JP2014094166A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の音声要素が相対的に強調された演出的な音声を出力する遊技機を提供する。
【解決手段】演出音声データに対して音声処理パターンに基づく音声処理を施す音声処理手段と、遊技者から複数の音声処理パターンのいずれかを選択するための入力操作であって、音声処理パターンに対応する音声処理の態様を指定する入力操作を受け付ける操作入力手段と、演出決定手段が決定した演出パターンに基づく演出表示を制御するとともに、当該演出パターンによる演出表示に対応した演出音声データに対して音声処理手段による音声処理を施した演出音声を音声出力手段に出力させる演出制御手段と、を備える。音声処理手段は、操作入力手段が複数の音声処理パターンのいずれかを選択するための入力操作を受け付けた場合、当該入力操作に対応する音声処理パターンに基づいて音声処理を施す。
【選択図】図8

Description

音声出力機能を備えた遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行効率を高める確率変動および変動時間短縮、始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態へ移行したりする制御によっても遊技者の期待感を高めている。
特開2003−230714号公報
多数の遊技機が設置される遊技店の店内は、様々な音で溢れている。例えば、遊技機から発せられる演出的な背景音楽や効果音だけでなく、遊技球が釘や役物に弾かれる音、遊技球同士や遊技メダル同士の衝突音、遊技球や遊技メダルが上皿、下皿、ドル箱、計数器などに流し込まれる音、店内に流れる音楽や店員によるアナウンスなどが休むことなく流れている。その結果、遊技者が他者と会話をしようと思っても大きな声を発しなければ声が伝わりにくいこともあり得る。そのような環境では、遊技機から発する演出的な音声もまた音量を高めなければ遊技者へ十分に伝わりにくくなる懸念が生じるものの、演出の効果を高めるとはいえ大音量化させる音量にも限度がある。本発明者は、遊技機から出力させる音声の総音量を抑えながらも音声による演出の効果を高めるためには、遊技者が特に聞きたいと思う特定の音声要素を相対的に強調させた演出音声を出力することが望ましいと想到した。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、特定の音声要素が相対的に強調された演出的な音声を出力する遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機は、所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選の結果を演出的に示す演出過程がそれぞれ定められた複数の演出パターンと、演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データと、演出音声を構成する特定の音声要素が相対的に強調されるように調整する音声処理の態様が定められる複数の音声処理パターンと、を記憶するパターン記憶手段と、当否抽選の結果に応じて複数の演出パターンから演出表示させるべき演出パターンを決定する演出決定手段と、演出パターンに応じて演出的な音声を出力する音声出力手段と、演出音声データに対して音声処理パターンに基づく音声処理を施す音声処理手段と、遊技者から複数の音声処理パターンのいずれかを選択するための入力操作であって、音声処理パターンに対応する音声処理の態様を指定する入力操作を受け付ける操作入力手段と、演出決定手段が決定した演出パターンに基づく演出表示を制御するとともに、当該演出パターンによる演出表示に対応した演出音声データに対して音声処理手段による音声処理を施した演出音声を音声出力手段に出力させる演出制御手段と、を備える。音声処理手段は、操作入力手段が複数の音声処理パターンのいずれかを選択するための入力操作を受け付けた場合、当該入力操作に対応する音声処理パターンに基づいて音声処理を施す。
本発明の別の態様の遊技機は、所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選の結果を演出的に示す演出過程がそれぞれ定められた複数の演出パターンと、演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データと、演出音声を構成する特定の音声要素が相対的に強調されるように調整する音声処理の態様が定められる複数の音声処理パターンと、を記憶するパターン記憶手段と、当否抽選の結果に応じて複数の演出パターンから演出表示させるべき演出パターンを決定する演出決定手段と、演出パターンに応じて演出的な音声を出力する音声出力手段と、演出音声データに対して音声処理パターンに基づく音声処理を施す音声処理手段と、演出決定手段が決定した演出パターンに基づく演出表示を制御するとともに、当該演出パターンによる演出表示に対応した演出音声データに対して音声処理手段による音声処理を施した演出音声を音声出力手段に出力させる演出制御手段と、を備える。音声処理手段は、音声出力手段に出力させる演出音声の音量調整を必要とする状況であるか否かを所定の基準に基づき判断し、当該基準を満たした場合に当該基準に対応する音声処理パターンに基づいて音声処理を施す。
なお、以上の構成要素に関する任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の遊技機によれば、特定の音声要素が相対的に強調された演出的な音声を出力する遊技機を提供することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。 音声処理の態様を音域ごとに指定する操作画像を示す図である。 音声処理の態様を音域ごとに指定する操作画像を示す図である。 音声処理の態様を音域ごとに指定する操作画像を示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図11におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャート 図12におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートであ 図11におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。 図14におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。 図14におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。 図11におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図17におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。 図17におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。 音声処理パターンを選択する処理を示すフローチャートである。 変形例における音声処理パターンテーブルを模式的に示す図である。 音声処理の態様を選択肢の中から指定する操作画像を示す図である。 音声処理の態様を選択肢の中から指定する操作画像を示す図である。
(第1実施例)
本実施例では、遊技機から出力させる音声の総音量を抑えながらも音声による演出の効果を高めるため、演出音声を構成する特定の音声要素のうち遊技者が聞きたいと思う音声要素を相対的に強調させた演出音声を出力する。ここで、演出音声を構成する特定の音声要素には、低音域の音声や高音域の音声といった音域に関する要素や、背景音楽やボーカル音、役物の可動音といった音源に関する要素などが含まれる。このような音声要素のうち、どの音声要素を強調させるべきかについては、遊技者の趣向によって異なることが想定され、演出の内容や遊技中の気分によっても変わりうると考えられる。
そこで、本実施例では、特定の音声要素を強調させる音声処理の態様を演出内容を表示する演出表示装置に重畳して表示させ、その中から音声処理の態様を遊技者に選択させることで、遊技者の趣向に合わせた音声処理が施された演出音声を出力する。「低音重視」や「ボーカル重視」といった音声処理の態様に対応して複数の音声処理パターンを用意し、遊技者にそれらの音声処理の態様を遊技中に選択させることによって、低音域やボーカル音が相対的に強調された演出音声を出力する。このような音声処理を施すことにより、遊技者は自分の好みに応じて特定の音声要素が強調された演出音声をじっくり楽しむことができ、同じ演出内容であったとしても音声処理の態様を変えることで、印象の異なる演出を楽しむことができる。また、出力させる演出音声のうち特定の音声要素を相対的に強調することで、出力可能な音量に一定の制限が掛けられていたとしても、演出音声の総音量を上げずに強調させたい音声要素を遊技者へ効果的に聞かせることができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例においてセグメントの組合せで表される特別図柄192は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。例えば可動役物140は、遊技者による操作ボタン82を介した操作入力に応じて動作する。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出制御手段134、役物制御手段136、音声処理手段138を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図4(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図4(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図5(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図5(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図5(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図5(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。種類「1」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図5(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図5(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
図6は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図8(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図8(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図6(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図10において説明する。
図6(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図6(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯などの演出処理をさらに制御するとともに、音声出力手段としてのスピーカ18からの音声出力を制御する。
音声処理手段138は、演出音声を構成する特定の音声要素が相対的に強調された演出音声を出力するため、所定の音声処理パターンに基づく音声処理を施す。音声処理手段138による音声処理が施された演出音声は、演出制御手段134によってスピーカ18を介して出力される。
役物制御手段136は、演出制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図7は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがその分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。なお、本図の第2欄214、第3欄216、第4欄218の各パターン抽選値範囲の割合と第1欄212におけるパターン抽選値範囲の割合を比較するために、第1欄212のパターン抽選値範囲の割合を示す破線を第2欄214、第3欄216、第4欄218に描いている。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲より小さい。また、第3欄216および第4欄218では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第3欄216の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。
本実施例のパターン記憶手段130は、遊技の状態に応じて表示させる演出パターンとの対応で出力させる複数の演出音声データを保持する。ここでいう演出音声データは、複数種類の背景音楽データおよび複数種類の効果音データであり、それぞれ図柄変動演出、予告演出、大当り演出といった各演出のいずれにおいて出力されるかが定められ、各演出の演出パターンと対応付けられている。効果音データは、1秒〜数秒の相対的に短時間だけ再生される音声である場合が多く、数秒〜1分間といった相対的に長い時間にわたって再生される背景音楽データとは対照的なデータである。演出決定手段132は、スピーカ18から出力させる演出的な音声として、現在の遊技の状態に応じて選択した演出パターンに対応する演出音声データを複数の演出音声データから選択する。音声処理手段138は、演出決定手段132により決定された演出音声データに対して所定の音声処理パターンに基づく音声処理を施し、演出制御手段134は、音声処理手段138による音声処理が施された演出音声信号をスピーカ18から出力させる。
操作ボタン82は、音声処理パターンを選択するための入力操作を受け付けるための操作入力手段として、音声処理パターンに対応する音声処理の態様を指定する入力操作を受け付ける。操作ボタン82は、方向指示の入力操作を受け付けるための十字キーと、決定の入力操作を受け付けるための決定ボタンにより構成される。音声処理手段138は、操作ボタン82が受け付けた入力操作に応じて、遊技者が音声処理の態様を指定するための操作画像を生成し、演出制御手段134は、音声処理手段138が生成した操作画像を演出中の演出内容に対応する表示画像に重畳させて演出表示装置60に表示する。
図8〜10は、音声処理の態様を音域ごとに指定する操作画像300を示す図である。本図に示すように、演出制御手段134により表示制御がなされる演出表示装置60は、演出内容に対応して表示される装飾図柄190とともに、操作ボタン82が受け付ける入力操作に応じて音声処理手段138が生成する操作画像300を表示する。操作画像300は、複数設定される所定の音域ごとの音量を相対的に調整するために表示される画像であり、音声処理手段138にグラフィックイコライザとしての音量調整機能を発揮させるために表示される画像である。操作画像300は、音量調整する複数の音域として、低音域側から順番に「低音」、「中低音」、「中音」、「中高音」、「高音」の5つを示す表示を含むとともに、各音域における音量の調整量を6段階で示すレベル表示画像306を含む。また操作画像300は、レベル表示画像306を囲むようにして表示される選択画像308を含み、入力操作により音量調整量を変化させる音域を示す。
音声処理手段138は、操作ボタン82を構成する決定ボタンが1秒以上など所定時間継続して長押しされた場合に、図8に示す操作画像300を生成して演出表示装置60に表示させる。図8に示す操作画像300が表示されている状態において、操作ボタン82を構成する十字キーの上方向ボタンを押下すると、音声処理手段138は、選択画像308に囲まれる「中音」の音量調整量のレベルが2段階から3段階へ1段階上がった状態を示す図9の操作画像300を表示させる。図9に示す操作画像300が表示されている状態において、操作ボタン82を構成する十字キーの右方向ボタンを押下すると、音声処理手段138は、選択画像308が「中音」の右隣に表示される「中高音」に移った状態を示す図10の操作画像300を表示させる。図10の操作画像300が表示される状態において十字キーの上下方向ボタンを押下すると、「中高音」の音量調整量を変化した操作画像300が表示される。このように、音声処理手段138は、遊技者からの方向指示の入力操作に応じて各音域の音量調整量が変化した操作画像300を表示させることにより、遊技者が音声処理の態様を指定できる状態とする。
パターン記憶手段130は、演出音声データに対して施す音声処理の態様が定められた複数の音声処理パターンデータを保持する。図8で示した5つの音域に対して6段階での音量調整を可能とするために、各音域の音量調整量を変化させた音声処理の態様に対応した音声処理パターンデータが複数用意される。それぞれの音声処理パターンデータには、操作画像300に示される各音域の音量調整量に合わせて、各音域に対応する所定の周波数成分の振幅を調整するとともに、調整後の演出音声の総音量が所定の閾値を超えないように調整する音声処理の態様が定められる。それぞれの音声処理パターンデータとして、「低音」から「高音」までの5段階の各音域に対応する周波数帯域の中心周波数として63Hz、250Hz、1KHz、4KHz、8KHzが設定され、各周波数帯域ごとに振幅の調整率が設定される。また、音声処理パターンデータに定められる振幅の調整率として、レベル表示画像306に示す調整量が相対的に大きい場合には、振幅を相対的に増幅させる値が設定され、相対的に小さい場合には振幅を相対的に減衰させる値が設定される。
音声処理手段138は、操作画像300が表示されている状態において決定の入力操作を受け付けた場合、その時点の操作画像300の表示内容に対応する音声処理パターンを選択する。音声処理手段138は、音声処理パターンが選択された場合、現在の遊技状態に応じて選択される演出パターンに対応した演出音声データに対して、選択した音声処理パターンに基づく音声処理を施し、音声処理が施された演出音声信号を演出制御手段134に出力させる。また音声処理パターンが選択された場合、音声処理手段138は、操作画像300の表示を終了するため操作画像300の表示を消すように演出制御手段134に指示する。なお、音声処理手段138は、操作画像300の表示を終了する際に「音声処理パターンが設定されました」などのメッセージを表示させ、所定の音声処理パターンが選択されたことを遊技者に示してもよい。
このように、遊技者からいずれかの音声処理パターンに対応する音声処理の態様を指定する入力操作を受け付け、選択された音声処理パターンに基づく音声処理を施すことにより、遊技者の趣向に応じて特定の音域が強調された演出音声を出力することができる。例えば、「低音」や「中低音」の音量調整量を上げる入力操作をすれば、低音が強調された「低音重視」の演出音声を聞くことができるし、「中音」の音量調整量を上げる入力操作をすればボーカル音が強調された「ボーカル重視」の演出音声を聞くことができる。したがって、遊技者は自分の好みに応じて特定の音域が強調された演出音声をじっくり楽しむことができ、同じ演出内容であったとしても音声処理の態様を変えることで、印象の異なる演出を楽しむことができる。
また遊技者は、操作ボタン82を長押しすることで演出中にいつでも操作画像300を表示させて音声処理の態様を変更することができるため、出力される演出音声を聞きながら音声処理パターンを選択できるし、いったん選択した音声処理パターンが気に入らない場合にも都度変えることができる。例えば、大当りの期待度が高く、かつ、発生頻度を低く設定されるレアな演出が表示されている状況において、その演出内容を特徴づける音域を強調させる音声処理パターンをその演出のタイミングで選択すれば、周囲の遊技者にレアな演出が表示されていることをよりアピールすることもできる。遊技者は、自分の好みのタイミングで演出内容をさらに盛り上げるための音声処理パターンを選択することができ、所定の音声処理パターンが施された演出音声を聞きながら演出内容をより一層楽しむことができる。
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図12は、図11におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出制御手段134へ送信し、これを受信した演出制御手段134が変動演出パターンにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。このとき、音声処理パターンが選択されている場合(S38のY)、音声処理手段138は、選択された音声処理パターンに基づく音声処理を開始し(S40)、音声処理が施された演出音声の出力を開始する(S42)。一方、音声処理パターンが選択されていない場合(S38のN)、S40の処理をスキップして、音声処理パターンに基づく音声処理が施されていない演出音声の出力を開始する(S42)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S44のY)、図柄変動表示処理を実行する(S46)。このとき、音声処理パターンが変更されていれば(S48のY)、変更された音声処理パターンに基づく音声処理に変更し(S50)、音声処理パターンが変更されていなければ(S48のN)、S50をスキップする。図柄変動表示が開始されていないときは(S44のN)、S46からS50をスキップする。
図13は、図12におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S52)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S54)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S56)、変動パターン決定手段115が特別図柄の変動パターンを選択する(S58)。図柄態様決定手段131は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S60)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動演出パターンや発展演出パターン、予告演出パターンなどを含む演出パターンを選択し(S62)、選択された演出パターンに対応して演出音声データを選択する(S64)。
図14は、図11におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S93)、その開始デモ演出の表示を開始する(S94)。このとき、所定の音声処理パターンが選択されている場合(S95のY)、音声処理手段138は、選択された音声処理パターンに基づく音声処理を開始し(S96)、音声処理が施された演出音声の出力を開始して(S97)本処理を一旦終了する。音声処理パターンが選択されていない場合(S95のN)、S96の処理をスキップして、音声処理パターンに基づく音声処理が施されていない演出音声の出力を開始する(S97)。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図15は、図14におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図16は、図14におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図17は、図11におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図18は、図17におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図19は、図17におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
図20は、音声処理パターンを選択する処理を示すフローチャートである。遊技者から操作ボタン82による入力操作を受け付けた場合(S200のY)、入力操作に応じて音声処理の態様を表示する操作画像300を表示する(S202)。その後、決定の入力操作を受け付けた場合(S204のY)、操作画像300の表示に対応した音声処理パターンを選択する(S206)。決定の入力操作を受け付けない場合(S204のN)、遊技者からの次の入力操作を待つ(S200)。遊技者からの入力操作を受け付けない場合(S200のN)、本処理を終了する。
(第1実施例の変形例)
変形例におけるぱちんこ遊技機10は、図8に示したグラフィックイコライザのような操作画像を表示する替わりに、「低音重視」や「ボーカル重視」といった音声処理の態様を示す複数の選択肢を示し、遊技者にいずれかの選択肢を選択させることにより所定の音声処理パターンを選択する。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図21は、変形例における音声処理パターンテーブルを模式的に示す図である。変形例における音声処理パターンデータには、音声処理の処理態様とともに、その音声処理パターンを遊技者に選択させるための選択肢として演出表示装置60に表示させる表示内容が定められる。例えば、「低音」と「中低音」の音域を強調させる音声処理パターンに対しては、その音声処理の態様を特徴的に示す選択肢として「低音重視」の表示内容が設定される。
図22、23は、音声処理の態様を選択肢の中から指定する操作画像310を示す図である。操作画像310は、音声処理パターンデータに定められた選択肢を表示する選択肢表示画像302と、選択肢を変更させるための入力操作を示唆する方向画像304を含む。音声処理手段138は、操作ボタン82の決定ボタンが長押しされた場合に、図22に示す操作画像310を生成して演出表示装置60に表示させ、音声処理の態様として「低音重視」の選択肢に対応する音声処理パターンが選択可能であることを示す。この状態で十字キーの下方向ボタンを押下されると、音声処理手段138は、図23に示す選択肢表示画像302が切り替わった操作画像310を表示し、音声処理の態様として「高音重視」の選択肢に対応する音声処理パターンが選択可能であることが示す。音声処理手段138は、遊技者からの方向指示の入力操作に応じて音声処理パターンデータに定められる選択肢を切り替えて表示させることにより、遊技者が音声処理の態様を指定できる状態とする。
このように、音声処理パターンに対応する選択肢を表示して、いずれかの選択肢を選択する入力操作を受け付けることで、選択された選択肢に対応した音声処理パターンに基づく音声処理を施して、遊技者の趣向に応じて特定の音域が強調された演出音声を出力する。この場合、遊技者はあらかじめ定められた選択肢の中から自分の好みに合った選択肢を選択するだけで演出音声に施される音声処理の態様を指定することができるため、グラフィックイコライザのような操作画像300を操作する場合と比較して、操作を単純にすることができる。特に、「ボーカル重視」や「役物重視」といった音声処理に関する特段の知識がなくても音声処理による効果がわかりやすい選択肢を用意し、それらの選択肢に対応した音声処理パターンデータを準備することで、誰でも手軽に音声処理の態様を選択して自分の好みに合った演出音声を楽しむことができる。
なお、音声処理の態様として特定の音域を強調させる音声処理パターンが定められる場合を紹介したが、その他の音声処理を施すことによって演出音声を構成する特定の音声要素を強調させるように調整する音声処理を施してもよい。例えば、「BGM重視」の音声処理パターンとして、演出音声を構成する背景音楽と効果音のうち、背景音楽データに対しては音声を強調させる音声処理を施すとともに、効果音データについては音声を抑制させる音声処理を施すことで、背景音楽が際立った演出音声を出力してもよい。また、「役物重視」の音声処理パターンとして、役物の可動音を出力するために用いる特定の効果音データに対して音声を強調させる音声処理を施してもよい。その他、リバーブやエコーなどの音声処理の態様を音声処理パターンとして用い、演出音声データに対してリバーブやエコーなどの音声処理を施してもよい。
(第2実施例)
本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、遊技者からの入力操作に応じて音声処理パターンを選択する替わりに、音声処理手段138が演出音声の音量調整を必要とする状況である否かを所定の基準に基づき判断して音声処理パターンを選択する点で第1実施例と相違する。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例における音声処理手段138は、演出音声の音量調整を必要とする状況であるか否かを判断し、音量調整を必要とすると判断した場合に判断に用いた所定の基準に対応した音声処理パターンを選択し、選択した音声処理パターンに基づく音声処理が施された演出音声を出力させる。
音声処理手段138は、音量調整を必要とする状況であるか否かを判断するための基準として時刻情報を利用し、パターン記憶手段130は、音声処理パターンデータとして、その音声処理パターンに基づく音声処理を開始すべき時刻に関する情報を保持する。音声処理手段138は、音声処理パターンデータに保持される時刻が到来した場合に、音声処理の態様としてその音声処理パターンを選択し、この音声処理パターンデータに基づく音声処理を開始する。また、本実施例における演出決定手段132は、音声処理パターンデータに保持される所定時刻の到来を契機に特定の演出表示をさせる旨を決定する。
本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、所定時刻になると特定の演出表示をする旨が決定されるため、この遊技機が複数設置されている遊技店では、複数台の遊技機において同じ演出が一斉に開始されることとなる。同じ演出が開始する複数台の遊技機からは、その演出表示に対応した演出音声が同時に出力されることとなるため、複数台の遊技機が一体となった臨場感あふれる演出音声を遊技者に聞かせることができる。
しかし、各遊技機が保持する時刻情報は完全に同期しないことがあるため、そのような場合には演出開始のタイミングが遊技機ごとに微妙にずれ、演出表示に伴って出力される演出音声が微妙にずれて店内に鳴り響くおそれがある。このような場合に、その演出音声を特徴付ける音声要素を相対的に強調させる音声処理パターンを設定し、遊技者の目の前の遊技機から聞こえる演出音声の特徴部分を強調して聞かせることで、演出音声の出力がずれて聞こえてしまう影響を緩和させることができる。例えば、ボーカル音を含む演出音声が出力される場合には、ボーカル音を強調させる音声処理パターンを設定することで、演出音声の特徴といえる歌声が強調された演出音声が主に目の前の遊技機から聞こえることとなり、遊技機間での音声出力タイミングがずれて聞こえてしまう影響を緩和することができる。
音声処理手段138は、音量調整を必要とする状況であるか否かを判断するための基準としてスピーカ18に出力される演出音声の総音量に関する情報を利用してもよい。スピーカ18から出力される演出音声の総音量を一定以下に制限しなければならない状況において、演出音声の総音量がその制限値を超えてしまう場合に、総音量を抑えつつ演出に必要な音を遊技者にしっかり聞かせるために、所定の音声処理パターンを施す。例えば、演出音声の出力に用いる演出音声データを単独で再生するときには、音量制限の必要が生じないように事前に音量を調整した演出音声データを用意しておけばよいが、演出パターンに応じて複数の演出音声データ同時に再生する場合には、瞬間的に想定以上の音量となってしまうおそれがある。そこで、演出パターンに応じて強調させたい音声要素が異なる音声処理パターンを用意し、出力しようとする演出音声の総音量が所定の閾値以上となるときに、その音声処理パターンに基づく音声処理を施す。これにより、総音量を抑えつつ、演出において聞かせたい音声要素を強調させて遊技者にしっかり聞かせることができる。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
上記の実施例においてはぱちんこ遊技機を例に説明したが、変形例においてはぱちんこ遊技機以外の遊技機、例えばじゃん球遊技機などの弾球遊技機やパチスロ遊技機などの回胴式遊技機であってもよい。回胴式遊技機は、複数種類の図柄を表示した複数のリールと、役の抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選手段により所定の役に当選し、遊技者による複数のリールの停止操作にしたがって所定の役を示す図柄が停止表示された場合に通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、回胴式遊技機の前面に配設されて演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出的な内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 115 変動パターン決定手段、 116 保留制御手段、 120 特別遊技制御手段、 132 演出決定手段、 134 演出制御手段、138 音声処理手段。

Claims (2)

  1. 所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記当否抽選の結果を演出的に示す演出過程がそれぞれ定められた複数の演出パターンと、前記演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データと、演出音声を構成する特定の音声要素が相対的に強調されるように調整する音声処理の態様が定められる複数の音声処理パターンと、を記憶するパターン記憶手段と、
    前記当否抽選の結果に応じて前記複数の演出パターンから演出表示させるべき演出パターンを決定する演出決定手段と、
    前記演出パターンに応じて演出的な音声を出力する音声出力手段と、
    前記演出音声データに対して前記音声処理パターンに基づく音声処理を施す音声処理手段と、
    遊技者から前記複数の音声処理パターンのいずれかを選択するための入力操作であって、前記音声処理パターンに対応する音声処理の態様を指定する入力操作を受け付ける操作入力手段と、
    前記演出決定手段が決定した演出パターンに基づく演出表示を制御するとともに、当該演出パターンによる演出表示に対応した演出音声データに対して前記音声処理手段による音声処理を施した演出音声を前記音声出力手段に出力させる演出制御手段と、を備え、
    前記音声処理手段は、前記操作入力手段が前記複数の音声処理パターンのいずれかを選択するための入力操作を受け付けた場合、当該入力操作に対応する音声処理パターンに基づいて音声処理を施す遊技機。
  2. 所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記当否抽選の結果を演出的に示す演出過程がそれぞれ定められた複数の演出パターンと、前記演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データと、演出音声を構成する特定の音声要素が相対的に強調されるように調整する音声処理の態様が定められる複数の音声処理パターンと、を記憶するパターン記憶手段と、
    前記当否抽選の結果に応じて前記複数の演出パターンから演出表示させるべき演出パターンを決定する演出決定手段と、
    前記演出パターンに応じて演出的な音声を出力する音声出力手段と、
    前記演出音声データに対して前記音声処理パターンに基づく音声処理を施す音声処理手段と、
    前記演出決定手段が決定した演出パターンに基づく演出表示を制御するとともに、当該演出パターンによる演出表示に対応した演出音声データに対して前記音声処理手段による音声処理を施した演出音声を前記音声出力手段に出力させる演出制御手段と、を備え、
    前記音声処理手段は、前記音声出力手段に出力させる演出音声の音量調整を必要とする状況であるか否かを所定の基準に基づき判断し、当該基準を満たした場合に当該基準に対応する音声処理パターンに基づいて音声処理を施す遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016047152A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 株式会社ユニバーサルエンターテインメント 遊技機
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