JP6516250B2 - 酸変性オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、酸変性オレフィン系樹脂組成物に関する。
ポリプロピレンやポリエステルは、繊維やフィルムに成形した後に染色することが難しいことが知られている。そのため、繊維やフィルムに成形する時点で、ポリプロピレンやポリエステルに対して顔料を混ぜることが多い。特にポリエステル繊維に関しては、カチオン染料で染色しやすくなるように、スルホイソフタル酸金属塩をモノマー中に導入することが行われている(特許文献1を参照)。また、ポリプロピレン不織布とポリエステル不織布との接合に関しては、熱融着では接着性が悪く接合が困難なため、接着剤を用いて接合することが提案されている(特許文献2を参照)。
特開2007−056420号公報 特開2004−299356号公報
しかしながら、モノマーにスルホイソフタル酸金属塩を導入して得られるコモノマーを用いる方法では、コモノマーの共重合比が増えると、紡糸時の溶融粘度が上昇して、加工性が低下し、耐熱性等の物性を損なってしまう。また、ポリプロピレン不織布とポリエステル不織布との接合に関しては、接着剤の含浸工程や乾燥・熱接着工程等の手間がかかるという問題がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、物性低下を抑制しながら染色性を向上することができ、かつ、ポリプロピレン及びポリエステル等の異種材料との熱接着性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、オレフィン系重合体やエステル系重合体に対して特定の酸変性オレフィン系重合体を配合した酸変性オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系重合体やエステル系重合体の物性を低下させることなく染色性を向上することができ、かつ、ポリプロピレン及びポリエステル等の異種材料との熱接着性にも優れることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
<1>(a)成分:オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体から選択される少なくとも一種と、(b)成分:下記(1)〜(3)を満たす酸変性オレフィン系重合体と、を含む酸変性オレフィン系樹脂組成物。
(1)テトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η]が0.01〜2.5dL/gである。
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm−D)が観測されないかあるいは0〜100℃である。
(3)示差走査型熱量計(DSC)で測定される半結晶化時間が3分以上、または示差走査型熱量計(DSC)で測定される結晶化ピークが観測されない。
<2>前記(a)成分と前記(b)成分との合計量100質量%に対して、前記(b)成分が0.1質量%以上50質量%以下である、上記<1>に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
<3>前記(b)成分が下記(4)を満たす、上記<1>又は<2>に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
(4)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gである。
<4>前記(b)成分が下記(5)を満たす、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
(5)酸価が10〜250mgKOH/gである。
<5>前記(b)成分の50モル%以上が、プロピレンモノマー又は1−ブテンモノマーから選択される少なくとも一種のモノマーで構成される、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
<6>前記(b)成分が下記(6)を満たす、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
(6)メソトリアッド分率[mm]が55〜90モル%である。
<7>前記(b)成分が下記(7)及び(8)を満たす、上記<5>に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
(7)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。
(8)[rrrr]/(1−[mmmm])が0.1以下である。
<8>上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物からなる成形体。
<9>上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物からなる繊維。
<10>上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物からなる不織布。
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体に対して結晶化速度の非常に遅い特定の酸変性オレフィン系重合体をブレンドすることで、酸変性オレフィン系重合体が成形品の表面に偏在し、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体の物性を低下させることなく染色性を向上することができ、かつ、ポリプロピレン及びポリエステル等の異種材料との熱接着性にも優れる。通常、オレフィン系重合体やエステル系重合体はカチオン染料やアニオン染料によって染色することが困難であるが、本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、カチオン染料やアニオン染料によって染色することができる。
図1は、実施例及び比較例のプレス板におけるドメインの分散状況を示す。
以下に、本発明を説明する。なお、本明細書において、数値の記載に関する「〜」という用語は、その下限値以上、上限値以下を示す用語である。
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、(a)成分:オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体から選択される少なくとも一種と、(b)成分:特定の酸変性オレフィン系重合体と、を含む。ただし、(a)成分として用いられるオレフィン系重合体には、(b)成分として用いられる酸変性オレフィン系重合体は含まれない。
(a)成分として用いられるオレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体の物性を低下させることなく染色性を向上する観点から、樹脂組成物中の(b)成分の含有量は、(a)成分と(b)成分との合計量100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
((a)成分)
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、(a)成分として、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体から選択される少なくとも一種を含む。
(オレフィン系重合体)
オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーを重合して得られる重合体である。
炭素数3〜28のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及び1−イコセン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数3〜24のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3〜4のα−オレフィン、最も好ましくはプロピレンである。
オレフィン系重合体としては、エチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれるモノマーのうちの1種を単独で重合したオレフィン系単独重合体であってもよく、2種以上を組み合わせて共重合して得られるオレフィン系共重合体であってもよい。なお、本明細書中において、単に「オレフィン系重合体」という場合には、オレフィン系単独重合体及びオレフィン系共重合体の両方が含まれる。
オレフィン系重合体としては、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がエチレンモノマーであるエチレン系重合体、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体、重合体を構成するモノマーの50モル%以上が1−ブテンモノマーであるブテン系重合体等が挙げられる。
エチレン系重合体としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられる。
プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、又はプロピレン−α−オレフィングラフト共重合体等が挙げられる。
本発明に用いられるオレフィン系重合体の製造方法は、特に限定されるものではない。チーグラー触媒やメタロセン触媒等を用いて上記のモノマーを重合することで製造することができる。
本発明に用いられるオレフィン系重合体は、後述する示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が機械的強度の観点から140℃以上、190℃以下であることが好ましく、150℃以上、170℃以下であることがより好ましい。なお、該融点(Tm−D)は後述する実施例に記載の方法により測定される値である。
オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、機械的強度及び入手容易性等の観点から、好ましくは10,000以上1,000,000以下、更に好ましくは50,000以上500,000以下である。
(エステル系重合体)
エステル系重合体は、主としてジカルボン酸とジオールとの重縮合反応で得られる重合体である。なお、本発明において、前記「主として」とは、本発明の効果を阻害しない範囲で、ジカルボン酸及びジオール以外の成分が共重合されてもよいことを意味する。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、p−フェニレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。エステル系重合体の機械強度、耐熱性、入手容易性の観点からは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、経済性の観点からは、テレフタル酸、イソフタル酸が特に好ましい。
ジオールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂肪族ジオール、ビスフェノールA等のビスフェノール類等が挙げられる。これらのジオールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。エステル系重合体の機械強度、耐熱性、及びジオールの入手容易性の観点からは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。
本発明に用いられるエステル系重合体は、溶融粘弾性や分子量等を調整するために、本発明の効果を阻害しない範囲で、モノアルコール、3価以上の多価アルコール、モノカルボン酸、多価カルボン酸、オキシ酸が共重合されてもよい。
モノアルコールとしては、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,3,5−ペンタントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。モノカルボン酸としては、安息香酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられる。多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。オキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。
エステル系重合体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
本発明に用いられるエステル系重合体の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、ジカルボン酸とジオールとの直接エステル化法、あるいはジカルボン酸のエステル形成性誘導体(例えば、ジメチルエステル化物)とジオールとのエステル交換反応により重合前駆体を形成し、引き続いて、減圧下での重縮合反応を実施することでエステル系重合体を製造することができる。この際、円滑な反応を促進するために、公知の触媒を使用して公知の重合方法によって行うことができる。
エステル系重合体の極限粘度(Intrinsic Viscosity;IV)は、成形品の機械的強度等の観点から、好ましくは0.1〜1.5dl/g、より好ましくは0.3〜1.0dl/gである。極限粘度はJIS K7367−5に基づいて測定される。
本発明に用いられるエステル系重合体は結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。エステル系重合体の融点は、成形品の機械的強度等の観点から、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜290℃である。なお、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、商品名:「DSC−7」)を用い、あらかじめ試料10mgを窒素雰囲気下、300℃で3分間溶融した後、10℃/分で0℃まで降温し、0℃で3分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピークトップを融点とした。
(アミド系重合体)
アミド系重合体としては、下記環状ラクタムの開環重合物が好ましく使用できる。具体的には、アセトラクタム(ポリアミド2)、プロピオラクタム(ポリアミド3)、ブチロラクタム(ポリアミド4)、バレロラクタム(ポリアミド5)、カプロラクタム(ポリアミド6)、エナントラクタム(ポリアミド7)、カプリロラクタム(ポリアミド8)、ペラルゴラクタム(ポリアミド9)、カプリノラクタム(ポリアミド10)、ラウロラクタム(ポリアミド12)等である。
また、アミド系重合体としては、下記アミノジカルボン酸の重縮合物も好適に使用できる。具体的には、アミノプロピオン酸(ポリアミド3)、アミノブチル酸(ポリアミド4)、アミノバレリアン酸(ポリアミド5)、アミノカプロン酸(ポリアミド6)、アミノエナント酸(ポリアミド7)、アミノカプリル酸(ポリアミド8)、アミノペラルゴン酸(ポリアミド9)、アミノカプリン酸(ポリアミド10)、アミノラウリン酸(ポリアミド12)等である。
さらに、アミド系重合体としては、下記ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物も好適に使用できる。具体的には、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリテトラメチレンドデカミド(ポリアミド412)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)等である。また、ポリテトラメチレンテレフタルアミド(ポリアミド4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド5T)、ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミドM−5T)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD6)等の半結晶性ポリアミド樹脂や、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテレフタルアミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンイソフタルアミド(ポリアミドPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテトラデカミド(ポリアミドPACM14)等の非晶性ポリアミド樹脂を用いることもできる。
これらは、1成分単独もしくは多成分を組み合わせて共重合してもよい。また、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等いずれの共重合手法を用いてもよい。
((b)成分)
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、(b)成分として、下記(1)〜(3)を満たす酸変性オレフィン系重合体を含む。
(1)テトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η]が0.01〜2.5dL/gである。
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm−D)が観測されないかあるいは0〜100℃である。
(3)示差走査型熱量計(DSC)で測定される半結晶化時間が3分以上、または示差走査型熱量計(DSC)で測定される結晶化ピークが観測されない。
(1)極限粘度[η]
酸変性オレフィン系重合体について、テトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η]は、0.01〜2.5dL/gであり、好ましくは0.10〜2.0dL/g、より好ましくは0.10〜2.0dL/g、更に好ましくは0.10〜1.8dL/g、更に好ましくは0.15〜1.5dL/g、更に好ましくは0.3〜0.7dL/gである。酸変性ポリオレフィンの極限粘度が上記範囲にある場合、過度のべたつきや流動性の悪化による扱いにくさを防ぐことができる。
極限粘度[η]は、135℃のテトラリン中、ウベローデ型粘度計で還元粘度(ηSP/c)を測定し、下記式(ハギンスの式)を用いて算出される。
ηSP/c=[η]+K[η]
ηSP/c(dL/g):還元粘度
[η](dL/g):極限粘度
c(g/dL):ポリマー粘度
K=0.35(ハギンス定数)
(2)融点(Tm−D)
酸変性オレフィン系重合体の融点(Tm−D)は、PET樹脂のTg以上程度の温度でのブリードアウト容易性の観点から、観測されないか又は0〜100℃である。融点が観測される場合には、同様の観点から、好ましくは50〜100℃、より好ましくは55〜90℃、更に好ましくは57〜80℃である。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、商品名:「DSC−7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)として定義する。
融点(Tm−D)は、モノマー濃度や反応圧力を適宜調整することで制御可能である。
(3)半結晶化時間
酸変性オレフィン系重合体の示差走査型熱量計(DSC)で測定される半結晶化時間は、遅い結晶化速度の観点から、3分以上であるか又は示差走査型熱量計(DSC)で測定される結晶化ピークが観測されない。好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。半結晶化時間が60分を超えるような結晶化速度が遅い場合、明確な結晶化ピークが観測されない場合がある。
なお、本発明における「半結晶化時間」とは、以下に示す測定方法により測定されるものを示す。
<半結晶化時間の測定方法>
示差走査型熱量計(DSC)(パーキン・エルマー社製、商品名:「DSC−7」)を用い、下記方法にて測定する。
(1)試料10mgを25℃で5分間保持し、320℃/秒で220℃に昇温し5分間保持。320℃/秒で25℃に冷却し、60分間保持することにより、等温結晶化過程における、発熱量の時間変化を測定する。
(2)等温結晶化開始時から結晶化完了時までの発熱量の積分値を100%とした時、等温結晶化開始時から発熱量の積分値が50%となるまでの時間を半結晶化時間として定義する。
また、本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、後述する有機酸とα−オレフィンから構成され、α−オレフィンモノマーはエチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーである。炭素数3〜28のα−オレフィンの具体例については上述のとおりである。α−オレフィンモノマーとしては好ましくは炭素数3〜24のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3又は4のα−オレフィン(すなわちプロピレンモノマー、1−ブテンモノマー)である。酸変性オレフィン系重合体におけるα−オレフィン構成単位の50モル%以上が炭素数3又は4のα−オレフィン(すなわちプロピレンモノマー、1−ブテンモノマー)から選択される少なくとも一種のモノマーであることが好ましく、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは75モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。
なお、本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は本発明の効果を阻害しない範囲で有機酸とα−オレフィン以外のモノマーを含んでもよい。
また、本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、上記(1)〜(3)に加えて更に下記(4)〜(6)の少なくとも1つを満たすことが好ましい。また、酸変性される前のオレフィン系重合体が単独重合体である場合には、下記(7)及び(8)を満たすことが好ましい。
(4)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gである。
(5)酸価が10〜250mgKOH/gである。
(6)メソトリアッド分率[mm]が55〜90モル%である。
(7)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。
(8)[rrrr]/(1−[mmmm])が0.1以下である。
(4)融解吸熱量(ΔH−D)
酸変性オレフィン系重合体の融解吸熱量(ΔH−D)は、遅い結晶化速度の観点から、好ましくは0〜80J/g、より好ましくは10〜70J/g、更に好ましくは20〜60J/g、更に好ましくは30〜50J/gである。
なお、本発明において、融解吸熱量(ΔH−D)は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブのピークを含むラインと熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線(ベースラインとする)とで囲まれる面積を求めることで算出される。
(5)酸価
酸変性オレフィン系重合体の酸価は、極性基含有ポリマーとの相溶性の観点から、好ましくは10〜250mgKOH/gであり、より好ましくは10〜200mgKOH/g、更に好ましくは10〜100mgKOH/g、更に好ましくは10〜50mgKOH/gである。
なお、本発明において、酸価はJIS K2501:2003に基づいて測定される。
(6)メソトリアッド分率[mm]
本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、メソトリアッド分率[mm]が好ましくは55〜90モル%、より好ましくは60〜88モル%、更に好ましくは65〜80モル%である。メソトリアッド分率[mm]は、アイソタクティック性を表す立体規則性指標であり、メソトリアッド分率[mm]が当該範囲内であれば、ベタツキ等による取扱い性に劣ることなく、結晶化速度が低くなる。
(7)メソペンタッド分率[mmmm]
メソペンタッド分率[mmmm]は、オレフィン系重合体の立体規則性を表す指標であり、メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると立体規則性が高くなる。
酸変性される前のオレフィン系重合体が単独重合体である場合、酸変性オレフィン系重合体のメソペンタッド分率[mmmm]は、好ましくは20〜80モル%、より好ましくは30〜80モル%、更に好ましくは40〜75モル%である。メソペンタッド分率[mmmm]が当該範囲内であると、低結晶性であり、また、結晶化速度が比較的遅く、成形時に固化するまでの時間が長くなる。
(8)[rrrr]/(1−[mmmm])
[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミペンタッド分率[rrrr]から求められ、オレフィン系重合体の規則性分布の均一さを示す指標である。
酸変性される前のオレフィン系重合体が単独重合体である場合、酸変性オレフィン系重合体の[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.001〜0.05、更に好ましくは0.001〜0.04、特に好ましくは0.01〜0.04である。値が当該範囲内であると、非晶に近い低結晶成分が抑制され、結晶化後のべたつきが抑制される。
ここで、メソトリアッド分率[mm]、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミペンタッド分率[rrrr]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して13C−NMRを用いて測定される。また、後述するラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]、ラセミトリアッド分率[rr]及びメソラセミトリアッド分率[mr]も上記方法により測定される。
オレフィン系重合体がポリプロピレンを主成分(プロピレン90質量%以上)とするポリオレフィンである場合、以下の方法によりメソペンタッド分率[mmmm]を測定することができる。
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
メソペンタッド分率Mの算出方法は以下の通りである。
M=(m/S)×100
R=(γ/S)×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖 :21.7〜22.5ppm
オレフィン系重合体がポリブテンを主成分(ブテン90質量%以上)とするポリオレフィンである場合、以下の方法によりメソペンタッド分率[mmmm]を測定することができる。
メソペンタッド分率[mmmm]は、朝倉らにより報告された「Polymer Journal,16,717(1984)」、J.Randallらにより報告された「Macromol.Chem.Phys.,C29,201(1989)」及びV.Busicoらにより報告された「Macromol.Chem.Phys.,198,1257(1997)」で提案された方法に準拠して測定することができる。
すなわち、13C核磁気共鳴スペクトルを用いてメチレン基、メチン基のシグナルを測定することで、ポリ(1−ブテン)分子中のメソペンタッド分率を求めることができる。
13C核磁気共鳴スペクトルの測定は、上記装置及び条件にて行うことができる。
本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、更に以下を満たすことが好ましい。
(9)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]
ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、オレフィン系重合体の立体規則性のランダム性を表す指標であり、値が大きいほどオレフィン系重合体のランダム性が増加する。
酸変性オレフィン系重合体のラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、好ましくは2.5モル%を超え、より好ましくは2.6モル%以上、更に好ましくは2.7モル%以上である。その上限は、通常、好ましくは10モル%程度であり、より好ましくは7モル%、更に好ましくは5モル%、特に好ましくは4モル%である。値が当該範囲内であると、ランダム性が増加して酸変性オレフィン系重合体の透明性を向上させることができる。また、酸変性オレフィン系重合体を染色用途に用いる場合には発色がよくなる。
(10)[mm]×[rr]/[mr]
[mm]×[rr]/[mr]の値は、オレフィン系重合体のランダム性の指標を示し、1に近いほどランダム性が高くなる。本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、[mm]×[rr]/[mr]が好ましくは2.0以下、より好ましくは0.5〜1.8、更に好ましくは0.5〜1.5である。値が当該範囲内であると、酸変性オレフィン系重合体の透明性低下を抑制でき、柔軟性と弾性回復率のバランスを良好にできる。なお、上記における[mm]、[rr]及び[mr]の単位は、モル%である。
(11)[mmmm]/([mmrr]+[rmmr])
[mmmm]/([mmrr]+[rmmr])の値は、オレフィン系重合体の立体規則性指数である。オレフィン系重合体がポリブテンを主成分(ブテン90質量%以上)とするポリオレフィンである場合、本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、[mmmm]/([mmrr]+[rmmr])の値が好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは15以下である。値が20を超えると、柔軟性の低下や結晶化速度の低下のおそれがある。
(12)分子量分布(Mw/Mn)
本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下である。酸変性オレフィン系重合体の分子量分布は狭いほど好ましい。分子量分布が広いと、低分子量成分あるいは高分子量成分が多くなり、用途によっては、べたつきが発生したり、流動性が高くなり過ぎたり、低くなり過ぎたりして実用に適さない場合があるためである。
また、酸変性オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、機械的強度の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは50,000以上であり、好ましくは500,000以下、より好ましくは400,000以下、更に好ましくは300,000以下である。
本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算のものであり、分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
(13)昇温クロマトグラフィーにおける25℃以下で溶出する成分量(W25)
本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、昇温クロマトグラフィーにおける25℃以下で溶出する成分量(W25)が好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜100質量%、更に好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは60〜100質量%である。
W25とは、昇温クロマトグラフィーにより測定して求めた溶出曲線におけるTREF(昇温溶出分別)のカラム温度25℃において充填剤に吸着されないで溶出する成分の量(質量%)である。W25は、ポリオレフィンが軟質であるか否かを表す指標である。この値が大きくなると弾性率の低い成分が多くなったり、及び/又は立体規則性分布の不均一さが広がっていることを意味する。
W25は、例えば以下の操作法により測定できる。
試料溶液を温度135℃に調節したTREFカラムに導入し、次いで降温速度5℃/時間にて徐々に0℃まで降温し、30分間ホールドし、試料を充填剤表面に結晶化させる。その後、昇温速度40℃/時間にてカラムを135℃まで昇温し、溶出曲線を得る。
W25測定に使用可能な装置及び条件の一例を以下に示す。
<昇温クロマトグラフィー測定装置>
TREFカラム :シリカゲルカラム(4.6φ×150mm)、ジーエルサイエンス(株)製
フローセル :光路長1mm KBrセル、ジーエルサイエンス(株)製
送液ポンプ :「SSC−3100ポンプ」、(株)センシュー科学製
バルブオーブン :「MODEL554オーブン(高温型)」、ジーエルサイエンス(株)製
TREFオーブン:ジーエルサイエンス(株)製
二系列温調器 :「REX−C100温調器」、理化工業(株)製
検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器、FOXBORO社製、「MIRAN 1A CVF」
10方バルブ :電動バルブ、バルコ社製
ループ :500マイクロリットルループ、バルコ社製
<測定条件>
溶媒 :o−ジクロロベンゼン
試料濃度 :7.5g/L
注入量 :500μl
ポンプ流量 :2.0ml/分
検出波数 :3.41μm
カラム充填剤 :クロモソルブP(30〜60メッシュ)
カラム温度分布:±0.2℃以内
(酸変性オレフィン系重合体の製造方法)
本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、オレフィン系重合体を酸変性することで製造することができる。オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーを重合して得られる。炭素数3〜28のα−オレフィンの具体例については上述のとおりである。
酸変性オレフィン系重合体の製造に用いられるオレフィン系重合体のモノマーとしては、好ましくは炭素数3〜24のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3又は4のα−オレフィン(すなわちプロピレンモノマー、1−ブテンモノマー)である。
酸変性オレフィン系重合体の製造に用いられるオレフィン系重合体は、炭素数3又は4のα−オレフィン(すなわちプロピレンモノマー、1−ブテンモノマー)の構成単位の含有量が、重合体を構成するモノマーの好ましくは50モル%以上、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは75モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。
酸変性オレフィン系重合体の製造に用いられるオレフィン系重合体は、例えば、WO2003/087172号に記載されているようなメタロセン系触媒を使用して製造することができる。特に、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒が好ましい。
具体的に例示すれば、
(i)一般式(I)

〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E、E又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E、E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−Se−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−又は−AlR−を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
で表される遷移金属化合物、並びに
(ii)(ii−1)該(i)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(ii−2)アルミノキサンから選ばれる成分
を含有する重合用触媒が挙げられる。
上記(i)成分の遷移金属化合物としては、配位子が(1,2’)(2,1’)二重架橋型の遷移金属化合物が好ましく、例えば(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビスインデニルジルコニウムジクロライドが挙げられる。
上記(ii−1)成分の化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオラフェニルポルフィリンマンガン、テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸銀、過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等を挙げることができる。
上記(ii−2)成分のアルミノキサンとしては、公知の鎖状アルミノキサンや環状アルミノキサンが挙げられる。
また、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等の有機アルミニウム化合物を併用して、プロピレン系重合体を製造してもよい。
本発明に用いられる酸変性オレフィン系重合体は、上記のオレフィン系重合体をラジカル開始剤及び有機酸を用いて改質処理することで製造することができる。この改質処理に用いられる有機酸としては、不飽和カルボン酸やその誘導体を用いることができる。
不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,クロトン酸,シトラコン酸,ソルビン酸,メサコン酸,アンゲリカ酸等が挙げられる。また、その誘導体としては、酸物水物,エステル,アミド,イミド,金属塩等があり、例えば、無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル、マレイン酸モノエチルエステル,アクリルアミド,マレイン酸モノアミド,マレイミド,N−ブチルマレイミド,アクリル酸ナトリウム,メタクリル酸ナトリウム等を挙げることができる。これらの中で、特に無水マレイン酸、アクリル酸が好ましい。また、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、ラジカル開始剤としては特に制限はなく、従来公知のラジカル開始剤、例えば各種有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物等の中から、適宜選択して用いることができるが、これらの中で、有機過酸化物が好適である。
この有機過酸化物としては、例えば、ジベンゾイルパーオキシド,ジ−8,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド,ジラウロイルパーオキシド,ジデカノイルパーオキシド,ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキシド等のジアシルパーオキシド類、t−ブチルヒドロパーオキシド,キュメンヒドロパーオキシド,ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド,2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキシド,ジクミルパーオキシド,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン,2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシオクトエート,t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチルパーオキシネオデカノエート,t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート,ジイソプロピルパーオキシジカーボネート,ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート,t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート類等が挙げられる。これらの中では、ジアルキルパーオキシド類が好ましい。また、これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの有機過酸化物の具体的な市販品としては、例えば、日油(株)製のパーヘキシン25B、パーブチルD、パーブチルC、パーヘキサ25B、パークミルD、パーブチルP、パーブチルH、パーヘキシルH、パークミルH、パーオクタH、パークミルP、パーメンタH、パーブチルSM、パーメックN、ペロマーAC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサCD、パーテトラA、パーヘキサC、パーヘキサ3M、パーヘキサHC、パーヘキサTMH、パーブチルIF、パーブチルZ、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーヘキサ25Z、パーブチルE、パーブチルL、パーヘキサ25MT、パーブチルI、パーブチル355、パーブチルMA、パーヘキシルI、パーブチルIB、パーブチルO、パーヘキシルO、パーシクロO、パーヘキサ250、パーオクタO、パーブチルPV、パーヘキシルPV、パーブチルND、パーヘキシルND、パーシクロND、パーオクタND、パークミルND、ダイパーND、パーロイルSOP、パーロイルOPP、パーロイルMBP、パーロイルEEP、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルIB、パーロイルSA、パーロイルS、パーロイルO、パーロイルL、パーロイル355、ナイパーBW、ナイパーBMT、ナイパーCS等が挙げられる(いずれも商品名)。
前記の有機酸及びラジカル開始剤の使用量としては特に制限はなく、目的とする酸変性オレフィン系重合体の所望物性に応じて適宜選定されるが、使用するオレフィン系重合体100質量部に対し、有機酸は通常0.1〜50質量部、好ましくは0.1〜30質量部の範囲で用いられ、一方ラジカル開始剤は通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部の範囲で用いられる。
酸変性方法としては特に制限はないが、例えば、プロピレン系重合体と、前記の有機酸及びラジカル開始剤とを、ロールミル、バンバリーミキサー、押出機等を用いて、150〜300℃、好ましくは140〜250℃程度の温度で、0.01〜0.5時間溶融混練して反応させる、又は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤や、液化α−オレフィン等の適当な有機溶剤中において、あるいは無溶媒の条件で、−50〜300℃、好ましくは40〜180℃程度の温度で、0.1〜2時間反応させることによってオレフィン系重合体を改質して酸変性オレフィン系重合体を製造することができる。
また、本発明においては、この酸変性の効率を上げるため、スチレンやα−メチルスチレンスチレン系化合物の存在下で行うことができる。また、その使用量は、オレフィン系重合体100質量部に対し、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。
酸変性量(有機酸による改質量)は、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。(b)成分の酸変性量が当該範囲内であれば、(a)成分と均一にブレンドすることができ、染色性を向上することができる。
<添加剤>
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、その用途に応じて種々の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、充填材、導電性付与材、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、結晶核剤、可塑剤、帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜決定できる。
充填材としては、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、ゾノトライト、セピオライト、スメクタイト、モンモリロナイト、ワラステナイト、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、高分子化合物等が挙げられる。
導電性付与材としては、金属系導電性付与材、金属酸化物系導電性付与材、カーボンブラック、グラファイト粉末等が挙げられる。
難燃剤としては、臭素化樹脂等のハロゲン系難燃剤;三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、芳香族ホスフェート、赤燐等のリン系難燃剤;有ホウ酸金属塩、カルボン酸金属塩、芳香族スルホンイミド金属塩等の有機酸金属塩系難燃剤;硼酸亜鉛、亜鉛、酸化亜鉛、ジルコニウム化合物等の無機系難燃剤;シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、窒素化グアニジン等の窒素系難燃剤;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系難燃剤;ポリオルガノシロキサン等のシリコーン系難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系難燃剤;等が挙げられる。
難燃助剤としては、酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化チタン等が挙げられる。
結晶核剤としては、マイカ、タルク、カオリン等が挙げられる。可塑剤としては、リン酸エステル等が挙げられる。帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミド等が挙げられる。
(酸変性オレフィン系樹脂組成物の用途)
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、押出成形や射出成形等の任意の方法で成形することにより任意の形態の成形体とすることができる。成形体の形態としては特に限定されず、例えばフィルム、シート、繊維、不織布等が挙げられる。
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体に対して結晶化速度の非常に遅い特定の酸変性オレフィン系重合体をブレンドすることで、酸変性オレフィン系重合体が成形品の表面に偏在し、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体の物性を低下させることなく染色性を向上することができる。したがって、本発明の成形体は染色性に優れる。
本発明の成形体が不織布である場合、不織布を構成する繊維が芯鞘型複合繊維であってもよい。この場合、不織布の染色性の観点から、鞘成分が本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物であることが好ましい。
また、本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、上記のとおり酸変性オレフィン系重合体が成形品の表面に偏在するため、ポリプロピレン及びポリエステル等の異種材料との熱接着性にも優れる。したがって、例えば、本発明の成形体が不織布である場合、ポリプロピレン不織布やポリエステル不織布等の異種材料由来の不織布と、接着剤を用いることなく熱接着することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<極限粘度[η]>
粘度計((株)離合社製、商品名:「VMR−053U−PC・F01」)、ウベローデ型粘度管(測時球容積:2〜3ml、毛細管直径:0.44〜0.48mm)、溶媒としてテトラリンを用いて、0.02〜0.16g/dLの溶液を135℃にて測定した。
<DSC測定>
(1)融点(Tm−D)及び融解吸熱量(ΔH−D)
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、商品名:「DSC−7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから融解吸熱量(ΔH−D)として求めた。また、得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。
なお、融解吸熱量(ΔH−D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、より得られた融解吸熱カーブのピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出した。
(2)半結晶化時間
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、商品名:「DSC−7」)を用い、試料10mgを25℃で5分間保持し、320℃/秒で220℃に昇温し5分間保持した後、320℃/秒で25℃に冷却し、60分間保持することにより、等温結晶化過程における、発熱量の時間変化を測定した。等温結晶化開始時から結晶化完了時までの発熱量の積分値を100%とした時、等温結晶化開始時から発熱量の積分値が50%となるまでの時間を半結晶化時間として求めた。
<GPC測定>
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置および条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量を得た。分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
(GPC測定装置)
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
(測定条件)
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
<NMR測定>
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行い、[mmmm]、[rrrr]、[rmrm]、[mmrr]、[rmmr]、[mm]、[rr]及び[mr]を求めた。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製、JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
(計算式)
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
さらに、上記の13C−NMRスペクトルの測定結果から、下記式にて1,3−挿入分率、1,4−挿入分率及び2,1−挿入分率を算出した。
(プロピレン系重合体の場合)
1,3−挿入分率=(D/2)/(A+B+C+D)×100(モル%)
2,1−挿入分率={(A+B)/2}/(A+B+C+D)×100(モル%)
A:15〜15.5ppmの積分値
B:17〜18ppmの積分値
C:19.5〜22.5ppmの積分値
D:27.6〜27.8ppmの積分値
(1−ブテン系重合体の場合)
1,4−挿入分率=E/(A+B+C+D+E)×100(モル%)
2,1−挿入分率={(A+B+D)/3}/(A+B+C+D)×100(モル%)
A:29.0〜28.2ppmの積分値
B:35.4〜34.6ppmの積分値
C:38.3〜36.5ppmの積分値
D:43.6〜42.8ppmの積分値
E:31.1ppmの積分値
<昇温分別クロマトグラフ測定>
試料溶液を温度135℃に調節したTREFカラムに導入し、次いで降温速度5℃/時間にて徐々に0℃まで降温し、30分間ホールドし、試料を充填剤に吸着させた。その後、昇温速度40℃/時間にてカラムを135℃まで昇温し、溶出曲線を得た。溶出曲線から、TREFのカラム温度25℃において充填剤に吸着されないで溶出する成分の量(W25)を求めた。
(昇温クロマトグラフィー測定装置)
TREFカラム :シリカゲルカラム(4.6φ×150mm)、ジーエルサイエンス(株)製
フローセル :光路長1mm KBrセル、ジーエルサイエンス(株)製
送液ポンプ :「SSC−3100ポンプ」、(株)センシュー科学製
バルブオーブン :「MODEL554オーブン(高温型)」、ジーエルサイエンス(株)製
TREFオーブン:ジーエルサイエンス(株)製
二系列温調器 :「REX−C100温調器」、理化工業(株)製
検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器、FOXBORO社製、「MIRAN 1A CVF」
10方バルブ :電動バルブ、バルコ社製
ループ :500マイクロリットルループ、バルコ社製
(測定条件)
溶媒 :o−ジクロロベンゼン
試料濃度 :7.5g/L
注入量 :500μl
ポンプ流量 :2.0ml/分
検出波数 :3.41μm
カラム充填剤 :クロモソルブP(30〜60メッシュ)
カラム温度分布:±0.2℃以内
<酸価>
酸価は、JIS K2501:2003に基づいて測定した。
<IR測定>
変性する前のオレフィン系重合体と有機酸とのブレンド物を、0.1mmのスペーサーを用いてプレスしてからIRを測定し、特徴的なカルボニル(1600〜1900cm−1)の吸収量と有機酸の仕込量とから検量線を作成し、酸変性体のプレス板のIR測定を行い、酸変性量を測定した。
IR測定機器:日本分光(株)製、商品名:「FT/IR−5300」
製造例1
(プロピレン単独重合体の製造)
攪拌機付き、内容積0.25m3のステンレス製反応器に、n−ヘプタンを26L/h、トリイソブチルアルミニウムを7.7mmol/h、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド及びトリイソブチルアルミニウムを質量比1:2:20でプロピレンを事前に接触させ得られた触媒成分をジルコニウム換算で3μmol/hrで連続供給した。
反応器内の全圧を1.0MPa・Gに保つようプロピレンと水素を連続供給し、重合温度を70℃で重合した。得られた重合溶液に、酸化防止剤を1000ppmになるように添加し、溶媒を除去することによりプロピレン単独重合体を得た。
得られたプロピレン単独重合体について、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
製造例2
(1−ブテン単独重合体の製造)
攪拌機付き、内容積0.25m3のステンレス製反応器に、n−ヘプタンを26L/h、トリイソブチルアルミニウムを7.7mmol/h、さらに、メチルアルモキサン(トルエン溶液)、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド及びトリイソブチルアルミニウムを質量比1:2:20で1−ブテンを事前に接触させ得られた触媒成分をジルコニウム換算で30μmol/hrで連続供給した。
反応器内の全圧を0.5MPa・Gに保つよう1−ブテンと水素を連続供給し、重合温度を65℃で重合した。得られた重合溶液に、酸化防止剤を1000ppmになるように添加し、溶媒を除去することにより1−ブテン単独重合体を得た。
得られた1−ブテン単独重合体について、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
製造例3
(無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体の製造)
製造例1で得られたプロピレン単独重合体2kg、無水マレイン酸100g及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油(株)製、商品名:「パーヘキサ25B」)20gのブレンド物を、直径20mmの二軸押出機((株)東洋精機製作所製、商品名:「ラボプラストミル2D25W型」)を用いて、樹脂温度180℃で溶融混練し、無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体を得た。
得られた無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体について、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
製造例4
(無水マレイン酸変性1−ブテン単独重合体の製造)
製造例2で得られた1−ブテン単独重合体2kg、無水マレイン酸100g及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油(株)製、商品名:「パーヘキサ25B」)20gのブレンド物を、直径20mmの二軸押出機((株)東洋精機製作所製、商品名:「ラボプラストミル2D25W型」)を用い、樹脂温度180℃で溶融混練し、無水マレイン酸変性1−ブテン単独重合体を得た。
得られた無水マレイン酸変性1−ブテン単独重合体について、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
後述する比較例において、変性ポリプロピレン(Clariant社製、商品名:「LICOCENE MA7452」)を用いた。
実施例1
共重合ポリエチレンテレフタレート((株)ベルポリエステルプロダクツ製、商品名:「IP121B」)52.3g及び製造例3で得られた無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体5.8gを、ラボプラストミルにて240℃にて3分間混練し、樹脂組成物を得た。
実施例2
実施例1において、製造例3で得られた無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体5.8gに代えて、製造例4で得られた無水マレイン酸変性1−ブテン単独重合体5.8gを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
比較例1
実施例1において、製造例3で得られた無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体5.8gに代えて、変性ポリプロピレン(Clariant社製、商品名:「LICOCENE MA7452」)5.8gを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を用いて、溶融温度250℃でプレス機にて10mm×30mm×1mmのプレス板をそれぞれ作製した。その際、加熱後、急冷せずに綿布上で室温まで除冷した。得られたプレス板の断面の中心部及びプレス板の表面について光学顕微鏡にて目視観察し、100μm四方中のドメイン(酸変性オレフィン系重合体)の数を測定し、3か所の測定値を平均した値を算出した。結果を図1に示す。図1は、実施例及び比較例のプレス板におけるドメインの分散状況を示す。
図1から、(b)成分として特定の酸変性オレフィン系重合体を用いた実施例1及び2の樹脂組成物は、比較例1の樹脂組成物に比べて、成形体表面への酸変性オレフィン系重合体の分散量が多く、成形体表面側に酸変性オレフィン系重合体が偏在する傾向にあることがわかる。このことは、本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体に対して結晶化速度の非常に遅い特定の酸変性オレフィン系重合体をブレンドすることで、酸変性オレフィン系重合体が成形品の表面に偏在し、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体の物性を低下させることなく染色性を向上することができ、かつ、ポリプロピレン及びポリエステル等の異種材料との熱接着性にも優れることを示している。
本発明の酸変性オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系重合体、エステル系重合体又はアミド系重合体の物性を低下させることなく染色性を向上することができ、かつ、ポリプロピレン及びポリエステル等の異種材料との熱接着性にも優れる。

Claims (9)

  1. (a)成分:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンから選択される少なくとも一種と、
    (b)成分:下記(1)〜(3)及び(6)を満たす酸変性オレフィン系重合体と、
    を含む酸変性オレフィン系樹脂組成物。
    (1)テトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η]が0.01〜2.5dL/gである。
    (2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm−D)が観測されないかあるいは0〜100℃である。
    (3)示差走査型熱量計(DSC)で測定される半結晶化時間が3分以上、または示差走査型熱量計(DSC)で測定される結晶化ピークが観測されない。
    (6)メソトリアッド分率[mm]が55〜90モル%である。
  2. 前記(a)成分と前記(b)成分との合計量100質量%に対して、前記(b)成分が0.1質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
  3. 前記(b)成分が下記(4)を満たす、請求項1又は2に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
    (4)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gである。
  4. 前記(b)成分が下記(5)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
    (5)酸価が10〜250mgKOH/gである。
  5. 前記(b)成分の50モル%以上が、プロピレンモノマー又は1−ブテンモノマーから選択される少なくとも一種のモノマーで構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
  6. 前記(b)成分が下記(7)及び(8)を満たす、請求項5に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物。
    (7)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%である。
    (8)[rrrr]/(1−[mmmm])が0.1以下である。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物からなる成形体。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物からなる繊維。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の酸変性オレフィン系樹脂組成物からなる不織布。
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