JP6522858B2 - 検査システム - Google Patents

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Description

本発明は、物品の検査を効率的に行うための検査システムに関する。
物品を製造する際、物品が所定の性能を発揮することを担保するために、出荷前に検査が行われることが一般的である。そして、検査結果に基づいて、物品の特性を調整し、所定の性能を発揮できるようにされる。
特許文献1には、熱間圧延工程において製造された圧延鋼板に品質不良が発生した場合、その原因をオペレータの経験度合いに左右されることなく、的確に推定することを課題とし、品質検査工程を含む複数の工程から構成される製造ラインにおいて製造された製造物の品質異常の原因を推定する作業をオペレータが行うに際し、前記推定作業を支援する支援システムであって、前記支援システムは、オペレータが確認可能な表示器を有し、前記表示器には、前記品質異常の原因に関する情報が、オペレータが原因を絞り込むことができる態様で表示されるように構成されていることを特徴とする品質異常の原因推定支援システムが開示されている。
特開2014−179060号公報
本発明は、物品の検査を効率的に行うための検査システムを提供するものである。
本発明によれば、物品を保管する保管部を複数備える保管領域と、前記保管領域内において、前記保管部に保管された前記物品の予め定められた特性を検査する検査装置と、前記保管部毎の番地を取得可能に構成され且つ前記検査装置を制御可能に構成される制御部と、を備え、前記制御部は、前記検査装置による前記物品の検査が完了した場合、前記検査が開始されていない他の物品が保管されている前記保管部の番地が表す前記保管部に向けて前記検査装置が移動するように制御する、検査システムが提供される。
本発明者らは、物品を搬送する物品搬送装置を用い、自動化されたラインで物品の検査を効率的に行うために、従来のラインを根本的に見直した。
複数の種類の物品を同じラインを用いて検査する場合、物品の種類により検査工程が異なるので、ラインにて位置が固定された検査装置を用いて搬送される物品を検査すると、ある物品の検査が完了するまで後続の物品の搬送が停止されてしまう。かかる事態を回避すべく、検査対象の物品のもとに検査装置が移動する、という従来の態様とは逆転の発想に基づき、本発明の完成に至った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記制御部は、前記物品の種類毎に予め定められた検査時間を前記検査装置に出力するように通信部を制御し、前記検査装置は、前記通信部から出力された前記検査時間に基づいて、前記物品を検査するように制御される。
好ましくは、前記物品は、前記保管部内において、前記検査結果に基づいて前記予め定められた特性を調整する調整処理を実行する。
好ましくは、前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、前記制御部は、前記検査装置による検査が完了した前記物品を前記保管部から取り出して前記保管領域の外部に搬送するように前記物品搬送装置を制御する。
好ましくは、前記保管部は、前記物品搬送装置の移動経路外に設けられ、前記物品搬送装置は、前記物品の検査中であっても、前記保管領域内を移動可能に構成される。
好ましくは、前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、前記保管領域は、第1保管領域及び第2保管領域を含み、前記物品搬送装置は、前記第1及び第2保管領域並びに前記第1及び第2保管領域の下流工程へ前記物品を搬送可能に構成され、前記物品の種類毎に、前記第1保管領域内において実行される第1検査及び前記第2保管領域内において実行される第2検査を含む工程を取得する工程取得部を備え、前記制御部は、前記物品の検査が完了すると、前記工程取得部により取得された前記工程に基づいて、前記物品が前記第1保管領域、前記第2保管領域又は前記下流工程へ搬送されるように前記物品搬送装置を制御する。
好ましくは、前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記工程が、前記第1及び第2検査が繰り返し実行される工程である場合、前記物品が前記第1及び第2保管領域内で循環移動するように前記物品搬送装置を制御する。
好ましくは、前記第2保管領域は、前記第1保管領域よりも前記物品の搬入側に設けられたエリアであり、前記工程取得部は、前記物品が前記第2保管領域から前記第1保管領域に搬送された後再び前記第2保管領域に搬送される回数である循環数を取得し、前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記循環数に基づいて、前記物品を前記第2保管領域又は前記下流工程に搬送するように前記物品搬送装置を制御する。
好ましくは、前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記工程に基づいて、前記第1又は第2検査を実行する検査装置が備える検査プログラムを切り替えるように前記検査装置を制御する。
好ましくは、前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、前記保管部は、前記物品搬送装置の移動経路外に設けられ、前記制御部は、前記物品搬送装置を、前記物品が保管されていない保管部に前記物品を保管し、前記保管部に保管された前記物品とは異なる物品を、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部と異なる保管部に保管するように制御する。
好ましくは、前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部と、前記物品搬送装置と、の位置関係に基づいて決定される。
好ましくは、前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部からランダムに決定される。
好ましくは、前記物品搬送装置は、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部を通過し、前記異なる保管部まで前記異なる物品を搬送する。
好ましくは、物品を保管する保管部を複数備える保管領域と、前記保管領域内において、前記保管部に保管された前記物品の予め定められた特性を検査する検査装置と、前記保管部毎の番地を取得可能に構成され且つ前記検査装置を制御可能に構成される制御部と、前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置と、を備え、前記保管領域は、第1保管領域及び第2保管領域を含み、前記物品搬送装置は、前記第1及び第2保管領域並びに前記第1及び第2保管領域の下流工程へ前記物品を搬送可能に構成され、前記物品の種類毎に、前記第1保管領域内において実行される第1検査及び前記第2保管領域内において実行される第2検査を含む工程を取得する工程取得部を備え、前記制御部は、前記物品の検査が完了すると、前記工程取得部により取得された前記工程に基づいて、前記物品が前記第1保管領域、前記第2保管領域又は前記下流工程へ搬送されるように前記物品搬送装置を制御する、検査システムが提供される。
好ましくは、前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記工程が、前記第1及び第2検査が繰り返し実行される工程である場合、前記物品が前記第1及び第2保管領域内で循環移動するように前記物品搬送装置を制御する。
好ましくは、前記第2保管領域は、前記第1保管領域よりも前記物品の搬入側に設けられたエリアであり、前記工程取得部は、前記物品が前記第2保管領域から前記第1保管領域に搬送された後再び前記第2保管領域に搬送される回数である循環数を取得し、前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記循環数に基づいて、前記物品を前記第2保管領域又は前記下流工程に搬送するように前記物品搬送装置を制御する。
好ましくは、前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記工程に基づいて、前記第1又は第2検査を実行する検査装置が備える検査プログラムを切り替えるように前記検査装置を制御する。
好ましくは、前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、前記保管部は、前記物品搬送装置の移動経路外に設けられ、前記制御部は、前記物品搬送装置を、前記物品が保管されていない保管部に前記物品を保管し、前記保管部に保管された前記物品とは異なる物品を、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部と異なる保管部に保管するように制御する。
好ましくは、前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部と、前記物品搬送装置と、の位置関係に基づいて決定される。
好ましくは、前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部からランダムに決定される。
好ましくは、前記物品搬送装置は、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部を通過し、前記異なる保管部まで前記異なる物品を搬送する。
好ましくは、物品を保管する保管部を複数備える保管領域と、前記保管領域内において、前記保管部に保管された前記物品の予め定められた特性を検査する検査装置と、前記保管部毎の番地を取得可能に構成され且つ前記検査装置を制御可能に構成される制御部と、前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置と、を備え、前記保管部は、前記物品搬送装置の移動経路外に設けられ、前記制御部は、前記物品搬送装置を、前記物品が保管されていない保管部に前記物品を保管し、前記保管部に保管された前記物品とは異なる物品を、前記検査装置による検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部と異なる保管部に保管するように制御する、検査システムが提供される。
好ましくは、前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部と、前記物品搬送装置と、の位置関係に基づいて決定される。
好ましくは、前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部からランダムに決定される。
好ましくは、前記物品搬送装置は、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部を通過し、前記異なる保管部まで前記異なる物品を搬送する。
本発明の第1実施形態に係る検査システム200の概要を表す模式図である。 本発明の一実施形態に係る検査システム200にて搬送される物品の例である。本実施形態では、物品の例として、モニター5を用いて説明する。なお、モニター5は、パレット7に載置された状態で、検査システム200の搬送ライン40にて搬送される。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の例示的な機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る検査器Aの例示的な機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るマスターテーブル記憶部123に記憶されるマスターテーブルの例である。マスターテーブルには、物品の機種毎に工程が記憶されている。また、領域Bと領域Aの間を行き来する循環数も記憶されている。 本発明の一実施形態に係る作業テーブル記憶部125に記憶される作業テーブルの例である。作業テーブルは、検査対象のモニター5毎に、モニター5固有の識別番号であるモニターID、モニター5が載置されるパレット7を特定するパレットID、モニター5の機種、現工程、現工程の残り時間及びモニター5が保管されている部屋の番地を対応付けて生成される。 本発明の一実施形態に係る物品の循環移動について説明する概念図である。 本発明の一実施形態に係る検査システム200を制御するためのフローチャートの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る検査システム200の搬送ライン40を説明する模式図であり、(a)は第2ライン43及び中間ライン47の移動前、(b)は移動後の様子を表す。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
1.第1実施形態
<モニター5の検査工程>
図6を用いて、物品の一例であるモニター5の検査工程について説明する。図6は、後述するマスターテーブル記憶部123に記憶されるマスターテーブルの例である。マスターテーブルは、物品の種類(モニター5の機種)毎に検査工程を記憶している。ここで、図6に示されるマスターテーブルでは、図の左から右に向けて検査が実行されることを示している。
モニター5は、機種によって必要な検査工程が異なる。例えば、比較的廉価なモニター5は、再現性等の性能が比較的低くても十分な場合があり、かかる場合には少ない検査で十分に所定の性能を発揮することができる。一方、医療現場や工業デザイン分野で用いられるモニター5は、要求される性能が非常に高く、所定の性能を発揮することを担保するために、検査を繰り返し実行する必要がある。したがって、モニター5の機種により、必要な検査工程が異なるのである。
図6において、エージング及び工程Aは、図1に示される領域Aにおいてなされる検査を示す。また、工程Bは、図1に示される領域Bにおいてなされる検査を示す。そして、工程C、工程D及び工程Eは、領域A及び領域Bでなされる検査の後工程でなされる検査を示す。ここで、本実施形態では、エージング〜工程B2を上流工程、工程C〜工程Eを下流工程と呼ぶ。循環数は、モニター5が領域Bから領域Aに搬送された後再び領域Bに搬送される回数である。ここで、各工程の後の数字は、その工程が何回目に実行されるものであるかを示す。例えば、工程A1は1回目に実行される工程Aのことであり、工程A2は2回目に実行される工程Aのことであり、工程A3は3回目に実行される工程Aのことである。エージング及び工程Bについても同様である。つまり、本実施形態では、モニター5の機種によっては、エージング、工程A及び工程Bが複数回実行される。
エージングは、モニター5を所定時間に渡って通電状態とし、モニター5の挙動を安定させるための工程である。本実施形態では、機種4,5のモニター5では、全ての工程を完了するまでに、エージングを2回実行する。エージング2は、工程A2において変動したモニター5の輝度や色温度等を再び安定させるための工程である。なお、本実施形態では、エージングに要する時間は、他の工程に要する時間と比べて長いものとする。
工程A〜工程Eは、モニター5の特性を検査する工程である。かかる検査は、検査装置を用いてモニター5を撮像することによりなされる。具体的には、モニター5から照射される光を検出し、モニター5の輝度、明度、彩度、色調、光量、モニター5の表示ムラ等の特性が所定の性能を発揮できているかを検査する。ここで、本実施形態では、工程Bは、工程Aと比べて検査のために必要な空間が大きい検査であるものとする。例えば、工程Bではモニター5から所定距離離れた位置から、モニター5から照射される光を検出することが必要な検査であり、工程Aでは、モニター5に近接した位置から、モニター5から照射される光を検出可能な検査である場合を想定している。また、工程Bは暗室内でなされる検査であり、工程Aは暗室外でなされる検査である場合でも、工程Bの方が工程Aよりも検査のために必要な空間が大きくなる。
また、マスターテーブルは、モニター5の種類毎に、循環数を記憶している。例えば、機種1では、工程Bが不要であるので、領域Aにおいてエージング1が実行されると、領域Bに戻ることなく後工程(工程C)へと搬送される。このため、循環数は「0」である。また、機種2では、工程B1が必要であるので、後述する搬入ライン41及び第1ライン42を通過(領域Bを通過)して領域Aに搬送され、エージング1及び工程A1が完了した後、再び領域Bに搬送されて工程B1が実行される。このため、循環数は「1」である。機種3については、工程B1の代わりに工程B2が実行されるので、機種2と同様に、循環数は「1」である。そして、機種4,5については、搬入ライン41及び第1ライン42を通過(領域Bを通過)して領域Aに搬送され、エージング1及び工程A1が完了した後、再び領域Bに搬送されて工程B1が実行される。そして、その後領域Aに搬送されて工程A2、エージング2及び工程A3が完了すると、再び領域Bに搬送されて工程B2が実行される。したがって、これらの機種では、「領域B(搬入時)→領域A→領域B(循環数:1)→領域A→領域B(循環数:2)」という順で搬送されるので、循環数は「2」である。つまり、本実施形態では、マスターテーブル中における工程Bの回数が循環数となる。
さらに、マスターテーブルは、モニター5の機種毎に、各工程に必要な検査時間及びエージング時間を記憶している。なお、これらの検査時間及びエージング時間は、同一工程(例えば、工程A1)であれば各機種で同じ検査時間及びエージング時間としてもよく、機種毎に異なる検査時間としてもよい。
<検査システム200の概要>
次に、図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る検査システム200の概要について説明する。検査システム200は、物品搬送装置を用いて複数の機種が混在したモニター5を搬送し、検査装置である検査器A50A及び検査器B50Bを用いてモニター5の検査を行う、自動化された検査システムである。そして、図6に示されるマスターテーブルを参照し、モニター5の機種毎に、所定の検査工程を実行する。
図1に示されるように、検査システム200は、搬送ライン40(搬入ライン41、第1ライン42、第2ライン43、第3ライン44、第4ライン45及び第5ライン46)と、搬送ライン40に設けられモニター5の向きを回転させるターンテーブル60と、循環移動の起点となる循環起点部65と、物品を保管する保管部(以下、部屋という)を複数備える保管領域(領域A及び領域B)と、領域A内において移動可能に構成される検査器A50Aと、領域B内に設けられた検査器B50Bと、RFIDリーダー80と、任意の場所に設けられ且つ検査器A50A、RFIDリーダー80、第3ライン44、第4ライン45及び循環起点部65と通信可能な情報処理装置1(図3及び図4参照)と、を有する。
<搬送ライン40及び循環起点部65>
搬送ライン40は、図2に示されるように、パレット7に載置されたモニター5を搬送するための物品搬送装置の一例である。搬入ライン41、第1ライン42、第2ライン43及び第5ライン46は、例えばコンベアやトラバーサーにより構成される。第3ライン44及び第4ライン45は、例えば自走式クレーンにより構成される。搬入ライン41は、検査対象のモニター5を検査システム200に搬入するためのものである。そして、搬入ライン41の近傍に、パレット7に設けられたRFIDタグ71を読み取るためのRFIDリーダー80が設置される。第1ライン42は、モニター5を図面の左方向に搬送するためのラインである。第2ライン43は、モニター5を図面の右方向に搬送するためのラインである。第5ライン46は、モニター5を検査工程の下流工程側へ搬送するためのラインである。ここで、第1ライン42と第2ライン43の間にターンテーブル60が設けられ、第1ライン42と第5ライン46の間に循環起点部65が設けられる。循環起点部65はモニター5の循環移動の起点となるものであり、ターンテーブル60と同様に、自身が回転することで載置されたモニター5の向きを回転させることができる。また、搬送ライン40及びターンテーブル60とともに、物品搬送装置を構成するものである。さらに、情報処理装置1と通信可能であり、通信部15を介して送受信される信号により、制御部11によって制御されるものである。
<領域B>
第2ライン43の近傍には、物品を保管する保管部(部屋31−1〜部屋31−5)を複数備える保管領域(図中の点線で表される領域B)が設けられる。部屋31−1〜部屋31−5には、それぞれの位置を表す番地が割り振られている。本実施形態では、説明の便宜上、部屋31−1〜部屋31−5の位置を表す番地をそれぞれ番地31−1〜番地31−5と称する。かかる番地は、後述の番地記憶部124に記憶される。
また、部屋31−1〜部屋31−5は、物品搬送装置の一例である第2ライン43の移動経路外に設けられる。
部屋31−1〜部屋31−5のそれぞれには、モニター5の予め定められた特性を検査する検査装置である検査器B50Bが設けられる。検査器B50Bは、図6に示される工程B(領域Bにおいてなされる検査)における検査を実行するものである。工程Bは、工程Aと比べて、検査のために必要な空間が大きいので、領域Bの部屋31−1〜部屋31−5は、領域Aの部屋21−1〜24−5と比べて大きく構成されている。
また、部屋31−1〜部屋31−5のそれぞれには、部屋内にモニター5が保管されていることを検出するセンサー(不図示)が設けられている。かかるセンサーは、情報処理装置1の有する制御部11と通信可能に構成される。これにより、情報処理装置1は、各部屋におけるモニター5の有無を把握することができる。
<領域A>
第1ライン42を挟んだ領域Bの反対側に、物品を保管する保管部(部屋21−1〜部屋24−5)を複数備える保管領域(図中の点線で表される領域A)が設けられる。領域Aは、第1保管エリア21、第2保管エリア22、第3保管エリア23及び第4保管エリア24から構成される。部屋21−1〜部屋24−5には、それぞれの位置を表す番地が割り振られている。本実施形態では、説明の便宜上、部屋21−1〜部屋24−5の位置を表す番地をそれぞれ番地21−1〜番地24−5と称する。かかる番地は、後述の番地記憶部124に記憶される。
領域A内には、第1保管エリア21〜第4保管エリア24内を移動可能な第3ライン44及び第4ライン45が設けられる。第3ライン44及び第4ライン45は、情報処理装置1の有する制御部11と通信可能に構成される物品搬送装置であって、物品(モニター5)を保管部(部屋21−1〜部屋24−5)に出し入れし且つ物品(モニター5)を保管領域(領域A)の外部に搬送する物品搬送装置の一例である。そして、第3ライン44により、循環起点部65を介してモニター5が領域Aと領域Bの間を行き来することができる。
また、部屋21−1〜部屋24−5は、物品搬送装置の一例である第3ライン44及び第4ライン45の移動経路外に設けられる。
さらに、領域A内には、モニター5の予め定められた特性を検査する検査装置である検査器A50Aが設けられる。検査器A50Aは、図6に示される工程A(領域Aにおいてなされる検査)における検査を実行するものである。そして、検査器A50Aは、領域A内で移動可能に構成され、部屋21−1〜部屋24−5の間を自由に移動することができる。なお、本実施形態では、第1保管エリア21及び第3保管エリア23内で移動可能な検査器A50Aが2つ、第2保管エリア22及び第4保管エリア24内で移動可能な検査器A50Aが2つ設けられる。なお、検査器A50Aの数及び配置は任意である。
また、検査器A50Aは、情報処理装置1の有する制御部11と通信可能に構成される。
また、部屋21−1〜部屋24−5のそれぞれには、部屋内にモニター5が保管されていることを検出するセンサー(不図示)が設けられている。かかるセンサーは、情報処理装置1の有する制御部11と通信可能に構成される。これにより、情報処理装置1は、各部屋におけるモニター5の有無を把握することができる。
<モニター5及びパレット7>
次に、図2を用いて、検査システム200の搬送ライン40にて搬送されるモニター5及びパレット7について説明する。モニター5は、パレット7に載置された状態で搬送ライン40にて搬送される。パレット7には、RFIDタグ71、給電素子72及び通信部73が設けられる。RFIDタグ71は、RFIDリーダー80により読み取られるタグであり、パレット7を特定するパレットIDが記憶されている。かかるパレットIDは、モニター5が搬入ライン41に搬入される前に、パレット7に載置されるモニター5に固有の職別番号であるモニターIDと対応づけて任意の情報処理装置に記憶される。給電素子72は、例えばパレット7に設けられた銅板であり、搬送ライン40に設けられた電気を供給する摺電子と接触することにより、検査システム200内においてパレット7に電気を供給するためのものである。そして、かかる電気を、パレット7に載置されたモニター5に図示しないコネクタ等により供給する。これにより、検査工程の間、モニター5に電力が給電されるので、モニター5は任意の画像(文字、図形、記号、模様、動画等)を表示することができる。通信部73は、情報処理装置1の有する制御部11と通信するためのものである。
<情報処理装置1>
次に、図3及び図4を用いて、本実施形態に係る情報処理装置1について説明する。
<ハードウェア構成>
図3に示されるように、情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14及び通信部15を有する。制御部11は、種々の演算処理を実行するものであり、例えば、CPU等により構成される。記憶部12は、種々のデータやプログラムを記憶するものであり、例えば、メモリ、HDD又はSSD等により構成される。ここで、プログラムは、情報処理装置1の出荷時点においてプリインストールされていてもよく、Web上のサイトからアプリケーションとしてダウンロードしてもよく、無線通信により他の情報処理装置から転送されてもよい。操作部13は、情報処理装置1を操作するものであり、例えば、タッチパネル、キーボード、音声入力部、カメラ等を利用した動き認識装置、視線操作装置等により構成される。表示部14は、種々の画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、例えば、タッチパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーその他のディスプレイで構成される。通信部15は、他の情報処理装置と種々のデータを送受信するものであり、任意のI/Oにより構成される。バス100はシリアルバス、パラレルバス等で構成され、各部を電気的に接続し、種々のデータの送受信を可能にするものである。
なお、情報処理装置1の制御部11と通信可能に構成される物品搬送装置、検査器A50A、RFIDリーダー80及びパレット7も、図3と同様の構成を有する。なお、これらの機器については、表示部14は必須ではない。
<機能ブロック図>
次に、情報処理装置1の機能について、図4の機能ブロック図を用いて説明する。情報処理装置1は、例えば、多機能情報端末であり、PC、サーバ等である。情報処理装置1は、操作部13、表示部14及び通信部15と、制御部11と、記憶部12と、を備える。制御部11は、次工程指示部111、循環搬送指示部112、作業テーブル生成部113及び工程取得部114を備える。また、記憶部12は、モニターID記憶部121、パレットID記憶部122、マスターテーブル記憶部123、番地記憶部124及び作業テーブル記憶部125を備える。
操作部13、表示部14及び通信部15の各機能については、図3の説明を参照されたい。
<制御部11>
次に、制御部11の機能について説明する。工程取得部114は、図6に示されるマスターテーブルをマスターテーブル記憶部123から取得する。
次工程指示部111は、工程取得部114が取得したマスターテーブルにしたがって、検査対象のモニター5が次になされる検査である次工程を物品搬送装置の一例である搬送ライン40及び循環起点部65に指示する。また、モニター5の現工程の把握には、後述の作業テーブルを参照する。
循環搬送指示部112は、工程取得部114が取得したマスターテーブルに記憶されている循環数にしたがって、物品搬送装置の一例である搬送ライン40及び循環起点部65に循環搬送の有無を指示する。ここで、循環搬送とは、モニター5を領域Bと領域Aの間で繰り返し搬送することである。また、モニター5の現工程の把握には、後述の作業テーブルを参照する。
作業テーブル生成部113は、検査対象のモニター5毎に、モニターID、モニター5が載置されるパレット7を特定するパレットID、モニター5の機種、現工程、現工程の残り時間及びモニター5が保管されている部屋の番地を対応付けて作業テーブルを生成する。したがって、本実施形態では、次工程指示部111及び循環搬送指示部112が搬送ライン40及び循環起点部65に指示を出すタイミングは、作業テーブルで管理される残り時間に基づいて決定される。例えば、部屋内で検査されているモニター5の現工程の残り時間が10sになったとき、次工程指示部111及び循環搬送指示部112が搬送ライン40及び循環起点部65に指示を出す構成としてもよい。
<記憶部12>
次に、記憶部12の機能について説明する。モニターID記憶部121は、検査対象のモニター5のモニターIDを記憶する。
パレットID記憶部122は、検査対象のモニター5が載置されるパレット7のパレットIDを記憶する。
マスターテーブル記憶部123は、図6に示されるマスターテーブルを記憶する。
番地記憶部124は、各部屋の番地を記憶する。
作業テーブル記憶部125は、作業テーブル生成部113により生成又は更新された作業テーブルを記憶する。
<検査器A50A>
次に、図5を用いて、検査器A50Aについて説明する。検査器A50Aは、通信部505、制御部501及び記憶部502を有する。通信部505及び制御部501の機能は、情報処理装置1の通信部15及び制御部11と同様である。記憶部502は、検査プログラム503X及び検査プログラム503Yを記憶する。本実施形態では、検査プログラム503Xは工程A1及び工程A3に用いられる検査プログラムであり、検査プログラム503Yは工程A2に用いられるプログラムである。これは、本実施形態では、工程A1〜工程A3は全て検査器A50Aにより検査されるが、工程A1及び工程A3における検査内容と、工程A2における検査内容が異なる場合を想定しているためである。そして、ハードウェアとしては工程A1〜工程A3において検査器A50Aを利用することができ、検査内容によって検査器A50Aが実行する検査プログラムを切り替えることにより、必要な検査器A50Aの台数を低減することができる。なお、検査プログラム503X及び検査プログラム503Yの切替は、通信部505を介して情報処理装置1の制御部11により制御される。つまり、制御部11は、工程取得部114により取得された工程に基づいて、工程Aを実行する検査器A50Aが備える検査プログラムを切り替えるように、検査器A50Aを制御する。
<検査システム200の挙動>
次に、図1及び図6〜図9を用いて、検査システム200の挙動について説明する。図7及び図8は、新たなモニター5が搬入ライン41により検査システム200に搬入されたときにおける状態を表す。つまり、モニターIDが0001〜0010で特定される10台のモニター5が、それぞれ部屋21−1、21−2、31−1、22−1、23−4、24−5、31−3、24−4、31−4、22−3に保管され、それぞれ検査が実施されている。また、10台のモニター5が載置されたパレット7は、それぞれパレットIDがabc1〜abc10で特定される。この状態を模式的に表したのが図8である。なお、図8は、図1で示される検査システム200のうち、領域A、領域B、第1ライン42、第5ライン46及び循環起点部65を図示したものである。
図9に示されるように、S1において、モニター5が載置されたパレット7が搬入ライン41から搬入されると、RFIDリーダー80によりパレット7に設けられたRFIDタグ71が読み取られる。そして、RFIDリーダー80によりRFIDタグ71が読み取られると、かかるRFIDタグ71に記憶されるパレットID(abc11)が情報処理装置1に送信される。そして、情報処理装置1は、パレットIDと対応付けて予め記憶されたモニターID(0011)を取得する。
次に、S2において、情報処理装置1は、マスターテーブル記憶部123からマスターテーブルを取得する。これにより、S1において取得したモニターIDが表す機種5に必要な工程が取得される。
次に、S3において、情報処理装置1は、作業テーブル記憶部125から作業テーブルを取得し、モニター5の保管番地を決定する。具体的には、すでに検査システム200内に存在する10個のモニター5が保管されている番地以外の番地を、S1において搬入されたモニター5の保管番地として決定する。ここで、かかる決定は、複数の保管部(部屋)のうち検査が実行されていない保管部(部屋)と、モニター5を搬送する物品搬送装置(搬送ライン40)と、の位置関係に基づいて決定されてもよい。具体的には、搬入されたばかりのモニター5は、機種によらず最初にエージング1が実行されるので、領域Aの部屋21−1〜24−5のうち、他のモニター5の検査が実行されていない部屋である部屋21−3〜21−5、22−2、22−4、22−5、23−1〜23−3、23−5、24−1、24−3、24−4から、第1ライン42からの移動距離が最も短い部屋をモニター5の保管番地として決定する。図8の例では、部屋23−5をモニター5の保管番地として決定する。また、他の例では、かかる決定は、複数の保管部(部屋)のうち検査が実行されていない保管部(部屋)からランダムに決定してもよい。ここで、部屋21−1〜24−5は、第3ライン44及び第4ライン45の移動経路外に設けられる。
次に、S4において、情報処理装置1は、搬入されたモニター5に関する情報を生成し、作業テーブルを更新する。これにより、かかるモニター5に関する情報が、図7に示される作業テーブルに追加される。そして、更新された作業テーブルは、作業テーブル記憶部125に記憶される。ここで、残り時間が「−」となっているのは、まだモニター5が部屋23−5に保管されておらず、現工程であるエージング1が開始されていないことを示す。なお、モニター5が第3ライン44により部屋23−5に保管されると、部屋23−5に設けられたセンサーにより、モニター5が保管されたことが情報処理装置1に通知され、残り時間が表示される。ここで、搬入されるモニター5が、検査システム200内に初めて搬入されるモニター5である場合には、作業テーブルが更新されることにかえて、新たに作業テーブルが生成される。
次に、S5において、情報処理装置1は、物品搬送装置の一例である搬送ライン40及び循環起点部65と、検査器A50Aと、に番地指定指示を送信する。具体的には、循環起点部65、第3ライン44及び検査器A50Aに番地指定指示を送信する。
一方、搬送ライン40及び循環起点部65は、S11において、情報処理装置1から送信された番地指定指示を受信する。
そして、S12において、受信した番地へ向けて、モニター5を搬送する。具体的には、第1ライン42から搬送されたモニター5が循環起点部65に受け渡され、その後第3ライン44により部屋23−5まで搬送される。
搬送ライン40及び循環起点部65は、検査システム20におけるモニター5の検査が終了するまで、S11及びS12を繰り返す。
他方、検査器A50Aは、S21において、情報処理装置1から送信された番地指定指示を受信する。ここで、本実施形態では、モニター5の現工程はエージング1であり、検査器A50Aを要しない。したがって、図9に示されるフローにおける最初のS21では、検査器A50Aに対しては番地指定指示を送信する必要がない。そのため、図9に示されるフローにおける最初のS6(検査器A50Aに対してモニター5の検査時間を送信するステップ)は不要である。
そして、S12において搬送ライン40及び循環起点部65によって搬送されたモニター5は、部屋23−5においてエージング1を開始する。ここで、エージング1のエージング時間は、マスターテーブルに記憶されたものを利用する。
次に、モニター5の現工程が完了した時又は所定時間前に、S7において、情報処理装置1は、現工程がモニター5の検査における最後の上流工程であるか否かを判断する。こで、作業テーブル及びマスターテーブルを参照することで、モニターIDが11であるモニター5(機種5)の次工程が工程A1であるとわかる。したがって、情報処理装置1は、上流工程が終了していないので、S7において「No」と判断され、S3に処理が戻される。その後、すでに説明した通り、モニターIDが0011で特定されるモニター5について、工程A1を実行するためのモニター保管番地を決定し、S4において、作業テーブルを更新する。
そして、情報処理装置1は、S5において、物品搬送装置の一例である搬送ライン40及び循環起点部65に番地指定指示を送信し、エージング1を完了したモニター5が領域Aの開いている部屋に搬送される。ここで、連続する2つの工程がともに領域Aでなされる工程(エージング及び工程A)である場合、エージングが実行された部屋を移動することなく、次工程である工程Aを開始することとしてもよい。さらに、情報処理装置1は、S5において、検査器A50Aに番地指定指示を送信する。
一方、検査器A50Aは、S21において、情報処理装置1から送信された番地指定指示を受信する。
次に、情報処理装置1は、S6において、モニター5の次工程の検査時間を検査器A50Aに送信する。ここで、かかる検査時間は、マスターテーブルを参照することにより取得することができる。あわせて、検査器A50Aに対して、工程A1に利用する検査プログラム503Xを実行することを指示する。なお、次工程が工程A2である場合、検査プログラム503Yを実行することを指示し、次工程が工程A3である場合、検査プログラム503Xを実行することを指示する。
他方、検査器A50Aは、S22において、情報処理装置1から送信された検査時間を受信する。
そして、検査器A50Aは、S23において、受信した番地指定指示が表す部屋に向けて移動し、受信した検査時間の間、モニター5が保管された部屋内においてモニター5の所定の特性を検査する。
検査器A50Aは、検査システム20におけるモニター5の検査が終了するまで、S21〜S23を繰り返す。
したがって、情報処理装置1の制御部11は、物品(モニター5)の種類(機種)毎に予め定められた検査時間を検査器A50Aに出力するように通信部15を制御する。換言すると、検査器A50Aは、通信部15から出力された検査時間に基づいて、モニター5を検査するように制御される。
そして、モニター5は、保管された部屋内において、検査器A50Aによる検査結果に基づいて、予め定められた特性を調整する調整処理を実行する。例えば、検査器A50Aによる検査の結果、モニター5の輝度を調整する必要があると判断された場合には、モニター5内部のガンマカーブを調整する処理が実行される。なお、かかる調整処理は、モニター5内部に格納された調整プログラムを実行してもよく、外部の情報処理装置に格納された調整プログラムを実行し、その結果をモニター5に送信することでモニター5の調整処理がなされる態様としてもよい。
制御部11は、検査器A50Aによる物品(モニター5)の検査が完了した場合、検査が開始されていない他の物品(モニター5)が保管されている保管部(部屋21−1〜24−5)の番地が表す保管部(部屋21−1〜24−5)に向けて検査器A50Aが移動するように制御する。つまり、検査器A50Aは、工程A1が完了すると、他のモニター5のうち、検査を待っている状態のモニター5が保管されている部屋に向けて移動する。そして、かかるモニター5に対して工程Aのいずれかの検査を開始する。
そして、S7において、情報処理装置1は、モニター5の検査における上流工程が終了したか否かを判断する。モニター5は、次工程が工程B1であるので、S3に処理が戻される。その後、すでに説明した通り、モニターIDが0011で特定されるモニター5について、工程B1を実行するためのモニター保管番地を決定し、S4において作業テーブルを更新する。
また、工程A1が完了すると、制御部11は、検査器A50Aによる検査が完了したモニター5を部屋から取り出して領域Aの外部に搬送するように物品搬送装置(第3ライン44)を制御する。具体的には、情報処理装置1は、S3において、物品搬送装置の一例である第3ライン44及び循環起点部65に番地指定指示を送信する。そして、S11及びS12により、工程A1を完了したモニター5が第2ライン43を通過して領域Bの開いている部屋に搬送される。ここで、領域Bは、第2ライン43の移動経路外に設けられており、第2ライン43にて搬送されるモニター5は、図示しないプッシャー等により部屋31−1〜31−5のいずれかに押し込まれる。
そして、モニター5は、保管された部屋内において、検査器B50Bによる検査結果に基づいて、予め定められた特性を調整する調整処理を実行する。その後、工程B1が完了すると、モニター5は第2ライン43及び2つのターンテーブル60を介して、再び第1ライン42に戻される。
かかる処置を、モニター5の機種毎に定められた工程のうち、上流工程が終了するまで繰り返す。
つまり、図8に示されるように、検査システム200に搬入されたモニター5は、第1ライン42にて搬送されて領域Bを通過した後、循環起点部65を起点として領域Bと領域Aの間を循環移動することで、エージング、工程A及び工程Bが繰り返し実行される。モニターIDが11で特定されるモニター5の場合、工程B1及び工程B2が必要なので、領域B(搬入ライン41による搬入)→領域A(エージング1〜工程A1)→領域B(工程B1)→領域A(工程A2〜工程A3)→領域B(工程B2)というように領域Bと領域Aを循環移動し、その循環数は「2」である。
このとき、情報処理装置1は、S3において、物品搬送装置(搬送ライン40及び検査器A50A)や検査器A50Aに対し、モニター5の次工程を実施するための保管番地を送信する前に、循環搬送指示部112により物品搬送装置(搬送ライン40)に循環搬送を指示し、モニター5が循環移動している間に、検査器A50Aに対し、モニター5の次工程を実施するための保管番地を送信するようにしてもよい。
そして、上流工程が全て完了すると、S7において「Yes」と判断され、S8に進む。ここで、S7における判断は、マスターテーブル及び作業テーブルを参照することでなされる。例えば、モニター5の現工程が工程B2である場合、次工程が工程Cであるので、上流工程が全て完了したと判断される。また、モニター5の現在の循環数をカウントしておき、マスターテーブルに記憶された循環数に達したときに、上流工程が全て完了したと判断することとしてもよい。
そして、S8において、情報処理装置1は、循環搬送終了指示を循環起点部65に送信する。
そして、S13において、搬送ライン40及び循環起点部65は、情報処理装置1から送信された番地指定指示を受信する。そして、S14において、第3ライン44又は第1ライン42により循環起点部65に送られたモニター5が、循環起点部65から第5ライン46に受け渡すように制御される。
その後、モニター5は、第5ライン46により下流工程へ向けて搬送され、適宜設けられた検査位置において工程C〜工程E(下流工程)が実行される。
かかる検査を、全てのモニター5に対して実行する。ここで、部屋21−1〜24−5は、第3ライン44及び第4ライン45の経路外に設けられているので、領域Aにおいてあるモニター5が検査中であっても、他のモニター5を搬送する第3ライン44及び第4ライン45は、領域A内を移動することができる。また、部屋31−1〜31−5は、第2ライン43の経路外に設けられているので、領域Bにおいてあるモニター5が検査中であっても、他のモニター5の第2ライン43による搬送が妨げられない。
以上より、第1実施形態に係る検査システム200は、物品(モニター5)を保管する保管部(部屋)を複数備える保管領域(領域A)と、保管領域内(領域A)において、保管部(部屋)に保管された物品(モニター5)の予め定められた特性を検査する検査装置(検査器A50A)と、保管部(部屋)毎の番地を取得可能に構成され且つ検査装置(検査器A50A)を制御可能に構成される制御部(制御部11)と、を備え、制御部(制御部11)は、検査装置(検査器A50A)による物品(モニター5)の検査が完了した場合、検査が開始されていない他の物品(モニター5)が保管されている保管部(部屋)の番地が表す保管部(部屋)に向けて検査装置(検査器A50A)が移動するように制御する、検査システムである。
また、1実施形態に係る検査システム200は、物品(モニター5)を保管する保管部(部屋)を複数備える保管領域(領域A及び領域B)と、保管領域内(領域A及び領域B)において、保管部(部屋)に保管された物品(モニター5)の予め定められた特性を検査する検査装置(検査器A50)と、保管部(部屋)毎の番地を取得可能に構成され且つ検査装置(検査器A50A)を制御可能に構成される制御部(制御部11)と、制御部(制御部11)と通信部(通信部15)を介して通信可能に構成される物品搬送装置(第3ライン44、第4ライン45及び循環起点部65)であって、物品(モニター5)を保管部(部屋)に出し入れし且つ物品(モニター5)を保管領域(領域A)の外部に搬送する物品搬送装置(第3ライン44及び第4ライン45)と、を備え、保管領域(領域A及び領域B)は、第1保管領域(領域A)及び第2保管領域(領域B)を含み、物品搬送装置(第3ライン44及び第4ライン45)は、第1及び第2保管領域(領域A及び領域B)並びに第1及び第2保管領域(領域A及び領域B)の下流工程(第5ライン46)へ物品(モニター5)を搬送可能に構成され、物品(モニター5)の種類(機種)毎に、第1エリア(領域A)内において実行される第1検査(工程A)及び第2エリア(領域B)内において実行される第2検査(工程B)を含む工程を取得する工程取得部(工程取得部114)を備え、制御部(制御部11)は、物品(モニター5)の検査が完了すると、工程取得部(工程取得部114)により取得された工程に基づいて、物品(モニター5)が第1エリア(領域A)、第2エリア(領域B)又は下流工程(第5ライン46)へ搬送されるように物品搬送装置(第3ライン44、第4ライン45及び循環起点部65)を制御する、検査システムである。
また、1実施形態に係る検査システム200は、物品(モニター5)を保管する保管部(部屋)を複数備える保管領域(領域A)と、保管領域内(領域A)において、保管部(部屋)に保管された物品(モニター5)の予め定められた特性を検査する検査装置(検査器A50A)と、保管部(部屋)毎の番地を取得可能に構成され且つ検査装置(検査器A50A)を制御可能に構成される制御部(制御部11)と、制御部(制御部11)と通信部(通信部15)を介して通信可能に構成される物品搬送装置(第3ライン44及び第4ライン45)であって、物品(モニター5)を保管部(部屋)に出し入れし且つ物品(モニター5)を保管領域(領域A)の外部に搬送する物品搬送装置(第3ライン44及び第4ライン45)と、を備え、保管部(部屋)は、物品搬送装置(第3ライン44及び第4ライン45)の移動経路外に設けられ、制御部(制御部11)は、物品搬送装置(第3ライン44及び第4ライン45)を、物品(モニター5)が保管されていない保管部(部屋)に物品(モニター5)を保管し、保管部(部屋)に保管された物品(モニター5)とは異なる物品(モニター5)を、検査装置(検査器A50A)による検査が実行されている物品(モニター5)が保管された保管部(部屋)と異なる保管部(部屋)に保管するように制御する、検査システムである。
2.第2実施形態
次に、図10を用いて、第2実施形態について説明する。ここで、第2実施形態では、領域Bの近傍における搬送ライン40のみが第1実施形態と異なる。以下、かかる相違点を中心に説明し、図10において第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明する。
第2実施形態では、第1ライン42と第2ライン43の間に、中間ライン47が設けられる。そして、第2ライン43及び中間ライン47は、搬送されるパレット7の大きさ単位で、第2ライン43の進行方向に垂直な方向に移動することができるように構成される。
例えば、モニター5が載置されたパレット7が、部屋31−2に保管される場合には、図10(a)において斜線で示される箇所にパレット7が到着すると、パレット7を搬送する第2ライン43の一部と、その垂直方向に位置する中間ライン47の一部が、第2ライン43の進行方向に垂直な方向に移動する。そして、図10(b)に示されるように、パレット7が載置された第2ライン43の一部が部屋31−2内に移動することで、モニター5が部屋31−2に保管される。このとき、垂直方向に移動した中間ライン47の一部は、移動前の第2ライン43の一部が存在した位置まで移動する。
これにより、モニター5が部屋31−2に保管されるとともに、移動前の第2ライン43の一部に代えて中間ライン47の一部が第2ライン43の移動経路を構成する。したがって、モニター5を部屋31−2に保管するために第2ライン43の一部が移動した場合であっても、他のモニター5を搬送するための第2ライン43の移動経路を確保することができる。
そして、部屋31−2内におけるモニター5の工程Bが完了すると、第2ライン43の一部と中間ライン47の一部が図10(a)に示される位置に戻ることで、モニター5が第2ライン43により搬送され、2つのターンテーブル60を介して第1ライン42に戻される。
以上、種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されない。
例えば、搬送ライン40の数及び配置は、適宜調整することができる。また、領域Aは、第1保管エリア21〜第4保管エリア24の4つで構成される必要はなく、これより多い又は少ない保管エリアで構成してもよい。さらに、これらの保管エリアの配置も適宜調整することができる。また、部屋の数、大きさ及び配置についても、適宜調整することができる。また、検査器A50Aの数についても、適宜調整することができる。また、ターンテーブル60及び循環起点部65に代えて、クレーン等によりモニター5の搬送方向を変更してもよい。また、RFIDタグ71及びRFIDリーダー80に代えて、任意の情報を記憶できる媒体及び読取器を利用することができる。さらに、マスターテーブル及び作業テーブルの項目は、図6及び図7に示される項目以外を追加することができる。
また、検査器B50Bを、検査器A50Aと同様に、複数種類の検査プログラムを備える構成とし、適宜切り替えることとしてもよい。さらに、比較的時間がかかるエージングを領域Bで行う場合、領域Bの大きさを領域Aより大きくし、部屋数を増やしてもよい。
また、記憶部12は、情報処理装置1の内部に設けずに、外部のPC又はサーバ等の情報処理装置に設けるクラウドコンピューティングの態様とすることができる。この場合、計算の度に必要なデータを外部の情報処理装置が情報処理装置1に送信する。
また、情報処理装置1の機能を実装したASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field−programmable gate array)、DRP(Dynamic ReConfigurable Processor)として提供することもできる。また、コンピュータに、情報処理装置1の機能を実現するためのプログラムとして提供することもできる。この場合、かかるプログラムをインターネット等を介して配信することもできる。また、記録媒体であって、コンピュータに情報処理装置1の機能を実現するためのプログラムを記録した非一時的な記録媒体として提供することもできる。
1:情報処理装置、11:制御部、111:次工程指示部、112:循環搬送指示部、114:送受信部、12:記憶部、121:モニターID記憶部、122:パレットID記憶部、123:マスターテーブル記憶部、124:番地記憶部、125:作業テーブル記憶部、13:操作部、14:表示部、15:通信部、5:モニター、7:パレット、71:RFIDタグ、72:無線給電素子、73:通信部、21〜24:第1保管エリア〜第4保管エリア、40:搬送ライン、41:搬入ライン、42:第1ライン、43:第2ライン、44:第3ライン、45:第4ライン、46:第5ライン、47:中間ライン、50A:検査器A、505:通信部、501:制御部、502:記憶部、503X,503Y:検査プログラム、50B:検査器B、60:ターンテーブル、65:循環起点部、80:RFIDリーダー、100:バス、200:検査システム

Claims (12)

  1. 物品を保管する保管部を複数備える保管領域と、
    前記保管領域内において、前記保管部に保管された前記物品の予め定められた特性を検査する検査装置と、
    前記保管部毎の番地を取得可能に構成され且つ前記検査装置を制御可能に構成される制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記検査装置による前記物品の検査が完了した場合、前記検査が開始されていない他の物品が保管されている前記保管部の番地が表す前記保管部に向けて前記検査装置が移動するように制御し、
    前記制御部は、前記物品の種類毎に予め定められた検査時間を前記検査装置に出力するように通信部を制御し、
    前記検査装置は、前記通信部から出力された前記検査時間に基づいて、前記物品を検査するように制御される、検査システム。
  2. 前記物品は、前記保管部内において、前記検査結果に基づいて前記予め定められた特性を調整する調整処理を実行する、請求項に記載の検査システム。
  3. 前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、
    前記制御部は、前記検査装置による検査が完了した前記物品を前記保管部から取り出して前記保管領域の外部に搬送するように前記物品搬送装置を制御する、請求項1又は2に記載の検査システム。
  4. 前記保管部は、前記物品搬送装置の移動経路外に設けられ、
    前記物品搬送装置は、前記物品の検査中であっても、前記保管領域内を移動可能に構成される、請求項に記載の検査システム。
  5. 前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、
    前記保管領域は、第1保管領域及び第2保管領域を含み、
    前記物品搬送装置は、前記第1及び第2保管領域並びに前記第1及び第2保管領域の下流工程へ前記物品を搬送可能に構成され、
    前記物品の種類毎に、前記第1保管領域内において実行される第1検査及び前記第2保管領域内において実行される第2検査を含む工程を取得する工程取得部を備え、
    前記制御部は、前記物品の検査が完了すると、前記工程取得部により取得された前記工程に基づいて、前記物品が前記第1保管領域、前記第2保管領域又は前記下流工程へ搬送されるように前記物品搬送装置を制御する、
    請求項1又は2に記載の検査システム。
  6. 前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記工程が、前記第1及び第2検査が繰り返し実行される工程である場合、前記物品が前記第1及び第2保管領域内で循環移動するように前記物品搬送装置を制御する、請求項に記載の検査システム。
  7. 前記第2保管領域は、前記第1保管領域よりも前記物品の搬入側に設けられたエリアであり、
    前記工程取得部は、前記物品が前記第2保管領域から前記第1保管領域に搬送された後再び前記第2保管領域に搬送される回数である循環数を取得し、
    前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記循環数に基づいて、前記物品を前記第2保管領域又は前記下流工程に搬送するように前記物品搬送装置を制御する、請求項5又は6に記載の検査システム。
  8. 前記制御部は、前記工程取得部により取得された前記工程に基づいて、前記第1又は第2検査を実行する検査装置が備える検査プログラムを切り替えるように前記検査装置を制御する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の検査システム。
  9. 前記制御部と通信部を介して通信可能に構成される物品搬送装置であって、前記物品を前記保管部に出し入れし且つ前記物品を前記保管領域の外部に搬送する物品搬送装置を備え、
    前記保管部は、前記物品搬送装置の移動経路外に設けられ、
    前記制御部は、前記物品搬送装置を、
    前記物品が保管されていない保管部に前記物品を保管し、
    前記保管部に保管された前記物品とは異なる物品を、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部と異なる保管部に保管するように制御する、
    請求項1又は2に記載の検査システム。
  10. 前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部と、前記物品搬送装置と、の位置関係に基づいて決定される、
    請求項に記載の検査システム。
  11. 前記異なる保管部は、前記複数の保管部のうち前記検査が実行されていない保管部からランダムに決定される、
    請求項に記載の検査システム。
  12. 前記物品搬送装置は、前記検査が実行されている前記物品が保管された前記保管部を通過し、前記異なる保管部まで前記異なる物品を搬送する、
    請求項9〜11のいずれか1項に記載の検査システム。
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