以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本発明の第一実施形態の門柱100は、図1及び図2に示すように、地面に固定され、郵便受け10等の機能ユニット1が内側に取り付けられる取付枠2と、取付枠2の左右方向外側に位置する壁体3とを備える。本明細書では、図1に示す状態を基準として、矢印X1で示す方向を前方とし、その反対側を後方とし、矢印Y1で示す方向を右方とし、その反対側を左方とし、矢印Z1で示す方向を上方とし、その反対側を下方として、各構成について説明する。
本実施形態の門柱100は、壁体3を左右一対有する。左右一対の壁体3はそれぞれ、上下に並ぶ複数のコンクリートブロック30(以下「ブロック30」と記載する)と、各ブロック30間に充填されたモルタル等の目地材31と、上下に隣接するブロック30間に配された横鉄筋とを有する。横鉄筋は、左右方向を長手方向とするものであり、例えば、ブロック30二段毎に、配置される。なお、横鉄筋は、ブロック30三段以上毎に配置されてもよいし、ブロック30一段毎に配置されてもよい。ブロック30は、目地材31によって横鉄筋と一体化される。
左右一対の壁体3は、上下に並ぶ複数のブロック30が、左右方向に2列以上一体に並ぶものであってもよい。この場合、壁体3は、左右に隣接するブロック30間に配される目地材31及び縦鉄筋を更に有する。縦鉄筋は、壁体3に上下方向に亘って位置する。縦鉄筋は、鉄線等を用いて横鉄筋と一体化される。左右に隣接するブロック30は、目地材31によって縦鉄筋と一体化される。
本実施形態の門柱100は、取付枠2及び左右一対の壁体3の上に配される上壁体4を更に備える。上壁体4は、取付枠2上に目地材31を介して積み重ねたブロック30と、左右一対の壁体3上に目地材31を介して積み重ねたブロック30とを有する。取付枠2上のブロック30と左右一対の壁体3上のブロック30とは目地材31を介して一体化されている。つまり、本実施形態の門柱100では、左右一対の壁体3とこれと一体の上壁体4とが、取付枠2を囲む1つの壁を形成している。なお、取付枠2及び左右の壁体3と、上壁体4との間には、左右方向に亘って横鉄筋が配されている。取付枠2と左右の壁体3と上壁体4は、目地材31によってこの横鉄筋と一体化されている。
ブロック30は、例えば、JIS A5406等に規定されているコンクリートブロックである。各ブロック30は、左右の側面のうち一方または両方に凹部32を有し、左右方向の中央部に空洞部33を有する。凹部32と空洞部33は、ブロック30に上下方向に亘っている。凹部32は、左右方向外側と上下方向に開口する。空洞部33は、上下方向に開口する。凹部32と空洞部33はそれぞれ、ブロック30の厚み方向(前後方向)の中央部に位置する。凹部32は、平断面形状が略U字状であり、空洞部33は、平断面形状が略矩形状である。
本実施形態では、ブロック30は、左右の両側面に凹部32を有する基本ブロック300と、左右の側面のうち取付枠2に対向する側面にのみ凹部32を有する隅用ブロック301とで構成される。基本ブロック300は、左右方向に並ぶ3つの空洞部33を有し、隅用ブロック301は、空洞部33を1つ有する。隅用ブロック301の左右幅は、基本ブロック300の左右幅の略半分である。基本ブロック300は、取付枠2上に積み重ねて配されるブロックであり、隅用ブロック301は、取付枠2の左右において積み重ねて配されるブロックである。
本実施形態では、左右一対の壁体3はそれぞれ、6つの隅用ブロック301で形成され、上壁体4は、1つの基本ブロック300とその左右両側に1つずつ配される2つの隅用ブロック301とで形成されている。なお、左右一対の壁体3は、基本ブロック300で形成したものであってもよく、その場合、上壁体4は、基本ブロック300のみで形成される。
左右一対の壁体3と上壁体4の露出面をなす前面や後面や左右方向外側の面には、モルタルや塗料の塗布等の仕上げ施工がなされる。また、上壁体4上には、必要に応じて、かさ木が取り付けられる。
取付枠2は、その内側に、機能ユニット1が設置される設置空間S1を有する。取付枠2は、正面視略矩形状の枠体であり、上枠5と下枠6と左右一対の側枠7とを有する。取付枠2は、例えば、金属製である。取付枠2のサイズは、目地材31を介して積み重ねた複数個のブロック30のサイズに対応している。本実施形態では、取付枠2のサイズは、目地材31を介して上下に積み重ねた6段の基本ブロック300のサイズと略同じである。また、取付枠2のサイズは、例えば、目地材31を介して左右2列上下6段に積み重ねた12個の基本ブロック300のサイズと略同じであってもよい。この場合、上壁体4は、左右に並ぶ2つの基本ブロック300とその左右両側に1つずつ配される2つの隅用ブロック301とで形成される。なお、取付枠2は、上記のサイズに限定されるものではない。
左右一対の側枠7は、上下方向に亘って断面形状が一定である。左右一対の側枠7は、図3Aに示すように、突出部70、スペーサー部71、取付部72、及び受け部73を有する。
突出部70は、取付枠2の左右方向外側に隣接して位置する隅用ブロック301の凹部32に嵌り込む形状に設けられる。突出部70は、左右方向外側に突出するように湾曲した形状を有し、突出部70の左右方向内側に、機能ユニット1に接続される電気配線11を挿通可能な縦筋状のスペースS2を形成する。突出部70は、側枠7の前後方向の中央部に位置する。突出部70の形状は、凹部32の形状に対応しており、本実施形態では、平面視略U字状である。
スペーサー部71は、突出部70の前後に位置する。スペーサー部71は、その左右幅が、左右に隣接するブロック30間に充填される目地材31の左右幅と同じとなるように設けられる。そして、スペーサー部71は、その前後長さが、ブロック30の左右の側面のうち凹部32よりも前側の部位または後側の部位の前後長さと同じとなるように設けられる。本実施形態では、スペーサー部71は、角筒状である。前側のスペーサー部71は、突出部70の前側の左右方向内側の端部から前方に延長して設けられ、後側のスペーサー部71は、突出部70の後側の左右方向内側の端部から後方に延長して設けられる。
取付部72は、突出部70の前側の左右方向内側の端部から後方に突出する前取付部72と、突出部70の後側の左右方向内側の端部から前方に突出する後取付部72とを有する。前後一対の取付部72はそれぞれ、板状である。また、前後一対の取付部72はそれぞれ、図3Bに示すように、左右方向に貫通する取付孔74を有する。取付孔74は、上下方向を長手方向とする長孔であり、各取付部72に複数個ずつ上下に並べて設けられる。前取付部72と後取付部72には、複数の取付孔74が同様の配置で設けられている。本実施形態では、各取付部72は、図3Aに示すように、スペーサー部71よりもやや左右方向外側に位置する。電気配線11を挿通可能な縦筋状のスペースS2は、前後一対の取付部72よりも左右方向外側に位置する。
受け部73は、前後方向外側に開口する半角筒状であり、前後一対のスペーサー部71の前後方向外側の端部と一体の板部730と、板部730の左右の端部から前後方向外側に突出する突片部731とを有する。受け部73には、化粧材8(図5参照)が着脱自在に取り付けられる。
受け部73は、スペーサー部71よりも左右幅が大きく、左右方向内側の端面がスペーサー部71の左右方向内側の端面と面一であり、左右方向外側の端面がスペーサー部71の左右方向外側の端面よりも左右方向外側に位置する。つまり、受け部73は、その一部がスペーサー部71よりも左右方向外側に突出している。
化粧材8は、本実施形態では、前後方向外側に位置する表パーツ80と、その前後方向内側に位置する裏パーツ81とを有する。表パーツ80は、前後方向内側に開口する半角筒状であり、矩形板状の表面化粧部800と、表面化粧部800の左右の端部から前後方向内側に突出する矩形板状の側面化粧部801とを有する。表パーツ80は、表面化粧部800の表面(前後方向外側の面)と左右一対の側面化粧部801の表面(左右方向外側の面)が、任意の柄や色で塗装されている。
裏パーツ81は、前後方向内側に開口する半角筒状であり、表パーツ80よりも一回り小さい。裏パーツ81は、矩形板状の裏片部810と、裏片部810の左右の端部から前後方向内側に突出する矩形板状の側片部811とを有する。化粧材8は、表面化粧部800の裏面(前後方向内側の面)に裏片部810の表面(前後方向外側の面)が溶着や接着等により一体化されている。化粧材8は、側面化粧部801と側片部811との間に、受け部73の突片部731を差し込み可能な差し込み溝82を有する。
左右一対の側枠7の上端部には、図2に示すように、上枠5が一体に設けられる。前後一対のスペーサー部71の上部開口と、突出部70の上部開口とは上枠5により閉塞される。本実施形態では、上枠5は、平板状であり、その左右の端部の前後方向の中央部分が、左右方向外側に突出している。この突出した部分の外形は、平面視にて突出部70の外形と同じである。なお、上枠5は、平面視矩形板状であってもよく、その場合、上枠5の左右幅は、左右の側枠7の突出部70の先端間の距離と同じかそれよりも長い。
左右一対の側枠7の下端部には、下枠6が一体に設けられる。前後一対のスペーサー部71の下部開口と、突出部70の下部開口とは下枠6により閉塞される。本実施形態では、下枠6は、上枠5と同形状の平板であり、その左右の端部の前後方向の中央部分が左右方向外側に突出している。なお、下枠6は、平面視矩形板状であってもよく、その場合、下枠6の左右幅は、左右の側枠7の突出部70の先端間の距離と同じかそれよりも長い。
下枠6は、電気配線11が挿通される1つの導入孔60と、後述する固定部材20から上方に突出した凸部201が挿通される複数の挿通孔61とを有する。導入孔60と挿通孔61はそれぞれ、下枠6を上下方向に貫通する孔である。電気配線11は、導入孔60を通じて地中から取付枠2内へと導入される。下枠6における導入孔60の形成位置は、特に限定されないが、例えば、下枠6のうち左右の端部の左右方向外側に突出した部位であってもよい。この場合、電気配線11は、地中からスペースS2へと直接導入することができる。挿通孔61は、下枠6のうち各スペーサー部71の左右方向内側に隣接する箇所に1つずつ配置される。
本実施形態の門柱100は、取付枠2を地面に対して固定するための固定部材20を更に備える。固定部材20は、板状のベース部200と、ベース部200から上方に突出した複数の凸部201とを有する。凸部201は、円柱状であり、外周面にねじ山が形成されている。各凸部201には、ナット202がねじ締めされる。ベース部200における複数の凸部201の配置は、下枠6における複数の挿通孔61の配置と同じである。固定部材20は、ベース部200を地中に埋め、各凸部201を地面から上方に突出させた状態で用いられる。
本実施形態の門柱100は、スペースS2の左右方向内側の開口の一部を塞ぐように側枠7に固定される取付部材9を更に備える。取付部材9は、例えば、金属板をプレス加工する等して形成される。
取付部材9は、図4A及び図4Bに示すように、略矩形板状であり、上下方向の中央部が左右方向内側に突出するように半角筒状に折れ曲がっている。この半角筒状に折れ曲がった部分が、機能ユニット1が取り付けられる装着部90である。取付部材9は、装着部90よりも上側に、側枠7の取付部72に当てた状態で固定される固定部91を有する。また、取付部材9は、装着部90よりも下側に、取付部72に当てて設置される当て部92を有する。固定部91と装着部90と当て部92とはこの順に連続している。
固定部91は、その前後の端部にそれぞれ、左右方向に貫通する固定孔93を有する。各固定孔93は、上下方向に長い長孔であり、その前後幅は、取付部72の取付孔74の前後幅と略同じである。前後一対の固定孔93は、前後の取付部72の取付孔74間の前後距離と同じだけ前後方向に離れている。
取付部材9は、固定部91及び当て部92を前後一対の取付部72に当てた状態で、固定部91の前後一対の固定孔93と前後一対の取付部72の取付孔74に、ボルト・ナット等の固定具を挿通させてねじ締めすることによって、側枠7に固定される。
装着部90は、例えば、少なくとも左右方向内側に開口するねじ孔を有する。なお、ねじ孔は、装着部90を左右方向に貫通する孔であってもよい。ねじ孔は、装着部90のうち、前後の端部を除いた部分に位置する。つまり、ねじ孔は、装着部90のうち、側面視にて前後一対の取付部72に重ならない部位に位置する。機能ユニット1は、例えば、その内側からねじ等の固定具を打ち込み、装着部90のねじ孔に対してねじ締めすることによって、取付部材9に固定される。なお、装着部90は、ねじ孔を有していなくてもよく、その場合には、取付部材9は、ドリルねじ等の固着具によって装着部90に固定される。
側枠7には、必要に応じて、複数の取付部材9が取り付けられる。複数の取付部材9は、同じ上下長さのものであってもよいし、取り付けられる機能ユニット1の上下長さにそれぞれ対応したものであってもよい。
機能ユニット1は、本実施形態では、図1及び図2に示すように、表札12と表札12を照らす照明装置13とを一体に設けた表札照明ユニット14と、郵便受け10である。なお、機能ユニット1は、インターホン、電気自動車の充電装置、宅配便を受け取るロッカー、食材等を受け渡しする保温・保冷ロッカー等であってもよい。取付枠2内に設置される機能ユニット1の数や種類は、設置空間S1内に収まる範囲で、適宜選択可能である。
郵便受け10は、本実施形態では、前面に投函口を有し後面に取出し口を有する箱状の収納部101と、収納部101の前面に投函口を囲むように取り付けられた口枠102と、取出し口を開閉する蓋とを含む。
本実施形態の門柱100は、図1及び図5に示すように、取付枠2の内側の設置空間S1を前方から覆うように取り付けられる前カバー21と、この設置空間S1を後方から覆うように取り付けられる後カバー22とを更に備える。前カバー21は、本実施形態では、設置空間S1のうち、郵便受け10の口枠102よりも下方の領域全体を前方から覆う。前カバー21は、左右の端部にぞれぞれ後方に突出するリブ23を有する。前カバー21は、左右のリブ23を前側のスペーサー部71に押し当てる等して、取付枠2に対して着脱自在に設置される。また、後カバー22は、本実施形態では、設置空間S1のうち、郵便受け10の収納部101よりも下方の領域全体を後方から覆う。後カバー22は、左右の端部にそれぞれ前方に突出するリブ24を有する。後カバー22は、左右のリブ24を後側のスペーサー部71に押し当てる等して、取付枠2に対して着脱自在に設置される。
続いて、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100の施工手順の一例について説明する。
まず、固定部材20のベース部200を地中に埋め、各凸部201を地面から上方に突出させる。次いで、各凸部201が下枠6の各挿通孔61を挿通するように、下枠6を地面に載置し、各凸部201にナット202を取り付けて、取付枠2を地面に固定する。このとき、地中から引き出された電気配線11を、下枠6の導入孔60を通じて取付枠2内に導入する。
次いで、取付枠2の左右両側においてそれぞれ、6つの隅用ブロック301を目地材31を介して上下に積み重ねて壁体3を形成する。このとき、取付枠2の側枠7の突出部70が、各隅用ブロック301の凹部32に嵌り込むように、各隅用ブロック301を配置する。なお、このとき、側枠7と各隅用ブロック301との間に接着ウレタン等の樹脂剤を充填して、側枠7と壁体3とを一体化させるようにしてもよい。壁体3の形成の際、例えば、2段目と3段目の隅用ブロック301の間と、4段目と5段目の隅用ブロック301の間に、横鉄筋を配置し、横鉄筋とその上下の隅用ブロック301とを目地材31を介して一体化させて、壁体3を補強する。
次いで、取付枠2上に目地材31を介して基本ブロック300を積み重ね、左右一対の壁体3上に目地材31を介して隅用ブロック301を積み重ねる。そして、基本ブロック300とその左右の隅用ブロック301との間に目地材31を充填して一体化させ、上壁体4を形成する。このとき、取付枠2と基本ブロック300の間と、左右一対の壁体3の最上部の隅用ブロック301とその上の隅用ブロック301との間には、左右方向に亘って横鉄筋を配置し、目地材31を介して一体化させて、門柱100を補強する。
以上のように、左右一対の壁体3と上壁体4とを、取付枠2に対して周囲を囲むように一体に設置することで、機能ユニット1を取り付け可能な門柱100が形成される。
次いで、取付枠2の左右の側枠7に、各機能ユニット1の設置位置に合わせて、取付部材9を取り付ける。このとき、側枠7の前後一対の取付部72に、取付部材9の固定部91と当て部92を当て、取付部72の取付孔74と固定部91の固定孔93とにボルトナット等の固定具を挿通させてねじ締めし、側枠7に取付部材9を取り付ける。ここで、取付孔74と固定孔93はいずれも上下に長い長孔であるため、取付部材9は、傾きを微調整しやすく、側枠7に水平に取り付けやすくなっている。
次いで、左右の側枠7にそれぞれ固定された左右一対の取付部材9の装着部90の間に、機能ユニット1を配置し、機能ユニット1の内側からねじ等の固定具を打ち込んで装着部90のねじ孔に対してねじ締めし、取付部材9に機能ユニット1を固定する。
次いで、地中から取付枠2内に導入した電気配線11を、機能ユニット1に接続する。
上記の方法で、取付枠2内に、表札照明ユニット14と郵便受け10をこの順に取り付ける。
次いで、取付枠2のうち郵便受け10の口枠102よりも下方の部位に、前方から前カバー21を取り付ける。このとき、前カバー21の左右の端部から後方に突出するリブ23を、左右の側枠7の前側のスペーサー部71の左右方向内側の面に押し当てる等して、前カバー21を取付枠2に対して着脱自在に取り付ける。なお、前カバー21のリブ23に左右方向内側からねじ等の固定具を打ち付けて、前側のスペーサー部71に固定することで、前カバー21を取付枠2に対して固定するようにしてもよい。この場合、ねじ等の固定具を取り外すことで、前カバー21は取付枠2から取り外すことができる。
次いで、取付枠2のうち郵便受け10の収納部101よりも下方の部位に、後方から後カバー22を取り付ける。このとき、後カバー22の左右の端部から前方に突出するリブ24を、左右の側枠7の後側のスペーサー部71の左右方向内側の面に押し当てる等して、後カバー22を取付枠2に対して着脱自在に取り付ける。
次いで、左右の壁体3及び上壁体4の露出面となる前後左右の面と、前カバー21の前面とに、後カバー22の後面とに、仕上げのためのモルタルや塗料を塗布する。なお、左右の壁体3及び上壁体4には、機能ユニット1を取付枠2に取り付ける前に、仕上げのためのモルタルや塗料の塗布を行ってもよい。
次いで、取付枠2の左右の側枠7の受け部73に、化粧材8を取り付ける。なお、化粧材8の取付は、機能ユニット1を取付枠2に取り付ける前に、行ってもよい。
以上のような手順で施工することで、図1及び図5に示す機能ユニット1付きの門柱100が形成される。
本実施形態の門柱100では、機能ユニット1が取付枠2内に設置されるものとなっており、機能ユニット1が周囲のブロック30に対してモルタル等で固定されないため、機能ユニット1の交換や増設を簡単に行うことができる。
また、本実施形態の門柱100では、取付枠2が地面に固定されており、取付枠2の左右の壁体3の各凹部32に、取付枠2の左右の側枠7の突出部70が嵌り込んでいる。そのため、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、取付枠2と左右の壁体3との間に鉄筋を通さなくても、取付枠2によって左右の壁体3を補強することができ、縦鉄筋の設置数を減らすことができて、施工のしやすいものとなっている。
また、本実施形態の門柱100では、突出部70を、左右方向外側に突出するように湾曲した形状とし、突出部70の左右方向内側に、機能ユニット1に接続される電気配線11を挿通可能な縦溝状のスペースS2を形成している。そのため、本実施形態の門柱100では、取付枠2とその内側に配される機能ユニット1との間に、電気配線11を挿通するためのスペースS2を確保することができ、機能ユニット1の取付の際に、電気配線11が邪魔になることを抑制できる。
また、本実施形態の門柱100では、側枠7のうち、突出部70のある箇所にも取付部材9を介して機能ユニット1を取り付けることができ、機能ユニット1の取付位置の自由度の高いものとなっている。
続いて、本実施形態の門柱100が備える他の取付部材109について説明する。以下では、図6A及び図6Bに示す取付部材109について、上述した取付部材9と同じ構成については図中に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
取付部材109は、装着部90の左右方向内側に、機能ユニット1を支持する支持部94が設けられている。支持部94は、正面視L字状であり、装着部90に沿わせて配される縦板部940と、縦板部940の下端から左右方向内側に突出する横板部941とを有する。支持部94は、縦板部940が溶接等により装着部90に固定されて装着部90と一体に設けられる。装着部90は、機能ユニット1を固定するねじ等の固定が打ち込まれるねじ孔を有し、縦板部940は、側面視にて装着部90のねじ孔に重なる位置に、連通孔を有する。
取付部材109は、左右の側枠7にそれぞれ固定した状態で、左右一対の横板部941によって機能ユニット1を設置位置に支持することができる。そのため、取付部材109を備える門柱100では、機能ユニット1を設置位置に支持した状態で、固定具を用いて機能ユニット1を取付部材109へ固定することができ、機能ユニット1の取付がしやすくなっている。
続いて、本実施形態の門柱100が備える更に他の取付部材119について説明する。以下では、図7A及び図7Bに示す取付部材119について、上述した取付部材9と同じ構成については図中に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
取付部材119は、装着部90の左右方向内側に、機能ユニット1を支持する支え部95が設けられている。支え部95は、取付部材119の一部を、左右方向内側に突出するように切り起こすことによって形成される。図に示す例では、支え部95は、装着部90の下端部と当て部92の上端部のうちの前後方向の中央部分を、左右方向内側に切り起こすことによって形成される。取付部材119のうち支え部95の下方の部位には、左右方向に貫通する貫通孔96が形成される。
取付部材119は、左右の側枠7にそれぞれ固定した状態で、左右一対の支え部95によって機能ユニット1を設置位置に支持することができる。そのため、取付部材119を備える門柱100では、機能ユニット1を設置位置に支持した状態で、固定具を用いて機能ユニット1を取付部材119へ固定することができ、機能ユニット1の取付がしやすくなっている。また、取付部材119を備える門柱100では、取付部材119に形成された貫通孔96を通じて、スペースS2に挿通された電気配線11を引き出すことも可能となる。
続いて、図8A及び図8Bに示す本発明の第二実施形態の門柱100について説明する。なお、上述した第一実施形態の門柱100と同じ構成については図中に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
本実施形態の門柱100では、側枠7が、前側に位置する第一パーツ75とその後側に位置する第二パーツ76とに分割可能なものとなっている。本実施形態では、側枠7の前側のスペーサー部71が、第一前スペーサー部710と、その後方に位置する第二前スペーサー部711とに分割されている。第一前スペーサー部710と第二前スペーサー部711はいずれも角筒状である。
第一パーツ75は、第一前スペーサー部710と、前側の受け部73とで構成される。そして、第二パーツ76は、第二前スペーサー部711と、突出部70と、前後一対の取付部72と、後側のスペーサー部71と、後側の受け部73とで構成される。第二パーツ76は、上枠5及び下枠6に対して一体に設けられており、第一パーツ75は、上枠5及び下枠6に対して別体に設けられている。
本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100は、第一パーツ75と第二パーツ76の両方を用いることで、図5に示す構造と同様の構造とすることができ、第二パーツ76のみを用いることで、図8Bに示す構造とすることができる。
図8Bに示す本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100は、前カバー21に代えて、前閉塞部材を備える。前閉塞部材は、固定台27、下地材28、及び化粧下地材29を有する。固定台27と下地材28と化粧下地材29は一体に設けられている。
固定台27は、板状の台部270と、台部270の左右の端部からそれぞれ前後方向内側(本実施形態では後方)に突出したリブ271とを有する。固定台27は、左右のリブ271を第二前スペーサー部711に押し当てる等して、左右の側枠7に着脱自在に取り付けられる。固定台27は、例えば、金属製である。
下地材28は、台部270に前後方向内側の面(本実施形態では後面)を当てた状態で、接着やねじ固定によって固定台27に取り付けられている。下地材28は、その左右幅が、固定台27の左右幅よりも長く、取付枠2の左右に並ぶ隅用ブロック301間の左右長さと略同じである。下地材28は、例えば、木質板である。
化粧下地材29は、例えば、ラス網である。化粧下地材29は、タッカー等により、下地材28の表面(前面)に固定されている。
図8Bに示す本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、郵便受け10は、収納部101の前面が第二前スペーサー部711の前面に対して略面一となるように、取付部材9に取り付けられる。そして、前閉塞部材は、その前面(つまり、化粧下地材29の前面)が取付枠2の左右に隣接する隅用ブロック301の前面と略面一となるように、第二前スペーサー部711に取り付けられる。そして、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、左右一対の壁体3の前面と、前閉塞部材の前面とに、モルタルや化粧用の塗料が塗布される。
したがって、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、その前面に前方に突出する化粧材8を有さないため、前面をフラットな外観とすることができる。
続いて、図9A及び図9Bに示す本発明の第三実施形態の門柱100について説明する。なお、上述した第二実施形態の門柱100と同じ構成については図中に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
本実施形態の門柱100では、第二パーツ76が、前側に位置する第二前パーツ77と、その後方に位置する第二後パーツ78とに分割可能なものとなっている。本実施形態では、側枠7の後側のスペーサー部71が、第一後スペーサー部712と、その後方に位置する第二後スペーサー部713とに分割されている。第一後スペーサー部712と第二後スペーサー部713はいずれも角筒状である。
第二前パーツ77は、第二前スペーサー部711と、突出部70と、前後一対の取付部72と、第一後スペーサー部712とで構成される。第二後パーツ78は、第二後スペーサー部713と、後側の受け部73とで構成される。第二前パーツ77は、上枠5及び下枠6に対して一体に設けられており、第二後パーツ78は、第一パーツ75と同様に、上枠5及び下枠6に対して別体に設けられている。
本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100は、第一パーツ75と第二前パーツ77と第二後パーツ78の全てを用いることで、図5に示す構造と同様の構造とすることができる。また、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100は、第二前パーツ77と第二後パーツ78のみを用いることで、図8Bに示す構造と同様の構造とすることができる。そして、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100は、第二前パーツ77のみを用いることで、図9Bに示す構造とすることができる。
図9Bに示す本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100は、後カバー22に代えて、後閉塞部材を備える。後閉塞部材は、前閉塞部材と同様の構造であり、固定台27、下地材28、及び化粧下地材29を一体に有する。
図9Bに示す本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、後閉塞部材の後面(つまり後閉塞部材の化粧下地材29の後面)が、取付枠2の左右に隣接する隅用ブロック301の後面と略面一となるように、第一後スペーサー部712に対して取り付けられる。そして、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、左右一対の壁体3の後面と、後閉塞部材の後面とに、モルタルや化粧用の塗料が塗布される。
したがって、本実施形態の機能ユニット1付きの門柱100では、その前面と後面の両方に化粧材8を有さないため、前面と後面の両方をフラットな外観とすることができる。
以上まとめると、本発明の実施形態の門柱100は、上述した第一乃至第三実施形態の門柱100のように、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の実施形態の門柱100は、機能ユニット1が取り付けられる取付枠2と、取付枠2の左右方向外側に位置し、複数のコンクリートブロック30を上下に積み重ねて形成した壁体3とを備える。取付枠2は、地面に対して固定された状態で設置される左右一対の側枠7を有し、左右一対の側枠7の間に機能ユニット1が取り付けられる。複数のコンクリートブロック30はそれぞれ、取付枠2に対向する側面に凹部32を有する。側枠7は、凹部32に嵌まり込む突出部70を有する。
以上のような構成とすることで、本発明の実施形態の門柱100は、郵便受け10等の機能ユニット1を取付枠2内に設置することができ、機能ユニット1が周囲のコンクリートブロック30に対してモルタル等で固定されず、交換や増設を簡単に行うことができる。
また、本発明の実施形態の門柱100では、地面に固定された取付枠2の側枠7から突出する突出部70がコンクリートブロック30の凹部32に嵌り込むため、取付枠2とコンクリートブロック30との間に縦鉄筋を別途設置する必要がない。そのため、本発明の実施形態の門柱100は、縦鉄筋の設置数を少なくできて、施工性が良い。
また、本発明の実施形態の門柱100は、上述した第一乃至第三実施形態の門柱100のように、上記の構成に加えて、更に下記の構成を有することを特徴とする。なお、下記の構成は、付加的な構成である。
すなわち、本発明の実施形態の門柱100は、突出部70が、左右方向外側に突出するように湾曲した形状を有し、突出部70の左右方向内側に、機能ユニット1に接続される電気配線11を挿通可能な縦溝状のスペースS2を形成する。
以上のような構成とすることで、本発明の実施形態の門柱100は、突出部70の左右方向内側に形成されるスペースS2を、機能ユニット1に接続される電気配線11を挿通するためのスペースとして有効に活用することができて、施工性が良い。
また、本発明の実施形態の門柱100は、上述した第一乃至第三実施形態の門柱100のように、上記の構成に加えて、更に下記の構成を有することを特徴とする。なお、下記の構成は、付加的な構成である。
すなわち、本発明の実施形態の門柱100は、スペースS2の開口の一部を塞ぐように側枠7に固定される取付部材9を更に備え、取付部材9に、機能ユニット1が取り付けられる。
以上のような構成とすることで、本発明の実施形態の門柱100は、側枠7のうち、突出部70のある箇所に取付部材9を介して機能ユニット1を取り付けることができ、機能ユニット1の取付位置の自由度の高いものとなっている。
なお、上述した各実施形態の門柱100では、側枠7に取り付けた取付部材9に機能ユニット1を取り付ける例について説明したが、機能ユニット1は側枠7にねじ等の固定具で直接固定してもよい。この場合、門柱100は、取付部材9を備えなくてもよい。
また、上述した各実施形態の門柱100では、突出部70として、左右方向内側にスペースS2を形成するものを例として説明したが、突出部70は、左右方向内側にスペースS2を形成しないものであってもよい。つまり、突出部70は、平断面略半円状の中実や中空のものであってもよい。この場合でも、門柱100は、突出部70がコンクリートブロック30の凹部32に嵌り込むため、縦鉄筋の設置数を少なくできて、施工性が良い。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。