JP6518564B2 - 高減衰ゴム組成物およびそれからなる高減衰部材 - Google Patents

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Description

本発明は、高減衰ゴム組成物およびそれからなる高減衰部材に関するものであり、詳しくは、建築分野、自動車分野、産業分野に使用される、振動や騒音を緩和するのに好適な、高減衰ゴム組成物およびそれからなる高減衰部材に関するものである。
建築分野における制震装置や免震装置は、地震や風等による振動、大型車の走行等による交通振動等から、建築物に対する振動を抑制する目的で使用される。そして、これらの装置における振動抑制部材として、従来、ゴム部材が使用されている。また、自動車分野でも、振動や騒音を緩和するのに、ゴム部材は広く使用されており、通常、100Hz以上の比較的に高い周波数領域の振動が加わる場合には、低動ばね特性(低動倍率化)が要求され、10〜20Hz程度の低周波振動が加わる場合には、高い減衰特性が必要とされている。
そして、上記のような用途のゴム部材の材料に用いられるゴム組成物として、近年、熱可塑性エラストマーに液状ポリマーを添加し、減衰性能を発現させるようにしたものや、熱可塑性エラストマーにシリカや炭酸カルシウム等の小粒径フィラーを高充填し、摩擦減衰を発現させるようにしたものが開発されている(特許文献1および2参照)。
特開2005−239813号公報 特開2006−8859号公報
しかしながら、上記のように液状ポリマー等を用いて粘性減衰を付与し、減衰性の向上を図る手法においては、温度依存性の悪化が懸念される。また、小粒径フィラーの高充填により摩擦減衰を発現させる手法では、その高充填により摩擦減衰効果が高まる反面、コンパウンド(ゴム組成物)の高粘度化により、加工性の悪化が懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、温度依存性の悪化、加工性の悪化といった問題を生じさせずに、減衰性を向上させることのできる、高減衰ゴム組成物およびそれからなる高減衰部材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)を主成分とし、下記の(B)成分を含有する高減衰ゴム組成物を第1の要旨とする。
(A)天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン系共重合体、およびオレフィン系共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一
(B)下記の化学式(1)で示される化合物で表面処理されたシリカ
Figure 0006518564
また、本発明は、上記第1の要旨の高減衰ゴム組成物の硬化体からなる高減衰部材を第の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、高減衰ゴム組成物のポリマーとして、ジエン系ゴムや熱可塑性エラストマーを用い、これに、フィラーを高分散させて、減衰性を向上させることを想起した。そして、その実現のため、フィラー表面に減衰性を向上させるような分子鎖を結合させることを検討し、各種実験を重ねた。その結果、フィラーとしてシリカを用い、さらに上記化学式(1)に示す化合物を用いて、上記化合物のイソシアネート基(−NCO)をシリカ表面の水酸基(−OH)とウレタン反応させて、シリカ表面に上記化合物からなる分子鎖を結合させることを行った。このようにしたところ、上記化合物からなる分子鎖により、フィラーの高分散化がなされるとともに、ポリマーとフィラーの界面が制御されて、ポリマー・フィラー間の摩擦減衰が増大し、温度依存性を悪化させずにゴムの高減衰化を図ることが可能となった。また、上記化合物からなる分子鎖により、ポリマーとフィラーとの親和性が向上して、加工性を悪化させずにゴムの高減衰化を図ることが可能となることを見いだし、本発明に到達した。
このように、本発明の高減衰ゴム組成物は、ジエン系ゴムや熱可塑性エラストマーを主成分とし、シリカおよび前記化学式(1)に示す化合物を含有するか、もしくは、前記化学式(1)に示す化合物で表面処理されたシリカを含有する。このことから、温度依存性の悪化、加工性の悪化といった問題を生じさせずに、減衰性を向上させることができる。このような特性により、建築分野、自動車分野、産業分野に使用される、振動や騒音を緩和するのに好適な高減衰ゴム部材の材料として、優れた機能を発揮することができる。
動的剪断特性の評価方法を説明するための模式図である。 荷重−歪みループ曲線を示すグラフ図である。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の高減衰ゴム組成物は、下記の(A)を主成分とし、下記の(B)および(C)成分を含有するものである。本発明の高減衰ゴム組成物においては、下記(B)成分であるシリカが、下記(C)成分の化合物で表面処理されたものであってもよい。その場合、上記表面処理に用いた化合物の他、下記(C)成分の化合物を、本発明の高減衰ゴム組成物中に別途含有させてもよく、させなくてもよい。ここで、上記高減衰ゴム組成物の「主成分」とは、その高減衰ゴム組成物の特性に大きな影響を与えるもののことであり、高減衰ゴム組成物全体の50重量%以上を占めることを意味する。
(A)ジエン系ゴムおよび熱可塑性エラストマーの少なくとも一方。
(B)シリカ。
(C)下記の化学式(1)で示される化合物。
Figure 0006518564
上記A成分のジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記A成分の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー(SBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックポリマー(SIBS)等のスチレン系共重合体や、オレフィン系共重合体、エステル系共重合体、ウレタン系共重合体、アミド系共重合体、PVC系共重合体等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、高い減衰性を有することから、スチレン系共重合体、オレフィン系共重合体が好ましい。
つぎに、上記A成分のポリマーとともに用いられるシリカ(B成分)としては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ等が用いられる。そして、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、コロイダルシリカは、C成分の化合物によるシリカ表面処理の反応制御等の観点から、好ましく用いられる。ここで、上記コロイダルシリカには、その分散液として、通常、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等が用いられるが、なかでも、酢酸エチル、メチルエチルケトンが、C成分の化合物によるシリカ表面処理反応を阻害するおそれがないことから、好ましく用いられる。なお、上記表面処理は、例えば、C成分の化合物を含む上記分散液中にシリカを分散させることにより行われる。
また、上記シリカの一次粒子径は、減衰性の向上効果の観点から、5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは、5〜50nmの範囲である。なお、上記一次粒子径は、試料をミクロトームにてサンプリングした後、SEM装置・TEM装置で観察し、測定したものである。
上記シリカの配合量は、上記A成分のポリマー100重量部(以下、「部」と略す)に対して、10〜100部の範囲が好ましく、特に好ましくは、20〜50部の範囲である。すなわち、上記配合量が少なすぎると、所望の減衰性を得ることができないからであり、逆に上記配合量が多すぎると、コンパウンド(ゴム組成物)の粘度が上昇して加工性が悪化したりするといった問題を生じるからである。なお、本発明の高減衰ゴム組成物は、シリカの高充填によらずに減衰性を上げられることができることに加え、その硬化体の剪断弾性率が低いため、さらなるシリカの高充填による減衰性向上も可能である。
つぎに、上記AおよびB成分とともに用いられる化合物(C成分)としては、先に述べたように、下記の化学式(1)で示される化合物が用いられる。
Figure 0006518564
そして、上記化学式(1)で示される化合物において、R1が、イソホロンジイソシアネート(IPDI),トリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI),キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6−XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)またはシクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)由来の炭化水素基であり、R2が、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜11のアリール基であり、nおよびlが1であるものが、シリカ表面への結合性、シリカの分散性向上等の観点から、好ましく用いられる。
上記C成分の化合物は、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI),トリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI),キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6−XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)等のジイソシアネートの、一部のイソシアネート基に対し、炭素数1〜20のモノアルコールまたは炭素数6〜11のモノベンジルアルコールを、低温に制御しながらウレタン反応させることにより、得ることができる。そして、上記モノアルコールが、直鎖アルコールの場合、炭素数1〜10のものが、液体であるため、上記ウレタン反応の制御によるC成分の化合物の生産性等の観点から好ましく用いられる。すなわち、好適な直鎖アルコールに、オクチルアルコール(C8)、デシルアルコール(C10)等が含まれる。また、上記モノアルコールが、分岐アルコールの場合、炭素数1〜20のものが、液体であるため、上記ウレタン反応の制御によるC成分の化合物の生産性等の観点から、好ましく用いられる。すなわち、好適な分岐アルコールに、2−オクチルドデカノール(C20)等が含まれる。また、上記モノベンジルアルコールは、炭素数6〜11のものが、液体であるため、上記ウレタン反応の制御によるC成分の化合物の生産性等の観点から、好ましく用いられる。すなわち、好適なモノベンジルアルコールに、3−クロロベンジルアルコール(C7)、4−イソプロピルベンジルアルコール(C10)、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール(C10)、1−フェニル−1−ペンタノール(C11)等が含まれる。一方、前記ジイソシアネートのなかでも、その2つのイソシアネート基の一方にだけ上記モノアルコールやモノベンジルアルコールをウレタン結合させることが容易であることから、IPDIが好ましい。
また、前記シリカ(B成分)は、上記C成分の化合物で予め表面処理させておくことが、上記C成分の化合物のシリカ表面への結合性、シリカの分散性向上等の観点から、好ましい。そして、上記表面処理シリカのポリマーへの混合手法としては、例えば、上記表面処理シリカを乾燥させた後に、A成分のポリマーと混練を行ってもよいし、また、表面処理シリカが乾燥する前に、その有機溶剤中で、A成分のポリマーを溶解させて混合してもよい。
なお、上記C成分の化合物は、A成分のポリマーに直接配合することも可能であり、その場合、上記C成分の化合物の配合量は、上記A成分のポリマー100部に対して、1〜30部の範囲が好ましく、特に好ましくは、3〜20部の範囲である。
本発明の高減衰ゴム組成物においては、上記A〜C成分の他にも、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル等を必要に応じて適宜に配合することも可能である。
上記加硫剤としては、例えば、硫黄(粉末硫黄,沈降硫黄,不溶性硫黄)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性に優れる点で、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特に架橋反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)が好適に用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。
上記加硫助剤としては、例えば、酸化亜鉛、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
本発明の高減衰ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、ジエン系ゴムや熱可塑性エラストマーといったポリマーに対し、前記化学式(1)に示される特定の化合物で表面処理されたシリカを配合するか、あるいは、前記化学式(1)に示される特定の化合物とシリカとを個別に配合し、さらに、必要に応じて、老化防止剤,プロセスオイル等を配合し、これらを、バンバリーミキサー等を用いて、約50℃の温度から混練を開始し、130〜180℃で、2〜5分間程度混練を行う。つぎに、これに、加硫剤,加硫促進剤等を適宜に配合し、オープンロールを用いて、所定条件(例えば、60℃で5分間)で混練することにより、高減衰ゴム組成物を調製することができる。その後、得られた高減衰ゴム組成物を、高温(150〜170℃)で5〜30分間、加硫することにより高減衰ゴム(硬化体)を得ることができる。
そして、高減衰ゴムの材料として、上記のように本発明の高減衰ゴム組成物を用いることにより、温度依存性の悪化、加工性の悪化といった問題を生じさせずに、減衰性に優れた効果を得ることができる。このことから、上記のように調製された本発明の高減衰ゴム組成物は、例えば、建築分野における制振装置、免振装置や、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の、振動を緩和するための高減衰部材の材料として、さらには、音響ルームの遮音壁や建築構造体の遮音間仕切、車両の防音壁といった、騒音を緩和するための高減衰部材の材料として、幅広く使用することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔SIS〕
日本ゼオン社製、クインタック3520
〔表面処理シリカ(B1)〕
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、EAC−ST)を、IPDI(SIGMA−ALDRICH)とオクチルアルコール(花王社製、カルコール0898)との反応生成物により表面処理して得られた、表面処理シリカ。
〔表面処理シリカ(B2)〕
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、EAC−ST)を、IPDI(SIGMA−ALDRICH)とラウリルアルコール(花王社製、カルコール2098)との反応生成物により表面処理して得られた、表面処理シリカ。
〔表面処理シリカ(B3)〕
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、EAC−ST)を、IPDI(SIGMA−ALDRICH)と2−オクチルドデカノール(花王社製、カルコール200GD)との反応生成物により表面処理して得られた、表面処理シリカ。
〔未処理シリカ(B4)〕
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、EAC−ST)
〔未処理シリカ(B5)〕
東ソー・シリカ社製、ニプシールER
〔アルコール〕
オクチルアルコール(花王社製、カルコール0898)
〔実施例1〜3、比較例1〜5〕
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをニーダーで混練して、目的とするゴム組成物を調製した。
Figure 0006518564
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を上記表1に併せて示した。
〔減衰定数(he)、剪断弾性率(Ge)〕
図1に示すようなサンプルを用いて、ゴム組成物の動的剪断特性の評価を行った。すなわち、ブラスト処理を施した金具2(大きさ140mm×80mm、厚み9mm)に、ゴム用2液接着剤を塗布した後、上記金具2間に、実施例または比較例のゴム組成物を挟み、乾燥を行った。これを100℃で10分間熱プレス成型して、試料(大きさ70mm×80mm、厚み5mm)1を作製した。そして、このサンプルを、矢印方向に加振させて、図2に示す荷重−歪みループ曲線に基づいて、動的剪断特性の評価を行った。すなわち、上記サンプルに対し、加振機(鷲宮製作所社製、DYNAMIC SERVO)と、入力信号発振機(横河電気社製、シンセサイズドファンクションゼネレータFC320)と、出力信号処理機(小野測器社製、ポータブルFFTアナライザーCF−3200)を用いて、大地震時の2波目を想定した加振(剪断歪み率:200%(試料厚みに対して200%)、周波数(f):0.33Hz、測定温度:20℃)を付与し、その加振の時間に対する剪断歪み値(δ)と荷重値(Qd)の解析から、下記の数式(1)〜(4)に従い、等価剛性(Ke)、等価減衰係数(Ce)を求めるとともに、その値から、剪断弾性率(Ge)、減衰定数(he)を求めた。なお、下記の式において、ω=2πf、W=Keδ2/2、ΔWは荷重−歪みループ面積、Sは試料の面積、Dは試料の厚みを示す。そし
て、減衰定数(he)において、0.38以上のものを○、0.38未満のものを×と評価した。また、剪断弾性率(Ge)において、0.1N/mm2未満のものを○、0.1N/mm2以上のものを×と評価した。
等価剛性:Ke(N/mm)=Qd/δ …(1)
等価減衰係数:Ce(kN・s/m)=ΔW/πωδ2 …(2)
剪断弾性率:Ge(N/mm2)=Ke÷S/D …(3)
減衰定数:he=ΔW/4πW …(4)
〔加工性〕
ゴム組成物の121℃におけるムーニー粘度(ML1+4)を、東洋精機製作所社製のムーニー粘度測定器により測定し、その値により、加工性の評価を行った。すなわち、ムーニー粘度(ML1+4)が30未満のものを○、30以上のものを×と評価した。
前記表1の結果から、実施例の試料は、上記動的剪断特性の評価試験において、減衰定数(he)が大きく、剪断弾性率(Ge)が小さいことから、本発明に要求される減衰特性が得られていることがわかる。また、実施例のゴム組成物は、比較例に比べ、粘度の上昇もみられないことから、加工性にも優れる結果となった。
これに対し、比較例の試料は、前記化学式(1)で示される化合物で表面処理されたシリカが含まれておらず、また、前記化学式(1)で示される化合物と未処理シリカとを両方とも含むものでもないことから、実施例よりも減衰性、加工性等に劣る結果となった。
本発明の高減衰ゴム組成物は、例えば、建築分野における制振装置、免振装置や、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の、振動を緩和するための高減衰部材の材料として、さらには、音響ルームの遮音壁や建築構造体の遮音間仕切、車両の防音壁といった、騒音を緩和するための高減衰部材の材料として、幅広く使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記の(A)を主成分とし、下記の(B)成分を含有することを特徴とする高減衰ゴム組成物。
    (A)天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン系共重合体、およびオレフィン系共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一
    (B)下記の化学式(1)で示される化合物で表面処理されたシリカ
    Figure 0006518564
  2. 上記化学式(1)で示される化合物における、R 1 が、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートまたはシクロヘキサンジイソシアネート由来の炭化水素基である、請求項1記載の高減衰ゴム組成物。
  3. 上記化学式(1)で示される化合物における、R 1 が、イソホロンジイソシアネート由来の炭化水素基である、請求項1または2記載の高減衰ゴム組成物
  4. 上記化学式(1)で示される化合物における、R1が、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートまたはシクロヘキサンジイソシアネート由来の炭化水素基であり、R2が、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜11のアリール基であり、nおよびlが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高減衰ゴム組成物。
  5. 上記化学式(1)で示される化合物における、R 2 が、オクチルアルコール、デシルアルコール、2−オクチルドデカノール、3−クロロベンジルアルコール、4−イソプロピルベンジルアルコール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、または1−フェニル−1−ペンタノール由来のアリール基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高減衰ゴム組成物。
  6. 上記シリカの含有割合が、(A)成分100重量部に対して、10〜100重量部の範囲である請求項1〜のいずれか一項に記載の高減衰ゴム組成物。
  7. 上記シリカがコロイダルシリカである、請求項1〜のいずれか一項に記載の高減衰ゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の高減衰ゴム組成物の硬化体からなることを特徴とする高減衰部材。
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