JP6518456B2 - 合成樹脂製容器蓋及びこれと容器との組み合わせ - Google Patents

合成樹脂製容器蓋及びこれと容器との組み合わせ Download PDF

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Description

本発明は、スカート壁には周方向に間隔おいて周方向に延びるスリットとかかるスリット間に存在する橋絡部とから構成された周方向破断ラインが形成されており、スカート壁における周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部の内周面には係止手段が配設されている形態の合成樹脂製容器蓋、及びかような合成樹脂製容器蓋と口頸部の外周面には係止あご部が形成されている容器との組み合わせに関する。
周知の如く、飲料包装用として、ガラス、合成樹脂或いは金属薄板から形成された容器と合成樹脂製容器蓋との組み合わせが広く実用に供されている。容器は円筒形状の口頸部を有し、この口頸部の外周面には雄螺条とこの雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている。合成樹脂製容器蓋の典型例としては、下記特許文献1及び2に開示されている形態の容器蓋を挙げることができる。かような容器蓋は円形天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁とを有する。スカート壁には、周方向に間隔をおいて周方向に延びるスリットとこれらのスリット間に存在する橋絡部とから構成されている周方向破断ラインが形成されており、スカート壁は周方向破断ラインよりも上方の主部と周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されている。主部の内周面には雌螺条が形成され、タンパーエビデント裾部の内周面には係止手段が形成されている。
容器の口頸部を密封する際には、口頸部に容器蓋を被嵌せしめて閉回転方向に回転せしめ、口頸部の雄螺条に容器蓋の雌螺条を螺合せしめる。かくして口頸部に容器蓋を所要とおりに装着すると、容器蓋の係止手段は口頸部の係止あご部を弾性的に乗り越えてその下方に位置する。口頸部を開封して容器の内容物を消費する際には、容器蓋を開方向に回転せしめる。かくすると、雄螺条と雌螺条との螺合解除に応じて口頸部に対して容器蓋が上昇せしめられる。容器蓋が幾分上昇せしめられると、容器蓋の係止手段が口頸部の係止あご部に係止せしめられ、これによってタンパーエビデント裾部の上昇が阻止される。容器蓋の開方向への回転を続けると、スカート壁に形成されている周方向破断ラインが破断され、スカート壁のタンパーエビデント裾部が主部から分離される(或いは、タンパーエビデント裾部に軸線方向破断ラインが形成されている場合には、軸線方向破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部が無端環状から有端帯条に展開され、タンパーエビデント裾部は主部から完全に分離されることなく周方向の一部において主部に接続され続ける)。容器蓋の開方向への回転を続けると、タンパーエビデント裾部を残留せしめて容器蓋が(或いはタンパーエビデント裾部を含む容器蓋の全体が)口頸部から離脱され、口頸部が開封される。
実公平5−13735号公報 特開2013−126881号公報
而して、容器蓋のタンパーエビデント裾部の内周面に形成される係止手段は、タンパーエビデンド裾部の内周面の周方向に延在する複数個の係止突起或いは周方向に連続して延びる環状係止突条等(以下、これらを係止手段とする)から構成することができる。このような、係止手段の半径方向の突出長さは、係止あご部に確実に係止せしめられるよう、大きなものが望ましい。しかしながら、係止手段の半径方向突出量は、成形型からの離脱の際の所謂無理抜きが過剰になるのを回避するために、そしてまた容器蓋を口頸部に装着する際の周方向破断ラインの破断を確実に回避するために、比較的小さい値に制限される。それ故に、口頸部を開封する際に、係止あご部に対する係止手段の係合が不充分になり、破断ラインの破断を伴うことなく係止手段が係止あご部を弾性的に乗り越えて上昇する所謂すっぽ抜けが発生する傾向がある。
かようなすっぽ抜けを防止するために、上記特許文献1の開示においては、タンパーエビデント裾部における係止手段よりも上方の領域の内径を口頸部の係止あご部の外径よりも幾分小さく設定し、係止手段よりも上方においてタンパーエビデント裾部の内周面を係止あご部の外周面に密接せしめ、これによってタンパーエビデント裾部の弾性的変形乃至変位を抑制している。また、特許文献2の開示においては、タンパーエビデント裾部の内周面には係止手段が配設され、この係止手段の上面基縁から上方に向かって半径方向外方に傾斜して延びる逆円錐台形状の嵌合面が配設されており、口頸部に容器蓋が所要とおりに装着された状態から容器蓋を開方向に回転せしめて容器蓋を幾分上昇せしめると、嵌合面および係止手段が口頸部の係止あご部の外周面に密接せしめられ、かくしてタンパーエビデント裾部の弾性的変形乃至変位が抑制されるようにして、上述したすっぽ抜けを防止している。
しかしながら、特許文献2では、口頸部に容器蓋が所要とおりに装着された状態から容器蓋を開方向に回転していく過程で、嵌合面が係止あご部の外周面と密接した状態となるため、嵌合面と係止あご部の外周面とが擦れ合うような引きずり感が生じる場合があることが判明した。このような引きずり感は、特に、容器蓋の開栓時からタンパーエビデント裾部の破断ラインを破断するまでの間に生じており、消費者に違和感を与える虞があり、さらなる容器蓋の品質の向上のためには無くすことが好ましい。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、容器の口頸部を開封する際には、タンパーエビデント裾部の内周面における係止突部の上面基縁から上方に向かって延びる嵌合面を口頸部の係止あご部の外周面に密接せしめて、タンパーエビデント裾部の弾性的変形乃至変位を充分に抑制することができるにも拘わらず、上述した開栓時の引きずり感が防止される、新規且つ改良された合成樹脂製容器蓋を提供し、そしてまたかかる合成樹脂製容器蓋と容器の組み合わせを提供することである。
本発明者等は、鋭意研究及び実験の結果、タンパーエビデント裾部の内周面には、係止突部の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面が形成されており、該嵌合面の表面を摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域とし、該嵌合面と容器の係止あご部との回転を円滑にすることによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明の一局面によれば、上記主たる技術的課題を達成する合成樹脂製容器蓋として、円形天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットと該スリット間に存在する複数個の橋絡部とから構成された周方向に延びる破断ラインが形成されており、該スカート壁は該破断ラインより上方の主部と該破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には半径方向内方に突出する係止手段が配設されており、該係止手段は周方向に間隔をおいて配設され周方向に延在する複数個の係止突部又は周方向に連続して延びる環状係止突部から構成されている合成樹脂製容器蓋において、該タンパーエビデント裾部の内周面には、該係止突部の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面が形成されており、該嵌合面は摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。
好ましくは、該嵌合面の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))が2〜20μmの範囲の粗面に形成されていることが望まれる。
本発明の他の局面によれば、上記主たる技術的課題を達成する合成樹脂製容器蓋と容器との組み合わせとして、円筒形状の口頸部を有し、該口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する半径方向外方に突出する係止あご部が形成されている容器と、
円形天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットと該スリット間に存在する複数個の橋絡部とから構成された周方向に延びる破断ラインが形成されており、該スカート壁は該破断ラインより上方の主部と該破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には半径方向内方に突出する係止手段が配設されており、該係止手段は周方向に間隔をおいて配設され周方向に延在する複数個の係止突部又は周方向に連続して延びる環状係止突部から構成され、該係止突部の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面が形成されている合成樹脂製容器蓋とから成り、該容器の該口頸部に該容器蓋を被嵌し閉方向に回転せしめ、該雄螺条に該雌螺条を螺合せしめて該容器の該口頸部に該容器蓋を所要とおりに装着すると、該容器蓋の該係止手段は該口頸部の該係止あご部を弾性的に乗り越えてその下方に位置し、該嵌合面に該口頸部の該係止あご部が密接乃至接触せしめられる組み合わせにおいて、該嵌合面又は該係止あご部の外周面は、摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっていることを特徴とする組み合わせが提供される。
好ましくは、該嵌合面の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))が2〜20μmの範囲の粗面に形成されていることが望まれる。
本発明の合成樹脂製容器蓋及びかかる合成樹脂製容器蓋と容器との組み合わせにおいては、容器蓋のタンパーエビデント裾部の内周面には、係止突部の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面が形成されており、嵌合面の表面は摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっている。このため、口頸部に容器蓋が所要とおりに装着された状態から容器蓋を開方向に回転していく過程で、嵌合面と係止あご部の外周面とが強く密接した状態であっても、それらの部分が擦れ合うような引きずり感が解消される。よって、容器蓋を開栓する時の開栓官能が向上する。さらに、容器蓋の開方向への回転を続けると、嵌合面および係止手段が口頸部の係止あご部の外周面に密接せしめて、タンパーエビデント裾部の弾性的変形乃至変位を充分に抑制する作用が阻害されることはない。
本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す正面図。 図1に示す容器蓋の底面図。 図1に示す容器蓋の拡大部分断面図。 図3に示す状態から容器蓋を開方向に幾分回転せしめた状態における、図3と同様の拡大部分断面図。 図3に示す容器蓋における嵌合面の変形例を示す拡大部分断面図。 図5に示す状態から容器蓋を開方向に幾分回転せしめた状態における、図5と同様の拡大部分断面図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態について、更に詳述する。
図1を参照して説明すると、ポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形又は圧縮成形することができる容器蓋2は、円形天面壁4とこの天面壁4の周縁から垂下する円筒形スカート壁6とを具備する。天面壁4の内面外周縁部には、下方に垂下する比較的長い円筒形状の内側シール片8及び下方に垂下する比較的短い円筒形状の外側シール片10が形成されている。更に、内側シール片8と外側シール片10との間には比較的小さい環状突条12が形成されている。
スカート壁6には周方向に延びる破断ライン18が形成されており、スカート壁6は破断ライン18より上方の主部20と破断ライン18より下方のタンパーエビデント裾部22とに区画されている。図示の実施形態においては、破断ライン18は周方向に延びる複数個のスリット(切り溝)24とスリット24間に残留せしめられている複数個の橋絡部26とから構成されており、タンパーエビデント裾部22は複数個の橋絡部26を介して主部20に接続されている。
スカート壁6の主部20の外周面には、周方向に見て交互に存在する凹凸形状から構成された滑り止めローレット28が形成されている。スカート壁6の主部20の内周面には、雌螺条30が形成され、かかる雌螺条30には周方向に間隔をおいて複数個の切欠32が形成されている。そして、切欠32が形成されている部位においては、中心軸線方向(図1において上下方向)に延びる薄肉部33が配設されている。
図1と共に図2及び図3を参照して説明すると、タンパーエビデント裾部22の内周面には係止手段34が配設されている。止手段34は周方向に間隔をおいて配設され周方向に延在する5個の係止突部36から構成される。係止突部36の各々の主部(両端部を除く部分)の縦断面形状は略直角三角形状であり、半径方向内方に向かって若干下方に傾斜して延びる上面36a、略円弧形状である内面36b及び半径方向外方に向かって下方に傾斜して延びる下面36cを有する。係止突部36の周方向両端部においては、図2に図示する如く半径方向内方への突出量が周方向両端に向かって漸次低減せしめられており、そしてまた図1を参照することによって理解される如く下面の両端縁は下方に向かって周方向中央に傾斜せしめられている。所望ならば、周方向に間隔をおいて配設され周方向に延在する複数個の係止突部36に替えて、周方向に連続して延びる環状係止突部から係止手段を構成することもできる。
図1と共に図3を参照して説明を続けると、タンパーエビデント裾部22の内周面には、係止突部36の上面36aの基縁、即ちタンパーエビデント裾部22の内周面との境界線である図3において左端縁、から上方に向かって半径方向外方に延びる略逆円錐台形状の嵌合面43が形成されている。図示の実施形態において、嵌合面43は、断面図において円弧形状をなし上方に向かって漸次半径方向外方に延在せしめられている。なお、この嵌合面43は、係止手段34を構成する係止突部36が存在する部位に対応せしめて局部的に形成することもできるが、図示の実施形態のように周方向全周に渡って形成されているのが好適である。
図3を参照して説明を続けると、嵌合面43の表面は、嵌合面43と後述する容器の係止あご部46の外周面との摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっていることが重要である。また摩擦抵抗を低減させるために、嵌合面43の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))が2〜20μm、特に3〜15μmの範囲の粗面に形成されていることが好ましい。
なお、従来の容器蓋における嵌合面及びタンパーエビデント裾部22の内周面にあたる部位は、鏡面仕上げされた金型によって成形されているため、その表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))は一般に0.5μm以下となっている。
本実施形態において、嵌合面43の表面を、従来の容器蓋における嵌合面よりも粗面化し、後述する容器の係止あご部46の外周面との接触面積を低減せしめることによって、摩擦低減領域を形成している。嵌合面43の粗面化には、容器蓋の成形に用いる金型の嵌合面相当部分を予め粗面化しておき、この粗面を容器蓋に転写することによって行うことができる。金型表面の粗面化には、放電加工、バフ研磨、サンドブラストなどのそれ自体公知の手段で行うことができる。また、粗面化以外の摩擦低減領域を形成する手段として、それ自体公知の滑剤、コーティング剤などを嵌合面43に塗布することも可能である。
図1には容器蓋2と共に容器の口頸部42も図示されている。ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂、ガラス或いは金属薄板から形成することができる容器の口頸部42は全体として円筒形状であり、口頸部42の外周面には雄螺条44と雄螺条44の下方に位置する係止あご部46が形成されている。係止あご部46は下方に向かって外径が漸次増大する弧状の上面46a、上面46aに連続する略円筒形状の外周面46b及び実質上水平に延在する下面46cを有する。口頸部42の外周面には、更に、係止あご部46の下方に位置するサポートリング48(かかるサポートリング48は当業者には周知の如く容器の搬送に利用される)も配設されている。
容器内に内容物を充填した後においては、口頸部42に容器蓋2を被嵌して容器蓋2を閉回転方向、図1において上方から見て時計方向、に回転せしめ、容器蓋2の雌螺条30を口頸部42の雄螺条44に螺合せしめる。図1に示す状態まで雌螺条30を雄螺条44に螺合せしめると、容器蓋2の内側シール片8が口頸部42内に侵入して口頸部42の内周面に密接され、環状突条12が口頸部42の頂面に密接せしめられ、外側シール片10が口頸部42の外周面に密接乃至近接せしめられ、かくして口頸部42が密封される。タンパーエビデント裾部22の内周面に配設されている係止突部36は口頸部42の係止あご部46を弾性的に(即ちタンパーエビデント裾部22の弾性変形乃至変位によって)乗り越えて係止あご部46の下方に位置する。かかる状態にあっては、図1と共に図3を参照することによって理解されるとおり、タンパーエビデント裾部22の内周面における係止突部36の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面43は、口頸部42の係止あご部46の外周面46b下端部に接触乃至密接せしめられる。
内容物を消費するために口頸部42を開封する際には、図1と共に図3を参照することによって理解されるとおり、容器蓋2を開方向、即ち図1において上方から見て反時計方向、に回転せしめる。かくすると、雄螺条44と雌螺条30の螺合が漸次解除され、スカート壁6の主部20は回転と共に軸線方向上方に移動せしめられる。この際、タンパーエビデント裾部22の嵌合面43が係止あご部46の外周面46bと密接し、容器蓋2の上昇に付随して嵌合面43と係止あご部46の外周面46bとの当接圧力が漸次増大せしめられる。しかし、嵌合面43の表面は、係止あご部46の外周面46bとの摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっているため、嵌合面43と係止あご部46の外周面46bとの回転が円滑になり、擦れ合うような引きずり感を生じさせない。一方、容器蓋2を更に開方向に回転せしめると、図4に図示する状態となり、タンパーエビデント裾部22は係止突部36が係止あご部46に係止せしめられる故に軸線方向上方への移動が阻止され、かくして破断ライン18の橋絡部26に応力が生成されて橋絡部26が破断され、タンパーエビデント裾部22がスカート壁6の主部20から切り離される。即ち、破断ライン18が破断される際には、タンパーエビデント裾部22の係止突部36と係止あご部46の下面46cとが密接せしめられることに加えて、タンパーエビデント裾部22の嵌合面43と係止あご部46の外周面46bとが密接せしめられる故に、口頸部42の係止あご部46にタンパーエビデント裾部22の弾性的な変形乃至変位が抑制され、破断ライン18が破断されることなく係止突部36が係止あご部46を乗り越えて上昇してしまうことが充分確実に回避される。
本実施形態において、タンパーエビデント裾部22の嵌合面43は、粗面化して摩擦低減領域としている。嵌合面43の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))は2〜20μm、特に3〜15μmの範囲の粗面であることが好適であり、この範囲内において嵌合面43と係止あご部46の外周面46bとが擦れ合うような引きずり感が解消される。なお、比較例として、本実施形態と同形状で嵌合面43を粗面化してない容器蓋(嵌合面43の表面粗さが0.2μm)を用いた場合、このような引きずり感は発生している。したがって、嵌合面43を粗面化による摩擦低減領域とする場合は、微細な粗面にすることが重要である。
本実施形態において、タンパーエビデント裾部22の内周面のうち、摩擦低減領域となっているのは嵌合面43のみである。例えば、係止突部36の上面36aまで摩擦低減領域を形成することも考えられるが、容器蓋の開栓時における破断ライン18を破断する際、係止突部36の上面36aと係止あご部46の下面46cとの接触面が滑りやすくなってしまい、破断ライン18が破断されることなく係止突部36が係止あご部46を乗り越える虞があるため、好ましくはない。
本実施形態において、容器蓋におけるタンパーエビデント裾部22の嵌合面43を摩擦低減領域としているが、嵌合面43を摩擦低減領域とせずに容器側に摩擦低減領域を形成することも可能である。この場合は、係止あご部46のうち外周面46bのみを摩擦低減領域とすることが好ましい。例えば、係止あご部46の下面46cまで摩擦低減領域を形成することも考えられるが、容器蓋の開栓時における破断ライン18を破断する際、係止突部36の上面36aと係止あご部46の下面46cとの接触面が滑りやすくなってしまい、破断ライン18が破断されることなく係止突部36が係止あご部46を乗り越える虞があるため、好ましくはない。
本実施形態では、図3及び図4に図示するとおり、断面図において、タンパーエビデント裾部22の嵌合面43は、円弧形状をなしており、係止あご部46の外周面46bとの接触面を曲面としている。しかしながら、図5及び図6に示すように、断面図において、嵌合面43は、係止手段34の上面基縁から上方に向かって半径方向外方に傾斜して延びる逆円錐台形状とし、係止あご部46の外周面46bとの接触面を直線形状(全体としてテーパ面)とすることも可能である。また、図5及び図6のようにテーパ面とせずに、断面図において、嵌合面43は、係止手段34の上面基縁から上方に向かって垂直に延びる円筒形状とすることも可能である。
破断ライン18が破断された後においては、タンパーエビデント裾部22を口頸部42に残留せしめて、容器蓋2の天面壁4及びスカート壁6の主部20は回転と共に軸線方向上方に自由に移動せしめられて口頸部42から離脱され、かくして口頸部42が開封される。所望ならば、タンパーエビデント裾部22に軸線方向破断ラインを形成し、容器の口頸部42を開封する際には上記軸線方向破断ラインが破断され、一方周方向に延在する破断ライン18はその一部が破断されることなく維持され、タンパーエビデント裾部22が無端環状から有端環状に展開され、タンパーエビデント裾部22と共に容器蓋2の全体が口頸部42から離脱されるようになすこともできる。
2:容器蓋
4:天面壁
6:スカート壁
18:周方向破断ライン
20:スカート壁の主部
22:タンパーエビデント裾部
24:スリット
26:橋絡部
30:雌螺条
34:係止手段
42:口頸部
43:嵌合面
44:雄螺条
46:係止あご部(係止部)

Claims (4)

  1. 円形天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットと該スリット間に存在する複数個の橋絡部とから構成された周方向に延びる破断ラインが形成されており、該スカート壁は該破断ラインより上方の主部と該破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には半径方向内方に突出する係止手段が配設されており、該係止手段は周方向に間隔をおいて配設され周方向に延在する複数個の係止突部又は周方向に連続して延びる環状係止突部から構成されている合成樹脂製容器蓋において、
    該タンパーエビデント裾部の内周面には、該係止突部の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面が形成されており、該嵌合面は摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。
  2. 該嵌合面の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))が2〜20μmの範囲の粗面に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製容器蓋。
  3. 円筒形状の口頸部を有し、該口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する半径方向外方に突出する係止あご部が形成されている容器と、
    円形天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリットと該スリット間に存在する複数個の橋絡部とから構成された周方向に延びる破断ラインが形成されており、該スカート壁は該破断ラインより上方の主部と該破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には半径方向内方に突出する係止手段が配設されており、該係止手段は周方向に間隔をおいて配設され周方向に延在する複数個の係止突部又は周方向に連続して延びる環状係止突部から構成され、該係止突部の上面基縁から上方へ向かって延びる嵌合面が形成されている合成樹脂製容器蓋とから成り、
    該容器の該口頸部に該容器蓋を被嵌し閉方向に回転せしめ、該雄螺条に該雌螺条を螺合せしめて該容器の該口頸部に該容器蓋を所要とおりに装着すると、該容器蓋の該係止手段は該口頸部の該係止あご部を弾性的に乗り越えてその下方に位置し、該嵌合面に該口頸部の該係止あご部が密接乃至接触せしめられる組み合わせにおいて、
    該嵌合面又は該係止あご部の外周面は、摩擦抵抗が低減される摩擦低減領域となっている、ことを特徴とする組み合わせ。
  4. 該嵌合面の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さ(Ra))が2〜20μmの範囲の粗面に形成されていること、を特徴とする請求項3に記載の組み合わせ。
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