JP6520484B2 - 開閉部材制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、開閉部材制御装置に係り、センサ等からの出力信号に基づいて開閉部材とその周辺部材との間における異物の有無を判定すると共に、上記センサ等に異常が生じた場合に開閉部材を駆動する駆動部の作動時間を変更する開閉部材制御装置に関する。
開口部を開閉するために移動する開閉部材の移動動作を制御する開閉部材制御装置は、既に周知であり、その一例としては車両用のパワーウィンドウ装置、スライドドア装置、及びサンルーフ装置等が挙げられる。また、開閉部材制御装置の中には、開閉部材とその周辺部材との間における異物の有無(具体的には、異物の挟み込みや巻き込み)を判定するものが存在する。かかる異物判定機能を有する装置は、例えば、開閉部材の移動状態や開閉部材を駆動する駆動部の作動状態に応じて信号を出力する機器を有しており、かかる信号出力器からの出力信号に基づいて異物の有無を判定する。
一方、上記の信号出力器に異常が発生した場合の対応策としては、諸々の方法が考えられる。例えば、特許文献1に記載の開閉部材制御装置では、信号出力器としてのセンサに異常が発生した際にランプ等を点灯して当該異常の発生を報知する方法を採用している。かかる方法以外の方法としては、上記の信号出力器に異常が生じた場合に、開閉部材を駆動する駆動部の作動時間(換言すると、開閉部材の移動時間)を変更する方法が考えられる。これは、信号出力器における異常発生に起因して異物の有無の判定が適切になされなくなるため、安全面を考慮して駆動部の作動時間を通常時の作動時間よりも短くするものである。
駆動部の作動時間が通常時の作動時間より短くなると、開閉部材をオート移動させるための操作(つまり、全閉位置又は全開位置に到達するまで開閉部材の移動を続行させる操作)が行われたとしても、開閉部材は、オート移動せずに所定量だけ移動して停止するようになる。
特開2009−150194号公報
ところで、駆動部の作動時間が通常時の作動時間よりも短くなると、ユーザは、開閉部材を全閉位置又は全開位置まで移動させるために、短時間化された作動時間だけ駆動部を作動させる操作(つまり、開閉部材を所定距離だけ移動させる操作)を繰り返すことになる。しかしながら、開閉部材を速やかに全開位置又は全閉位置に到達させたい場合、上記のように同じ操作を繰り返させる構成であると、ユーザにとっての利便性が損なわれる虞がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを判定するのに必要な信号が正常に得られない状況に対して適切に対応すると共に、ユーザにとっての利便性を向上させた開閉部材制御装置を提供することにある。
前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、(A)開口を塞ぐ位置と前記開口を開く位置との間で開閉部材を移動させるための駆動部と、(B)前記開閉部材を移動させる際にユーザによって操作される操作部と、(C)該操作部が操作された際に前記開閉部材が移動するように前記駆動部を制御する制御部と、(D)前記開閉部材の移動中、前記開閉部材と前記開閉部材の周辺部材との間における異物の有無を判定する判定部と、(E)該判定部が前記異物の有無を判定するにあたり、前記開閉部材の移動中、前記駆動部及び前記開閉部材のうちの少なくとも一方の状態に応じて、信号を前記判定部に向けて出力する信号出力部と、を有し、該信号出力部と前記判定部との間の前記信号の伝送が正常に行われているとき、前記制御部は、前記操作部が操作されている間前記開閉部材が移動するように前記駆動部を作動させるか、又は、操作を止めても移動を継続する動作にて前記開口を塞ぐ位置若しくは前記開口を開く位置に到達するまで前記開閉部材が移動するよう前記駆動部を作動させ、(F)前記信号出力部と前記判定部との間の前記信号の伝送に異常が生じている期間中、前記制御部は、前記操作部が操作される毎に前記駆動部を予め決められた作動時間だけ作動させるモードにて前記駆動部を制御し、(G)前記モードにおける前記作動時間は、前記期間においてカウント開始時として設定された時点からの前記操作部の操作回数が所定回数未満である場合には、前記伝送が正常に行われているときの作動時間よりも短い第一時間に設定され、前記操作回数が前記所定回数以上である場合には、前記第一時間よりも長い第二時間に設定されることにより解決される。
以上のように構成された本発明の開閉部材制御装置では、開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを判定するのに必要な信号が適切に得られない場合、駆動部を予め決められた作動時間だけ作動させるモードにて駆動部を制御する。そして、当該モードにおける操作部の操作回数が所定回数未満であるときには、上記の作動時間を通常時の作動時間よりも短い第一時間に設定する。これは、ユーザが開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを未だ確認していないにも拘らず、開閉部材を著しく移動させないようにするためである。一方、上記のモードにおける操作部の操作回数が所定回数以上であるときには、上記の作動時間を第一時間よりも長い第二時間に設定する。これは、所定回数以上の操作が繰り返されるということは、開閉部材を全開位置又は全閉位置に速やかに到達させたいというユーザの要望があり、かかる要望に応じるためである。
以上の構成によれば、開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを判定するのに必要な信号が正常に得られない状況に対して適切に対応し、また、ユーザにとっての利便性を向上させることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御部は、前記期間中にユーザによって行われた前記操作部の操作のうち、前記カウント開始時として設定された時点後に行われ、且つ、前記開閉部材が移動する向きを切り替えずに複数回続けて行われた操作の回数を前記操作回数としてカウントすると、好適である。
上記の構成では、開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを判定するのに必要な信号が正常に得られない期間中に行われた操作部の操作回数のうち、カウント開始時として設定された時点後に行われ、且つ、開閉部材が移動する向きを切り替えずに複数回続けて行われた操作の回数をカウントする。つまり、開閉部材を同じ向きに移動させる操作が複数回続けて行われるということは、開閉部材を全開位置又は全閉位置に速やかに到達させたいというユーザの要望の現れであり、当該操作の回数に応じて駆動部の作動時間を設定すれば、ユーザの意思を反映して作業時間を適切に設定することが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記操作回数を記憶する記憶部を有し、前記制御部は、前記操作回数が増える都度、前記記憶部に記憶されている前記操作回数を更新すると共に、前記期間中に前記操作部が操作されると、前記記憶部に記憶されている前記操作回数と前記所定回数との大小関係を特定し、該大小関係の特定結果に応じて前記作動時間を設定すると、より好適である。
上記の構成では、カウントした操作回数を記憶部に記憶し、操作回数が増える都度、操作回数を更新する。また、駆動部の作動時間を設定する際には、記憶部に記憶された操作回数と所定回数との大小関係を特定し、その特定結果に応じて作動時間を設定する。これにより、カウントした操作回数を適切に管理し、また、当該操作回数に応じて作動時間を適切に設定することが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御部は、前記期間中に前記開閉部材が移動して該開閉部材の移動範囲における端位置に到達すると、前記記憶部に記憶されている前記操作回数をクリアしてもよい。
上記の構成では、開閉部材が全閉位置又は全開位置に到達すると、記憶部に記憶されている操作回数をクリアする。これは、開閉部材が全閉位置又は全開位置に到達した後に操作部を操作すると、それまで移動してきた向きとは反対の向きに開閉部材を移動させることを考慮したものである。つまり、上記の構成では、開閉部材が全閉位置又は全開位置に到達した直後に操作部が操作されると、作動時間が第一時間に戻ることになる。これにより、開閉部材が全閉位置又は全開位置に到達した直後に操作部の操作が行われた際には、ユーザの利便性よりも安全面を重視した措置を講じることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記制御部は、前記期間中にユーザによって行われた前記操作部の操作のうち、前回行われた前回操作と今回行われた今回操作との間で前記開閉部材が移動する向きが互いに反対向きである場合、前記今回操作が行われたときに、前記記憶部に記憶されている前記操作回数を1に設定してもよい。
上記の構成では、それまで移動してきた向きとは反対の向きに開閉部材を移動させる場合、操作回数を1に戻し、作動時間を第一時間に設定する。これにより、開閉部材の移動向きが切り替わるような操作が行われた際には、ユーザの利便性よりも安全面を重視した措置を講じることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記開閉部材は、車両に設けられた前記開口を開閉するために移動する部材であり、前記制御部は、前記期間において前記車両のエンジンが停止して再起動した後に前記操作部が最初に操作されたときに、前記記憶部に記憶されている前記操作回数を1に設定してもよい。
上記の構成では、エンジンが停止して再起動した後に操作部が最初に操作されたときに、記憶部に記憶されている操作回数を1に設定する。したがって、エンジン再起動後に操作部が最初に操作されると、作動時間が第一時間に戻ることになる。これにより、エンジンの再起動時後に操作部が最初に操作された際には、ユーザの利便性よりも安全面を重視した措置を講じることが可能となる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記操作部は、操作スイッチであり、該操作スイッチは、前記開閉部材を開移動させるための開スイッチ、前記開閉部材を閉移動させるための閉スイッチ、及び前記開閉部材の移動を続行させるためのオートスイッチを有し、前記制御部は、前記モードにて前記駆動部を制御する際、前記操作回数が前記所定回数以上であり、且つ、前記開スイッチ又は前記閉スイッチが前記オートスイッチと共に操作された場合に前記作動時間を前記第二時間に設定すると、好適である。
上記の構成では、操作回数が所定回数以上であり、且つ、開スイッチ又は閉スイッチがオートスイッチと共に操作されることが、駆動部の作動時間を第二時間に設定する条件となっている。つまり、操作が所定回数以上行われ、且つ、開スイッチ又は閉スイッチがオートスイッチと共に操作されるということは、開閉部材を全開位置又は全閉位置に速やかに到達させたいというユーザの要望の現れであり、かかる場合において駆動部の作動時間を第二時間に設定すれば、ユーザの要望に対して適切に応じることが可能となる。すなわち、上記の構成によれば、ユーザの意思をより一層的確に反映して駆動部の作業時間を設定することが可能となる。
本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを判定するのに必要な信号が正常に得られない状況において、操作部の操作回数が所定回数未満であるときには、開閉部材を駆動する駆動部の作動時間を通常時の作動時間よりも短い第一時間に設定して、開閉部材が著しく移動するのを抑制する。一方で、操作回数が所定回数以上であるときには、開閉部材を全閉位置又は全開位置に速やかに到達させたいというユーザの要望に応えるべく、駆動部の作動時間を第一時間よりも長い第二時間に設定する。これにより、開閉部材による異物の挟み込みや巻き込みを判定するのに必要な信号が正常に得られない状況に対して適切に対応する一方で、ユーザにとっての利便性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る開閉部材制御装置のメカ構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る開閉部材制御装置の制御系統を示す図である。 操作スイッチが操作された際のモータ通電に関する制御パターンを示す図である。 開閉制御処理の流れを示す図である。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について図1〜4を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る開閉部材制御装置のメカ構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る開閉部材制御装置の制御系統を示す図である。図3は、後述する操作スイッチ24が操作された際のモータ通電に関する制御パターンを示す図である。なお、図3において上段の図は、操作スイッチのオンオフ時間を示すパターンとなっており、中段の図は、本実施形態におけるモータ通電のオンオフ時間を示すパターンとなっており、下段の図は、従来例におけるモータ通電のオンオフ時間を示すパターンとなっている。図4は、開閉制御処理の流れを示す図であり、操作スイッチが操作された場合の流れを示す図である。
また、以下では、開閉部材制御装置の一例として、車両に搭載されたパワーウィンドウ装置Sを例に挙げて説明する。つまり、以下では、車両のドアDに対して開閉移動可能となるように取り付けられたウィンドウガラスWを開閉部材の一例として挙げ、ウィンドウガラスWの移動動作(昇降動作)を制御する開閉部材制御装置について説明する。
本実施形態に係るパワーウィンドウ装置Sは、車両のドアDに設けられた開口Dxを全閉する全閉位置と、開口Dxを全開する全開位置と、の間でウィンドウガラスWを移動させるものである。パワーウィンドウ装置Sは、図1に示すように、ウィンドウガラスWをその移動範囲において移動(昇降)させるために回転するモータ11、モータ11を駆動源としてウィンドウガラスWを昇降させる昇降機構1と、を有する。また、パワーウィンドウ装置Sは、図2に示すように、モータ11に給電するバッテリ23と、バッテリ23からモータ11への通電を制御する制御装置12と、操作スイッチ24と、を有する。
モータ11は、本発明の駆動部を構成する機器であり、ウィンドウガラスWを移動させるために作動(厳密には回転)する。具体的に説明すると、モータ11は、ウィンドウガラスWを上方移動させる際には正転し、下方移動させる際には反転する。そして、モータ11が回転すると、モータ11と共に駆動部を構成する昇降機構1が作動する。この昇降機構1は、図1に示すように、モータ11の出力軸に連結された主動プーリ2と、二基の従動プーリ3、4と、これらのプーリ2、3、4に架け渡された無端状のワイヤ5とを有する。また、ワイヤ5中、従動プーリ3、4の間に位置する部分は、ウィンドウガラスWに設けられた掛止部6に掛止されている。このような昇降機構1においてモータ11が回転すると、主動プーリ2が回転し、これに連動してワイヤ5が従動プーリ3、4を連れ回るように無端回転する。そして、ワイヤ5の無端回転を通じてウィンドウガラスWが上下移動するようになる。
なお、昇降機構1は、上記の構成に限られず、モータ11の回転力を利用してウィンドウガラスWを上下移動させるものである限り、他の機構(例えば、Xアーム式のレギュレータ)であってもよい。
また、モータ11には回転検出センサ13が取り付けられている。この回転検出センサ13は、本発明の信号出力部をなしており、モータ11の回転状態に応じて信号を出力する。なお、本実施形態に係る回転検出センサ13は、複数のホール素子からなり、信号として、モータ11の回転と同期したパルス信号を出力する。具体的に説明すると、回転検出センサ13を構成する各ホール素子は、モータ11が所定角ずつ回転する毎にパルス信号を出力する。つまり、パルス信号の出力間隔は、モータ11の回転速度に応じて変化する。換言すると、本実施形態に係る回転検出センサ13は、ウィンドウガラスWの移動中、モータ11の回転速度(本発明の「駆動部の状態」に相当する)に応じてパルス信号を出力する。
操作スイッチ24は、操作部の一例であり、ウィンドウガラスWを所望の位置へ移動させる際にユーザ(厳密には車両の乗員)によって操作される。なお、本実施形態において、操作スイッチ24は、二段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成され、閉スイッチ24a、開スイッチ24b及びオートスイッチ24cを有している。閉スイッチ24aは、ウィンドウガラスWを閉移動(上昇)させるためのスイッチであり、開スイッチ24bは、ウィンドウガラスWを開移動(下降)させるためのスイッチである。また、オートスイッチ24cは、ウィンドウガラスWが全閉位置又は全開位置に到達するまでウィンドウガラスWの移動を続行させるためのスイッチである。
操作スイッチ24は、ユーザによって操作されると、ウィンドウガラスWを上下移動させるための指令信号を生成し、当該指令信号を制御装置12に向けて出力する。例えば、操作スイッチ24の一端側が一段階操作されると、閉スイッチ24aがオンされ、ウィンドウガラスWに通常閉動作(スイッチ操作している間だけ上昇する動作)をさせるための通常閉信号が出力される。また、操作スイッチ24の一端側が二段階操作されると、閉スイッチ24a及びオートスイッチ24cが共にオンされ、ウィンドウガラスWにオート閉動作(スイッチ操作を止めても全閉位置まで移動する動作)をさせるためのオート閉信号が出力される。
また、操作スイッチ24の他端側が一段階操作されると、開スイッチ24bがオンされ、ウィンドウガラスWに通常開動作(スイッチ操作している間だけ下降する動作)をさせるための通常開信号が出力される。また、操作スイッチ24の他端側が二段階操作されると、開スイッチ24b及びオートスイッチ24cが共にオンされ、ウィンドウガラスWにオート開動作(スイッチ操作を止めても全開位置まで移動する動作)をさせるためのオート開信号が出力される。
制御装置12は、本発明の制御部を構成するものであり、例えば、パワーウィンドウ装置S専用のECU(Electric Control Unit)からなる。この制御装置12は、操作スイッチ24が操作された際にウィンドウガラスWが移動するようにモータ11を制御し、厳密には、バッテリ23からモータ11への電力供給を制御する。制御装置12は、コントローラ21及び駆動回路22を有する。コントローラ21は、CPUを内蔵した機器であり、マイクロコンピュータ、ロジックIC、DSP、ゲートアレイ、トランジスタ等によって構成されている。駆動回路22は、バッテリ23からモータ11への電力供給回路の一部をなす。
そして、コントローラ21は、操作スイッチ24から指令信号を受信し、かかる指令信号に従って駆動回路22(厳密には、回路中のスイッチング素子)を制御する。これにより、バッテリ23からモータ11への供給電力の大きさ、電力供給時間(通電時間)、及びモータ11に流れる電流の向き等が変更されるようになる。具体的に説明すると、コントローラ21は、操作スイッチ24から通常閉信号を受信した場合、当該信号を受信している間だけモータ11が正転するように駆動回路22を制御する。同様に、コントローラ21は、操作スイッチ24から通常開信号を受信した場合、当該信号を受信している間だけモータ11が反転するように駆動回路22を制御する。
また、コントローラ21は、操作スイッチ24からオート閉信号を受信すると、ウィンドウガラスWが全開位置に到達するまでモータ11が正転し続けるように駆動回路22を制御する。同様に、コントローラ21は、操作スイッチ24からオート開信号を受信すると、ウィンドウガラスWが全開位置に到達するまでモータ11が反転し続けるように駆動回路22を制御する。
また、コントローラ21は、モータ11の回転中、回転検出センサ13から出力されたパルス信号を受信する。そして、コントローラ21は、受信したパルス信号に基づいてウィンドウガラスWの現在位置を検出すると共に、モータ11の回転速度やウィンドウガラスWの移動速度を算出する。
具体的に説明すると、コントローラ21は、パルス信号を受信すると、当該パルス信号の立上がり部または立下り部、すなわちパルスエッジを検出する。また、コントローラ21は、検出したパルスエッジの間隔(すなわち、パルス信号の受信間隔)からモータ11の回転速度を算出する。さらに、コントローラ21は、受信した各パルス信号の位相差に基づいてモータ11の回転方向を検出する。さらにまた、コントローラ21は、モータ11の回転速度の算出結果からウィンドウガラスWの移動速度を算出すると共に、モータ11の回転方向の検出結果からウィンドウガラスWの移動向きを特定する。
また、コントローラ21は、パルス信号を受信する度にパルスエッジをカウントしている。このカウント値(以下、パルスカウント値)は、例えばウィンドウガラスWが全開位置に在るときには0(零)に設定され、ウィンドウガラスWの移動動作に伴って加減算される。一方、コントローラ21が記憶部として有するメモリ21aには、パルスカウント値とウィンドウガラスWの位置との対応関係が記憶されている。そして、コントローラ21は、現時点でのパルスカウント値と上記の対応関係とに基づいてウィンドウガラスWの現在位置を特定する。
さらに、本実施形態に係るコントローラ21は、上述した機能に加え、ウィンドウガラスWとその周辺部材(例えば、不図示のウェザーストリップ等)との間における異物の有無を判定する機能を備えている。つまり、コントローラ21は、本発明の判定部を構成しており、具体的には、ウィンドウガラスWの移動中における異物の挟み込みや巻き込みの有無を判定する。ここで、「挟み込み」とは、上昇状態にあるウィンドウガラスWの上端と窓枠との間における異物の挟み込みを意味する。また、「巻き込み」とは、下降状態にあるウィンドウガラスWの下部と窓枠との間での異物の巻き込みを意味する。
以下、コントローラ21による異物の有無の判定について説明する。
コントローラ21は、モータ11の回転状態(厳密には回転速度)の変化度合いを示す指標値を取得し、当該指標値に基づいて異物の有無を判定する。具体的に説明すると、コントローラ21は、前述したように、回転検出センサ13から受信したパルス信号に基づいてモータ11の回転速度を算出する。
そして、コントローラ21は、パルス信号を受信する度にモータ11の回転速度を算出し、その算出結果の変化に基づいて異物の有無を判定する。より詳しく説明すると、コントローラ21は、ウィンドウガラスWが上昇している間においてモータ11の回転速度の低下を検知すると、その後にモータ11の回転速度の変化量を算出し、その算出値が挟み込み判定用の閾値を超えているか否かを判定する。かかる判定において上記の算出値が挟み込み判定用の閾値を超えていると判定すると、コントローラ21は、挟み込み有り(異物有り)と判定する。
同様に、コントローラ21は、ウィンドウガラスWが下降している間においてモータ11の回転速度の低下を検出すると、その後にモータ11の回転速度の変化量を算出し、その算出値が巻き込み判定用の閾値を超えているか否かを判定する。かかる判定において上記の算出値が巻き込み判定用の閾値を超えていると判定すると、コントローラ21は、巻き込み有り(異物有り)と判定する。
ちなみに、本実施形態に係るコントローラ21は、イグニッションスイッチ25から出力される信号を受信し、かかる受信信号から車両のエンジンの発停状態を判定することが可能である。より具体的に説明すると、コントローラ21は、イグニッションスイッチ25がオン状態になったときに出力する信号(オン信号)を受信すると、その時点からイグニッションスイッチ25がオフとなるまでの間、エンジンが起動していると判定する。反対に、コントローラ21は、イグニッションスイッチ25がオフ状態になったときに出力する信号(オフ信号)を受信すると、その時点から次回のオン信号を受信するまで、エンジンが停止していると判定する。
次に、以上のように構成されたパワーウィンドウ装置Sの基本動作について説明する。ウィンドウガラスWを開閉するにあたりユーザが操作スイッチ24を操作すると、その操作内容に相当する操作信号が操作スイッチ24から出力される。具体的に説明すると、操作スイッチ24の一端側が一段階操作された場合、すなわち閉スイッチ24aのみが操作された場合には通常閉信号が出力される。コントローラ21は、通常閉信号を受信すると、閉スイッチ24aが操作されている間だけ正転用の電力が供給されるように、バッテリ23からモータ11への通電を制御する。この結果、閉スイッチ24aの操作時間だけ、モータ11が正転し、ウィンドウガラスWが閉位置に向かって移動するようになる。
同様に、操作スイッチ24の他端側が一段階操作された場合、すなわち開スイッチ24bのみが操作された場合には通常開信号が出力される。コントローラ21は、通常開信号を受信すると、開スイッチ24bが操作されている間だけ反転用の電力が供給されるように、バッテリ23からモータ11への通電を制御する。この結果、開スイッチ24bの操作時間だけ、モータ11が反転し、ウィンドウガラスWが開位置に向かって移動するようになる。
また、操作スイッチ24の一端側が二段階操作された場合、すなわち閉スイッチ24aとオートスイッチ24cとが共に操作された場合にはオート閉信号が出力される。コントローラ21は、オート閉信号を受信すると、ウィンドウガラスWが全閉位置に到達するまで正転用の電力が供給されるように、バッテリ23からモータ11への通電を制御する。つまり、モータ11は、ウィンドウガラスWが全閉位置に到達するまで正転し続けるようになる。同様に、操作スイッチ24の他端側が二段階操作された場合、すなわち開スイッチ24bとオートスイッチ24cとが共に操作された場合にはオート開信号が出力される。コントローラ21は、オート開信号を受信すると、ウィンドウガラスWが全開位置に到達するまで反転用の電力が供給されるように、バッテリ23からモータ11への通電を制御する。つまり、モータ11は、ウィンドウガラスWが全開位置に到達するまで反転し続けるようになる。
一方、ウィンドウガラスWの移動中、コントローラ21は、回転検出センサ13からパルス信号を受信し、かかるパルス信号に基づいてモータ11の回転速度を算出する。そして、コントローラ21は、回転速度の変化度合い(変化量)に基づいて、異物の挟み込み又は巻き込みの有無を判定する。なお、コントローラ21は、異物の挟み込み又は巻き込みがあると判定したとき、作動中のモータ11を停止させる等、然るべき措置を講じることになっている。
ところで、上記の回転検出センサ13は、コントローラ21が異物の有無を判定するにあたり、ウィンドウガラスWの移動中(換言すると、モータ11の回転中)、モータ11の回転状態に応じてパルス信号をコントローラ21に向けて出力する。一方、回転検出センサ13自体が故障したり、パルス信号の伝送路やコントローラ21の信号受信部が故障した場合等、回転検出センサ13とコントローラ21との間のパルス信号の伝送に異常が生じると、コントローラ21は、異物の有無を正常に判定し得なくなってしまう。かかる状況の下でウィンドウガラスWを移動させてしまうと、異物が有るにもかかわらず「異物無し」と判断してしまう場合がある。かかる場合において、本来モータ11を停止してウィンドウガラスWの移動を中断しなければならない状況になったとしても、ウィンドウガラスWの移動が続行されてしまう虞がある。
そこで、本実施形態に係るコントローラ21は、回転検出センサ13とコントローラ21との間のパルス信号の伝送における異常の有無を定期的に監視している。具体的には、回転検出センサ13における異常の有無、パルス信号の伝送路における異常の有無、コントローラ21の信号受信部における異常の有無を監視している。そして、コントローラ21は、上記の監視項目のいずれかにおいて異常を検出したとき、その事を示すフラグ(異常時作動フラグ)をオンにする。なお、異常時作動フラグは、異常が取り除かれた時点でオフに復帰する。
また、コントローラ21を備える制御装置12は、異常時作動フラグがオンになっている期間中、操作スイッチ24が操作される度にモータ11を予め決められた作動時間だけ作動させるモード(以下、異常時モード)にてモータ11を制御する。異常時モードでは、上述したように、操作スイッチ24が操作される度に予め決められた作動時間だけモータ11を作動させる。
より厳密に説明すると、パルス信号の伝送が正常に行われており異常時作動フラグがオフになっているときのモード、すなわち、通常時モードでオート閉信号又はオート開信号を操作スイッチ24から受信したとき、コントローラ21は、ウィンドウガラスWが全閉位置又は全開位置に到達するまでモータ11を作動(回転)させ続ける。
これに対して、異常時モードでは、操作スイッチ24から受信したオート閉信号やオート開信号を受信した場合であっても、予め決められた作動時間だけモータ11を回転させ、当該作動時間が経過した時点でモータ11を停止させることになっている。このように予め決められた作動時間だけモータ11を回転させる構成によれば、異物の有無を正常に判断し得ない状況においてウィンドウガラスWが著しく移動するのを抑制すると共に、上記の異常の発生をユーザに気付かせることが可能となる。
ここで、異常時モードにおける作動時間(以下、単に作動時間という)について説明すると、操作スイッチ24が一回操作されたときのモータ11の作動時間(回転時間)のことであり、換言すると、操作一回あたりのモータ11への通電時間である。また、本実施形態では、図3の中段図に示すように、作動時間について2種類の候補が用意されている。一つの候補(図3中、記号t1にて示す時間)は、通常時モードにおける作動時間よりも短い作動時間であり、以下、第一時間t1と呼ぶ。もう一つの候補(図3中、記号t2にて示す時間)は、第一時間より幾分長い作動時間であり、以下、第二時間t2と呼ぶ。
そして、本実施形態において、操作スイッチ24が操作された際に第一時間t1及び第二時間t2のうちのどちらを採用するかについては、操作スイッチ24の操作回数に応じて決まる。ここで、「操作回数」とは、回転検出センサ13とコントローラ21との間のパルス信号の伝送に異常が生じている期間(以下、異常発生期間)中の操作回数のことである。厳密に説明すると、操作回数は、異常発生期間においてカウント開始時として設定された時点からの操作スイッチ24の操作回数を意味する。なお、「カウント設定時として設定された時点」については、原則として、コントローラ21によって異常発生が検知された時点が該当するが、異常発生期間中に操作回数のクリアやリセットがなされた場合には当該操作回数のクリア時点又はリセット時点が該当する。ちなみに、操作回数のクリアやリセットについては後に説明する。
操作スイッチ24の操作回数について詳しく説明すると、異常発生期間中においてカウント設定時として設定された時点の後に操作スイッチ24が最初に操作されたとき、コントローラ21は、かかる操作を1回目の操作とする。以降、ウィンドウガラスWが移動する向きを切り替えずに操作スイッチ24が複数回続けて操作されたとき、コントローラ21は、当該操作が行われる都度、操作回数をカウントアップする。つまり、ウィンドウガラスWを同じ向きに移動させるスイッチ操作が複数回繰り返し行われた場合、当該スイッチ操作が行われた回数が操作回数としてカウントされることになる。
なお、本実施形態では、閉スイッチ24a又は開スイッチ24bがオートスイッチ24cと共に操作されたときの回数(操作回数)をカウント対象としている。より具体的に説明すると、コントローラ21は、異常時モードにおいて操作スイッチ24からオート閉信号又はオート開信号を受信すると、受信した信号を解析して操作内容(厳密には、ウィンドウガラスWが移動する向き)を特定する。特定の結果、今回行われたスイッチ操作(以下、今回操作)と前回行われたスイッチ操作(以下、前回操作)との間でウィンドウガラスWが移動する向きが同一であった場合、コントローラ21は、操作回数を1だけ増加する。
また、操作回数については、コントローラ21内のメモリ21aに記憶されることになっている。このメモリ21aに記憶されている操作回数は、操作回数をカウントアップする都度(つまり、操作回数が増える都度)、コントローラ21によって更新(インクリメント)される。
そして、異常時モードでは、操作スイッチ24が操作されると(つまり、操作スイッチ24からオート閉信号やオート開信号が出力されると)、コントローラ21がメモリ21aに記憶されている操作回数を更新した上で当該操作回数をメモリ21aから読み出す。その上で、コントローラ21は、読み出した操作回数に基づいて作動時間を設定し、設定された作動時間だけモータ11が回転するように駆動回路22を制御する。
次に、異常時モードにおける動作を含め、ウィンドウガラスWを開閉移動させる処理(以下、開閉制御処理)の流れについて図4を参照しながら説明する。なお、以下では、コントローラ21がオート閉信号を受信した場合(すなわち、閉スイッチ24aがオートスイッチ24cと共に操作された場合)を具体例に挙げて説明する。ちなみに、以下に説明する処理の流れについては、コントローラ21がオート開信号を受信した場合(すなわち、開スイッチ24bがオートスイッチ24cと共に操作された場合)の流れと略同様である。
開閉制御処理は、コントローラ21がオート閉信号を受信するところから始まる(S001)。かかる時点において、コントローラ21は、異常時作動フラグがオンになっているかどうかを判定する(S002)。そして、異常時作動フラグがオフになっている場合、コントローラ21は、通常時モードにてモータ11を回転させる。すなわち、制御装置12は、ウィンドウガラスWが全閉位置に到達するまで回転し続けるようにモータ11を制御する(S003、S004)。そして、ウィンドウガラスWが全閉位置に到達した時点で、通常時モードによる開閉制御処理が終了する。
一方、異常時作動フラグがオンになっている場合、コントローラ21は、異常時モードにてモータ11を回転させることになる。本モードでは、先ず、モードステップS001にて受信したオート閉信号がエンジン起動後に最初に受信したオート閉信号であるかどうか、すなわち、エンジン起動後における最初のスイッチ操作であるか否かを判定する(S005)。
そして、ステップS001にて受信したオート閉信号がエンジン起動後に最初に受信したオート閉信号である場合、コントローラ21は、メモリ21aに記憶されている操作回数を1にリセットする(S006)。換言すると、異常発生期間においてエンジンが停止して再起動した後に操作スイッチ24(厳密には、閉スイッチ24a及びオートスイッチ24cの双方)が最初に操作された場合、コントローラ21は、メモリ21aに記憶されている操作回数を1に設定する。
一方、ステップS001にて受信したオート閉信号がエンジン起動後に最初に受信したオート閉信号でない場合、コントローラ21は、前回操作と今回操作との間でウィンドウガラスWが移動する向きが同一であるかどうかを判定する(S007)。そして、前回操作と今回操作との間でウィンドウガラスWの移動向きが互いに反対向きである場合、コントローラ21は、メモリに記憶されている操作回数を1にリセットする(S006)。これに対して、前回操作と今回操作との間でウィンドウガラスWの移動向きが同じ向きである場合、コントローラ21は、メモリ21aに記憶されている操作回数を1だけインクリメントするように更新する(S008)。
その後、コントローラ21は、メモリ21aから操作回数を読み出し、当該操作回数と基準回数との大小関係を特定する。ここで、基準回数とは、本発明における「所定回数」に相当し、操作回数に応じて作動時間を設定する際の基準値として用いられるものである。なお、本実施形態では、基準回数が「2」に設定されている。ただし、基準回数については、2以外の値であってもよく、任意に決めることが可能である。
そして、コントローラ21は、上記の大小関係の特定結果に応じて作動時間を設定する。具体的に説明すると、メモリ21aから読み出した操作回数が2回未満であるとき(S009でNo)、コントローラ21は、作動時間をより短い第一時間t1に設定する。したがって、制御装置12は、ウィンドウガラスWを閉移動させる方向(すなわち、正転方向)に第一時間t1だけモータ11を回転させる(S010)。この結果、ウィンドウガラスWは、第一時間t1だけ閉移動するようになる。
一方、メモリ21aから読み出した操作回数が2回以上であるとき(S009でYes)、コントローラ21は、作動時間をより長い第二時間t2に設定する。したがって、制御装置12は、ウィンドウガラスWを閉移動させる方向(すなわち、正転方向)に第二時間t2だけモータ11を回転させる(S011)。この結果、ウィンドウガラスWは、第二時間t2だけ閉移動するようになる。
なお、モータ11の回転中、コントローラ21は、ウィンドウガラスWの現在位置を逐次特定し、ウィンドウガラスWが全閉位置に到達しているか否かを判定する(S012)。かかるステップS012においてウィンドウガラスWが全閉位置に到達しているという判定結果が得られた場合、コントローラ21は、その時点でモータ11を停止すると共に、メモリ21aに記憶されている操作回数を0(零)にする(S013)。換言すると、異常発生期間中にウィンドウガラスWが移動して当該移動範囲における端位置(すなわち、全閉位置)に到達すると、コントローラ21は、メモリ21aに記憶されている操作回数をクリアする。
一方、モータ11が回転している間においてウィンドウガラスWが全閉位置に未だ到達していない場合、コントローラ21は、作動時間が経過した時点でモータ11を停止させる(S014、S015)。そして、以上までのステップ(具体的には、ステップS005〜S015)が終了した時点で、異常時モードによる開閉制御処理が終了する。
以上までに説明してきた構成により、本発明の開閉部材制御装置(具体的には、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置S)は、従来の開閉部材制御装置に比して、ユーザにとっての利便性が向上したものとなっている。
具体的に説明すると、従来の開閉部材制御装置の中には、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置Sと同様に、回転検出センサ13とコントローラ21との間のパルス信号の伝送において異常が発生した場合に異常時モードにてモータ11を制御するものがある。かかる装置は、異常発生期間中に操作スイッチ24が操作されると、予め決められた作動時間だけモータ11を作動(回転)させるものである。ここで、作動時間については、図3の下段図に示すように、操作回数に拘わらず常に一定の時間に設定されており、詳しくは比較的短い時間(具体的には、第一時間t1と同じ時間)に設定されている。このような構成において、例えばユーザが閉スイッチ24a及びオートスイッチ24cの双方を操作したとしても、上記の作動時間を経過した時点でモータ11が停止してしまう。この結果、ユーザは、ウィンドウガラスWを全閉位置に到達させるにあたり、同じスイッチ操作(閉スイッチ24aとオートスイッチ24cの双方をオンする操作)を繰り返し行うことになる。
これに対して、本実施形態に係るパワーウィンドウ装置Sでは、異常発生期間においてカウント開始時点として設定された時点の後に最初に操作スイッチ24(厳密には、閉スイッチ24a及びオートスイッチ24c)が操作されたときには、安全面を重視して、作動時間を比較的短い第一時間t1に設定する。一方で、2回目以降のスイッチ操作が行われたときには、ユーザにとっての利便性を重視して、作動時間をより長い第二時間t2に設定する。このようにウィンドウガラスWをオート閉移動させるスイッチ操作が複数回続けて行われるということは、ウィンドウガラスWを速やかに閉じたいというユーザの要望の現れであり、2回以上のスイッチ操作が行われた際には、上記の要望に応じるべく作動時間をより長い時間に設定する。これにより、ユーザの意思を反映した作業時間が設定されるようになり、結果として、異常時モードにおいて、従来の開閉部材制御装置で繰り返されていたスイッチ操作の回数よりも少ない回数にてウィンドウガラスWを全閉位置に到達させることが可能となる。
また、本実施形態では、異常発生期間においてカウント開始時点として設定された時点の後に行われ、且つ、ウィンドウガラスWの移動向きを切り替えずに複数回続けて行われたスイッチ操作の回数をカウントし、その操作回数をメモリ21aに記憶することとした。さらに、メモリ21aに記憶された操作回数については、下記(1)の場合にてクリアされ、下記(2)又は(3)の場合にてリセットされることとした。
(1)ウィンドウガラスWが全閉位置又は全開位置に到達した場合
(2)前回操作と今回操作との間でウィンドウガラスWの移動向きが互いに反対向きである場合
(3)エンジンの再起動後に最初にスイッチ操作が行われた場合
すなわち、上記(1)〜(3)では、設定される作動時間が再び第一時間t1に戻されることになる。これにより、上記(1)〜(3)では、先ず、ユーザの利便性よりも安全面が重視されることとなり、かかる状況に応じた措置(すなわち、モータ11の作動時間を第一時間t1に設定するという措置)が講じられるようになる。
以上までに説明してきた実施形態では、主として本発明の開閉部材制御装置の一例であるパワーウィンドウ装置Sについて説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、異物の有無を判定するために必要な信号として、ホール素子からなる回転検出センサ13が出力するパルス信号を用いることとした。また、回転検出センサ13は、モータ11の回転状態(回転速度)に応じてパルス信号を出力することとした。ただし、異物の有無を判定するために用いる信号については上記のパルス信号以外にも考えられる。例えば、ウィンドウガラスWの現在位置又は移動速度に応じて信号を出力するセンサが設けられており、かかるセンサの出力信号に基づいて異物の有無を判定してもよい。
また、上記の実施形態では、異常時モードにおいて設定されるモータ11の作動時間が、第一時間t1と第二時間t2の二種類であることとした。ただし、これに限定されるものではなく、作動時間の種類の数、及び各種類の作動時間の長さについては、任意に決定することが可能である。
また、本発明が適用可能な開閉部材制御装置は、車両のドアDに形成された開口Dxを開閉するウィンドウガラスWの移動動作を制御するパワーウィンドウ装置Sに限定されるものではない。車両の天井部に形成された開口を開閉するサンルーフの移動動作を制御する装置、自動開閉する車両ドアの移動動作を制御する装置、あるいは車両の内装部材に形成された開口を開閉する部材の移動動作を制御する装置等に対しても本発明は適用可能である。さらに、本発明が適用可能な開閉部材制御装置は、車両に搭載された開閉部材制御装置に限定されるものではない。車両以外の乗物に搭載された開閉部材制御装置、乗物以外の設備(例えば、建物)に設けられた開閉部材の移動を制御する開閉部材制御装置に対しても本発明は適用可能である。
1 昇降機構(駆動部)
2 主動プーリ
3,4 従動プーリ
5 ワイヤ
6 掛止部
11 モータ(駆動部)
12 制御装置(制御部)
13 回転検出センサ(信号出力部)
21 コントローラ(判定部)
21a メモリ(記憶部)
22 駆動回路
23 バッテリ
24 操作スイッチ(操作部)
24a 閉スイッチ
24b 開スイッチ
24c オートスイッチ
25 イグニッションスイッチ
D ドア
Dx 開口
S パワーウィンドウ装置(開閉部材制御装置)
W ウィンドウガラス(開閉部材)

Claims (7)

  1. 開口を塞ぐ位置と前記開口を開く位置との間で開閉部材を移動させるための駆動部と、
    前記開閉部材を移動させる際にユーザによって操作される操作部と、
    該操作部が操作された際に前記開閉部材が移動するように前記駆動部を制御する制御部と、
    前記開閉部材の移動中、前記開閉部材と前記開閉部材の周辺部材との間における異物の有無を判定する判定部と、
    該判定部が前記異物の有無を判定するにあたり、前記開閉部材の移動中、前記駆動部及び前記開閉部材のうちの少なくとも一方の状態に応じて、信号を前記判定部に向けて出力する信号出力部と、を有し、
    該信号出力部と前記判定部との間の前記信号の伝送が正常に行われているとき、前記制御部は、前記操作部が操作されている間前記開閉部材が移動するように前記駆動部を作動させるか、又は、操作を止めても移動を継続する動作にて前記開口を塞ぐ位置若しくは前記開口を開く位置に到達するまで前記開閉部材が移動するよう前記駆動部を作動させ、
    前記信号出力部と前記判定部との間の前記信号の伝送に異常が生じている期間中、前記制御部は、前記操作部が操作される毎に前記駆動部を予め決められた作動時間だけ作動させるモードにて前記駆動部を制御し、
    前記モードにおける前記作動時間は、前記期間においてカウント開始時として設定された時点からの前記操作部の操作回数が所定回数未満である場合には、前記伝送が正常に行われているときの作動時間よりも短い第一時間に設定され、前記操作回数が前記所定回数以上である場合には、前記第一時間よりも長い第二時間に設定されることを特徴とする開閉部材制御装置。
  2. 前記制御部は、前記期間中にユーザによって行われた前記操作部の操作のうち、前記カウント開始時として設定された時点後に行われ、且つ、前記開閉部材が移動する向きを切り替えずに複数回続けて行われた操作の回数を前記操作回数としてカウントすることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  3. 前記操作回数を記憶する記憶部を有し、
    前記制御部は、前記操作回数が増える都度、前記記憶部に記憶されている前記操作回数を更新すると共に、前記期間中に前記操作部が操作されると、前記記憶部に記憶されている前記操作回数と前記所定回数との大小関係を特定し、該大小関係の特定結果に応じて前記作動時間を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉部材制御装置。
  4. 前記制御部は、前記期間中に前記開閉部材が移動して該開閉部材の移動範囲における端位置に到達すると、前記記憶部に記憶されている前記操作回数をクリアすることを特徴とする請求項3に記載の開閉部材制御装置。
  5. 前記制御部は、前記期間中にユーザによって行われた前記操作部の操作のうち、前回行われた前回操作と今回行われた今回操作との間で前記開閉部材が移動する向きが互いに反対向きである場合、前記今回操作が行われたときに、前記記憶部に記憶されている前記操作回数を1に設定することを特徴とする請求項3に記載の開閉部材制御装置。
  6. 前記開閉部材は、車両に設けられた前記開口を開閉するために移動する部材であり、
    前記制御部は、前記期間において前記車両のエンジンが停止して再起動した後に前記操作部が最初に操作されたときに、前記記憶部に記憶されている前記操作回数を1に設定することを特徴とする請求項3に記載の開閉部材制御装置。
  7. 前記操作部は、操作スイッチであり、
    該操作スイッチは、前記開閉部材を開移動させるための開スイッチ、前記開閉部材を閉移動させるための閉スイッチ、及び前記開閉部材の移動を続行させるためのオートスイッチを有し、
    前記制御部は、前記モードにて前記駆動部を制御する際、前記操作回数が前記所定回数以上であり、且つ、前記開スイッチ又は前記閉スイッチが前記オートスイッチと共に操作された場合に前記作動時間を前記第二時間に設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の開閉部材制御装置。
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