JP6523673B2 - ブリスター包装体用成形容器およびブリスター包装体 - Google Patents

ブリスター包装体用成形容器およびブリスター包装体 Download PDF

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Description

この発明は、成形容器用シートに関し、より詳細には、積層シートの樹脂層を透過してそのラミネート部を侵しやすい成分(例えば、フェノール系化合物、ニオイ成分等)を含有する内容物を包装するための成形容器の材料として用いられる積層シートに関する。また、この発明は、上記シートから形成された成形容器、および該成形容器と蓋材とを用いて上記内容物を包装してなる包装体に関する。
例えばフェノール系化合物を含有する薬剤を包装するための容器としては、ガスバリア性および化学的耐性に優れたガラス容器が一般に用いられている。
しかしながら、ガラス容器は、重くて嵩張る上、個包装ができないため、外出時に携帯する用途には適していない。
一方、携帯性に優れかつ個包装が可能な包装体として、PTP包装体を含むブリスター包装体が広く採用されている。ブリスター包装体は、シートを成形加工して1つまたは複数の収容凹部を形成してなる成形容器と、内容物が収容された収容凹部の開口を覆うように成形容器の開口縁部に熱融着されている蓋材とよりなる。
成形容器用シートとしては、バリア性を有する金属箔層と、金属箔層の外面にラミネートされている基材フィルム層と、金属箔層の内面にラミネートされているシーラントフィルム層とを備えたものが知られている。
ところが、薬剤に含有されているフェノール系化合物の中には、積層シートのシーラントフィルム層を透過して金属箔層とのラミネート部を侵しやすい性質を有しているものがある。香辛料や香料に含まれている各種のニオイ成分の中にも、上記と同様の性質を有しているものがある。
したがって、このような成分を含有する薬品、香辛料、香料等を内容物とするブリスター包装体の場合、同成分が成形容器のシーラントフィルム層を透過して金属箔層とのラミネート部を侵すことにより、シーラントフィルム層と金属箔層との間でデラミネーション(層間剥離)が発生し、開封不良や内容物の漏れを生じさせるおそれがある。
このような問題を解決する手段として、下記の特許文献1に記載のシート状材料が提案されている。このシート状材料は、香料含有物が入れられる容器の蓋材や、香料含有物が入れられるチューブ等の材料として使用されるものであって、アルミニウム箔の片面または両面にクロメート皮膜が形成され、同皮膜の表面に変性ポリプロピレン樹脂層が設けられてなる。
特開昭62−11640号公報
しかしながら、特許文献1に示すシート状材料の場合、変性ポリプロピレン樹脂層によって香気成分の透過がある程度抑えられるものの、その効果は必ずしも十分とは言えず、内容物等によってはデラミネーションが生じるおそれがあった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、例えばフェノール系化合物のような積層シートの樹脂層を透過してそのラミネート部を侵しやすい成分を含有する薬剤、香辛料、香料等を内容物として包装する場合でも、上記成分の浸透によりデラミネーションが発生するのを確実に回避しうる包装体、成形容器および成形容器用シートを提供することを目的としている。
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
1)内外両面のうち少なくとも内面に化成処理が施されている金属箔層と、金属箔層の外面にラミネートされている基材層と、金属箔層の内面に酸変性ポリオレフィン樹脂層を介してラミネートされているポリオレフィン樹脂層とを備えている、成形容器用シート。
2)ポリオレフィン樹脂層が未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムよりなり、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが、酸変性ポリオレフィン樹脂系接着剤よりなる接着層を介して、金属箔層の内面にドライラミネートされている、上記1)の成形容器用シート。
3)未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、酸変性ポリオレフィン樹脂系接着剤が酸変性ポリプロピレン樹脂系接着剤である、上記2)の成形容器用シート。
4)ポリオレフィン樹脂層が未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムよりなり、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムのラミネート面に酸変性ポリオレフィン樹脂層が形成されており、同ラミネート面が金属箔層の内面にヒートラミネートされている、上記1)の成形容器用シート。
5)未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、酸変性ポリオレフィン樹脂層が酸変性ポリプロピレン樹脂層である、上記4)の成形容器用シート。
6)基材層が、2軸延伸ポリアミド樹脂フィルム、2軸延伸ポリエステル樹脂フィルム、またはこれらのフィルムを2以上ラミネートしたものよりなる、上記1)〜5)のいずれか1つの成形容器用シート。
7)前記フィルムとして、100℃×30分におけるMDとTDの熱水収縮率の比MD/TD=0.8〜1.2であるものを使用している、上記6)の成形容器用シート。
8)上記1)〜7)のいずれか1つの成形容器用シートを、同シートの内面に開口した少なくとも1つの収容凹部が形成されるように成形してなる、成形容器。
9)成形容器用シートの成形が、深絞り成形または張出し成形によって行われている、上記8)の成形容器。
10)収容凹部に内容物が収容されている上記8)または9)の成形容器と、金属箔層とその内面にラミネートされている熱融着性樹脂層とを有しかつ収容凹部の開口を覆うように成形容器の開口縁部に熱融着されている蓋材とよりなる、包装体。
11)蓋材が、金属箔層の外面にラミネートされている耐熱性樹脂層をさらに有している、上記10)の包装体。
12)蓋材の熱融着性樹脂層が、金属箔層の内面に酸変性ポリプロピレン樹脂または塩素化ポリプロピレン樹脂を主体とするコート剤をコーティングすることにより形成されている、上記10)または11)の包装体。
13)内容物が、フェノール系化合物を含有する薬剤、香辛料または香料である、上記10)〜12)のいずれか1つの包装体。
この発明の成形容器用シート、成形容器および包装体によれば、フェノール系化合物やニオイ成分のような積層シートの樹脂層を透過してそのラミネート部を侵しやすい成分を含有する薬剤、香辛料、香料等を内容物として包装する場合であっても、上記成分の浸透によってデラミネーションが発生するのを確実に回避することができる。とりわけ、この発明では、冷間の深絞り成形や張出し成形等によって成形される容器において、上記内容物に対する優れたデラミネーション耐性が発現されるものである。
したがって、この発明によれば、上記成分を含有する薬剤、香辛料、香料等を、例えば携帯性に優れたブリスター包装体として消費者に提供することが可能になる。
この発明による包装体の概略を示す垂直断面図である。 同包装体の成形容器用シートを示す部分拡大断面図である。 同包装体の蓋材用シートを示す部分拡大断面図である。 同包装体の蓋材用シートの変形例を示す部分拡大断面図である。
以下、この発明の実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、この発明による包装体を示すものである。
この包装体(1)は、ブリスター包装体であって、成形容器用シート(20)をその内面に開口した複数の収容凹部(2a)が形成されるように成形してなる成形容器(2)と、蓋材用シート(30)よりなりかつ内容物(4)が収容された収容凹部(2a)の開口を覆うように成形容器(2)の開口縁部(2b)に熱融着されている蓋材(3)とよりなる。
成形容器(2)の開口縁部(2b)およびこれに熱融着されている蓋材(3)部分には、包装体(1)を収容凹部(2a)が1つずつ含まれる単位包装体ごとに切り離すためのミシン目等の切り離し部(2c)(3a)が形成されている。
内容物(4)としては、例えば、フェノール、クレゾール、クレオソート、グアヤコール等のフェノール系化合物を含有する薬剤が挙げられるが、その他、各種ニオイ成分を含有する香辛料や香料等であってもよい。
上記ブリスター包装体(1)の開封形態としては、蓋材(3)を手指で捲って収容凹部(2a)の開口から内容物(4)を取り出す形態の他、PTP包装体、即ち、内容物(4)を収容凹部(2a)の底面を介して蓋材(3)側に向かって手指で押すことにより蓋材(3)を破断させ、その破断箇所から内容物(4)を取り出す形態であってもよい。
図2は、成形容器用シートの層構造を示したものである。
成形容器用シート(20)は、内外両面に化成処理層(211)が形成されている金属箔層(21)と、金属箔層(21)の外面にラミネートされている基材層(22)と、金属箔層(21)の内面に酸変性ポリオレフィン樹脂層(231)を介してラミネートされているポリオレフィン樹脂層(23)とよりなる。
金属箔層(21)は、成形容器(2)にバリア性を付与するためのものである。この金属箔層(21)には、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔、ニッケル箔、チタン箔等が用いられる。但し、加工性や重量を考慮すると、成形が容易でかつ軽量であるアルミニウム箔が好適である。アルミニウム箔としては、純アルミニウムやアルミニウム−鉄系合金よりなる軟質材(O材)が好ましい。特に、A8079、A8021の軟質材(O材)が好ましい。
金属箔層(21)の厚みは、15〜80μm程度とするのが好ましい。即ち、厚みが15μm未満であると、シート(20)の成形時に金属箔層(21)が破断したり、また、金属箔層(21)にピンホールが発生したり、包装体(1)の内部に酸素や水分が侵入するおそれがある。一方、厚みが80μmを超えると、シート(20)全体の厚みや重量が大きくなりすぎるおそれがある。
金属箔層(21)の両面に形成されている化成処理層(211)は、ポリオレフィン樹脂層(23)や基材層(22)との接着性を向上させ、また、金属箔層(21)の耐食性を向上させるものである。化成処理層(211)は、例えば、金属箔層(21)の各面に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤によるアンダーコート処理を施すか、あるいは、金属箔層(21)の各面にクロメート処理を施すことによって形成される。例えば、クロメート処理の場合は、脱脂処理を行った金属箔の表面に下記1)〜3)のいずれかの混合物の水溶液を塗工した後、乾燥させる。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂、フェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
前記化成皮膜はクロム付着量として0.1〜50mg/mであることが好ましく、特に2〜20mg/mが好ましい。前記クロム付着量の化成皮膜によって高耐食性の成形用包装材となし得る。
なお、化成処理層(211)は、金属箔層(21)の内外両面のうち、ポリオレフィン樹脂層(23)とのラミネート面を構成する内面のみに形成されていてもよい。
基材層(22)は、シート(20)の成形性を担うものであり、また、成形容器(2)の外面を構成するものである。基材層(22)の材料としては、2軸延伸ポリアミド樹脂フィルム、2軸延伸ポリエステル樹脂フィルム等の耐熱性樹脂フィルムが挙げられる。また、基材層(22)は、2以上の耐熱性樹脂フィルムをラミネートしたものであってもよい。上記フィルムとしては、100℃×30分におけるMD(延伸方向)とTD(延伸方向と垂直な方向)の熱水収縮率の比MD/TD=0.8〜1.2であるものがより好ましい。基材層(22)を上記のような安価でかつ一般的なフィルムで構成すれば、コストが抑えられ、入手も用意である上、優れた耐熱性が発現される。また、上記フィルムとして、熱水収縮率のMD/TDが1に近いものを使用すれば、成形性が良好となる。
基材層(22)の厚みは、好適には、10〜40μm程度とされる。基材層(22)の厚みが10μm未満であると、成形性が低下する。一方、基材層(22)の厚みが40μmを超えると、成形後にデラミネーションが起こる可能性がある。
基材層(22)と、金属箔層(21)の外面(化成処理層(211)の表面)とは、ウレタン樹脂系接着剤やアクリル樹脂系接着剤等よりなる接着層(24)を介して、ドライラミネートされている。
ポリオレフィン樹脂層(23)は、蓋材(3)との熱融着のためのシーラント層を構成するものであり、また、成形容器(2)の内面を構成するものである。
ポリオレフィン樹脂層(23)は、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムによって構成されている。未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、未延伸ポリプロピレン樹脂フィルム、未延伸ポリエチレン樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂層(23)の厚みは、好適には、20〜150μm程度とされる。ポリオレフィン樹脂層(23)の厚みが20μm未満であると、包材としての保形性が不足したり、シール性が低下したりする。一方、ポリオレフィン樹脂層(23)の厚みが150μmを超えると、コストが高くなる。
酸変性ポリオレフィン樹脂層(231)は、金属箔層(21)の内面(化成処理層(211)の表面)とポリオレフィン樹脂層(23)とのラミネート強度を高めるために機能するものである。
この酸変性ポリオレフィン樹脂層(231)は、例えば、未変性のポリオレフィン樹脂を溶融状態として、アクリル酸や無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸無水物等とジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を添加してグラフト重合することにより形成することができる。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂層(231)は、金属箔層(21)の内面を構成する化成処理層(211)の表面に、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する処理液を塗布した後、焼き付け処理を行うことによって形成することもできる。
未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムよりなるポリオレフィン樹脂層(23)と、金属箔層(21)の内面(化成処理層(211)の表面)とのラミネートは、酸変性ポリオレフィン樹脂層(231)を介して、ヒートラミネートによって行われる。ヒートラミネートによれば、接着剤が使用されないため、特に薬剤や香辛料等を内容物とする場合に好適である。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂層(231)は、酸変性ポリオレフィン樹脂系接着剤よりなる接着層によって構成することもできる。酸変性ポリオレフィン樹脂系接着剤としては、2液硬化型の酸変性ポリプロピレン樹脂系接着剤、2液硬化型酸変性ポリエチレン樹脂系接着剤、2液硬化型酸変性ポリスチレンエラストマー系接着剤等を挙げることができる。
この場合、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムよりなるポリオレフィン樹脂層(23)と、金属箔層(21)の内面(化成処理層(211)の表面)とは、上記接着剤よりなる接着層(231)を介して、ドライラミネートされる。
図3は、蓋材(3)を構成するシートの層構造を示したものである。
同図に示すように、蓋材用シート(30)は、金属箔層(31)と、金属箔層(31)の内面にラミネートされている熱融着性樹脂層(32)と、金属箔層(31)の外面にラミネートされている耐熱性樹脂層(33)とよりなる。
金属箔層(31)は、蓋材(3)にバリア性を付与するためのものである。この金属箔層(31)には、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔、ニッケル箔、チタン箔等が用いられる。但し、好適には、成形が容易でかつ軽量であるアルミニウム箔が用いられる。アルミニウム箔としては、純アルミニウムやアルミニウム−鉄系合金よりなる軟質材(O材)が好ましい。
金属箔層(31)の厚みは、通常10〜50μm程度となされる。
熱融着性樹脂層(32)は、蓋材(3)を成形容器(2)の開口縁部(2b)に熱融着するためのシーラント層を構成し、また、内容物(4)に臨む包装体(1)内面の一部を構成するものである。
この熱融着性樹脂層(32)は、金属箔層(31)の内面に、熱融着性樹脂を主体とするコート剤をコーティングすることにより形成されている。コート剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、酸変性ポリプロピレン樹脂または塩素化ポリプロピレン樹脂を主体とし、同樹脂を有機溶剤に分散または溶解してなるものが好適に用いられる。上記コート剤を、金属箔層(31)の内面に直接塗布し、乾燥することによって、金属箔層(31)の内面と強固に接着した熱融着性樹脂層(32)が形成され、内容物の影響による接着剥れを防止することができる。
耐熱性樹脂層(33)は、蓋材(3)の保形性や強度を高めるものであり、また、蓋材(3)の外面を構成するものである。上記耐熱性樹脂層(33)を有するシート(30)によって構成される蓋材(3)は、蓋材(3)を手指で捲って成形容器(2)の収容凹部(2a)の開口から内容物(4)を取り出す形態のブリスター包装体(1)に用いられる。
この耐熱性樹脂層(33)は、耐熱性樹脂フィルムよりなる。耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、セロハン等が用いられる。
耐熱性樹脂層(33)の厚みは、通常6〜40μm程度とされる。
耐熱性樹脂層(33)と、金属箔層(31)の外面とは、ウレタン樹脂系接着剤やアクリル樹脂系接着剤等よりなる接着層(34)を介して、ドライラミネートされている。
図4は、蓋材を構成するシートの変形例を示したものである。
同図に示す蓋材用シート(30A)は、金属箔層(31)と、金属箔層(31)の内面にラミネートされている熱融着性樹脂層(32)とよりなり、耐熱性樹脂層は備えていない。
このシート(30A)によって構成される蓋材(3)は、内容物(4)を収容凹部(2a)の底面を介して蓋材(3)側に向かって手指で押すことにより蓋材(3)を破断させ、その破断箇所から内容物(4)を取り出すPTP包装体に用いられる。
金属箔層(31)の外面に、内容物取り出し性を損なわない範囲で、下地印刷、バーコード印刷、加飾印刷を施し、その上に、ニトロセルロース、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシメラミン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂等から選ばれる樹脂を主成分とするコート剤をコーティングすることができる。コート層の厚みは、通常0.5〜5μm程度である。
上記実施形態のブリスター包装体によれば、例えばフェノール系化合物を含有する薬剤を内容物とする場合であっても、成形容器および蓋材にデラミネーションの発生は見られず、良好な包装状態が相当期間維持され、問題なく使用することができた。
次に、この発明の具体的実施例について説明するが、この発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ40μmのアルミニウム箔(A8079)の両面にポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って化成皮膜を形成した。この化成皮膜によるクロム付着量は5mg/mである。上記アルミニウム箔の片面に、2液硬化型ポリエステルポリウレタン接着剤を介して、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(100℃×30分におけるMDとTDの熱水収縮率の比MD/TD=0.95)を貼り合わせた。
次に、2液硬化型酸変性ポリプロピレン接着剤を介して、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを、上記アルミニウム箔のもう一方の面にドライラミネート法によって貼り合わせた。その後に40℃の温度で5日間エージングを行った。
[実施例2]
厚さ40μmのアルミニウム箔(A8079)の両面に、グラビアロールを用いたグラビアコート法によって、ポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って化成皮膜を形成した。この化成皮膜によるクロム付着量は5mg/m2である。上記アルミニウム箔の片面に、2液硬化型ポリエステルポリウレタン接着剤を介して、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(100℃×30分におけるMDとTDの熱水収縮率の比MD/TD=0.95)を貼り合わせた。
次に、2液硬化型酸変性ポリスチレンエラストマー接着剤を介して、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを、上記アルミニウム箔のもう一方の面にドライラミネート法によって貼り合わせた。その後に40℃の温度で5日間エージングを行った。
[実施例3]
厚さ40μmのアルミニウム箔(A8079)の両面に、グラビアロールを用いたグラビアコート法によって、キトサン誘導体樹脂、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って化成皮膜を形成した。この化成皮膜によるクロム付着量は10mg/m2である。上記アルミニウム箔の片面に、2液硬化型ポリエステルポリウレタン接着剤を介して、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(100℃×30分におけるMDとTDの熱水収縮率の比MD/TD=0.95)を貼り合わせた。
次に、酸変性ポリプロピレン樹脂と未変性ポリプロピレン樹脂をそれぞれの厚みが5μmと35μmになるように共押出成形によってフィルムを得た。このフィルムの酸変性ポリプロピレン樹脂よりなる面を、上記アルミニウム箔のもう一方の面に、180℃の熱ロールを用いたヒートラミネート法によって貼り合わせた。
[比較例1]
厚さ40μmのアルミニウム箔(A8079)の両面にポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って化成皮膜を形成した。この化成皮膜によるクロム付着量は5mg/mである。上記アルミニウム箔の片面に、2液硬化型ポリエステルポリウレタン接着剤を介して、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム(100℃×30分におけるMDとTDの熱水収縮率の比MD/TD=0.95)を貼り合わせた。
次に、2液硬化型ポリエステルポリウレタン接着剤を介して、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを、上記アルミニウム箔のもう一方の面にドライラミネート法によって貼り合わせた。その後に40℃の温度で5日間エージングを行った。
<内容物保存評価>
上記実施例1〜3および比較例1の成形容器用シートをそれぞれ縦5cm×横7cmの袋状に成形し、その中に内容物として木酢油0.5gを脱脂綿に染み込ませたものを入れた後、開口部をシールして、包装体を得た。
そして、得られた各包装体を、60℃の恒温槽内で30日間保管した。保管中、10日毎に各包装体を開封して、シートにデラミネーションが発生しているかどうか目視で確認した。
確認結果を表1に示す。なお、表1中、「保存試験」の項の「○」は、デラミネーションの発生なし、且つラミ強度の低下もなし、「△」は、デラミネーションの発生なし、ラミ強度の低下あり、「×」は、デラミネーションの発生あり、を示すものである。また、「ラミ強度」の項は、アルミニウム箔(AL)と未延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)との間のラミネート強度を示すものであって、各数値の単位はN/15mmである。
Figure 0006523673
表1の通り、比較例1では、10日目でデラミネーションの発生が見られた。
一方、実施例1、3の場合、30日目でもデラミネーションの発生はみられず、また、実施例2では、30日目でラミネート強度の低下は見られたもののデラミネーションの発生はなく、いずれも良好な結果が得られた。
この発明による成形容器用シート、成形容器および包装体は、フェノール系化合物やニオイ成分のような積層シートの樹脂層を透過してそのラミネート部を侵しやすい成分を含有する薬剤、香辛料、香料等を内容物とする包装、特に、ブリスター包装について、好適に用いることができる。
(1):包装体
(2):成形容器
(2a):収容凹部
(2b):開口縁部
(20):成形容器用シート
(21):金属箔層
(211):化成処理層
(22):基材層
(23):ポリオレフィン樹脂層
(231):酸変性ポリオレフィン樹脂層
(24):接着層
(3):蓋材
(30):蓋材用シート
(31):金属箔層
(32):熱溶着性樹脂層
(33):耐熱性樹脂層
(34):接着層
(4):内容物

Claims (9)

  1. 内外両面のうち少なくとも内面に化成処理が施されている金属箔層と、金属箔層の外面にラミネートされている基材層と、金属箔層の内面に酸変性ポリオレフィン樹脂層を介してラミネートされているポリオレフィン樹脂層とを備えている成形容器用シートを、同シートの内面に開口した複数の収容凹部が形成されるように成形してなり、各収容凹部に、内容物としてフェノール系化合物を含有する薬剤、香辛料または香料が収容される、ブリスター包装体用成形容器であって、
    基材層が、100℃×30分におけるMDとTDの熱水収縮率の比MD/TD=0.8〜1.2である2軸延伸ポリアミド樹脂フィルムもしくは2軸延伸ポリエステル樹脂フィルム、またはこれらのフィルムを2以上ラミネートしたものよりなる、ブリスター包装体用成形容器
  2. ポリオレフィン樹脂層が未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムよりなり、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが、酸変性ポリオレフィン樹脂系接着剤よりなる接着層を介して、金属箔層の内面にドライラミネートされている、請求項1記載のブリスター包装体用成形容器
  3. 未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、酸変性ポリオレフィン樹脂系接着剤が酸変性ポリプロピレン樹脂系接着剤である、請求項2記載のブリスター包装体用成形容器
  4. ポリオレフィン樹脂層が未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムよりなり、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムのラミネート面に酸変性ポリオレフィン樹脂層が形成されており、同ラミネート面が金属箔層の内面にヒートラミネートされている、請求項1記載のブリスター包装体用成形容器
  5. 未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、酸変性ポリオレフィン樹脂層が酸変性ポリプロピレン樹脂層である、請求項4記載のブリスター包装体用成形容器
  6. 成形容器用シートの成形が、深絞り成形または張出し成形によって行われている、請求項1〜5のいずれか1つに記載のブリスター包装体用成形容器。
  7. 収容凹部に内容物としてフェノール系化合物を含有する薬剤、香辛料または香料が収容されている請求項1〜6のいずれか1つに記載のブリスター包装体用成形容器と、金属箔層とその内面にラミネートされている熱融着性樹脂層とを有しかつ収容凹部の開口を覆うようにブリスター包装体用成形容器の開口縁部に熱融着されている蓋材とよりなる、ブリスター包装体。
  8. 蓋材が、金属箔層の外面にラミネートされている耐熱性樹脂層をさらに有している、請求項記載のブリスター包装体。
  9. 蓋材の熱融着性樹脂層が、金属箔層の内面に酸変性ポリプロピレン樹脂または塩素化ポリプロピレン樹脂を主体とするコート剤をコーティングすることにより形成されている、請求項または記載のブリスター包装体。
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