JP6518413B2 - 藻場の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、藻場を人工的に形成する藻場の形成方法に関する。
近年、海中や潮干帯の環境保持の観点から藻場を人工的に形成することが試みられている。特に、いわゆる磯焼け等が発生して藻場が消失した海中や潮干帯においては、効率よく藻場を復元することが要望されている。
かかる藻場の人工的な形成方法は種々検討されている。例えば、特許文献1には、ヒジキ等の藻類の生殖細胞(幼胚)を、網を構成する糸に付着させ、該網を海中に移植することが記載されている。
特許文献2には、藻類の幼胚を糸に付着させ、該糸(以下、種糸ともいう。)を取付部材に固定し、該取付部材をコンクリートブロック等にさらに固定して、コンクリートブロックごと、藻場を形成したい位置である海底等に設置することが記載されている。
しかし、藻類を幼胚から育成するのは時間がかかり、また、多数の幼胚を糸や網等に付着させることは難しく、藻場を短時間で効率よく形成することは困難である。
そこで、ある程度育成された藻類の種苗を糸等に固定して、該糸ごと種苗を水中に設置することが考えられている。例えば、特許文献3には、藻類の種苗を、網を構成する撚糸をほぐし、該ほぐした糸の間に挟み込んで固定し、網ごと種苗を海底に固定することで藻場を形成することが記載されている。
この場合、すでにある程度の大きさまで育成されている藻類を水中に設置するため、藻場を短期間で形成することができる。
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、撚糸のよりをほぐして種苗の一部を糸の間に挟みこむ、という煩雑な作業が必要となる。特に、大量の種苗を海中に設置する場合には、非常に手間がかかり、簡単に藻場を形成することが困難である。
特開2011−15672号公報 特開2008−61509号公報 特開2007−195409号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、簡単に効率よく藻場を形成することができる藻場の形成方法を提供することを課題としている。
本発明は、板状の取付部材であって一面側の表面から突出する複数の突出部を備える取付部材の一面側に藻類の種苗を配置し、
線条体と前記取付部材との間に前記種苗が配置されるように、前記取付部材の一面側の表面から離れた位置で前記線状体を前記複数の突出部の間に掛け渡すことで、前記線状体を前記取付部材に取り付けて前記種苗を前記取付部材に固定し、
前記種苗が固定された前記取付部材を藻場を形成すべき所定位置に設置する。
本発明によれば、藻類の種苗を板状の取付部材の一面側に配置し、線条体を、前記種苗が前記取付部材と前記線条体との間に配置されるべく前記取付部材に取り付けて前記種苗を前記取付部材に固定し、前記種苗が固定された前記取付部材を藻場を形成すべき所定位置に設置するため、藻類を生殖細胞(幼胚)から育成するよりも短時間で且つ多くの藻類を所定位置に設置することが容易にできる。また、藻類の種苗を板状の取付部材の一面側に線条体によって固定するため、固定作業が簡単にできる。よって、簡単に効率よく藻場を形成することができる。
また、本発明の藻場の形成方法は、前記取付部材は、一面側から突出する複数の突出部を備えており、前記線条体を、複数の前記突出部の間に掛け渡して前記取付部材に取り付けてもよい。
前記取付部材は、一面側から突出する複数の突出部を備えており、前記線条体を、複数の前記突出部の間に掛け渡して前記取付部材に取り付けることで、より簡単に線条体で種苗を取付部材に固定することができると同時に、前記線条体を、前記複数の突出部の間に掛け渡して前記取付部材に取り付けるため、線条体と取付部材の一面側の表面との間隔を調整することが容易にできる。従って、線条体が種苗を上側から押さえつける強さの調整が容易にでき、強く固定しすぎて種苗を傷つけたり、ゆるすぎて取付部材から種苗がはずれやすくなることを防止できる。
また、本発明の藻場の形成方法は、前記種苗が固定された前記取付部材を、コンクリートブロックに取り付けて前記所定位置に設置してもよい。
前記種苗が固定された前記取付部材を、コンクリートブロックに取り付けて前記所定位置に設置した場合には、取付部材をより安定した状態で所定位置に設置できる。よって、取付部材が水流等で流されて藻場を形成すべき所定の位置に藻場が形成できなくなることを抑制でき、所定位置により効率よく藻場を形成することができる。
また、本発明の藻場の形成方法は、前記種苗が固定された前記取付部材を水中に吊り下げて前記種苗を所定の期間育成し、その後、育成された種苗が固定された前記取付部材を前記所定位置に設置してもよい。
前記種苗が固定された前記取付部材を水中に吊り下げて前記種苗を所定の期間育成し、その後、育成された種苗が固定された前記取付部材を前記所定位置に設置する場合には、藻類が藻場を形成しやすい大きさになってから所定位置に設置することができるため、より効率よく藻場を形成することができる。
また、前記種苗はヒジキ類であってもよい。ヒジキ類の種苗を用いることでより効率よくヒジキ類の藻場を形成することができる。
本発明によれば、簡単に効率よく藻場を形成することができる藻場の形成方法を提供することができる。
本実施形態で使用される取付部材の斜視図 本実施形態で使用される取付部材の部分拡大斜視図。 本実施形態で使用される取付部材をコンクリートブロックに取り付けた状態を示す斜視図。 本実施形態における中間育成の状態を示す該略図。
以下に、本発明の実施形態を、図1乃至4を参照して説明する。
本実施形態の藻場の形成方法は、藻類の種苗を板状の取付部材の一面側に配置し、線条体を、前記種苗が前記取付部材と前記線条体との間に配置されるべく前記取付部材に取り付けて前記種苗を前記取付部材に固定し、前記種苗が固定された前記取付部材を藻場を形成すべき所定位置に設置する方法である。
(藻類)
本実施形態で用いる藻類は、ヒジキ等のホンダワラ類等、藻場を形成可能な藻類であれば、特に限定されるものではない。中でもヒジキを用いて藻場を形成するために本実施形態の形成方法を採用することが好ましい。
本実施形態で用いる種苗とは、幼胚から適用な大きさまで育成された藻類の幼体や、藻類の成体を成長点や仮根を含むように適当な大きさに切断した藻類の成体の一部など、藻場を形成するために使用可能な藻類の一部または全部をいう。
(取付部材)
本実施形態で用いる取付部材1は、図1及び2に示すように、長方形の板状体からなる部材本体11と、該部材本体11の一面側1aの複数個所から突出する突出部12とを備えている。
取付部材1は、部材本体11の一面側1aにおける両端部、具体的には、該部材本体11を一面側1aから見た状態(以下、上面視ともいう。)において、部材本体11の周縁である四辺のうち対向する長辺の中央を結ぶ線Lを挟んで対称となる両側の部分が種苗配置部13として構成されており、該種苗配置部13には、前記突出部12が複数(本実施形態では一の種苗配置部にそれぞれ10個ずつ計20個)形成されている。
各突出部12は、円柱形状に形成されており、部材本体11の一面側1aの表面から垂直に立設されている。突出部12の配置は特に限定されるものではなく、後述するように、藻類の種苗が隣り合う突出部12の間に挟みこめる程度の間隔を有して配置されていればよい。本実施形態では、部材本体11の各種苗配置部13において、それぞれ10個の突出部12が、部材本体11の長辺に平行な三列に配置され、外側の二列には4個、中央の一列には2個の突出部12が配置されている。
突出部12の形状、高さ、間隔、個数等は、特に限定されるものではなく、例えば、固定する藻類の種苗に応じて適宜設定できる。突出部12の高さは、例えば、後述するように線条体を突出部12の周面に沿って引っ掛けることが可能な高さであって、種苗を上側から押さえつける際に押えつける強さを調整可能な高さであればよい。また、突出部12同士の間隔は、種苗を配置して固定しやすい程度の間隔であればよい。
例えば、突出部12の高さは0.2cm〜3.0cm、直径は0.1cm〜1.5cm、隣接する突出部12同士の間隔は1cm〜10cm程度であることが挙げられる。
本実施形態の取付部材1の一面側1aには、種苗配置部13の突出部12が形成されている部分以外の表面において凹凸部Rが形成されている。該凹凸部Rを構成する凹凸の形状、サイズ、個数等は特に限定されるものではないが、凹凸の高さは突出部12の高さよりは低くなるように構成されていることが好ましい。また、凹凸部Rを構成する凹凸は均一なサイズでなくてもよく、高さや幅等が異なる凹凸が混在している凹凸部Rであってもよい。
部材本体11の一面側1aの中央部、すなわち二つの種苗配置部13の間に当たる位置にはボルト孔14が形成されている。該ボルト孔14は、後述するようにコンクリートブロック等の別の部材に取付部材1を固定する際に、該ボルト孔14にボルトを挿入して、別の部材に取付部材1を固定することができるように構成されている。
部材本体の11の周縁となる四辺のうちの対向する短辺において端縁から内側に向かって一対の切り込みC1、C2が備えられている。該切り込みC1、C2は、本実施形態では部材本体11の一の短辺の中央部に平行に間隔を有して二本形成されている。
尚、切り込みC1、C2が形成される位置は特に対向する一対の短辺であることに限定されるものではなく、部材本体11の周縁となる四辺のうちいずれの辺に形成されていてもよく、その数も、特に限定されるものではない。
取付部材1の材質は特に限定されるものではないが、合成樹脂、特には熱可塑性樹脂であることが、上述のような形状の各部を有する取付部材を一体成形によって容易に製造することができ、また水中での耐久性に優れているため好ましい。
合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル、PEEK、PEN、パラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、脂肪酸エステル、グリセライト、変性ワックス及びシラン変性ポリオレフィン重合体等が挙げられる。
取付部材1を構成する合成樹脂は、無機フィラーを含んでいてもよい。
無機フィラーとしては、例えば、珪石粉末、炭酸カルシウム粉末、石灰石粉末、シラス粉末、骨石粉末、珪藻土粉末、粘土粉末、牡蠣、ホタテ、サザエ、赤貝、つぶ貝、アサリ、しじみ等の貝殻粉末や、サンゴ粉末等が挙げられる。
かかる無機フィラーを含むことで、取付部材の強度が向上し、藻類が育成しやすくなるため好ましい。
(種苗の配置)
本実施形態の藻場の形成方法において、まず、藻類の種苗Sを前記取付部材1の一面側1aに配置する。
本実施形態においては、種苗Sを前記種苗配置部13に複数形成された突出部12の間に配置する。具体的には、図1および2に示すように、複数の突出部12のうち隣接する突出部12の間に形成される空間に種苗Sの一部を挟むようにして配置する。種苗Sが複数の枝を有する場合には、それぞれの枝を、複数個所に形成される突出部12の間の空間に挟むように配置してもよい。このように突出部12の間に形成される空間に種苗Sの一部を挟むように配置することで、種苗Sが取付部材1からはずれにくくなるように配置することができる。また、突出部12の間に形成される空間に種苗Sの一部を挟むように配置することで、例えば仮根等の成長に伴い種苗Sが伸張して広がることにより、より取付部材1からはずれにくくなる。
配置する種苗の本数は特に限定されるものではないが、本実施形態では、各種苗配置部13に1〜2本程度、すなわち、一枚の取付部材1に2〜4本程度の種苗を配置する。
種苗配置部13のいずれの箇所に種苗Sを配置してもいいが、本実施形態では、各種苗配置部13の中央部、すなわち、10個の突出部12のうちの中央の列の配置された2個の突出部12a、12aの間に種苗Sの最も強く固定したい箇所が位置するように種苗Sを配置することが好ましい。
本実施形態では、取付部材1の一面側1aに凹凸部Rが形成されているため、種苗Sが位置ずれしにくく、より確実に取付部材1に固定されやすい。
(固定)
次に、線条体2で種苗Sを固定する。具体的には、線条体2を前記種苗Sが前記取付部材1と前記線条体2との間に配置されるべく前記取付部材1に取り付ける。このとき、種苗Sは、前記線条体2と前記取付部材1の一面側1aの表面との間に配置されることになり、前記種苗Sは線条体2によって前記取付部材1の一面側1aの表面側に向かって押さえ付けられて固定される。
本実施形態においては、前記線条体2を、前記複数の突出部12の間に掛け渡して、前記種苗を該線条体2で抑えるように配置する。
線条体2としては、ロープ、タコ糸等の撚糸、針金、テープ等、細長い線状のものであって、種苗を取付部材1に固定可能な柔軟性及び強度を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、線条体2の太さは外径1.0mm〜3.0mm程度の、海水中でも十分な強度を有する材質からなるものが挙げられる。
線条体2の配置する位置は特に限定されるものではないが、例えば、図2に示すように、まず、線条体2の一方の端部を、部材本体11の一対の切り込みC1、C2のうちの一方の切り込みC1に取付部材1の一面側1aから他面側に向けて挟みこみ、線条体2の一方の端部が部材本体11の他面側に位置するように取付部材1に取り付ける。一方の端部が固定された線条体2を、部材本体11の一面側1aにおいて、前記種苗Sの上側を通過させながら任意の位置において各突出部12の周面に沿って引っ掛けて方向を変えながら係止させ、各突出部12間に掛け渡して、種苗配置部13において、種苗Sを線条体2と取付部材1の一面側1aの表面との間に固定する。線条体2は適度に緊張させた状態で各突出部12間に掛け渡すことが好ましい。
線条体2は種苗Sの上で交差するように配置することが好ましい。本実施形態においては図2に示すように前記種苗配置部13の中央部、すなわち、中央の列の2個の突出部12a、12a間の空間で交差するように配置する。線条体2を交差して配置した位置においては、種苗Sがより確実に固定されるため、水中に設置する際および設置後等に種苗Sが取付部材1からはずれることをより確実に抑制できる。
線条体2は、突出部12の周面に沿って引っ掛けて方向を変えながら、各突出部12間に掛け渡していくが、線条体2を突出部12の高さ方向の任意の位置においてその周面に沿って引っ掛けることで、線条体2の取付部材1の一面側1aの表面からの位置を調整することが容易にできる。すなわち、種苗Sの上側を通過する位置において線条体2の高さを調整することで、種苗Sを上側から押さえつける強さの調整が容易にでき、強く固定しすぎて種苗Sを傷つけたり、ゆるすぎて取付部材1から種苗Sがはずれることを抑制できる。
取付部材1の種苗配置部13において、突出部12間に適度な緊張状態で線条体2を掛け回して、種苗Sを固定した後に、線条体2の他方の端部を、部材本体11の一対の切り込みC1、C2のうちの前記線条体2の一方の端部が挟み込まれた切り込みC1の横の切り込みC2に一方の端部と同様に、一面側1aから他面側に向けて挟みこみ、線条体2の他方の端部も取付部材1に固定する。すなわち、線条体2の両方の端部を部材本体11の切り込みC1、C2に固定することで、線条体2を取付部材1により確実に取り付けることができる。
(設置)
次に、種苗Sが固定された取付部材1を藻場を形成すべき所定位置に設置する。
取付部材1を所定位置に設置する方法としては、取付部材1を直接潮干帯や既存のコンクリートブロック等の藻場を形成すべき所定位置に設置してもよく、あるいは、取付部材1を別の固定部材に取り付けて、該固定部材ごと所定位置に設置してもよい。本実施形態では、取付部材1を図3に示すように、コンクリートブロックBに固定して潮干帯に設置する。
本実施形態の取付部材1をコンクリートブロックBに固定する方法としては限定されるものではないが、例えば、取付部材1に形成されたボルト孔14(図1に図示)にボルト15を差込み、コンクリートブロックBの表面にボルト15で固定する方法などが挙げられる。
取付部材1をコンクリートブロックBに固定して水中に設置することで、安定して取付部材1を設置できる。
また、コンクリートブロックBを固定部材として用いることで、取付部材1において成長した藻類や、水中に存在する藻類から放出された幼胞がコンクリートブロックBの表面に付着して、より効率よく藻場が形成されやすくなる。
尚、本実施形態の取付部材1の一面側1aには前記凹凸部Rが形成されているため、かかる凹凸部Rにも水中に存在する藻類から放出された幼胞等が付着しやすくなり、より効率よく藻場が形成されやすい。
このようにコンクリートブロックBや既存の護岸コンクリートブロック等のコンクリートに取付部材1を取付けることで、藻場の形成が格段に形成しやすくなる。
(中間育成)
本実施形態の藻場の形成方法では、種苗Sが固定された取付部材1を藻場を形成すべき所定位置に設置する前に、前記種苗Sが固定された前記取付部材1を水中に吊り下げて前記種苗を所定の期間育成する中間育成を行い、その後、育成された種苗が固定された前記取付部材を前記所定位置に設置してもよい。
中間育成では、例えば、取付部材1に固定した種苗Sが小さすぎて所定位置に取付部材1を設置しても、海流等によって成体にまで育成されにくい場合等に、種苗Sが十分に育成可能な大きさになるまで比較的育成しやすい環境等で育成する。
中間育成は、上述のように種苗を取り付けた取付部材1を、水槽等に設置して行ってもよく、あるいは、種苗を取り付けた取付部材1を比較的穏やかな環境である浅い海中等に吊り下げて行ってもよい。
取付部材1を海中に吊り下げて中間育成を行う場合には、例えば、図4に示すように、イカダ等の浮遊部材100に、取付部材1を紐101で取り付けて、水中に垂下させて、比較的水深の浅い海中に種苗を固定した取付部材1を設置する。取付部材1は、図4に示すように複数を一本の紐101に取り付けて、海中に吊り下げてもよい。この場合には、小さいスペースで多くの種苗の中間育成が行える。
かかる中間育成を行うことで、藻場を形成しやすい大きさにまで藻類を育成することが容易にでき、より効率よく藻場を形成することができる。
本実施形態の藻場の形成方法では、種苗が固定された取付部材を藻場を形成すべき所定位置に設置した後に、例えば、取付部材ごと、あるいは、コンクリートブロックごと、覆うことができる網を設置してもよい。
かかる網を設置した場合には、種苗Sが成長した藻類によって藻場を形成した後に、魚等によって藻類が害されることを抑制でき、長期間継続して藻場を維持することができる。
本実施形態の藻場の形成方法では、取付部材あるいはコンクリートブロックBごと網等で覆うことが、例えば、従来の撚糸に藻類を挟みこんで藻場を形成する場合に比べて容易にできるため、より、効率よく藻場を形成することができる。
以上のような、本実施形態の藻場の形成方法によれば、藻類を幼胚等の生殖細胞から育成するよりも短時間で且つ多くの藻類を水中に設置することができる。また、藻類の種苗を板状の取付部材の一面側に線条体によって固定するため、固定作業が簡単にできる。
すなわち、幼胞から育成させる必要がないため短時間で且つ効率よく種苗を水中に設置できる。また、種苗を線条体によって取付部材に固定するため、簡単に種苗を取付部材に固定することができる。よって、簡単に効率よく藻場を形成することができる。
また、本実施形態の藻場の形成方法によれば、取付部材は設置場所から別の場所に容易に移動することができる。よって、別の場所に藻場を移すことなどが簡単でき、より効率よく藻場を形成することができる。
また、本実施形態において、前記取付部材は、一面側から突出する複数の突出部を備えており、前記線条体を、複数の前記突出部の間に掛け渡して前記取付部材に取り付けることで、より簡単に線条体で種苗を取付部材に固定することができると同時に、前記線条体を、前記複数の突出部の間に掛け渡して前記取付部材に取り付けるため、線条体と取付部材の一面側の表面との間隔を調整することが容易にできる。従って、線条体が種苗を上側から押さえつける強さの調整が容易にでき、強く固定しすぎて種苗を傷つけたり、ゆるすぎて取付部材から種苗がはずれやすくなることを防止できる。
すなわち、線条体を種苗の上側を通過させながら突出部の周面に沿って引っ掛けて、各突出部間に掛け渡していく際に、突出部が部材本体の一面側表面からの突出する高さの分だけ線条体を通過する位置を調整することができる。例えば、固定する種苗が比較的嵩の低い藻類である場合には、突出部の比較的低い位置に線条体を引っ掛けることで種苗を確実に固定することができる。一方、固定する種苗が比較的嵩の高い藻類である場合には、突出部の比較的高い位置に線条体を引っ掛けることで種苗を傷つけることなく確実に固定することができる。
また、前記種苗が固定された前記取付部材を、コンクリートブロックに取り付けて前記所定位置に設置した場合には、取付部材をより安定した状態で所定位置に設置できる。よって、取付部材が水流等で流されて藻場を形成すべき所定の位置に藻場が形成できなくなることを抑制でき、所定位置により効率よく藻場を形成することができる。
さらに、前記種苗が固定された前記取付部材を水中に吊り下げて前記種苗を所定の期間育成し、その後、育成された種苗が固定された前記取付部材を前記所定位置に設置する場合には、藻類が藻場を形成しやすい大きさになってから所定位置に設置することができるため、より効率よく藻場を形成することができる。
尚、取付部材の構成は、上記実施形態で述べたものであることには限定されるものではない。板状の部材から構成された取付部材であれば、長方形状であることには限定されるものではない。
また、上記実施形態では、突出部を備えた取付部材を用いて、前記突出部の間に前記種苗を配置し、前記線条体を、前記複数の突出部の間に掛け渡して、前記種苗の上側を通過するように配置することで前記種苗を固定したが、突出部を備えた取付部材であることに限定されるものではない。
また、種苗を線条体で取付部材に固定する方法は、前記線条体を、前記複数の突出部の間に掛け渡して、前記種苗が前記取付部材と前記線条体との間に配置されるべく前記取付部材に取り付けることで、前記種苗を前記取付部材に固定することに限定されるものではない。例えば、突出部の形成されていない板状の取付部材の一面側に種苗を載置して、種苗を線条体で取付部材に括りつけるようにして、種苗を取付部材に固定してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:取付部材、1a:一面側、2:線条体、11:部材本体、12:突出部、13:種苗配置部、14:ボルト孔、B:コンクリートブロック、R:凹凸部、S:種苗。

Claims (5)

  1. 板状の取付部材であって一面側の表面から突出する複数の突出部を備える取付部材の一面側に藻類の種苗を配置し、
    線条体と前記取付部材との間に前記種苗が配置されるように、前記取付部材の一面側の表面から離れた位置で前記線状体を前記複数の突出部の間に掛け渡すことで、前記線状体を前記取付部材に取り付けて前記種苗を前記取付部材に固定し、
    前記種苗が固定された前記取付部材を藻場を形成すべき所定位置に設置する藻場の形成方法。
  2. 前記線条体と前記取付部材の前記一面との間隔を調整する工程を備える請求項1に記載の藻場の形成方法。
  3. 前記種苗が固定された前記取付部材を、コンクリートブロックに取り付けて前記所定位置に設置する請求項1又は2に記載の藻場の形成方法。
  4. 前記種苗が固定された前記取付部材を水中に吊り下げて前記種苗を所定の期間育成し、
    その後、育成された種苗が固定された前記取付部材を前記所定位置に設置する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の藻場の形成方法。
  5. 前記種苗はヒジキ類である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の藻場の形成方法。
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