JP6513725B2 - レバー式開閉弁とそれを用いた散布杆 - Google Patents

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この発明は、軸支されたレバーを手で掴んで流体通路を閉じた弁部を開かせるレバー式開閉弁、特に、作業者が両手で抱えて操作する杆に取り付けて杆を掴んだ手で操作することを可能にしたレバー式開閉弁と、それを用いた液体散布用の散布杆に関する。
軸支されたレバーを手で掴んで開弁させるレバー式開閉弁は、ハンドガンタイプの液体噴射装置に利用されている。そのレバー式開閉弁を備えるハンドガンタイプの液体噴射装置の従来例として、例えば、本出願人が下記特許文献1で提案しているものがある。
また、液体を散布する散布杆(噴霧杆と称されている)の従来例として、例えば、下記特許文献2に示されるものがある。
特許文献1の液体噴射装置に採用されているレバー式開閉弁は、液体噴射装置の本体に軸支されたレバーを引くと、開閉弁の弁体が押し動かされて弁座から離反し、弁部が開く。また、レバーを復帰させると、弁体がスプリングの力で弁座に押し当てられ、弁部が閉じる。
特許文献2の散布杆は、作業者が両手で掴んで操作する操作杆(把手管)の先端に、噴霧ノズル管を延長状態に接続したものである。噴霧ノズル管は、薬液導管に多数の噴霧ノズルを設けた管である。
この種の散布杆は、全長が長く、重量もある。そのために、片手での操作は難しく、操作杆を両手で掴んで操作する。
特開2016−168531号公報 実開平1−137758号公報
特許文献2に示された散布杆は、散布液を操作杆(把手管)の内部に通して噴管(噴霧ノズル管)に流すようにしているが、散布液を、ホースを経由して操作杆の外部から噴管に送り込む散布杆も存在する。
散布液を操作杆の内部に通す散布杆については、操作杆の根元部に内部の流路を開閉するコック式の開閉弁を組み込むことができる。
これに対し、散布液をホース経由で操作杆の外部から噴管に送り込む散布杆では、ホースの長手途中に開閉弁を組み込む必要がある。
特許文献1に示されたレバー式の開閉弁は、ハンドガン用に設計されたものであって、
ホースの長手途中に配置する開閉弁としては使い辛い。そこで、ホースの長手途中に組み込む開閉弁は、レバーを揺動させて弁体を回転させるコック式のものが多用されている。
ところが、散布杆から独立させたそのような開閉弁を操作するには、開閉弁を操作する側の手を操作杆から離す必要があり、そのために、散布杆の操作に支障を来たすなどの不具合があった。
この発明は、操作杆を掴んだ手を離さずに掴んだ手で操作できるレバー式開閉弁とそれを用いた操作性に優れる散布杆を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、下向き開口のボア穴、そのボア穴に連通した液体導入口及び液体送出口を有するハウジングと、このハウジングの先端側の下部に水平配置の支軸を用いて先端部を軸支したレバーと、入力軸を備えた弁体と、前記ボア穴に組み込まれるガイドスリーブと、そのガイドスリーブに保持される弁座と、前記弁体を前記弁座に押し当てる閉弁用スプリングとを具備し、
前記ガイドスリーブは、前記液体導入口に通じた部屋と前記液体送出口に通じた部屋との間において前記ボア穴に液密に挿入される隔壁部と、前記ボア穴の開口部に液密に固定されるボア穴の開口閉鎖部材を兼用したスライドガイド部と、前記液体導入口と液体送出口間に配置される中継流路とを有し、
前記入力軸が、前記ガイドスリーブの軸心部に液密、かつ、スライド自在に挿通され、その入力軸のハウジング外部への突出部が前記支軸を支点にして回動させた前記レバーによって突き上げられて前記弁体と前記弁座とによって構成された弁部が開かれ、それにより、前記中継流路経由で前記液体導入口と液体送出口が連通するように構成され、
さらに、前記ハウジングの上部に、パイプで構成された操作杆に外嵌して装着されるグリップ兼用の連結具が前記レバーに沿うように設けられているレバー式開閉弁を提供する。
このレバー式開閉弁は、開弁位置に回動させた前記レバーを開弁位置に保持するロック機構を備えたものが好ましい。そのロック機構は、前記特許文献1に開示されたようなものでよい。
この発明は、作業者が両手で掴んで操作する操作杆と、噴霧ノズルを有する噴管と、前記噴管に接続した散布液供給用のホースと、そのホースの内部流路を開放、遮断する開閉弁を有し、前記噴管が前記操作杆の先端に延長状態に接続された散布杆であって、
前記開閉弁として前記この発明のレバー式開閉弁を有し、
前記連結具が前記操作杆の後端近くに外嵌、装着されて前記レバー式開閉弁が操作杆の下部に垂下して取り付けられ、そのレバー式開閉弁のハウジングの液体送出口に前記ホースの後端が接続された散布杆も併せて提供する。
この発明のレバー式開閉弁は、ハウジングの上部に、操作杆に対して外嵌、固定されるグリップ兼用の連結具を備えており、その連結具を掴んだ手でレバーを操作することができる。
そのため、このレバー式開閉弁を用いた散布杆は、操作杆を掴んだ手を離さずに掴んだ手で開閉弁の開閉操作を行なうことができ、散布杆の操作に支障を来たすことがなくなって、使い勝手が向上し、薬液などの安定した散布を行なうことができる。
この発明のレバー式開閉弁の一例を閉弁状態にして示す断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図1のレバー式開閉弁を開弁状態にして示す断面図である。 図1のレバー式開閉弁の側面図である。 図1のレバー式開閉弁の図4とは反対側の側面図である。 この発明の散布杆の一例を示す側面図である。 図6の散布杆の全体を示す斜視図である。 図6の散布杆のレバー式開閉弁の取り付け部の詳細を示す斜視図である。
以下、この発明のレバー式開閉弁とそれを用いた散布杆の実施の形態を、添付図面の図1〜図8に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、レバー式開閉弁(以下では単に開閉弁と言う)1は、ハウジング2、レバー3、弁体4、ガイドスリーブ5、弁座6、スプリング7、連結具8、ロック機構9を組み合わせて構成されている。
ハウジング2は、下向き開口のボア穴2aと、そのボア穴に連通した液体導入口2b及び液体送出口2cと、管継手を取り付けるソケット部2d、2eを有している。
ソケット部2dには、管継手11が、ソケット部2eには管継手12がそれぞれ液密に取り付けられている。
管継手11には、ポンプ(図示せず)に汲み上げられた散布液を開閉弁1に送り込むホース13が接続される。また、管継手12には、開閉弁1を通過した散布液を噴管22(図6、図7参照)に流すホース14が接続される。
レバー3は、先端部がハウジング2の先端側の下部に水平配置の支軸10を用いて回動可能に軸支されている。また、弁体4は、一体に形成された入力軸4aを備えている。
レバー3は、図1の位置からの図中時計回りの方向への回動が、図示しない過剰復帰規制部によって阻止されており、図1の位置からは、反時計周りの方向へのみ動くことができる。
ガイドスリーブ5は、ハウジング2のボア穴2aに組み込まれる部材であって、液体導入口2bに通じた部屋C1と液体送出口2cに通じた部屋C2との間においてボア穴2aに液密に挿入される隔壁部5aと、ボア穴2aの開口部に液密に固定されるスライドガイド部5bと、液体導入口2bと液体送出口2c間に配置される中継流路5cとを有している。
スライドガイド部5bは、弁体4の移動をガイドする部材であって、ボア穴の開口閉鎖部材を兼用している。
このスライドガイド部5bには、スリーブ5dが液密に取り付けられており、そのスリーブ5dに弁体4の入力軸4aがスライド自在に挿通されている。その入力軸4aのハウジング2から外部に突出した部位の突端(下端)は、レバー3の長手途中に設けられた入力軸受け面3aに対面している。
弁座6は、中継流路5cの入口部に配置されてガイドスリーブ5の隔壁部5aに保持されている。その弁座6に対して弁体4がスプリング7の力で押し当てられて弁体4と弁座6とで構成される弁部が閉じられるようになっている。
連結具8は、ハウジング2の上部に設けられている。レバー3に沿う向きにしてハウジング2に連結、固定されたその連結具8は、半割スリーブ(2個の半円筒部材を対向させて連結したスリーブ)で構成されたグリップ兼用の部材であり、パイプで構成された操作杆21に外嵌して装着される。
その連結具8の操作杆21に対する装着により、開閉弁1が操作杆に取り付けられる。連結具8は、先端下部にTスロット8aを有している。そのTスロット8aに、ハウジング2の上部に設けた断面T字状のジョイント部2fが抜き差し可能に差し込まれてハウジング2が連結具8から取り外し可能になっている。この構造は、操作杆21に対する連結具8とハウジング2の装着が容易に行なえる利点があるが、ハウジング2と連結具8は、一体に形成されていてもよい。
なお、図1〜図5に示したホース13、14は、開閉弁1の構成要素ではない。
以上の通りに構成された例示のレバー式開閉弁1は、連結具8によって構成された操作杆21のグリップを片方の手で掴み、そのグリップを掴んだ手でレバー3を操作する。
レバー3は、入力部(後部側)を指を掛けて上向きに引き動かすと、支軸10を支点にして図1において反時計回りの方向に回動する。その回動により、レバー3の入力軸受け面3aが変位してその入力軸受け面3aにより入力軸4aが突き上げられ、弁体4が弁座6から離反して弁体4と弁座6とで構成される弁部が開く(開弁する)。
また、レバー3の握りを解除すると、スプリング7の力で弁体が押し戻されて弁座6に接し、前記弁部が閉じる(閉弁する)。
例示の開閉弁1は、レバー3の入力部3bを引き上げるとロック機構9が作動して開弁状態の保持がなされる。
ロック機構9は、前掲の特許文献1に示されたものであって、ハウジング2に設けた係止用凹部9aと、レバー3に設けた係止爪9bと、この係止爪9bをロック方向に付勢するばね9cと、このばねの力に抗して係止爪9bを係止用凹部9aから外すロック解除カム9dの各要素によって構成されている。
ロック解除カム9dは、レバー3にピンを用いてピボット結合させており、レバー3を操作した手の人差し指などで回動させる。その回動操作により、ロック解除カム9dに接した係止爪9bがばね9cの力に抗する方向に押し動かされて係止用凹部9aに対する係止爪9bの係止が解ける。
ロック機構9は、図示の構造のものに限定されない。また、このロック機構9は、好ましい要素であるが、必須ではない。
次に、図6〜図8に基づいてこの発明の散布杆の実施の形態を説明する。
図6、図7に示すように、例示の散布杆20は、操作杆21と、噴管22と、既述の開閉弁1と、これも既述のホース14を組み合わせて構成されている。
操作杆21は、パイプで構成されたものであって、外周にグリップ21bを有している。そのグリップ21bと操作杆21の任意箇所を作業者が手で掴んで散布杆20を操作する。
噴管22は、散布液を導入する導管22aと、その導管に取り付けた複数の噴霧ノズル22bを備えた管であって、操作杆21の先端に延長状態に接続されている。
開閉弁1は、図1〜図5で述べたものであって、グリップ21bを兼用した連結具8が操作杆21の根元(後端)付近に外嵌、装着されて操作杆21に垂下状態に取り付けられている。
ホース14は、ホースカバー21aを取り付けた位置から先端部が操作杆21内に引き込まれ、操作杆21の先端側の内部において導管22aの後端に接続されている。また、そのホース14の後端は、開閉弁のハウジング2に取り付けられた管継手12を介して開閉弁1の液体送出口2c(図1参照)に接続されている。
そのホース14は、操作杆21にホースホルダ15を取り付けて長手途中をそのホースホルダ15で保持すると垂れ下がりを防止することができる。
開閉弁1のハウジング2に取り付けられた管継手11(図2参照)には、ホース13が接続され、そのホース13と液体導入口2bを経由してポンプに汲み上げられた散布液が開閉弁1に送り込まれる。
このように構成された散布杆20は、薬液などの散布を行なう作業者が、操作杆21に設けられたグリップ21bを例えば左手で、連結具8によって構成されたグリップ21b(グリップ21b兼用の連結具8)を右手でそれぞれ掴み、開閉弁1を操作して開弁させ、この状態で杆の全体を左右に振るなどして液体の散布を行なう。
この際の、散布の実施、停止は、グリップ21b兼用の連結具8を掴んだ手でその連結具8を掴んだままレバー3やロック解除カムを操作して切り替える。
なお、操作杆21は、外パイプとその外パイプにスライド自在に挿入する内パイプを組み合わせた、長さ調整の可能な伸縮式の杆であってもよい。
1 レバー式開閉弁
2 ハウジング
2a ボア穴
2b 液体導入口
2c 液体送出口
2d,2e ソケット部
2f ジョイント部
C1 液体導入口に通じた部屋
C2 液体送出口に通じた部屋
3 レバー
3a 入力軸受け面
3b 入力部
4 弁体
4a 入力軸
5 ガイドスリーブ
5a 隔壁部
5b スライドガイド部
5c 中継流路
5d スリーブ
6 弁座
7 スプリング
8 連結具
8a Tスロット
9 ロック機構
9a 係止用凹部
9b 係止爪
9c ばね
9d ロック解除カム
10 支軸
11、12 管継手
13、14 ホース
15 ホースホルダ
20 散布杆
21 操作杆
21a ホースカバー
21b グリップ
22 噴管
22a 導管
22b 噴霧ノズル

Claims (3)

  1. 下向き開口のボア穴(2a)、そのボア穴に連通した液体導入口(2b)及び液体送出口(2c)を有するハウジング(2)と、このハウジングの先端側の下部に水平配置の支軸(10)を用いて先端部を軸支したレバー(3)と、入力軸(4a)を備えた弁体(4)と、前記ボア穴(2a)に組み込まれるガイドスリーブ(5)と、そのガイドスリーブに保持される弁座(6)と、前記弁体(4)を前記弁座(6)に押し当てる閉弁用のスプリング(7)とを具備し、
    前記ガイドスリーブ(5)は、前記液体導入口(2b)に通じた部屋(C1)と前記液体送出口(2c)に通じた部屋(C2)との間において前記ボア穴(2a)に液密に挿入される隔壁部(5a)と、前記ボア穴(2a)の開口部に液密に固定されるボア穴(2a)の開口閉鎖部材を兼用したスライドガイド部(5b)と、前記液体導入口(2b)と液体送出口(2c)間に配置される中継流路(5c)とを有し、
    前記入力軸(4a)が、前記ガイドスリーブ(5)の軸心部に液密、かつ、スライド自在に挿通され、その入力軸(4a)のハウジング外部への突出部が前記支軸(10)を支点にして回動させた前記レバー(3)によって突き上げられて前記弁体(4)と弁座(6)とによって構成された弁部が開かれ、それにより、前記中継流路(5c)経由で前記液体導入口(2b)と液体送出口(2c)が連通するように構成され、
    さらに、前記ハウジング(2)の上部に、パイプで構成された操作杆(21)に外嵌して装着されるグリップ兼用の連結具(8)が前記レバー(3)に沿うように設けられているレバー式開閉弁。
  2. 開弁位置に回動させた前記レバー(3)を開弁位置に保持するロック機構(9)を備えた請求項1に記載のレバー式開閉弁。
  3. 作業者が両手で掴んで操作する操作杆(21)と、噴霧ノズル(22b)を有する噴管(22)と、前記噴管(22)に接続した散布液供給用のホース(14)と、そのホースの内部流路を開放、遮断する開閉弁を有し、前記噴管(22)が前記操作杆(21)の先端に延長状態に接続された散布杆であって、
    前記開閉弁として請求項1又は請求項2に記載のレバー式開閉弁(1)を有し、
    前記連結具(8)が前記操作杆(21)の後端近くに外嵌、装着されて前記レバー式開閉弁(1)が操作杆(21)の下部に垂下状態に取り付けられ、そのレバー式開閉弁(1)のハウジングの液体送出口(2c)に前記ホース(14)の後端が接続された散布杆。
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