JP6518044B2 - 視機能検査装置および視機能検査システム - Google Patents

視機能検査装置および視機能検査システム Download PDF

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Description

この発明は、視機能を検査するために用いられる装置およびシステムに関する。
視機能は、光学系と神経系と脳による複合的な感覚機能である。光学系は、角膜、水晶体、瞳孔(虹彩)などから構成され、光量調整や焦点調節などを行う。神経系は、網膜、視覚路などから構成される。網膜には光受容細胞が配列されており、光学系により形成された網膜像(光強度や波長分布)が神経信号に変換される。神経信号は、視覚路を通じて脳に伝達されて処理される。
視機能検査の典型例として視野検査(静的視野検査、動的視野検査)がある。静的視野検査においては、大きさが一定であり強さ(明るさ)が可変な光刺激(スポット光等)が、網膜の特定位置に投影される。検者は、光刺激を視認したときにボタンを押す。この処理を網膜の複数の位置について順次に実行することにより、網膜の部位ごとの感度(感度分布)が得られる。動的視野検査においては、網膜に対する光刺激の投影位置が移動される。検者は、光刺激を視認したときにボタンを押す。それにより、被検眼によって視認可能な範囲(視野の形状)が得られる。
他の典型的な検査としてフリッカー視野測定がある。フリッカー視野測定では、ちらつき周波数(フリッカー周波数)が可変な光刺激が被検眼に提示され、被検者により認識可能なフリッカー周波数の閾値が求められる。
特開2014−36844号公報 特開平11−267101号公報
このような視機能検査は、光刺激に対する被検者の応答に基づいて行われる。したがって、被検者が検査に不慣れであったり高齢者であったりする場合、応答を誤ったり、応答が遅れたりすることがあり、検査の信頼性の低下や検査の長時間化といった問題が生じていた。なお、一般に視機能検査の所要時間が比較的長いことを考慮すると(たとえば数十分程度)、検査の長時間化は被検者の集中力を削ぐよう作用し、信頼性のさらなる低下を招くとともに、検者にとっても大きな負担となっていた。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、視機能検査の信頼性向上および短時間化を図ることにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、レーザ光源から出力されたレーザ光の光路に配置された光スキャナを含み、前記光スキャナを経由したレーザ光を被検眼の網膜に照射する照射光学系と、前記レーザ光の照射に対する被検者の反応を表す生体情報を検出する生体情報検出部と、検出された前記生体情報に基づいて、前記被検眼の視機能に関する評価情報を生成する評価情報生成部とを備え、前記照射光学系は、被検者の左眼の網膜および右眼の網膜のそれぞれにレーザ光を照射可能であり、かつ、前記左眼の網膜および前記右眼の網膜に並行してレーザ光を照射可能であり、前記評価情報生成部は、前記生体情報検出部により検出された前記生体情報を解析することにより、前記左眼の網膜に対する反応に相当する左眼成分と、前記右眼の網膜に対する反応に相当する右眼成分とを抽出する成分抽出部を含み、抽出された前記左眼成分に基づいて前記左眼の視機能に関する左眼評価情報を生成し、かつ、前記右眼成分に基づいて前記右眼の視機能に関する右眼評価情報を生成することを特徴とする視機能検査装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の視機能検査装置であって、被検者の姿勢を検知する姿勢検知部を備え、前記評価情報生成部は、前記生体情報検出部により検出された前記生体情報と、前記姿勢検知部による姿勢の検知結果とに基づいて、前記評価情報を生成することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の視機能検査装置を複数含み、かつ、前記複数の視機能検査装置のそれぞれとの間でデータ通信が可能なコンピュータを含み、前記複数の視機能検査装置のそれぞれは、前記評価情報生成部により生成された前記評価情報を送信する送信部を備え、前記コンピュータは、前記送信部により送信された前記評価情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された評価情報を格納する格納部と、前記格納部に格納された評価情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする視機能検査システムである。
この発明によれば、視機能検査の信頼性向上および短時間化を図ることが可能である。
実施形態に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係る視機能検査装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 変形例に係る視機能検査装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査システムの構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査システムの構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査システムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係る視機能検査システムの構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査システムの構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る視機能検査システムの使用形態の一例を表すフローチャートである。
この発明の実施形態について説明する。実施形態に係る装置およびシステムは視機能検査に用いられる。実施形態は、任意の視機能検査を実行可能に構成されていてよく、たとえば静的視野検査および動的視野検査のいずれか一方または双方を実行可能に構成される。
実施形態により実行可能な視機能検査は、レーザ光により網膜に光刺激を与えるステップと、この光刺激に対する被検者の反応を検出するステップと、検出された反応に基づき視機能を評価するステップとを含む。被検者の反応を検出するステップでは、被検者の生体情報の検出が行われる。生体情報は、光刺激により変動する任意の情報であってよい。生体情報の取得方法の例として、脳波、網膜電図、脳磁図、光トポグラフィによる脳計測、機能的MRI、瞳孔径計測などがある。実施形態においては、1以上の種別の生体情報が取得される。実施形態に係る視機能検査により取得される評価情報の形態は、検査の種別に応じて異なってよい。
以下、いくつかの典型的な実施形態や変形例について説明するが、この発明はこれらに限定されるものではない。また、これら実施形態や変形例のうち2以上を任意に組み合わせることが可能である。
〈第1の実施形態〉
図1に示す視機能検査装置1は、被検眼Eの視機能を検査するために用いられる。視機能検査装置1は、照射光学系10と、生体情報検出部40と、制御部50と、データ処理部60と、ユーザインターフェイス(UI)70とを備える。図2は、制御部50、データ処理部60およびユーザインターフェイス70の構成の例を示す。
(照射光学系10)
照射光学系10は、レーザ光で網膜をスキャンすることにより被検眼に情報を提示する(たとえば光刺激を与える)ための光学系を備える。照射光学系10は、走査型画像表示装置の一例である網膜走査ディスプレイ(Retinal Scanning Display)として機能する。網膜走査ディスプレイは公知技術であり、たとえば、特開2012−155019号公報や米国特許公開第2013/004404号公報などに開示されている。図1は、照射光学系10の構成の概略を示しており、上記公報などに開示されている1以上の構成要素をさらに備えていてもよい。
図1に概要を示す照射光学系10は、光源部11と、光ファイバ12と、コリメート光学系13と、水平走査部14と、リレー光学系15と、垂直走査部16と、リレー光学系17と、反射ミラー18とを含む。
光源部11は、レーザ光を出力する。図示は省略するが、光源部11は、1以上のレーザ光源と、レーザ光源を駆動する1以上のレーザドライバと、レーザドライバに駆動信号を供給する回路とを含む。レーザ光源は、可視レーザ光を出力する。2以上のレーザ光源が設けられる場合、これらレーザ光源は互いに異なる種別のレーザ光を出力可能に構成されていてよい。レーザ光の種別としては、波長帯(色)に関する種別や、強度(光量)に関する種別などがある。
さらに、光源部11は、各レーザ光により出力されたレーザ光を平行光束にするコリメート光学系を含む(図示省略)。2以上のレーザ光源が設けられる場合、これらレーザ光源から延びる2以上の光路を1つに合成する合成光学系が設けられていてよい(図示省略)。合成光学系は、たとえばダイクロイックミラーおよび/またはハーフミラーを含む。合成光学系により1つに合成された光路は、図示しない集光光学系を介して、光ファイバ12の一端に導かれる。
光源部11は、上記のようにして1以上の種別のレーザ光を出力する。光源部11から出力されたレーザ光は、光ファイバ12により導かれて出射する。ファイバ端から出射したレーザ光は、コリメート光学系13により平行光束とされた後、水平走査部14に入射する。
水平走査部14は、レーザ光を水平方向において偏向する。つまり、水平走査部14は、レーザ光の水平方向のスキャンを生成する。水平走査部14は、たとえば、ガルバノミラー、共振ミラー、MEMSミラー、ポリゴンミラーなど、任意の1軸偏向ミラーを含む。水平走査部14を通過したレーザ光は、リレー光学系15に導かれる。
リレー光学系15は、水平走査部14と垂直走査部16との間においてレーザ光を中継する。リレー光学系15は、たとえば、正の屈折力を有する2以上のレンズを含む。リレー光学系15を通過したレーザ光は、垂直走査部16に入射する。
垂直走査部16は、レーザ光を垂直方向において偏向する。つまり、垂直走査部16は、レーザ光の垂直方向のスキャンを生成する。垂直走査部16は、たとえば、ガルバノミラー、共振ミラー、MEMSミラー、ポリゴンミラーなど、任意の1軸偏向ミラーを含む。垂直走査部16を通過したレーザ光は、リレー光学系17に導かれる。
リレー光学系17は、垂直走査部16と反射ミラー18との間においてレーザ光を中継する。リレー光学系17は、たとえば、正の屈折力を有する2以上のレンズを含む。リレー光学系17を通過したレーザ光は、反射ミラー18により被検眼Eに向けて反射される。被検眼Eに入射したレーザ光は、瞳孔Epを通過して網膜Erに照射される。
ここで、水平走査および垂直走査について説明する。図1に示す例において、被検眼Eは上面図として示されているとする。この場合、照射光学系10は被検眼Eの左方に配置されており、被検眼Eは被検者の左眼に相当する。このような仮定において、「水平方向」は図1の紙面に沿う方向(左右方向)に相当し、「水平方向」に直交する「垂直方向」は図1の紙面に直交する方向に相当する。このような水平走査部14と垂直走査部16との組み合わせにより、被検眼Eの網膜Erをレーザ光で2次元的にスキャンすることが可能となる。
なお、図1に示す例では、水平走査部14が上流側(光源部11側)に配置され、かつ垂直走査部16が下流側(被検眼E側)に配置されているが、2次元的なスキャンを発生させるための構成はこれに限定されるものではない。たとえば、水平走査部よりも上流側に垂直走査部を配置した構成を適用することが可能である。また、水平走査部と垂直走査部とを単一の光スキャナにより構成してもよい。その場合、たとえば、2軸偏向ミラーが搭載された単一の光スキャナが適用される。
(生体情報検出部40)
生体情報検出部40は、網膜Erへのレーザ光の照射に対する被検者の反応を表す生体情報を検出する。前述したように、生体情報は、光刺激により変動する任意の情報である。また、生体情報検出部40は、2以上の種別の生体情報を取得に構成されてよい。
生体情報の例として、脳波、網膜電図、脳磁図、脳の光トポグラフィ、機能的MRI画像、瞳孔径などがある。これらを含む各種の生体情報は、その種別に応じた公知の手段(装置)によって取得される。生体情報検出部40は、各種の生体情報のうち1以上を取得するための手段を含んで構成される。たとえば、生体情報検出部40は、脳波計、網膜電位計、脳磁図計、光トポグラフィ装置、MRI装置、前眼部撮影カメラなどを含む。なお、前眼部撮影カメラは、被検眼Eの前眼部を正面から撮影するために用いられ、それにより取得された前眼部像を解析することで瞳孔Epのサイズ(径)が得られる。
(制御部50)
視機能検査装置1の制御系は、制御部50を中心に構成される。制御部50は、たとえば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。制御部50には、主制御部51と記憶部52が設けられている。
(主制御部51)
主制御部51は各種制御を行う。特に、主制御部51は、光源部11、水平走査部14、垂直走査部16、生体情報検出部40、データ処理部60、およびユーザインターフェイス70を制御する。また、主制御部51は、記憶部52にデータを書き込む処理や、記憶部52からデータを読み出す処理を行う。
光源部11の制御として、主制御部51は、レーザ光の出力のオン/オフ、レーザ光の出力強度の変更、レーザ光の出力波長の変更などを実行する。主制御部51は、水平走査部14および垂直制御部16を制御することにより、あらかじめ設定された態様でレーザ光をスキャンする。このスキャン態様は、たとえばラスタスキャンである。生体情報検出部40の制御として、主制御部51は、生体情報の検出のオン/オフ、生体情報の検出間隔の変更、検出対象である生体情報の種別の切り替えなどを実行する。データ処理部60の制御として、主制御部51は、処理種別の切り替え、処理内容の切り替えなどを実行する。ユーザインターフェイス70の制御として、主制御部51は、表示部71に情報を表示させるための制御を実行する。主制御部51は、操作部72を用いて行われた操作の内容に応じて、視機能検査装置1の各部を制御する。
(記憶部52)
記憶部52は、各種のデータを記憶する。記憶部52に記憶されるデータの例として被検者情報がある。被検者情報は、被検者の識別情報や電子カルテ情報などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部52には、視機能検査装置1を動作させるためのコンピュータプログラムやデータが記憶されている。
また、記憶部52には、被検者に対して過去に実施された検査により取得されたデータ(検査データ)が記憶される。検査データとしては、被検眼を撮影して得られた画像データや、画像データを解析して得られた解析データや、撮影以外の検査により得られたデータなどがある。
画像データとしては、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)により取得されたOCTデータ、眼底撮影により得られた眼底像データ、前眼部撮影により得られた前眼部像データなどがある。なお、ここに例示された典型的な画像データ以外の任意の画像データを、記憶部52に記憶させてもよい。
解析データには、たとえば次のデータがある。眼底のOCTデータから得られた解析データとしては、層厚分布データ(眼底の所定の層の厚さの分布を表すデータ)、乳頭形状データ(視神経乳頭の形状を表すデータ)、病変分布データ(病変の分布を表すデータ)、ドルーゼン分布データ(加齢黄斑変性の前駆病変であるドルーゼンの分布を表すデータ)、篩状板形態データ(篩状板の形態を表すデータ)などがある。前眼部のOCTデータから得られたデータ解析データとしては、角膜形状データ(角膜の形状を表すデータ)、角膜内皮細胞データ(角膜内皮細胞の数や形状を表すデータ)、隅角データ(隅角の角度等を表すデータ)、混濁分布データ(角膜や水晶体の混濁部位の分布を表すデータ)などがある。なお、ここに例示された典型的な解析データ以外の任意の解析データ(たとえば、マイボーム腺等の任意部位の形態や分布を表すデータや、硝子体等の任意部位における病変の形態や分布を表すデータ)を、記憶部52に記憶させてもよい。
撮影以外の検査により得られたデータとしては、静的視野検査により取得されたデータ、動的視野検査により取得されたデータ、フリッカー視野測定により取得されたデータ、自覚式検眼により取得されたデータ、他覚式検眼により取得されたデータなどがある。なお、ここに例示された典型的な検査以外の検査により取得された任意のデータを、記憶部52に記憶させてもよい。
(データ処理部60)
データ処理部60は、各種のデータ処理を実行する。処理されるデータとしては、視機能検査装置1により取得されたデータ、外部装置から入力されたデータ、ユーザにより入力されたデータなどがある。データ処理部60は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、データ処理をマイクロプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムが格納されている。データ処理部60は評価情報生成部61を備える。
(評価情報生成部61)
評価情報生成部61は、生体情報検出部40により検出された生体情報に基づいて、被検眼Eの視機能に関する評価情報を生成する。本実施形態では、静的視野検査を行う場合について特に詳しく説明する。静的視野検査が行われる場合、評価情報として、網膜における光感度の分布が得られる。より具体的には、静的視野検査が行われる場合における評価情報は、たとえば図3に示すように所定のパターンで網膜上に2次元的に配列された複数の刺激点pij(i=1,2,3,・・・;j=1,2,3,・・・)のそれぞれにおける光感度を表す情報が得られる。評価情報生成部61が実行する処理については後述する。
(ユーザインターフェイス70)
ユーザインターフェイス70は、視機能検査装置1とユーザとの間で情報をやりとりするためのインターフェイスである。ユーザインターフェイス70の一部または全部が視機能検査装置1の外部に設けられていてもよい。たとえば、視機能検査装置1と通信可能なコンピュータ(デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等)がユーザインターフェイス70の一部または全部の機能を有する構成を適用することが可能である。ユーザインターフェイス70には、表示部71と操作部72とが含まれる。
表示部71は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含んで構成される。表示部71は、主制御部51による制御を受けて情報を表示する。表示部71は、視機能検査装置1の一部として構成されてもよいし、視機能検査装置1の外部デバイスとして設けられてもよい。また、表示部71は、2以上の表示デバイスを含んでいてよい。
操作部72は、ユーザが操作入力や情報入力を行うために用いられる。操作部72は、視機能検査装置1の筐体や外部に設けられたボタンやキーを含んでいてよい。操作部72は、視機能検査装置1の一部として構成されてもよいし、視機能検査装置1の外部デバイスとして設けられてもよい。また、操作部72は、2以上の操作デバイスを含んでいてよい。
なお、表示部71と操作部72は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。たとえばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることが可能である。その場合、操作部72は、タッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。主制御部51は、表示部71としてのタッチパネルにグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を表示する。このGUIを用いてユーザが操作を行うと、その操作内容に応じた電気信号が制御部50に入力される。主制御部51は、この電気信号に基づいて制御を実行する。
[使用形態]
視機能検査装置1の使用形態について説明する。図4に示すフローチャートは、視機能検査装置1を用いて静的視野検査を実施する場合における使用形態の一例を示す。なお、レーザ光が網膜Erに適正に照射されるように、被検眼Eと照射光学系10との間の位置合わせ(アライメント)が既になされているとする。
(S1:生体情報の検出を開始する)
まず、主制御部51は、生体情報検出部40を制御することにより、被検者の生体情報の検出を開始する。生体情報検出部40は、生体情報の検出を反復的に行う。この反復的検出は、たとえば、所定の時間間隔で実行される。生体情報検出部40は、所定の時間間隔で取得される生体情報(サンプリング結果)をリアルタイムで主制御部51に送る。主制御部51は、生体情報検出部40から逐次に入力される生体情報を評価情報生成部61にリアルタイムで送る。なお、生体情報のサンプリング周波数(検出の反復レート)を任意に設定できるように構成することが可能である。
具体例として、生体情報検出部40は脳波計として機能し、被検者の頭部に配置された複数の電極の間の電位差を、数十ヘルツ〜数百ヘルツのサンプリング周波数で取得する。生体情報検出部40は、サンプリング結果をリアルタイムで主制御部51に送る。主制御部51は、生体情報検出部40から逐次に入力されるサンプリング結果に基づいて、被検者の脳波を表す波形を表示部71に表示させることができる。また、主制御部51は、生体情報検出部40から逐次に入力されるサンプリング結果(またはそれに基づく波形)を記憶部52に格納することができる。また、主制御部51は、生体情報検出部40から逐次に入力されるサンプリング結果を評価情報生成部61にリアルタイムで送る。
(S2:固視標の提示を開始する)
主制御部51は、被検眼Eに対する固視標の提示を開始する。この固視標は、たとえば、照射光学系10の光軸の延長上に被検眼Eの黄斑中心(中心窩)を配置させるための固視位置に相当する。
本実施形態において、固視標は、照射光学系10により網膜Erに投影される輝点や画像であってよい。照射光学系10は、所定の背景画像を被検眼Eに提示しつつ固視標を提示することができる。この処理について図5を参照しつつ説明する。
図5は、網膜Erに対するレーザ光のターゲット点qijの配列パターンを示す。本例においては、複数のターゲット点がm行×m列に配列されている。ここで、mは奇数であり、配列パターンの中心にはターゲット点qaa(a=(m+1)/2)が配置されている。照射光学系10は、ラスタスキャンを行うことにより、m×m個のターゲット点qijに順次にレーザ光を照射する。さらに、このラスタスキャンにおいて、照射光学系10は、あらかじめ設定された固視標用の照射条件でターゲット点qaaにレーザ光を照射しつつ、あらかじめ設定された背景用の照射条件で他のターゲット点qij(i,j=1〜m;i,j≠a)にレーザ光を照射する。照射光学系10は、このようなラスタスキャンを所定の反復レートで繰り返す。それにより、被検者は、複数のターゲット点qij(i,j=1〜m;i,j≠a)に基づく背景画像を認識しつつ、ターゲット点qaaに基づく固視標を認識する。
なお、固視標用のターゲット点の個数は2以上であってもよい。また、ターゲット点の配列パターンは、「奇数個×奇数個」には限定されず、「奇数個×偶数個」、「偶数個×奇数個」または「偶数個×偶数個」であってもよい。なお、配列パターンにおける行数および/または列数が偶数である場合、固視標用のターゲット点は、この配列パターンに含まれるいずれかのターゲット点でもよいし、この配列パターンとは別に設けられたターゲット点でもよい。前者の場合、この配列パターンの中心位置に隣接する1以上のターゲット点が固視標用のターゲット点として用いられる。後者の場合、この配列パターンの中心位置またはその近傍に固視標用のターゲット点が設けられる。
(S3:刺激点へのレーザ光の照射を開始する)
主制御部51は、固視標が提示されている状態の被検眼Eに対する光刺激の付与を開始する。ここで、光刺激の付与対象(つまり光感度の検査対象)である複数の刺激点の配列パターンはあらかじめ設定されている。光刺激の付与は、背景画像および固視標の提示と並行して実行される。この処理は、ステップS2のラスタスキャンを、たとえば図6に示すラスタスキャンに切り替えることにより実行される。
図6においては、図5と同様のm×m個のターゲット点qijが、背景用のターゲット点qccと、固視標用のターゲット点qaaと、光刺激用のターゲット点(刺激点)qbbとに分類されている。ここで、固視標用のターゲット点qaaは、図5におけるそれと同様である。また、光刺激用のターゲット点qbbは、図5における背景用のターゲット点qij(i,j=1〜m;i,j≠a)の一部である。また、背景用のターゲット点qccは、図5における背景用のターゲット点qij(i,j=1〜m;i,j≠a)から光刺激用のターゲット点qbbを除外して得られる複数のターゲット点である。なお、固視標に相当する位置(中心窩)に光刺激を与える場合には、固視標用のターゲット点qaaに向けて光刺激用のレーザ光が照射される。
本例のラスタスキャンにおいて、時間を固定すると、光刺激が与えられるターゲット点は1つである。つまり、光刺激用の複数のターゲット点qbbにはあらかじめ順序が付与されており、この順序に応じて一つひとつ光刺激が印加される。したがって、ステップS2からステップS3に移行した直後のタイミングにおいては、図7に示すように、照射光学系10は、あらかじめ設定された固視標用の照射条件で固視標用のターゲット点qaaにレーザ光を照射し、あらかじめ設定された光刺激用の照射条件で光刺激用の最初のターゲット点T(光刺激用のターゲット点qbbのいずれか1つ)にレーザ光を照射し、かつ、あらかじめ設定された背景用の照射条件でこれら以外のターゲット点qij(≠qaa、≠T)にレーザ光を照射するように、ラスタスキャンを実行する。照射光学系10は、このようなラスタスキャンを所定の反復レートで繰り返す。このとき、固視標用の照射条件および背景用の照射条件は、それぞれ一定であってよい。これに対し、光刺激用の照射条件は、後述のように変化される。
(S4:レーザ光の強度を単調増加する)
ステップS3において、照射光学系10は、光刺激用のターゲット点qbbに対するレーザ光の照射を、所定の初期強度から開始する。初期強度は、被検者が光刺激を認識しないような低い強度に設定される。ステップS4においては、主制御部51は、光刺激用のターゲット点qbbに照射されるレーザ光の強度を単調増加させるように照射光学系10(光源部11)を制御する。この単調増加は、連続的な増加でもよいし、段階的な増加でもよい。また、連続的な増加における増加速度や、段階的な増加における増加間隔は、任意であってよい。
なお、初期強度のレーザ光による光刺激を被検者が認識した場合(これは、後述する生体情報の変化によって検出される)、主制御部51は、被検者が光刺激を認識しなくなるまでレーザ光の強度を低減させることができる。或いは、初期強度のレーザ光による光刺激を被検者が認識した場合、主制御部51は、レーザ光の強度を単調減少させるようにステップS4を実行してもよい。この場合、光刺激が認識されなくなったことを検出するようにステップS5が実行される。
(S5:光刺激が認識された?)
生体情報検出部40は、ステップS1において生体情報の検出を開始し、現時点においても継続している。すなわち、生体情報検出部40は、生体情報の時系列変化をリアルタイムで取得する。リアルタイムで取得される生体情報は、主制御部51を介して評価情報生成部61に逐次に送られる。
ステップS4においてレーザ光の強度が増加されると、つまり、刺激点Tに対する光刺激の強度が増加されると、この光刺激を被検者が認識した段階で生体情報が変化する。この変化は、光刺激に対する非認識状態から認識状態への移行に相当する。この移行は、生体情報検出部40により取得される生体情報の時系列変化において「特定の変化」として表れる。
この特定の変化のパターンは、たとえば臨床データに基づいてあらかじめ設定されている。この臨床データは、多数の対象者の検査から得られた標準的なデータ(統計的なデータ)でもよいし、被検者ごとに得られた個別的なデータでもよい。生体情報が脳波である場合、特定の変化のパターンは、たとえば、波形の形状や、電位差の変化量や、電位差の変化速度として表現される。
評価情報生成部61は、主制御部51を介して評価情報生成部61にリアルタイムで入力される生体情報を蓄積し、生体情報の時系列変化を監視する。具体的には、評価情報生成部61は、時系列に沿って蓄積される生体情報が、上記「特定の変化」を呈しているか判定する。この判定処理は、たとえば、時系列に沿って蓄積される生体情報が特定パターンを呈しているか否か判定することにより実行される。
特定の変化が呈されていないと判定されている間は、レーザ光の強度がさらに増加される(S5:NO、およびS4)。光刺激の強度の単調増加は、ステップS5において特定の変化が呈されたと判定されるまで継続される(S5:YES)。
(S6:刺激点の光感度を求める)
被検者が光刺激を認識したと判定されると(S5:YES)、評価情報生成部61は、刺激点Tにおける感度情報を生成する。感度情報は、刺激点における光感度を表す情報であり、たとえば従来の静的視野検査と同様の形態の情報であってよい。
なお、当該刺激点における光感度が極めて低い場合などにおいて、既定の最大値までレーザ光の強度を増加させても被検者が光刺激を認識しないことがあり得る。このような場合を考慮し、レーザ光の強度が既定値まで増加されたとき、または既定値まで増加されてから所定時間が経過したときに、「光感度が無い」ことを示す感度情報または「光感度が極めて低い」ことを示す感度情報を生成するように構成することが可能である。
(S7:最後の刺激点か?)
前述したように、光刺激用の複数のターゲット点qbbにはあらかじめ順序が付与されており、この順序に応じて一つひとつ光刺激が印加される。主制御部51またはデータ処理部60は、直前のステップS6において感度情報が生成された刺激点が、当該順序における最後の刺激点であるか判断する。
(S8:次の刺激点に移行する)
直前のステップS6において感度情報が生成された刺激点(最初の刺激点T)は最後の刺激点でないと判断された場合(S7:NO)、次の刺激点に行こうするための処理を実行する(S8)。この処理には、現時点での刺激点(刺激点T)に対応する照射条件を背景用の照射条件に変更する処理と、次の刺激点に対応する照射条件を光刺激用の照射条件に変更する処理とが含まれる。
ステップS8の処理が完了したら、次の刺激点へのレーザ光の照射が開始される(S3)。そして、ステップS4〜ステップS7の処理が再び実行される。このルーチンは、ステップS7において「最後の刺激点である(S7:YES)」と判断されるまで、繰り返し実行される。それにより、図6に示す全ての刺激点qbb(固視標用のターゲット点qaaを含んでいてもよい)に対する光感度の測定結果が得られる。
(S9:光感度分布を生成する)
ステップS7において「YES」と判断されたことを受けて、評価情報生成部61は、網膜Erの複数の刺激点qbbに関する複数の感度情報に基づいて、網膜Er(これら刺激点qbb)における感度情報の分布を表す情報を生成する。この分布情報は、テキスト情報でもよいし、画像情報でもよい。テキスト情報の例として、複数の刺激点qbbに関する位置情報と光感度とが関連付けられたリスト情報や、複数の感度情報から得られる視野の範囲や光感度の程度を表す文字列情報などがある。また、画像情報の例として、複数の刺激点qbbの位置および光感度の程度を表すマップ情報がある(従来の静的視野検査と同様の形態であってよい)。ステップS9で生成される情報は、被検眼Eの視機能に関する評価情報の一例である。
主制御部51は、ステップS9において生成された評価情報を記憶部52に格納したり、表示部71に表示させたり、外部装置に送信したり、記録媒体に記録させたり、印刷媒体に印刷したりすることができる。以上で、この使用形態の説明を終わる。
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態に関するいくつかの典型的な変形例を説明する。
(変形例1)
上記の実施形態では、照射光学系10を用いて背景画像および固視標を被検眼Eに提示しているが、背景画像および/または固視標を他の手段によって提示するように構成することが可能である。本変形例は、このような構成の一例に相当する。
本変形例に係る視機能検査装置の構成例を図8に示す。視機能検査装置1Aは、図1に示す構成に加えて、画像投影部80を備える。また、視機能検査装置1Aにおいては、反射ミラー18の代わりに、ビームスプリッタ18Aが設けられる。ビームスプリッタ18Aは、照射光学系10が形成する光路と、画像投影部80から延びる光路とを合成する。ビームスプリッタ18Aは、たとえばハーフミラーである。
画像投影部80は、たとえば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを含む。さらに、画像投影部80は、この表示デバイスから出射した光を、ビームスプリッタ18Aを介して網膜Erに投影するための光学系を含む。この光学系は、たとえば、コリメート光学系、リレー光学系、変倍光学系、フォーカス光学系、および結像光学系のうちの1つ以上を含んでいてよい。また、これら光学系のうちのいずれかが、ビームスプリッタ18Aと被検眼Eとの間に配置されてもよい。なお、画像投影部80は、照射光学系10と同様の網膜走査ディスプレイを含んだ構成であってもよい。
画像投影部80は、制御部50(図2に示す主制御部51)によって制御される。制御部50は、既定の背景画像を表示デバイスに表示させることにより、網膜Erに背景画像を投影する。また、制御部50は、表示デバイスの既定位置(中心位置、光軸上の位置など)に固視標に相当する輝点または画像を表示させることにより、網膜Erに固視標を投影する。
本変形例において、照射光学系10は、網膜Erに光刺激を付与するとともに、画像投影部80により提示されない情報を網膜Erに投影する。たとえば、画像投影部80が背景画像および固視標を投影する場合、照射光学系10は光刺激の付与のみを行うように構成されていてよい。また、画像投影部80が背景画像のみ投影する場合、照射光学系10は光刺激の付与と固視標の提示とを行うように構成されていてよい。また、画像投影部80が固視標のみ投影する場合、照射光学系10は光刺激の付与と背景画像の提示とを行うように構成されていてよい。
また、照射光学系10により提示可能な情報の種別の少なくとも一部と、画像投影部80により提示可能な情報の種別の少なくとも一部とが重複していてもよい。その場合、照射光学系10により提示させる情報と、画像投影部80により提示させる情報とを任意に選択できるように構成されていてよい。この選択は、たとえば、ユーザまたは制御部50によって実行される。
本変形例において、制御部50(主制御部51)は、背景画像の投影と光刺激の付与とを並行して行うように、画像投影部80および照射光学系10を制御することができる。さらに、制御部50(主制御部51)は、背景画像の投影と光刺激の付与と固視標の提示を並行して行うように、画像投影部80および照射光学系10を制御することができる。
(変形例2)
上記実施形態の使用形態(図4)では、光刺激用のレーザ光の強度が、所定の初期強度から単調増加される。本変形例では、初期強度を設定する処理について説明する。
本変形例に係る構成の一例を図9に示す。図9に示す構成においては、図2に示す構成に加えて、初期強度設定部53が設けられている。初期強度設定部53は、制御部50に含まれる。また、記憶部52には被検眼情報52aが記憶されている。
被検眼情報52aは、被検眼Eの形態および/または機能を表す情報を含む。被検眼Eの形態を表す情報としては、被検眼EのOCTにより取得されたデータ(OCTデータ)や、被検眼Eの眼底撮影により取得されたデータ(眼底像データ)や、眼底の所定の層の厚さの分布を表すデータ(層厚分布データ)や、眼底における病変の分布を表す病変分布データなどがある。被検眼Eの機能を表す情報としては、静的視野検査により取得されたデータや、動的視野検査により取得されたデータや、フリッカー視野測定により取得されたデータなどがある。
初期強度設定部53は、被検眼情報52aに基づいて、光刺激用のレーザ光の照射強度の初期値を設定する。この初期値は、図4のステップS3において適用されるレーザ光の初期強度に相当する。以下、初期強度設定部53が実行する処理の例を説明する。
初期強度設定部53は、あらかじめ作成された情報を参照する。この参照情報においては、被検眼情報52aに含まれるパラメータまたはこれに基づき取得されるパラメータと、初期強度とが関連付けられている。たとえば、参照情報は、上記パラメータと初期強度とが関連付けられたテーブル情報、または上記パラメータと初期強度とが関連付けられたグラフ情報を含む。参照情報は、記憶部52または初期強度設定部53にあらかじめ記憶されている。
参照情報の具体例として、被検眼情報52aに含まれるパラメータまたはこれに基づき取得されるパラメータが層厚分布データである場合について説明する。網膜の所定層の厚さと光感度との間の関係についての研究やデータの蓄積が進められている。一般に、所定層の菲薄化とともに光感度が低下することが知られている。参照情報は、研究等によって取得された標準的なデータ(平均値、中央値、最頻値等の統計データ)に基づいて作成される。初期強度の値は、たとえば、この初期強度の値に対応する光感度の値よりも低い値に設定される。光感度の値と初期強度の値との差は、たとえば、ばらつきを表す統計データ(標準偏差、分散等)に基づいて設定される。
参照情報の具体例を図10Aおよび図10Bに示す。図10Aに示す参照情報は、網膜の所定層の厚さを示すパラメータと、初期強度の値とを対応付けるテーブル情報である。このテーブル情報には「層厚d」パラメータの欄と「初期強度」パラメータの欄とが設けられている。層厚パラメータdの値(d≧0)は、n個の区間に分けられている。層厚パラメータdのn個の区間には、互いに異なる初期強度の値B、B、・・・、Bがそれぞれ対応付けられている。
初期強度設定部53は、網膜Erの層厚分布データを受ける。層厚分布データには、中心窩における層厚値が含まれている。初期強度設定部53は、層厚分布データにおける中心窩位置と、複数の刺激点の配列パターン(図3、図6を参照)における中心窩位置とを対応付ける。また、初期強度設定部53は、必要に応じ、層厚分布データと刺激点配列パターンとの間のスケール合わせを行う。このスケール合わせは、たとえば、網膜Erの2以上の特徴点に相当する位置を互いに一致させるようにして実行される。或いは、スケール合わせは、層厚分布データのスケール(OCTの計測倍率)に基づいて実行される。以上により、層厚分布データと刺激点配列パターンとの間の位置合わせが完了する。次に、初期強度設定部53は、刺激点配列パターンにおける各刺激点に対応する層厚値を層厚分布データから取得する。続いて、初期強度設定部53は、各刺激点について、取得された層厚値が含まれる層厚パラメータdの区間を特定し、特定された区間に対応する初期強度を求める。取得された初期強度の値は、たとえば刺激点配列パターンと関連付けられて記憶部52に格納される。ステップS3において一の刺激点に対して光刺激用のレーザ光を照射させるときに、主制御部51は、当該刺激点について求められた初期強度のレーザ光を出力させるように光源部11を制御する。それにより、刺激点ごとに求められた初期強度を適用することができる。
図10Bに示す参照情報は、網膜の所定層の厚さを示すパラメータ(層厚を示す横軸)と、初期強度の値(縦軸)とを対応付けるグラフ情報である。初期強度設定部53は、網膜Erの層厚分布データを受け、この層厚分布データと刺激点配列パターンとの間の位置合わせを実行し、刺激点配列パターンにおける各刺激点に対応する層厚値を層厚分布データから取得する。ここまでは上記と同様に実行される。続いて、初期強度設定部53は、各刺激点について、取得された層厚値に対応する初期強度をグラフ情報から求める。取得された初期強度の値は、たとえば刺激点配列パターンと関連付けられて記憶部52に格納される。光刺激用のレーザ光の照射に関する制御は、上記と同様である。
初期強度を設定する処理の他の例を説明する。本例では、網膜Erの層厚の時系列変化を参照する。記憶部52には、過去の層厚分布データと、これと実質的に同時期に取得された光感度分布とが記憶されているとする。さらに、記憶部52には、最新の層厚分布データが記憶されているとする。この場合、初期強度設定部53は、過去の層厚分布データと最新の層厚分布データとの差分を求め、この差分に基づいて光感度分布を補正し、補正された光感度分布に基づいて各刺激点の初期強度を設定することができる。
(変形例3)
上記の実施形態では、あらかじめ設定された複数の刺激点(図3、図6を参照)の全てについて光感度を検査しているが、被検眼の状態に応じて光感度を検査すべき部位は変わる。本変形例では、被検眼の状態に応じて刺激点を任意に設定することを可能とする構成について説明する。なお、本変形例においては、被検眼の状態に応じて設定された刺激点にのみ光刺激が付与される。
本変形例に係る構成の一例を図11に示す。図11に示す構成においては、図2に示す構成に加えて、刺激点設定部54が設けられている。刺激点設定部54は、制御部50に含まれる。記憶部52には、変形例2と同様の被検眼情報52aが記憶されている。
刺激点設定部54は、被検眼情報52aに基づいて、レーザ光の照射対象となる1以上の刺激点を設定する。刺激点の設定は、たとえば、あらかじめ設定されたテンプレート(図3、図6を参照)に含まれる複数の刺激点のうちから1以上の刺激点を選択することにより実行される。或いは、刺激点の設定は、このようなテンプレートを用いずに行うことも可能である。また、刺激点の設定には、刺激点の位置を設定することには限定されない。たとえば、刺激点の配列密度を部位に応じて設定することが可能である。
刺激点設定部54は、たとえば網膜Erの層厚分布データを受け、この層厚分布データと刺激点配列パターン(テンプレート)との間の位置合わせを実行し、刺激点配列パターンにおける各刺激点に対応する層厚値を層厚分布データから取得する。ここまでは変形例2と同様に実行される。
続いて、刺激点設定部54は、各刺激点について、対応する層厚値と、既定の閾値とを比較する。刺激点設定部54は、層厚が閾値以下である場合に、当該刺激点を検査対象として設定する。この処理により、層が薄い部分を検査対象として設定することができる。
他の処理例として、刺激点設定部54は、各刺激点について、過去の層厚値と新たな層厚値とを比較する。これらの差が閾値を超える場合に、当該刺激点を検査対象として設定する。この処理により、層厚が変化した部分を検査対象として設定することができる。なお、層厚が減少した場合のみ、当該刺激点を検査対象として設定するようにしてもよい。
また、テンプレートを用いることなく、層厚値が閾値以下である部分や、層厚値が変化した部分に刺激点を設定するように構成することが可能である。また、層厚値に関する2以上の区間を設定し、層厚値がより大きい区間にはより低い密度で刺激点を設定し、層厚値がより小さい区間にはより高い密度で刺激点を設定するように構成することが可能である。
[効果]
本実施形態(およびその変形例)の効果について説明する。
実施形態に係る視機能検査装置1は、照射光学系10と、生体情報検出部40と、評価情報生成部61とを備える。照射光学系10は、光源部11(レーザ光源)から出力されたレーザ光の光路に配置された光スキャナ(水平走査部14および垂直走査部16)を含み、光スキャナを経由したレーザ光を被検眼Eの網膜Erに照射する。生体情報検出部40は、レーザ光の照射に対する被検者の反応を表す生体情報を検出する。評価情報生成部61は、検出された生体情報に基づいて、被検眼Eの視機能に関する評価情報を生成する。
このような視機能検査装置によれば、網膜走査ディスプレイの技術を用いて網膜Erに光刺激を付与し、この光刺激への反応を自動で検出し、この検出結果に基づいて視機能の評価を行うことが可能である。
網膜走査ディスプレイの技術を適用して光刺激を付与するよう構成されているので、眼球光学系の状態(たとえば、近視、遠視、乱視等の屈折異常)の影響を受けることなく、適正な光刺激を与えることが可能である。それにより、検査の信頼性向上を図ることができる。また、屈折異常を矯正するための屈折光学系を設ける必要がないので、矯正値の誤差に起因する評価結果の誤差の低減を図ることが可能である。さらに、構成の簡易化を図ることもできる。また、屈折矯正の時間を要さないので、検査の短時間化(検査効率の向上)を図ることが可能である。
また、生体情報を自動検出することにより光刺激への反応を取得するよう構成されているので、被検者は応答ボタンを押す必要がない。したがって、被検者が検査に不慣れであったり高齢者であったり疲労していたりする場合であっても、光刺激への反応を的確に取得することができる。それにより、検査の信頼性向上を図ることが可能である。
実施形態において、生体情報検出部40は、生体情報を反復的に検出するよう構成されていてよい。この場合、評価情報生成部61は、このような反復的な検出により得られる生体情報の時系列変化に基づいて評価情報を生成することができる。
このような構成によれば、光刺激への反応が生じたタイミングでそれを検出することができる。それにより、反応誤差を低減させることができ、検査の信頼性の向上や検査効率の向上を図ることが可能となる。
実施形態において、照射光学系10を制御するための制御部50が設けられていてよい。制御部50は、生体情報の反復的な検出が行われているときに、網膜Erの一の刺激点へのレーザ光の照射強度を単調的に変化させるように照射光学系10を制御するよう構成される。さらに、評価情報生成部61は、レーザ光の照射強度の単調的な変化に応じた生体情報の時系列変化に基づいて、当該一の刺激点における感度情報を生成し、かつ、網膜Erの複数の刺激点のそれぞれについて生成された感度情報に基づいて、これら刺激点における感度情報の分布を生成するよう構成される。この感度情報の分布が評価情報として利用される。
このような構成によれば、検査の効率化を図ることができるとともに、検査の信頼性向上を図ることができる。すなわち、従来の装置では、光刺激の強度を任意に上げ下げして値を追い込むことによって、被検者が視認可能な光強度の閾値を求めている。それに対し、本構成では、光刺激の強度を単調増加または単調減少させて閾値を特定するので、追い込み処理を行う必要がないので、検査時間の短縮を図ることができ、追い込み処理における誤差も介在しない。
実施形態において、制御部50は、第1の照射条件(光刺激用の照射条件)で一の刺激点にレーザ光を照射しつつ、第1の照射条件と異なる第2の照射条件(背景用の照射条件)で網膜Erの他の部位にレーザ光を照射するように照射光学系10を制御することができる。さらに、制御部50は、このような照射態様を反復的に実行するように照射光学系10を制御することが可能である。
このような構成によれば、光刺激の付与と背景画像の提示とを照射光学系10によって行うことが可能である。なお、背景画像は、たとえば、白色の背景、黒色の背景、灰色の背景、カラーの背景、静止画像を含む背景、動画像を含む背景などがある。提示される背景画像は、たとえば検査種別に応じて選択される。また、ユーザが任意に背景画像を選択できるように構成してもよい。一例として、日常的な環境を模した動画像(たとえば自動車を運転している状況を模した動画像)を背景画像として提示しつつ光刺激を与えることで、環境に応じた視機能の状態を評価することが可能である。
実施形態において、制御部50は、上記一の刺激点における感度情報の生成に対応して次の刺激点の検査に移行するように照射光学系10を制御することが可能である。より具体的には、制御部50は、一の刺激点における感度情報の生成に対応し、新たな刺激点に光刺激を付与し、この新たな刺激点と異なる部位にレーザ光を照射して背景画像を提示し、さらに、このような照射態様を反復的に実行するように照射光学系10を制御することが可能である。
ここで、「感度情報の生成に対応し」が示すタイミングは、感度情報が生成されたタイミング(生成タイミング)だけでなく、たとえば次のいずれかであってよい:感度情報を生成するためのデータ(生体情報)が取得されたタイミング(取得タイミング);取得タイミングと生成タイミングとの間の任意のタイミング;生成タイミングより後の任意のタイミング。
実施形態において、網膜Erに背景画像を投影する画像投影部80(背景画像投影部)が設けられていてよい。この場合、制御部50は、背景画像の投影とレーザ光の照射とを並行して行うように画像投影部80および照射光学系10を制御することができる。
このような構成によれば、照射光学系10とは別に画像投影部80を設ける必要はあるが、照射光学系10の構成や制御の簡素化を図ることができ、また、照射光学系10と画像投影部80による複合的な情報提示を行うことができるというメリットがある。
実施形態において、被検眼Eの形態または機能を表す情報(被検眼情報52a)をあらかじめ記憶する記憶部52(被検眼情報記憶部)が設けられていてよい。この場合、制御部50は、記憶部52に記憶された情報に基づいて、レーザ光の照射強度の初期値を設定する初期強度設定部53を含んでいてよい。さらに、制御部50は、一の刺激点へのレーザ光の照射を初期値から開始して単調増加または単調減少するように照射光学系10を制御することが可能である。
このような構成によれば、被検眼Eの形態や機能に応じて光刺激の強度の初期値を設定することができるので、検査の効率化を図ることが可能である。
実施形態において、記憶部52に被検眼情報52aが記憶されている場合、制御部50は、被検眼情報52aに基づいて、レーザ光の照射対象となる1以上の刺激点を設定する刺激点設定部54を含んでいてよい。さらに、制御部50は、設定された1以上の刺激点のそれぞれにレーザ光の照射を行うように照射光学系10を制御する。
このような構成によれば、被検眼Eの状態に応じて必要と考えられる刺激点のみを対象として検査を行うことができる。なお、自動で設定された1以上の刺激点をユーザが任意に変更(追加、削除等)できるように構成することが可能である。その場合、たとえば、制御部50は、OCT画像、眼底像、層厚分布などの参照画像を表示部71に表示させ、さらに、自動設定された1以上の刺激点の位置を示す刺激点画像を参照画像上に表示させる。ユーザは、操作部72を用いて刺激点の追加や削除を行うことができる。
本実施形態の特徴や効果は上記したものには限定されない。たとえば、本実施形態およびその変形例として説明された構成や効果のいずれか、さらにはそれらに基づいて直接的または間接的に当業者が想到可能な事項も、本実施形態の構成や効果に含まれる。
〈第2の実施形態〉
本実施形態では、動的視野検査を実行可能な視機能検査装置について説明する。本実施形態に係る視機能検査装置は、第1の実施形態と同様の光学系を有していてよい(たとえば図1、図8を参照)。
本実施形態に係る制御系の構成の例を図12に示す。図12に示す構成においては、図2に示す構成に加えて、初期位置設定部55が設けられている。初期位置設定部55は、制御部50に含まれる。記憶部52には、第1の実施形態と同様の被検眼情報52aが記憶されている。
生体情報検出部40は、生体情報の検出を反復的に実行する。生体情報の反復的な実行が行われているときに、制御部50(主制御部51)は、網膜Erに対するレーザ光の照射位置を連続的に変化させるように照射光学系10を制御する。制御部50は、たとえば、従来の動的視野検査と同様に、被検眼Eの視野から外れた位置からレーザ光の照射を開始し、視野の中心またはその近傍に向かって照射位置を移動させるように照射光学系10を制御する。具体例として、走査可能な範囲の最も外側(縁部)の位置がレーザ光の初期位置として設定され、視野の中心位置に向かって照射位置が移動される。
評価情報生成部61は、レーザ光の照射位置の連続的な変化に応じた生体情報の時系列変化に基づいて、被検眼Eの視野の範囲を表す情報を求める。この処理に用いられる情報の種別は、従来の動的視野検査と異なる。すなわち、従来の動的視野検査では、被検者がボタンを押下したことにより入力される操作信号が処理に供されるが、本実施形態では、自動で検出される生体情報が処理に供される。評価情報生成部61は、従来の動的視野検査と同様に、視野の外縁を表す情報(画像)を評価情報として生成する。
初期位置設定部55は、被検眼情報52aに基づいて、レーザ光の照射の初期位置を設定する。具体例として、初期位置設定部55は、たとえば、網膜Erの層厚分布データを受け、この層厚分布データにおいて視野中心(中心窩)から所定距離以上離れた位置であって、層厚値が閾値以下である位置を特定する。さらに、初期位置設定部55は、特定された位置のうち、光刺激の所定の移動経路上の1つの位置を特定する。この特定位置が、当該移動経路における初期位置として設定される。初期位置設定部55は、複数の移動経路のそれぞれについて、このような処理を実行する。
制御部50は、各移動経路について、網膜Erへのレーザ光の照射を当該初期位置から開始するように照射光学系10を制御する。
本実施形態に係る視機能検査装置によれば、動的視野検査において、被検眼Eの形態や機能に応じて、レーザ光を移動させるための初期位置を設定することができる。したがって、動的視野検査の効率化を図ることが可能である。
〈第3の実施形態〉
第1および第2の実施形態では、左眼または右眼に光刺激を与えるよう構成された視機能検査装置について説明した。一方、本実施形態では、被検者の両眼に並行して光刺激を付与することが可能な構成について説明する。なお、「両眼に並行して光刺激を付与する」は、両眼に同時に光刺激を付与することと、左眼への光刺激の不要と右眼への光刺激の付与とを任意に切り替えて行うことの双方を含む概念である。
本実施形態に係る構成の一例を図13に示す。図13に示す視機能検査装置1000は、左右一対の照射光学系(左照射光学系10Lおよび右照射光学系10R)を備える。左照射光学系10Lは、被検者の左眼(左被検眼EL)の網膜にレーザ光を照射するために用いられ、右照射光学系10Rは、被検者の右眼(右被検眼ER)の網膜にレーザ光を照射するために用いられる。左照射光学系10Lおよび右照射光学系10Rは、それぞれ、第1の実施形態の照射光学系10と同様の構成を有していてよい(図1を参照)。制御部50は、照射光学系10Lおよび右照射光学系10Rをそれぞれ独立に制御可能であり、また、これらを連動させることも可能である。生体情報検出部40、制御部50、データ処理部60およびユーザインターフェイス70についても、第1の実施形態と同様に構成されていてよい。
図13に示す構成においては、左右個別に照射光学系が設けられているが、本実施形態に係る構成はこれに限定されるものではない。すなわち、左被検眼Eにレーザ光を照射するための光学系の少なくとも一部と、右被検眼ERにレーザ光を照射するための光学系の少なくとも一部とが共通である構成を採用することが可能である。このような構成の一例を図14に示す。
図14に示す視機能検査装置2000の照射光学系10Aは、たとえば、第1の実施形態の照射光学系10に含まれる構成要素のうち、反射ミラー18以外の構成要素を備える。すなわち、照射光学系10Aは、光源部11と、光ファイバ12と、コリメート光学系13と、水平走査部14と、リレー光学系15と、垂直走査部16と、リレー光学系17とを含む。
さらに、視機能検査装置2000においては、ビームスプリッタ18Bと、反射ミラー18Cとが設けられている。ビームスプリッタ18Bは左被検眼ELの前方に配置され、反射ミラー18Cは右被検眼ERの前方に配置される。ビームスプリッタ18Bは、たとえばハーフミラーである。なお、ビームスプリッタ18Bとしてダイクロイックミラーを用いることで、左被検眼ELと右被検眼ERとに異なる波長のレーザ光を適用することが可能である。また、ビームスプリッタ18Bとして偏光ビームスプリッタを用いることで、左被検眼ELと右被検眼ERとに異なる偏光状態のレーザ光を適用することが可能である。また、ビームスプリッタ18Bおよび/または反射ミラー18Cとして偏向ミラーを用いることが可能である。それにより、左被検眼ELと右被検眼ERとに異なるスキャン態様を適用することが可能である。なお、偏向ミラーが適用される場合、照射光学系10A内の光スキャナの機能の一部または全部を除いた構成を採用することが可能である。
ビームスプリッタ18Bと反射ミラー18Cとの間隔を変更可能に構成することが可能である。この間隔は、被検者の瞳孔間距離に応じて任意に変更される。この間隔の変更は、検者または被検者が手動で行う。或いは、この間隔の変更を電動で行うことも可能である。この場合、パルスモータ等のアクチュエータが設けられ、制御部50がこのアクチュエータの動作制御を行う。間隔の変更を電動で行う構成が適用されている場合において、間隔の調整を自動化することが可能である。この自動間隔調整は、たとえば、事前に測定された瞳孔間距離の値に基づいて実行される。或いは、左被検眼Eおよび右被検眼ERをモニタして自動間隔調整を行うことも可能である。その具体例として、左被検眼ELおよび右被検眼ERのそれぞれの前眼部を撮影する手段(カメラ)を設け、このカメラにより取得される左右の前眼部像に基づいてビームスプリッタ18Bと反射ミラー18Cとの間隔を変更するように構成することが可能である。
照射光学系10Aとビームスプリッタ18Bとの間、および/または、ビームスプリッタ18Bと反射ミラー18Cとの間に、たとえばリレー光学系や結像光学系や走査光学系等の任意の光学素子を配置することが可能である。
照射光学系10Aから出力されたレーザ光は、ビームスプリッタ18Bに案内される。このレーザ光の一部は、ビームスプリッタ18Bにより反射されて左被検眼ELに導かれ、その網膜に照射される。また、このレーザ光の他の一部は、ビームスプリッタ18Bを透過して反射ミラー18Cに導かれ、反射ミラー18Cにより反射されて右被検眼ERに導かれ、その網膜に照射される。
本実施形態に係る制御系の構成の一例を図15に示す。図15に示す構成においては、図2に示す構成に加えて、成分抽出部62が設けられている。成分抽出部62は、データ処理部60に含まれる。
本実施形態では、左右被検眼ELおよびERに並行して光刺激を付与することが可能である。左右被検眼ELおよびERに同時に光刺激が付与されているときに検出される生体情報には、左被検眼ELに対する光刺激への反応に相当する成分(左眼成分)と、右被検眼ERに対する光刺激への反応に相当する成分(右眼成分)とが含まれる。成分抽出部62は、生体情報を解析することにより、この生体情報から左眼成分と右眼成分とを抽出する。左眼成分の抽出は、たとえば、被検者の頭部に配置された複数の電極のうち、左眼による視覚に対応する2以上の電極により取得される脳波成分に基づいて実行される。同様に、右眼成分の抽出は、たとえば、右眼による視覚に対応する2以上の電極により取得される脳波成分に基づいて実行される。
また、左右被検眼ELおよびERに対して光刺激を切り替えて付与しているときに検出される生体情報には、左眼成分と右眼成分とが時分割で含まれる。光刺激が付与される被検眼の切り替えは制御部50によって実行される。制御部50は、この切り替え信号を成分抽出部62にリアルタイムで送る。また、成分抽出部62には、反復的に検出される生体情報がリアルタイムで入力される。成分抽出部62は、切り替え信号の入力タイミングと生体情報の入力タイミングとに基づいて、この生体情報が左眼成分であるか右眼成分であるか判別する。或いは、成分抽出部62は、左右被検眼ELおよびERに同時に光刺激が付与されている場合と同様に、脳波計における電極の組み合わせに基づいて左眼成分と右眼成分とを抽出するようにしてもよい。
評価情報生成部61は、成分抽出部62により抽出された左眼成分に基づいて左被検眼ELに関する評価情報(左眼評価情報)を生成する。さらに、評価情報生成部61は、成分抽出部62により抽出された右眼成分に基づいて右被検眼ERに関する評価情報(右眼評価情報)を生成する。各成分から評価情報を生成する処理は、たとえば、第1の実施形態と同様にして実行される。
このような構成により、左被検眼ELの検査と右被検眼ERの検査とを個別にかつ並行して行うことが可能である。これら検査は、同種の検査でもよいし、異種の検査でもよい。各検査に関する制御は制御部50により実行される。左被検眼ELの検査と右被検眼ERの検査とを並行して実行することにより、検査効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、左右被検眼ELおよびERの連係に関する検査(両眼視機能検査)を行うこともできる。この両眼視機能検査には、両眼視野の評価が含まれる。従来の視野検査においては左眼と右眼とを個別に評価していたが、両眼視が日常であることを考慮すると、両眼を同時に使用している状態で評価を行うことが望ましいと考えられる。本実施形態では、このような両眼視機能検査(両眼視野検査)が可能である。
両眼視機能検査を行う場合、左右のレーザ光の間隔の調整に加え、レーザ光の入射方向を変更可能に構成することができる。たとえば、図13に示す構成において、左照射光学系10Lから出力されるレーザ光の向きを変更可能に、かつ、右照射光学系10Rから出力されるレーザ光の向きを変更可能に構成し、左右被検眼ELおよびERにそれぞれ固視標を提示することにより、左右被検眼ELおよびERを輻輳させることができる。そして、このような自然な両眼視状態で、両眼視機能検査を実行することが可能である。図14に示す構成においては、ビームスプリッタ18Bおよび反射ミラー18Cとして偏向ミラーを採用することで、同様の両眼視機能検査を実現することが可能である。
〈変形例〉
第1〜第3の実施形態に対して任意的に適用することが可能ないくつかの構成を以下に説明する。なお、上記のいずれかの実施形態に基づいて変形例の説明を行うが、他の実施形態に同様の変形を施すことが可能であることは言うまでもない。
(変形例1)
視野等の視機能が被検者の姿勢に影響を受けることがある。本変形例では、姿勢の影響を視機能の評価に反映させるための構成を説明する。
本変形例に係る制御系の構成の一例を図16に示す。図16に示す構成においては、図2に示す構成に加えて、姿勢検知部90が設けられている。姿勢検知部90は、被検者の姿勢を検知する機能を有する。一例として、姿勢検知部90は、加速度センサやジャイロセンサを含み、被検者に装着される。或いは、姿勢検知部90は、被検者を撮影するカメラと、このカメラによる撮影画像を解析して被検者の姿勢を求めるプロセッサとを含む。他の例として、姿勢検知部90は、被検者に装着されたカメラと、このカメラによる撮影画像を解析して被検者の姿勢を求めるプロセッサとを含む。
姿勢検知部90は、被検者の姿勢を継続的にモニタするか、或いは、主制御部51による指令を受けて被検者の姿勢を検知する。姿勢検知部90による被検者の姿勢の検知結果(姿勢情報)は、主制御部51に入力される。主制御部51は、評価情報生成部61により生成された評価情報に対し、この評価情報の生成に用いられた生体情報が取得されたときに取得された姿勢情報を関連付ける。主制御部51は、評価情報およびこれに関連付けられた姿勢情報を記憶部52に記憶させる。
これにより、どのような姿勢で視機能検査が実施されたか把握することが可能となる。また、姿勢を変更しつつ複数回の視機能検査を実施することにより、姿勢の違いに応じた評価の変化を検討することが可能となる。また、過去に取得された評価情報および姿勢情報を参照することにより、これと同じ姿勢で視機能検査を実施することが可能となる。特に、経過観察や術前術後観察などにおいて、特定の姿勢における評価結果の時系列変化を把握することができる。
(変形例2)
視機能は、光学系と神経系と脳による複合的な感覚機能である。従来の技術においては、視機能に異常が発見された場合であっても、それが視覚系のどの部位の異常に起因するか特定することは困難であった。本変形例では、視覚系の異常部位を特定するために適用可能な構成について説明する。
本変形例に係る制御系の構成の一例を図17に示す。図17に示す構成においては、図2の生体情報検出部40として、脳波計40Aと、網膜電位計40Bとが設けられている。脳波計40Aは、被検者の脳の電気的活動を表す脳波を取得する。網膜電位計40Bは、網膜の電気的活動を表す網膜電図を取得する。なお、生体情報検出部40の構成はこれには限定されず、生体情報検出部40は、2以上の生体情報検出手段の任意の組み合わせであってよい。
本変形例に係る使用形態では、視機能検査を行いつつ、脳波計40Aによる測定と網膜電位計40Bによる測定とが並行して行われる。すなわち、被検眼に適用された光刺激に対する脳波の変動および網膜電図の変動がモニタされる。視覚系の異常部位を特定するための以下の処理は、たとえば、制御部50および/またはデータ処理部60によって実行される。
視機能に異常が存在する場合であって、光刺激に対する特定の変化が網膜電図および脳波の双方に発生した場合には、網膜および脳には特段の異常は生じておらず、網膜と脳との間の神経系および/または眼球光学系に異常が存在することが疑われる。眼球光学系の異常については、他の検査(たとえば、スリットランプや眼底カメラやOCTを用いた検査)によって取得可能である。眼球光学系に異常が存在しない場合には、視機能の異常は神経系に起因すると考えることが可能である。また、神経系の異常を検出するための手段が視機能検査装置に搭載されている場合、または、神経系の異常の有無を外部から取得可能である場合、神経系の異常の有無を考慮して処理を行うことが可能である。また、全ての部位に異常が存在しないと考えられる場合には、視機能異常は心因性であることが疑われる。なお、本変形例における視機能の異常の有無は、他の検査(たとえば視野計による視野検査)により取得されてもよい。
視機能に異常が存在する場合であって、光刺激に対する特定の変化が網膜電図のみに発生した場合、網膜には特段の異常は生じておらず、脳、神経系および/または眼球光学系に異常が存在することが疑われる。これら部位に関するスクリーニングは、上記と同様にして実行される。なお、光刺激に対する特定の変化が脳波のみに発生した場合についても同様である。
視機能に異常が存在する場合であって、光刺激に対する特定の変化が網膜電図および脳波の双方に発生しなかった場合、少なくとも網膜と脳の双方に異常が発生していることが疑われる。スクリーニングは、たとえば上記と同様にして実行される。
このように、本変形例によれば、種別が異なる2以上の生体情報を検出し、これら生体情報の検出結果に基づいて視覚系の2以上の部位のそれぞれに関する評価情報を生成することができる。ここで、視覚系の2以上の部位は、たとえば、眼球光学系、網膜、神経系および脳のうちの少なくとも2つであってよい。或いは、いずれかの部位を2以上の部分に分けて評価を行うことも可能である。
(変形例3)
視機能検査においては、被検眼が適正に固視されていることが重要である。また、視野検査のように検査に要する時間が比較的長い場合、固視状態が安定しているかモニタできることが望ましい。本変形例では、このような要望を満足するための構成を説明する。
網膜に固視標を投影する手段(固視標投影部)としては、第1の実施形態で説明したように、照射光学系10や画像投影部80がある。
本変形例に係る制御系の構成の一例を図18に示す。図18に示す構成においては、図2に示す構成に加え、固視判定部100が設けられている。固視判定部100は、固視標が投影されている状態の被検眼Eの固視状態を判定する。すなわち、固視判定部100は、被検眼Eの眼球運動の状態をモニタする。なお、固視判定部100は、瞼の状態(瞬きの発生、閉瞼状態であること等)を検知する機能をさらに備えていてもよい。
固視判定部100は、たとえば、被検眼Eの前眼部を動画撮影するカメラと、このカメラにより取得される前眼部の観察像をリアルタイムで解析するプロセッサとを含む。プロセッサは、観察像のフレームを解析することにより、このフレーム中における瞳孔領域(または瞳孔中心位置)を検出する。プロセッサは、逐次に取得されるフレームに対して当該処理を順次に実行することにより、瞳孔領域の位置の時系列変化を取得する。この変位が既定の許容範囲に含まれる場合、プロセッサは、被検眼Eの固視は安定していると判断する。一方、この変位が既定の許容範囲に含まれない場合、プロセッサは、固視ズレが発生したと判断する。プロセッサは、たとえば、固視ズレが発生したと判断されたことに対応して制御部50に信号(固視ズレ発生信号)を入力する。或いは、プロセッサは、現在の固視状態を表す信号を継続的に主制御部51に入力する。
固視判定部100の他の例として、眼電図(眼球電位図)を適用することができる。眼電図は、眼球の変位に応じた電位の変化を時系列的に記録したデータであり、眼の周囲に配置された複数の電極を利用して取得される。本構成の固視判定部100は、眼電図を取得するための眼電位計と、取得された眼電図をリアルタイムで解析するプロセッサとを含む。プロセッサは、リアルタイムで取得される眼電図の時系列変化に基づいて被検眼Eの変位を取得し、この変位が既定の許容範囲に含まれるか否か判定することにより固視ズレを検知する。プロセッサは、たとえば、固視ズレが発生したと判断されたことに対応して制御部50に信号を入力する。或いは、プロセッサは、現在の固視状態を表す信号を継続的に主制御部51に入力する。
主制御部51は、現在の固視状態を表す信号、または固視ズレが発生したことを表す信号を評価情報生成部61に入力する。また、評価情報生成部61には、生体情報がリアルタイムで入力される。評価情報生成部61は、たとえば、固視ズレが発生しているときに入力された生体情報を破棄する。すなわち、評価情報生成部61は、被検眼Eの固視状態が適正であると判定されているときに取得された生体情報に基づいて評価情報の生成を実行する。
本変形例によれば、固視状態が適正であるときに取得された生体情報に基づいて視機能の評価を行うことができるので、検査の信頼性向上を図ることが可能である。
(変形例4)
前述したように、被検眼が適正に固視された状態で視機能検査を行うことが重要である。しかし、固視ズレが発生する度に検査を中断したり生体情報を破棄したりすることは、検査の長時間化を引き起こすおそれがある。本変形例では、被検眼の動きにレーザ光の照射ターゲット位置を追従させる構成について説明する。それにより、眼球運動が発生しているときでも検査を継続することを可能となる。
本変形例に係る制御系の構成の一例を図19に示す。図19に示す構成においては、図2に示す構成に加え、眼球運動監視部110が設けられている。眼球運動監視部110は、被検眼Eの眼球運動を監視する。眼球運動監視部110は、たとえば、被検眼Eの前眼部を動画撮影するカメラと、このカメラにより取得される前眼部の観察像をリアルタイムで解析するプロセッサとを含む。プロセッサは、観察像のフレームを解析することにより、このフレーム中における瞳孔領域(または瞳孔中心位置)を検出する。プロセッサは、逐次に取得されるフレームに対して当該処理を順次に実行することにより、瞳孔領域の位置の時系列変化を取得する。プロセッサは、このようにして取得される被検眼Eの動きを表す情報(眼球運動情報)を、リアルタイムで制御部50に入力する。眼球運動情報の取得方法はこれには限定されず、たとえば眼電位計を適用することが可能である。
主制御部51は、眼球運動監視部110からの出力(眼球運動情報)に基づいて、水平走査部14および垂直制御部16を制御する。主制御部51は、スキャン制御部として機能する。主制御部51が実行する処理の具体例を説明する。眼球運動監視部110は、被検眼Eの現在の位置(向き)を表す眼球運動情報を所定の時間間隔でかつリアルタイムで制御部50に入力する。新たな眼球運動情報の入力を受けると、主制御部51は、その直前に入力された眼球運動情報が表す位置と、新たな眼球運動情報が表す位置との間の変位を算出する。そして、主制御部51は、算出された変位をキャンセルするように水平走査部14および垂直制御部16の制御を実行する。それにより、光刺激を付与する位置をリアルタイムで眼球運動に追従させることができる。
上記の例では、光スキャナを制御することにより光刺激の位置を制御しているが、これには限定されない。たとえば、照射ユニット10を移動させるための駆動機構を設ける。さらに、主制御部51は、眼球運動情報に基づき算出される変位をキャンセルするように駆動機構を制御することで、被検眼Eの運動に照射ユニット10を追従させることができる。
(変形例5)
視機能検査装置の一部または全部を装用可能に構成することができる。また、或る種の視機能検査は、被検者が外光の影響を受けないように暗室で実施される。本変形例に係る視機能検査装置はこのような用途に供される。
本変形例に係る視機能検査装置は、前述したいずれかの実施形態の構成に加えて、遮蔽部と、保持部と、装着部とを含む。遮蔽部、保持部および装着部は、一体的に構成されている。
遮蔽部は、被検眼Eの視野を遮蔽する機能を奏する。すなわち、外光を積極的に入射させる特開2012−155019号公報や米国特許公開第2013/004404号公報などとは異なり、本変形例では外光の入射が規制される。遮蔽部は、たとえば、被検眼Eの前方の領域を覆う非透光性のカバーとして構成される。
保持部は、視機能検査装置の構成要素を保持する。ここでいう「保持」は、「支持」および「格納」の一方または双方の意味を少なくとも含む。保持部は、照射光学系10を保持する第1の保持部と、生体情報検出部40を保持する第2の保持部とを少なくとも含む。保持部は、たとえば、筐体に構成要素を固定するための部材および/または構造を含んで構成される。
装着部は、視機能検査装置を被検者に装着するための構成を有する。たとえば、装着部は、視機能検査装置を頭部に装着するための構成を有する。具体的には、装着部は、眼鏡と同様のテンプルを含んでいてよい。また、装着部は、被検者の頭部を覆う帽子状の部材またはベルト状の部材を含んでいてよい。また、装着部は、被検者の首に掛けられる紐状部材またはベルト状部材を含んでいてよい。また、装着部は、被検者の肩に固定可能な部材を含んでいてよい。
本実施形態に係る構成によれば、被検者が装用した状態で視機能検査を行うことができる。それにより、検査に要する時間が比較的長い視野検査等を行う場合において、固定配置された装置を覗きこんで検査を行う従来の使用形態と比較して、自然な姿勢で検査を行うことが可能である。また、姿勢の変更も容易である。
さらに、被検眼Eの視野が遮蔽された状態で検査を行うことができるので、暗室を用意する必要がない。また、被検眼Eとは反対側の眼をガーゼや眼帯で遮蔽する必要がない。また、装置の小型化を図ることができる。
〈第4の実施形態〉
上記の実施形態または変形例に係る視機能検査装置が複数設けられたシステムについて説明する。本実施形態に係る視機能検査システムは、複数の視機能検査装置との間でデータ通信が可能なコンピュータを含む。視機能検査装置は、医療機関内または医療機関外にて使用される。
医療機関内にて使用される場合、視機能検査装置は、たとえば、検査室内、待合室内、入院病棟内などにおいて使用される。また、コンピュータは、医療機関内に設置され、或いは、当該システムサービスの提供施設(サービスセンター)に設置される。視機能検査装置とコンピュータは、医療機関内に構築されたネットワークシステム(LAN)を介して通信を行う。或いは、視機能検査装置とコンピュータは、デバイス間の直接的な有線通信または無線通信(たとえば近距離無線通信)によってデータの送受信を行う。なお、コンピュータが医療機関外(サービスセンター等)に設置される場合、視機能検査装置とコンピュータとの間には、医療機関内ネットワークと広域ネットワーク(インターネット、専用回線等)とが介在する。なお、医療機関には、一般的な病院だけでなく、健康診断センターや検診センターなども含まれる。
医療機関外にて使用される場合、視機能検査装置は、たとえば、被検者の自宅、老人福祉施設、ドラッグストアなどにおいて使用される。また、視機能検査装置とコンピュータとの間には、広域ネットワーク(および医療機関内ネットワーク)が介在する。
以下に説明する視機能検査システムは、上記したシステム形態のいずれにも適用可能である。また、上記以外のシステム形態に対して以下の構成を適用することができる。
視機能検査システムの構成の一例を図20に示す。視機能検査システム500は、複数の視機能検査装置600A、600B、600C、・・・と、コンピュータ700とを含む。なお、視機能検査装置の個数は任意である。以下、複数の視機能検査装置600A、600B、600C、・・・をまとめて「複数の視機能検査装置600」と称することがある。また、複数の視機能検査装置600A、600B、600C、・・・のうちの任意の1つを「視機能検査装置600」と称することがある。視機能検査装置600とコンピュータ700は、通信回線800を介して接続されている。
視機能検査装置600は、上記の実施形態と同様に、照射光学系10と、生体情報検出部40と、制御部50と、データ処理部60と、ユーザインターフェイス70とを備える。さらに、本実施形態における視機能検査装置600は通信部120を備える。通信部120は、通信回線800を通じたデータ通信を行う。なお、視機能検査装置600は、画像投影部80、姿勢検知部90、固視判定部100、眼球運動監視部110などをさらに備えていてもよい。
コンピュータ700は、たとえば、医療機関内に設置されたサーバやコンピュータ端末、または、サービスセンターに設置されたサーバを含む。コンピュータ700は、単一の装置であってもよいし、2以上の装置の組み合わせであってもよい。
コンピュータ700は、それぞれの視機能検査装置600にあらかじめ割り当てられた装置IDによって、複数の視機能検査装置600を識別する。それにより、コンピュータ700は、2以上の視機能検査装置600と並行して通信することが可能である。
コンピュータ700の構成の一例を図21に示す。コンピュータ700は、制御部710と、格納部720と、データ処理部730と、通信部740と、出力部750とを備える。なお、コンピュータ700は、表示デバイスや操作デバイスを備えていてもよい。
制御部710は、コンピュータ700の各部を制御する。格納部720は、各種の情報を記憶する。データ処理部730は、各種のデータ処理を実行する。通信部740は、通信回線800を通じたデータ通信を行う。出力部750は、外部装置や情報記録媒体に情報を出力する。外部装置としては、他のコンピュータやタブレット端末がある。外部装置への出力は、通信回線800または他の通信回線を通じて行われる。情報記録媒体としては、半導体メモリ、CD−ROM、印刷用紙などがある。出力部750は、情報記録媒体の種別に応じた構成を有する。また、出力部750は表示デバイスを含んでいてもよい。
格納部720には、各被検者に関連付けられた記憶領域(アカウント)が設定されている。各アカウントには、当該被検者に関する情報(患者ID、氏名等)や、視機能検査の結果を含む診療情報や、料金に関する情報(レセプト情報、システムサービス使用料等)が記録される。アカウントの管理は制御部710により実行される。
[使用形態]
視機能検査システム500の使用形態について説明する。使用形態の一例を図22に示す。
(S101:患者ID等を入力する)
まず、視機能検査装置600またはコンピュータ700に患者IDを入力する。このとき、被検眼Eが左眼であるか右眼であるかを表す情報(左眼/右眼情報)などを入力するようにしてもよい。なお、被検眼Eが左眼であるか右眼であるかを自動で認識する機能を設けることが可能である。自動認識は、たとえば、視機能検査装置600の装着態様に基づいて行われる。或いは、被検眼Eの前眼部像に基づいて、被検眼Eが左眼であるか右眼であるか判別するように構成することも可能である。
(S102:視機能検査を行う)
視機能検査装置600を用いて被検眼Eの視機能検査が行われる。このとき、被検者の片眼のみに対して、または両眼それぞれに対して実行される。或いは、両眼視機能の検査を行ってもよい。
視機能検査装置600の制御部50は、視機能検査により取得された評価情報に、ステップ101で入力された患者IDを関連付ける。左眼/右眼情報が入力された場合、制御部50は、取得された評価情報に患者IDと左眼/右眼情報とを関連付ける。
また、制御部50は、取得された評価情報に、当該視機能検査の種別を表す検査種別情報を関連付けることができる。たとえば、両眼視機能検査が行われた場合、両眼視機能検査を表す検査種別情報を評価情報に関連付ける。2以上の種別の視機能検査が実行された場合、2以上の種別の視機能検査が行われた場合、制御部50は、取得された2以上の評価情報のそれぞれに、対応する検査種別情報を関連付ける。
(S103:患者ID等と評価情報を送信する)
通信部120は、制御部50による制御を受けて、ステップS102で関連付けられた患者ID等および評価情報をコンピュータ700に向けて送信する。
(S104:患者ID等と評価情報を受信する)
コンピュータ700の通信部740は、視機能検査装置600から送信された情報を受信する。通信部740は、受信された患者ID等および評価情報を制御部710に送る。
(S105:受信した情報をアカウントに格納する)
制御部710は、通信部740が受信した患者ID等および評価情報を受ける。制御部710は、この患者IDに基づいて当該被検者のアカウントを特定する。対象のアカウントが存在しない場合、制御部710は、当該被検者のアカウントを新規に作成する。制御部710は、特定されたアカウント(または新規に作成されたアカウント)に、この評価情報を格納する。なお、当該視機能検査が実施された日時を表す検査日時情報を評価情報等とともに格納することが可能である。
(S106:評価情報等を出力する)
制御部710は、たとえば所定の出力トリガを受けて、ステップS105においてアカウントに格納された評価情報等を読み出し、出力部750に送る。出力部750は、制御部710から受けた評価情報等を、たとえば出力トリガに応じた態様で出力する。
たとえば上記の情報出力の前に、データ処理部730は、評価情報に基づくデータ処理を実行することが可能である。その具体例として、検査日時が異なる複数の評価情報がアカウントに格納されている場合、データ処理部730は、これら複数の評価情報を時系列に応じて並べた情報を作成することができる。この情報は、たとえば、リスト情報またはグラフ情報である。制御部710は、データ処理部730により作成された情報を出力部750に送る。出力部750は、この情報を出力する。
[効果]
本実施形態の効果について説明する。
実施形態に係る視機能検査システム500は、複数の視機能検査装置600と、コンピュータ700とを含む。各視機能検査装置600は、上記の実施形態または変形例と同様の構成を有していてよい。さらに、各視機能検査装置600は、通信部120(送信部)を含む。通信部120は、データ処理部60(評価情報生成部)により生成された評価情報を送信する。コンピュータ700は、各視機能検査装置600との間でデータ通信が可能に構成される。さらに、コンピュータ700は、通信部740(受信部)と、格納部720と、出力部750とを備える。通信部740は、視機能検査装置600の通信部120により送信された評価情報を受信する。格納部720は、通信部740により受信された評価情報を格納する。出力部750は、格納部720に格納された評価情報を出力する。
このような構成によれば、視機能検査装置600によって信頼性の高い評価情報を短時間で取得することができ、さらに、複数の視機能検査装置600により取得された評価情報をまとめて管理することが可能である。また、複数の被検者の視機能検査を並行して行うことができるなど、実用上の利点もある。
〈第5の実施形態〉
第4の実施形態と異なる構成の視機能検査システムについて説明する。第4の実施形態では、それぞれの視機能検査装置が評価情報を生成しているが、本実施形態では、それぞれの視機能検査装置により取得された情報に基づいてコンピュータが評価情報の生成を行う。それにより、それぞれの視機能検査装置の構成を簡略化できる。
本実施形態に係る視機能検査システムの構成の一例を図23に示す。視機能検査システム1500は、複数の視機能検査装置1600A、1600B、1600C、・・・と、コンピュータ1700とを含む。以下、複数の視機能検査装置1600A、1600B、1600C、・・・をまとめて「複数の視機能検査装置1600」と称することがある。また、複数の視機能検査装置1600A、1600B、1600C、・・・のうちの任意の1つを「視機能検査装置1600」と称することがある。視機能検査装置1600とコンピュータ1700は、通信回線1800を介して接続されている。
視機能検査装置1600は、上記の実施形態と同様に、照射光学系10と、生体情報検出部40と、制御部50と、ユーザインターフェイス70とを備える。なお、本実施形態に係る視機能検査装置1600は、評価情報を生成する機能(評価情報生成部61)を有している必要はない(それを有していてもよい)。視機能検査装置1600は、他の機能を有するデータ処理部を含んでいてよい。さらに、視機能検査装置1600は、第4の実施形態と同様の通信部120を備える。また、視機能検査装置1600は、画像投影部80、姿勢検知部90、固視判定部100、眼球運動監視部110などをさらに備えていてもよい。
コンピュータ1700は、たとえば、医療機関内に設置されたサーバやコンピュータ端末、または、サービスセンターに設置されたサーバを含む。コンピュータ1700は、単一の装置であってもよいし、2以上の装置の組み合わせであってもよい。
コンピュータ1700の構成の一例を図24に示す。コンピュータ1700は、制御部1710と、格納部1720と、データ処理部1730と、通信部1740と、出力部1750とを備える。データ処理部1730には評価情報生成部1731が設けられている。なお、コンピュータ1700は、表示デバイスや操作デバイスを備えていてもよい。
制御部1710は、コンピュータ1700の各部を制御する。格納部1720は、各種の情報を記憶する。データ処理部1730は、各種のデータ処理を実行する。評価情報生成部1731は、上記実施形態の評価情報生成部61と同様の処理を実行する。通信部1740は、通信回線1800を通じたデータ通信を行う。出力部1750は、外部装置や情報記録媒体に情報を出力する。
格納部1720には、第4の実施形態と同様に、各被検者のアカウントが設定されている。アカウントの管理は制御部1710により実行される。
[使用形態]
視機能検査システム1500の使用形態について説明する。使用形態の一例を図25に示す。
(S201:患者ID等を入力する)
まず、視機能検査装置1600またはコンピュータ1700に患者IDを入力する。このとき、左眼/右眼情報などを入力するようにしてもよい。患者IDや左眼/右眼情報の入力は、第4の実施形態と同様にして実行される。
(S202:光刺激の付与と生体情報の収集を行う)
視機能検査装置1600を用いた被検眼Eの視機能検査が開始される。視機能検査においては、被検眼Eに光刺激を付与しつつ、被検者の生体情報が収集される。
さらに、制御部50は、光刺激を付与している位置を表す情報(刺激位置情報)を生体情報に付与する。刺激位置情報は、たとえば、光スキャナ(水平走査部14および垂直制御部16)の制御内容に基づいて生成される。或いは、あらかじめ設定された複数の刺激点の順序情報に基づいて刺激位置情報を生成してもよい。
制御部50は、収集された生体情報に、ステップ201で入力された患者IDと、当該生体情報が取得されたときの光刺激の付与位置を表す刺激位置情報とを関連付ける。このとき、左眼/右眼情報や検査種別情報をさらに関連付けてもよい。
(S203:患者ID等と生体情報等を送信する)
通信部120は、制御部50による制御を受けて、ステップS202で関連付けられた患者ID等および生体情報等をコンピュータ1700に向けて送信する。
生体情報の収集タイミングと、生体情報等の送信タイミングとの関係は、任意であってよい。たとえば、生体情報の収集が終了した後に、収集された生体情報をまとめて(または複数に分割して)コンピュータ1700に送信するように制御を行うことが可能である。この場合、視機能検査装置1600(データ処理部60)は、生体情報の時系列変化において前述の「特定の変化」が生じたことを検出する機能と、その検出に対応して次の刺激点の検査に移行する機能とを有していてよい。
或いは、生体情報の収集を行いつつコンピュータ1700への送信を行うように制御を行うことも可能である。この場合、生体情報の収集と、情報の関連付けと、情報の送信とが並行して実行される。この場合においても、「特定の変化」を検出する機能と、その検出に対応して次の刺激点の検査に移行する機能とが設けられていてよい。
視機能検査装置1600が、生体情報の収集、情報の関連付けおよび情報の送信の並行処理をリアルタイムで実行する場合、「特定の変化」を検出する機能をコンピュータ700に設けることができる。この処理は、データ処理部1730(たとえば評価情報生成部1731)によりリアルタイムで実行される。さらに、コンピュータ700は、特定の変化が検出されたことを当該視機能検査装置1600にリアルタイムで通知する。この通知を受けた視機能検査装置1600は、次の刺激点の検査に移行する。
(S204:患者ID等と生体情報等を受信する)
コンピュータ1700の通信部1740は、視機能検査装置1600から送信された情報を受信する。通信部1740は、受信された患者ID等および生体情報等を制御部1710に送る。
(S205:評価情報を生成する)
制御部1710は、通信部1740が受信した患者ID等および生体情報等を受ける。制御部1710は、少なくとも生体情報をデータ処理部1730に送る。評価情報生成部1731は、入力された生体情報に基づいて評価情報を生成する。
(S206:評価情報をアカウントに格納する)
制御部710は、ステップS205で生成された評価情報を、当該被検者のアカウントに格納する。ここで、アカウントを特定する処理は、第4の実施形態と同様にして実行される。また、生体情報に関連付けられた情報や検査日時情報を評価情報等とともに格納することも可能である。
(S207:評価情報等を出力する)
制御部1710は、たとえば所定の出力トリガを受けて、ステップS206においてアカウントに格納された評価情報等を読み出し、出力部1750に送る。出力部1750は、制御部1710から受けた評価情報等を出力する。
[効果]
本実施形態の効果について説明する。
実施形態に係る視機能検査システム1500は、複数の視機能検査装置1600と、コンピュータ1700とを含む。各視機能検査装置1600は、第4の実施形態の視機能検査装置600と同様に構成されていてよいが、評価情報を生成する機能(評価情報生成部61)を備えている必要はない。通信部120(送信部)は、生体情報検出部40による生体情報の検出結果を送信する。コンピュータ1700は、各視機能検査装置1600との間でデータ通信が可能に構成される。さらに、コンピュータ1700は、通信部1740(受信部)と、評価情報生成部1731と、格納部1720と、出力部1750とを備える。通信部1740は、視機能検査装置1600の通信部120により送信された生体情報の検出結果を受信する。評価情報生成部1731は、通信部1740により受信された生体情報の検出結果に基づいて、被検眼Eの視機能に関する評価情報を生成する。格納部720は、評価情報生成部1731により生成された評価情報を格納する。出力部750は、格納部1720に格納された評価情報を出力する。
このような構成によれば、視機能検査装置1600により収集された生体情報に基づいて信頼性の高い評価情報を取得することができる。また、検査の短時間化も図ることが可能である。さらに、複数の視機能検査装置1600を利用して取得された評価情報をまとめて管理することが可能である。また、複数の被検者の視機能検査を並行して行うことができるなど、実用上の利点もある。
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。また、上記の実施形態や変形例のうちのいくつかを任意に組み合わせることが可能である。
1、1A、1000、2000 視機能検査装置
10 照射光学系
10L 左照射光学系
10R 右照射光学系
11 光源部
12 光ファイバ
13 コリメート光学系
14 水平走査部
15 リレー光学系
16 垂直制御部
17 リレー光学系
18 反射ミラー
18A ビームスプリッタ
18B ビームスプリッタ
18C 反射ミラー
40 生体情報検出部
40A 脳波計
40B 網膜電位計
50 制御部
51 主制御部
52 記憶部
52a 被検眼情報
53 初期強度設定部
54 刺激点設定部
55 初期位置設定部
60 データ処理部
61 評価情報生成部
62 成分抽出部
70 ユーザインターフェイス(UI)
71 表示部
72 操作部
80 画像投影部
90 姿勢検知部
100 固視判定部
110 眼球運動監視部
120 通信部
500、1500 視機能検査システム
600A、1600A 視機能検査装置
700、1700 コンピュータ
710、1710 制御部
720、1720 格納部
730、1730 データ処理部
1731 評価情報生成部
740、1740 通信部
750、1750 出力部
800、1800 通信回線
E 被検眼
EL 左被検眼
ER 右被検眼

Claims (3)

  1. レーザ光源から出力されたレーザ光の光路に配置された光スキャナを含み、前記光スキャナを経由したレーザ光を被検眼の網膜に照射する照射光学系と、
    前記レーザ光の照射に対する被検者の反応を表す生体情報を検出する生体情報検出部と、
    検出された前記生体情報に基づいて、前記被検眼の視機能に関する評価情報を生成する評価情報生成部と
    を備え
    前記照射光学系は、被検者の左眼の網膜および右眼の網膜のそれぞれにレーザ光を照射可能であり、かつ、前記左眼の網膜および前記右眼の網膜に並行してレーザ光を照射可能であり、
    前記評価情報生成部は、
    前記生体情報検出部により検出された前記生体情報を解析することにより、前記左眼の網膜に対する反応に相当する左眼成分と、前記右眼の網膜に対する反応に相当する右眼成分とを抽出する成分抽出部を含み、
    抽出された前記左眼成分に基づいて前記左眼の視機能に関する左眼評価情報を生成し、かつ、前記右眼成分に基づいて前記右眼の視機能に関する右眼評価情報を生成する
    ことを特徴とする視機能検査装置。
  2. 被検者の姿勢を検知する姿勢検知部を備え、
    前記評価情報生成部は、前記生体情報検出部により検出された前記生体情報と、前記姿勢検知部による姿勢の検知結果とに基づいて、前記評価情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の視機能検査装置。
  3. 請求項1または2に記載の視機能検査装置を複数含み、かつ、
    前記複数の視機能検査装置のそれぞれとの間でデータ通信が可能なコンピュータを含み、
    前記複数の視機能検査装置のそれぞれは、前記評価情報生成部により生成された前記評価情報を送信する送信部を備え、
    前記コンピュータは、
    前記送信部により送信された前記評価情報を受信する受信部と、
    前記受信部により受信された評価情報を格納する格納部と、
    前記格納部に格納された評価情報を出力する出力部と
    を備える
    ことを特徴とする視機能検査システム。
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