してしまう。このことで、現像剤の飛散が著しく発生し、これを防止するため、現像ローラを感光体ドラムに対向させるための開口部分にも、感光体ドラムと現像容器のカバーとの隙間を覆うようなトナー飛散防止シートが設置されるものあり、この場合には現像容器内の密閉性はさらに高くなり、内圧上昇が一気に招来される要因となる。
そして上記の現像ローラの回転に起因する内圧上昇に伴い、トリクル排出口からエアーが吹き出す現象が生じる。例えば現像容器のカバーには、現像容器内の内圧の上昇を低減させるためにフィルタを備えた開口が設けられるが、そのフィルタからのエアーの排出だけでは、充分に現像容器内の圧力を低減できない場合、トリクル排出口からエアーが吹き出し、このときに現像容器内の現像剤がエアーとともに現像容器外に吹き出し、飛散してしまう。例えば、現像ローラの回転速度が速くなればなるほど、現像容器内の内圧上昇が一気に引き起こされてしまう。この場合、現像容器内の現像剤が必要以上に減少し、画像形成された画像に不具合が発生する。
上記のようなトリクル排出口からのエアーの吹き出しは、現像剤の現像容器内への補給開始から比較的短時間の間で発生することが多いため、従来の現像装置では、現像容器に設ける現像剤の補給口と、劣化したキャリアを排出するトリクル排出口との距離を比較的長くとるように構成していた。例えば、搬送部材が設けられる搬送路の長手方向の両端側にそれぞれ補給口とトリクル排出口とを設ける構成がとられていた。この場合、現像剤の補給口とトリクル排出口との距離をとる必要があるために、現像剤の補給口とトリクル排出口の配置位置に基づく設計上の制約を受ける場合があった。
また、補給口とトリクル排出口を近接させて設ける構成の現像装置もあるが、このような現像装置では、補給口とトリクル排出口との距離が近いことから、補給口から補給した未使用の現像剤がそのままトリクル排出口に流れ込んで排出されてしまう場合があった。 特許文献1に記載の現像装置についても、現像剤の補給口と排出口は比較的近い位置に設けられるため、同様の問題が生じる可能性がある。また、特許文献1は、現像剤の流路断面積を調整することにより、現像剤の排出量を調整するものであるが、現像容器内の内圧上昇に伴うトリクル排出口からのエアーの吹き出しにより現像剤が必要以上に減少する、という課題に関しては、何ら考慮されていない。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、トリクル現像方式を採用するに際し、現像剤の補給口とトリクル排出口の配置位置に基づく設計上の制約を受けることなく、トリクル排出口からのエアーの吹き出しを防止し、現像容器内の現像剤量を長期に亙って、絶えず均一に維持できるようにした搬送装置、その搬送装置を備えた現像装置、その現像装置を備えた画像形成装置、及び搬送装置の開口形成方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、第1搬送路及び第2搬送路を平行に配設し、該第1搬送路と該第2搬送路の両端部分に設けた連通口を介して現像剤を循環させる搬送装置であって、前記第1搬送路において前記現像剤を撹拌しながら搬送する第1搬送部材と、前記第2搬送路において前記現像剤を撹拌しながら前記第1搬送部材とは逆向きに搬送する第2搬送部材と、前記第2搬送路に接続された第3搬送路と、前記第3搬送路内の前記現像剤を、前記第2搬送部材とは逆向きに搬送する第3搬送部材と、前記第3搬送路の内部空間と前記搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成部とを有し、該開口形成部を動作させることにより、前記第3搬送路内に現像剤を補給する所定の補給口と、前記現像剤を前記第3搬送路から下方に排出する所定の排出口のいずれか一方でのみ、前記開口を形成し、前記補給口で前記開口を形成する状態と、前記排出口で前記開口を形成する状態とを切り換える、ことを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記第3搬送路を形成する壁部に、前記補給口と前記排出口とが設けられ、前記開口形成部は、前記壁部の外周面を摺動し、前記第3搬送部材の軸心を中心として回動し、該開口形成部は、周方向の1か所に貫通孔を有し、該開口形成部を回動させることにより、前記貫通孔を、前記補給口の位置と、前記排出口の位置のいずれかに切り換えることより、前記排出口と前記補給口のいずれか一方でのみ、前記開口を形成する、ことを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記第3搬送路を形成する壁部に、前記補給口と前記排出口とが設けられ、前記開口形成部は、前記補給口と前記排出口のそれぞれについて、前記開口を形成するシャッター機構を備えたシャッター開閉部として構成され、前記シャッター開閉部は、前記補給口と前記排出口のいずれか一方でのみ、前記開口を形成する、ことを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記開口形成部は、前記補給口で前記開口を形成してから所定時間経過後に、前記排出口で前記開口を形成する状態に切り換える、ことを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第4のいずれか1の技術手段において、前記第1搬送部材、前記第搬送部材、及び前記第3搬送部材は、前記補給口に前記開口が形成されたときに、前記現像剤を搬送する方向を逆にする、ことを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記第1搬送部材、前記第搬送部材、及び前記第3搬送部材は、前記現像剤を搬送する方向を逆にした後、前記所定時間経過後に、前記現像剤を搬送する方向を、前記逆にする前の元の方向に戻すこと、を特徴としたものである。
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段の搬送装置と、現像剤担持体と、を備えた現像装置であって、前記第2搬送部材により前記現像剤担持体に前記現像剤を供給することを特徴とした現像装置である。
第8の技術手段は、第7の技術手段の現像装置と、 該現像装置により供給された現像剤により記録媒体に画像形成する画像形成部と、を備えることを特徴とした画像形成装置である。
第9の技術手段は、第1搬送路及び第2搬送路を平行に配設し、該第1搬送路と該第2搬送路の両端部分に設けた連通口を介して現像剤を循環させる搬送装置が実行する搬送装置の開口形成方法であって、前記第1搬送路において前記現像剤を撹拌しながら搬送する第1搬送部材と、前記第2搬送路において前記現像剤を撹拌しながら前記第1搬送部材とは逆向きに搬送する第2搬送部材と、前記第2搬送路に接続された第3搬送路と、該第3搬送路内の前記現像剤を、前記第2搬送部材とは逆向きに搬送する第3搬送部材と、該第3搬送路の内部空間と前記搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成部とを有する前記搬送装置が、前記開口形成部を動作させることにより、前記第3搬送路内に現像剤を補給する所定の補給口と、前記現像剤を前記第3搬送路から下方に排出する所定の排出口のいずれか一方でのみ、前記第3搬送路の内部空間と前記搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成ステップを有し、該開口形成ステップは、前記補給口で開口を形成してから所定時間経過後に、前記排出口で前記開口を形成する状態に切り換えるステップを含む、ことを特徴とした搬送装置の開口形成方法である。
本発明によれば、トリクル現像方式を採用するに際し、現像剤の補給口とトリクル排出口の配置位置に基づく設計上の制約を受けることなく、トリクル排出口からのエアーの吹き出しを抑制し、現像容器内の現像剤量を長期に亙って、絶えず均一に維持できるようにした搬送装置、その搬送装置を備えた現像装置、その現像装置を備えた画像形成装置、及び搬送装置の開口形成方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る搬送装置を備えた現像装置の一構成例を示す斜視図である。 図1Aの現像装置を紙面上側から見た側面図である。 図1Bの現像装置におけるA−A断面図である。 図1Bの現像装置におけるB−B断面図である。 図2Aの現像装置における紙面右端部分の拡大図である。 図2Bの現像装置における紙面右端部分の拡大図である。 図3Aの現像装置におけるC−C断面図である。 第3搬送路を構成する凸部の外観を概略的に示す図である。 回動部により開閉される補給口と排出口の状態を第3搬送部材の軸方向から見た概略構成図である。 回動部により開閉される補給口と排出口の状態を第3搬送部材の軸方向から見た他の概略構成図である 本発明に係る実施形態の要部の機能を説明するためのブロック図である。 第2の実施形態における第3搬送路側端部の拡大図である。 第2の実施形態における第3搬送路側端部の他の拡大図である。 第2の実施形態における第3搬送路を構成する凸部の外観を概略的に示す図である。 第2の実施形態におけるシャッター機構により開閉される補給口と排出口の状態を説明するための図である。 第2の実施形態におけるシャッター機構により開閉される補給口と排出口の状態を説明するための他の図である。 本発明の第3の実施形態の要部の機能を説明するためのブロック図である。 本発明に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
本発明に係る実施形態は、トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を用い、現像装置が有する現像容器に現像剤を供給し、その現像剤に含まれる劣化したキャリアを排出するトリクル現像方式を適用した搬送装置、現像装置及び画像形成装置として構成される。トリクル現像方式の現像装置は、現像装置が有する現像容器に設けられた補給口から、新しい未使用のキャリアを含む現像剤を現像容器内に補給しつつ、補給した現像剤を撹拌しながら搬送して現像容器内の現像剤中に混合させて速やかに一様に帯電させる。そして帯電させた現像剤が現像ローラに担持され、感光体ドラムの潜像にトナーが移行されて現像される。現像後には、現像剤が現像容器内へと回収され、劣化したキャリアが現像容器に設けられたトリクル排出口から排出される。これにより、劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられる。
本発明に係る実施形態では、このようなトリクル現像方式により現像剤を撹拌しながら搬送する現像装置の現像容器において、トリクル現像方式を採用するに際し、現像剤の補給口とトリクル排出口の配置位置に基づく設計上の制約を受けることなく、現像ローラの回転に起因する現像容器の内圧上昇に伴うトリクル排出口からのエアーの吹き出しと、それによる現像剤の必要以上の減少を防止する構成を備える。
以下、本発明の様々な実施形態に係る搬送装置、その搬送装置を備えた現像装置、並びにその現像装置を備えた画像形成装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1A〜図5を参照しながら説明する。図1Aは本発明の第1の実施形態に係る搬送装置を備えた現像装置の一構成例を示す斜視図で、図1Bは図1Aの現像装置を紙面上側から見た側面図である。また、図2A、図2Bはそれぞれ、図1Bの現像装置におけるA−A断面図、B−B断面図であり、図3A、図3Bはそれぞれ、図2A、図2Bの現像装置における紙面右端部分の拡大図である。また、図4は、図3Aの現像装置におけるC−C断面図である。
図1A〜図4で例示する現像装置1は、第1搬送路10a及び第2搬送路10bを平行に配設し、第1搬送路10aと第2搬送路10bの両端部分に設けた連通口(スリット)10aa,10abを介して現像剤(図示せず)を循環させる装置である。現像剤としては、トナー及びキャリアを混合した二成分現像剤が貯留されるものとする。キャリアは、鉄粉やフェライトのような磁性材料である。
第1搬送路10aと第2搬送路10bとの間は、連通口10aa,10abを除いて隔壁10dで仕切られている。図2Aでは、隔壁10dの他に隔壁10daも図示しているが、隔壁10daは隔壁10dに連なり形状が異なる隔壁である。
第1搬送路10a及び第2搬送路10b等を形成するための現像装置1の筐体は、現像容器と呼ばれ、図中、符号10で示している。なお、図1Aでは後述の第1搬送部材11及び第2搬送部材12との混同を避けるために符号10a,10b等の一部の符号を付していない。現像容器10の詳細については後述する。
現像装置1は、現像容器10内に、図1A等で図示したように現像ローラ(マグネットローラ)15を備える。現像ローラ15は、第2搬送部材12の鉛直方向の上方に配設される。現像ローラ15は、現像剤担持体として機能し、画像形成装置において感光体ドラム(図示せず)と対向する位置に配置される。現像ローラ15は、現像容器10内の現像剤を表面に担持して、担持した現像剤に含まれるトナーをその感光体ドラムの表面に供給する。これにより、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像(顕像化)される。
なお、図1A〜図4での図示は省略するが、現像ローラ15の表面に対して所定の間隙を有してドクターブレードが現像容器10に固定される。ドクターブレードは、現像ローラ15の軸部15bの方向に延びる板状の部材である。ドクターブレードによって、現像ローラ15に担持される現像剤の量が所定量に規制される。
なお、実際の現像容器10には、現像容器10の鉛直方向の上方において、後述する第1搬送部材11や第2搬送部材12、及び現像ローラ15を覆うカバー部材が設けられているが、図1Aにおいてはこのカバー部材の一部を省略している。また、現像装置1にはトナー濃度検知センサも含まれるが、図1A等においてはこれらも省略している。
また、現像装置1から現像ローラ15、ドクターブレード(及びトナー濃度検知センサ)を除いたものは、現像剤を搬送する搬送装置と呼ばれることがあり、この搬送装置が本発明に係る搬送装置に該当する。つまり、本発明に係る現像装置は、本発明に係る搬送装置と現像剤担持体とを備えた装置であり、後述する第2搬送部材12により現像ローラ15に現像剤を供給する。
現像容器10には、第2搬送路10bにおける現像剤の搬送方向の上流側に、第2搬送路10bに接続された第3搬送路10cが配設されている。第3搬送路10cは、図示したように、第2搬送路10bの右端に接続された凸部10eの内部空間として形成されている。凸部10eは、その軸方向位置が第1搬送路10aの紙面右端と比べて突出するように設けられている。
そして本実施形態の特徴として、凸部10eには、現像剤を下方向に排出するための排出口と、現像容器10内に現像剤を補給するための補給口とが設けられ、これらのいずれか一方でのみ、第3搬送路10cの内部空間と搬送装置の外部とが連通する開口を形成し、この開口を形成する位置を、補給口と排出口とで切り換えるように構成される。
これにより現像剤の補給口と、現像剤の排出口との両方で、第3搬送路10cの内部空間が搬送装置の外部に連通する開口を形成することはなく、現像容器10の内圧上昇による排出口からのエアーの吹き出しを防止することができる。この補給口と排出口のいずれか一方でのみ開口を形成するための具体的な構成例及びその作用については後述する。
現像装置1は、現像剤を補給した後循環させ、排出口から現像剤を排出するようになっている。このような現像剤の循環及び排出のために、現像装置1は、現像容器10の内部に、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13を備える。第1搬送部材11は、第1搬送路10aにおいて現像剤を撹拌しながら搬送する。また、第2搬送部材12は、第2搬送路10bにおいて現像剤を撹拌しながら第1搬送部材11とは逆向きに搬送する。さらに第3搬送部材13は、第3搬送路10cにおいて第2搬送部材12とは逆向きに現像剤を搬送する。これら第1搬送部材11、第2搬送部材12、および第3搬送部材13は、現像剤を搬送する搬送スクリューとして構成されるが、搬送スクリューに限定されることなく、例えは、羽根部材であってもよい。以下の本発明に係る実施形態では、第1搬送部材11、第2搬送部材12、および第3搬送部材13は、基本的には搬送スクリューとして構成されてものとして説明する。
本実施形態では、第1搬送部材11は、第1搬送路10aにおいて現像剤を撹拌しながら搬送する搬送スクリューとして構成されている。この搬送スクリューは、軸部11bの周囲に螺旋状に羽根部11aが形成されたオーガースクリューである。羽根部11aは、搬送翼又はスクリュー羽根とも呼べる。羽根部11a及び軸部11bは樹脂により一体成型されているか、若しくは軸部11bの一部又は全部に金属が用いられる。
第1搬送路10aに設けられた第1搬送部材11は、連通口10aaを介して第2搬送路10b側から押し出された現像剤を、連通口10abに向けて搬送し、連通口10abを介して第2搬送路10bに押し出す。ここで、第1搬送路10aを搬送された現像剤は、第1搬送路10aの搬送方向の下流端で、当該下流端に滞留する現像剤や現像容器10の壁(内側壁)に衝突する。従って、現像剤は、第1搬送路10aの搬送方向の下流端で滞留し、連通口10abから第2搬送路10bに押し出される。
第1搬送部材11には、現像剤の搬送方向の下流端(図2A,図3Aの紙面右端部)において、羽根部11aとは逆巻きの羽根部11cが設けられている。羽根部11cは、図3A等で示したように、羽根部11aと比べてそのピッチが短く、且つ現像剤を押す面(羽根の表面の一方)と軸部11bとがなす角度がより直角に近くなっている。このような逆巻きの羽根部11cを設けることで、現像剤の搬送の勢いを低減させることができる。逆巻の羽根部11cのピッチや角度や軸方向長さは、現像剤の量や搬送部材の回転数を変えて現像剤の搬送が所望の勢いになるように決めればよい。
第2搬送部材12は、第2搬送路10bにおいて現像剤を撹拌しながら第1搬送部材11とは逆向きに搬送する搬送スクリューとして構成される。この搬送スクリューも第1搬送部材11と同様に、軸部12bの周囲に螺旋状に羽根部12aが形成されたオーガースクリューである。羽根部12a及び軸部12bは樹脂により一体成型されているか、若しくは軸部12bの一部又は全部に金属が用いられる。
第2搬送路10bに設けられた第2搬送部材12は、現像剤担持体である現像ローラ15に現像剤を供給する。ここで、第2搬送路10bを搬送された現像剤は、第2搬送路10bの搬送方向の下流端で、当該下流端に滞留する現像剤や現像容器10の壁(内側壁)に衝突する。従って、現像剤は、第2搬送路10bの搬送方向の下流端で滞留され、連通口10aaから第1搬送路10aに押し出される。
ここで例示する第2搬送部材12には、現像剤の搬送方向の下流端(図2Aの紙面左端部)において、羽根部12aとは逆巻きの羽根部12cが設けられている。羽根部12cと羽根部12aとの違いは、羽根部11cと羽根部11aとの違いと同様である。このような逆巻きの羽根部12cを設けることで、現像剤の搬送の勢いを低減させることができる。そのピッチや角度や軸方向長さは、現像剤の量や搬送部材の回転数を変えて現像剤の搬送が所望の勢いになるように適宜設定することができる。
第1搬送部材11及び第2搬送部材12を構成する搬送スクリューは、現像剤を搬送するとともに撹拌を行うため、撹拌・搬送スクリューとも呼べる。現像容器10内では、第1搬送部材11及び第2搬送部材12は、それぞれ軸部11b,12bを中心に回転可能に設けられ、図1Aや図2Aに図示したように、各々の回転軸が平行になるように配置されている。そして、第1搬送部材11及び第2搬送部材12では、軸部11bと軸部12bとを互いに逆方向に回転させることで、第1搬送路10aと第2搬送路10bによる現像剤の循環が可能となる。循環の様子は、図2A等において破線の矢印で示している。また、互いの搬送スクリューの羽根の方向を逆巻きになるように形成した場合には、双方とも同じ方向に回転させることになる。
第3搬送部材13は、第3搬送路10cにおいて第2搬送部材12とは逆向きに現像剤を搬送するように形成された搬送スクリューとして構成されている。この搬送スクリューは、その軸部13bの周囲に螺旋状に羽根部13aが形成されている。
第3搬送部材13は、第3搬送路10cにおいて第2搬送部材12とは逆向きに現像剤を搬送するように形成された搬送スクリューとして構成されている。この搬送スクリューは、その軸部13bの周囲に螺旋状に羽根部13aが設けられている。
第3搬送部材13は、第1搬送部材11や第2搬送部材12と比較し、撹拌の必要がなく、現像剤を搬送できればよいため、例えば単にネジ切り加工により形成されたネジ状の形状になっているだけでもよい。羽根部13a及び軸部13bは樹脂により一体成型されているか、若しくは軸部13bの一部又は全部に金属が用いられる。
第3搬送部材13の搬送スクリューは、第2搬送部材12の搬送スクリューと同軸に形成されている。つまり、軸部12bと軸部13bとは連なっている。第2搬送部材12と第3搬送部材13の搬送スクリューは、個別に形成した後に組み立ててもよいが、一体的に形成しておくことが好ましい。
そして、第3搬送部材13は、第2搬送路10bから第3搬送路10cに溢れた現像剤を、第3搬送路10cの先端側、すなわち第2搬送路10b側とは反対側に向けて搬送する。具体的には、羽根部13aは、羽根部12aと逆巻きに形成されており、軸部12b,13bを回転させることで、羽根部12aとは逆方向に現像剤を搬送することが可能となっている。第3搬送路10cの先端側の所定位置には、現像剤を補給するための補給口10fと、現像剤を排出する排出口10tとが設けられ、これら補給口10fと排出口10tのいずれか一方のみで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成するようになっている。この部分は、本発明に係る実施形態の特徴であり、その具体的構成は後述する。
ここで、羽根部13aの最大外径は、羽根部12a(及び後述の羽根部12d)の最大外径に比べて小さく形成されている。この理由は、単に第1搬送路10aや第2搬送路10bでの現像剤の搬送量に比べて、第3搬送路10cでの現像剤の搬送量(つまり排出量)が少ないためである。
同様の理由から、第3搬送路10cは、第2搬送路10bより小径になるように形成された略円筒形状の搬送路であることが好ましい。第3搬送路10cの内径を第2搬送路10bの内径より小さくしておき、且つ第2搬送路10bと同軸にしておくことで、例えば現像装置1が傾いた場合に、第2搬送路10bから第3搬送路10cに大量の現像剤が溢れて、現像剤が第3搬送路10cから必要以上に排出されるといった事態を未然に防ぐことができる。
また、第2搬送部材12には、羽根部12d、および羽根部12aが同じ巻き方向で異なるピッチで形成される。羽根部12dは、羽根部12aと比べて現像剤を押す面と軸部12bとがなす角度がより直角に近い。これにより、羽根部12dの外周の外側へ向けて現像剤を押し出す作用が低下し、現像剤の搬送力が弱くなって、現像剤が滞留してその上面が盛り上がり易くなる。また、第2搬送部材12の羽根部12dは、羽根部12aと比べてそのピッチが短い。ピッチが短い方が現像剤の滞留量を増やすことができる。第2搬送路10bの第3搬送路10c側の端部で現像剤の滞留量を増やすことにより、現像剤を第3搬送路10cへ効果的に排出することができる。
また、第2搬送路10bの内壁は略円筒形状であるが、図4に示すように、第2搬送路10bの第3搬送路10c側の所定領域で、連通口10ab側の上部に切欠部Kを有する。切り欠部Kは、円筒形状の内壁の一部が切り欠かれた部分として示される。
切欠部Kを設けることで、第2搬送路10b内の循環合流部付近において、第2搬送部材12の羽根部12dと第2搬送路10bとの間の隙間(開口)を拡げることができる。切欠部Kによる開口が存在するため、例えば搬送部材を減速運転したとき等において、現像剤の流動性が悪化しても、第2搬送路10b内の循環合流部付近で現像剤を過度に滞留させることなく、第3搬送路10c側へと現像剤を円滑に排出させることができる。
また、第2搬送路10bと第3搬送路10cとの接続部分には、段差部材16が設けられる。上記のように、第3搬送路10cは、第2搬送路10bと同軸でかつ第2搬送路10bより小径になるように形成された円筒形状の搬送路である。ここで、第2搬送路10bと第3搬送路10cとの接続部分の第2搬送路10bに段差部材16が設けられる。段差部材16は、第3搬送路10cの内壁面に一致する位置よりも第2搬送部材の軸部12bの方向に突出し、周方向に延びる円環板状の形状を有する。これにより、第2搬送部材12の軸方向に段差が形成される。段差は、第2搬送路10bの内壁面の全周にわたって設けられる。
このように第2搬送路10bでは、現像剤の搬送方向の上流端に段差部材16部材が設けられているため、第2搬送路10bの現像剤の液面が段差を越えて第3搬送路10cに溢れると、溢れた分の現像剤が第3搬送部材13によって搬送され、排出口10tの方向に向かう。段差部材16による段差が設けられているため、例えば現像装置1が傾いたとしても、第3搬送路10c側に多くの現像剤が溢れることはなく、現像剤が無駄に排出されることを防止することができる。
(現像剤の補給口と排出口の切り換え機構)
本発明に係る実施形態では、第3搬送路10cの内部空間と搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成部を設ける。搬送装置の外部とは現像容器10の外部であることを意味する。この開口形成部は、第3搬送路10c内に現像剤を補給する所定の補給口10fと、現像剤を第3搬送路10cから下方に排出する所定の排出口10tのいずれか一方でのみ、第3搬送路10cの内部空間と搬送装置の外部とが連通する開口を形成する。そして開口形成部は、補給口10fで開口を形成する状態と、排出口10tで開口を形成する状態とを切り換える。
第1の実施形態では、上記の開口形成部として、現像剤の補給口と排出口とで開口を切り換えるための回動部17が備えられる。回動部17は、図3A及び図3Bの第3搬送路10cの先端側に示されている。図5は、第3搬送路を構成する凸部10eの外観を概略的に示す図である。また、図6A及び図6Bは、回動部17により開閉される補給口10fと排出口10tの状態を第3搬送部材13の軸方向から見た概略構成図である。
本実施形態では、第3搬送路10cを形成する壁部10qに、第3搬送部材13の搬送スクリューの軸心を中心として回動可能に構成した回動部17が設けられる。回動部17は、第3搬送路10cを形成する壁部10q外周面に接触し、回動部17が回動するとき、回動部17の内周面が壁部10qの外周面に対して摺動するように構成される。回動部17の回動は、図示しないギヤやローラ、ベルトなどを用いた駆動機構と、この駆動機構を制御する制御部により実行される。例えば、回動部17の外周にギヤ部を設け、このギヤ部に係合する駆動側ギヤを取り付け、この駆動側ギヤをステッピングモータ等の駆動手段により回動制御することで、回動部17の回動方向と回動量を自由に制御できるようにする。回動部17の回動制御は、周知の技術手段により実現可能である。
第3搬送路10cを形成する壁部10qには、第3搬送路10cの上方から第3搬送路10c内に現像剤を補給するための補給口10fと、現像剤を第3搬送路10cから下方に排出するための排出口10tとが設けられている。そして回動部17には、その周方向に1か所の貫通孔17aが設けられる。貫通孔17aは、回動部17の厚さ方向に貫通して開口を形成するものである。
回動部17が第3搬送路10cの周囲で回動し、回動部17の貫通孔17aと、第3搬送路10cを形成する壁部10qに設けられた排出口10tまたは補給口10fのいずれかとの位置が合致したときに、位置が合致した排出口10tまたは補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通する。
回動部17の貫通孔17aは、排出口10tまたは補給口10fのいずれか一方のみで、第3搬送路10cの内部空間が現像容器10の外部に連通した開口を形成するため、排出口10tと補給口10fが同時に開口することはなく、排出口10tと補給口10fのいずれか1方は、回動部17の壁面によって遮蔽される。
排出口10t又はそれを含む第3搬送路10cは、トリクルポートとも呼ばれる。排出口10tはトリクル排出口とも呼ばれる。第3搬送路10cでは、第3搬送部材13によって現像剤が排出口10tまで搬送される。そして回動部17の貫通孔17aが、排出口17tの位置にある場合、搬送された現像剤は、排出口10tから下方に落下して排出される。排出の様子は、図3Bにおいて2点鎖線の矢印で示している。第3搬送路10cは第2搬送路10bにおける現像剤の搬送方向の上流側に設けてあるため、排出口10tからの排出量は第1搬送路10aや第2搬送路10bを搬送される現像剤の勢いによる影響を受けることが少なくなり、現像剤の排出量を制御し易くなる。
排出口10tの位置には、図示しないが排出された現像剤を回収するための容器、或いはその容器に接続されたパイプが取り付けられる。また補給口10fの位置には、図示しないがトナーボトルからの現像剤を供給するパイプが取り付けられる。現像剤の補給用パイプないし排出用に用いられるパイプ等は、回動部17が回動したときに、その回動を妨げることがないように取り付けられる。例えば、パイプの先端が回動部17に摺動しながら所定位置に固定されるように設けられる。
上記の構成により、回動部17の位置を切り換えて現像剤の撹拌および搬送を行うことで、現像容器10に現像剤を補給するとともに、現像ローラ15の回転に起因して生じる現像容器10内の圧力上昇による排出口10tからのエアーの吹き出しを防止する。
すなわち、現像剤の現像容器10内への補給開始時には、回動部17の貫通孔17aが、補給口10fの位置に一致するように回動部17の回動を制御する。
この状態を図6Aに示している。これにより、トナーボトルから供給された現像剤が、第3搬送路10c内に補給される。現像剤が補給される様子は、図6Aの2点鎖線の矢印で示される。第3搬送路10c内に供給された現像剤は、第2搬送路10bの内部に移動する。
ここで、第3搬送路10cに設けられた第3搬送部材13は、第3搬送路10cの現像剤を排出口10t側に搬送する機能を持っているが、補給口10fから供給された現像剤は、この第3搬送部材13があってもこれを越えて第2搬送路10bの内部まで移動する。例えば、第2搬送路10b側から第3搬送路10c内に溢れてきた現像剤は、劣化が進んでその流動性が低下している。これに対して補給口10fから供給された新しい現像剤は、劣化した現像剤よりも流動性が良いため、第3搬送路10c内の劣化した現像剤の流れに抗して、第2搬送路10bの内部に移動することができる。
現像剤の補給開始時に比較的生じやすい排出口10tからのエアーの吹き出しは、排出口10tが回動部17の壁部で遮蔽されているため発生しない。また、ここでは補給口10fを介して、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通しているが、第3搬送路10cに排出されてきた現像剤は、第3搬送路10cの下部で搬送され、第3搬送路10cの上部には空間があるため、現像剤がエアーとともに吹き出す現象は発生しにくい。
そして、回動部17が回動し、補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口が形成された後、所定時間経過したときに、制御部の制御により回動部17を再度回動させて、回動部17の貫通孔17aを排出口17tの位置に一致させる。
この状態を図6Bに示している。図3Bついても回動部17の貫通孔17aが排出口10t側にある状態を示している。排出口10tから現像剤が排出される様子は、図6Bの2点鎖線で示される。
現像容器10内のトナー濃度は、現像容器10内に設けられたトナー濃度検知センサにより監視され、トナー濃度が所定レベル以下に低下すると、制御部の制御により回動部17を回動させて、補給口10fの位置で、第3搬送路10cの内部空間を現像容器10の外部に連通させた開口を形成し、補給口10fから現像剤を補給する。このときの制御例を以下に説明する。
図7は、本発明に係る実施形態の要部の機能を説明するためのブロック図である。開口位置制御部22は、回動部17の貫通孔17aの位置を制御し、これにより第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とを連通させる開口の形成位置を制御する。
回動部17は、上記のように図示しない駆動機構により回動駆動され、開口位置制御部22は、この駆動機構の駆動を制御する。開口位置制御部22は、制御部20により制御される。
現像剤供給装置23は、現像容器10に対して現像剤を供給する。現像剤供給装置23は、現像剤を供給するトナーボトルと、現像容器10との間の現像剤の搬送路上に設けられるもので、トナーボトルから排出された現像剤を搬送する搬送路として機能するともに、現像剤を一時的に蓄える中間ホッパーとして機能する。現像剤供給装置23の底部には、現像剤を排出するための排出口が備えられ、現像剤供給装置23から排出された現像剤が現像容器10の補給口10fに送られて、現像容器10の内部に補給される。現像剤供給装置23は、その排出口から現像剤を排出させるための搬送スクリューを有し、搬送スクリューが回転することで、現像剤供給装置内の現像剤を現像容器10の補給口10fに向けて排出する。制御部20は、現像剤供給装置23の搬送スクリューの回転を制御することにより、現像容器10の補給口10fへの現像剤の補給を制御することができる。
制御部20は、トナー濃度検知センサ21からのトナー濃度の検知結果を受け取り、その検知結果に基づいて現像剤の補給の必要性を判断する。ここで制御部20は、現像剤を排出口10tから排出させる場合には、開口位置制御部22を制御して、第3搬送路10cの排出口10tで、第3搬送路の部空間と現像容器10の外部とを連通させる開口を形成させる。これにより、第2搬送路10bから第3搬送路10cに溢れた現像剤が排出口10tに向かって搬送され、排出口10tから現像容器10の外部に排出される。
制御部20は、トナー濃度検知センサ21によるトナー濃度の検知結果に基づき、現像剤の補給が必要であると判断した場合、開口位置制御部22を制御して回動部17を回動させ、第3搬送路10cの補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通する開口を形成させる。
そして制御部20は、現像剤供給装置23を制御して、現像剤を補給口10fに向かって供給させる。これにより、現像容器10の内部に、補給口10fから現像剤が補給される。
第3搬送路10c内の内部空間が現像容器10の外部に連通する開口が排出口10tで形成された状態から、補給口10fで形成された状態に切り換えられてから所定時間が経過すると、制御部20は、開口位置制御部22を制御して回動部17を回動させ、第3搬送路10cの排出口10tの位置に貫通孔17aを一致させる。
こうして排出口10tで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通する開口が形成される。開口が形成された排出口10tからは、現像剤の排出が行われる。これにより劣化したキャリアを入れ替えながら、現像容器10内の現像剤の量を均一に維持する。
なお、上記の構成において、排出口10tと補給口10fとは、第3搬送部材13の軸方向にほぼ同じ位置に形成されているが、これらを上記軸方向にずらして配置してもよい。また、上記の構成で、第3搬送路10cに設けた第3搬送部材13は、現像剤を搬送する機能を有するものであるが、第3搬送路10c内に撹拌部材を配置してもよい。例えば、第3搬送部材13の軸方向の少なくとも一部に、現像剤を撹拌するための羽根部を設ける。この羽根部は、第3搬送路10c内の現像剤に副流、旋回流、上下循環流等を生じさせて撹拌できる形状とする。また撹拌部材は、第3搬送部材17による搬送方向に現像剤を撹拌しながら搬送する羽根部として構成してもよい。以下の実施形態でも同様である。
上記の構成により、現像ローラ15の回転に起因して生じる現像容器10内の圧力上昇による排出口10tからのエアーの吹き出しを防止し、現像容器10内の現像剤が必要以上に低下することによる画質低下等の不具合の発生を防止することができる。
また、本実施形態の構成は、現像剤の補給口と排出口とを第3搬送路10cに互いに近接して設けることができるため、従来のように現像剤の補給口と排出口との距離を採る必要がなくなり、現像剤の補給口とトリクル排出口の配置位置に基づく設計上の制約を解消することができる。また、現像剤の補給口10fと排出口10tは、何れか一方のみで、第3搬送路10cの内部空間が現像容器10の外部に連通した開口を形成しているため、補給口10fから補給された現像液がそのまま排出口10tに流れ込んで排出されてしまうことはない。
また、中間ホッパーとして機能する現像剤供給装置23を用いた構成では、現像剤供給装置23から供給される現像剤を、第3搬送路10c側で現像容器10内に補給することができる。現像装置1が設置される画像形成装置では、現像装置1は、第3搬送路10c側がその画像形成装置の正面側(作業者による操作側)に配置される。現像剤の補給口10fが、第2搬送路10bの現像剤搬送方向下流側、つまり現像装置1の長手方向において第3搬送路10cの反対側に、補給口10fが設けられていると、現像装置1を画像形成装置から抜き出さなければ、現像剤供給装置23を取り出すことができない。
これに対して、本実施形態の構成により、現像装置1を画像形成装置から抜き出すことなく、現像剤供給装置23を取り出すことができるようになる。また、現像剤供給装置23を画像形成装置の正面側から簡単に取り外すことができるため、現像剤供給装置23の内部に現像剤が僅かに残ってしまった場合にも、トナーボトルから現像剤を供給するための上側の開口部から、現像剤が残っていることを直ちに確認することができる。
上述のように、現像装置1はトリクル現像方式の現像装置である。トリクル現像方式について、現像剤の補給及び排出の観点から簡単に説明する。トナーボトル内のトナーにキャリアを一定の比率で混合させておき、トナーが補給されると同時に新しいキャリア(未使用のキャリア)が現像装置1内へと補給され、一方、劣化したキャリアが現像装置1から排出される。但し、劣化したキャリアのみならず、劣化したキャリアとトナーが混合された現像剤も排出される。よって、現像剤の排出について上述したが、これは、劣化したキャリア又は劣化したキャリアとトナーが混合された現像剤が排出されることを意味する。
このようにして、劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられる。無論、必ずしも劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられるとは限らないが、基本的にはこのような入れ替えがなされるように、現像装置1は構成されている。
具体的には、現像装置1では、用紙などの記録媒体に画像が形成されることでトナーが消費されると、消費された量に相当するトナーが補給される。
ここでは現像装置1が有する現像容器10に設けられた補給口10fから、新しい未使用のキャリアを含む現像剤を現像容器10内に補給し、補給した現像剤を撹拌しながら搬送して現像容器10内の現像剤中に混合させることで、現像剤を速やかに一様に帯電させる。現像剤を撹拌しながら搬送することにより、現像剤に含まれるトナーとキャリアが摩擦接触して互いに逆の極性に帯電する。そして帯電された現像剤が現像ローラ15に担持される。現像ローラ15は、複数の磁極を構成する磁石体と、その周囲に回転可能に設けられるスリーブとを有するマグネットローラである。帯電した現像剤は、現像ローラ15に担持され、感光体ドラムと対向する現像領域へと搬送される。そしてトナーのみが感光体ドラムに形成された潜像へ移行して現像される。現像後には、現像剤が現像容器10内へと回収され、劣化したキャリアが現像容器10に設けられた排出口10tから排出される。
現像を安定させるために、現像剤の補給口10fから、消費されるトナーを補給し、現像剤に含まれるトナーの割合、つまりトナー濃度が一定になるように制御するトナー濃度検知センサが設けられる。トナー濃度検知センサは、例えば現像容器10の底部に設けられ、このトナー濃度検知センサの検知結果に基づいて、現像容器10内のトナー濃度(T/D:Tはトナーであり、Dは現像剤である)が検出される。
そして、検出されたトナー濃度に応じて、現像容器10内へのトナーの補給が制御される。ここでは、現像容器10内のトナー濃度検知センサにより検出したトナー濃度に応じて、現像剤供給装置の搬送スクリューを駆動させて現像剤を排出させることにより、現像容器10への現像剤の補給を制御する。
なお、一般的には、トナー濃度検知センサとして、透過型の光学センサ、反射型の光学センサ、又は透磁率センサが用いられる。例えば、透磁率センサを用いることが好ましい。透磁率は、現像剤中の磁性材料の割合である。このため、現像剤中の磁性材料と非磁性材料との混合比すなわち磁性材料の相対濃度が変化すると、透磁率センサの出力が変化する。従って、現像剤の透磁率を検出することによって、現像剤中の磁性材料であるキャリアの濃度が測定される。若しくは、現像剤中の非磁性材料であるトナーの濃度が測定される。
このような現像装置1では、上述したように、トナーボトルから未使用のトナーを現像容器10内に補給する場合に、未使用のキャリアも補給される。また、現像容器10に貯留された一部の現像剤が排出口10tから排出される。このようにして、劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられる。劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられるため、現像容器10内の現像剤は常に均一に帯電され、安定した画質で画像形成を行うことができる。
本発明に係る現像装置の構成は例示するものに限らず、例えば像担持体としての感光体ドラムを備えたプロセスカートリッジなどであってもよい。
(実施形態2)
本発明に係る実施形態では、第3搬送路10cを構成する壁部に、第3搬送路10cの内空間と現像容器10の外部とが連通する開口を形成する開口形成部を設ける。
第2の実施形態では、この開口形成部として、現像剤の補給口10fを排出口10tとを開閉するシャッター機構が備えられる。
図8A、図8Bはそれぞれ、実施形態1で説明した図2A,図2Bの現像装置における第3搬送路側端部の拡大図であり、図8Cは、第3搬送路を構成する凸部10eの外観を概略的に示す図である。また、図9A及び図9Bは、シャッター機構により開閉される補給口10fと排出口10tの状態を説明するための図である。図9Aと図9Bでは、第3搬送路10cを構成する壁部10qの形状が図8Cと若干異なっているが、簡単にするために壁部10qの形状を軸部13bと同心の円筒形状によって示した。
第3搬送路10cを形成する壁部10qには、第3搬送路10cの上方から第3搬送路10c内に現像剤を補給するための補給口10fと、現像剤を第3搬送路10cから下方に排出するための排出口10tとが設けられている。
そして補給口10fが設けられた壁部10qの外周面側に、補給口10fによる開口を開閉するための第1シャッター開閉部18aが設けられる。また、排出口10tが設けられた壁部10qの外周面側には、排出口10tによる開口を開閉するための第2シャッター開閉部18bが設けられる。
第1シャッター開閉部18aと第2シャッター開閉部18bは、いずれもシャッター機構により開口を開閉する機能を有するものであり、例えば、変位移動する1枚もしくは複数枚のシャッター片によって構成される。シャッター片が、補給口10f、及び排出口10tの開口の部分で変位することにより、補給口10f、及び排出口10tのそれぞれの位置で、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とを連通させる状態と、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とを遮蔽する状態とを切り換えることができる。
本実施形態では、実施形態1で説明した図7の構成により補給口10fと排出口10tの開口を制御することができる。開口位置制御部22は、制御部20による制御に従って、第1シャッター開閉部18a及び第2シャッター開閉部18bのシャッター機構を開閉させる。
制御部20は、第1シャッター開閉部18aと第2シャッター開閉部18bのシャッター機構のいずれか一方のみを開けて、他方を閉める制御を行う。これにより、補給口10fと排出口10tは、いずれか1方のみで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成する。従って、排出口10tと補給口10fとの両方で、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが同時に連通することはなく、排出口10tと補給口10fのいずれか一方では、第1シャッター開閉部18a、または第2シャッター開閉部18bによって、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが遮蔽される。
補給口10fには、図示しないがトナーボトルからの現像剤を供給するパイプが取り付けられ、その取り付け部分に第2シャッター開閉部18bが設けられる。また、排出口10tには、排出された現像剤を回収するための容器、或いはその容器に接続されたパイプが取り付けられ、その取り付け部分に第2シャッター開閉部18bが設けられる。
これら第1シャッター開閉部18a及び第2シャッター開閉部18bの開閉制御により、実施形態1と同様の動作を行わせる。
すなわち制御部20は、トナー濃度検知センサ21の検知結果に基づき、現像剤の補給が必要であると判断した場合、第1シャッター開閉部18a及び第2シャッター開閉部18bのシャッター機構の開閉を制御して、補給口10tで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成する。
この状態を図9Aに示している。これにより、トナーボトルから供給された現像剤が、第3搬送路10c内に補給される。現像剤が補給される様子は、図9Aの2点鎖線の矢印で示される。第3搬送路10c内に供給された現像剤は、第2搬送路10bの内部へと移動する。
現像剤の補給開始時に比較的生じやすい排出口10tからのエアーの吹き出しは、排出口10tの位置に設けられた第2シャッター開閉部18bにより、排出口10tが遮蔽されているため発生しない。また、ここでは、補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通しているが、第3搬送路10cに排出されてきた現像剤は、第3搬送路10cの下部で搬送され、第3搬送路10cの上部には空間があるため、現像剤がエアーとともに吹き出す現象は発生しにくい。
そして、第1シャッター開閉部18aにより、補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口が形成された後、所定時間経過したときに、制御部20は、第1シャッター開閉部18a及び第2シャッター開閉部18bのシャッター機構の開閉を制御して、排出口10tで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成させる。
この状態を図9Bに示している。排出口10tから現像剤が排出される様子は、図9Bの2点鎖線の矢印で示される。これにより、これにより劣化したキャリアを入れ替えながら、現像容器10内の現像剤の量を均一に維持する。
なお、上記の構成において、排出口10tと補給口10fとは、第3搬送部材13の軸方向にほぼ同じ位置に形成されているが、これらを上記軸方向にずらして配置してもよい。
上記構成により、実施形態1と同様の効果が得られる。すなわち、第1シャッター開閉部18aと第2シャッター開閉部18bの開閉を切り換えて現像剤の撹拌および搬送を行うことで、現像ローラ15の回転に起因して生じる現像容器10内の圧力上昇による排出口10tからのエアーの吹き出しを防止し、現像容器10内の現像剤が必要以上に低下することによる画質低下等の不具合の発生を防止することができる。その他の効果についても実施形態1と同様である。
(実施形態3)
図10は、本発明の第3の実施形態の要部の機能を説明するためのブロック図である。本実施形態では、上記実施形態1、もしくは実施形態2の構成において、第1搬送部材11、第2搬送部材12及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転方向を変化させ、現像剤の搬送方向を切り換える。現像剤の排出口10tと補給口10fのいずれか一方で、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とを連通させて開口を形成する機構は、実施形態1及び実施形態2のいずれの構成で実施してもよい。
本実施形態では、制御部20は、開口位置制御部22及び現像剤供給装置23に加えて、搬送スクリュー駆動部24を制御する。搬送スクリュー駆動部24は、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13を駆動するものであり、制御部20の制御に従って、これら第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転を制御する。
ここでは、第3搬送路10cの排出口10tで第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通し開口が形成されているときには、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転方向は、実施形態1で説明した回転方向に一致している。すなわち、第3搬送部材13は、第2搬送路10bから溢れた現像剤を排出口10tに向けて搬送する方向に回転している。第2搬送部材12は、第3搬送部材13とは逆方向に回転する。すなわち、第3搬送路10c側を上流側として、第3搬送路10cとは逆側に向かって現像剤を搬送する。このときの下流端には、連通口10aaが設けられ、第3搬送部材12により搬送した現像剤を第1搬送路10aに押し出す。第1搬送路10aに設けられた第1搬送部材11は、第2搬送部材12とは逆方向に回転し、第2搬送部材12と逆方向に現像剤を搬送する。第1搬送部材11による現像剤の搬送方向の下流端には連通口10abが設けられ、現像剤は第2搬送路10bに押し出される。
上記のような搬送スクリューの回転方向に対して、補給口10fで第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口が形成されたとき、制御部20は、第1〜第3搬送部材11、12、13の回転方向を逆方向に切り換える。
この場合、制御部20は、トナー濃度検知センサ21によるトナー濃度の検知結果に基づき、開口位置制御部22を制御して、第3搬送路10cに設けた補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成させ、排出口10tを遮蔽する。そして現像剤供給装置23を制御して、現像剤を補給口10fから現像容器10の内部に補給させる。このときに制御部20は、搬送スクリュー駆動部24を制御し、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューのそれぞれの回転方向が逆方向となるように切り換える。これにより、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13は、現像剤を搬送する方向を逆にする。
ここでは、第3搬送部材13は、補給口10fから補給された現像剤を第2搬送路10bに向けて搬送する。これにより、補給された現像剤の第2搬送路10bへの移動を円滑に行わせる。
なお、実施形態1にて説明したように、第3搬送部材13が現像剤を排出口10tに向けて搬送する方向に回転していても、流動性が良い新しい現像剤は、第3搬送路10c内の劣化した現像剤の流れに抗して第2搬送路10b内に移動することができるが、本実施形態により、現像剤を補給するときに第3搬送部材13の回転方向を切り換えることにより、補給された現像剤の移動をさらに円滑にすることができる。第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転方向が逆になると、第1搬送路10aと第2搬送路10bにより形成される現像剤の循環路における循環の方向も一時的に逆になる。
また、ここでは制御部20は、補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成させて、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転方向を逆にした後、所定時間が経過した時点で、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転方向を元に戻す制御を行う。
このときの所定時間は、補給口10fで、第3搬送路10cの内部空間と現像容器10の外部とが連通した開口を形成させた後、開口の位置を切り換えて、排出口10tで開口を形成させるまでの所定時間と同じにすることができる。これにより、開口の位置が補給口10fから排出口10tに切り換えられるときに、第1搬送部材11、第2搬送部材12、及び第3搬送部材13の搬送スクリューの回転方向を元に戻し、第3搬送部材13により第3搬送路10c内の現像剤を、排出口10tに向けて搬送させることができる。
(実施形態4)
図11は、本発明に係る画像形成装置の構成例を示す図である。この画像形成装置は、上記実施形態1~3の現像装置を搭載可能であり、上記実施形態の現像装置と、その現像装置により供給された現像剤により記録媒体に画像形成する画像形成部とを備える。画像形成部の具体的構成を以下に説明する。
本例の画像形成装置は、スキャナ、プリンタ、コピーなどの複数の機能を備えた複合機として構成されている。本発明に係る画像形成装置は、ここで例示する構成に限ったものではなく、例えば単色印刷の画像形成装置であってもよいし、単機能プリンタ装置であってもよい。
画像形成装置100は、外部から伝送され、若しくはスキャナ(画像読取装置)で読み取った画像データに基づき、記録紙に電子写真方式で画像を形成するもので、装置本体101と、自動原稿処理装置102とにより構成されている。
装置本体101は、露光ユニット81、現像器82、感光体ドラム83、クリーナユニット84、帯電器85、中間転写ベルトユニット86、定着ユニット87、給紙カセット91a、排紙トレイ94等を有する。ここで、現像器82が本発明に係る現像装置の一例に該当する。その他、装置本体101は、画像形成装置100の全体を制御する制御部(図示せず)を有する。
装置本体101の上部には、透明ガラスからなる原稿載置台96が設けられ、その上側には原稿載置台96に原稿を自動搬送する自動原稿処理装置102が取り付けられる。自動原稿処理装置102は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台96の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
装置本体101は、筐体内に収容される画像読取装置95を有している。画像読取装置95は、光源及び第1ミラーを保持する光源ユニット95aと、第2及び第3ミラーを保持するミラーユニット95bと、レンズ及びCCD95cとから構成された縮小光学系の画像読取装置である。また、装置本体101には、図示しない操作パネルが設けられ、ユーザによる操作入力が可能となっている。また、装置本体101には、外部接続された装置から画像データを入力する手段、或いは可搬型の記録媒体から画像データを読み取る手段(いずれも図示せず)を備えている。
画像形成装置100において扱われる画像データは、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。従って、現像器82、感光体ドラム(像担持体)83、クリーナユニット84、帯電器85は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、これらにより4つの画像ステーションが構成されている。各色の現像器82には各色のトナーボトル90と図示しない経路で接続され、各色のトナーが供給されるようになっている。
露光ユニット81には、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット81は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム83に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット81としては、この他にも発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
露光ユニット81は、帯電された感光体ドラム83を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器82は、それぞれの感光体ドラム83上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット84は、現像・画像転写後における感光体ドラム83上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。帯電器85は、感光体ドラム83の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図5に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
感光体ドラム83の上方に配置されている中間転写ベルトユニット86は、中間転写ベルト86a、中間転写ベルト駆動ローラ86b、中間転写ベルト従動ローラ86c、中間転写ローラ86d、及び中間転写ベルトクリーニングユニット86eを備えている。中間転写ローラ86dは、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ86b、中間転写ベルト従動ローラ86c、及び中間転写ローラ86dは、中間転写ベルト86aを張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ86dは、感光体ドラム83のトナー像を中間転写ベルト86a上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト86aは、各感光体ドラム83に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム83に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト86aに順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト86a上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。中間転写ベルト86aは、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム83から中間転写ベルト86aへのトナー像の転写は、中間転写ベルト86aの裏側に接触している中間転写ローラ86dによって行われる。中間転写ローラ86dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ86dは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト86aに対して均一に高電圧を印加することができる。本構成例では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム83上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト86aで積層される。このように積層された静電像は、中間転写ベルト86aの回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト86aの接触位置に配置される二次転写機構部である転写ローラ88によって記録紙に転写される。二次転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
このとき、中間転写ベルト86aと転写ローラ88は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ88にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ88は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ88若しくは中間転写ベルト駆動ローラ86bのいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、又は発泡性樹脂ローラ等々)としている。
また、上述のように、感光体ドラム83に接触することにより中間転写ベルト86aに付着したトナー、若しくは転写ローラ88によって記録紙に転写が行われず中間転写ベルト86a上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット86eによって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット86eには、中間転写ベルト86aに接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト86aは、裏側から中間転写ベルト従動ローラ86cで支持されている。
給紙カセット91aは、画像形成に使用する記録紙(シート)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体101の露光ユニット81の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット91bにも画像形成に使用する記録紙を置くことができる。装置本体101の上方に設けられている排紙トレイ94は、画像形成済みの記録紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また、装置本体101には、給紙カセット91a及び手差し給紙カセット91bの記録紙を転写ローラ88や定着ユニット87を経由させて排紙トレイ94に送るための、略垂直形状の用紙搬送路S1が設けられている。給紙カセット91a又は手差し給紙カセット91bから排紙トレイ94までの用紙搬送路S1の近傍には、ピックアップローラ92a,92b、複数の搬送ローラ93a〜93d、レジストローラ89、転写ローラ88、定着ユニット87等が配されている。
搬送ローラ93a〜93dは、記録紙の搬送を促進及び補助するための小型のローラであり、用紙搬送路S1に沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ92aは、給紙カセット91aの端部近傍に備えられ、給紙カセット91aから記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。同様に、ピックアップローラ92bは、手差し給紙カセット91bの端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット91bから記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。
また、レジストローラ89は、用紙搬送路S1を搬送されている記録紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム83上のトナー像の先端と記録紙の先端を合わせるタイミングで記録紙を転写ローラ88に搬送する機能を有している。
定着ユニット87は、ヒートローラ87a及び加圧ローラ87bを備えている。ヒートローラ87a及び加圧ローラ87bは、記録紙を挟んで回転するようになっている。またヒートローラ87aは、図示しない温度検出器からの信号に基づいて所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ87bと共にトナーを記録紙に熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像をその記録紙に熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ87aを外部から加熱するための外部加熱ベルト87cが設けられている。
次に、記録紙の搬送経路をより具体的に説明する。上述のように、画像形成装置100には、予め記録紙を収納する給紙カセット91a、及び手差し給紙カセット91bが設けられている。これら給紙カセット91a,91bから記録紙を給紙するために、各々ピックアップローラ92a,92bが配置され、記録紙を1枚ずつ用紙搬送路S1に導くようになっている。
各給紙カセット91a,91bから搬送される記録紙は、用紙搬送路S1の搬送ローラ93aによってレジストローラ89まで搬送され、記録紙の先端と中間転写ベルト86a上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ88に搬送され、記録紙上に画像情報が書き込まれる。その後、記録紙は定着ユニット87を通過することによって記録紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ93bを経て排紙トレイ94上に排出される。
上記の搬送経路は、記録紙に対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上述のように片面印字が終了し定着ユニット87を通過した記録紙の後端が最終の搬送ローラ93bで把持されたときに、搬送ローラ93bが逆回転することによって記録紙を搬送ローラ93c,93dが配された搬送路S2に導く。そして、搬送路S2は搬送路S1に合流して、記録紙はレジストローラ89から転写ローラ88に搬送される。このとき、搬送路S2からS1に合流する段階で記録紙の表裏が反転されているため、転写ローラ88では記録紙の裏面に印刷が行わる。そして裏面に印刷された記録紙は定着ユニット87で定着され、排紙トレイ94に排出される。
上記の各実施形態で記載されている技術的特徴(構成要件)は、お互いに組み合わせ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1…現像装置、10…現像容器、10a…第1搬送路、10aa…連通口、10ab…連通口、10b…第2搬送路、10c…第3搬送路、10e…凸部、10f…補給口、10q…壁部、10t…排出口、10d…隔壁、10t…補給口、11…第1搬送部材、11a…羽根部、11b…軸部、11c…羽根部、12…第2搬送部材、12a…羽根部、12b…軸部、12c…羽根部、12d…羽根部、13…第3搬送部材、13a…羽根部、13b…軸部、15…現像ローラ、15b…軸部、16…段差部材、17…回動部、17a…貫通孔、18a…第1シャッター開閉部、18b…第2シャッター開閉部、20…制御部、21…トナー濃度検知センサ、22…開口位置制御部、23…現像剤供給装置、24…搬送スクリュー駆動部、81…露光ユニット、82…現像器、83…感光体ドラム、84…クリーナユニット、85…帯電器、86…中間転写ベルトユニット、86a…中間転写ベルト、86b…中間転写ベルト駆動ローラ、86c…中間転写ベルト従動ローラ、86d…中間転写ローラ、86e…中間転写ベルトクリーニングユニット、87…定着ユニット、87a…ヒートローラ、87b…加圧ローラ、87c…外部加熱ベルト、88…転写ローラ、89…レジストローラ、90…トナーボトル、91a…給紙カセット、91b…給紙カセット、92a…ピックアップローラ、92b…ピックアップローラ、93a…搬送ローラ、93b…搬送ローラ、93c…搬送ローラ、94…排紙トレイ、95…画像読取装置、95a…光源ユニット、95b…ミラーユニット、95c…CCD、96…原稿載置台、100…画像形成装置、101…装置本体、102…自動原稿処理装置。

Claims (9)

  1. 第1搬送路及び第2搬送路を平行に配設し、該第1搬送路と該第2搬送路の両端部分に設けた連通口を介して現像剤を循環させる搬送装置であって、
    前記第1搬送路において前記現像剤を撹拌しながら搬送する第1搬送部材と、
    前記第2搬送路において前記現像剤を撹拌しながら前記第1搬送部材とは逆向きに搬送する第2搬送部材と、
    前記第2搬送路に接続された第3搬送路と、
    該第3搬送路内の前記現像剤を、前記第2搬送部材とは逆向きに搬送する第3搬送部材と、
    前記第3搬送路の内部空間と前記搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成部とを有し、
    該開口形成部を動作させることにより、前記第3搬送路内に現像剤を補給する所定の補給口と、前記現像剤を前記第3搬送路から下方に排出する所定の排出口のいずれか一方でのみ、前記開口を形成し、前記補給口で前記開口を形成する状態と、前記排出口で前記開口を形成する状態とを切り換える、ことを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1に記載の搬送装置において、
    前記第3搬送路を形成する壁部に、前記補給口と前記排出口とが設けられ、
    前記開口形成部は、前記壁部の外周面を摺動し、前記第3搬送部材の軸心を中心として回動し、該開口形成部は、周方向の1か所に貫通孔を有し、該開口形成部を回動させることにより、前記貫通孔を、前記補給口の位置と、前記排出口の位置のいずれかに切り換えることより、前記排出口と前記補給口のいずれか一方でのみ、前記開口を形成することを特徴とする搬送装置。
  3. 請求項1に記載の搬送装置において、
    前記第3搬送路を形成する壁部に、前記補給口と前記排出口とが設けられ、
    前記開口形成部は、前記補給口と前記排出口のそれぞれについて、前記開口を形成するシャッター機構を備えたシャッター開閉部として構成され、
    前記シャッター開閉部は、前記補給口と前記排出口のいずれか一方でのみ、前記開口を形成することを特徴とする搬送装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の搬送装置において、
    前記開口形成部は、前記補給口で前記開口を形成してから所定時間経過後に、前記排出口で前記開口を形成する状態に切り換えることを特徴とする搬送装置。
  5. 請求項4に記載の搬送装置において、
    前記第1搬送部材、前記第搬送部材、及び前記第3搬送部材は、前記補給口に前記開口が形成されたときに、前記現像剤を搬送する方向を逆にすることを特徴とする搬送装置。
  6. 請求項5に記載の搬送装置において、前記第1搬送部材、前記第搬送部材、及び前記第3搬送部材は、前記現像剤を搬送する方向を逆にした後、前記所定時間経過後に、前記現像剤を搬送する方向を、前記逆にする前の元の方向に戻すことを特徴とする搬送装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の搬送装置と、現像剤担持体と、を備えた現像装置であって、前記第2搬送部材により前記現像剤担持体に前記現像剤を供給することを特徴とする現像装置。
  8. 請求項7の現像装置と、 該現像装置により供給された現像剤により記録媒体に画像形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 第1搬送路及び第2搬送路を平行に配設し、該第1搬送路と該第2搬送路の両端部分に設けた連通口を介して現像剤を循環させる搬送装置が実行する搬送装置の開口形成方法であって、
    前記第1搬送路において前記現像剤を撹拌しながら搬送する第1搬送部材と、
    前記第2搬送路において前記現像剤を撹拌しながら前記第1搬送部材とは逆向きに搬送する第2搬送部材と、
    前記第2搬送路に接続された第3搬送路と、
    該第3搬送路内の前記現像剤を、前記第2搬送部材とは逆向きに搬送する第3搬送部材と、
    該第3搬送路の内部空間と前記搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成部とを有する前記搬送装置が、
    前記開口形成部を動作させることにより、前記第3搬送路内に現像剤を補給する所定の補給口と、前記現像剤を前記第3搬送路から下方に排出する所定の排出口のいずれか一方でのみ、前記第3搬送路の内部空間と前記搬送装置の外部とが連通する開口を形成する開口形成ステップを有し、
    該開口形成ステップは、前記補給口で開口を形成してから所定時間経過後に、前記排出口で前記開口を形成する状態に切り換えるステップを含む、ことを特徴とする搬送装置の開口形成方法。
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