以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤YBへ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDが配設されている。遊技盤YBの中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、画像による各種の表示演出が行われる。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の音を出力し、音声演出を行う出力手段としてのスピーカSpが設けられている。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、を含む。
第1始動口12は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において第1始動口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示す始動センサSC1)が配設されている。
第2始動口13は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において第2始動口13は、第1始動口12の下方に位置している。第2始動口13は、所定の条件の成立時(普通図柄の当選時)に開閉羽根(普通電動役物)15が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。一方、第2始動口13は、開閉羽根15が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができない、若しくは入球し難いように閉鎖される。開閉羽根15は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて動作する。本実施形態において開閉羽根15を動作させるアクチュエータは、図2に示す普通電動役物ソレノイドSOL1である。また、第2始動口13の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示す始動センサSC2)が配設されている。
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において大入賞口14は、第2始動口13の下方に位置している。大入賞口14は、当り抽選に当選した場合に付与される当り遊技において、大入賞口扉16が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができるように開放される。一方、大入賞口14は、大入賞口扉16が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができないように閉鎖される。大入賞口扉16は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて動作する。本実施形態において大入賞口扉16を動作させるアクチュエータは図2に示す大入賞ソレノイドSOL2である。また、大入賞口14の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示すカウントセンサCS)が配設されている。
また、遊技盤YBには、作動ゲート17が配設されている。本実施形態において作動ゲート17は、演出表示装置11の左方に位置している。作動ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aが開口されている。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するセンサ(図2に示すゲートセンサGS)が配設されている。作動ゲート17のゲート口17aは、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。第2始動口13の開閉羽根15は、作動ゲート17へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選に当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄変動ゲームで導出された後、閉状態から開状態へ動作する。
また、遊技盤YBには、特別図柄表示装置18、保留表示装置19、普通図柄表示装置20が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。具体的に、本実施形態では、作動ゲート17の下方に配設されている。
特別図柄表示装置18は、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを行い、当該図柄変動ゲームにおいて当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。第1始動口12や第2始動口13に遊技球が入球し、検知された場合は、その入球を契機に特別図柄を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立する。また、始動条件が成立した場合には、当り抽選の抽選結果を導出するために特別図柄表示装置18で図柄変動ゲームが行われるとともに、当該図柄変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する図柄変動ゲームが演出表示装置11においても飾り図柄を用いて行われる。
保留表示装置19は、実行が保留されている特別図柄を用いた図柄変動ゲームの数(始動保留数)を表示する。普通図柄表示装置20は普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10には、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタンBTが設けられている。本実施形態において操作ボタンBTは、遊技者側に開放された位置、より詳しくは、遊技球を貯留する貯留皿(上皿)21の上面に配置されている。操作ボタンBTは、押しボタン式である。この実施形態の操作ボタンBTは、4つの押圧部UBT,DBT,LBT,RBTを、十字状に配置して構成されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10には、主制御基板30、副制御基板31、電源基板32を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。主制御基板30には、各種センサSC1,SC2,CS,GS、各種表示装置(特別図柄表示装置18など)及び各種アクチュエータ(普通電動役物ソレノイドSOL1など)が接続されている。
主制御基板30は、各種センサSC1,SC2,CS,GSからの遊技球の検知信号をもとに入力処理を行う。
主制御用CPU30aは、始動センサSC1,SC2からの検知信号を入力した場合の入力処理において、特別図柄を用いた図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。そして、主制御用CPU30aは、入力処理で記憶した保留をもとに特別図柄を用いた図柄変動ゲームを開始させる変動開始処理を行う。変動開始処理において主制御用CPU30aは、当り抽選の抽選結果をもとに図柄変動ゲームの変動時間を特定可能な変動パターンを選択し、その変動パターンを指定する制御信号(制御コマンド)を副制御基板31に出力する。変動パターンには、当り抽選に当選した場合に選択する当り演出用の変動パターンと、当り抽選に当選しなかった場合に選択するはずれ演出用の変動パターン(はずれリーチありの変動パターンを含む)と、がある。
また、主制御用CPU30aは、カウントセンサCSからの検知信号を入力した場合の入力処理において、所定個数の賞球を払出すための処理を行う。また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の入力処理において、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。
副制御基板31は、主制御基板30から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30から送信される情報をもとに当該情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを開始させる場合、特別図柄表示装置18の表示内容の制御に加えて、図柄変動ゲームの開始を指示する情報を副制御用CPU31aに送信する。当該情報を受けた副制御用CPU31aは、演出表示装置11において飾り図柄を用いた図柄変動ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、飾り図柄を用いた図柄変動ゲームの開始に伴い、当該図柄変動ゲームに付随する発光演出や音声演出を行わせるように装飾ランプLaの発光態様やスピーカSpの音の出力態様を制御する。
電源基板32は、電源回路32aと、電源断監視回路32bと、リセット信号回路32cと、を有する。
電源回路32aは、遊技場の主電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1(例えば、DC30V))に変換するとともに、その変換後の電源電圧を主制御基板30や副制御基板31などの各制御基板へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。各制御基板(主制御基板30や副制御基板31など)には、電源回路32aを通じて動作に必要な電源電圧(V2)が供給されている。
電源断監視回路32bは、パチンコ遊技機10への電力供給に異常があるかを監視する。具体的に言えば、電源断監視回路32bは、電源回路32aから供給される電源電圧(V1)が所定電圧(V0(例えば、DC20V))に降下したかを監視する。電源断監視回路32bは、電源電圧(V1)が所定電圧(V0)に降下した場合、電源断信号を出力する。電源断信号は、バックアップ処理を実行する制御基板(例えば、主制御基板30)やリセット信号回路32cに入力される。所定電圧(V0)は、パチンコ遊技機10を動作させるために最低限必要な電圧に設定されている。なお、電源電圧(V1)が所定電圧(V0)に降下する場合には、例えば遊技場の主電源を遮断した場合、パチンコ遊技機10が備える電源スイッチをOFFに操作した場合、停電などの外的要因によってパチンコ遊技機10への電力供給が停止した場合などがある。
リセット信号回路32cは、リセット信号を生成する。リセット信号は、主制御基板30や副制御基板31などのマイクロコンピュータを搭載し、電気部品を制御する基板に入力される。リセット信号は、第1状態(例えばハイレベル)と第2状態(例えばローレベル)の2値の状態を取り得る信号とされている。そして、リセット信号が入力される制御基板(マイクロコンピュータ)は、例えば第1状態のリセット信号が入力されている間は動作停止の状態(動作が規制されている状態)となり、リセット信号が第1状態から第2状態へ遷移することで動作可能な状態になる。
電源基板32は、バックアップ用電源32dを有する。バックアップ用電源32dは、例えば電気二重層コンデンサである。本実施形態のパチンコ遊技機10においてバックアップ用電源32dの電力は、パチンコ遊技機10への電力供給が停止された場合に、主制御基板30の主制御用RAM30cに供給される。これにより、主制御用RAM30cは、パチンコ遊技機10への電力供給が停止された場合でも遊技制御に関する情報を所定期間保持することができる。なお、遊技に関する情報には、特別図柄を用いた図柄変動ゲームに関する情報、当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報を含む。
また、電源基板32は、RAMクリアスイッチ回路32eを有し、そのRAMクリアスイッチ回路32eにはRAMクリアスイッチ32fが接続されている。RAMクリアスイッチ32fは、主制御基板30の主制御用RAM30cの記憶内容をクリアすることを指示する場合に操作されるスイッチである。そして、RAMクリアスイッチ32fが操作された状態でパチンコ遊技機10に電力供給がなされると、RAMクリアスイッチ回路32eからは初期化信号が出力される。本実施形態において初期化信号は、主制御基板30の主制御用CPU30aに入力される。なお、RAMクリアスイッチ32fは、機内部や機裏側など、遊技者が操作不能な位置に配置されている。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10には、演出のカスタマイズ機能として、パチンコ遊技機10から発せられる音の出力態様を変更できる機能が搭載されている。以下、カスタマイズ機能の具体的な制御内容について詳細に説明する。
本実施形態のカスタマイズ機能には、パチンコ遊技機10から発せられる音量の大小を変更する音量変更機能がある。音量変更機能には、遊技場の管理者などに音量変更を許容する第1の音量変更機能と、主に遊技者に音量変更を許容する第2の音量変更機能と、がある。
第1の音量変更機能は、図2に示すように、パチンコ遊技機10の本体内部に設置した音量設定手段としての設定器(例えば、アナログボリュームスイッチ)33を用いて音量変更を行う機能である。パチンコ遊技機10は、図1に示すように、施錠装置34によって施錠されており、施錠装置34を解錠しなければ本体内部にアクセスできないように構成されている。この施錠装置34を解錠するための鍵は、遊技場の管理者などによって管理されており、遊技者は設定器33を操作することはできない。なお、設定器33を設置する本体内部は、施錠装置34を解錠し、パチンコ遊技機10を構成する枠体(前枠や中枠)を開閉させることによって操作可能な位置であり、例えば前枠を開放させた時にアクセス可能な遊技盤YBの盤面や、中枠を開放させた時にアクセス可能な機裏側などである。前枠は、遊技盤YBの前面に位置する枠体であり、中枠は遊技盤YBや各種制御基板などの遊技機構成部材を搭載した枠体である。
実施形態の設定器33は、ダイアル式の設定器であり、1〜5までの5段階で音量を設定できるように構成されている。そして、設定器33は、1〜5の目盛を施したダイアル(つまみ)を回転操作し、所望の段階を示す目盛の位置を設定指示部35に合わせることによって音量の段階を指示できるように構成されている。本実施形態では、大きい段階数(目盛)ほど音量は大きくなる。このように、設定器33では、音量の大小を設定する操作が可能である。
設定器33は、副制御基板31に接続されている。そして、設定器33による音量の設定(指示)は、パチンコ遊技機10の電源投入前に行うことができ、電源投入後、副制御用CPU31aによって設定器33の設定値が読み込まれるとともに副制御用RAM31cに記憶保持される。この設定器33で設定された段階に対応する音量は、パチンコ遊技機10から発せられる音量の基準音量となる。
また、副制御基板31には、図示しない音再生部が搭載されており、音再生部を通じて所望の音量に調整され、その音量によって所望の音がスピーカSpを介して出力される。音再生部は、副制御用ROM31bに記憶されている音データを変換する変換器(例えば、D/A変換器)やアンプ(増幅器)などによって構成されている。
次に、第2の音量変更機能について説明する。
第2の音量変更機能は、パチンコ遊技機10の操作ボタンBTを用いて音量変更を行う機能である。操作ボタンBTは、遊技者が操作できるように設置されていることから、本体内部に設置した設定器33とは異なり、遊技者を含む何人も操作を行うことができる。操作ボタンBTは、副制御基板31に接続されている。
図3に示すように、第2の音量変更機能による音量の変更は、画像表示部GHに映し出されるカスタマイズ用の画面36と、操作ボタンBTのうち押圧部LBT,RBTの操作によって行うことができる。カスタマイズ用の画面36には、音量を示す情報を報知するメータKが映し出される。
メータKには、音量の段階を特定可能なメモリ(1〜5)が付されており、現在の音量の段階を示すように色分け表示されている。例えば、図3に示すように、段階「4」を示す位置まで色が付されている場合は、現在の音量の段階が「4段階」であることを特定できる。
そして、本実施形態では、押圧部LBT,RBTを操作することにより、音量の段階を所望の段階に設定することができる。押圧部LBTを操作した場合には、目盛の減少方向にメータKの指し示す位置が変化し、音量の段階を下げるように指示することができる。また、押圧部RBTを操作した場合には、目盛りの増加方向にメータKの指し示す位置が変化し、音量の段階を上げるように指示することができる。このように音量を変更する操作は、音量の大小を設定する操作に相当する。また、このような操作が可能な操作ボタンBT(押圧部LBT,RBT)は、音量設定手段に相当する。
前述したカスタマイズ用の画面36は、常には画像表示部GHに非表示の状態にあり、所定の調整可能期間に操作ボタンBTの何れかを操作することによって画像表示部GHに表示される。本実施形態のパチンコ遊技機10には、カスタマイズを許可しない調整不能期間も設定されるようになっており、その調整不能期間以外の期間、すなわち調整可能期間中にはカスタマイズが可能である。調整可能期間は、例えば図柄変動ゲーム中やデモンストレーション演出中である。デモンストレーション演出は、パチンコ遊技機10の待機状態中に客寄せ効果を付与するために行われる演出である。パチンコ遊技機10は、大入賞口14を開放させる当り遊技及び図柄変動ゲームが実行されておらず、さらに実行が保留されている図柄変動ゲームが存在していないことを条件に、待機状態へ移行する。待機状態へ移行する条件を充足させる上記図柄変動ゲームは、特別図柄の図柄変動ゲームのみとしてもよいし、特別図柄及び普通図柄の両図柄変動ゲームとしてもよい。調整不能期間については、後述する。
なお、カスタマイズ用の画面36は、4つの押圧部UBT,DBT,LBT,RBTからなる操作ボタンBT以外に操作手段(押しボタンなど)を別途設け、その操作手段の操作によって表示されるようにしてもよい。また、カスタマイズ用の画面36は、デモンストレーション演出の開始時にあっては、遊技者による操作ボタンBTなどの操作手段の操作を不要とし、デモンストレーション演出の開始と同時又はほぼ同時に表示させるようにしてもよい。一方、画像表示部GHにおいて飾り図柄を用いた図柄変動ゲームが実行されている時には、遊技者が操作ボタンBTなどの操作手段を操作した場合にカスタマイズ用の画面36を表示させる。これにより、演出の視認性を低下させない。
本実施形態において第2の音量変更機能による音量の変更は、設定器33で設定した段階(5段階のうちから設定した所望の1段階)に対応する音量を基準とし、その基準の音量に基づいて操作ボタンBTの操作により音量を大きくする又は小さくする態様で行い得る。
次に、設定器33で設定可能な音量の段階と、操作ボタンBTで変更可能な音量の段階について説明する。
図4に示すように、設定器33で設定可能な音量の段階は、1〜5の5段階である。本実施形態では、5段階が、設定器33に設定可能な複数の音量段階となる。以下、説明の便宜上、設定器33で設定可能な1〜5の5段階を、音量段階Mx(x:1〜5)と示す。また、図4の段階(設定器)欄に示すM1〜M5は、上記した設定器33で設定可能な1〜5の5段階に対応する。
各音量段階M1〜M5には、段階毎に対応する音量値が定められている。音量値は、音を出力させるための制御に用いる制御用の値であり、音再生部では音量値に対応する音量が発せられるように調整される。具体的に、音量段階M1には音量値W1が、音量段階M2には音量値W2が、音量段階M3には音量値W3が、音量段階M4には音量値W4が、音量段階M5には音量値W5がそれぞれ定められている。音量値は、音量段階M1→M2→M3→M4→M5というように段階数が増加するほど大きな値である。
また、操作ボタンBT(押圧部LBT,RBT)で設定可能な音量の段階は、音量段階M1〜M5の各1段階に対して、1〜5の5段階である。本実施形態では、5段階が、操作ボタンBTの操作によって設定可能な複数の指示段階となる。以下、説明の便宜上、操作ボタンBTで設定可能な1〜5の5段階を、指示段階Sx(x:1〜5)と示す。また、図4の段階(操作ボタン)欄に示すS1〜S5は、前述した操作ボタンBTで設定可能な1〜5の5段階に対応する。音量段階と指示段階の関係を具体的に例示すると、音量段階M5に対して指示段階S1〜S5の5段階である。同様に、音量段階M1〜M4に対しても、指示段階S1〜S5の5段階である。つまり、この実施形態においては、音量段階M1〜M5毎に、同数(5段階)の指示段階S1〜S5が対応付けられている。これは、操作ボタンBTの操作によって音量を予め定めた5段階の範囲で設定できることを意味している。
各指示段階S1〜S5には、段階毎に対応する音量値が定められている。具体的に言えば、音量段階M5の指示段階S1〜S5に対しては音量値W51〜W55が、音量段階M4の指示段階S1〜S5に対しては音量値W41〜W45が、音量段階M3の指示段階S1〜S5に対しては音量値W31〜W35が、それぞれ定められている。また、音量段階M2の指示段階S1〜S5に対しては音量値W21〜W25が、音量段階M1の指示段階S1〜S5に対しては音量値W11〜W15が、それぞれ定められている。音量値は、指示段階S1→S2→S3→S4→S5というように段階数が増加するほど大きな値である。
そして、この実施形態では、各音量段階M1〜M5において、指示段階S5の音量値が、操作ボタンBTの操作による指示段階の設定が行われていない場合(図中「指示なし」と示す)の音量値と同一音量値に設定されている。具体的に言えば、音量段階M5の音量値W5と音量値W55が、音量段階M4の音量値W4と音量値W45が、音量段階M3の音量値W3と音量値W35が、音量段階M2の音量値W2と音量値W25が、音量段階M1の音量値W1と音量値W15が、それぞれ同一音量値である。このような音量段階M1〜M5と指示段階S1〜S5の対応付けによれば、音量段階M1〜M5に対応する指示段階S5の音量値を最大音量値とし、かつ音量段階M1〜M5に対応する指示段階S1の音量値を最小音量値とし、その最小音量値〜最大音量値の間で指示段階に対応する音量に調整することができる。
なお、異なる音量段階M1〜M5において指示段階S1〜S5の音量値として重複する音量値を設定しておけば、別の音量段階で出力可能な音量を出力させることもできる。例えば、音量段階M5に対応する指示段階S3の音量値W53を、音量段階M4に対応する指示段階S5の音量値W45に設定しておけば、音量段階M4,M5の何れでも同一音量の音を出力させることができる。
また、本実施形態のカスタマイズ機能には、パチンコ遊技機10から発せられる音質を変更する音質変更機能がある。
本実施形態において、音質とは、音の出力状態の1つである。また、本実施形態において、音質には、音の周波数と音の出力レベルとの関係(所謂、周波数特性)を含む。ここでいう出力レベルとは、音を出力する場合の出力量を特定可能な値であって、より詳しくは、音を出力する場合に、前述した音量変更機能で特定される音量値に基づく音量そのままで出力するか、該音量値に基づく音量よりも大きい音量や小さい音量で出力するかを特定可能な値である。具体的に、本実施形態では、出力レベル「0」である場合、音量値に基づく音量そのままで出力する。また、出力レベル「3」である場合、音量値に基づく音量よりも3dB(デシベル)大きい音量で出力し、出力レベル「−3」である場合、音量値に基づく音量よりも3dB(デシベル)小さい音量で出力する。つまり、本実施形態における出力レベルは、音量値に基づく音量から増減させる値を特定可能な値である。なお、出力レベルは、音量値に基づく音量から増減させる値を特定可能な値に限らず、例えば、音量値に基づく音量を何れの割合で出力するか、即ち、出力割合(増幅率)を特定する値であってもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、音質を定めた複数の出力モードを備えている。そして、本実施形態の音質変更機能は、操作ボタンBTを用いて出力モードを変更することにより、音質変更を行う機能である。
ここで、本実施形態の出力モードについて説明する。
図5に示すように、本実施形態の出力モードには、標準モード、高音カットモード、高音重視モード、低音重視モードの4つの出力モードがある。なお、以下の説明では、低周波数の音を「低音域の音」と示す場合があるとともに、高周波数の音を「高音域の音」と示す場合がある。本実施形態では、周波数100Hz(ヘルツ)前後の音を低周波数(低音域)の音、周波数5000Hz(ヘルツ)前後の音を高周波数(高音域)の音としている。ただし、どの周波数帯を低音域とみなし、どの周波数帯を高音域とみなすかは、遊技機の製造メーカ側で任意に設定可能である。
なお、一般的に、遊技機において低音域の音は、例えば図柄変動ゲームの実行中のBGMなどで用いられる場合が多く、遊技者の気分を継続的に高揚させることを意図して出力されることが多い。一方、遊技機において高音域の音は、例えば図柄変動ゲームにおいて当りとなるときに実行される演出や、当りとなる期待度が高いときに実行される演出などで用いられる場合が多く、遊技者の気分を瞬間的に高揚させることを意図して出力される場合が多い。ただし、低音域の音や高音域の音をどのようなタイミングで出力するかは、遊技機の製造メーカ側で任意に設定可能である。
図5(a)に示すように、標準モードは、音を出力する場合に、該出力する音が何れの周波数の音であっても、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量そのままで出力する出力モードである。つまり、標準モードは、低音域(低周波数)の音であるか高音域(高周波数)の音であるかに関係なく、一定の出力レベルが定められた出力モードである。
図5(b)に示すように、高音カットモードは、音を出力する場合に、該出力する音が高音域の音であるときには、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量よりも小さい音量で出力する出力モードである。具体的に、本実施形態における高音カットモードは、周波数5000Hzをピークとして、周波数5000Hz前後の音を出力する場合の出力レベルが低くなるように設定されている。つまり、高音カットモードは、高音域の音量が小さくなるように調整することで、高音域の音をカット(低減)する出力モードである。
図5(c)に示すように、高音重視モードは、音を出力する場合に、該出力する音が高音域の音であるときには、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量よりも大きい音量で出力する出力モードである。具体的に、本実施形態における高音重視モードは、周波数5000Hzをピークとして、周波数5000Hz前後の音を出力する場合の出力レベルが高くなるように設定されている。つまり、高音重視モードは、高音域の音量が大きくなるように調整することで、高音域の音を重視(強調)して出力する出力モードである。
図5(d)に示すように、低音重視モードは、音を出力する場合に、該出力する音が低音域の音であるときには、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量よりも大きい音量で出力する出力モードである。具体的に、本実施形態における高音重視モードは、周波数100Hzをピークとして、周波数100Hz前後の音を出力する場合の出力レベルが高くなるように設定されている。つまり、低音重視モードは、低音域の音量が大きくなるように調整することで、低音域の音を重視(強調)して出力する出力モードである。
以上のように、本実施形態の出力モードには、低音域から高音域までの各音域における音の出力量が互いに異なる複数の出力モードを含む。
図3に示すように、音質変更機能による音質の変更は、画像表示部GHに映し出されるカスタマイズ用の画面36と、操作ボタンBTのうち押圧部UBT,DBTの操作によって行うことができる。そして、本実施形態では、押圧部UBT,DBTの操作によって、複数の出力モードの中から何れかの出力モードを設定することができる。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電源が投入されると、その後、音質変更機能による音質の変更が行われるまでは、標準モードが設定されるようになっている。つまり、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電源投入時には、標準モードが初期設定される。
具体的に言えば、カスタマイズ用の画面36が表示されている場合において、押圧部UBT,DBTを操作することにより、出力モードを選択することができる。画面36には、現在選択されている出力モードを特定させるための選択バー37が表示されており、押圧部UBT又は押圧部DBTを操作する毎に選択バー37を移動させることができる。例えば、図3に示すように、選択バー37が「標準モード」の位置に表示されている場合、押圧部DBTを2回操作することで選択バー37を「高音重視モード」の位置に移動させ、当該出力モードを選択することができる。このように出力モードを選択する操作は、複数の出力モードから出力モードを選択する操作に相当する。前述のように、本実施形態の操作ボタンBT(押圧部UBT,DBT)は、遊技者が操作できるように設置されている。このため、本実施形態の音質変更機能は、主に遊技者に音質変更を許容する機能となる。
なお、操作ボタンBTは、パチンコ遊技機10の電源が投入されている時に有効とされる。つまり、パチンコ遊技機10の電源が投入されていない状態で操作ボタンBTを操作したとしても、操作ボタンBTから操作信号は出力されず、音量や音質を変更することはできない。
以上のような音量変更機能と、音質変更機能と、に関連して、副制御用CPU31aは、以下に説明する制御を行う。
副制御用CPU31aは、設定器33で設定された音量段階から特定される音量値に基づく音量を基準音量とし、該基準音量をもとに音を出力させる制御を行う。本実施形態のパチンコ遊技機10では、基準音量をもとに音を出力させることを原則としている。なお、設定器33の設定値は副制御用RAM31cに記憶される。
そして、第2の音量変更機能により音量の変更指示が行われた場合には、特定条件が成立するまでの間、第2の音量変更機能によって変更された音量をもとに音を出力させる。具体的に言えば、変更後に待機状態が所定時間の間、継続すること、又は遊技を行っている状態から待機状態へ再移行することを特定条件とし、これらの条件が成立した場合に音量を基準音量、すなわち設定器33の設定に戻すようになっている。このように音量を基準音量に自動復帰させる制御を行うことで、前述したように本実施形態では原則、基準音量をもとに音が出力されることになる。その一方で、本実施形態では、音量の変更後、継続的に遊技が行われている場合、第2の音量変更機能によって変更した音量をもとに音を出力させることができる。なお、音量が維持される遊技には、図柄変動ゲームが行われていることや、当り遊技が行われていることを含む。
一方、副制御用CPU31aは、前述したように、調整可能期間において第2の音量変更機能によって音量の変更が行われた場合、その変更された音量をもとに音を出力させる制御を行う。副制御用CPU31aは、例えばデモンストレーション演出中に操作ボタンBTの操作信号を入力した場合、画像表示部GHに図3に示す画面36を表示させる。そして、押圧部LBT、又は押圧部RBTの操作によって指示段階が指示されると、その指示段階から特定される音量値に基づく音量をもとに音を出力させるように制御する。なお、設定された指示段階は副制御用RAM31cに記憶され、変更の度に書き換えられる。
また、副制御用CPU31aは、音を出力させる場合、前述した音量変更機能により特定される音量値と、設定されている出力モードと、に基づく音量で音を出力させる。
具体的に、副制御用CPU31aは、音を出力させる場合、該出力させる音の周波数と、設定されている出力モードとに基づき、出力レベルを特定する。そして、副制御用CPU31aは、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量を、特定した出力レベルに応じて調整し、該調整した音量で音を出力させる。これにより、本実施形態のスピーカSpは、音量変更機能により設定されている音量、及び、設定されている出力モードに定められた音質に基づいて音を出力可能である。
また、音質変更機能により出力モードの変更指示が行われた場合には、所定条件が成立するまでの間、音質変更機能によって変更された出力モードに定められた音質に基づいて音を出力させる。具体的に言えば、出力モードの変更後に待機状態が所定時間の間、継続すること、又は遊技を行っている状態から待機状態へ再移行することを所定条件とし、これらの条件が成立した場合、標準モード、即ち、初期設定された出力モードに戻すようになっている。本実施形態において、所定条件は、操作ボタンBTを操作しなくても成立し得る条件である。したがって、本実施形態では、操作ボタンBTを操作しなくても、初期設定された出力モードに戻すことができる。なお、設定されている出力モードは副制御用RAM31cに記憶され、変更の度に書き換えられる。
ここで、図5を用いて、出力モードに応じて音量を調整する制御の一例として、100Hzの音を出力する場合の制御と、5000Hzの音を出力する場合の制御とについて説明する。
まず、100Hzの音を出力する場合の制御について説明する。
図5(a)に示すように、副制御用CPU31aは、標準モードが設定されている場合、出力させる音の周波数が100Hzであることから、出力レベル「0」を特定する。このため、副制御用CPU31aは、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量そのままで音を出力させる。また、図5(b)、図5(c)に示すように、副制御用CPU31aは、高音カットモード又は高音重視モードが設定されている場合にも、出力レベル「0」を特定し、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量そのままで音を出力させる。
また、図5(d)に示すように、副制御用CPU31aは、低音重視モードが設定されている場合、出力させる音の周波数が100Hzであることから、出力レベル「6」を特定する。このため、副制御用CPU31aは、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量よりも6dB大きい音量で音を出力させる。
このようにして音量の調整を行うことにより、本実施形態では、低音重視モードが設定されている場合、他の出力モードが設定されているときと比較して、低音域の音を重視(強調)して出力させることができる。なお、上述したように、低音域の音は、例えば図柄変動ゲーム中のBGMなどで用いられることが多いため、低音重視モードでは、他の出力モードと比較して、より効果的に、遊技者の気分を継続的に高揚させることができる。
次に、5000Hzの音を出力する場合の制御について説明する。
図5(a)に示すように、副制御用CPU31aは、標準モードが設定されている場合、出力させる音の周波数が5000Hzであることから、出力レベル「0」を特定する。このため、副制御用CPU31aは、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量そのままで音を出力させる。また、図5(d)に示すように、副制御用CPU31aは、低音重視モードが設定されている場合にも、出力レベル「0」を特定し、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量そのままで音を出力させる。
また、図5(b)に示すように、副制御用CPU31aは、高音カットモードが設定されている場合、出力させる音の周波数が5000Hzであることから、出力レベル「−6」を特定する。このため、副制御用CPU31aは、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量よりも6dB小さい音量で音を出力させる。
また、図5(c)に示すように、副制御用CPU31aは、高音重視モードが設定されている場合、出力させる音の周波数が5000Hzであることから、出力レベル「6」を特定する。このため、副制御用CPU31aは、音量変更機能により特定される音量値に基づく音量よりも6dB大きい音量で音を出力させる。
このようにして音量の調整を行うことにより、本実施形態では、高音カットモードが設定されている場合、他の出力モードが設定されているときと比較して、高音域の音をカットして出力させることができる。なお、遊技者によっては、高音域の音について、低音域の音よりも耳障りであると感じる者もいる。これに対し、高音カットモードでは、高音域の音をカットして出力させることができるため、他の出力モードと比較して、遊技者が不快に感じることを抑制できる。
また、このようにして音量の調整を行うことにより、本実施形態では、高音重視モードが設定されている場合、他の出力モードが設定されているときと比較して、高音域の音を重視(強調)して出力させることができる。なお、上述したように、高音域の音は、例えば図柄変動ゲームにおいて当りとなるときに実行される演出や、当りとなる期待度が高いときに実行される演出などで用いられる場合が多いため、高音重視モードでは、他の出力モードと比較して、より効果的に、遊技者の気分を瞬間的に高揚させることができる。
次に、前述した調整不能期間について説明する。
パチンコ遊技機10は、エラーが発生しているエラー状態を検知し、エラー報知を行う機能を有する。エラー状態は、パチンコ遊技機10の制御状態の1つである。
本実施形態におけるエラー状態には、RAMクリア、主制御基板エラー、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラー、扉開放、満杯エラー、賞球エラーなどがある。これらのエラー状態は一例であり、パチンコ遊技機10は、仕様(スペック)に応じて様々なエラー状態を検知する機能を搭載している。
RAMクリアは、主制御用RAM30cの記憶内容が初期化される状態である。主制御基板エラーは、ハードウェア乱数の更新に異常が生じた状態である。磁気エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された磁気センサによって所定の強さ以上の磁気が検知された状態である。誘導磁界検知エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された誘導磁界検知センサ(電波センサ)によって特定の周波数帯の電波が検知された状態である。大入賞口不正入賞エラーは、当り遊技が生起されていないとき(特別電動役物装置の未作動時)に、大入賞口への入賞が検知された状態である。普通電動役物不正入賞エラーは、普通電動役物装置の未作動時に第2始動口13への入賞が検知された状態である。扉開放は、パチンコ遊技機10の枠(前枠や中枠)が開放された状態である。満杯エラーは、貯留皿(下皿)が満杯の状態である。賞球エラーは、パチンコ遊技機10の内部に配置されている球通路に、払出すべき遊技球が存在しない状態である。
これらのエラー状態が生じた場合、主制御用CPU30aは、エラー状態を特定可能な制御情報(エラーコマンド)を生成する。そして、副制御用CPU31aには、主制御用CPU30aによって生成されたエラーコマンドが入力される。
副制御用CPU31aは、エラーコマンドを入力した場合、そのエラーコマンドから特定されるエラー状態に応じて、エラー報知を行わせる。エラー報知の態様はエラー状態の種類に応じて異なるが、演出表示装置11にエラー状態が発生した旨を画像表示させたり、スピーカSpからエラー報知音を出力させたりして行われる。即ち、副制御用CPU31aは、エラー状態においては、スピーカSpから、エラー状態を報知するためのエラー報知音を出力可能である。なお、以下の説明では、便宜上、エラーが発生していない状態(エラー状態ではない制御状態)を非エラー状態と示す場合がある。
また、副制御用CPU31aは、エラー報知の制御とともに、エラー状態の種類に応じてカスタマイズを無効化する調整不能期間を設定する。本実施形態において、副制御用CPU31aは、エラー状態のうち特定のエラー状態において、エラーの報知が行われている期間を調整不能期間に設定する。そして、副制御用CPU31aは、調整不能期間を設定した場合、前述した操作ボタンBTの操作に基づく音量の変更及び出力モードの変更を無効化する。つまり、特定のエラー状態が発生しているときには、操作ボタンBTの操作による音量の変更及び出力モードの変更ができない。
本実施形態において、特定のエラー状態は、特定のエラー状態でないエラー状態と比較して、重要度の高いエラーが発生している状態である。ここで、特定のエラー状態としては、例えば、RAMクリアや主制御基板エラーを挙げることができる。一方、特定のエラー状態でないエラー状態としては、例えば満杯エラーや扉開放などを挙げることができる。なお、特定のエラー状態は、そのエラー状態の重要度などによって遊技機メーカの判断で決められる。本実施形態において、特定のエラー状態は、第1エラー状態に相当し、特定のエラー状態でないエラー状態は、第2エラー状態に相当する。
また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10の制御状態に応じて、音の出力態様を異ならせる。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機10から出力される出力音のうち、図柄変動ゲームや当り遊技の進行に伴って出力される演出用の音を演出音と示す。
副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10が非エラー状態である場合、前述したような制御によって、音量変更機能により設定されている音量、及び、設定されている出力モードに定められた音質に基づいて演出音を出力させる。
また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10がエラー状態である場合であって、特定のエラー状態でないときには、非エラー状態であるときと同様に、音量変更機能により設定されている音量、及び、設定されている出力モードに定められた音質に基づいて演出音を出力させる。そして、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10がエラー状態である場合であって、特定のエラー状態であるときには、演出音を出力させない。
以上のような制御によれば、本実施形態における演出音は、特定のエラー状態においては、出力されない一方で、特定のエラー状態でないエラー状態においては、設定されている出力モードに定められた音質に基づいて出力される。
また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10がエラー状態である場合、音量変更機能により設定されている音量と、設定されている出力モードに定められた音質とに関係なく、パチンコ遊技機10の出力音のうちエラー報知音を出力させる。換言すれば、本実施形態におけるエラー報知音は、設定されている出力モードに関係なく予め定めた音質で出力される。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)操作ボタンBTの操作によって、出力される音の音質を変更可能であるため、音の出力に関して自由度の向上を図り得る。つまり、カスタマイズ機能を充実させることができる。
(2)特に、操作ボタンBTは、パチンコ遊技機10の前面側、即ち遊技者が操作可能な位置に設けられている。このため、遊技者は、出力される音の音質を所望する音質に変更することができる。したがって、遊技に対する興趣の向上を図り得る。
(3)操作ボタンBTの操作によって出力モードを変更することにより、各音域における音の出力レベルを変更可能である。これにより、遊技者は、自らの好みに合わせて各音域における音の出力量を変更できる。
(4)操作ボタンBTの操作によって出力モードが変更された場合であっても、所定条件が成立したときには、初期設定された出力モードに戻すことができる。つまり、操作ボタンBTの操作による再設定などを行わなくても、初期設定された出力モードに戻すことができる。したがって、例えば、遊技者が入れ替わった場合などに、出力モードの再設定を行う煩わしさを解消することができ、利便性を向上できる。
(5)音質を変更できることに加えて、音量の大小を変更することもできる。このため、例えば、音質を変更したにもかかわらず、音量が大きすぎる又は小さすぎるために、音質の違いを認識できない状況が発生することを抑制できる。
(6)エラー報知音は、設定されている出力モード、即ち、設定されている音質に関係なく予め定めた音質で出力される。このため、聞き取りにくい音質に変更されている場合であっても、エラー状態を見逃すことを抑制できる。
(7)演出音は、特定のエラー状態においては出力されず、特定のエラー状態でないエラー状態や、非エラー状態においては、設定されている出力モードに定められた音質で出力される。このため、特定のエラー状態においては、特定のエラー状態でないエラー状態や、非エラー状態と比較して、演出音の音質が異ならされた上で、エラー報知音が出力される。したがって、特定のエラー状態を見逃すことをさらに抑制できる。
(8)特に、特定のエラー状態は、特定のエラー状態でないエラー状態と比較して、重要度の高いエラーが発生している状態である。したがって、エラー状態の中でも重要度の高いエラーが発生している特定のエラー状態について、見逃すことを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・各出力モードに定められた音質は、任意に変更してもよい。例えば、図6(a)に示すように、高音カットモードにおいて、所定の周波数(例えば、1000Hz)以上の音について、周波数が高くなるほど出力レベルが低くなるように設定してもよい。この場合、高音域になればなるほど音量が小さくなるため、高音域の音を耳障りに感じる遊技者に対して、より不快感を抑制できる。また例えば、図6(b)に示すように、高音カットモードにおいて、所定の周波数(例えば、1000Hz)を境に、所定の周波数以上の音について、所定の周波数未満の音に対する出力レベルよりも低い特定の出力レベルを設定してもよい。この場合、副制御用CPU31aは、所定の周波数未満か以上かのみに基づいて音の出力レベルを特定できるため、周波数ごとに異なる出力レベルを特定する必要がなく、制御を簡略化できる。
・各出力モードにおいて、所定の音域の音を強調したい場合、所定の音域以外の音域の音の出力レベルを低く設定することにより、相対的に所定の音域の音が強調されるようにしてもよい。例えば、高音重視モードにおいて、上記実施形態のように高音域の音の出力レベルを高く設定することに加えて、又は代えて、低音域の音の出力レベルを低く設定してもよい。この場合、高音重視モードでは、低音域の音と比較して高い出力レベルで高音域の音が出力されることとなるため、相対的に高音域の音が強調されるようになる。
・音質変更機能で設定可能な出力モードの種類は任意に変更してもよい。つまり、実施形態の4種類の出力モード以外の出力モードを搭載してもよいし、実施形態の4種類の出力モードのうち任意の出力モードを搭載しなくてもよい。
・パチンコ遊技機10に搭載された出力モードの中から、音質変更機能で設定可能な出力モードの種類を変更する操作が可能な設定変更手段を備えてもよい。設定変更手段は、パチンコ遊技機10の本体内部に配置するなど、遊技場の管理者などにより操作可能な位置に配置するとよい。これによれば、例えば、標準モード、高音カットモード、高音重視モード、低音重視モードの4つの出力モードを搭載した遊技機において、設定変更手段の操作により、標準モード、及び高音カットモードの2つの出力モードのみを音質変更機能で設定可能となるように変更することができる。この場合、遊技者は、音質変更機能において、標準モード、及び高音カットモードの2つの出力モードの中から出力モードを設定することで音質を変更可能である。つまり、本別例によれば、遊技者に対して音質の変更を許容しつつも、音質を変更できる内容を遊技場の管理者などの意思により制限できる。
・設定器33で設定可能な音量段階の段階数は任意に変更してもよい。つまり、実施形態の音量段階(5段階)よりも多い段階数としてもよいし、又は少ない段階数としてもよい。また、操作ボタンBT(押圧部LBT,RBT)の操作で設定可能な指示段階の段階数は任意に変更してもよい。つまり、実施形態の指示段階(5段階)よりも多い段階数としてもよいし、又は少ない段階数としてもよい。また、音量段階と指示段階は同一段階数であってもよいし、音量段階と指示段階は異なる段階数であってもよい。異なる段階数の場合、音量段階の方が指示段階よりも段階数が多くてもよいし、その逆に少なくてもよい。
・設定器33で設定可能な音量段階に、遊技用音量の段階に加えて、作業用音量の段階や消音用の段階を設けてもよい。なお、遊技用音量の段階数や作業用音量の段階数は任意に変更可能である。
・上記別例において、遊技用音量の段階は、実施形態で例示した音量段階M1〜M5に相当する。そして、遊技用音量の段階は、パチンコ遊技機10を遊技場に設置し、営業で用いる際の音量を設定する段階である。遊技場は、遊技機の設置可能な台数によって規模が異なり、設置台数が多いほど遊技機から発せられる音を鮮明に聞き取れるように音量を大きくする傾向にあり、設置台数が少ないほど音量を小さくする傾向にある。このため、遊技用音量の段階は、遊技場の規模などに応じて選択の自由度が広がるように複数の段階が用意されている。
・また、上記別例において作業用音量の段階は、遊技機の製造メーカによる開発時の調整作業時や遊技場への設置時の調整作業時などで用いる音量を設定する段階である。上記した調整作業は、遊技場の営業時に比して静寂な環境下で行われる。このため、作業用音量の段階は、調整作業において必要以上の音量で音が出力されることを防止するために用意されている。また、消音用音量の段階は、消音環境を作り出す場合に設定する段階である。
・上記別例のように作業用音量の段階や消音用音量の段階を設ける場合、例えば実施形態の設定器33において5段階のうち、音量段階M2〜M5の4段階を遊技用音量の段階とし、音量段階M1の1段階を作業用音量の段階としてもよい。また、例えば、設定器33の段階数を7段階とし、その7段階のうち1段階を消音用音量の段階とし、1段階を作業用音量の段階とし、残り5段階を遊技用音量の段階としてもよい。なお、作業用音量の音量段階が設定されている場合の音量値は、遊技用音量の音量段階が設定されている場合の音量値に比して小さい。そして、作業用音量の音量段階が設定されている場合、指示段階に関係なく一定の音量値が特定されるように構成してもよいし、指示段階に応じて異なる音量値が特定される様に構成してもよい。なお、作業用音量の音量段階が設定されている場合に、指示段階に応じて異なる音量値が特定されるように構成するときには、遊技用音量の音量段階が設定されている場合の最小の音量値よりも小さい音量値の範囲で段階的に変化させることができるようにするとよい。また、消音用音量の音量段階が設定されている場合の音量値は零又はほぼ零とする。
・音量段階と指示段階とから特定される音量値(音量)は任意に変更することができる。例えば、各音量段階において、指示段階S1の音量値を、指示段階の設定が行われていない場合の音量値と同一音量値に設定してもよいし、指示段階S3の音量値を、指示段階の設定が行われていない場合の音量値と同一音量値に設定してもよい。即ち、音量値は、所望の音量の音を出力できるように設定されていればよい。
・設定器33の配置は任意に変更してもよい。設定器33は、遊技者が操作不能であれば、遊技機の本体内部に配置されている必要はない。例えば、遊技機の本体外部(例えば、貯留皿の上面など)に配置されていてもよく、操作するために専用の鍵などを必要とする構成であれば遊技者は操作不能となる。
・設定器33の具体的な構成は任意に変更してもよい。つまり、電源投入前に設定することができる構成であれば具体的な構成は限定されない。例えば、スライドスイッチでもよい。
・操作ボタンBTの配置は任意に変更してもよい。つまり、操作ボタンBTは、遊技者により操作可能であれば具体的な配置箇所は限定されない。例えば、貯留皿(上皿)21の前面でもよい。
・操作手段の具体的な構成は任意に変更してもよい。例えば、タッチ式の操作手段、ダイアル式の操作手段、レバー式の操作手段でもよい。
・操作手段は、音質変更専用の操作手段としてもよいし、他の用途に用いる兼用の操作手段としてもよい。例えば、兼用の操作手段の場合は、図柄変動ゲームや当り遊技に伴う操作演出において使用できるようにしてもよい。
・初期設定された出力モードに復帰する所定条件は、例えば遊技機の電源を再投入することであってもよい。また、自動に復帰することに代えて、復帰用の操作手段などを設けてもよい。この復帰用の操作手段は、遊技者と遊技場の管理者のそれぞれが操作できてもよいし、遊技場の管理者のみが操作できてもよい。また、初期設定された出力モードに復帰する所定条件を設けず、操作ボタンBTの操作によってのみ出力モードを変更可能としてもよい。
・設定器33に設定した音量段階へ復帰する特定条件は、所定条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。
・操作ボタンBTの操作による音質変更は、デモンストレーション演出中のみに許容されるようにしてもよい。また、操作ボタンBTの操作による音量変更が許容される期間も、音質変更と同様に設定してもよい。
・操作ボタンBTの操作による音質変更を飾り図柄を用いた図柄変動ゲーム中に許容する場合、常時、音質変更を許容してもよいし、図柄変動ゲームが所定の制御状態で行われているときに許容してもよい。この場合の制御状態としては、リーチ形成後のリーチ演出中の変動を除く変動(所謂、通常変動中)としてもよい。
・また、当り遊技において操作ボタンBTの操作による音質変更を許容する場合、常時、音質変更を許容してもよいし、当り遊技が所定の制御状態で行われているときに許容してもよい。この場合の制御状態としては、例えば、当り遊技の開始を報知するオープニング演出や、特定のラウンド遊技としてもよい。
・また、当り遊技において操作ボタンBTの操作による音質変更を許容する場合、当りの種類によって音質変更を許容する場合と許容しない場合とを設定してもよい。例えば、遊技者にとって有利度が高い当りの場合は音質変更を許容してもよい。有利度が高い当りには、例えば当り遊技中に多くの賞球を獲得できる当りを挙げることができる。
・操作ボタンBTの操作による音量変更は、音質変更が許容される期間と同一の期間において許容されるようにしてもよいし、一部又は全部が異なる期間において許容されるようにしてもよい。
・副制御用CPU31aは、所定周期毎に、操作ボタンBTが操作されているか否かを読み込むように構成されていてもよい。
・音質変更機能として、上記実施形態のような、主に遊技者に音質変更を許容する音質変更機能に加えて、又は代えて、遊技場の管理者などに音質変更を許容する音質変更機能を搭載してもよい。この場合、例えば、施錠装置34を解錠しなければアクセスできないパチンコ遊技機10の本体内部に操作手段を設け、該操作手段の操作により出力モードを変更することで音質を変更可能としてもよい。なお、この場合、操作手段は、例えば押下式のボタンでもよいし、タッチ式の操作手段、ダイアル式の操作手段、レバー式の操作手段でもよい。
・第1の音量変更機能、及び第2の音量変更機能のうち、何れか一方又は両方の機能を搭載しなくてもよい。第2の音量変更機能を搭載しない場合、副制御用CPU31aは、第1の音量変更機能により設定された音量について、出力モードに基づいて音量を調整するとよい。また、第1の音量変更機能を搭載しない場合、副制御用CPU31aは、予め定めた音量を基準音量とし、該基準音量をもとに第2の音量変更機能により音量を変更し、該変更された音量について、出力モードに基づいて音量を調整するとよい。また、第1の音量変更機能、及び第2の音量変更機能の両方を搭載しない場合、副制御用CPU31aは、予め定めた音量について、出力モードに基づいて音量を調整するとよい。
・音質変更機能において変更できる内容は、音の周波数と音の出力レベルとの関係に限らず、適宜変更してもよい。例えば、音質変更機能において、音を出力する際の雑音(ノイズ)の量を変更可能としてもよい。また例えば、音質変更機能において、音を出力する際の最大音量と最小音量との比率(所謂、ダイナミックレンジ)を変更可能としてもよい。つまり、音質変更機能においては、音の出力状態を変更可能であれば、変更可能とする内容は限定されない。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。
・また、単一の基板に主制御基板30の主制御用CPU30aと副制御基板31の副制御用CPU31aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
・画面36の表示内容は、設定されている出力モード及び設定されている音量が特定できればその表示内容は任意に変更してもよい。例えば、設定されている出力モードを示す文字列や画像を表示させる一方で、設定されていない出力モードを示す文字列や画像を表示させなくてもよい。また例えば、設定されている音量を数字で表示してもよい。また、画面36の表示内容には、例えばスピーカを模した画像を含み、カスタマイズ用の画面であることを遊技者に報知してもよい。
・画面36が表示される際、設定されている出力モードに関係なく、予め定めた出力モードの位置が選択バー37の初期位置として設定されるようにしてもよい。例えば、高音カットモードが設定されている場合に、画面36が表示されたときに、標準モードの位置に選択バー37が表示されるようにしてもよい。この場合、押圧部UBT,DBTの操作により選択バー37を高音カットモードの位置に移動させることで、設定されている出力モードを変更しないようにすることができる。一方、押圧部UBT,DBTを操作しないこと、又は、押圧部UBT,DBTの操作により選択バー37を高音カットモード以外の出力モードの位置に移動させることで、設定されている出力モードを変更することができる。
・演出表示装置11として、主に演出表示を行う主表示装置(例えば、メイン液晶)と付加的に演出表示を行う副表示装置(例えば、サブ液晶)を搭載している場合、カスタマイズ用の画面36を副表示装置に表示させるようにしてもよい。
・画面36を表示する表示装置は、適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置11として、主に演出表示を行う主表示装置(例えば、メイン液晶)と付加的に演出表示を行う副表示装置(例えば、サブ液晶)を搭載している場合、副表示装置に表示させるようにしてもよい。また、例えば、飾り図柄を用いた図柄変動ゲームの演出表示装置11(画像表示部GH)とは別に設けた表示装置に表示させてもよい。例えば、演出表示装置11とは別に液晶ディスプレイを設け、その液晶ディスプレイにカスタマイズ用の画面36を表示させてもよい。なお、カスタマイズ用の画面36を表示する表示装置は、専用の表示装置としてもよいし、他の用途に用いる兼用の表示装置としてもよい。
・画面36は、操作ボタンBTの操作が所定時間経過しても行われない場合に非表示の状態としてもよい。また、画面36に音質変更や音量変更を反映させることを指示する指示表示を行い、その指示表示が選択されたことによって非表示の状態としてもよい。
・画面36は、画像表示部GHにおいて飾り図柄や保留表示と重ならない位置に表示されることが好ましい。
・副制御基板31がバックアップ機能を搭載していない場合、設定されている音質や音量に関する情報は電源遮断によって消去されてもよい。一方、副制御基板31がバックアップ機能を搭載している場合、設定されている音質や音量に関する情報は電源遮断後も保持されており、電源投入時にその記憶内容にしたがって出力モードや音量値を設定してもよい。つまり、電源投入時において、初期設定される出力モードとして定めた出力モードを設定することなく、電源遮断時に設定されていた出力モードを設定するようにしてもよい。この場合、初期設定される出力モードとは、RAMクリアが行われてから音質変更機能による音質の変更が行われるまでの間に設定される出力モードとなる。
・演出音は、特定のエラー状態において、設定されている出力モードに関係なく出力されるようにしてもよい。例えば、設定されている出力モードに関係なく、標準モードに基づいて演出音が出力されるようにしてもよい。また例えば、エラー状態専用の出力モードを備え、エラー状態中は、該エラー状態専用の出力モードに基づいて演出音が出力されるようにしてもよい。この場合、エラー状態専用の出力モードについて、他の出力モードと比較して、エラー報知音の周波数を含む周波数帯の音の出力レベルが低くなるように設定すれば、エラー報知音をより際立たせることができ、エラー状態を見逃すことを抑制できる。また、特定のエラー状態において、演出音のうち一部の音が、出力されない又は設定されている出力モードに関係なく出力される一方で、演出音のうち一部の音以外の音が、設定されている出力モードに基づいて出力されるようにしてもよい。
・全てのエラー状態について、演出音を出力させないようにしてもよい。また、全てのエラー状態について、設定されている出力モードに関係なく予め定めた出力状態で演出音を出力させるようにしてもよいし、設定されている出力モードに基づいて演出音を出力させるようにしてもよい。
・エラー報知音は、設定されている出力モードに基づいて出力されるようにしてもよい。また、エラー報知音は、特定のエラー状態においては、設定されている出力モードに関係なく予め定めた出力状態で出力される一方で、特定のエラー状態でないエラー状態においては、設定されている出力モードに基づいて出力されるようにしてもよい。
・エラー報知音の出力態様は、エラー状態の種類に応じて異ならされてもよい。例えば、エラー報知音は、特定のエラー状態においては予め定めた第1の音量で出力される一方で、特定のエラー状態でないエラー状態においては第1の音量よりも小さい第2の音量で出力されるようにしてもよい。また例えば、エラー報知音は、特定のエラー状態においては出力される一方で、特定のエラー状態でないエラー状態では出力されないようにしてもよい。
・特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、複数の特別図柄を用いるパチンコ遊技機、複数の大入賞口を有するパチンコ遊技機、あるいは単一の始動口を有するパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、第1始動口12と第2始動口13を備え、第2始動口13を遊技盤YBの右方領域に配置した右打ちのパチンコ遊技機に具体化してもよい。このような右打ちのパチンコ遊技機では、遊技の進行において左打ちを推奨しているときに右打ちを継続していると右打ちエラーの報知を行う。このように右打ちエラーの報知(エラー状態)が行われているときは、演出音が出力されないようにしてもよいし、設定されている出力モードに基づいて出力されるようにしてもよい。
・遊技球が特定領域を通過することを契機に当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・「羽根もの」、「ヒコーキタイプ」とも言われる第2種に分類されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入球口へ入球することによって当り遊技(特別遊技)が生起される。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機に具体化してもよい。確率変動機能は、当り抽選の当選を契機に所定の確率で、当り遊技終了後の当り抽選の当選確率を高確率に変動させる確率変動状態を付与する機能である。確率変動機能を有するパチンコ遊技機には、次回の当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様、あるいは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様がある。また、確率変動機能を有するパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様がある。
・変動時間短縮機能を搭載したパチンコ遊技機に具体化してもよい。変動時間短縮機能は、開閉羽根15が開動作する確率を上昇させ、第2始動口13への単位時間あたりの入球率を向上させる入球率向上状態を付与する。
・回胴式遊技機に具体化してもよい。回胴式遊技機には、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンや、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンを含む。このようにパチンコ遊技機とは異なる遊技機においても、カスタマイズ機能による音質変更や音量変更を行うことができる。回胴式遊技機においても、その仕様に応じて様々なエラー状態がある。このため、回胴式遊技機にカスタマイズ機能を搭載する場合、エラー状態の種類に応じて、演出音が出力されないようにしてもよいし、設定されている出力モードに基づいて出力されるようにしてもよい。また、特定のエラー状態に限らず、回胴式遊技機で行われる演出のうち所定の演出の実行中において、演出音が出力されないようにしてもよい。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)遊技機の制御状態には、エラーが発生しているエラー状態を含み、前記エラー状態においては、前記出力手段から、エラー状態を報知するためのエラー報知音を出力可能であり、前記エラー状態には、第1エラー状態と、第2エラー状態と、を含み、前記エラー報知音以外の音のうち少なくとも一部の音は、前記第1エラー状態においては、出力されない、又は設定されている出力モードに関係なく出力される一方で、前記第2エラー状態においては、設定されている出力モードに定められた音の出力状態に基づいて出力される。
(ロ)前記第1エラー状態は、前記第2エラー状態と比較して、重要度の高いエラーが発生している状態である。