(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機に具体化した第1実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤YBへ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDが配設されている。遊技盤YBの中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、画像による各種の表示演出が行われる。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の音声を出力し、音声演出を行う演出実行手段としてのスピーカSpが設けられている。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、を含む。
第1始動口12は、図柄を変動させて行う図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球を入球させることを「入賞」と示す場合がある。本実施形態において第1始動口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示す始動センサSE1)が配設されている。
第2始動口13は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において第2始動口13は、第1始動口12の下方に位置している。第2始動口13は、所定条件の成立時(後述する普通図柄の当選時)に開閉羽根(普通電動役物)15が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。一方、第2始動口13は、開閉羽根15が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。開閉羽根15は、図2に示す第1アクチュエータA1から動力を受けて動作する。また、第2始動口13の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示す始動センサSE2)が配設されている。
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において大入賞口14は、第2始動口13の下方に位置している。大入賞口14は、大当り抽選に当選した場合に大入賞口扉16が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができるように開放される。一方、大入賞口14は、大入賞口扉16が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができないように閉鎖される。大入賞口扉16は、図2に示す第2アクチュエータA2から動力を受けて動作する。また、大入賞口14の奥方には、入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示すカウントセンサSE3)が配設されている。
また、遊技盤YBには、作動ゲート17が配設されている。本実施形態において作動ゲート17は、演出表示装置11の左方に位置している。作動ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aが開口されている。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するセンサ(図2に示すゲートセンサSE4)が配設されている。作動ゲート17のゲート口17aは、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。第2始動口13の開閉羽根15は、作動ゲート17へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選に当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄変動ゲームで導出された後、閉状態から開状態へ動作する。
また、遊技盤YBには、特別図柄表示装置18a,18b、保留表示装置19a,19b、普通図柄表示装置20が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。例えば、これらの表示装置は、遊技盤YBの遊技領域に配設されている飾り部材や、遊技盤YBのコーナー飾り部材などに配設されている。
特別図柄表示装置18a,18bは、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを行い、当該図柄変動ゲームにおいて大当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。そして、第1始動口12に遊技球が入球し、始動センサSE1により遊技球が検知された場合は、その入球を契機に第1特別図柄を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立する。一方、第2始動口13に遊技球が入球し、始動センサSE2により遊技球が検知された場合は、その入球を契機に第2特別図柄を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立する。第1特別図柄と第2特別図柄では、始動条件の成立を契機に大当り抽選が行われるが、その大当り抽選に当選する確率は同一確率である。その一方で、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類や同一種類の大当りの決定割合を異ならせている。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、後述する入球率向上状態の付与期間など)を異ならせている。
また、始動条件が成立した場合には、大当り抽選の抽選結果を導出するために特別図柄表示装置18a,18bで特別図柄の図柄変動ゲームが行われるとともに、当該図柄変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する図柄変動ゲームが演出表示装置11においても飾り図柄を用いて行われる。
本実施形態において特別図柄表示装置18a,18bは、何れも7セグメント型の表示装置である。特別図柄の図変動ゲームでは、7セグメント型の表示装置を構成する発光体を任意に組み合わせたものが特別図柄として導出される。特別図柄には、大当り抽選に当選した場合に導出される大当り図柄と大当り抽選に当選しなかった場合に導出されるはずれ図柄とを含む。一方、飾り図柄を用いた図柄変動ゲームでは、複数列の飾り図柄の組み合わせが導出される。飾り図柄は、例えばアラビア数字を模した意匠で構成されている。そして、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄となる組み合わせを大当り抽選に当選したことを特定可能な大当りの組み合わせとし、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄とならない組み合わせを大当り抽選に当選しなかったことを特定可能なはずれの組み合わせとしている。
飾り図柄の図柄変動ゲームで導出される結果は、特別図柄の図柄変動ゲームで導出される結果に対応する。このため、特別図柄の図柄変動ゲームでは大当り抽選の抽選結果を特別図柄で導出させる一方で、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいても大当り抽選の抽選結果を特定可能な情報が飾り図柄で導出される。
保留表示装置19a,19bは、実行が保留されている特別図柄の図柄変動ゲームの数(始動保留数)を表示する。普通図柄表示装置20は普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
また、パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタンBTを備えている。本実施形態において操作ボタンBTは、遊技球を貯留する貯留皿(上皿)21の上面に配置されている。操作ボタンBTは、押しボタン式である。本実施形態の操作ボタンBTは、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTの4つの操作部を十字状に配置して構成されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの当選確率を低確率(通常確率)から高確率に変動させる確変状態を付与することができる機能である。確変状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が低確率である非確変状態に比して、大当り抽選に当選し易く、遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、第2始動口13への単位時間当たりの遊技球の入球率が向上される入球率向上状態を付与することができる機能である。なお、ここで、入球率が向上されるとは、単位時間当たりの遊技球の入球率が低確率から高確率になることのほか、遊技球が入球しない状態から遊技球が入球する(入球可能な)状態となることを含む。入球率向上状態は、所謂「電サポ状態」、又は「高ベース状態」である。なお、以下の説明では、入球率向上状態が付与されていない状態を「非入球率向上状態」と示す場合がある。非入球率向上状態は、所謂「非電サポ状態」、又は「低ベース状態」である。
入球率向上状態は、例えば次に示す3つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行すること、又は複数の制御を組み合わせて実行すること、により実現できる。第1の制御は、普通図柄変動ゲームの変動時間を、非入球率向上状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、非入球率向上状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15の合計開放時間を、非入球率向上状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15の開放回数を、非入球率向上状態のときよりも多くする制御、及び普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15の1回の開放時間を非入球率向上状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。また、入球率向上状態においては、特別図柄変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非入球率向上状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御が実行されてもよい。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、入球率向上状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
入球率向上状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで、又は、入球率向上状態が付与されてから規定上限回数(例えば100回)の特別図柄の図柄変動ゲームが実行されるまで、若しくは規定上限回数に到達する前に大当り抽選に当選するまで付与される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とを用いるパチンコ遊技機10の場合、規定上限回数は第1特別図柄の図柄変動ゲームと第2特別図柄の図柄変動ゲームとの合算回数である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10には、主制御基板30や副制御基板31を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどの制御情報を格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。
主制御用CPU30aには、各種センサSE1〜SE4の検知信号が入力されるようになっている。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置(特別図柄表示装置18a,18b、保留表示装置19a,19b、普通図柄表示装置20など)の表示内容を制御するとともに、各種アクチュエータA1,A2の動作を制御する。
主制御用ROM30bに格納されている情報には、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などがある。メイン変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が確定停止表示される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能である。メイン変動パターンは、大当り変動用の変動パターンと、はずれ変動用の変動パターンとに分類可能である。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる演出であって、特別図柄の図柄変動ゲームにおいては最終的に大当り図柄が導出される。はずれ変動は、大当り抽選に当選しなかった場合に行われる演出であって、特別図柄の図柄変動ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。なお、はずれ変動には、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が行われてはずれとなる変動と、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が行われずにはずれとなる変動と、がある。また、各種の判定値には、大当り抽選に用いる大当り判定値、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数には、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄乱数、メイン変動パターンを振り分けるときに用いる変動パターン振分乱数などを含む。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、特別図柄の大当り抽選に用いる大当り乱数や、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り乱数となる。
副制御基板31は、主制御基板30から副制御基板31へ一方向で制御情報(制御コマンド)が出力されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30から出力される制御情報をもとに当該制御情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄の図柄変動ゲームを開始させる場合、特別図柄表示装置18a,18bの表示内容の制御に加えて、変動の開始(ゲームの開始)を指示する制御情報を副制御用CPU31aに出力する。当該制御情報を受けた副制御用CPU31aは、演出表示装置11において飾り図柄の図柄変動ゲームを行わせるように制御する。また、副制御用CPU31aは、飾り図柄の図柄変動ゲームの開始に伴い、当該図柄変動ゲームに付随する発光演出や音声演出を行わせるように装飾ランプLaの発光態様やスピーカSpの音声出力態様を制御する。
前述のように演出表示装置11を制御する副制御用CPU31aは、実行させる表示演出を選択し、その選択した表示演出に必要なデータを副制御用ROM31bから読み出す。なお、副制御基板31には、画像表示部GHに表示させるキャラクタ画像データ、具体的には人物、文字、図形又は記号(飾り図柄を含む)を予め格納したキャラクタROMを備え、キャラクタROMから必要なデータを読み出してもよい。そして、副制御用CPU31aは、読み出したデータをVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力する。VDPは、入力されたデータに基づいて表示制御を実行し、画像表示部GHに画像を表示させる。
また、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTからの操作信号の出力状態を検出可能に構成されている。本実施形態において、操作信号は、ON状態(Hi状態)とOFF状態(Lo状態)の2つの出力状態をとり得る信号である。そして、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTからの操作信号の出力状態がON状態である場合に、操作ボタンBTが操作されていることを検出し、操作信号の出力状態がOFF状態である場合に、操作ボタンBTが操作されていないことを検出するように構成されている。なお、以下の説明では、操作信号の出力状態がON状態であることを、単に「操作信号ON」と示す場合があり、操作信号の出力状態がOFF状態であることを、単に「操作信号OFF」と示す場合がある。また、操作信号の出力状態がON状態であることを検出することを、単に「操作信号を入力する」と示す場合がある。
次に、主制御基板30が実行する制御内容を説明する。
主制御基板30の主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動口12又は第2始動口13へ遊技球が入球したかを判定する。この判定において、主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1からの検知信号を入力することによって第1始動口12へ遊技球が入球したと判定し、第2始動センサSE2からの検知信号を入力することによって第2始動口13へ遊技球が入球したと判定する。
主制御用CPU30aは、第1始動口12へ遊技球が入球した場合、第1特別図柄の始動保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。そして、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置19aを制御する。また、主制御用CPU30aは、第2始動口13へ遊技球が入球した場合、第2特別図柄の始動保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。そして、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置19bを制御する。なお、主制御用CPU30aは、始動保留数が上限数に達している場合、始動保留数を加算せずに特別図柄入力処理を終了する。
また、主制御用CPU30aは、始動保留数の上限数未満で遊技球が入球した場合、その入球を契機に各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とが特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。なお、主制御用CPU30aは、この処理において大当り乱数の値を乱数生成回路30dから取得するとともに、大当り図柄乱数の値や変動パターン振分乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、特別図柄開始処理を終了する。
主制御用CPU30aは、前記開始条件が成立している場合、第2特別図柄の始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。そして、第2特別図柄の始動保留数が0(零)よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の図柄変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数が0(零)の場合、第1特別図柄の始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。そして、第1特別図柄の始動保留数が0(零)よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の特図変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別図柄の特図変動ゲームと第2特別図柄の特図変動ゲームとを同時に実行させず、第2特別図柄の特図変動ゲームを優先的に実行させる仕様である。
なお、第1特別図柄の始動保留数と第2特別図柄の始動保留数の何れもが0(零)の場合、主制御用CPU30aは、デモンストレーション演出(以下、「デモ演出」と示す)を実行させるための処理を行う。デモ演出は、パチンコ遊技機10が待機状態であることを例えば演出表示装置11などの装置を利用して報知し、客寄せ効果を得るための演出である。なお、本実施形態において、待機状態は、図柄の変動を待機する状態であって、図柄の変動間のインターバル中や大当り遊技中ではない状態である。
第2特別図柄の図柄変動ゲームを開始させるための所定の処理において、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数を1減算して書き換えるとともに、減算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置19bを制御する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値と大当り判定値とに基づいて、大当り抽選を行う。大当り抽選では、例えば、大当り乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当り乱数の値が大当り判定値と一致することによって大当りに当選する。
大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当り処理を行う。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別図柄の図柄変動ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、大当り変動用の変動パターンを決定する。
一方、大当り抽選に当選しなかった場合、主制御用CPU30aは、はずれ処理を行う。はずれ処理において主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別図柄の図柄変動ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ変動用の変動パターンを決定する。
はずれ処理において主制御用CPU30aは、はずれ変動用のメイン変動パターンの中から、リーチなしのメイン変動パターン、又はリーチありのメイン変動パターンを決定する。この決定は、例えば、リーチ演出を行わせるかを判定するリーチ判定を行い、その判定結果をもとにリーチありのメイン変動パターン又はリーチなしのメイン変動パターンを決定してもよい。この場合、変動パターン振分乱数は、リーチありのメイン変動パターンの分類と、リーチなしのメイン変動パターンの分類のそれぞれに振分けられている。そして、リーチ判定においてリーチ演出を行わせると判定した場合にはリーチありのメイン変動パターンの中から変動パターン振分乱数にしたがって変動パターンを決定する一方で、リーチ判定においてリーチ演出を行わせないと判定した場合にはリーチなしのメイン変動パターンの中から変動パターン振分乱数にしたがって変動パターンを決定する。また、その他の方法としては、リーチ判定を行わずに、リーチありのメイン変動パターン及びリーチなしのメイン変動パターンを含むはずれ変動用のメイン変動パターンの中から変動パターン振分乱数にしたがって変動パターンを決定する。この決定方法によれば、リーチ判定を行わないことから、メイン変動パターンを決定することによってリーチ演出を行うか否かが決定されることになる。なお、何れの決定方法を採用するかは、パチンコ遊技機の仕様によって定められている。
一方、第1特別図柄の図柄変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、前述した第2特別図柄の制御と同様の制御を第1特別図柄を対象にして行う。つまり、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数の減算、大当り抽選、大当り抽選の結果に基づく大当り処理又ははずれ処理を行う。
そして、上記のように大当り処理又ははずれ処理を行った主制御用CPU30aは、副制御基板31に対し、所定の制御情報(制御コマンド)を所定のタイミングで出力する等の処理を実行する。最初に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように特別図柄表示装置18a又は特別図柄表示装置18bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄の図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄指定コマンドを出力する。
なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定している特別図柄を導出させるように特別図柄表示装置18a又は特別図柄表示装置18bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、変動の停止を指示する全図柄停止コマンドを出力する。以上のような制御により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームを実行可能である。
次に、大当り抽選に当選したことによって行われる大当り遊技の進行に関する処理について説明する。
本実施形態の大当り遊技は、大当り遊技の開始に伴うオープニングと、大入賞口14を開放させるラウンド遊技と、大当り遊技の終了に伴うエンディングと、から構成されている。つまり、大当り遊技は、オープニング→ラウンド遊技→エンディングというように段階的に進行する。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の進行に関する処理として、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御情報(制御コマンド)を生成する処理と、大入賞口14を開放及び閉鎖させる処理を行う。この処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに出力される。
主制御用CPU30aは、オープニングを開始させる場合、制御情報としてオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドは、オープニングの開始時に副制御用CPU31aに出力される。また、主制御用CPU30aは、1回のラウンド遊技を開始させる場合、制御情報として開放コマンドを生成するとともに、終了条件の成立によって1回のラウンド遊技を終了させる場合、制御情報として閉鎖コマンドを生成する。開放コマンドは、ラウンド遊技の開始時に副制御用CPU31aに出力されるとともに、閉鎖コマンドは、ラウンド遊技の終了時に副制御用CPU31aに出力される。また、主制御用CPU30aは、1回のラウンド遊技において、第2アクチュエータA2を動作させることにより、大入賞口14を開放及び閉鎖させる。本実施形態において1回のラウンド遊技の終了条件は、予め定めた入球上限個数(例えば9球)の入球があったこと、及び大入賞口14の開放時間が予め定めた上限時間に達したこと、の何れかが成立したことである。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンド遊技の終了後、エンディングを開始させる場合、制御情報としてエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドは、エンディングの開始時に副制御用CPU31aに出力される。
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
この処理において主制御用CPU30aは、制御情報として遊技状態を特定可能な遊技状態情報を生成する。この処理で生成された各種の遊技状態情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに出力される。
主制御用CPU30aは、遊技状態を非確変状態で、かつ非入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態1指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を確変状態で、かつ入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態2指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を非確変状態で、かつ入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態3指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の付与期間をゲーム回数で管理する場合、実行された特別図柄の図柄変動ゲームの回数をカウントし、規定上限回数に達したときに入球率向上状態の終了を特定可能な終了コマンド(遊技状態情報)を生成する。
生成された遊技状態情報は、例えば電源投入時(復電時)や遊技状態の変遷時などに、副制御用CPU31aに出力される。例えば、大当り遊技終了後の遊技状態を確率変動状態で、かつ入球率向上状態とする場合、大当り遊技の終了に伴って状態2指定コマンドが副制御用CPU31aに出力される。なお、遊技状態情報は、例示した制御情報に限らず、副制御用CPU31aに認識させる必要のある遊技状態毎に設定されている。
また、主制御用CPU30aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御用CPU30aは、保留されている特別図柄の図柄変動ゲームが存在せずにデモ演出の実行条件が成立した場合、制御情報として待機状態になることを特定可能なデモコマンド(待機状態情報)を生成する。このデモコマンドは、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに出力される。また、主制御用CPU30aは、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理なども行う。普通図柄に関する処理では、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。また、エラーに関する処理では、パチンコ遊技機10で生じた各種のエラーを検知することによって報知を行わせるなどの処理を行う。
次に、演出制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御情報(制御コマンド)を入力すると、その制御情報に応じて各種処理を実行する。
最初に、飾り図柄変動処理について説明する。
飾り図柄変動処理において、副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄に基づき、飾り図柄の図柄変動ゲームで導出させる飾り図柄の組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、飾り図柄による大当りの組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄の図柄変動ゲームで導出させる飾り図柄の組み合わせを決定する。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、リーチありのはずれ変動用のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含むはずれの組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、リーチなしのはずれ変動用のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含まないはずれの組み合わせを決定する。
本実施形態において飾り図柄の図柄変動ゲームは、左列、中列、及び右列からなる3列の飾り図柄による組み合わせを導出させる。そして、飾り図柄の図柄変動ゲームでは、所定の複数列(本実施形態では左列と右列の2列)に同一の飾り図柄が導出されることによってリーチが形成され、残りの列(本実施形態では中列の1列)を導出させるためのリーチ演出が行われる。このため、所定の複数列に導出された同一の飾り図柄がリーチ形成図柄となり、リーチ形成図柄を含むはずれの組み合わせは所定の複数列が同一の飾り図柄であって、残りの列が所定の複数列の飾り図柄とは異なる飾り図柄である組み合わせとなる。また、リーチ形成図柄を含まないはずれの組み合わせは所定の複数列が異なる図柄であって、残りの列については所定の複数列の飾り図柄との一致性を問わない組み合わせとなる。なお、本実施形態の大当りの組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄となる組み合わせである。つまり、大当りの組み合わせにも、リーチ形成図柄を含んでいる。
また、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能なメイン変動パターンの種類をもとに、演出表示装置11の表示内容を制御するためのサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンは、飾り図柄の図柄変動ゲームの演出内容を特定可能である。
サブ変動パターンから特定可能な飾り図柄の図柄変動ゲームの演出内容には、次に説明するような演出内容がある。
例えば、リーチ演出を行わない完全はずれの演出内容には、例えば3列の飾り図柄の変動を予め定めた順番(例えば左列→右列→中列)に停止させ、最終的にリーチ形成図柄を含まないはずれの組み合わせを導出させる演出内容(通常変動)がある。また、リーチ演出を行う演出内容には、ノーマルリーチ演出を行う演出内容やスーパーリーチ演出を行う演出内容がある。ノーマルリーチ演出は、所定の複数列に同一の飾り図柄を導出させてリーチを形成し、その後に残りの列の変動を停止させることによって飾り図柄の組み合わせを導出させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出によって残りの列の飾り図柄を導出した後、又はノーマルリーチ演出の途中から演出を発展させ、その発展後の演出によって飾り図柄の組み合わせを導出させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高い演出として位置付けられている。大当り期待度は、はずれの場合の出現率と大当りの場合の出現率を合算した全体出現率に対する大当りの場合の出現率の割合によって算出することができる。なお、複数種類のスーパーリーチ演出を備える場合には、スーパーリーチ演出の種類毎に大当り期待度を異ならせてもよい。
サブ変動パターンを決定した副制御用CPU31aは、そのサブ変動パターンで特定される演出内容で飾り図柄の図柄変動ゲームが表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄の図柄変動ゲームを終了させ、飾り図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態において副制御用CPU31aは飾り図柄の図柄変動ゲームや当該図柄変動ゲームに付随する演出(音の出力や発光)などを含む演出を制御可能とした手段として機能する。なお、本実施形態では、全図柄停止コマンドの入力を契機として、飾り図柄の図柄変動ゲームを終了させているが、副制御用CPU31aの制御によりメイン変動パターンから特定される変動時間を計時し、飾り図柄の図柄変動ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から全図柄停止コマンドを出力せずに、飾り図柄の図柄変動ゲームの終了を制御してもよい。
次に、大当り遊技に関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、開放コマンドが入力されると、ラウンド遊技に伴う演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。一方で、副制御用CPU31aは、閉鎖コマンドが入力されると、ラウンド遊技に伴う演出(ラウンド演出)を終了させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、エンディングコマンドが入力されると、エンディング演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
次に、遊技状態に関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、状態1指定コマンドなどの状態指定コマンドを入力すると、当該コマンドから特定される遊技状態に応じた画像を表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。遊技状態に応じた画像は、例えば飾り図柄の背面に表示される背景画像である。また、遊技状態毎に飾り図柄の図柄変動ゲームで用いる飾り図柄の意匠を変更する場合、その飾り図柄の画像は遊技状態に応じた画像である。
次に、デモ演出に関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力すると、デモ演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。デモ演出は、予め定めた演出時間が終了するまでを1回として行われる。そして、デモ演出中に終了条件が成立せずに、演出時間が終了した場合は、繰り返しデモ演出を実行させる。デモ演出の終了条件は、第1始動口12や第2始動口13へ入球し、特別図柄の図柄変動ゲームが開始されることである。つまり、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、デモ演出を終了させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
本実施形態のデモ演出には、大別すると、図柄表示デモと、ムービー演出デモと、がある。1回のデモ演出は、最初に図柄表示デモを図柄デモ時間(例えば60秒)実行させ、当該図柄デモ時間の経過後にムービー演出デモをムービーデモ時間(例えば60秒)実行させる構成である。つまり、デモ演出の演出時間は、図柄表示デモの時間とムービー演出デモの時間の合算時間である。そして、1回のデモ演出中にデモ演出の終了条件が成立しなかったときには、図柄表示デモとムービー演出デモとから構成されるデモ演出が繰り返される。なお、主制御用CPU30aは、最初にデモ演出の実行条件が成立したときにのみデモコマンドを出力する。このため、副制御用CPU31aは、デモコマンドの入力によって1回目のデモ演出を実行させ、1回目のデモ演出の終了後はデモコマンドを入力せずにデモ演出を最初から繰り返す。
図柄表示デモは、演出表示装置11に停止表示されている飾り図柄にデモ演出用の動作を付加して表示させる演出である。なお、図柄表示デモで用いる飾り図柄は、直近の飾り図柄の変動ゲームで導出された図柄の場合もあれば、電源投入時の初期設定後に表示される初期図柄の場合もある。デモ演出用の動作とは、例えば飾り図柄の一旦停止表示を上下にゆれ変動させるのであれば当該ゆれ変動とは区別されるように左右に揺らす動作で表示させたり、飾り図柄をキャラクタの意匠によって構成しているのであればキャラクタを非待機状態中とは区別される動作で表示させたり、することである。また、ムービー演出デモは、パチンコ遊技機10や製造メーカなどを宣伝するデモ演出用の画像(動画)を表示させる演出である。
本実施形態のパチンコ遊技機10には、演出の強度を調整可能なカスタマイズ機能の1つとして、パチンコ遊技機10から発せられる音量を調整する音量調整機能が搭載されている。本実施形態では、音声演出における音量が演出の強度に相当する。以下、音量調整機能の具体的な構成及び制御内容について詳細に説明する。
音量調整機能には、主に、遊技場の管理者、及びパチンコ遊技機10の開発や販売に携わる従事者に音量調整を許容する第1の機能と、主に遊技者に音量調整を許容する第2の機能と、を有する。
第1の機能は、図2に示すように、パチンコ遊技機10の機裏側に設置した設定器(例えば、アナログボリュームスイッチ)33を用いて音量調整を行う機能である。パチンコ遊技機10は、図1に示すように、施錠装置34によって施錠されており、施錠装置34を解除しなければ機裏側の設定器33にアクセスできないように構成されている。この施錠装置34を解錠するための鍵は、遊技場の管理者などによって管理されており、遊技者は設定器33を操作することはできない。なお、設定器33を設置する位置は、施錠装置34を解除し、パチンコ遊技機10を構成する枠体(前枠や中枠)を開閉させることによって操作可能な位置であればよく、例えば前枠を開放させた時にアクセス可能な遊技盤YBの盤面など、パチンコ遊技機10の本体内部であってもよい。前枠は、遊技盤YBの前面に位置する枠体であり、中枠は遊技盤YBや各種制御基板などの遊技機構成部材を搭載した枠体である。
本実施形態の設定器33は、ダイアル式の設定器であり、1〜10までの10段階で音量を調整できるように構成されている。設定器33は、1〜10の目盛を施したダイアル(つまみ)を回転操作し、所望の段階を示す目盛の位置を設定位置35に合わせることによって音量の調整を行う。本実施形態では、大きい段階数(目盛)ほど音量は大きくなる。
設定器33は、副制御基板31に接続されている。そして、設定器33による音量の調整(指示)は、パチンコ遊技機10の電源投入前に行うことができ、電源投入時、副制御用CPU31aによって設定器33の設置値が読み込まれるとともに副制御用RAM31cに記憶保持される。ここで、電源投入時とは、厳密に電源投入がされた時点に限らず、電源投入直後に行われる電源投入処理の実行中を含む。この設定器33で設定された段階に対応する音量は、パチンコ遊技機10から発せられる音量の基準音量となる。設定器33は、電源投入前に、パチンコ遊技機10(遊技機)から発せられる音量を複数の音量段階から任意に設定可能な設定手段である。
副制御基板31には、図示しない音再生部が搭載されており、音再生部を通じて所定の音量に調整され、その音量によって所望の音がスピーカSpを介して出力される。音再生部は、副制御用ROM31bに記憶されている音データを変換する変換器(例えば、D/A変換器)やアンプ(増幅器)などによって構成されている。
第2の機能は、パチンコ遊技機10の操作ボタンBTを用いて音量調整を行う機能である。操作ボタンBTは、遊技者が操作できるように設置されていることから、本体内部に設置した設定器33とは異なり、遊技者を含む誰であっても操作を行うことができる。操作ボタンBTは、副制御基板31に接続されている。そして、操作ボタンBTの操作による音量の調整は、パチンコ遊技機10の電源が投入されている時に有効とされる。つまり、パチンコ遊技機10の電源が投入されていない状態で操作ボタンBTを操作したとしても、操作ボタンBTからの操作信号は出力されず、音量を調整することはできない。
即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、操作ボタンBTの操作によって音量調整を可能とした遊技機であり、遊技者による音量調整を、図柄の変動中及び図柄の変動を待機する待機状態中に許容している。ただし、詳しくは後述するが、図柄の変動中においては、操作ボタンBTの操作が行われたことを契機として、遊技者による音量調整が許容される。なお、本実施形態では、第2の機能によって副制御用CPU31aが音声演出における音量を調整することにより、演出の強度を調整可能な強度調整手段が実現される。
本実施形態において図柄の変動とは、図柄変動ゲームにおける特別図柄と飾り図柄の変動を示す。特別図柄表示装置18a,18bにおける特別図柄の表示形態には、変動表示と確定停止表示とがある。特別図柄の変動表示では、例えば特定の特別図柄又は特定の符号などが点滅表示されている。特別図柄の確定停止表示では、大当り抽選の抽選結果に応じて導出される大当り図柄又ははずれ図柄が確定的に停止表示される。例えば、7セグメント型の特別図柄表示装置18a,18bでは、図柄変動ゲームが開始したときに「−(バー:特定の符号)」が点滅表示(変動表示)され、図柄変動ゲームの終了によって「7(大当り図柄の一例)」が確定的に停止表示される。
一方、演出表示装置11における飾り図柄の表示形態には、変動表示と、一旦停止表示と、確定停止表示と、がある。飾り図柄の変動表示では、列毎に複数種類の飾り図柄が順番にスクロール表示(ループ表示)されている。飾り図柄の一旦停止表示は、図柄変動ゲームの結果が確定していない段階での飾り図柄の表示であり、当該飾り図柄は変動表示されている列の変動を停止させることによって導出され、例えばゆれ変動(上下又は左右に小刻みに揺れている動作)されている。飾り図柄の確定停止表示は、図柄変動ゲームの結果が確定した段階での飾り図柄の表示であり、特別図柄の大当り図柄又ははずれ図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定的に停止表示される。
本実施形態において、待機状態中とはデモ演出の実行中を示し、具体的に言えば図柄表示デモとムービー演出デモの実行中である。即ち、本実施形態において音量の調整を許容している期間である変動待機中は、デモ演出の種類に関係なく、何れかのデモ演出が実行されているとき、つまり最初にデモ演出が開始されてからデモ演出の終了条件が成立するまでの期間である。
なお、本実施形態において音量の調整は、図柄の変動間のインターバル中及び大当り遊技中に許容されておらず、図柄の変動間のインターバル中及び大当り遊技中は音量調整を行えないようになっている。
図3に示すように、操作ボタンBTを用いた音量の調整は、画像表示部GHに音量調整用画面が映し出された状態で、操作ボタンBT(左ボタンLBTと右ボタンRBT)の操作によって行うことができる。
本実施形態において、待機状態中には、音量調整用画面として音量メータM1が画像にて映し出される。また、詳しくは後述するが、本実施形態において、図柄の変動中には、操作ボタンBTが操作されたことを条件として、音量調整用画面として音量メータM1が画像にて映し出される。音量メータM1は、音量の段階を特定可能なようにメータ画像を複数の要素に細分化しており、現在の音量の段階を特定できるように色分け表示されている。また、本実施形態の音量メータM1には、音量の段階を特定可能な目盛(1〜8の数字)も付されている。例えば、図3(a)に示すように、4つの要素(目盛「4」)に色が付されている場合、現在の音量の段階が「4段階」であることを特定できる。本実施形態では、大きい段階数(目盛)ほど音量は大きくなる。そして、図3(b)に示すように、操作ボタンBTのうち左ボタンLBTを押下した場合には、色分けされる要素数が減少する方向に音量メータM1の指し示す段階が変化し、音量を下げるように指示することができる。一方、図3(c)に示すように、操作ボタンBTのうち右ボタンRBTを押下した場合には、色分けされる要素数が増加する方向に音量メータM1の指し示す段階が変化し、音量を上げるように指示することができる。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10における音量の調整は、設定器33で設定した段階(10段階のうちから設定した所望の1段階)に対応する音量を基準とし、その基準の音量に対して操作ボタンBTの操作によって音量を大きく又は小さくするように調整を指示する態様で行い得る。なお、設定器33で設定される段階は、図柄の変動中、大当り遊技中、及び待機状態中において共通の基準になり得る音量である。
次に、設定器33で設定可能な音量の段階と、操作ボタンBTで調整可能な音量の段階について説明する。
図4に示すように、設定器33で設定可能な音量の段階は、1〜10の10段階である。以下、説明の便宜上、設定器33で設定可能な1〜10の10段階を、音量段階Sx(x:1〜10)と示す。また、図4の段階欄に示すS1〜S10は、上記した設定器33で設定可能な1〜10の10段階に対応する。
各音量段階S1〜S10には、段階毎に対応する音量値が定められている。音量値は、音を出力させるための制御に用いる制御用の値であり、音再生部では音量値に対応する音量が発せられるように調整される。音量値の「0」は消音(音を出力しない)に対応し、「1」以上の数値は音量段階が大きくなるほど大きな音量に対応する。そして、各音量段階S1〜S10の音量値に基づく音量が、前述した音量を調整する際の基準となる基準音量に相当する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、10段階のうち、音量段階S3〜S10の8段階を遊技用音量の段階として位置付けている。遊技用音量の段階は、パチンコ遊技機10を遊技場に設置し、営業で用いる際の音量を設定する段階である。遊技場は、遊技機の設置可能な台数によって規模が異なり、設置台数が多いほど遊技機から発せられる音を鮮明に聞き取れるように音量を大きくする傾向にあり、設置台数が少ないほど音量を小さくする傾向にある。このため、遊技用音量の段階は、遊技場の規模などに応じて選択の自由度が広がるように複数の段階が用意されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、10段階のうち、音量段階S2の1段階を調整用音量として位置付けている。調整用音量の段階は、遊技機の製造メーカによる開発時の調整作業時や遊技場への設置時の調整作業時などで用いる音量を設定する段階である。上記した調整作業は、遊技場の営業時に比して静寂な環境下で行われる。このため、調整用音量の段階は、調整作業において必要以上の音量で音が出力されることを防止するために用意されている。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、10段階のうち、音量段階S1の1段階を消音用として位置付けている。消音用音量の段階は、消音環境を作り出す場合に設定する段階である。
図5に示すように、操作ボタンBTで調整可能な音量の段階は、音量段階S1〜S10の各1段階に対して、1〜8の8段階である。本実施形態では、8段階が、操作ボタンBTの操作によって調整指示可能な複数の指示段階となる。以下、説明の便宜上、操作ボタンBTで調整指示可能な1〜8の8段階を、指示段階Dx(x:1〜8)と示す。また、図5の段階欄に示すD1〜D8は、上記した操作ボタンBTで調整指示可能な1〜8の8段階に対応する。本実施形態では、各音量段階が設定されている場合において、指示段階D1が演出の強度を調整可能な最小強度に相当し、指示段階D8が演出の強度を調整可能な最大強度に相当する。
音量段階と指示段階の関係を具体的に例示すると、音量段階S10に対して指示段階D1〜D8の8段階がある。同様に、音量段階S2〜S9に対しても、指示段階D1〜D8の8段階がある。つまり、本実施形態においては、音量段階S2〜S10毎に、同数(8段階)の指示段階D1〜D8が対応付けられている。これは、操作ボタンBTの操作によって音量を8段階の範囲で調整できることを意味している。なお、音量段階S1は前述したように消音用音量(音が出ない)であるから、操作ボタンBTの操作によって音量の調整を指示できないようになっている。
また、各指示段階D1〜D8には、段階毎に対応する音量値が定められている。本実施形態において、各指示段階D1〜D8の音量値は、音量段階S3〜S10において同一値に設定されている。具体的に例示すれば、指示段階D1の音量値は「23」であり、この音量値は音量段階S3〜S10で同一である。また、指示段階D2の音量値は「40」であり、この音量値は音量段階S3〜S10で同一である。
また、図5に示すように、指示段階D1〜D8の音量値は、音量段階S3〜S10が設定されている場合において、指示段階D1から順に「23」、「40」、「64」、「76」、「90」、「101」、「107」、「128」である。そして、これらの指示段階D1〜D8の音量値は、図5に示す音量段階S3〜S10の音量値と同一値となっている。このため、各音量段階S3〜S10に対応する指示段階D1〜D8の中には、音量段階から特定される音量値と同一の音量値を示す段階が存在している。つまり、音量段階S3〜S10から特定されるとともに基準音量となり得る音量値と同一の音量値を示す段階が指示段階D1〜D8の中に存在している。具体的に例示すれば、音量段階S10の音量値は「128」であるが、その音量段階S10に対応付けられた指示段階D1〜D8の中には音量値「128」を特定可能な指示段階D8が存在する。同様に、音量段階S9は指示段階D7と、音量段階S8は指示段階D6と、音量段階S7は指示段階D5と、音量段階S6は指示段階D4と、音量段階S5は指示段階D3と、音量段階S4は指示段階D2と、音量段階S3は指示段階D1と、それぞれ同一の音量値である。即ち、本実施形態において、音量段階S3〜S10と、指示段階D1〜D8とは、それぞれ各別に対応している。
このように音量段階S3〜S10と指示段階D1〜D8を対応付けた場合は、次のように音量の調整を行うことが可能である。例えば、音量段階S10が設定されている場合、操作ボタンBTによって音量を調整しなければ音量値は「128」である。即ち、音量段階S10が設定されている場合の音量値の初期値は、「128」である。一方、操作ボタンBTによる音量の調整は、指示段階D1〜D8の8段階で行うことが可能であるから、音量値「128」を最大音量とし、かつ音量値「23」を最小音量とした範囲で音量を調整することができる。つまり、操作ボタンBTの操作によって、音量段階S3〜S9の何れかが設定されているときと同一の音量とすることができる。同様に、音量段階S9が設定されている場合でも、音量値「128」を最大音量とし、かつ音量値「23」を最小音量とした範囲で音量調整を行うことができる。なお、音量段階S3〜S8の何れが設定されている場合でも、同様である。つまり、本実施形態では、指示段階D1〜D8から特定される音量値(音量)の範囲は、遊技用音量の段階である音量段階S3〜S10から特定される音量値(音量)の範囲と一致している。
なお、音量段階S2は、調整用音量であるから、指示段階D1〜D8から特定される音量値は、音量段階S3〜S10において同一の指示段階から特定される音量値に比して小さい音量値である。具体的に例示すれば、音量段階S3〜S10に対応する指示段階D1の音量値は「23」であるのに対し、音量段階S2に対応する指示段階D1の音量値は「4」である。これは、他の指示段階D2〜D8においても同様である。
次に、音量調整用画面が表示される条件について、副制御用CPU31aの制御とともに説明する。本実施形態において、音量調整用画面では、音量メータM1が表示される。本実施形態において、第2の機能による音量の調整が許容されている期間には、音量調整用画面が表示されるようになっている。言い換えれば、本実施形態では、音量調整用画面が表示されている場合に、音量の調整が可能である。
副制御用CPU31aは、図柄の変動中である場合に、操作ボタンBTからの操作信号を入力すると、音量調整用画面を表示するように演出表示装置11を制御する。つまり、音量調整用画面は、図柄の変動中である場合、原則的に表示されない一方で、操作ボタンBTが操作されたことを契機として表示される。このとき、演出表示装置11では、飾り図柄を視認可能とするように音量調整用画面(音量メータM1)が表示される。なお、飾り図柄を視認可能とするように音量調整用画面を表示する態様としては、例えば、飾り図柄が表示される表示領域とは異なる表示領域に音量調整用画面を表示する態様や、音量調整用画面を透過性を有する画像とし、重畳して表示される飾り図柄を視認可能とする態様などが採用できる。
また、副制御用CPU31aは、図柄の変動中である場合に、操作ボタンBTからの操作信号を入力すると、該操作信号の出力状態がOFF状態となったときから、副制御用RAM31c内の表示終了タイマを所定周期毎に更新することにより、操作ボタンBTの操作が終了されてから経過した時間を計測する。そして、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が終了されてから経過した時間が予め定めた表示終了時間(本実施形態では4秒)に到達すると、音量調整用画面を非表示とするように演出表示装置11を制御する。なお、副制御用CPU31aは、表示終了タイマにより表示終了時間を計測している間に、操作ボタンBTからの操作信号を再び入力すると、表示終了タイマを初期化し、再び始めから表示終了時間を計測する。つまり、図柄の変動中である場合、音量調整用画面は、最後に操作ボタンBTの操作が終了されてから予め定めた表示終了時間が経過したことを契機として非表示とされる。
副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力した場合、デモ演出を開始させるとともに、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力した場合、その後に変動パターン指定コマンドを入力するまでの間、音量調整用画面を非表示としない。即ち、待機状態中である場合、音量調整用画面は、デモ演出が開始されてから終了されるまでの間に亘って表示される。このとき、演出表示装置11では、デモ演出を視認可能とするように音量調整用画面(音量メータM1)が表示されてもよいし、デモ演出に代えて音量調整用画面が表示されてもよい。
次に、第2の機能による音量の調整を行う際に副制御用CPU31aが行う音量調整処理について説明する。
図6に示すように、音量調整処理において、副制御用CPU31aは、左ボタンLBT又は右ボタンRBTが操作されたかを判定する(ステップS11)。ステップS11において、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号又は右ボタンRBTからの操作信号を入力した場合に肯定判定する。左ボタンLBTからの操作信号及び右ボタンRBTからの操作信号の何れも入力していない場合(ステップS11:NO)、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
一方、左ボタンLBTからの操作信号又は右ボタンRBTからの操作信号を入力した場合(ステップS11:YES)、副制御用CPU31aは、音量調整用画面の表示中であるかを判定する(ステップS12)。上述のように、本実施形態では、第2の機能による音量の調整が許容されている期間には、音量調整用画面が表示されるようになっている。このため、ステップS12の判定は、第2の機能による音量の調整が許容されているか否かの判定としても把握できる。
音量調整用画面を表示していない場合(ステップS12:NO)、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。なお、副制御用CPU31aは、図柄の変動中において左ボタンLBTからの操作信号又は右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がOFF状態からON状態に変化した場合には、音量調整処理とは別の処理において、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する。
一方、音量調整用画面の表示中である場合(ステップS12:YES)、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが操作されたかを判定する(ステップS13)。ステップS13において、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号を入力した場合に肯定判定する。左ボタンLBTからの操作信号を入力した場合(ステップS13:YES)、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する(ステップS14)。
具体的に、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がON状態となったことを契機として、副制御用RAM31c内の所定の操作時間タイマの更新を開始する。即ち、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作が開始されたときに、操作時間タイマの更新を開始する。また、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がON状態である間、所定周期毎に操作時間タイマを更新することにより、左ボタンLBTの操作が開始されてから経過した時間を計測する。そして、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となった場合、操作時間タイマに基づいて、左ボタンLBTの操作が開始されてから経過した時間が特定時間以上であるか否かを判定する。即ち、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作が終了されたときに、該左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する。
左ボタンLBTの操作時間が特定時間未満である場合(ステップS14:NO)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を現在の指示段階よりも1段階下の指示段階に更新(調整)する(ステップS15)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を1段階下の指示段階に更新するように演出表示装置11を制御する。なお、ステップS15において、現在の指示段階が最小の段階(本実施形態では、指示段階D1)である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。その後、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
一方、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上である場合(ステップS14:YES)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を最小の段階(指示段階D1)に更新する(ステップS16)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を最小の段階に更新するように演出表示装置11を制御する。なお、ステップS16において、現在の指示段階が最小の段階である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。その後、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
また、左ボタンLBTからの操作信号を入力していない場合(ステップS13:NO)、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する(ステップS17)。なお、上述のように、ステップS13は、ステップS11の判定結果が肯定である場合に実行される処理である。このため、ステップS13の判定結果が否定となる場合とは、右ボタンRBTからの操作信号を入力した場合である。ステップS17における処理は、ステップS14の処理において、左ボタンLBTを右ボタンRBTに読み替えた処理であるため、詳細な説明を省略する。
右ボタンRBTの操作時間が特定時間未満である場合(ステップS17:NO)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を現在の指示段階よりも1段階上の指示段階に更新する(ステップS18)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を1段階上の指示段階に更新するように演出表示装置11を制御する。なお、ステップS18において、現在の指示段階が最大の段階(本実施形態では、指示段階D8)である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。その後、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
一方、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上である場合(ステップS17:YES)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を最大の段階(指示段階D8)に更新する(ステップS19)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を最大の段階に更新するように演出表示装置11を制御する。なお、ステップS19において、現在の指示段階が最大の段階である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。その後、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
以上のような音量調整処理によれば、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが特定時間未満の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が最小の段階でないときには、指示段階を1段階下げるように調整する。また、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が最小の段階でないときには、指示段階を最小の段階となるように調整する。特に、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が指示段階D3〜指示段階D8の何れかであるときには、指示段階を2段階以上下げるように調整する。
同様に、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが特定時間未満の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が最大の段階でないときには、指示段階を1段階上げるように調整する。また、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が最大の段階でないときには、指示段階を最大の段階となるように調整する。特に、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が指示段階D1〜指示段階D6の何れかであるときには、指示段階を2段階以上上げるように調整する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作ボタンBTが特定時間未満の時間に亘って操作されたことを条件として、音量の指示段階の調整量を1段階とする第1制御が実行される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作ボタンBTが特定時間以上の時間に亘って操作されたことを条件として、音量の指示段階の調整量を2段階以上とする第2制御が実行される。特に、本実施形態において、第2制御は、音量の指示段階を最小強度又は最大強度に調整する制御である。なお、本実施形態において、1段階が第1調整量に相当し、2段階以上の段階が第2調整量に相当する。
なお、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が指示段階D2であるときには、指示段階を1段階下げるように調整する。同様に、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が指示段階D7であるときには、指示段階を1段階上げるように調整する。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作ボタンBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であっても、現在の音量の段階が所定の段階であるときには、音量の指示段階の調整量は1段階となる。
以下、本実施形態における音量調整の具体的な一例について説明する。まず、待機状態中に音量の調整を行う場合について説明する。
図7に示すように、副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力すると、デモ演出を開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t1)。このとき、副制御用CPU31aは、デモ演出の開始に伴って、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する。その後、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが操作されると、右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がON状態となったときから、操作信号の出力状態がOFF状態となったときまでの時間が特定時間以上であるかを判定し、判定結果に応じた制御を行う。右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がON状態となったときから、操作信号の出力状態がOFF状態となったときまでの時間とは、右ボタンRBTの操作時間に相当する。
例えば、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間(時点t2〜t3)が特定時間未満であると判定した場合、音量の指示段階を1段階上げるように調整する(時点t3)。また、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間(時点t4〜t5)が特定時間以上であると判定した場合、音量の指示段階を最大の段階(指示段階D8)に調整する(時点t5)。
同様に、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが操作されると、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がON状態となったときから、操作信号の出力状態がOFF状態となったときまでの時間が特定時間以上であるかを判定し、判定結果に応じた制御を行う。左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がON状態となったときから、操作信号の出力状態がOFF状態となったときまでの時間は、左ボタンLBTの操作時間に相当する。
例えば、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作時間(時点t6〜t7)が特定時間未満であると判定した場合、音量の指示段階を1段階下げるように調整する(時点t7)。また、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作時間(時点t8〜t9)が特定時間以上であると判定した場合、音量の指示段階を最小の段階(指示段階D1)に調整する(時点t9)。
次に、図柄の変動中に音量の調整を行う場合について説明する。
図8に示すように、副制御用CPU31aは、図柄の変動中においては、左ボタンLBT又は右ボタンRBTが操作されたことを条件として、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する(時点t11)。ここでは、右ボタンRBTが操作されたものとする。その後、副制御用CPU31aは、音量調整用画面の表示中に右ボタンRBTが操作されると、待機状態中に右ボタンRBTが操作されたときと同様にして、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定し、判定結果に応じた制御を行う。
例えば、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間(時点t12〜t13)が特定時間未満であると判定した場合、音量の指示段階を1段階上げるように調整する(時点t13)。また、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間(時点t14〜t15)が特定時間以上であると判定した場合、音量の指示段階を最大の段階(指示段階D8)に調整する(時点t15)。
また、図示しないが、副制御用CPU31aは、音量調整用画面の表示中に左ボタンLBTが操作されると、待機状態中に左ボタンLBTが操作されたときと同様にして、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定し、判定結果に応じた制御を行う。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)副制御用CPU31aは、特定時間以上の時間に亘って操作ボタンBTが操作されたことを条件として、音量の指示段階を2段階以上調整することができる。これによれば、音量の指示段階を2段階以上調整するために操作ボタンBTを複数回操作する必要がある場合と比較して、音量の指示段階を2段階以上調整するときの操作を簡便にできる。このため、音量の指示段階を2段階以上調整したいと考える遊技者に対して、煩わしさを感じさせてしまうことを低減できる。したがって、音量の調整機能を充実させることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
(2)また、操作ボタンBTの操作時間が特定時間以上である場合には、特定時間未満である場合よりも音量の指示段階の調整量が大きくなり得るため、直感的に音量の調整を行うことができる。
(3)特に、操作ボタンBTの操作時間が特定時間以上である場合、音量の指示段階を最小の段階や最大の段階に調整できるため、音量の指示段階を最小の段階や最大の段階まで調整するときの操作を簡便にできる。したがって、遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまうことを更に低減できる。
(4)また、操作ボタンBTの操作時間が特定時間未満である場合、音量の指示段階を1段階ずつ調整できる。したがって、遊技者の望む強度で演出を実行させ易くすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御内容については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略化する。
第2実施形態において、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから該操作ボタンBTの操作時間が特定時間に到達するまでの間に、図柄変動ゲームが開始した場合、又は図柄変動ゲームが終了した場合には、音量を調整しない。
具体的に、副制御用CPU31aは、音量調整処理において、第1実施形態と同様に、操作ボタンBTの操作が開始されたことを契機として、副制御用RAM31c内の操作時間タイマの更新を開始する。また、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTからの操作信号の出力状態がON状態である間、所定周期毎に操作時間タイマを更新することにより、操作ボタンBTの操作が開始されてから経過した時間を計測する。そして、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから経過した時間が特定時間に到達するよりも前に、変動パターン指定コマンド、又はデモコマンドを入力すると、操作時間タイマの更新を終了し、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了する。
ここで、操作ボタンBTの操作が開始されてから経過した時間が特定時間に到達するよりも前に変動パターン指定コマンドを入力する場合とは、実行中の図柄変動ゲームが終了して次の図柄変動ゲームが開始されるとき、又は、待機状態中において図柄変動ゲームの始動条件が成立して図柄変動ゲームが開始されるときである。また、操作ボタンBTの操作が開始されてから経過した時間が特定時間に到達するよりも前にデモコマンドを入力する場合とは、実行中の図柄変動ゲームが終了して待機状態に移行するときである。
以上によれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、図柄変動ゲームが開始した場合、又は図柄変動ゲームが終了した場合には、音量の指示段階を2段階以上調整する制御が実行されない。なお、本実施形態では、図柄変動ゲームが開始すること、又は図柄変動ゲームが終了することが、変動ゲームの変動状態が変化することに相当する。
以下、本実施形態における音量調整の具体的な一例について説明する。
図9に示すように、副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力すると、デモ演出を開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t21)。このとき、副制御用CPU31aは、デモ演出の開始に伴って、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する。その後、副制御用CPU31aは、左ボタンLBT又は右ボタンRBTの操作が開始されると、副制御用RAM31cの操作時間タイマの更新を開始することにより、操作時間の計測を開始する(時点t22)。ここでは、右ボタンRBTの操作が開始され、右ボタンRBTの操作時間の計測が開始されたものとする。
その後、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として、音量調整用画面を非表示とさせるとともに、飾り図柄の図柄変動ゲームを開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t23)。このとき、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間が特定時間に到達するよりも前に変動パターン指定コマンドを入力したとする。この場合、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機として、操作時間タイマの更新を終了することにより、右ボタンRBTの操作時間の計測を終了する。その後、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作が終了した場合であっても、音量の指示段階を調整しない(時点t24)。なお、図示しないが、左ボタンLBTが操作された場合であって、左ボタンLBTの操作時間が特定時間に到達するよりも前に変動パターン指定コマンドを入力した場合であっても、右ボタンRBTのときと同様に、音量の指示段階を調整しないように制御する。
また、副制御用CPU31aは、図柄の変動中において、左ボタンLBT又は右ボタンRBTが操作されたことを条件として、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する(時点t25)。ここでは、右ボタンRBTが操作されたものとする。その後、副制御用CPU31aは、音量調整用画面の表示中に右ボタンRBTが操作されると、第1実施態様と同様にして、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定し、判定結果に応じた制御を行う。
例えば、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間(時点t26〜t27)が特定時間以上であると判定した場合、音量の指示段階を最大の段階(指示段階D8)に調整する(時点t27)。また、図示しないが、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間が特定時間未満であると判定した場合、音量の指示段階を1段階上げるように調整する。
また、図示しないが、副制御用CPU31aは、音量調整用画面の表示中に左ボタンLBTが操作されると、第1実施態様と同様にして、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定し、判定結果に応じた制御を行う。
さらに、図示しないが、副制御用CPU31aは、図柄の変動中において操作ボタンBTの操作が開始された場合であって、操作ボタンBTの操作時間が特定時間に到達するよりも前に変動パターン指定コマンド又はデモコマンドを入力した場合であっても、音量の指示段階を調整しないように制御する。
したがって、本実施形態では、上述した効果(1)〜(4)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(5)図柄変動ゲームが開始される前後や図柄変動が終了される前後など、図柄変動ゲームの変動状態が変化する前後では、音量調整を行う者が所望する音量の指示段階が変化することが考えられる。これに対し、本実施形態では、操作ボタンBTの操作が開始されてから操作ボタンBTの操作時間が特定時間に到達するまでの間に図柄変動ゲームの変動状態が変化した場合には、音量の指示段階を2段階以上調整する制御が行われないため、音量調整を行う者の意図に反して音量の指示段階が調整されてしまうことを抑制できる。
(第3実施形態)
図10に示すように、第3実施形態の副制御用CPU31aは、音量調整処理において、上述した実施形態と同様に、左ボタンLBT及び右ボタンRBTのうち少なくとも一方が操作されたかを判定し(ステップS21)、音量調整用画面の表示中であるか否かを判定する(ステップS22)。また、音量調整用画面の表示中である場合(ステップS22:YES)、上述した実施形態と同様に、左ボタンLBTからの操作信号を入力したかを判定する(ステップS23)。
そして、左ボタンLBTからの操作信号を入力した場合(ステップS23:YES)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を現在の指示段階よりも1段階下の指示段階に更新(調整)する(ステップS24)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を1段階下の指示段階に更新するように演出表示装置11を制御する。つまり、第3実施形態において、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかにかかわらず、左ボタンLBTの操作が開始されたことを契機として音量の指示段階を1段階下げるように調整する。なお、ステップS24において、現在の指示段階が最小の段階(指示段階D1)である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。
その後、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31c内の操作時間タイマの更新を開始するとともに、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がON状態である間、所定周期毎に操作時間タイマを更新することにより、左ボタンLBTの操作が開始されてから経過した時間を計測する。そして、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となった場合、操作時間タイマに基づいて、左ボタンLBTの操作が開始されてから経過した時間が特定時間以上であるかを判定する(ステップS25)。即ち、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作が終了されたときに、該左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する。左ボタンLBTの操作時間が特定時間未満である場合(ステップS25:NO)、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上である場合(ステップS25:YES)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を最小の段階に更新する(ステップS26)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を最小の段階に更新するように演出表示装置11を制御する。なお、ステップS26において、現在の指示段階が最小の段階である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。その後、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
また、左ボタンLBTからの操作信号を入力していない場合(ステップS23:NO)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を現在の指示段階よりも1段階上の指示段階に更新する(ステップS27)。なお、上述のように、ステップS23は、ステップS21の判定結果が肯定である場合に実行される処理である。このため、ステップS23の判定結果が否定となる場合とは、右ボタンRBTからの操作信号を入力した場合である。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を1段階上の指示段階に更新するように演出表示装置11を制御する。つまり、第3実施形態において、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかにかかわらず、右ボタンRBTの操作が開始されたことを契機として音量の指示段階を1段階上げるように調整する。なお、ステップS27において、現在の指示段階が最大の段階(指示段階D8)である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。
その後、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31c内の操作時間タイマの更新を開始するとともに、右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がON状態である間、所定周期毎に操作時間タイマを更新することにより、右ボタンRBTの操作が開始されてから経過した時間を計測する。そして、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となった場合、操作時間タイマに基づいて、右ボタンRBTの操作が開始されてから経過した時間が特定時間以上であるかを判定する(ステップS28)。即ち、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTの操作が終了されたときに、該右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する。右ボタンRBTの操作時間が特定時間未満である場合(ステップS28:NO)、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上である場合(ステップS28:YES)、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を最大の段階に更新する(ステップS29)。このとき、副制御用CPU31aは、音量調整用画面において、音量メータM1の示す指示段階を最大の段階に更新するように演出表示装置11を制御する。なお、ステップS29において、現在の指示段階が最大の段階である場合、副制御用CPU31aは、指示段階を更新しない。その後、副制御用CPU31aは、音量調整処理を終了する。
以上のような音量調整処理によれば、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが操作された場合であって、現在の指示段階が最小の段階でないときには、特定時間以上の時間に亘って操作されたか否かを判定することなく、指示段階を1段階下げるように調整する。さらに、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が最小の段階でないときには、指示段階を最小の段階となるように調整する。特に、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が指示段階D3〜指示段階D8の何れかであるときには、指示段階を2段階以上下げるように調整する。
同様に、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが操作された場合であって、現在の指示段階が最大の段階でないときには、特定時間以上の時間に亘って操作されたか否かを判定することなく、指示段階を1段階上げるように調整する。さらに、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が最大の段階でないときには、指示段階を最大の段階となるように調整する。特に、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが特定時間以上の時間に亘って操作された場合であって、現在の指示段階が指示段階D1〜指示段階D6の何れかであるときには、指示段階を2段階以上上げるように調整する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作ボタンBTの操作時間にかかわらず、操作ボタンBTが操作されたことを条件として、音量の指示段階の調整量を1段階とする第1制御が実行される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作ボタンが操作されたことを条件として第1制御が実行された後、操作ボタンBTが特定時間以上の時間に亘って操作されたことを条件として、音量の指示段階の調整量を2段階以上とする第2制御が実行される。
以下、本実施形態における音量調整の具体的な一例について説明する。まず、待機状態中に音量の調整を行う場合について説明する。
図11に示すように、副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力すると、デモ演出を開始させるように演出表示装置11を制御する(時点t31)。このとき、副制御用CPU31aは、デモ演出の開始に伴って、音量調整用画面を表示させるように演出表示装置11を制御する。その後、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが操作されると、音量の指示段階を1段階上げるように調整する(時点t32)。また、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが操作されると、右ボタンRBTの操作時間の計測を開始する。
そして、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となったことを契機として、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する(時点t33)。ここでは、右ボタンRBTの操作時間が特定時間未満であるとする。この場合、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を調整しない。
また、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが再び操作されると、音量の指示段階を1段階上げるように調整する(時点t34)。さらに、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTが操作されると、右ボタンRBTの操作時間の計測を開始する。
そして、副制御用CPU31aは、右ボタンRBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となったことを契機として、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する(時点t35)。ここでは、右ボタンRBTの操作時間が特定時間以上であるとする。この場合、副制御用CPU31aは、音量の指示段階を最大の段階(指示段階D8)に調整する(時点t35)。
なお、図示しないが、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが操作された場合にも、右ボタンRBTが操作されたときと同様にして、音量を調整する制御を行う。具体的に、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTが操作されると、音量の指示段階を1段階下げるように調整するとともに、左ボタンLBTの操作時間の計測を開始する。
そして、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となったことを契機として、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上であるかを判定する。そして、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTの操作時間が特定時間未満である場合、音量の指示段階を調整しない一方で、左ボタンLBTの操作時間が特定時間以上である場合、音量の指示段階を最小の段階(指示段階D1)に調整する。
したがって、本実施形態では、上述した効果(1)〜(5)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(6)操作ボタンBTの操作が開始されたことを契機として、音量の指示段階を調整できるため、操作ボタンBTの操作が終了するまで待つことなく、速やかに音量の調整を行うことができる。また、操作ボタンBTの操作が開始されたことを契機として音量の指示段階が調整された後にも操作ボタンBTの操作が継続された場合、該操作ボタンBTの操作時間が特定時間を経過したときには、音量の指示段階を更に調整することができるため、音量の指示段階を複数段階に亘って調整したいときの煩わしさを低減できる。したがって、音量の調整機能を充実させることができ、遊技に対する興趣を向上できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・音声演出とは異なる演出における演出の強度を調整可能であってもよい。例えば、発光演出における装飾ランプLaの光量を調整可能に構成してもよい。この場合、副制御用CPU31aは、上ボタンUBT、下ボタンDBTの操作に応じて、光量を調整可能としてもよい。光量は、音量と同様に複数段階に調整可能であり、副制御用CPU31aは上ボタンUBTが操作された場合には光量を多くし(明るくする)、下ボタンDBTが操作された場合には光量を少なく(暗くする)するように制御する。そして、副制御用CPU31aは、光量を調整するに際して、音量調整機能と同様に、操作ボタンBTの操作時間が特定時間未満である場合には、光量を1段階調整する一方で、操作ボタンBTの操作時間が特定時間以上である場合、光量を最小の光量又は最大の光量に調整する。即ち、副制御用CPU31aは、音量調整機能と同様に、操作ボタンBTの操作時間が特定時間未満である場合には、調整する段階数を1段階とする一方で、操作ボタンの操作時間が特定時間以上である場合、調整する段階数を1段階よりも多い2段階以上とすることができる。なお、本別例において、装飾ランプLaは演出実行手段に相当し、装飾ランプLaの光量は発光演出における演出の強度に相当する。
・また、演出表示装置11の光量(輝度)を調整可能に構成してもよい。この場合、演出表示装置11は演出実行手段に相当し、演出表示装置11の光量は表示演出における演出の強度に相当する。
・また、動作が可能な可動体を備え、該可動体を動作させて行う可動体演出における可動体の動作量を調整可能に構成してもよい。この場合、可動体は演出実行手段に相当し、可動体の動作量は可動体演出における演出の強度に相当する。
・操作ボタンBTの操作時間が特定時間に到達したか否かの判定を行うタイミングは適宜変更してもよく、操作ボタンBTからの操作信号の出力状態がOFF状態となったときでなくてもよい。例えば、副制御用CPU31aは、所定周期毎に操作ボタンBTの操作時間が特定時間に到達したか否かを判定してもよく、この場合、操作時間が特定時間に到達したことを契機として、操作ボタンBTの操作が継続されている期間内であっても、音量の指示段階を最小の段階又は最大の段階に調整してもよい。これによれば、操作ボタンBTの操作が終了するまで待機することなく、音量の指示段階を調整することができる。
・操作ボタンBTの操作時間を計測する方法は、適宜変更してもよい。例えば、所定周期毎に時刻を特定可能なリアルタイムクロックを備え、副制御用CPU31aは、該リアルタイムクロックから特定した時刻に基づいて、操作ボタンBTの操作時間を計測してもよい。
・第2実施形態において、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、図柄変動ゲームの変動状態が変化した場合には、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了していれば、操作時間タイマの更新を終了しなくてもよい。
・第2実施形態において、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、リーチ演出など特定の演出が開始された場合には、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了するようにしてもよい。即ち、第2実施形態のパチンコ遊技機10において、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、リーチ演出など特定の演出が開始された場合には、音量の指示段階を2段階以上調整する制御が実行されないようにしてもよい。なお、本別例では、図柄変動ゲームが開始することや図柄変動ゲームが終了することに加えて、特定の演出が開始することが、変動ゲームの変動状態が変化することに相当する。
・第2実施形態において、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、特定のエラーが発生したことを契機として図柄変動ゲームが停止された場合には、操作時間タイマの更新を終了し、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了するようにしてもよい。即ち、第2実施形態のパチンコ遊技機10において、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、特定のエラーが発生したことを契機として図柄変動ゲームが停止された場合には、音量の指示段階を2段階以上調整する制御が実行されないようにしてもよい。なお、本別例では、図柄変動ゲームが開始することや図柄変動ゲームが終了することに加えて、特定のエラーが発生したことを契機として図柄変動ゲームが停止されることが、変動ゲームの変動状態が変化することに相当する。
・また、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、図柄変動ゲームが停止されない所定のエラーが発生した場合であっても、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了するようにしてもよい。即ち、第2実施形態のパチンコ遊技機10において、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、所定のエラーが発生した場合には、音量の指示段階を2段階以上調整する制御が実行されないようにしてもよい。本別例では、所定のエラーが発生することが、変動ゲームの変動状態が変化することに相当する。なお、副制御用CPU31aは、図柄変動ゲームが実行されているか否かにかかわらず、所定のエラーの発生に伴って、所定の音声を出力したり所定の発光態様で装飾ランプLaを発光させたりすることにより、所定のエラーの発生を報知してもよい。
・また、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、特定の時刻を計時した場合や、図柄変動ゲームの始動条件が成立した場合などであっても、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了するようにしてもよい。なお、本別例では、図柄変動ゲームが開始することや図柄変動ゲームが終了することに加えて、特定の時刻を計時することや、図柄変動ゲームの始動条件が成立することなど特定の状況が発生することが、変動ゲームの変動状態が変化することに相当する。
・また、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、図柄変動ゲームのゲーム状態が変化した場合には、音量の指示段階を更新することなく音量調整処理を終了する。一方で、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから特定時間が経過するまでの間に、図柄変動ゲームのゲーム状態が変化しない場合には、所定のエラーが発生したときや特定の時刻を計時したときなどであっても、音量の指示段階を更新するようにしてもよい。ここで、図柄変動ゲームのゲーム状態が変化するとは、例えば、図柄変動ゲームが開始することや終了すること、特定の演出が開始されることなど、遊技者が視認可能な態様で図柄変動ゲームの状態が変化することである。
・第2の機能における音量の調整において調整する段階数は、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作時間が特定時間以上である場合、最小の音量又は最大の音量に調整しなくてもよく、調整する段階数を例えば3段階としてもよい。また、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作時間が特定時間未満である場合、調整する段階数を例えば2段階としてもよい。即ち、上記実施形態において、操作ボタンBTが特定時間以上の時間に亘って操作されたことを条件として調整される段階数が、操作ボタンBTが特定時間未満の時間に亘って操作されたことを条件として調整される段階数よりも多い段階数であればよい。
・音量を調整可能な段階は、適宜変更してもよい。また、第2の機能による音量の調整により、音量値を「0」に調整可能であってもよい。即ち、第2の機能による音量の調整により、消音させることが可能であってもよい。この場合、副制御用CPU31aは、第2の機能において、音量値を0(零)から予め定めた最大の音量値までの範囲で調整可能である。
・また、第2の機能による音量の調整において、音量を調整可能な段階の数は、適宜変更してもよい。このとき、例えば、音量を調整可能な段階の数を十分多くすれば、見た目上、段階的ではなく連続的に音量を調整可能とすることができる。
・副制御用CPU31aは、左ボタンLBT及び右ボタンRBTのうち何れか一方の操作について、特定時間以上の時間に亘って操作された場合であっても、音量の指示段階を2段階以上調整しないようにしてもよい。即ち、副制御用CPU31aは、左ボタンLBTによる音量を小さくする制御と、右ボタンRBTによる音量を大きくする制御とのうち何れか一方の制御について、第1制御と第2制御とを実行可能であればよく、他方の制御について、第1制御のみを実行可能とし、第2制御を実行不可能としてもよい。
・副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作時間に応じて、第2の機能により調整する指示段階の段階数を異ならせてもよい。言い換えれば、第2制御において調整される第2調整量は、操作ボタンBTが操作された時間に応じて異ならされてもよい。例えば、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されたことを契機として所定のタイマの更新を開始することにより、操作ボタンBTの操作時間を計測する。そして、操作ボタンBTの操作時間が第1時間であるときには、所定の段階数分、指示段階を調整する一方で、操作ボタンBTの操作時間が第2時間であるときには、所定の段階数よりも多い特定の段階数分、指示段階を調整するようにしてもよい。即ち、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作時間が長いほど、第2の機能により調整する指示段階の段階数を多くしてもよい。
・副制御用CPU31aは、操作ボタンBTが操作されている間、音量の指示段階を所定段階ずつ(例えば1段階ずつ)連続して調整してもよい。具体的に、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから所定時間が経過する毎に音量の指示段階を1段階調整してもよい。これによれば、音量の指示段階を2段階以上調整したい場合の操作を簡便にしつつも、最大の段階よりも1段階下の段階に調整するなどといった細かい調整が可能であるため、より音量調整機能を充実させることができる。また例えば、副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから第1時間の経過を契機として音量の指示段階を1段階調整する。その後、副制御用CPU31aは、第1時間とは異なる第2時間の経過を契機として音量の指示段階を更に2段階調整する。そして、副制御用CPU31aは、第1時間及び第2時間とは異なる第3時間の経過を契機として音量の指示段階を更に3段階調整するなど、予め定めた時間が経過する毎に、音量の指示段階を予め定めた段階数調整してもよい。
・音量を調整可能な期間は、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、待機状態中において音量を調整可能である一方で、図柄の変動中においては音量を調整不可能であってもよい。また、副制御用CPU31aは、待機状態中においては、音量の調整量を第1調整量とする第1制御と、音量の調整量を第2調整量とする第2制御の両方を実行可能とする一方で、図柄の変動中においては、第1制御と第2制御のうち第1制御のみを実行可能としてもよい。
・音量調整用画面における音量メータM1の表示態様は適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、音量調整が行われている間は、音量調整が行われていない場合に比して音量メータM1を明るく表示させるように演出表示装置11を制御してもよい。また、音量メータM1の明るさを異ならせることに代えて、透過性を異ならせてもよいし、音量メータM1の大きさ(音量メータM1が表示される表示領域の大きさ)を異ならせてもよい。また、音量調整用画面において表示される現在の音量を示す画像は、メータに限らず、例えば、音量値を示す数値などであってもよい。
・演出表示装置11は、音量調整が可能であることを示すメニュー画面(メニュー情報)を表示可能であってもよい。このメニュー画面には、例えば、音量を調整可能であることを報知する画像として[音量調整]などが提示される。そして、遊技者は、操作ボタンBTの操作によってメニュー画面から[音量調整]の項目を選択することにより音量調整用画面を表示させる。この場合、音量調整用画面が表示された後の操作ボタンBTの操作(次以降の操作)により音量が調整される。
・上記別例において、メニュー画面に提示される項目には、遊技者に提供する情報の閲覧を指示する項目を設けてもよい。このような項目としては、大当り遊技の回数、前回の大当りの種類、確率変動状態への突入回数、前回の大当り遊技の獲得賞球数などが挙げられる。
・音量の調整が可能な範囲は、音量の調整を行うときの遊技の状況に応じて異ならされていてもよい。例えば、図柄の変動中と待機状態中とで、音量の調整が可能な範囲が異ならされていてもよい。
・音量調整機能により調整可能な内容は適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU31aは、スピーカSpから出力される音声のうち、特定の音声演出において出力される音声の音量を調整可能である一方で、特定の音声演出とは異なる音声演出において出力される音声の音量を調整不可能であってもよい。具体的に、副制御用CPU31aは、図柄の変動に伴って実行される音声演出において出力される音声の音量を調整可能である一方で、エラー状態であることを報知するエラー報知において出力される音声の音量を調整不可能としてもよい。
・また、エラー報知において出力される音声は、音量調整機能により調整可能な範囲外の音量で出力されてもよい。例えば、副制御用CPU31aは、音量調整機能により調整可能な最大の音量(上記実施形態では、指示段階D8)よりも大きい音量でエラー報知を行ってもよい。
・また、副制御用CPU31aは、音のカテゴリー別に音量を調整可能であってもよい。音のカテゴリーには、例えば、「BGM(背景画像)」、「SE(効果音)」、「VOICE(音声)」、「GIMIC(可動体の動作に連動する音)」、「ERROR(エラー報知音)」を含む。そして、このような音のカテゴリー別に音量を調整可能とする場合、例えば、図柄の変動中はカテゴリーに関係なく全体の音量を調整できるように構成し、待機状態中はカテゴリー別に音量を調整できるように構成してもよい。
・図柄の変動中に特別な演出を実行させる場合、その演出中は音量を調整するための操作ボタンBTの操作を受付けない、又は操作を音量の調整に反映させない期間を設定してもよい。このような演出としては、例えば操作ボタンBTを用いる操作演出がある。その逆に、操作演出などの特別な演出中であっても、音量を調整するための操作ボタンBTの操作を受付けて音量の調整に反映させてもよい。
・パチンコ遊技機10は、音量の調整に用いる操作ボタンと操作演出に用いる操作ボタンを別々に搭載していてもよい。なお、操作ボタンを兼用する場合は、前述した別例のように操作演出中は音量の調整を行えないように構成するとよい。
・副制御用CPU31aは、大当り遊技中に音量を調整可能であってもよい。例えば、歌手をモチーフとするような楽曲を重視した仕様のパチンコ遊技機10であれば、大当り遊技中に特別な楽曲が流れたり、遊技者が自身の好みで選択した楽曲が流れるように構成されている場合もある。このため、このような仕様のパチンコ遊技機10であれば、大当り遊技中に音量調整を行えると、カスタマイズ機能の充実に貢献でき、興趣の向上を図り得る。
・本実施形態において、副制御用CPU31aは、音量調整用画面が表示されている状態で操作ボタンBTを操作することにより音量を調整したが、これに限らない。例えば、副制御用CPU31aは、音量調整用画面が表示されていない状態で操作ボタンBTが操作された場合に、音量を調整するとともに、音量調整用画面を表示させるように制御してもよい。
・主制御用CPU30aは、特別図柄の始動保留数と普通図柄の始動保留数の両方が0(零)となったときにデモコマンドを出力するようにしてもよい。この場合、デモ演出(待機状態)は、普通図柄の変動の開始を契機に終了するようにしてもよい。
・主制御用CPU30aは、遊技盤YBへの遊技球の発射が停止されたことを条件として、デモコマンドを出力するようにしてもよい。この場合、主制御用CPU30aは、遊技盤YBから機外へ排出される遊技球を検出する排出球センサ(アウト口センサ)を備え、最後に排出球センサによって遊技球が検出されてから予め定めた時間が経過したことを契機として、デモコマンドを出力するようにするとよい。また、主制御用CPU30aは、最後に排出球センサによって遊技球が検出されてから予め定めた時間が経過し、且つ特別図柄の始動保留数が0(零)となったときにデモコマンドを出力してもよい。また、主制御用CPU30aは、最後に排出球センサによって遊技球が検出されてから予め定めた時間が経過し、且つ特別図柄の始動保留数と普通図柄の始動保留数の両方が0(零)となったときにデモコマンドを出力してもよい。
・デモ演出の実行態様は、適宜変更してもよい。例えば、図柄表示デモ及びムービー演出デモとは異なるデモ演出を備えてもよいし、ムービー表示デモを実行させなくてもよい。また、図柄表示デモやムービー表示デモの演出時間を変更してもよい。また、副制御用CPU31aは、デモコマンドを入力してから予め定めた時間が経過したことを契機にデモ演出を開始してもよい。
・設定器33で設定可能な音量段階の段階数は任意に変更してもよく、10段階よりも多い段階数としてもよいし、又は少ない段階数としてもよい。また、操作ボタンBTの操作で設定可能な指示段階の段階数は任意に変更してもよく、8段階よりも多い段階数としてもよいし、又は少ない段階数としてもよい。また、音量段階と指示段階は同一の段階数であってもよいし、音量段階と指示段階は異なる段階数であってもよい。異なる段階数の場合、音量段階の方が指示段階よりも段階数が多くてもよいし、その逆に少なくてもよい。また、例えば、設定器33で設定可能な音量段階の段階数を十分多くすれば、見た目上、段階的ではなく連続的に音量を調整可能とすることができる。
・設定器33で設定可能な段階として、調整用や消音用の段階を備えていなくてもよい。また例えば、調整用音量の段階として、複数の段階を備えていてもよい。
・遊技用音量の段階における音量値よりも小さい音量値を特定する調整用音量の段階に代えて、又は加えて、遊技用音量の段階における音量値よりも大きい音量値を特定する調整用音量の段階を備えてもよい。
・調整用音量の段階は、何れの指示段階に調整されている場合であっても同じ音量値を特定するようになっていてもよい。つまり、副制御用CPU31aは、設定器33により調整用音量の段階が設定されている場合、指示段階にかかわらず同一の音量値で音声を出力するように制御してもよい。
・副制御用CPU31aは、設定器33により消音用音量の段階が設定されている場合であっても、音量調整用画面を表示させる制御及び、操作ボタンBTの操作に応じて音量メータM1の示す段階を変更する制御が可能であってもよい。即ち、各実施形態では、消音用音量の段階が設定されている場合であっても、見た目上、音量メータM1の示す段階を変更することができる一方で、出力される音声の音量を変更しないように制御してもよい。また、上記別例のように、調整用音量の段階について、指示段階にかかわらず同一の音量値で音声を出力するように制御する場合も同様に、見た目上、音量メータM1の示す段階を変更することができる一方で、出力される音声の音量を変更しないように制御してもよい。
・音量段階から特定される音量値(音量)は任意に変更することができる。この音量値は、所望の音量の音を出力できるように設定されていればよい。なお、音量段階から特定される音量値を変更する場合は、その変更に合わせて指示段階から特定される音量値(音量)も変更する。
・設定器33の配置は任意に変更してもよい。設定器33は、遊技者が操作不能であれば、遊技機の本体内部に配置されている必要はない。例えば、遊技機の本体外部(例えば、貯留皿の上面など)に配置されていても、操作するために専用の鍵などを必要とする構成であれば遊技者は操作不能となる。
・設定器33の具体的な構成は任意に変更することができる。つまり、電源投入前に設定することができる構成であれば具体的な構成は限定されない。例えば、ディップスイッチでもよい。
・音量調整のために遊技者が操作可能とする操作手段の具体的な構成は任意に変更してもよい。例えば、タッチ式の操作手段、ダイアル式の操作手段、レバー式の操作手段でもよい。
・副制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作態様に応じて、音量を調整する段階数を異ならせてもよい。例えば、副制御用CPU31aは、予め定めた時間内に操作ボタンBTが1回操作されたことを条件として、音量を調整する段階数を所定段階とする一方で、予め定めた時間内に操作ボタンBTが2回操作されたことを条件として、音量を調整する段階数を所定段階の2倍よりも多い特定段階としてもよい。即ち、副制御用CPU31aは、所定の操作手段が予め定めた第1操作態様で操作されたことを条件として、音量の調整量を第1調整量とする第1制御を実行する一方で、所定の操作手段が予め定めた第2操作態様で操作されたことを条件として、音量の調整量を第2調整量とする第2制御を実行するようにしてもよい。なお、本別例において、操作手段の操作態様には、予め定めた時間内に1又は複数回操作することの他、例えば、操作手段を所定の操作量で操作することや、所定の操作方向に操作すること、複数の操作手段のうちの何れかを操作すること、複数の操作手段を所定の順序で操作することなどを含む。
・副制御用CPU31aは、所定のタイミングで、第2の機能による音量の調整を初期化し、第1の機能により設定した音量段階へ復帰するように制御してもよい。所定のタイミングは、例えば、ムービー演出デモから図柄表示デモへ移行するタイミングとしてもよい。
・設定器33に設定した音量段階へ復帰する条件は、例えば遊技機の電源を再投入することであってもよい。また、自動に復帰することに代えて、復帰用の操作手段などを設けてもよい。この復帰用の操作手段は、遊技者と遊技場の管理者のそれぞれが操作できてもよいし、遊技場の管理者のみが操作できてもよい。
・設定器33に設定した音量段階へ復帰させる処理において、現在の指示段階から特定される音量値が、設定器33に設定した音量段階から特定される音量値未満であることを条件にして復帰させてもよい。換言すれば、この処理では、現在の指示段階から特定される音量値が、設定器33に設定した音量段階から特定される音量値よりも大きい場合は現在の指示段階を維持してもよい。この処理は、設定器33に設定した音量段階よりも大きな音量の場合にはそのまま維持し、音量が小さくなっている場合に復帰させることを意図している。これにより、例えば、次の遊技者に聞き取り難いという印象を与え難い。
・また、前述した別例とは逆に、現在の指示段階から特定される音量値が、設定器33に設定した音量段階から特定される音量値よりも大きいことを条件にして復帰させてもよい。換言すれば、この処理では、現在の指示段階から特定される音量値が、設定器33に設定した音量段階から特定される音量値以下の場合は現在の指示段階を維持してもよい。この処理は、設定器33に設定した音量段階以下の音量の場合にはそのまま維持し、音量が大きくなっている場合に復帰させることを意図している。これにより、例えば、次の遊技者が遊技を始めた直後にいきなり大音量の音を聞き、不快感を与えることを抑制できる。
・バックアップ機能を搭載したパチンコ遊技機10などの遊技機には、主制御基板30に記憶されているバックアップ情報(例えば、主制御用RAM30cの記憶内容)を電源投入時にクリアするRAMクリア機能が搭載してもよい。このため、RAMクリア処理の実行後、所定時間が経過する迄の間は、操作ボタンBTの操作による音量の調整を行えないようにしてもよい(操作ボタンBTの操作を受付けない)。この構成によれば、不正対策の一環としてRAMクリアが行われている際にその旨を音声出力などで報知する遊技機において、音量の調整によって報知音が聞こえなくなることを抑制できる。つまり、不正の発覚を妨げないようにすることができる。なお、バックアップ機能は、主制御基板30のみが搭載していてもよいし、主制御基板30と副制御基板31の両基板が搭載していてもよい。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。
・また、単一の基板に主制御基板30の主制御用CPU30aと副制御基板31の副制御用CPU31aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、又は複数の基板としてもよい。
・演出表示装置11として、主に演出表示を行う主表示装置(例えばメイン液晶)と付加的に演出表示を行う副表示装置(例えばサブ液晶)を搭載している場合、音量調整用画面(音量メータM1)を副表示装置に表示させるようにしてもよい。
・特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、1種類の特別図柄を用いるパチンコ遊技機、複数の大入賞口を有するパチンコ遊技機、又は単一の始動口を有するパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・遊技球が特定領域を通過することを契機に当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・「羽根モノ」、「ヒコーキタイプ」とも言われる第2種に分類されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入球口へ入球することによって当り遊技(特別遊技)が生起される。
・遊技球が特定領域を通過することを契機に確変状態を付与するパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、所定の乱数を用いて行う転落抽選に当選した場合に確変状態を終了するパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載していないパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、入球率向上機能を搭載していないパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・音量調整機能を搭載する遊技機として、回胴式遊技機に具体化してもよい。回胴式遊技機には、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンや、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンを含む。このようにパチンコ遊技機とは異なる遊技機においても、音量調整機能による音量調整を行うことができる。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)前記第2調整量は、前記操作手段が操作された時間に応じて異なる。
(ロ)演出実行手段と、前記演出実行手段が実行する演出の強度を調整可能な強度調整手段と、操作手段と、を備え、前記操作手段が第1操作態様で操作されたことを条件として、前記演出の強度の調整量を予め定めた第1調整量とする第1制御が実行される一方で、前記操作手段が第2操作態様で操作されたことを条件として、前記演出の強度の調整量を前記第1調整量よりも多い第2調整量とする第2制御が実行されることを特徴とする遊技機。