以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤YBへ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDが配設されている。遊技盤YBの中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、画像による各種の表示演出が行われる。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の音を出力し、音声演出を行う出力手段としてのスピーカSpが設けられている。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、を含む。
第1始動口12は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において第1始動口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図4に示す始動センサSC1)が配設されている。
第2始動口13は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において第2始動口13は、第1始動口12の下方に位置している。第2始動口13は、所定条件の成立時(普通図柄の当選時)に開閉羽根(普通電動役物)15が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。一方、第2始動口13は、開閉羽根15が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができない、若しくは入球し難いように閉鎖される。開閉羽根15は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて動作する。本実施形態において開閉羽根15を動作させるアクチュエータは、図4に示す普通電動役物ソレノイドSOL1である。また、第2始動口13の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図4に示す始動センサSC2)が配設されている。
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において大入賞口14は、第2始動口13の下方に位置している。大入賞口14は、当り抽選に当選した場合に大入賞口扉16が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができるように開放される。一方、大入賞口14は、大入賞口扉16が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができないように閉鎖される。大入賞口扉16は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて動作する。本実施形態において大入賞口扉16を動作させるアクチュエータは図4に示す大入賞ソレノイドSOL2である。また、大入賞口14の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図4に示すカウントセンサCS)が配設されている。
また、遊技盤YBには、作動ゲート17が配設されている。本実施形態において作動ゲート17は、演出表示装置11の左方に位置している。作動ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aが開口されている。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するセンサ(図4に示すゲートセンサGS)が配設されている。作動ゲート17のゲート口17aは、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。第2始動口13の開閉羽根15は、作動ゲート17へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選に当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄変動ゲームで導出された後、閉状態から開状態へ動作する。
また、遊技盤YBには、特別図柄表示装置18、保留表示装置19、普通図柄表示装置20が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。具体的に、本実施形態では、作動ゲート17の下方に配設されている。
特別図柄表示装置18は、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを行い、当該図柄変動ゲームにおいて当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。第1始動口12や第2始動口13に遊技球が入球し、検知された場合は、その入球を契機に特別図柄を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立する。また、始動条件が成立した場合には、当り抽選の抽選結果を導出するために特別図柄表示装置18で図柄変動ゲームが行われるとともに、当該図柄変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する図柄変動ゲームが演出表示装置11においても飾り図柄を用いて行われる。
保留表示装置19は、実行が保留されている特別図柄を用いた図柄変動ゲームの数(始動保留数)を表示する。普通図柄表示装置20は普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
そして、図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、該パチンコ遊技機10の本体内部に、音量の段階を設定する操作が可能な音量設定器21を備えている。パチンコ遊技機10は、図1に示すように、施錠装置22により施錠されており、施錠装置22を解除しなければ本体内部にアクセスできないように構成されている。この施錠装置22を解錠するための鍵は、遊技場の管理者などによって管理されており、遊技者は音量設定器21を操作することはできない。なお、音量設定器21を設置する本体内部は、施錠装置22を解除し、パチンコ遊技機10を構成する枠体(前枠や中枠)を開閉させることによって操作可能な位置であり、例えば前枠を開放させた時にアクセス可能な遊技盤YBの盤面や、中枠を開放させた時にアクセス可能な機裏側などである。前枠は、遊技盤YBの前面に位置する枠体であり、中枠は遊技盤YBや各種制御基板などの遊技機構成部材を搭載した枠体である。
本実施形態の音量設定器21は、パチンコ遊技機10の出力音のうち、図柄変動ゲームや大当り遊技の進行に伴って出力される演出音全体の音量の段階を設定する操作が可能に構成されている。つまり、音量設定器21は、後述する複数の音のカテゴリについて、音量の段階を一括して設定する操作が可能に構成されている。なお、本実施形態の音量設定器21は、演出音全体の音量の段階を設定するための専用の設定器である。
本実施形態の音量設定器21は、ダイアル式の音量設定器であり、1〜5までの5段階で音量の段階を設定する操作が可能に構成されている。また、音量設定器21の周辺(本実施形態では、音量設定器21の上方)には、音量設定器21により設定された音量の段階を指し示す設定指示部23が配置されている。本実施形態の設定指示部23は、矢印を模した装飾が施された部材である。そして、音量設定器21は、1〜5の目盛を施したダイアル(つまみ)を回転操作し、所望の段階を示す目盛の位置を設定指示部23の矢印に合わせることによって音量の段階を指示できるように構成されている。本実施形態では、大きい段階数(目盛)ほど音量は大きくなる。なお、本実施形態の音量設定器21は、1〜5の目盛の何れかが設定指示部23の矢印と合う位置に停止可能である一方で、1〜5の目盛の何れも設定指示部23の矢印と合わない位置には停止しないように構成されている。
また、図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、該パチンコ遊技機10の前面側に、複数の音量調整器24a〜24dを備えている。本実施形態において、各音量調整器24a〜24dは、何れも遊技者側に開放された位置、より詳しくは、遊技球を貯留する貯留皿(上皿)25の前面に配置されている。即ち、各音量調整器24a〜24dは、例えば遊技者などにより常時操作可能な位置に配設されている。各音量調整器24a〜24dは、音量設定器21により設定された音量の段階をもとに音量を調整する操作が可能に構成されている。本実施形態において、各音量調整器24a〜24dは、何れも音量を調整する操作が可能な音量調整手段に相当する。
図3に示すように、各音量調整器24a〜24dは、それぞれ調整可能な音のカテゴリが異ならされている。即ち、本実施形態において、音量調整器は、音のカテゴリ別に複数設けられている。音のカテゴリとしては、「BGM」と、「SE」と、「VOICE」と、「GIMIC」と、がある。BGMは背景音楽であり、例えば図柄変動ゲームや大当り遊技で流れている音楽である。SEは効果音(音響効果)であり、例えば図柄変動ゲームの進行過程において演出の一環として付け加えられる音(例えば銃撃音、打撃音など)である。VOICEは音声であり、例えば図柄変動ゲームの進行過程で登場する人物が発する声である。GIMICはパチンコ遊技機10に備えられている可動体の動作に連動する音である。
第1音量調整器24aは、BGMの音量を調整する操作が可能な音量調整器である。また、第2音量調整器24bは、SEの音量を調整する操作が可能な音量調整器であり、第3音量調整器24cは、VOICEの音量を調整する操作が可能な音量調整器であり、第4音量調整器24dは、GIMICの音量を調整する操作が可能な音量調整器である。なお、本実施形態において、各音量調整器24a〜24dは、何れも、対応するカテゴリの音量を調整するための専用の調整器である。
本実施形態の各音量調整器24a〜24dは、何れもダイアル式の音量調整器であり、1〜5までの5段階で音量を調整する操作が可能に構成されている。また、第1音量調整器24aの周辺(本実施形態では、第1音量調整器24aの上方)には、第1音量調整器24aにより調整された音量の段階を指し示す第1調整指示部26aが配置されている。同様に、第2音量調整器24bの周辺(本実施形態では、第2音量調整器24bの上方)には、第2音量調整器24bにより調整された音量の段階を指し示す第2調整指示部26bが配置されている。また、第3音量調整器24cの周辺(本実施形態では、第3音量調整器24cの上方)には、第3音量調整器24cにより調整された音量の段階を指し示す第3調整指示部26cが配置されている。さらに、第4音量調整器24dの周辺(本実施形態では、第4音量調整器24dの上方)には、第4音量調整器24dにより調整された音量の段階を指し示す第4調整指示部26dが配置されている。即ち、各調整指示部26a〜26dは、何れも、パチンコ遊技機10の前面側に設けられている。つまり、各調整指示部26a〜26dは、何れも、遊技者から常時視認可能な位置に配置されている。
本実施形態の各調整指示部26a〜26dは、何れも、矢印を模した装飾が施された部材である。そして、各音量調整器24a〜24dは、1〜5の目盛を施したダイアル(つまみ)を回転操作し、所望の段階を示す目盛の位置を、各音量調整器24a〜24dに対応する調整指示部26a〜26dの矢印に合わせることによって音量の調整を指示できるように構成されている。本実施形態では、大きい段階数(目盛)ほど音量は大きくなる。なお、本実施形態の各音量調整器24a〜24dは、1〜5の目盛の何れかが各調整指示部26a〜26dの矢印と合う位置に停止可能である一方で、1〜5の目盛の何れも各調整指示部26a〜26dの矢印と合わない位置には停止しないように構成されている。本実施形態において、各調整指示部26a〜26dは、何れも、音量調整器の操作によって調整(設定)された音量を特定可能となるように指し示す音量指示部に相当する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10には、主制御基板30、副制御基板31、電源基板32を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。主制御基板30には、各種センサSC1,SC2,CS,GS、各種表示装置(特別図柄表示装置18など)及び各種アクチュエータ(普通電動役物ソレノイドSOL1など)が接続されている。
主制御基板30は、各種センサSC1,SC2,CS,GSからの遊技球の検知信号をもとに入力処理を行う。
主制御用CPU30aは、始動センサSC1,SC2からの検知信号を入力した場合の入力処理において、特別図柄を用いた図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。そして、主制御用CPU30aは、入力処理で記憶した保留をもとに特別図柄を用いた図柄変動ゲームを開始させる変動開始処理を行う。変動開始処理において主制御用CPU30aは、当り抽選の抽選結果をもとに図柄変動ゲームの変動時間を特定可能な変動パターンを選択し、その変動パターンを指定する制御信号(制御コマンド)を副制御基板31に出力する。変動パターンには、当り抽選に当選した場合に選択する当り演出用の変動パターンと、当り抽選に当選しなかった場合に選択するはずれ演出用の変動パターン(はずれリーチありの変動パターンを含む)と、がある。
また、主制御用CPU30aは、カウントセンサCSからの検知信号を入力した場合の入力処理において、所定個数の賞球を払出すための処理を行う。また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の入力処理において、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。
副制御基板31は、主制御基板30から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30から送信される情報をもとに当該情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを開始させる場合、特別図柄表示装置18の表示内容の制御に加えて、図柄変動ゲームの開始を指示する情報を副制御用CPU31aに送信する。当該情報を受けた副制御用CPU31aは、演出表示装置11において飾り図柄を用いた図柄変動ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、飾り図柄を用いた図柄変動ゲームの開始に伴い、当該図柄変動ゲームに付随する発光演出や音声演出を行わせるように装飾ランプLaの発光態様やスピーカSpの音の出力態様を制御する。
電源基板32は、電源回路32aと、電源断監視回路32bと、リセット信号回路32cと、を有する。
電源回路32aは、遊技場の主電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1(例えば、DC30V))に変換するとともに、その変換後の電源電圧を主制御基板30や副制御基板31などの各制御基板へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。各制御基板(主制御基板30や副制御基板31など)には、電源回路32aを通じて動作に必要な電源電圧(V2)が供給されている。
電源断監視回路32bは、パチンコ遊技機10への電力供給に異常があるかを監視する。具体的に言えば、電源断監視回路32bは、電源回路32aから供給される電源電圧(V1)が所定電圧(V0(例えば、DC20V))に降下したかを監視する。電源断監視回路32bは、電源電圧(V1)が所定電圧(V0)に降下した場合、電源断信号を出力する。電源断信号は、バックアップ処理を実行する制御基板(例えば、主制御基板30)やリセット信号回路32cに入力される。所定電圧(V0)は、パチンコ遊技機10を動作させるために最低限必要な電圧に設定されている。なお、電源電圧(V1)が所定電圧(V0)に降下する場合には、例えば遊技場の主電源を遮断した場合、パチンコ遊技機10が備える電源スイッチをOFFに操作した場合、停電などの外的要因によってパチンコ遊技機10への電力供給が停止した場合などがある。
リセット信号回路32cは、リセット信号を生成する。リセット信号は、主制御基板30や副制御基板31などのマイクロコンピュータを搭載し、電気部品を制御する基板に入力される。リセット信号は、第1状態(例えばハイレベル)と第2状態(例えばローレベル)の2値の状態を取り得る信号とされている。そして、リセット信号が入力される制御基板(マイクロコンピュータ)は、例えば第1状態のリセット信号が入力されている間は動作停止の状態(動作が規制されている状態)となり、リセット信号が第1状態から第2状態へ遷移することで動作可能な状態になる。
電源基板32は、バックアップ用電源32dを有する。バックアップ用電源32dは、例えば電気二重層コンデンサである。本実施形態のパチンコ遊技機10においてバックアップ用電源32dの電力は、パチンコ遊技機10への電力供給が停止された場合に、主制御基板30の主制御用RAM30cに供給される。これにより、主制御用RAM30cは、パチンコ遊技機10への電力供給が停止された場合でも遊技制御に関する情報を所定期間保持することができる。なお、遊技に関する情報には、特別図柄を用いた図柄変動ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報を含む。
また、電源基板32は、RAMクリアスイッチ回路32eを有し、そのRAMクリアスイッチ回路32eにはRAMクリアスイッチ32fが接続されている。RAMクリアスイッチ32fは、主制御基板30の主制御用RAM30cの記憶内容をクリアすることを指示する場合に操作されるスイッチである。そして、RAMクリアスイッチ32fが操作された状態でパチンコ遊技機10に電力供給がなされると、RAMクリアスイッチ回路32eからは初期化信号が出力される。本実施形態において初期化信号は、主制御基板30の主制御用CPU30aに入力される。なお、RAMクリアスイッチ32fは、機内部や機裏側など、遊技者が操作不能な位置に配置されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10においてエラーが発生しているエラー状態を検知し、エラー報知を行う機能を有する。エラー状態は、パチンコ遊技機10の制御状態の1つである。
本実施形態におけるエラー状態には、RAMクリア、主制御基板エラー、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラー、扉開放、満杯エラー、賞球エラーなどがある。これらのエラー状態は一例であり、パチンコ遊技機10は、仕様(スペック)に応じて様々なエラー状態を検知する機能を搭載している。
RAMクリアは、主制御用RAM30cの記憶内容が初期化される状態である。主制御基板エラーは、ハードウェア乱数の更新に異常が生じた状態である。磁気エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された磁気センサによって所定の強さ以上の磁気が検知された状態である。誘導磁界検知エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された誘導磁界検知センサ(電波センサ)によって特定の周波数帯の電波が検知された状態である。大入賞口不正入賞エラーは、大当り遊技が生起されていないとき(特別電動役物装置の未作動時)に、大入賞口への入賞が検知された状態である。普通電動役物不正入賞エラーは、普通電動役物装置の未作動時に第2始動口13への入賞が検知された状態である。扉開放は、パチンコ遊技機10の枠(前枠や中枠)が開放された状態である。満杯エラーは、貯留皿(下皿)が満杯の状態である。賞球エラーは、パチンコ遊技機10の内部に配置されている球通路に、払出すべき遊技球が存在しない状態である。
これらのエラー状態が生じた場合、主制御用CPU30aは、エラー状態を特定可能な制御情報(エラーコマンド)を生成する。そして、副制御用CPU31aには、主制御用CPU30aによって生成されたエラーコマンドが入力される。
副制御用CPU31aは、エラーコマンドを入力した場合、そのエラーコマンドから特定されるエラー状態に応じて、エラー報知を行わせる。エラー報知の態様はエラー状態の種類に応じて異なるが、演出表示装置11にエラー状態が発生した旨を画像表示させたり、スピーカSpからエラー報知音を出力させたりして行われる。即ち、副制御用CPU31aは、エラー状態においては、スピーカSpから、エラー状態を報知するためのエラー報知音を出力可能である。なお、以下の説明では、便宜上、エラーが発生していない状態(エラー状態ではない制御状態)を非エラー状態と示す場合がある。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10から発せられる音量を変更する音量変更機能が搭載されている。以下、音量変更機能の具体的な制御内容について詳細に説明する。
音量変更機能には、音量設定器21を用いて行う第1の機能と、各音量調整器24a〜24dを用いて行う第2の機能と、がある。上述のように、音量設定器21は、施錠装置22を解除しなければアクセスできない本体内部に設けられている。このため、第1の機能は、遊技場の管理者などに音量変更を許容する機能となる。一方、各音量調整器24a〜24dは、パチンコ遊技機10の前面側に設けられている。このため、第2の機能は、主に遊技者に音量変更を許容する機能となる。
まず、第1の機能について説明する。
音量設定器21は、副制御基板31に接続されている。音量設定器21による音量の変更(指示)は、パチンコ遊技機10の電源投入前に行うことができる。そして、副制御用CPU31aは、電源投入に伴って、音量設定器21の設定値を読み込み、副制御用RAM31cに記憶保持する。
また、副制御基板31には、図示しない音再生部が搭載されており、音再生部を通じて所望の音量に調整され、その音量によって所望の音がスピーカSpを介して出力される。音再生部は、副制御用ROM31bに記憶されている音データを変換する変換器(例えば、D/A変換器)やアンプ(増幅器)などによって構成されている。
次に、第2の機能について説明する。
各音量調整器24a〜24dは、何れも副制御基板31に接続されている。そして、各音量調整器24a〜24dによる音量の変更(指示)は、パチンコ遊技機10の電源投入前、及び電源投入後の何れであっても行うことができる。換言すれば、各音量調整器24a〜24dは、パチンコ遊技機10の制御状態に関係なく常時操作可能である。具体的に、副制御用CPU31aは、電源投入に伴って、各音量調整器24a〜24dの設定値を読み込み、副制御用RAM31cに記憶保持する。また、副制御用CPU31aは、電源投入後、所定周期毎に各音量調整器24a〜24dの設定値を読み込み、副制御用RAM31cに記憶保持する。
第2の機能による音量の変更は、音量設定器21で設定した段階(5段階のうちから設定した所望の1段階)をもとに、各音量調整器24a〜24dの操作により音量の大小を調整する態様で行い得る。
次に、音量設定器21で設定可能な音量の段階と、各音量調整器24a〜24dで設定可能な音量の段階について説明する。
図5に示すように、音量設定器21で設定可能な音量の段階は、1〜5の5段階である。以下、説明の便宜上、音量設定器21で設定可能な1〜5の5段階を、音量段階Mx(x:1〜5)と示す。また、図5の段階欄に示すM1〜M5は、上記した音量設定器21で設定可能な1〜5の段階に対応する。
各音量段階M1〜M5は、各音量調整器24a〜24dにより音量を調整する際の基準となる段階である。なお、音量段階は、各音量調整器24a〜24dで設定される音量の段階が同一である場合、音量段階M1→M2→M3→M4→M5というように段階数が増加するほど大きな音量となるように設定されている。例えば、音量段階M1である場合と音量段階M2である場合とで、第1音量調整器24aで設定される音量の段階が同一であれば、音量段階M2である場合の方が大きな音量でカテゴリ「BGM」に属する音が出力されることとなる。
図6及び図7に示すように、各音量調整器24a〜24dで設定可能な音量の段階は、音量段階M1〜M5の各1段階に対して、1〜5の5段階である。本実施形態では、5段階が、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定指示可能な複数の指示段階となる。以下、説明の便宜上、各音量調整器24a〜24dで設定指示可能な1〜5の5段階を、指示段階Sx(x:1〜5)と示す。また、図6及び図7の段階欄に示すS1〜S5は、上述した各音量調整器24a〜24dで設定指示可能な1〜5の5段階に対応する。音量段階と指示段階の関係を具体的に例示すると、音量段階M5に対して指示段階S1〜S5の5段階である。同様に、音量段階M1〜M4に対しても、指示段階S1〜S5の5段階である。つまり、本実施形態においては、音量段階M1〜M5毎に、同数(5段階)の指示段階S1〜S5が対応付けられている。これは、各音量調整器24a〜24dの操作によって音量を予め定めた5段階の範囲で調整できることを意味している。
各指示段階S1〜S5には、段階毎に対応する音量値が定められている。音量値は、音を出力させるための制御に用いる制御用の値であり、音再生部では音量値に対応する音量が発せられるように制御される。そして、本実施形態では、カテゴリ別の音量段階M1〜M5に対応する指示段階S1〜S5の音量値が定められている。
具体的に言えば、カテゴリ「BGM」では、図6(a)に示すように、音量段階M5の指示段階S1〜S5に対して音量値W51〜W55が、音量段階M4の指示段階S1〜S5に対して音量値W41〜W45が、音量段階M3の指示段階S1〜S5に対して音量値W31〜W35が、それぞれ定められている。また、音量段階M2の指示段階S1〜S5に対して音量値W21〜W25が、音量段階M1の指示段階S1〜S5に対して音量値W11〜W15が、それぞれ定められている。音量値は、指示段階S1→S2→S3→S4→S5というように段階数が増加するほど大きな値である。
図6(b)は、カテゴリ「SE」の音量段階M1〜M5に対応する指示段階S1〜S5の音量値を示す。また、図7(a)は、カテゴリ「VOICE」の音量段階M1〜M5に対応する指示段階S1〜S5の音量値を示す。また、図7(b)は、カテゴリ「GIMIC」の音量段階M1〜M5に対応する指示段階S1〜S5の音量値を示す。これらのカテゴリについても、カテゴリ「BGM」と同様、音量値は、指示段階S1→S2→S3→S4→S5というように段階数が増加するほど大きな値である。
なお、指示段階S1〜S5に対応する音量値は、カテゴリ同士の比較において同一指示段階において異なる音量値であってもよいし、同一音量値であってもよい。例えば、カテゴリ「BGM」の音量段階M5に対応する指示段階S3の音量値W53と、カテゴリ「VOICE」の音量段階M5に対応する指示段階S3の音量値X53と、を異なる音量値としてもよいし、同一音量値としてもよい。この場合、各カテゴリの音量値としてどのような値を設定するかは、どのカテゴリの音出力を際立たせるかなどの観点において遊技機の製造メーカ側で任意に設計すればよい。
また、本実施形態では、異なる音量段階M1〜M5において指示段階S1〜S5の音量値として重複する音量値を設定しておけば、別の音量段階で出力可能な音量を出力させることもできる。例えば、カテゴリ「BGM」の音量段階M5に対応する指示段階S3の音量値W53を、音量段階M4に対応する指示段階S5の音量値W45に設定しておけば、音量段階M4,M5の何れでも同一音量の音を出力させることができる。
以上のような音量段階と指示段階の関係のもと、副制御用CPU31aは、以下に説明する制御を行う。
副制御用CPU31aは、音量設定器21で設定された音量段階と、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階とに基づいて特定される音量値をもとに音を出力させる制御が可能である。
具体的に、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10が非エラー状態である場合、音量設定器21で設定された音量段階と、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階とに基づいて特定される音量値をもとに、パチンコ遊技機10の演出音を出力させる。
また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10がエラー状態である場合、エラー状態の種類に応じて、演出音の出力態様を異ならせる。具体的に、副制御用CPU31aは、エラー状態である場合であって、特定のエラー状態でないときには、音量設定器21で設定された音量段階と、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階とに基づいて特定される音量値をもとに演出音を出力させる。本実施形態において、特定のエラー状態は、特定のエラー状態でないエラー状態と比較して、重要度の高いエラーが発生している状態である。ここで、特定のエラー状態としては、例えば、RAMクリアや主制御基板エラーを挙げることができる。一方、特定のエラー状態でないエラー状態としては、例えば、満杯エラーや扉開放などを挙げることができる。なお、特定のエラー状態は、そのエラー状態の重要度などによって遊技機メーカの判断で決められる。本実施形態において、特定のエラー状態は、第1エラー状態に相当し、特定のエラー状態でないエラー状態は、第2エラー状態に相当する。また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10がエラー状態である場合であって、特定のエラー状態であるときには、演出音を出力させない。
以上のような制御によれば、本実施形態における演出音は、特定のエラー状態においては、出力されない一方で、特定のエラー状態でないエラー状態においては、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに出力される。
また、以上のような制御によれば、本実施形態では、パチンコ遊技機10が非エラー状態である場合、又は特定のエラー状態でないエラー状態である場合には、スピーカSpから、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに演出音が出力されることにより、遊技機の出力音が変化される。本実施形態において、非エラー状態、及び特定のエラー状態でないエラー状態は、何れも所定の制御状態に相当する。
また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10がエラー状態である場合、音量設定器21で設定された音量段階と、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階とに基づいて特定される音量値に関係なく、予め定めた音量で、パチンコ遊技機10の出力音のうちエラー報知音を出力させる。換言すれば、本実施形態におけるエラー報知音は、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量に関係なく予め定めた音量で出力される。
以上のような制御により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、音のカテゴリ別に音量を調整することができる。そして、パチンコ遊技機10のスピーカSpからは、各カテゴリの音が混在した状態で出力されることになるので、本実施形態のようにカテゴリ別に音量調整を可能とした場合、同じ音が出力される状況であっても、遊技者が聞き取る音の雰囲気は異なることになる。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、カテゴリ別の音量変更機能により、パチンコ遊技機10の出力音を変化させることができる。若しくは、カテゴリ別に音量変更を行うことで、パチンコ遊技機10による音の出力具合を変化させる又は異ならせることができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)音量の調整を行い得る複数の音量調整器24a〜24dを設けることで、音量調整に関して自由度の向上を図り得る。つまり、カスタマイズ機能を充実させることができる。
(2)特に、各音量調整器24a〜24dは、音のカテゴリ別に設けられ、カテゴリ毎に音量調整を行うことができる。したがって、音量調整に関して自由度の向上を図り得る。その結果、音の出力に関し、遊技者の好みに合わせて柔軟にカスタマイズすることができる。
(3)そして、音のカテゴリ別に音量調整を行うことができるので、同一の音が出力される場合であっても、パチンコ遊技機10の出力音に変化を生じさせることができる。
(4)各音量調整器24a〜24dは常時操作可能であるため、音量を調整しようとする者は、例えば、実行中の図柄変動ゲームや大当り遊技が終了するのを待つことなく音量を調整できる。これにより、音量調整を行う際の利便性を向上できる。
(5)特に、本実施形態において、各音量調整器24a〜24dは、パチンコ遊技機10の前面側に設けられているため、遊技を行う遊技者は、自らの望むタイミングで音量を調整できる。これにより、本実施形態では、遊技者に対して、自らの望む音量で遊技を行わせることができ、興趣を向上できる。
(6)パチンコ遊技機10の前面側において、各音量調整器24a〜24dの周辺には、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量を特定可能となるように指し示す各調整指示部26a〜26dが設けられている。このため、遊技者は、自らの好みに合わせて音量を調整し易くなる。
(7)各音量調整器24a〜24d及び各調整指示部26a〜26dは常時視認可能な位置に設けられている。このため、遊技者は、本実施形態のパチンコ遊技機10について、音量変更機能が設けられていることを直感的に認識できる。したがって、パチンコ遊技機10のカスタマイズ機能の活用を促すことができる。
(8)また例えば、演出表示装置11にて現在の音量を表示可能な遊技機においては、図柄変動ゲームや大当り遊技が行われていないデモンストレーション状態中にしか現在の音量を表示できないなど、実行中の表示演出や現在の制御状態に応じて、現在の音量を確認できるタイミングが限定されてしまうことがある。これに対し、本実施形態では、各調整指示部26a〜26dが常時視認可能な位置に設けられているため、遊技者など、音量を調整しようとする者は、自らの望むタイミングで現在の音量を確認し、調整することができる。
(9)また、各調整指示部26a〜26dが常時視認可能な位置に設けられているため、例えば、遊技場において、本実施形態のパチンコ遊技機10と周囲の遊技機とで出力される音量の大小が異なる場合であっても、その差異がなぜ生じているのかを遊技者に把握させ易くすることができる。
(10)エラー報知音は、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量に関係なく予め定めた音量で出力される。このため、各音量調整器24a〜24dを用いて音量を小さくするように設定した場合であっても、エラー状態を見逃すことを抑制できる。
(11)演出音は、特定のエラー状態においては出力されず、特定のエラー状態でないエラー状態や、非エラー状態においては、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに出力される。このため、特定のエラー状態においては、特定のエラー状態でないエラー状態や、非エラー状態と比較して、演出音の出力態様が異ならされた上で、エラー報知音が出力される。したがって、特定のエラー状態を見逃すことをさらに抑制できる。
(12)特に、特定のエラー状態は、特定のエラー状態でないエラー状態と比較して、重要度の高いエラーが発生している状態である。したがって、エラー状態の中でも重要度の高いエラーが発生している特定のエラー状態について、見逃すことを抑制できる。
(13)遊技者は、各音量調整器24a〜24dを操作するだけで音量を調整可能である。このため、例えば、音量を調整するに際し、所定の操作により音量調整用の画面を演出表示装置11に表示させ、その後に音量を調整する操作を行う必要がある遊技機や、所定の遊技状態(デモンストレーション状態など)とした後に音量を調整する操作を行う必要がある遊技機と比較して、音量を調整するための作業工程を削減できる。これにより、音量調整を行う際の利便性を向上できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・音量設定器21で設定可能な音量段階の段階数は任意に変更してもよい。つまり、実施形態の音量段階(5段階)よりも多い段階数としてもよいし、又は少ない段階数としてもよい。また、各音量調整器24a〜24dの操作で設定可能な指示段階の段階数は任意に変更してもよい。つまり、実施形態の指示段階(5段階)よりも多い段階数としてもよいし、又は少ない段階数としてもよい。また、音量段階と指示段階は同一段階数であってもよいし、音量段階と指示段階は異なる段階数であってもよい。異なる段階数の場合、音量段階の方が指示段階よりも段階数が多くてもよいし、その逆に少なくてもよい。
・音量設定器21で設定可能な音量段階に、遊技用音量の段階に加えて、作業用音量の段階や消音用の段階を設けてもよい。なお、遊技用音量の段階数や作業用音量の段階数は任意に変更可能である。
・上記別例において、遊技用音量の段階は、実施形態で例示した音量段階M1〜M5に相当する。そして、遊技用音量の段階は、パチンコ遊技機10を遊技場に設置し、営業で用いる際の音量を設定する段階である。遊技場は、遊技機の設置可能な台数によって規模が異なり、設置台数が多いほど遊技機から発せられる音を鮮明に聞き取れるように音量を大きくする傾向にあり、設置台数が少ないほど音量を小さくする傾向にある。このため、遊技用音量の段階は、遊技場の規模などに応じて選択の自由度が広がるように複数の段階が用意されている。
・また、上記別例において作業用音量の段階は、遊技機の製造メーカによる開発時の調整作業時や遊技場への設置時の調整作業時などで用いる音量を設定する段階である。上記した調整作業は、遊技場の営業時に比して静寂な環境下で行われる。このため、作業用音量の段階は、調整作業において必要以上の音量で音が出力されることを防止するために用意されている。また、消音用音量の段階は、消音環境を作り出す場合に設定する段階である。
・上記別例のように作業用音量の段階や消音用音量の段階を設ける場合、例えば実施形態の音量設定器21において5段階のうち、音量段階M2〜M5の4段階を遊技用音量の段階とし、音量段階M1の1段階を作業用音量の段階としてもよい。また、例えば、音量設定器21の段階数を7段階とし、その7段階のうち1段階を消音用音量の段階とし、1段階を作業用音量の段階とし、残り5段階を遊技用音量の段階としてもよい。なお、作業用音量の音量段階が設定されている場合の音量値は、遊技用音量の音量段階が設定されている場合の音量値に比して小さい。そして、作業用音量の音量段階が設定されている場合、指示段階に関係なく一定の音量値が特定されるように構成してもよいし、指示段階に応じて異なる音量値が特定される様に構成してもよい。なお、作業用音量の音量段階が設定されている場合に、指示段階に応じて異なる音量値が特定されるように構成するときには、遊技用音量の音量段階が設定されている場合の最小の音量値よりも小さい音量値の範囲で段階的に変化させることができるようにするとよい。また、消音用音量の音量段階が設定されている場合の音量値は零又はほぼ零とする。
・音量段階と指示段階とから特定される音量値(音量)は任意に変更することができる。この音量値は、所望の音量の音を出力できるように設定されていればよい。
・音量設定器21の配置は任意に変更してもよい。音量設定器21は、遊技者が操作不能であれば、遊技機の本体内部に配置されている必要はない。例えば、遊技機の本体外部(例えば、貯留皿の上面など)に配置されていてもよく、操作するために専用の鍵などを必要とする構成であれば遊技者は操作不能となる。
・音量設定器21の具体的な構成は任意に変更してもよい。つまり、電源投入前に設定することができる構成であれば具体的な構成は限定されない。例えば、スライドスイッチでもよい。
・音のカテゴリに関係なく全体の音量を設定する音量設定器21に代えて又は加えて、それぞれ設定可能な音のカテゴリが異ならされた複数の音量設定器を備えてもよい。つまり、遊技場の管理者などに音量変更を許容する第1の機能について、音のカテゴリ毎に音量を変更可能としてもよい。この場合、各音量調整器24a〜24dを省略してもよいし、各音量調整器24a〜24dに代えて、全体の音量を調整する音量調整器のみを備えてもよい。この場合、遊技場の管理者などを対象としたカスタマイズ機能の充実を図ることができる。そして、遊技場の管理者などを対象としたカスタマイズ機能が充実されれば、例えば、遊技場の雰囲気に合わせたパチンコ遊技機10のカスタマイズが可能となるため、結果的に遊技者の興趣の向上に繋がる。
・各音量調整器24a〜24dは、パチンコ遊技機10の前面側に配置されていれば具体的な配置箇所は限定されない。例えば、貯留皿(上皿)25の上面でもよいし、下皿の前面でもよい。また、上皿と下皿の区別がない貯留皿を備えた遊技機において、貯留皿の前面や上面でもよい。また、前枠の前面側であって、スピーカSpの周辺などでもよい。この場合、各音量調整器24a〜24dは、遊技者により常時操作可能である。
・各音量調整器24a〜24dは、パチンコ遊技機10の本体内部に配置されていてもよい。この場合、例えば、施錠装置22を解錠するための鍵を持たない遊技者によっては常には操作不可能である一方、施錠装置22を解錠するための鍵を持つ遊技場の管理者によっては常時操作可能となる。また、各音量調整器24a〜24dのうち、一部の音量調整器をパチンコ遊技機10の前面側に配置する一方で、他の音量調整器をパチンコ遊技機10の本体内部に配置してもよい。
・各音量調整器24a〜24dの具体的な構成は任意に変更してもよい。つまり、音のカテゴリ別に複数設けられていれば具体的な構成は限定されない。例えば、スライドスイッチでもよい。
・各音量調整器24a〜24dは、副制御用RAM31cに記憶される設定値を段階的に変更することにより音量を調整するものではなく、スピーカSp内部の抵抗値を連続的に変化させることにより音量を調整するもの(所謂フェーダー)であってもよい。
・各音量調整器24a〜24dの設定値を副制御用RAM31cに記憶させるタイミングは、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、電源投入に伴っては各音量調整器24a〜24dの設定値の読み込みを行わず、所定周期毎にのみ各音量調整器24a〜24dの設定値を読み込み、副制御用RAM31cに記憶させるようにしてもよい。また、各音量調整器24a〜24dは、電源投入後、各音量調整器24a〜24dの設定値に応じた信号を副制御用CPU31aに常時出力するように構成されてもよい。この場合、副制御用CPU31aは、電源投入に伴って、入力している信号から特定可能な設定値を副制御用RAM31cに記憶させるとともに、電源投入後、入力している信号から特定可能な設定値が変化する毎に、設定値を更新して副制御用RAM31cに記憶させるようにしてもよい。
・各音量調整器24a〜24dによる音量の調整を不可能とする調整不能期間を設けてもよい。調整不能期間は、例えば、エラー状態中や、図柄変動ゲームの実行中などとしてもよい。この場合、調整不能期間中に各音量調整器24a〜24dが操作されたときには、副制御用CPU31aは、調整不能期間の終了後に各音量調整器24a〜24dの設定値を副制御用RAM31cに記憶させることにより、音量の調整を反映させるとよい。また、調整不能期間中に各音量調整器24a〜24dが操作されたときには、調整不能期間が終了するまでの間、「音量調整反映待ち」の文字列など、音量の調整が反映されるのを待機している状態であることを示す画像を演出表示装置11にて表示させてもよい。
・音量調整器として、カテゴリに関係なく全体の音量を調整する音量調整器を、実施形態のカテゴリ別の音量調整器24a〜24dに加えて設けてもよい。この場合、演出音は、音量設定器21で設定された音量段階と、全体の音量を調整する音量調整器で設定された段階と、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階と、に基づいて特定される音量値をもとに出力される。言い換えれば、音量を変更可能な手段を複数備えた遊技機において、複数の手段の組み合わせによって設定された音量をもとに音が出力されることにより、遊技機の出力音が変化されるようにしてもよい。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。このとき、例えば、演出表示装置11にて現在の音量を表示する遊技機などの場合、サブ統括制御基板は、音量設定器21で設定された音量段階や各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階を特定可能な制御信号を表示制御基板に出力する必要がある。これに対し、本実施形態によれば、サブ統括制御基板は、音量設定器21で設定された音量段階や各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階を特定可能な制御信号を表示制御基板に出力する必要がないため、サブ統括制御基板にかかる負担の増大を抑制できる。
・また、単一の基板に主制御基板30の主制御用CPU30aと副制御基板31の副制御用CPU31aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
・音量調整を可能とする音のカテゴリを変更してもよい。例えば、「BGM」と「VOICE」のカテゴリについて音量調整を可能としてもよい。この場合、「SE」や「GIMIC」は、各音量調整器24a〜24dの操作による音量調整を不能とした音になる。なお、音のカテゴリについては、実施形態で例示した「BGM」、「SE」、「VOICE」、「GIMIC」の4つのカテゴリに限らず、その他のカテゴリを設定してもよいし、「BGM」、「SE」、「VOICE」、「GIMIC」のうち複数のカテゴリをまとめたカテゴリを設定してもよい。また、音量調整を可能とする音のカテゴリは、複数の音量調整器において、一部または全部が重複していてもよい。例えば、第1音量調整器24aの操作により「BGM」及び「SE」の音量を調整可能とする一方で、第2音量調整器24bの操作により「BGM」及び「VOICE」の音量を調整可能としてもよい。
・各調整指示部26a〜26dの具体的な構成は任意に変更することができる。つまり、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階が特定できればその具体的な構成は限定されない。例えば、調整指示部として目盛と指示段階を示す数字を模した装飾を設ける一方、各音量調整器24a〜24dに矢印を模した装飾を施してもよい。また、各調整指示部26a〜26dを省略してもよい。
・各調整指示部26a〜26dに代えて又は加えて、音量を大きくするため(又は、小さくするため)の各音量調整器24a〜24dの操作方向を指示する操作指示部を設けてもよい。操作指示部としては、例えば、各音量調整器24a〜24dの右方に「大」の漢字を模した装飾、左方に「小」の漢字を模した装飾をそれぞれ設けるなどしてもよい。
・副制御用CPU31aは、各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階を特定可能な画像を演出表示装置11にて表示させてもよい。また、演出表示装置11とは別体の表示装置を設け、該表示装置にて各音量調整器24a〜24dで設定された指示段階を特定可能な画像を表示させてもよい。この場合、指示段階を特定可能な画像は、常に表示されてもよいし、例えば各音量調整器24a〜24dが操作されてから5秒が経過するまでの間など、所定の期間だけ表示されてもよい。この場合、各調整指示部26a〜26dを省略してもよい。なおこの場合、演出表示装置11や演出表示装置11とは別体の表示装置に表示される指示段階を特定可能な画像が、音量指示部に相当する。
・演出音は、特定のエラー状態において、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量に関係なく出力されるようにしてもよい。この場合、エラー状態を見逃すことを抑制する上では、演出音が出力される音量を、エラー報知音が出力される音量よりも低く設定することが望ましい。また、特定のエラー状態において、演出音のうち一部の音が、出力されない又は各音量調整器24a〜24dによって設定された音量に関係なく出力される一方で、演出音のうち一部の音以外の音が、各音量調整器24a〜24dによって設定された音量をもとに出力されるようにしてもよい。
・全てのエラー状態について、演出音を出力させないようにしてもよい。また、全てのエラー状態について、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量に関係なく予め定めた音量で演出音を出力させるようにしてもよいし、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに演出音を出力させるようにしてもよい。
・エラー報知音は、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに出力されるようにしてもよい。また、エラー報知音は、特定のエラー状態においては、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量に関係なく予め定めた音量で出力される一方で、特定のエラー状態でないエラー状態においては、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに出力されるようにしてもよい。
・エラー報知音の出力態様は、エラー状態の種類に応じて異ならされてもよい。例えば、エラー報知音は、特定のエラー状態においては予め定めた第1の音量で出力される一方で、特定のエラー状態でないエラー状態においては第1の音量よりも小さい第2の音量で出力されるようにしてもよい。また例えば、エラー報知音は、特定のエラー状態においては出力される一方で、特定のエラー状態でないエラー状態では出力されないようにしてもよい。
・特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、複数の特別図柄を用いるパチンコ遊技機、複数の大入賞口を有するパチンコ遊技機、あるいは単一の始動口を有するパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、第1始動口12と第2始動口13を備え、第2始動口13を遊技盤YBの右方領域に配置した右打ちのパチンコ遊技機に具体化してもよい。このような右打ちのパチンコ遊技機では、遊技の進行において左打ちを推奨しているときに右打ちを継続していると右打ちエラーの報知を行う。このように右打ちエラーの報知(エラー状態)が行われているときは、演出音が出力されないようにしてもよいし、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに出力されるようにしてもよい。
・遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・「羽根もの」、「ヒコーキタイプ」とも言われる第2種に分類されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入球口へ入球することによって大当り遊技(特別遊技)が生起される。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機に具体化してもよい。確率変動機能は、大当り抽選の当選を契機に所定の確率で、大当り遊技終了後の大当り抽選の当選確率を高確率に変動させる確率変動状態を付与する機能である。確率変動機能を有するパチンコ遊技機には、次回の大当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様、あるいは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様がある。また、確率変動機能を有するパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様がある。
・変動時間短縮機能を搭載したパチンコ遊技機に具体化してもよい。変動時間短縮機能は、開閉羽根15が開動作する確率を上昇させ、第2始動口13への単位時間あたりの入球率を向上させる入球率向上状態を付与する。
・回胴式遊技機に具体化してもよい。回胴式遊技機には、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンや、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンを含む。このようにパチンコ遊技機とは異なる遊技機においても、音量調整機能による音量調整を行うことができる。回胴式遊技機においても、その仕様に応じて様々なエラー状態がある。このため、回胴式遊技機に音量調整機能を搭載する場合、エラー状態の種類に応じて、演出音が出力されないようにしてもよいし、各音量調整器24a〜24dの操作によって設定された音量をもとに出力されるようにしてもよい。また、特定のエラー状態に限らず、回胴式遊技機で行われる演出のうち所定の演出の実行中において、演出音が出力されないようにしてもよい。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)遊技機の制御状態には、エラーが発生しているエラー状態を含み、前記エラー状態においては、前記出力手段から、エラー状態を報知するためのエラー報知音を出力可能であり、前記エラー状態には、第1エラー状態と、第2エラー状態と、を含み、前記エラー報知音以外の音のうち少なくとも一部の音は、前記第1エラー状態においては、出力されない、又は前記音量調整手段の操作によって設定された音量に関係なく出力される一方で、前記第2エラー状態においては、前記音量調整手段の操作によって設定された音量をもとに出力される。
(ロ)前記第1エラー状態は、前記第2エラー状態と比較して、重要度の高いエラーが発生している状態である。