JP6524013B2 - セラミックスの脱脂成型体を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化テルビウムを含むセラミックス成型体を脱脂して、脱脂成型体を製造する方法に関するものである。
セラミックスは、タイルや陶磁器といった古くから作られているものから、圧電素子、超電導素子、透明セラミックス体などといったファインセラミックスまで、幅広く製造されており、現代の生活に欠かせないものとなっている。
テルビウムを含むセラミックスには、透明なセラミックスがあり、光学磁気材料、発光材料などに用いられている。光学磁気材料としては、テルビウム−ガリウム−ガーネットセラミックス(TbGa12)(特許文献1)やテルビウム-イットリウムセラミックス((Tb(1−x)、0<x≦1)(特許文献2)などが挙げられる。テルビウムは、紫外線を吸収して緑色の発光を示すため、白色LED材料などに用いることも可能である。また、テルビウムを含むセラミックスには、電子伝導性のセラミックスもあり、例えばテルビウム−チタニウム−パイロクロアセラミックス(TbTi)が挙げられる。例えば、上記のセラミックスにおいて、同じ立方晶パイロクロア構造である、例えばTbHfといった構造も合成可能であることを開示している(特許文献3)。
テルビウムを含むセラミックスに限らず、一般的なセラミックスを歩留まり良く安定に製造するためには、分散剤やバインダーなどの有機添加剤を混合するのが一般的である。これらの有機添加剤は、例えばバインダーを添加することでセラミックス成型体の強度が上がり、成型の歩留まりを向上させることが可能となる。
しかし、有機添加剤が残存した状態で焼結などを行うと、セラミックス中にカーボンが混入してしまい、品質を落とすことになる。このため、成型後に加熱によって有機添加剤を除去する、脱脂工程が必要となる。
脱脂工程において、成型体にクラックを発生させてしまうことがある。これを避けるために、脱脂工程のプロファイルを制御することで、クラックを抑制することが提案されている(特許文献4及び5)。
特開2002−293693号公報 特開2012−206935号公報 特開2005−330133号公報 特開平5−105531号公報 特開2014−234340号公報
酸化テルビウムを含むセラミックス成型体は、450〜500℃及び650〜750℃にかけてテルビウムの価数変化に由来する可逆的な相転移があり、上記の温度となると熱膨張又は収縮が発生し、成型体にストレスを与えてクラックが発生してしまう。例えば、450〜550℃の温度範囲における昇温速度及び降温速度をそれぞれ20℃/h以下とすることで、脱脂後の歩留まりが高くなることが報告されている(特許文献5)。しかし、その後の焼結工程においてクラックあるいは破損が発生する場合があり、この相転移に由来するクラックなどの問題を解決でき得るさらなる改良が求められている。
本発明は、酸化テルビウムと有機添加剤を混合したセラミックス成型体を歩留まりよく脱脂することのできるセラミックスの脱脂成型体の製造方法を提供することを目的とする。また、脱脂後のみならず最終製品までの工程中に発生するクラックあるいは破損を抑制し、最終歩留まりを向上させることを目的とする。
すなわち、本発明は、一態様によれば、酸化テルビウム粒子またはテルビウム含有複合酸化物粒子と、有機添加剤とを少なくとも含むセラミックス成型体を、酸素を18〜100質量%含む雰囲気下で脱脂温度450℃以上1000℃以下に加熱して該有機添加剤を除去し、脱脂成型体とする工程と、前記脱脂成型体を、前記酸素を含む雰囲気に不活性ガスを導入し酸素濃度を1.0質量%以下に下げてから冷却する工程とを少なくとも含み、前記テルビウム含有複合酸化物粒子が、テルビウム粒子に加えて、テルビウムを除くランタノイド元素、スカンジウム及びイットリウムからなる群から選択される1種以上の希土類元素を少なくとも含む複合酸化物粒子であり、前記脱脂成型体の25℃における長さに対する、500〜870℃における長さの熱膨張の割合が、0.60%未満である、セラミックスの脱脂成型体を製造する方法を提供することができる。
本発明によれば、テルビウムを含むセラミックス成型体を所定の脱脂条件で脱脂することで、最終製品までの工程でクラック発生あるいは破損を抑制し、最終製品の歩留まりを向上させることが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。本発明の一実施形態によれば、セラミックスの脱脂成型体を製造する方法であって、酸化テルビウム粒子またはテルビウム含有複合酸化物粒子と、有機添加剤とを少なくとも含むセラミックス成型体を、酸素を18〜100質量%含む雰囲気下で脱脂温度450℃以上1000℃以下に加熱して該有機添加剤を除去し、脱脂成型体とする工程と、前記脱脂成型体を、前記酸素を含む雰囲気に不活性ガスを導入し酸素濃度を1.0質量%以下に下げてから冷却する工程とを少なくとも含む。
(テルビウムを含む金属酸化物粒子)
テルビウムを含む金属酸化物粒子として、酸化テルビウム粒子単独であるものの他に、テルビウムの酸化物粒子と、テルビウムを除くランタノイド元素、スカンジウム及びイットリウムからなる群から選択される1種以上の希土類元素の酸化物粒子とから合成されるテルビウム含有複合酸化物粒子も使用できる。
酸化テルビウムとしては、例えばTbやTb等の価数の異なる酸化テルビウム粒子が挙げられ、本発明においてはどちらの価数の酸化テルビウムを用いてもよい。
テルビウム含有複合酸化物粒子は、合成したい材料によって、テルビウムとともに含む希土類元素を選択することが望ましい。例えば、酸化テルビウムに対して所定量の酸化イットリウムを組み合わせることで、テルビウム-イットリウム(Tb(1−x)(式中、xは0を超えて1.0以下の数を表す。)の固溶体を合成することができる。また、例えば、酸化テルビウムに対して所定量の酸化ガリウムを組み合わせることで、テルビウム-ガリウム-ガーネットセラミックス TbαGaβγ(式中、α、β及びγはそれぞれ、2.9<α<3.1、4.9<β<5.1、11.9<γ<12.1を満足する数である。)とすることができる。テルビウムを含む所定の元素を含んだ前駆体溶液から難溶解性の水酸化物を沈殿させることで均一な組成に合成してもよい。また、焼結時における粒成長を制御する目的で、酸化ジルコニウムや酸化チタンをさらに添加してもよく、添加する材料や量は、所望の酸化物微粒子に合わせて最適化すればよい。
テルビウムを含む金属酸化物粒子の作製方法については、特に限定されず、共沈法、粉砕法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法、アルコキシド加水分解法、その他の公知の合成方法を用いてもよい。また、得られたテルビウムを含む金属酸化物粒子を適宜湿式ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、乾式ジェットミル、ハンマーミル等によって処理してもよい。
テルビウムを含む金属酸化物粒子の純度は、99.9%以上であることが好ましい。テルビウムを含む金属酸化物粒子の形状に関しては、特に限定されず、球状、カードハウス状、キュービック状のいずれであっても好適に用いることができる。また、テルビウムを含む金属酸化物粒子の一次粒子径は、特に限定されないが、なるべく低温で焼結するために、2μm以下が好ましく、1μm以下がさらに好ましい。また、一次粒子は、小さくなりすぎると取り扱いが難しくなるため、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。なお、一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡での観察等で測定することができる。
(有機添加剤)
有機添加剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ドデシルベンゼンスルホン酸などの分散剤や、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどのバインダーなどが挙げられ、必要に応じて数種類の添加剤を所定量ずつ用いてもよい。有機添加剤は、特に、ベンゼン環などを含まない、なるべく単純な構造、すなわち炭素−炭素結合が単結合のみの、炭素、水素、酸素から構成されるものを用いると、脱脂時の加熱温度をより低い温度で設定することができ、脱脂を容易にし得るため、好ましい。
有機添加剤の添加量は、セラミックス成型体において所定の物性が得られるような量であることが望ましく、テルビウムを含む金属酸化物粒子の粉末100質量部に対して、合計で0質量部を超えて5質量部以下であることが好ましい。有機添加剤がテルビウムを含む金属酸化物粒子粉末100質量部に対して合計で5質量部を超えてしまうと、脱脂が不十分となり、残留カーボンが発生してしまうことがある。仮に、合計5質量部を加えても所定の物性が得られないようなら、有機添加剤の種類を変え、なるべく最小量で所望の物性を得られるようにすることが好ましい。
(混合材料)
まず、テルビウムを含む金属酸化物粒子と有機添加剤とを混合して、混合材料を作製する。テルビウムを含む金属酸化物粒子粉末と有機添加剤を混合する方法としては、より均一に混合させるために湿式法を用いることが望ましく、生産性などの観点から、一軸ボールミル方式で混練することが好ましい。
混合材料を作製する際に、テルビウムを含む金属酸化物粒子粉末と有機添加剤の他に、分散媒や、場合によって粉砕メディアを加えてもよい。例えば、これらの材料を容器に入れて、ボールミル方式で10時間以上40時間以下の間混合し、スラリー状の混合材料を作製してもよい。ボールミルの回転速度は、150〜250rpmが好ましく、容器中のボールが容器を伝った後に落下していればよい。分散媒としては、特に限定されるものではないが、水あるいは炭素数1〜3の低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等)を用いることが好ましい。分散媒は、テルビウムを含む金属酸化物粒子粉末100質量部に対して20〜40質量部が好ましく、25〜35質量部がさらに好ましい。粉砕メディアは、例えばボールミルに用いるボールであり、粉砕メディアの材料としては、ジルコニアやアルミナが好適である。粉砕メディアの量や大きさは、テルビウムを含む金属酸化物粒子粉末と有機添加剤が十分に混合できれば特に限定されない。
(成型)
次に、混合材料を成型してセラミックス成型体を形成する。成型方法は、乾式と湿式に分類され、所定の形状に成型できる方法であれば特に限定されない。乾式の成型方法としては、例えば、スラリー状の混合材料をスプレードライ方式で顆粒化し、得られた顆粒を金型に充填してプレス成型する方法、ゴム型に顆粒を充填して静水圧でCIP成型する方法、あるいは、両者を組み合わせた方法が挙げられる。一方、湿式の成型方法としては、例えばエバポレーター等を用いてスラリー状の混合材料を濃縮した後に、圧力鋳込み成型する方法、押出成型する方法、又は、テープ成型する方法が挙げられる。湿式方式で成型する場合、成型後に十分乾燥させ、残留溶媒がほぼ存在しない状態とすることが好ましい。なお、成型後の真密度に対する相対密度は、45%以上70%以下が好ましく、50%以上60%以下がより好ましい。ここでいう真密度に対する相対密度は、「セラミックス成型体の密度」÷「真密度」×100で算出される値であり、セラミックス成型体の密度は、アルキメデス法によって測定することができる。上記の真密度は、焼結後の成型体の密度であり、これはアルキメデス法などの手法によって測定することができる。
(脱脂)
次に、セラミックス成型体を加熱して、セラミックス成形体から有機添加剤を除去し、脱脂成型体とする。最終製品内にバインダー等の有機添加剤を残さないようにするために、加熱してバインダー等を分解する脱脂工程が行われる。例えば、セラミックス成型体を加熱炉に入れて、酸素を18〜100質量%含む雰囲気下とし、有機添加剤等の有機物を燃焼させ分解し得る脱脂温度450〜1000℃で加熱してもよい。場合によって、270〜1000℃で加熱してもよい。
脱脂温度は、通常、TG/DTAなどの情報を元に、有機添加剤が燃焼し得る温度よりも高い温度に設定することで決定できる。しかし、テルビウムを含むセラミックス成型体は、加熱すると相転移によって酸素を放出し、それによって密度が変化し、成型体の膨張又は収縮を引き起こしやすい。膨張又は収縮によって、成型体の内部に大きなストレスがかかり、クラックを発生させる場合がある。また、脱脂時にクラックが生じない場合であっても、その後の焼結させる際に成型体内にストレスが溜まり、クラックあるいは破損を発生させることがある。このため、脱脂やその後の焼結において、相転移による熱膨張をなるべく生じさせないような脱脂条件とすることが必須となる。
テルビウムを含む金属酸化物粒子は、450〜500℃及び650〜750℃の温度範囲において、3価と4価のテルビウムの可逆的な相転移があり、高温(750℃超)では3価のテルビウムが安定である。脱脂後の成型体は、4価のテルビウムが多く存在し、焼結して相転移温度を超えると、4価から3価のテルビウムとなり、成型体を膨張させることがある。成型体の膨張率が大きいと、クラックなどが発生しやすくなるため、膨張率がなるべく小さくなるように設計することが必要である。
このように、脱脂時の加熱温度は、有機添加剤を燃焼して除去し得る温度であり、且つ、成型体にクラックを生じさせない温度であることが必要である。脱脂時の加熱は、酸素を18〜100質量%含む雰囲気下で、450℃以上1000℃以下の脱脂温度で行うことが好ましい。1000℃を超えると、クラックが発生する頻度が増加することがある。有機添加剤の分解開始温度は、有機添加剤として例えばポリビニルアルコールを用いる場合は250℃であり、通常は400℃とすればよい。このように、有機添加剤の燃焼には、通常、最低でも400℃程度の加熱が必要であるが、酸化テルビウムは、固体酸素を持ち、その構造中に酸素を有するため、酸化テルビウムの周辺の有機物は酸素リッチの状態であり、固体酸素を酸素源とすることによって通常の燃焼温度よりも低い温度、すなわち270℃以上で脱脂することが可能となる。このため、場合によって、270℃以上450℃未満で脱脂してもよく、その後、後述する酸素濃度1.0質量%以下に下げてからの冷却工程を行ってもよい。脱脂時における雰囲気の酸素濃度は、好ましくは18〜100質量%、より好ましくは24〜100質量%である。18質量%より少ないと、有機添加剤の燃焼が不完全となり、成型体中に有機添加剤由来の炭素物が残留する。なお、大気雰囲気での酸素濃度は、通常21体積%、つまり23質量%である。
脱脂における加熱の保持時間は、十分に脱脂ができる時間であれば特に限定されないが、2〜24時間であることが好ましい。脱脂温度への昇温速度は、有機添加剤の分解によって発生する二酸化炭素の影響を避けるために、なるべくゆっくりと昇温させるのが好ましいが、遅すぎると処理時間がかかりすぎてしまう。このため、好ましくは室温(25℃)、より好ましくは有機添加剤の分解開始温度から、上記脱脂温度に到達するまでの昇温速度は、20℃/h以上50℃/h以下であることが好ましい。50℃/hを超えると、有機添加剤の分解が急激に発生し、クラックがより生じやすくなる場合がある。昇温速度を上記の範囲とすることにより、生産効率良く、クラックのない脱脂成型体を得ることができる。本発明者らは、脱脂後の成型体を後述の所定の条件で冷却することにより、従来降温時に生じていたテルビウムの酸素吸引による相転移を抑制し、成型体の変形を生じにくくさせるため、昇温時において上記の範囲の昇温速度とすることが可能となることを見出した。
脱脂後において、酸素を含む雰囲気に不活性ガスを導入し酸素濃度を1.0質量%以下に下げてから脱脂した成型体を冷却(降温)することが好ましい。例えば、脱脂時の加熱温度を500℃とした場合、脱脂の段階で500℃に対応する収縮が生じ、その後の焼結では、500℃までは一切収縮せず、500℃以上の温度となった時に収縮が始まる。相転移温度である650〜750℃では、相転移に由来する膨張と熱収縮が同時に生じ、全体として膨張を抑える効果がある。一方、脱脂温度を800℃などにした場合、800℃までの熱履歴によって650〜750℃の相転移温度では熱収縮が起こらず、相転移由来の熱膨張のみ発生し、膨張が大きくなるためクラックが発生する。本発明者らは、具体的には、450〜1000℃で脱脂を行った後に、高温で安定な3価のテルビウムがメインの成型体の降温時に、雰囲気中に不活性ガスを導入して不活性雰囲気とすることで、4価のテルビウムへ価数変化することなく、3価のテルビウムがメインの状態のままとすることができることを見出した。不活性ガスとしては、アルゴンや窒素などが挙げられる。3価のテルビウムがメインの成型体には、4価のテルビウムも多少存在するため、相転移由来の熱膨張を完全に抑制することは不可能であるが、焼結時に生じる価数変化由来の熱膨張は、4価のテルビウムがメインの成型体よりは生じにくく、クラック発生させることなく焼結することが可能となる。
脱脂後において炉内の酸素濃度が1.0質量%を超えて存在する状態で冷却すると、4価のテルビウムを多く発生させる原因となる。このため、脱脂後に酸素を含む雰囲気に不活性ガスを導入し、好ましくは炉内を真空引きしてから不活性ガスで置換し、酸素濃度を1.0質量%以下に下げてから冷却する。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンが挙げられる。不活性ガスを導入する際の温度は、降温する前の温度であり、その温度を維持したまま酸素濃度を1.0質量%以下とすることが好ましい。冷却は、室温(25℃)となるまで行ってもよい。冷却中、好ましくは100℃となるまで酸素濃度を1.0質量%以下に維持することが望ましい。なお、炉内の酸素濃度は、例えば炉内に導入するOガスとArガスの流量を調節することで制御することができる。脱脂後において、具体的には、真空引きを行って強制的に炉内の酸素を排気した後に、所望の雰囲気となるようにArガスを導入し、炉内の酸素濃度を制御してもよい。降温速度は、好ましくは、20〜100℃/hである。
このようにして得られた脱脂成型体の25℃における長さに対して、例えば500〜870℃における長さの熱膨張の割合は、0.60%未満である。0.60%以上だと、膨張によって成型体にかかるストレスが大きくなり、クラックあるいは破損しやすくなる。熱膨張の割合は、25℃での定常状態に対する熱膨張時の変形率を示すものである。例えば、脱脂成型体の断面形状が三角形、四角形等の多角形である場合、例えば室温(25℃)でのいずれかの対角線の長さAと、例えば870℃でのその対角線の長さBとする場合、この成型体の熱膨張の割合は、(B−A)/A×100(%)で算出することができる。脱脂成型体の断面形状が円または楕円である場合、直径または長径または短径の長さで評価を行ってもよい。本発明によれば、脱脂成型体は、500〜870℃の温度範囲で熱膨張が最大となる。
脱脂後の成形体中の残留炭素量は、TG/DTAや全炭素測定系などを用いて評価することができる。これらの分析手段を用いて、脱脂後の残留炭素が存在しないことを確認し得る。
上述した脱脂方法は、TbGa12やTbHfといった、3価のテルビウムが安定な結晶構造でも有効である。これらの結晶構造の場合、テルビウムは低温でも3価が安定であり、脱脂後の焼結において価数変化に由来する熱膨張が起きにくくなる。そのため、このような結晶構造では脱脂条件によらず膨張率を低く制御することが可能となる。
(焼結)
次に、脱脂した成型体を焼結する。脱脂後の焼結における雰囲気としては、真空、酸素、大気、水素などが挙げられ、所望の脱脂成型体に応じて雰囲気を選択する。焼結プロファイルは、焼結後の成型体の密度が真密度の99%以上になるように決定してもよい。例えば、真空雰囲気下、およそ1400〜1600℃程度で、脱脂成型体を焼結させてもよい。場合によって、1000℃以上の高温時に酸素(90〜100質量%)雰囲気とし、焼結させてもよい。また、透明セラミックを合成する場合は、さらに熱間等方圧プレス処理(HIP処理)を行い、透明度を増すように焼結してもよい。
このようにして作製したセラミックスの脱脂成型体は、脱脂や焼結の加熱によってクラックが発生したり破損したりすることが少ない。また、上述した製造方法を用いることで、焼結後の歩留まりを100%により近づけることが可能となる。
以下、実施例および比較例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(Tb0.60.4固溶体の脱脂において不活性雰囲気で降温した実施例及び比較例を示す。
<実施例1>
酸化テルビウム粉末(Tb、信越化学工業社製)と酸化イットリウム粉末(Y、信越化学工業社製)を、TbとYのモル比が6:4となる割合で秤量し、合計で50gとした。これらの粉末と焼結助剤となるジルコニア前駆体(ZrOCl、第一稀元素化学工業社製)0.4gとを、200mlの酸性溶液(HNO、和光純薬工業社製、43wt%)に溶解し、その後、塩基性溶液(NH、和光純薬工業社製、23wt%)を滴下して、難溶解性の水酸化物塩を析出させた。析出した水酸化物塩を、ブフナーロートを用いて回収し、1000℃で3時間仮焼を行い、テルビウムを含む金属酸化物粒子である(Tb0.60.4を得た。
得られたテルビウムを含む金属酸化物粒子を、所定量のエタノールに加え、さらに、粉砕メディアとしてジルコニアボール(ニッカトー社製、平均粒径2000μm)と、有機添加剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤(日本乳化剤社製、N1204)0.2gと、ポリビニルアルコール系バインダー(日本酢ビ・ポバール社製、JMR−10M)1.0gとを加えた。この混合物を樹脂製のポットに入れ、ボールミル方式で混合し、スラリー化した(共沈方式)。ボールミル処理の時間は、20時間である。こうして得られたスラリー状の混合材料をスプレードライ方式で顆粒化し、さらに篩分級によって所定の大きさ(平均粒径250μm)の顆粒を得た。
得られた顆粒を用い、金型による一軸プレス成型を行い、さらにCIP成型を行って、直径7mm高さ16mmの円柱型の成型体を得た。
得られた成型体を、大気雰囲気下(酸素濃度23質量%)、600℃で20時間加熱し、脱脂処理を行った。その際、25℃から600℃までの昇温速度を20℃/hとした。なお、炉内の酸素濃度は、炉内に導入する酸素ガスとアルゴンガスの流量を制御することで調節した。脱脂後、冷却させる前に、炉内を真空引きしてから不活性ガスとしてアルゴンを導入して炉内を大気圧に戻すことを3回繰り返して、炉内を不活性ガス雰囲気に切り替え、酸素濃度を1.0質量%以下とした。炉内が不活性ガス雰囲気となった後に、酸素濃度1.0質量%以下のまま、降温速度100℃/hで室温まで冷却した。その後、脱脂後の成型体を、真空条件下、1500℃で2時間加熱し、焼結させた。
(熱膨張による変形率の評価)
脱脂後の成型体サンプルの熱膨張による変形の割合を、TMA装置を用いて評価した。Arガス雰囲気下において1000℃/hの昇温速度で、室温(25℃)から1600℃までの成型体の熱膨張の様子を測定した。室温でのサンプルと比較して、最大膨張時における変形率をΔlmax、及び、最大膨張時の温度をTとし、表1に示す。なお、変形率は、室温での成型体の長手方向の長さをAとし、評価する温度での成型体の長手方向の長さをBとする場合、(B−A)/A×100(%)で算出した。また、脱脂後又は焼結後の歩留まりについては、上述したように成型した10本のサンプルにおいて、目視にて脱脂又は焼結後にクラックがないか確認し、(脱脂又は焼結後にクラックがないサンプル数)/(成型本数)×100(%)で算出した。
<実施例2〜8>
不活性ガスとして、実施例2〜4ではアルゴン、実施例5〜8では窒素を用い、表1に示す脱脂条件(昇温開始温度及び加熱(上限)温度)を用いた以外は実施例1と同様にして実施した。最大膨張時における変形率Δlmax、及び、最大膨張時の温度Tを表1に示す。
<比較例1、2>
不活性ガスとして、比較例1ではアルゴン、比較例2では窒素を用い、降温途中の650℃付近となった時に、酸素ガスを導入して酸素雰囲気(酸素濃度100質量%)とし、その雰囲気のまま降温したこと以外は、それぞれ実施例3、4と同様にして実施した。最大膨張時における変形率Δlmax、及び、最大膨張時の温度Tを表1に示す。
Figure 0006524013
上記結果によると、脱脂処理において降温時に不活性雰囲気に切り替えた実施例1〜8は、Δlmaxが0.60%以下であり、脱脂歩留まり及び焼結歩留まりが100%となった。一方、途中で酸素雰囲気に切り替えた比較例1及び2は、Δlmaxが0.60%を超えてしまい、焼結後の歩留まりが低下した。以上のことから、脱脂時の雰囲気を制御し、4価のテルビウムの発生を抑えることで相転移由来の熱膨張を抑制し、クラック発生することなく焼結できることを確認した。
次に、(Tb0.60.4固溶体の脱脂において大気雰囲気で降温した比較例を示す。
<比較例3>
実施例1と同様にして、円柱型の成型体を作製し、この成型体を大気雰囲気下、650℃で20時間加熱し、脱脂処理を行った。その際、25℃から650℃までの昇温速度を20℃/hとした。なお、降温時においても大気雰囲気のまま、降温速度100℃/hで室温まで冷却した。脱脂後の成型体を、真空条件下、1500℃で2時間加熱し、焼結させた。
得られた脱脂成型体サンプルの熱膨張率を、実施例1と同様にして評価した。最大膨張時における変形率Δlmax、及び、最大膨張時の温度Tを表2に示す。また、脱脂後又は焼結後の歩留まりについては、上述したように成型した10本のサンプルにおいて、目視にて脱脂又は焼結後にクラックがないか確認し、(脱脂又は焼結後にクラックがないサンプル数)/成型本数×100(%)を計算した。
<比較例4〜6>
脱脂条件(昇温開始温度、昇温速度及び加熱(上限)温度)を表2に示すとおりとした以外は、比較例3と同様にして実施した。最大膨張時における変形率Δlmax、及び、最大膨張時の温度Tを表2に示す。
<比較例7>
酸化テルビウム粉末(Tb、信越化学工業社製)と酸化イットリウム粉末(Y、信越化学工業社製)を、TbとYのモル比が6:4となる割合で秤量し、合計で50gとした。これらの粉末と焼結助剤となるジルコニア前駆体(ZrO、第一稀元素化学工業社製)0.4gと、所定量のエタノールと、粉砕メディアとしてジルコニアボール(ニッカトー社製、平均粒径2000μm)と、有機添加剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤(日本乳化剤社製、N1204)0.1gと、ポリビニルアルコール系バインダー(日本酢ビ・ポバール社製、JMR−10M)1.0gとを樹脂製のポットに入れ、ボールミル方式で混合し、スラリー化した(混合方式)。ボールミル処理の時間は、20時間である。こうして得られたスラリー状の混合材料をスプレードライ方式で顆粒化し、さらに篩分級によって所定の大きさ(平均粒径250μm)の顆粒を得た。
得られた顆粒を用い、金型による一軸プレス成型を行い、さらにCIP成型を行って、直径7mm高さ16mmの円柱型の成型体を得た。
得られた成型体を、大気雰囲気下、650℃で20時間加熱し、脱脂処理を行った。その際、25℃から650℃までの昇温速度を20℃/hとした。なお、冷却中においても大気雰囲気のままとし、降温速度100℃/hで室温まで冷却した。脱脂後の成型体を、真空条件下、1500℃で2時間加熱し、焼結させた。
得られた脱脂成型体サンプルの熱膨張率を、実施例1と同様にして評価した。最大膨張時における変形率Δlmax、及び、最大膨張時の温度Tを表2に示す。また、脱脂後又は焼結後の歩留まりについては、上述したように成型した10本のサンプルにおいて、目視にて脱脂又は焼結後にクラックがないか確認し、(脱脂又は焼結後にクラックがないサンプル数)/成型本数×100(%)を計算した。
<比較例8、9>
脱脂条件(昇温開始温度、昇温速度及び加熱(上限)温度)を表2に示すとおりとした以外は、比較例7と同様にして実施した。最大膨張時における変形率Δlmax、及び、最大膨張率時の温度Tを表2に示す。
Figure 0006524013
比較例3〜5及び7〜9は、Δlmaxが0.60%以上となった。これらの比較例は、脱脂後の歩留まりは100%であったが、焼結後に破損してしまった。比較例6は、脱脂温度は400℃であり、上述したようにTbの相転移温度よりも低いため、相転移による熱収縮は生じておらず、熱膨張の評価において、脱脂成型体に加える温度が400℃以上となった時に熱収縮が生じ、600℃付近でのTbの相転移に由来する膨張はこの熱収縮によって相殺し、結果として熱膨張しにくくなると考えられる。例えば、比較例8は、脱脂温度は800℃であり、熱膨張の評価において、脱脂成型体に加える温度が800℃以上となった時にようやく熱収縮が生じるので、熱膨張を相殺しにくくなり、熱膨張による変化率が大きくなったと考えられる。
以上をまとめると、所定の脱脂条件(加熱温度、雰囲気)及び原料の構造とすることで、脱脂後の成型体の熱膨張時における変形率を0.60%以下とすることが可能となり、酸化テルビウムを含むセラミックス成型体の焼結の歩留まりを向上させることができた。
これまで本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (3)

  1. テルビウムが3価及び4価の酸化テルビウム粒子またはテルビウムが3価及び4価のテルビウム含有複合酸化物粒子と、有機添加剤とを少なくとも含むセラミックス成型体を、酸素を18〜100質量%含む雰囲気下で脱脂温度450℃以上1000℃以下に加熱して該有機添加剤を除去し、脱脂成型体とする工程と、
    前記脱脂成型体を、前記酸素を含む雰囲気に不活性ガスを導入し酸素濃度を1.0質量%以下に下げてから冷却する工程と
    を少なくとも含み、
    前記テルビウム含有複合酸化物粒子が、テルビウム粒子に加えて、テルビウムを除くランタノイド元素、スカンジウム及びイットリウムからなる群から選択される1種以上の希土類元素を少なくとも含む複合酸化物粒子であり、
    前記脱脂成型体の25℃における長さに対する、500〜870℃における長さの熱膨張の割合が、0.60%未満である、セラミックスの脱脂成型体を製造する方法。
  2. 前記加熱が、前記有機添加剤の分解開始温度から、20℃/h以上50℃/h以下の昇温速度で前記脱脂温度に到達させる、請求項1に記載のセラミックスの脱脂成型体を製造
    する方法。
  3. 前記テルビウム含有複合酸化物粒子が、(Tb(1−x)(式中、xは0.0<x≦1.0を満足する数である。)で表される、請求項1または2に記載のセラミックスの脱脂成型体を製造する方法。
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